JP4230196B2 - 位置決め演算方法および位置決め演算装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアーム体と各アーム体を回転自在に連結する関節部を有する多関節マニピュレータの各アーム体の相対回転角度を求める位置決め演算方法および位置決め演算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、傾斜関節部によって2つのアーム体を連結する多関節マニピュレータが提案されている。傾斜関節部は、連結される2つのアーム体に関して、一方のアームを他方のアームに対して円錐回転自在に連結する。円錐回転するアーム体は、各アーム体の軸線に所定角度傾斜した回転軸線まわりに回転する(たとえば、特許文献1参照〜特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭62−148182号公報
【特許文献2】
特開昭56−163624号公報
【特開昭文献3】
特開2001−138279号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
たとえば多関節マニピュレータは、直列に設けられる複数のアーム体と、隣接する2つのアーム体を回転自在に連結する複数の関節部とを有する。各関節部は、傾斜関節部と同軸関節部とを有する。同軸関節部は、隣接する2つのアーム体を、その各アーム体の軸線と同軸の回転軸線まわりに回転自在に連結する。また傾斜関節部は、アーム体の軸線に対して傾斜する回転軸線まわりに円錐回転自在に連結する。
【0005】
多関節マニピュレータは、先端部に連結される手先装置を予め定める経路に沿って移動させる。多関節マニピュレータによって手先装置を移動させるためには、手先装置の運動を各アーム体の回転運動に変換する必要がある。すなわち手先装置が配置される位置および姿勢に基づいて、各アーム体の回転角度を求める逆変換を行う必要がある。
【0006】
特許文献2に開示される従来の技術では、同軸関節部、傾斜関節部、同軸関節部、傾斜関節部、同軸関節部、傾斜関節部、同軸関節部の順に並んで各アーム体を連結する7つの関節部を有する多関節マニピュレータでなければ逆変換を行うことができない。すなわち7つ未満の関節部を有する多関節マニピュレータでは、逆変換して解析解を得ることができない。したがって6つ以下の関節部を有する多関節マニピュレータは、存在しなかった。
【0007】
仮に6つの関節部を有する多関節マニピュレータが存在したとしても、逆変換するためには複雑な連立方程式を解く必要がある。この複雑な方程式を求める場合には、数式処理プログラムを実行するコンピュータを用いても、その解析解の導出が困難である。したがって6つ以下の関節部を有する多関節マニピュレータの場合には、収束演算法、たとえばニュートンラプソン法などによって各アーム体の回転角度を求めなければならない。このように収束演算によって各アーム体の回転角度を求める場合には、各アーム体の回転角度を短時間で求めることができない。
【0008】
また特許文献3に開示される従来の技術として、補間近似して各アーム体の回転角度を求める方法がある。この方法は、解析的な順変換式によって、各アーム体の回転角度を決定した場合の多関節マニピュレータの先端部の代表点を求め、複数の代表点における各アーム体の回転角度をデータベース化して予め記憶しておく。逆変換するにあたっては、記憶しているデータベースから補間近似して各アーム体の回転角度を求める。このようにして得られる各アーム体の回転角度は、近似解であるので7つ未満の関節部を有する多関節マニピュレータの先端部を正確な位置および姿勢に位置決めすることができない。
【0009】
図10は、補間近似して姿勢制御される多関節マニピュレータ1の一部を示す図である。従来、多関節マニピュレータ1は、手先装置10が代表点に配置されたときの各アーム体の回転角度を記憶している。たとえば第1の代表点Aから第2の代表点Bに手先装置10を移動させる場合、多関節マニピュレータ1は、手先装置10が第1の代表点Aにあるときの各アーム体の回転角度と、手先装置10が第2の代表点Bにあるときの各アーム体の回転角度とをデータベースから読出す。次に手先装置10が第1の代表点Aにあるときの各アーム体の回転角度と、手先装置10が第2の代表点Bにあるときの各アーム体の回転角度とを複数の段階に補間した各回転角度を演算する。多関節マニピュレータ1は、補間した各回転角度に各アーム体を回転させて、手先装置10を第1の代表点Aから第2の代表点Bに移動させる。
【0010】
この場合、各アーム体は補間近似した回転角度に動作するので、正確に手先装置10を位置決めすることができない。したがって手先装置10を、予め定める移動経路に沿ってスムーズに移動させることができないという問題がある。
【0011】
また手先装置10を目標の位置および姿勢にするための、各アーム体の各回転角度は、複数の組合せが存在する。しかし上述したように収束演算または補間近似によって各アーム体の回転角度を求める場合には、各回転角度のうち1つの組合せしか求めることができない。したがって最適なアーム体の回転角度の組合せを求めることができないという問題がある。
【0012】
以上のように従来の技術では、6つ以下の関節部を有する多関節マニピュレータでは、手先装置10を目標とする位置および姿勢に配置するときに各アーム体の回転角度を解析的に求めることができない。したがって手先装置を目標とする位置および姿勢に高速かつ正確に配置することができない。また各アーム体の角度の複数の組合せを求めることができないという問題がある。
【0013】
したがって、本発明の目的は、対象物が目標とする位置および姿勢に配置されるときの各アーム体の角度を解析的に求めることができる位置決め演算方法および位置決め演算装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基台と、基台に直列に順に並んで設けられる第1〜第6のアーム体と、第6のアーム体に固定される対象物と、隣接する2つのアーム体を各アーム体の軸線と同軸の回転軸線まわりに回転自在に連結する同軸関節部と、隣接する2つのアーム体をこれら2つのアーム体の軸線に対して傾斜する回転軸線まわりに回転自在に連結する傾斜関節部とを有し、第1のアーム体は、基台に回転自在に連結され、第1のアーム体と第2のアーム体との回転関節軸が、傾斜関節部であり、基台と第1のアーム体との回転軸線と、第1のアーム体と第2のアーム体との回転軸線と、第2のアーム体と第3のアーム体との回転軸線とが交差する3軸交点を有する多関節マニピュレータの各アーム体の相対回転角度を求める演算方法であって、
前記第1〜第6のアーム体がこの順に並んで設けられる多関節マニピュレータのモデルを真のモデルとし、
アーム体の並び順が真のモデルと同じであり、対象物に対して基台の位置を制御する形態のモデルを反転モデルとし、
真のモデルの座標系の原点は基台に固定され、相互に直交するx軸、y軸およびz軸を有する真のモデルの座標系において、対象物の位置および姿勢が入力される入力工程と、
反転モデルの座標系の原点は対象物に固定され、多関節マニピュレータが真のモデルの座標系から見た対象物の位置および姿勢を実現する各関節軸角度をとった際の、反転モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を演算する工程と、
反転モデルにおける演算された反転モデルの座標系に対する基台の位置および姿勢に基づいて、反転モデルにおける前記3軸交点の、反転モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標を求める3軸交点演算工程と、
反転モデルにおいて、反転モデルの第6のアーム体に対する第5のアーム体の回転角度である第1角度、第5のアーム体に対する第4のアーム体の回転角度である第2角度、第4のアーム体に対する第3のアーム体の回転角度である第3角度を変数として用い、反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標を表すx座標式と、反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標に反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標から反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、反転モデルの第1〜第3角度を求める第1〜第3角度演算工程と、
これら反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する基台の姿勢および第1〜第3角度に基づいて、反転モデルの第3のアーム体に対する第2のアーム体の回転角度である第4角度、第2のアーム体に対する第1のアーム体の回転角度である第5角度、および第1のアーム体に対する基台の回転角度である第6角度を求める第4〜第6角度演算工程と、
反転モデルの第1〜第6角度を真のモデルの第1〜第6角度に変換する工程とを含むことを特徴とする位置決め演算方法である。
本発明は、基台と、基台に直列に順に並んで設けられる第1〜第6のアーム体と、第6のアーム体に固定される対象物と、隣接する2つのアーム体を各アーム体の軸線と同軸の回転軸線まわりに回転自在に連結する同軸関節部と、隣接する2つのアーム体をこれら2つのアーム体の軸線に対して傾斜する回転軸線まわりに回転自在に連結する傾斜関節部とを有し、第1のアーム体は、基台に回転自在に連結され、第1のアーム体と第2のアーム体との回転関節軸が、傾斜関節部であり、基台と第1のアーム体との回転軸線と、第1のアーム体と第2のアーム体との回転軸線と、第2のアーム体と第3のアーム体との回転軸線とが交差する3軸交点を有する多関節マニピュレータの各アーム体の相対回転角度を求める演算装置であって、
前記第1〜第6のアーム体がこの順に並んで設けられる多関節マニピュレータのモデルを真のモデルとし、
アーム体の並び順が真のモデルと同じであり、対象物に対して基台の位置を制御する形態のモデルを反転モデルとし、
真のモデルの座標系の原点は基台に固定され、相互に直交するx軸、y軸およびz軸を有する真のモデルの座標系において、対象物の位置および姿勢が入力される入力手段と、
反転モデルの座標系の原点は対象物に固定され、多関節マニピュレータが真のモデルの座標系から見た対象物の位置および姿勢を実現する各関節軸角度をとった際の、反転モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を演算し、反転モデルにおける演算された反転モデルの座標系に対する基台の位置および姿勢に基づいて、反転モデルにおける前記3軸交点の、反転モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標を求め、反転モデルにおいて、反転モデルの第6のアーム体に対する第5のアーム体の回転角度である第1角度、第5のアーム体に対する第4のアーム体の回転角度である第2角度、第4のアーム体に対する第3のアーム体の回転角度である第3角度を変数として用い、反転モデルの座標系に対する前記における3軸交点のx座標を表すx座標式と、反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標に反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標から反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、反転モデルの第1〜第3角度を求め、これら反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する基台の姿勢および第1〜第3角度に基づいて、反転モデルの第3のアーム体に対する第2のアーム体の回転角度である第4角度、第2のアーム体に対する第1のアーム体の回転角度である第5角度、および第1のアーム体に対する基台の回転角度である第6角度を求め、反転モデルの第1〜第6角度を真のモデルの第1〜第6角度に変換する演算手段と、
演算手段が演算した演算結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする位置決め演算装置である。
【0015】
本発明に従えば、姿勢制御対象とする多関節マニピュレータの第6のアーム体に対象物が固定され、対象物に対して基台の位置を制御する形態のモデルを反転モデルとし、真のモデルの座標系において対象物の位置および姿勢が入力され、反転モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を演算し、3軸交点の、反転モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標を求め、反転モデルの座標系に対して、第1〜第3角度を変数として用い、x座標式とyz加算座標式とyz減算座標式とを含む座標式を解いて、反転モデルの第1〜第3角度を求め、さらに第4〜第6角度を求め、こうして得られた反転モデルの第1〜第6角度を真のモデルの第1〜第6角度に変換する。
したがって対象物の位置および姿勢が決定されると、3軸交点の座標を一意的に求めることができる。
【0016】
角度を容易に求めるために、多関節マニピュレータを真のモデルとし、その真のモデルに対する反転モデルを仮定して各アーム体の角度を求める。
【0017】
このように第1〜第6角度を短時間で正確に求めることができる。また対象物が目標とする位置に移動して希望する姿勢をとるにあた、各アーム体の角度のすべての組合せを求めることができる。
【0018】
本発明は、基台と、基台に直列に順に並んで設けられる第1〜第6のアーム体と、第6のアーム体に固定される対象物と、隣接する2つのアーム体を各アーム体の軸線と同軸の回転軸線まわりに回転自在に連結する同軸関節部と、隣接する2つのアーム体をこれら2つのアーム体の軸線に対して傾斜する回転軸線まわりに回転自在に連結する傾斜関節部とを有し、第1のアーム体は、基台に固定され、第1のアーム体と第2のアーム体との回転関節軸が、傾斜関節部であり、第1のアーム体と第2のアーム体との回転軸線と、第2のアーム体と第3のアーム体との回転軸線とが交差する2軸交点を有する多関節マニピュレータの各アーム体の相対回転角度を求める演算方法であって、
前記第1〜第6のアーム体がこの順に並んで設けられる多関節マニピュレータのモデルを真のモデルとし、
アーム体の並び順が真のモデルと同じであり、対象物に対して基台の位置を制御する形態のモデルを反転モデルとし、
真のモデルの座標系の原点は基台に固定され、相互に直交するx軸、y軸およびz軸を有する真のモデルの座標系において、対象物の位置および姿勢が入力される入力工程と、
反転モデルの座標系の原点は対象物に固定され、多関節マニピュレータが真のモデルの座標系から見た対象物の位置および姿勢を実現する各関節軸角度をとった際の、反転モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を演算する工程と、
反転モデルにおける演算された反転モデルの座標系に対する基台の位置および姿勢に基づいて、反転モデルにおける前記2軸交点の、反転モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標を求める2軸交点演算工程と、
反転モデルにおいて、反転モデルの第6のアーム体に対する第5のアーム体の回転角度である第1角度、第5のアーム体に対する第4のアーム体の回転角度である第2角度、第4のアーム体に対する第3のアーム体の回転角度である第3角度を変数として用い、反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標を表すx座標式と、反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標に反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標から反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、反転モデルの第1〜第3角度を求める第1〜第3角度演算工程と、
これら反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する基台の姿勢および第1〜第3角度に基づいて、反転モデルの第3のアーム体に対する第2のアーム体の回転角度である第4角度、および第2のアーム体に対する第1のアーム体の回転角度である第5角度を求める第4〜第5角度演算工程と、
反転モデルの第1〜第5角度を真のモデルの第1〜第5角度に変換する工程とを含むことを特徴とする位置決め演算方法である。
本発明は、基台と、基台に直列に順に並んで設けられる第1〜第6のアーム体と、第6のアーム体に固定される対象物と、隣接する2つのアーム体を各アーム体の軸線と同軸の回転軸線まわりに回転自在に連結する同軸関節部と、隣接する2つのアーム体をこれら2つのアーム体の軸線に対して傾斜する回転軸線まわりに回転自在に連結する傾斜関節部とを有し、第1のアーム体は、基台に固定され、第1のアーム体と第2のアーム体との回転関節軸が、傾斜関節部であり、第1のアーム体と第2のアーム体との回転軸線と、第2のアーム体と第3のアーム体との回転軸線とが交差する2軸交点を有する多関節マニピュレータの各アーム体の相対回転角度を求める演算装置であって、
前記第1〜第6のアーム体がこの順に並んで設けられる多関節マニピュレータのモデルを真のモデルとし、
アーム体の並び順が真のモデルと同じであり、対象物に対して基台の位置を制御する形態のモデルを反転モデルとし、
真のモデルの座標系の原点は基台に固定され、相互に直交するx軸、y軸およびz軸を有する真のモデルの座標系において、対象物の位置および姿勢が入力される入力手段と、
反転モデルの座標系の原点は対象物に固定され、多関節マニピュレータが真のモデルの座標系から見た対象物の位置および姿勢を実現する各関節軸角度をとった際の、反転モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を演算し、反転モデルにおける演算された反転モデルの座標系に対する基台の位置および姿勢に基づいて、反転モデルにおける前記2軸交点の、反転モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標を求め、反転モデルにおいて、反転モデルの第6のアーム体に対する第5のアーム体の回転角度である第1角度、第5のアーム体に対する第4のアーム体の回転角度である第2角度、第4のアーム体に対する第3のアーム体の回転角度である第3角度を変数として用い、反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標を表すx座標式と、反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標に反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標から反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、反転モデルの第1〜第3角度を求め、これら反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する基台の姿勢および第1〜第3角度に基づいて、反転モデルの第3のアーム体に対する第2のアーム体の回転角度である第4角度、および第2のアーム体に対する第1のアーム体の回転角度である第5角度を求め、反転モデルの第1〜第5角度を真のモデルの第1〜第5角度に変換する演算手段と、
演算手段が演算した演算結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする位置決め演算装置である。
【0019】
本発明に従えば、第1のアーム体は基台に固定され、前述と同様に反転モデルを仮定し、2軸交点に関して反転モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標を求め、さらに座標式を解いて第1〜第3角度を求め、さらに第4および第5角度を求め、こうして得られた反転モデルの第1〜第5角度を真のモデルの第1〜第5角度に変換する。
【0020】
角度を容易に求めるために、前述と同様に真のモデルに対する反転モデルを仮定して、反転モデルの第1〜第5角度を求め、これによって真のモデルの第1〜第5角度を容易に求める。
【0021】
このように、前述と同様に第1〜第5角度を短時間で正確に求めることができ、対象物が目標とする位置、姿勢に対する各角度のすべての組合せを求めることができる。
【0022】
本発明は、適用対象である多関節マニピュレータにおいて、第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、傾斜関節部であり、
前記反転モデルに対して等価な等価モデルであって、反転モデルにおける第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、第3および第4のアーム体の軸線に垂直な回転軸線まわりに回転自在に連結される関節部に置き換えられたモデルを等価モデルとし、
等価モデルの座標系の原点は対象物に固定され、等価モデルにおいて、真のモデルにおける基台と対象物との相対位置および相対姿勢を実現した場合の、等価モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を、等価モデルにおける基台の位置および姿勢としており、
前記3軸交点演算工程では、前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標、y座標およびz座標を求めるとともに、こうして求めた前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標、y座標およびz座標を、
等価モデルにおける前記3軸交点の、等価モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標として採用し、
前記第1〜第3角度演算工程では、等価モデルにおいて、等価モデルの第1角度、第2角度および第3角度を変数として用い、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標を表すx座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標に等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標から等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、等価モデルの第1〜第3角度を求め、等価モデルの第1〜第3角度を反転モデルの第1〜第3角度に変換し、反転モデルの第1〜第3角度を演算する工程を含むことを特徴とする。
本発明は、適用対象である多関節マニピュレータにおいて、第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、傾斜関節部であり、
前記反転モデルに対して等価な等価モデルであって、反転モデルにおける第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、第3および第4のアーム体の軸線に垂直な回転軸線まわりに回転自在に連結される関節部に置き換えられたモデルを等価モデルとし、
等価モデルの座標系の原点は対象物に固定され、等価モデルにおいて、真のモデルにおける基台と対象物との相対位置および相対姿勢を実現した場合の、等価モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を、等価モデルにおける基台の位置および姿勢としており、
前記演算手段は、前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標、y座標およびz座標を求めるとともに、こうして求めた前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標、y座標およびz座標を、等価モデルにおける前記3軸交点の、等価モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標として採用し、等価モデルにおいて、等価モデルの第1角度、第2角度および第3角度を変数として用い、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標を表すx座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標に等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標から等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、等価モデルの第1〜第3角度を求め、等価モデルの第1〜第3角度を反転モデルの第1〜第3角度に変換し、反転モデルの第1〜第3角度を演算することを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が傾斜関節部であり、この関節部を第3および第4のアーム体の軸線に垂直な回転軸線まわりに回転自在に連結される関節部に置き換えられたモデルを等価モデルとし、この等価モデルの座標系が対象物に固定され、等価モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を、等価モデルにおける基台の位置および姿勢とし、3軸交点の、等価モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標を求め、等価モデルにおいて第1〜第3角度を変数として座標式を解いて等価モデルの第1〜第3角度を求めて、反転モデルの第1〜第3角度に変換する。
【0024】
本発明は、適用対象である多関節マニピュレータにおいて、第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、傾斜関節部であり、
前記反転モデルに対して等価な等価モデルであって、反転モデルにおける第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、第3および第4のアーム体の軸線に垂直な回転軸線まわりに回転自在に連結される関節部に置き換えられたモデルを等価モデルとし、
等価モデルの座標系の原点は対象物に固定され、等価モデルにおいて、真のモデルにおける基台と対象物との相対位置および相対姿勢を実現した場合の、等価モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を、等価モデルにおける基台の位置および姿勢としており、
前記2軸交点演算工程では、前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標、y座標およびz座標を求めるとともに、こうして求めた前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標、y座標およびz座標を、等価モデルにおける前記2軸交点の、等価モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標として採用し
前記第1〜第3角度演算工程では、等価モデルにおいて、等価モデルの第1角度、第2角度および第3角度を変数として用い、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標を表すx座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標に等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標から等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、等価モデルの第1〜第3角度を求め、等価モデルの第1〜第3角度を反転モデルの第1〜第3角度に変換し、反転モデルの第1〜第3角度を演算する工程を含むことを特徴とする。
本発明は、適用対象である多関節マニピュレータにおいて、第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、傾斜関節部であり、
前記反転モデルに対して等価な等価モデルであって、反転モデルにおける第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、第3および第4のアーム体の軸線に垂直な回転軸線まわりに回転自在に連結される関節部に置き換えられたモデルを等価モデルとし、
等価モデルの座標系の原点は対象物に固定され、等価モデルにおいて、真のモデルにおける基台と対象物との相対位置および相対姿勢を実現した場合の、等価モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を、等価モデルにおける基台の位置および姿勢としており、
前記演算手段は、前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標、y座標およびz座標を求めるとともに、こうして求めた前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標、y座標およびz座標を、等価モデルにおける前記2軸交点の、等価モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標として採用し、等価モデルにおいて、等価モデルの第1角度、第2角度および第3角度を変数として用い、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標を表すx座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標に等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標から等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、等価モデルの第1〜第3角度を求め、等価モデルの第1〜第3角度を反転モデルの第1〜第3角度に変換し、反転モデルの第1〜第3角度を演算することを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、各角度を容易に求めるために、真のモデルに対する反転モデルと、第3および第4のアーム体の関節部を傾斜関節部の代りに垂直な関節部に置き換えた等価モデルを仮定することによって、3軸交点および2軸交点をそれぞれ有する多関節マニピュレータにおける第1〜第6角度および第1〜第5角度をさらに容易に求めることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である多関節マニピュレータ20を示す正面図である。本発明の実施の一形態である多関節マニピュレータは、複数のアーム体と、アーム体を回転自在に連結する複数の関節部とを有する。各アーム体は、それぞれ連結されて直列状に延びるアーム連結体を構成する。
【0037】
各関節部は、同軸関節部と傾斜関節部とが組み合わされて設けられる。同軸関節部は、隣接する2つのアーム体を、その各アーム体の軸線と同軸の回転軸線まわりに回転自在に連結する。また傾斜関節部は、隣接する2つのアーム体のうち一方を、各アーム体の軸線に対して傾斜する回転軸線まわりに円錐回転自在に連結する。本発明において、「円錐回転」は、回転軸線を中心とし、2つのアーム体の連結部分を頂点とする仮想円錐の周面に沿って相対的に回転することである。また本発明において、「回転」は、回転軸線まわりに360度以下の角度で角変位する状態も含む。
【0038】
このような同軸関節および傾斜関節を含む多関節マニピュレータは、各アーム体をそれぞれ回転させることによって、蛇のような動きをさせて、3次元位置決めが可能である。たとえば設備等が複雑に入り組み、作業経路が複雑な場合、であっても、好適に本発明の多関節マニピュレータを動作させることができる。
【0039】
多関節マニピュレータは、産業用ロボットに用いられる。たとえば多関節マニピュレータの遊端部に各種手先装置、いわゆるエンドエフェクタを連結し、手先装置を目標位置に配置して手先装置を動作させることによって、狭隘な作業空間におけるハンドリング、シーリング、塗装またはアーク溶接などを行うことができる。
【0040】
図1に示すように、多関節マニピュレータ20は、6自由度を有して実現される。多関節マニピュレータ20は、直列に設けられる第1〜第6のアーム体c1〜c6と、隣接する2つのアーム体を回転自在に連結する複数の関節部d1〜d6とを有する。各アーム体c1〜c6は、連結されてアーム連結体を構成する。各関節部は、3つの同軸関節部d1,d3,d5と3つの傾斜回転部d2,d4,d6とを有する。傾斜回転部d2,d4,d6は、隣接する2つの各アーム体の軸線に対して45度の角度を成して傾斜する回転軸線まわりに回転自在に2つのアーム体を連結する。
【0041】
複数のアーム体c1〜c6は、直列方向に並んで配置される。そのうち一端部に第1のアーム体c1が配置され、第2〜第6のアーム体c2〜c6が順に連結される。第6のアーム体c6には、手先装置22が連結される。第1〜第6のアーム体c1〜c6は、図1に示すように、それぞれの軸線が同軸に配置されて一直線状に延びる状態に変形可能である。
【0042】
第1のアーム体c1は、その一端部23が同軸関節部d1によって、予め定める対象物である基台21に連結される。基台21は、予め定める固定位置に固定されても、移動可能に設けられてもよい。第1のアーム体c1は、その軸線と同軸の回転軸線L1まわりに基台21に対して回転自在に連結される。また第1のアーム体c1のうち、基台21と反対側の端部24には、傾斜関節部d2によって第2のアーム体c2が連結される。
【0043】
第1のアーム体c1と第2のアーム体c2とは、第1のアーム体c1および第2のアーム体c2の軸線に対して、45度の角度を成して傾斜する回転軸線L2まわりに回転自在に連結される。第2のアーム体c2のうち、第1のアーム体c1と反対側の端部25には、同軸関節部d3によって第3のアーム体c3が連結される。
【0044】
第2のアーム体c2と第3のアーム体c3とは、互いの軸線と同軸な回転軸線L3まわりに回転自在に連結される。第3のアーム体c3のうち、第2のアーム体c2と反対側の端部26には、傾斜関節部d4によって第4のアーム体c4が連結される。
【0045】
第3のアーム体c3と第4のアーム体c4とは、第3のアーム体c3および第4のアーム体c4の軸線に対して、45度の角度を成して傾斜する回転軸線L4まわりに回転自在に連結される。第4のアーム体c4のうち、第3のアーム体c3と反対側の端部27には、同軸関節部d5によって第5のアーム体c5が連結される。
【0046】
第4のアーム体c4と第5のアーム体c5とは、互いの軸線と同軸な回転軸線L5まわりに回転自在に連結される。第5のアーム体c5のうち、第4のアーム体c4と反対側の端部28には、傾斜関節部d6によって第6のアーム体c6が連結される。
【0047】
第5のアーム体c5と第6のアーム体c6とは、第5のアーム体c5および第6のアーム体c6の軸線に対して、45度の角度を成して傾斜する回転軸線L6まわりに回転自在に連結される。また本発明の実施の形態では、第6のアーム体c6のうち、第5のアーム体c5と反対側の端部には、手先装置22が連結される。手先装置22は、たとえば部品を把持および把持解除するためのハンドリング装置であってもよい。
【0048】
このように複数のアーム体c1〜c6は、同軸関節部と傾斜関節部とが交互に配置される。また各アーム体c1〜c6の各軸線は、すべての軸線が同軸に配置されて一直線状に連結可能に形成される。多関節マニピュレータ20は、基台21と第1のアーム体との回転軸線L1と、第1のアーム体と第2のアーム体との回転軸線L2と、第2のアーム体と第3のアーム体との回転軸線L3とが交差する3軸交点を有する。
【0049】
各アーム体c1〜c6は、各アーム体を回転駆動する回転駆動モータを内蔵する。また各アーム体c1〜c6は、その軸線を挿通する中空空間が形成される。この中空空間に1または複数の配線が内蔵される。各配線は、回転駆動モータを回転させるための電力、回転駆動モータへの回転指示、手先装置22へ圧縮空気などを供給する。
【0050】
各アーム体を回転軸線まわりに回転する回転機構は、従来の機構と同様の機構であってもよい。たとえば一方のアーム体と他方のアーム体とを回転軸線まわりに回転自在に支持するベアリングと、中空形状の波動歯車機構たとえばハーモニックドライブ(登録商標)とを備える。波動歯車機構は、入力側部材と出力側部材とを備え、それらが相対的に回転する。一方のアーム体は、入力側部材に連結され、他方のアーム体は、出力側部材に連結される。
【0051】
回転駆動モータからの回転が入力側部材に与えられると、入力側部材と出力側部材とが相対的に回転する。これによって一方のアーム体と他方のアーム体とを相対的に回転させることができる。このような回転機構が、各アーム体c1〜c6に設けられることによって、隣接する2つのアーム体を、相対的に回転させることができる。さらに中空形状のハーモニックドライブ機構を用いることによって、連結される2つのアーム体の各挿通空間に各配線を挿通させた状態で、2つのアーム体を回転することができる。さらに多関節マニピュレータ全体、または挿通空間内を挿通する各配線を耐水性、耐熱性あるいは耐衝撃性のある材料によって構成されるカバーで覆うことによって、防塵、防爆、防水性を必要とする作業環境に好適に用いることができる。
【0052】
図1に示すように、多関節マニピュレータ20は、さらに各アーム体の相対回転角度を求める位置決め演算装置30を備える。位置決め演算装置30は、目標とする位置および姿勢に手先装置22を移動させるにあたって、手先装置22を目標とする位置および姿勢に移動させるのに必要な各アーム体c1〜c6の相対回転角度θ〜θを求める。
【0053】
位置決め演算装置30は、入力手段31と、演算手段32と、出力手段33とを有する。入力手段31は、演算座標系における手先装置22の位置および姿勢を入力する。また演算手段32は、入力手段31から入力された手先装置22の位置および姿勢と、多関節マニピュレータの諸形状とに基づいて、手先装置22を目標とする位置および姿勢に移動させるのに必要な各アーム体の相対回転角度θ〜θを演算する。出力手段33は、演算手段33による演算結果に基づいて、各アーム体を回転するための電力と回転指令を与え、演算結果に応じて各アーム体c1〜c6を回転させる。
【0054】
位置決め演算装置30は、たとえばコンピュータによって実現される。入力手段31は、キーボード、マウスなどのポインティングデバイスおよび作業者が多関節マニピュレータ2を直接制御するコントローラであるティーチペンダントによって実現される。また入力手段31は、位置決め演算装置30に接続される他の装置から手先装置22の位置および姿勢を入力されてもよい。出力手段33は、各駆動モータを回転させるための回転指令信号を、演算結果に応じて生成し、生成した回転指令信号を各駆動モータに与える。出力手段33は、たとえば駆動回路によって実現される。位置決め演算装置30は、多関節マニピュレータ20に内蔵されていてもよく、また別途設けられていてもよい。
【0055】
また演算手段32は、演算プログラムを実行する中央処理装置(Central
Processing Unit)を含んで実現される。中央処理装置は、予め演算プログラムを記憶していてもよく、またコンピュータ読取可能な記憶媒体に記録される演算プログラムを読み取ることによって実行してもよい。演算プログラムは、後述する演算方法を示す。
【0056】
図2は、位置決め演算装置30によって姿勢制御される多関節マニピュレータ20を示す図である。位置決め演算装置30は、解析計算式に基づいて、手先装置22を目的の位置および姿勢に配置させるための各アーム体c1〜c6の回転角度θ〜θを数値的に求める。上述する6軸多関節マニピュレータ20では、手先装置22を目標とする位置および姿勢に配置する場合、各アーム体c1〜c6の回転角度θ〜θは、8通りの組合せがある。演算装置30がこの各アーム体c1〜c6の回転角度θ〜θを解析計算式に基づいて求めることによって、この8通りの組合せを同時に求めることができる。図2(1)〜図2(8)に示すように、手先装置22を予め定める位置および姿勢に配置する場合の各アーム体の回転角度の組合せを複数求めることができるので、エネルギーコストおよび障害物の有無に応じて、アーム体c1〜c6の回転角度θ〜θの組合せを選択することができる。
【0057】
図3は、手先装置22を移動させる場合に位置決め演算装置30によって姿勢制御される多関節マニピュレータ20を説明するための図である。たとえば第1の代表点Aから第2の代表点Bに手先装置22を移動させる場合には、第1の代表点Aと第2の代表点Bとの間を手先装置22が通過する通過点U1〜U3を求め、通過点U1〜U3に配置されるときの各アーム体の回転角度を求めることができる。これによって手先装置22が移動する経路に沿って通過点を順に設定し、通過点ごとに各アーム体の回転角度を求めることによって、指定した経路に沿って手先装置22を円滑に移動させることができる。
【0058】
また位置決め演算装置30は、従来のように収束演算によって、各アーム体の回転角度を求める必要がないので短時間で求めることができる。また演算手段31に高い処理能力を必要としない。したがって手先装置22の移動時であっても各アーム体の回転角度を演算することができる。さらに従来の技術のように、代表点A,Bにおける各アーム体の回転角度をデータベース化して記憶する必要がなく、必要なデータ記憶容量を低減させることができる。
【0059】
図4は、本発明の位置決め演算方法を大略的に示すフローチャートである。まず、ステップs1で、制御対象である多関節マニピュレータ20の各アーム体の寸法およびアーム体を連結する関節の種類などの諸条件が与えられ、各アーム体の回転角度を演算可能な状態となると、ステップs2に進む。
【0060】
ステップs2では、多関節マニピュレータ20が移動させる対象物の位置および姿勢を取得する。たとえば対象物は、第6のアーム体c6の先端に連結される手先装置22であり、固定して設けられる座標系に対する手先装置22の位置および姿勢が入力される。このように対象物を配置すべき目標の位置および姿勢を取得するとステップs3に進む。
【0061】
ステップs3では、各アーム体のうち直列方向に順に並ぶ3つのアーム体のそれぞれの回転軸線が互いに交差する3軸交点の座標を求める。3軸交点は、対象物の位置および姿勢が決定されると、その座標を一意的に求めることができる。したがってステップs2によって取得した対象物の位置および姿勢に基づいて、3軸交点の座標を求めることができる。3軸交点の座標を求めるとステップs4に進む。
【0062】
ステップs4では、3軸交点を通過する3つの回転軸線以外の残余の3つの回転軸線まわりに回転する3つのアーム体の相対的な回転角度である第1〜第3角度を変数として用いて、3軸交点の座標を表わす座標式を生成する。すなわち3軸交点のx座標を表わすx座標式と、y座標を表わすy座標式と、z座標を表わすz座標式とを生成する。次に、y座標式およびz座標式に基づいて、y座標にz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、y座標からz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を生成する。このように各座標式を生成すると、ステップs5に進む。
【0063】
ステップs5では、ステップs3で求められる3軸交点の座標と、ステップs4で求められたx座標式、yz加算座標式、yz減算座標式に基づいて、第1〜第3角度を求める。さらに第1〜第3角度に基づいて、残りの第4〜第6角度を求める。このようにして各アーム体の回転角度を求めると、ステップs6に進み、動作を終了する。
【0064】
図1に示す多関節マニピュレータ20の場合、各角度をより容易に求めるために、本実施の形態における多関節マニピュレータ20を真のモデルとし、真のモデルの座標系の原点は基台に固定され、その真のモデルに対してz軸に反転した反転モデルと、反転モデルに対して等価なモデルであって1つの関節部の構成が異なる等価モデルとを仮定する。第6のアーム体c6には、対象物としての手先装置22が固定される。反転モデルは、対象物に対して基台の位置を制御する形態のモデルであり、反転モデルの座標系の原点は対象物に固定される。等価モデルは、後述の図8のように、反転モデルにおける第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、第3および第4のアーム体の軸線に垂直な回転軸線まわりに回転自在に連結される関節部に置き換えられたモデルであり、等価モデルの座標系の原点は対象物に固定され、等価モデルにおいて真のモデルにおける基台と対象物との相対位置および相対姿勢を実現した場合の、等価モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を、等価モデルにおける基台の位置および姿勢としている。真のモデルを、反転モデルおよび等価モデルに変換して各アーム体の回転角度を求めることによって、より容易に各アーム体の回転角度を求めることができる。
【0065】
図5は、図1に示す多関節マニピュレータ20の位置決め演算処理方法を具体的に示すフローチャートである。演算処理方法として、ステップs11で真のモデルにおける多関節マニピュレータの各アーム体の寸法およびアーム体を連結する関節の種類などの諸条件が与えられ、各アーム体の回転角度を演算可能な状態となると、ステップs12に進む。
【0066】
ステップs12では、真のモデルにおける基台21に対する手先装置22の位置および姿勢を取得し、ステップs13に進む。ステップs13では、真のモデルにおける座標系および位置を反転モデルにおける座標系および位置に変換する。次に反転モデルにおける手先装置22に対する基台21の位置および姿勢を演算する。すなわち多関節マニピュレータが真のモデルの座標系から見た対象物の位置および姿勢を実現する各関節軸角度をとった際の、反転モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を演算する。その後、ステップs14に進む。ステップs14では、反転モデルの座標系に対する基台21の位置および姿勢に基づいて、反転モデルにおける3軸交点の、反転モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標から成る位置を求め、ステップs15に進む。
【0067】
ステップs15では、等価モデルにおいて、3軸交点を通過する3つの回転軸線以外の残余の3つの回転軸線まわりに回転する3つのアーム体の相対的な回転角度である第1〜第3角度を変数として3軸交点の位置を示す座標式を生成する。具体的には等価モデルにおいて、3軸交点のx座標を表わすx座標式と、y座標を表わすy座標式と、z座標を表わすz座標式とを生成する。次に、y座標式およびz座標式に基づいて、y座標にz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、y座標からz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を生成する。このような数式が求められるとステップs16に進む。等価モデルの座標系に対する基台の位置および姿勢に基づいて、等価モデルにおける3軸交点の、等価モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標を求める。さらに等価モデルの第1角度、第2角度および第3角度を変数として用い、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標を表すx座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標に等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標から等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を得る。
【0068】
ステップs16では、ステップs14において求められた反転モデルにおける3軸交点の位置と、ステップs15によって求められたx座標式と、yz加算座標式と、yz減算座標式とに基づいて、等価モデルにおける第1〜第3角度を求め、ステップs17に進む。
【0069】
ステップs17では、ステップs16で求められた第1〜第3角度を等価モデルから反転モデルに変換し、反転モデルにおける第1〜第3角度を演算する。反転モデルにおける第1〜第3角度が求まるとステップs18に進む。ステップs18では、ステップs17で求められた反転モデルの第1〜第3角度に基づいて、反転モデルの第4〜第6角度を求め、ステップs19に進む。反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する基台の姿勢および第1〜第3角度に基づいて、反転モデルの第3のアーム体に対する第2のアーム体の回転角度である第4角度、第2のアーム体に対する第1のアーム体の回転角度である第5角度、および第1のアーム体に対する基台の回転角度である第6角度を求める。ステップs19では、ステップs17およびステップs18で求められた反転モデルにおける第1〜第6角度q1〜q6を真のモデルにおける第1〜第6角度θ1〜θ6に変換し、ステップs20に進み、動作を終了する。
【0070】
図6は、本発明の多関節マニピュレータ20をモデル化した真のモデルを示す図である。多関節マニピュレータ20には、基台21に固定的に設けられ、相互に直交する演算座標系Σrbが設定される。演算座標系Σrbは、直交3軸の座標系であって、予め定める演算原点を通過し第1の方向に延びる軸である演算x軸、演算原点を通過し演算x軸に直交する第2の方向に延びる軸である演算y軸、および演算原点を通過し演算x軸および演算y軸にともに直交する第3の方向に延びる軸である演算z軸を有する。
【0071】
また各アーム体c1〜c6、手先装置22は、それぞれに固定して予め定める各対象座標系が設定される。各対象座標系は、直交3軸の座標系であって、対応する各アーム体c1〜c6または手先装置22の代表点を原点とする。またその原点を通過し第1の方向に延びる軸である対象x軸、対象原点を通過し対象x軸に直交する第2の方向に延びる軸である対象y軸、および対象原点を通過し対象x軸および対象y軸にともに直交する第3の方向に延びる軸である対象z軸を有する。
【0072】
図6に示す真のモデルでは、第1のアーム体c1と基台21との回転軸線L1に沿って延びる仮想線が通過する一点であって、基台21に定める基台代表点Sを原点とする演算座標系Σrbが設定される。また手先装置22と第6のアーム体c6とは固定されているので、手先装置22の位置および姿勢を決定することと、第6のアーム体c6の位置および姿勢を決定することとは等価である。したがって、手先装置22の位置は、第4のアーム体c4と第5のアーム体c5との回転軸線L5に沿って延びる仮想線が通過する一点であって、第6のアーム体c6の代表点Tの座標で表わされる。
【0073】
また手先装置22に固定して設けられる対象座標系である手先座標系Σrtは、第6のアーム体c6の代表点Tを原点とする直交3軸の座標系である。各アーム体c1〜c6が互いに相対的に回転することによって、演算座標系Σrbに対して第6のアーム体c6の代表点Tが移動する。
【0074】
代表点Tの位置(Tx,Ty,Tz)は、代表点Tにおける演算z軸の座標Tx、演算y座標の座標Tyおよび演算z軸座標Tzで表わす。また各アーム体の軸線が同軸に配置されて一直線状に連結される一連結状態から各アーム体c1〜c6が互いに相対的に回転することによって、演算座標系Σrbに対して手先座標系Σrtが回転し、第6のアーム体c6の姿勢が変化する。第6のアーム体c6の姿勢(qo,qa,qt)は、手先座標系Σrtが、演算z軸まわりに回転する角度qo、演算y軸まわりに回転する角度qa、演算z軸まわりに回転する角度qtで表わす。
【0075】
各アーム体c1〜c6は、前記一連結状態を基準状態とし、前記一連結状態から基台21に対する第1のアーム体c1の回転角度を第1角度θとし、第1のアーム体c1に対する第2のアーム体c2の回転角度を第2角度θとし、第2のアーム体c2に対する第3のアーム体c3の回転角度を第3角度θとし、第3のアーム体c3に対する第4のアーム体c4の回転角度を第4角度θとし、第4のアーム体c4に対する第5のアーム体c5の回転角度を第5角度θとし、第5のアーム体c5に対する第6のアーム体c6の回転角度を第6角度θとする。
【0076】
図7は、図6に示すの真のモデルを反転した反転モデルの多関節マニピュレータ20Aを示す図である。また図8は、図7の反転モデルにおける多関節マニピュレータ20Aの1つの関節部を等価な関節部に置き換えた等価モデルの多関節マニピュレータ20Bを示す図である。図7および図8に示すモデルは、理解を容易にするために、真のモデルに対して異なる名称および参照符号とする。
【0077】
すなわち反転および等価モデルにおける第1のアーム体e1は、真のモデルにおける第6のアーム体c6に対応する。また反転および等価モデルにおける第2のアーム体e2は、真のモデルにおける第5のアーム体c5に対応する。また反転および等価モデルにおける第3のアーム体e3は、真のモデルにおける第4のアーム体c4に対応する。また反転および等価モデルにおける第4のアーム体e4は、真のモデルにおける第3のアーム体c3に対応する。また反転および等価モデルにおける第5のアーム体e5は、真のモデルにおける第2のアーム体c2に対応する。また反転および等価モデルにおける第6のアーム体e6は、真のモデルにおける第1のアーム体c1に対応する。このように反転および等価モデルにおける第1〜第6のアーム体e1〜e6は、真のモデルにおける第6〜第1のアーム体c6〜c1に反転してそれぞれ対応する。
【0078】
また同様に反転モデルにおける各関節部f1〜f6、各アーム体e1〜e6の回転角度q〜qおよび各アーム体の軸線方向寸法i0〜i6もまた、真のモデルに対して異なる参照符号を付する。
【0079】
また等価モデルにおける多関節マニピュレータ20Bは、反転モデルにおける多関節マニピュレータ20Aに対して、第3のアーム体e3と第4のアーム体e4とを連結する関節部が異なる。等価モデルにおける多関節マニピュレータ20Bでは、この関節部F3は、第3および第4のアーム体e3,e4の軸線に垂直な回転軸線L3まわりに各アーム体e3,e4の軸線を回転自在に連結する。この関節部f3によって、第3および第4のアーム体e3,e4は、互いの軸線を含む一平面上を回転する。
【0080】
反転モデルでは、反転モデルにおける第1のアーム体e1、すなわち真のモデルの第6のアーム体c6の代表点Tを、演算座標系Σsbの演算原点とする。また反転モデルにおいて、基台21に固定して設けられる対象座標系である基台座標系Σstは、基台代表点Sを原点とする。反転モデルは、各アーム体e1〜e6の軸線が同軸に配置されて一直線状に連結される一連結状態において、基台座標系Σstの対象x軸、対象y軸および対象z軸は、演算座標系Σsbの演算x軸、演算y軸および演算z軸に対してそれぞれ同一方向に延びる。また一連結状態において演算座標系Σsbおよび基台座標系Σstは、各アーム体c1〜c6の軸線方向に沿う方向に演算z軸および対象z軸が延びる。演算z軸および対象z軸は、演算座標系Σsbの原点から基台座標系Σstの原点に向かう方向を正とする。
【0081】
本発明の実施の形態の多関節マニピュレータ20では、手先装置22を固定し、基台21を変位可能とした場合に、ステップs1〜ステップs6を実行する。すなわち反転モデルにおいて、基台21を対象物とみなして、目標の位置および姿勢に移動させるための各アーム体e1〜e6の回転角度q〜qを求める。
【0082】
次に反転モデルとして求めた各アーム体e1〜e6の回転角度q〜qを、真のモデルに対応するように変換する。これによって真のモデルの多関節マニピュレータ20における、手先装置22を目標の位置および姿勢に移動させるための各アーム体c1〜c6の回転角度θ〜θを求めることができる。
【0083】
多関節マニピュレータにおいて、基台側すなわち固定側に3軸交点が存在する場合よりも、手先装置側すなわち遊端部側に3軸交点が存在する場合のほうが、各アーム体の回転角度を容易に求めることができる。したがって本実施の多関節マニピュレータ20のように、基台側に3軸交点がある場合には、まず反転モデルに変換して各アーム体e1〜e6の回転角度q〜qを求め、その後、求められた反転モデルにおける各アーム体e1〜e6の回転角度q〜qを真のモデルに再変換することによって、各アーム体c1〜c6の回転角度θ〜θを容易に求めることができる。
【0084】
以下、図5に示すフローチャートを参照して演算方法の手順を説明する。まずステップs11で、各アーム体c1〜c6の回転角度θ〜θを求めるための準備工程を行う。準備工程では、各アーム体c1〜c6の回転角度θ〜θを求めるにあたって、真のモデルにおける各アーム体c1〜c6の各軸線方向寸法H0〜H6、第1のアーム体c1と第2のアーム体c2との回転軸線L2が各軸線から傾斜する角度、第3のアーム体c3と第4のアーム体c4との回転軸線L4が各軸線から傾斜する角度、第5のアーム体c5と第6のアーム体c6との回転軸線L6が各軸線から傾斜する角度とを取得し、多関節マニピュレータの諸条件を取得する。本実施の形態では、軸線から傾斜する回転軸線L2,L4,L6が、各アーム体の軸線から傾斜する角度αがともに45度の場合について説明する。このように多関節マニピュレータの諸条件が決定されると、ステップs12に進む。
【0085】
ステップs12では、真のモデルにおける演算座標系Σrbに対する手先装置22の位置および姿勢を取得する。言換えると、第6のアーム体c6の代表点Tの位置(Tx,Ty,Tz)および姿勢(qo,qa,qt)を取得し、ステップs13に進む。
【0086】
ステップs13では、まず真のモデルを反転モデルに変換するための変換行列を生成し、変換行列に基づいて、反転モデルにおける基台21の姿勢を求める。反転モデルにおける基台21の姿勢は、基台座標系Σstが演算座標系Σsbの演算x軸まわりに回転する角度qx、基台座標系Σstが演算座標系Σsbの演算y軸まわりに回転する角度qy、基台座標系Σstが演算座標系Σsbの演算z軸まわりに回転する角度qzで表わされる。
【0087】
基台21の姿勢(qx,qy,qz)が求まると、反転モデルにおける基台代表点Sの位置を求める。この基台代表点Sの位置は、演算座標系Σsbの演算x軸Px、演算y軸Py、演算z軸の座標Pzで表わされる。反転モデルにおける基台21の姿勢(qx,qy,qz)と基台代表点Sの位置(Px,Py,Pz)とを求めるとステップs14に進む。
【0088】
ステップs14では、3軸交点の位置を求める。3軸交点は、第5のアーム体の代表点p5であって、図1に示すマニピュレータ20の場合、第5のアーム体e5と第6のアーム体e6との回転軸線L5と第5のアーム体e5と第6のアーム体e6の軸線とが交差する点であって、第5のアーム体e5と第6のアーム体e6とを連結する部分に設けられる。この3軸交点の位置を求めるために、まず演算座標系を第5のアーム体e5に固定して設けられる対象座標系に変換する変換行列を求める。この変換行列R05は、次式によって表わされる。
【0089】
【数1】
Figure 0004230196
【0090】
ここで、R01〜R05は、演算座標系を各アーム体e1〜e5に固定して設けられる対象座標系に変換する変換行列R01〜R03である。またαは上述したように傾斜関節部における各アーム体の回転軸線が各アーム体の軸線に対して傾斜する角度である。R01におけるαは、第1のアーム体e1と第2のアーム体e2との回転軸線L1が各アーム体e1,e2の軸線に対して傾斜する角度の値を示す。またR03におけるαは、第3のアーム体e3と第4のアーム体e4との回転軸線L3が各アーム体e3,e4の軸線に対して傾斜する角度の値を示す。またR05におけるαは、第5のアーム体e5と第6のアーム体e6との回転軸線L5が各アーム体e5,e6の軸線に対して傾斜する角度の値を示す。またq〜qは、各アーム体の回転角度であって、第1のアーム体e1に対する第2のアーム体e2の回転角度を、第1角度qとし、第2のアーム体e2に対する第3のアーム体e3の回転角度を第2角度qとし、第3のアーム体e3に対する第4のアーム体e4の回転角度を第3角度qとする。また第4のアーム体e4に対する第5のアーム体e5の回転角度を第4角度qとし、第5のアーム体e5に対する第6のアーム体e6の回転角度である第5角度qとし、第6のアーム体e6に対する基台21の回転角度である第6角度qとする。各アーム体e1〜e6の回転角度q〜qは、各アーム体e1〜e6が一直線状に連結される一連結状態において、各アーム体e1〜e6の回転角度q〜qをゼロとする。
【0091】
またRz[θ]、Ry[θ]、Rx[θ]は、演算座標系に対して対象座標系の姿勢を回転させるための回転行列である。Rz[θ]は、対象座標系を演算z軸まわりにθ度回転させる回転行列であり、次式にその成分を示す。またRy[θ]は、対象座標系を演算y軸まわりにθ度回転させる回転行列であり次式にその成分を示す。またRx[θ]は、対象座標系を演算x軸まわりにθ度回転させる回転行列でありその成分を次式に示す。
【0092】
【数2】
Figure 0004230196
【0093】
ここでθは、変数であり、数値または任意の変数が代入される。上式において、たとえばRz[q]は、(2)式に示す各成分におけるθにそれぞれqが代入された行列を示す。また本発明においてsin θは、θのサインの値を示し、cos θは、θのコサインの値を示す。また記号「・」は、乗算を示す。
また第5のアーム体e5の代表点p5の位置は、次式で表わされる。
【0094】
【数3】
Figure 0004230196
【0095】
ここで手先代表点Tから第1のアーム体e1の代表点p1までの距離をi0とし、第1のアーム体e1の代表点p1から第2のアーム体e2の代表点p2までの距離をi1とし、第2のアーム体e2の代表点p2から第2のアーム体e3の代表点p3までの距離をi2とし、第3のアーム体e3の代表点p3から第4のアーム体e4の代表点p4までの距離をi3とする。また第4のアーム体e4の代表点p4から第5のアーム体e5の代表点p5までの距離をi4とし、第5のアーム体e5の代表点p5から第6のアーム体e6の代表点p6までの距離をi5とする。また第6のアーム体e6の代表点p6から基台代表点Sまでの距離をi6とする。
【0096】
また第1のアーム体e1の代表点p1は、第1のアーム体e1と第2のアーム体e2との回転軸線L1と第1のアーム体e1の軸線とが交差する点であって、第1のアーム体e1と第2のアーム体e2を連結する部分に設けられる。また第2のアーム体e2の代表点p2は、第2のアーム体e2と第3のアーム体e3との回転軸線L2が挿通し、第2のアーム体e2と第3のアーム体e3を連結部分に設けられる。また第3のアーム体e3の代表点p3は、第3のアーム体e3と第4のアーム体e4との回転軸線L3と第3のアーム体e3の軸線とが交差する点であって、第3のアーム体e3と第4のアーム体e4を連結する部分に設けられる。
【0097】
また第4のアーム体e4の代表点p4は、第4のアーム体e4と第5のアーム体e5との回転軸線L4が挿通し、第4のアーム体e4と第5のアーム体e5を連結する部分に設けられる。また第5のアーム体e5の代表点p5は、第5のアーム体e5と第6のアーム体e6との回転軸線L5と第5のアーム体e5の軸線とが交差する点であって、第5のアーム体e5と第6のアーム体e6を連結する部分に設けられる。また第6のアーム体e6の代表点p6は、第6のアーム体e6と基台21との回転軸線L6が挿通し、第6のアーム体e6と基台22とを連結する部分に設けられる。
【0098】
(5)式から、3軸交点の位置、すなわち第5のアーム体の代表点p5を求めることができる。次に演算座標系Σsbに対する基台座標系Σstの変換行列Ruhを求める。この変換行列Ruhは、次式によって求められる。
【0099】
【数4】
Figure 0004230196
【0100】
また(7)式によって、第5のアーム体e5の代表点p5の座標(Pwx,Pwy,Pwz)の数値を求めることができる。さらに後述する動作を行うために、第5のアーム体e5の代表点p5の座標を(8)式に変換する。
【0101】
【数5】
Figure 0004230196
【0102】
すなわち第5のアーム体e5の代表点p5のx座標を表すx座標値Pxnを求める。またy座標にz座標を加算し、さらに手先代表点Tから第1のアーム体e1の代表点p1までの距離i0を減算したyz加算値Pynを求める。またy座標からz座標を減算し、さらに手先代表点Tから第1のアーム体e1の代表点p1までの距離i0を減算したyz減算値Pznを求める。
【0103】
上述したように第5のアーム体e5の代表点p5は、3軸交点となる。したがって(7)式を演算することによって、3軸交点p5の位置を求めることができる。3軸交点の位置を求めると、ステップs15に進む。
【0104】
ステップs15では、まず反転モデルにおける多関節マニピュレータ20Aを、等価モデルとなる多関節マニピュレータ20Bに変換する。図8に示す等価モデルにおいて、第1〜第3のアーム体e1〜e6の回転角度Q,Q,Qを求める。
【0105】
等価モデルにおいて、演算座標系Σsbから第1〜第3のアーム体e1〜e3の代表点p1〜p3の姿勢にそれぞれ変換する変換行列R01〜R03は、(9)式で表わされる。(9)式においてαは、第1のアーム体e1と第2のアーム体e2との回転軸線L1が、各アーム体e1,e2の軸線に対して傾斜する角度である。また図8に示すモデルにおける第5のアーム体e5の代表点p5の位置は、次の(10)式で表わされる。
【0106】
【数6】
Figure 0004230196
【0107】
【数7】
Figure 0004230196
【0108】
ここで、手先基準位置Tから第1のアーム体e1の代表点p1までの距離i0を無視した場合における、第1のアーム体e1の代表点p1から第3のアーム体e3の代表点p1までの距離(i1+i2)を1とし、第3のアーム体e3の代表点p3から第5のアーム体e5の代表点p5までの距離(i3+i4)を第1のアーム体e1の代表点p1から第3のアーム体e3の代表点p1までの距離(i1+i2)の除算値(i3+i4)/(i1+i2)をnrとする。
【0109】
実際の第5のアーム体e5の代表点p5は、上式で得られる値に、第1のアーム体e1の代表点p1から第3のアーム体e3の代表点p1までの距離(i1+i2)を乗算し、さらにその値に手先代表点Tから第1のアーム体e1の代表点p1までの距離i0を加算した値となる。(10)式に基づいて、第5のアーム体e5の代表点p5の位置を求めると次の(11)式となる。
【0110】
【数8】
Figure 0004230196
【0111】
(11)式で第1のアーム体e1と第2のアーム体e2との回転軸線L1とそれらの各アーム体e1,e2の軸線との角度αを45度とすると、(12)式となる。
【0112】
【数9】
Figure 0004230196
【0113】
また第5のアーム体e5の代表点p5の演算x軸座標p5xを示す座標式Pxn、第5のアーム体e5の代表点p5の演算y軸座標p5yと、第5のアーム体e5の代表点p5の演算z軸座標p5zとを加算したyz加算値を表すyz加算座標式Pyn、第5のアーム体e5の代表点p5の演算z軸座標pzを減算したyz減算値を表すyz減算座標式Pznを(13)式に示す。
【0114】
【数10】
Figure 0004230196
【0115】
このように式を変形し、(13)式を連立して解くことによって、(14)式に示すようにcos Qを表わすことができ、第3角度Qを求めることができる。これによって等価モデルにおける第1〜第3角度Q〜Qの解析式を容易に求めることができ、ステップs16に進む。
【0116】
【数11】
Figure 0004230196
【0117】
ステップs16では、ステップs14の(8)式で求めた第5のアーム体e5の代表位置p5のx座標値Pxn、yz加算値Pyn、yz減算値Pznを、ステップs15で求めた第1〜第3角度Q〜Qを示す式に代入することによって、第1〜第3角度Q〜Qの数値解を求めることができる。数値解は、目標とする基台21の位置が特異点でないかぎり、4通りの組合せが得られる。このように等価モデルにおける第1〜第3角度Q〜Qの数値解が求まると、ステップs17に進む。
【0118】
ステップs17では、ステップs16で求めた等価モデルの第1〜第3角度Q〜Qを反転モデルの第1〜第3角度q〜qに変換する。このときcosqは、次式で表わされる。(15)式〜(17)式においてαは、第3のアーム体e3と第4のアーム体e4との回転軸線L3が各アーム体e3,e4に対して傾斜する角度である。
【0119】
【数12】
Figure 0004230196
【0120】
ここでcosec αは、αのコセカントの値を示す。またcot αは、コタンジェントの値を示す。等価モデルの第3角度Qを(15)式に代入することによって、反転モデルにおける第3角度qを求めることができる。
またcos qおよびsin qは、次の(16)式によって求められる。
【0121】
【数13】
Figure 0004230196
【0122】
ここでDは、(17)式によって与えられる。
【0123】
【数14】
Figure 0004230196
【0124】
(16)式によって反転モデルにおける第2角度qを求めることができる。また等価モデルにおける第1角度Qは、反転モデルの第1角度qと同じ値になる。反転モデルにおける第1〜第3角度q〜qは、3軸交点が特異点でないかぎり、等価モデルの場合と同様に4つの組合せが求められる。
【0125】
ステップs17で反転モデルにおける第1〜第3角度q〜qが求まると、ステップs18に進み、反転モデルにおける第4〜第6角度q〜qを求める。まず第5のアーム体e5に固定して設けられる座標系の姿勢を求める。第5のアーム体e5の変換行列Rwhは、次の(18)式によって求められる。
【0126】
【数15】
Figure 0004230196
【0127】
すなわち変換行列R03を転置した行列に、演算座標系Σsbに対する基台座標系Σstの変換行列Ruhを乗算する。変換行列R03は、第1〜第3角度q〜qが求まっているので、(1)式から求めることができる。また変換行列Ruhは、上式からその数値解を求めることができる。また変換行列Ruhは、(6)式から求めることができる。変換行列Rwhの各成分の数値解が求められると、(19)式を解くことによって、第4〜第6角度q〜qを求めることができる。(19)式においてαは、第5のアーム体e5と第6のアーム体e6との回転軸線L5と各アーム体e5,e6の軸線に対して傾斜する角度である。
【0128】
【数16】
Figure 0004230196
【0129】
反転モデルにおける第4〜第6角度q〜qは、基台代表点が特異点でないかぎり第1〜第3角度q〜qの1つの組合せに対して2つの組合せが求められる。したがって3軸交点および基台代表点が特異点でないかぎり、8とおりの第1〜第6角度q〜qの組合せを求めることができる。このようにステップs18で反転モデルにおける第4〜第6角度q〜qを求めると、ステップs19に進む。
【0130】
ステップs19では、反転モデルにおける各アーム体e1〜e6の第1〜第6角度q〜qを(20)式に代入することによって、真のモデルにおける各アーム体c1〜c6の回転角度である第1〜第6角度θ〜θに変換することができる。真のモデルにおける各アーム体c1〜c6の第1〜第6の回転角度θ〜θが求まるとステップs20に進み、動作を終了する。
θ = q
θ = q
θ = q
θ = q
θ = q
θ = q …(20)
【0131】
以上のように演算することで、真のモデルにおける各アーム体c1〜c6の回転角度θ〜θを容易に求めることができる。これによって手先装置22を目標とする位置および姿勢に配置するための各アーム体の回転角度を求めることができる。また演算結果に従って多関節マニピュレータの各アーム体を制御することによって、手先装置22を目標とする位置および姿勢に配置することができる。上述する演算は、コンピュータを用いて計算してもよく、また手動で計算してもよい。
【0132】
演算された各アーム体の回転角度は解析解である。したがって、収束演算および補間近似によって各アーム体の回転角度を求める場合に比べて、短時間でかつ正確に求めることができる。またコンピュータを用いて演算した場合には、その処理能力が低い場合であっても、各アーム体の回転角度を求めることができる。さらに上述したように各回転角度の8つの組合せを得ることができ、エネルギーコストおよび障害物の有無を考慮して8つの組合せのうちから最適な各アーム体の回転角度の組合せを選択することができる。さらに図1に示す多関節マニピュレータ20の場合には、真のモデルを反転モデルに変換した。これによって容易に各アーム体c1〜c6の第1〜第3の回転角度θ〜θを求めることができる。
【0133】
また上述した演算結果を用いて、多関節マニピュレータの各アーム体の代表点間の距離H0〜H6、回転軸L1〜L6と各アーム体との軸線とが傾斜する角度α、手先装置22の位置T(Tx,Ty,Tz)、手先装置22の姿勢(qo,qa,qt)を変数として、真のアーム体c1〜c6の角度θ〜θを表わした解析式を求めておき、この解析式に各変数を示す数値を代入することによって、真のアーム体c1〜c6の角度θ〜θを求めてもよい。
【0134】
また本実施の形態では、傾斜関節部における各アーム体の回転軸線と各アーム体との軸線の傾斜角度は、共通の角度であって45度である多関節マニピュレータの各アーム体の回転角度を求めた。傾斜関節部における各アーム体の回転軸線と各アーム体との軸線の傾斜角度は、共通でなくてもまた45度以外であっても、各アーム体の回転角度を求めることができる。
【0135】
たとえば図7に示す反転モデルの多関節マニピュレータ20Aにおいて、第1のアーム体e1と第2のアーム体e2との回転軸線L2と各アーム体c1,c2との軸線との傾斜角度がα度であって、第3のアーム体e3と第4のアーム体e4との回転軸線L3と各アーム体c3,c4との軸線との傾斜角度がβ度であって、第5のアーム体e5と第6のアーム体e6との回転軸線L5と各アーム体c5,c6との軸線との傾斜角度がγ度である場合であっても、yz加算座標式Pynおよびyz減算式Pznに適切な係数を乗算することによって各アーム体e1〜e6の角度q〜qを求めることができる。
【0136】
また3軸交点で交差する回転軸線以外の残余の回転軸線のうち、少なくとも1つが対応する各アーム体の軸線に対して45度の場合には、より簡単に第1〜第3角度を求めることができる。
【0137】
反転モデルにおいて、第1のアーム体e1と第2のアーム体e2との回転軸線L1と各アーム体の軸線との傾斜角度が45度であって、第3のアーム体e3と第4のアーム体e4との回転軸線L3と各アーム体の軸線との傾斜角度が45でない場合であっても、第3のアーム体e3と第4のアーム体e4を連結する関節部を図8に示すように等価モデルに変換することによって簡単に求めることができる。具体的には、3軸交点のy座標とz座標とを加算した式を表わす加算式、y座標からz座標を減算した式を表わす減算式を簡略化することができ、さらに容易に第1〜第3角度を求めることができる。
【0138】
同様に第3のアーム体e3と第4のアーム体e4との回転軸線L3と、各アーム体の軸線と、の傾斜角度が45度であって、第1のアーム体e1と第2のアーム体e2との回転軸線L1と各アーム体の軸線との傾斜角度が45でない場合であっても、第1のアーム体e1と第2のアーム体e2を連結する関節部を等価モデルに変換することによって簡単に求めることができる。
【0139】
したがって、上述した3軸交点を有する多関節マニピュレータのうち、直列に順に並んで設けられる第1〜第6のアーム体のうち第1〜第3のアーム体を連結する関節部のうち少なくとも1つの傾斜関節部によって連結される2つのアーム体の回転軸線が、これら2つのアーム体の軸線に対して45度を成して傾斜する多関節マニピュレータを用いることによって、各アーム体の回転角度をより簡単に求めることができる。また本発明において、真のモデルは、基台側に3軸交点が設けられたが、手先側に3軸交点が設けられてもよい。この場合には、反転モデルに変換することなく、容易に各アーム体の回転角度を求めることができる。
【0140】
したがって本実施の形態の真のモデルに示すように、固定端部側の回転軸線L1,L2,L3が3軸交点で交差し、第3のアーム体と第4のアーム体との回転軸線L3と各アーム体の軸線との傾斜角が45度であって、第5のアーム体と第6のアーム体との回転軸線L6と各アーム体の軸線との傾斜角が任意の角度である第1の多関節マニピュレータ、または固定端部側の回転軸線L1,L2,L3が3軸交点で交差し、第3のアーム体と第4のアーム体との回転軸線L3と各アーム体の軸線との傾斜角が任意の角度であって、第5のアーム体と第6のアーム体との回転軸線L6と各アーム体の軸線との傾斜角が45度である第2の多関節マニピュレータにおいては、反転モデルに変換し、さらに傾斜角が任意の角度となる関節部を等価モデルに変換することによってより簡単に各アーム体の回転角度を求めることができる。
【0141】
また反転モデルに示すように遊端部側の回転軸線L4,L5,L6が3軸交点で交差し、第1のアーム体と第2のアーム体との回転軸線L1と各アーム体の軸線との傾斜角が45度であって、第3のアーム体と第4のアーム体との回転軸線L3と各アーム体の軸線との傾斜角が任意の角度である第3の多関節マニピュレータ、または遊端部側の回転軸線L4,L5,L6が3軸交点で交差し、第1のアーム体と第2のアーム体との回転軸線L1と各アーム体の軸線との傾斜角が任意の角度であって、第3のアーム体と第4のアーム体との回転軸線L3と各アーム体の軸線との傾斜角が45度である第4の多関節マニピュレータにおいては、傾斜角が任意の角度となる関節部を等価モデルに変換することによってより簡単に各アーム体の回転角度を求めることができる。また図8に示すような、第3のアーム体e3と第4のアーム体e4とを連結する関節部が第3および第四のアーム体e3,e4に垂直な場合であっても、各アーム体の回転角度を求めることができる。
【0142】
図9は、本発明の他の多関節マニピュレータをモデル化した他のモデルを示す図である。他のモデルは、図9に示す反転モデルの第6のアーム体e6と基台21とが固定されるモデルである。上述した方法と同様の演算方法によって、第1〜第5のアーム体e1〜e5の回転角度q〜qを求めることができる。
【0143】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、対象物が目標とする位置および姿勢で配置されるときの、第1〜第6角度を短時間で求めることができる。これによって対象物の移動ごとに各アーム体の角度を求めることが可能である。たとえば予め定められる経路を移動する対象物の位置および姿勢を連続的に入力することによって、その連続的に変化する入力値に応じて各アーム体の角度を順次変化させることができる。これによって対象物を目標とする位置に移動させるときに、高速でかつスムーズに移動させることができる。
【0144】
また各角度の解析解を求めることで、対象物が目標とする位置に移動するにあたって、各角度のすべての組合せを求めることができる。6自由度を有する多関節マニピュレータの場合、8つの組合せの回転角度を求めることができる。これによって対象物が目標とする位置および姿勢に配置した状態で、多関節マニピュレータの各アーム体の角度を複数の組合せの中から選択することができる。たとえばエネルギーコストおよび障害物の有無などを考慮して複数の組合せから最適な各アーム体の回転角度の組合せを選択できる。
【0145】
た本発明によれば、対象物が目標とする位置および姿勢で配置されるときの、第1〜第5角度を短時間で求めることができる。これによって対象物の移動ごとに各アーム体の角度を求めることが可能である。たとえば予め定められる経路を移動する対象物の位置および姿勢を連続的に入力することによって、その連続的に変化する入力値に応じて各アーム体の角度を順次変化させることができる。これによって対象物を目標とする位置に移動させるときに、高速でかつスムーズに移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である多関節マニピュレータ20を示す正面図である。
【図2】位置決め演算装置30によって姿勢制御される多関節マニピュレータ20を示す図である。
【図3】手先装置22を移動させる場合に位置決め演算装置30によって姿勢制御される多関節マニピュレータ1を説明するための図である。
【図4】本発明の位置決め演算方法を大略的に示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の一形態の演算処理方法を具体的に示すフローチャートである。
【図6】本発明の多関節マニピュレータをモデル化した真のモデルを示す図である。
【図7】図6に示すの真のモデルを反転した反転モデルを示す図である。
【図8】図7の反転モデルにおける多関節マニピュレータの1つの関節部を等価な関節部に置き換えた等価モデルを示す図である。
【図9】本発明の他の多関節マニピュレータをモデル化した他のモデルを示す図である。
【図10】姿勢制御される従来の多関節マニピュレータ1の一部を示す図である。
【符号の説明】
20 多関節マニピュレータ
21 基台
22 手先装置
30 位置決め演算装置
31 入力手段
32 演算手段
33 出力手段
c1〜c6、e1〜e6 アーム体
d1〜d6、f1〜f6 関節部
θ〜θ、q〜q 回転角度
p1〜p6 各アーム体の代表点
S 基台代表点
T 手先代表点

Claims (8)

  1. 基台と、基台に直列に順に並んで設けられる第1〜第6のアーム体と、第6のアーム体に固定される対象物と、隣接する2つのアーム体を各アーム体の軸線と同軸の回転軸線まわりに回転自在に連結する同軸関節部と、隣接する2つのアーム体をこれら2つのアーム体の軸線に対して傾斜する回転軸線まわりに回転自在に連結する傾斜関節部とを有し、第1のアーム体は、基台に回転自在に連結され、第1のアーム体と第2のアーム体との回転関節軸が、傾斜関節部であり、基台と第1のアーム体との回転軸線と、第1のアーム体と第2のアーム体との回転軸線と、第2のアーム体と第3のアーム体との回転軸線とが交差する3軸交点を有する多関節マニピュレータの各アーム体の相対回転角度を求める演算方法であって、
    前記第1〜第6のアーム体がこの順に並んで設けられる多関節マニピュレータのモデルを真のモデルとし、
    アーム体の並び順が真のモデルと同じであり、対象物に対して基台の位置を制御する形態のモデルを反転モデルとし、
    真のモデルの座標系の原点は基台に固定され、相互に直交するx軸、y軸およびz軸を有する真のモデルの座標系において、対象物の位置および姿勢が入力される入力工程と、
    反転モデルの座標系の原点は対象物に固定され、多関節マニピュレータが真のモデルの座標系から見た対象物の位置および姿勢を実現する各関節軸角度をとった際の、反転モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を演算する工程と、
    反転モデルにおける演算された反転モデルの座標系に対する基台の位置および姿勢に基づいて、反転モデルにおける前記3軸交点の、反転モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標を求める3軸交点演算工程と、
    反転モデルにおいて、反転モデルの第6のアーム体に対する第5のアーム体の回転角度である第1角度、第5のアーム体に対する第4のアーム体の回転角度である第2角度、第4のアーム体に対する第3のアーム体の回転角度である第3角度を変数として用い、反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標を表すx座標式と、反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標に反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標から反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、反転モデルの第1〜第3角度を求める第1〜第3角度演算工程と、
    これら反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する基台の姿勢および第1〜第3角度に基づいて、反転モデルの第3のアーム体に対する第2のアーム体の回転角度である第4角度、第2のアーム体に対する第1のアーム体の回転角度である第5角度、および第1のアーム体に対する基台の回転角度である第6角度を求める第4〜第6角度演算工程と、
    反転モデルの第1〜第6角度を真のモデルの第1〜第6角度に変換する工程とを含むことを特徴とする位置決め演算方法。
  2. 適用対象である多関節マニピュレータにおいて、第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、傾斜関節部であり、
    前記反転モデルに対して等価な等価モデルであって、反転モデルにおける第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、第3および第4のアーム体の軸線に垂直な回転軸線まわりに回転自在に連結される関節部に置き換えられたモデルを等価モデルとし、
    等価モデルの座標系の原点は対象物に固定され、等価モデルにおいて、真のモデルにおける基台と対象物との相対位置および相対姿勢を実現した場合の、等価モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を、等価モデルにおける基台の位置および姿勢としており、
    前記3軸交点演算工程では、前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標、y座標およびz座標を求めるとともに、こうして求めた前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標、y座標およびz座標を、
    等価モデルにおける前記3軸交点の、等価モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標として採用し、
    前記第1〜第3角度演算工程では、等価モデルにおいて、等価モデルの第1角度、第2角度および第3角度を変数として用い、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標を表すx座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標に等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標から等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、等価モデルの第1〜第3角度を求め、等価モデルの第1〜第3角度を反転モデルの第1〜第3角度に変換し、反転モデルの第1〜第3角度を演算する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の位置決め演算方法。
  3. 基台と、基台に直列に順に並んで設けられる第1〜第6のアーム体と、第6のアーム体に固定される対象物と、隣接する2つのアーム体を各アーム体の軸線と同軸の回転軸線まわりに回転自在に連結する同軸関節部と、隣接する2つのアーム体をこれら2つのアーム体の軸線に対して傾斜する回転軸線まわりに回転自在に連結する傾斜関節部とを有し、第1のアーム体は、基台に固定され、第1のアーム体と第2のアーム体との回転関節軸が、傾斜関節部であり、第1のアーム体と第2のアーム体との回転軸線と、第2のアーム体と第3のアーム体との回転軸線とが交差する2軸交点を有する多関節マニピュレータの各アーム体の相対回転角度を求める演算方法であって、
    前記第1〜第6のアーム体がこの順に並んで設けられる多関節マニピュレータのモデルを真のモデルとし、
    アーム体の並び順が真のモデルと同じであり、対象物に対して基台の位置を制御する形態のモデルを反転モデルとし、
    真のモデルの座標系の原点は基台に固定され、相互に直交するx軸、y軸およびz軸を有する真のモデルの座標系において、対象物の位置および姿勢が入力される入力工程と、
    反転モデルの座標系の原点は対象物に固定され、多関節マニピュレータが真のモデルの座標系から見た対象物の位置および姿勢を実現する各関節軸角度をとった際の、反転モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を演算する工程と、
    反転モデルにおける演算された反転モデルの座標系に対する基台の位置および姿勢に基づいて、反転モデルにおける前記2軸交点の、反転モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標を求める2軸交点演算工程と、
    反転モデルにおいて、反転モデルの第6のアーム体に対する第5のアーム体の回転角度である第1角度、第5のアーム体に対する第4のアーム体の回転角度である第2角度、第4のアーム体に対する第3のアーム体の回転角度である第3角度を変数として用い、反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標を表すx座標式と、反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標に反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標から反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、反転モデルの第1〜第3角度を求める第1〜第3角度演算工程と、
    これら反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する基台の姿勢および第1〜第3角度に基づいて、反転モデルの第3のアーム体に対する第2のアーム体の回転角度である第4角度、および第2のアーム体に対する第1のアーム体の回転角度である第5角度を求める第4〜第5角度演算工程と、
    反転モデルの第1〜第5角度を真のモデルの第1〜第5角度に変換する工程とを含むことを特徴とする位置決め演算方法。
  4. 適用対象である多関節マニピュレータにおいて、第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、傾斜関節部であり、
    前記反転モデルに対して等価な等価モデルであって、反転モデルにおける第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、第3および第4のアーム体の軸線に垂直な回転軸線まわりに回転自在に連結される関節部に置き換えられたモデルを等価モデルとし、
    等価モデルの座標系の原点は対象物に固定され、等価モデルにおいて、真のモデルにおける基台と対象物との相対位置および相対姿勢を実現した場合の、等価モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を、等価モデルにおける基台の位置および姿勢としており、
    前記2軸交点演算工程では、前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標、y座標およびz座標を求めるとともに、こうして求めた前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標、y座標およびz座標を、等価モデルにおける前記2軸交点の、等価モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標として採用し
    前記第1〜第3角度演算工程では、等価モデルにおいて、等価モデルの第1角度、第2角度および第3角度を変数として用い、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標を表すx座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標に等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標から等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、等価モデルの第1〜第3角度を求め、等価モデルの第1〜第3角度を反転モデルの第1〜第3角度に変換し、反転モデルの第1〜第3角度を演算する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の位置決め演算方法。
  5. 基台と、基台に直列に順に並んで設けられる第1〜第6のアーム体と、第6のアーム体に固定される対象物と、隣接する2つのアーム体を各アーム体の軸線と同軸の回転軸線まわりに回転自在に連結する同軸関節部と、隣接する2つのアーム体をこれら2つのアーム体の軸線に対して傾斜する回転軸線まわりに回転自在に連結する傾斜関節部とを有し、第1のアーム体は、基台に回転自在に連結され、第1のアーム体と第2のアーム体との回転関節軸が、傾斜関節部であり、基台と第1のアーム体との回転軸線と、第1のアーム体と第2のアーム体との回転軸線と、第2のアーム体と第3のアーム体との回転軸線とが交差する3軸交点を有する多関節マニピュレータの各アーム体の相対回転角度を求める演算装置であって、
    前記第1〜第6のアーム体がこの順に並んで設けられる多関節マニピュレータのモデルを真のモデルとし、
    アーム体の並び順が真のモデルと同じであり、対象物に対して基台の位置を制御する形態のモデルを反転モデルとし、
    真のモデルの座標系の原点は基台に固定され、相互に直交するx軸、y軸およびz軸を有する真のモデルの座標系において、対象物の位置および姿勢が入力される入力手段と、
    反転モデルの座標系の原点は対象物に固定され、多関節マニピュレータが真のモデルの座標系から見た対象物の位置および姿勢を実現する各関節軸角度をとった際の、反転モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を演算し、反転モデルにおける演算された反転モデルの座標系に対する基台の位置および姿勢に基づいて、反転モデルにおける前記3軸交点の、反転モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標を求め、反転モデルにおいて、反転モデルの第6のアーム体に対する第5のアーム体の回転角度である第1角度、第5のアーム体に対する第4のアーム体の回転角度である第2角度、第4のアーム体に対する第3のアーム体の回転角度である第3角度を変数として用い、反転モデルの座標系に対する前記における3軸交点のx座標を表すx座標式と、反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標に反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標から反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、反転モデルの第1〜第3角度を求め、これら反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する基台の姿勢および第1〜第3角度に基づいて、反転モデルの第3のアーム体に対する第2のアーム体の回転角度である第4角度、第2のアーム体に対する第1のアーム体の回転角度である第5角度、および第1のアーム体に対する基台の回転角度である第6角度を求め、反転モデルの第1〜第6角度を真のモデルの第1〜第6角度に変換する演算手段と、
    演算手段が演算した演算結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする位置決め演算装置。
  6. 適用対象である多関節マニピュレータにおいて、第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、傾斜関節部であり、
    前記反転モデルに対して等価な等価モデルであって、反転モデルにおける第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、第3および第4のアーム体の軸線に垂直な回転軸線まわりに回転自在に連結される関節部に置き換えられたモデルを等価モデルとし、
    等価モデルの座標系の原点は対象物に固定され、等価モデルにおいて、真のモデルにおける基台と対象物との相対位置および相対姿勢を実現した場合の、等価モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を、等価モデルにおける基台の位置および姿勢としており、
    前記演算手段は、前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標、y座標およびz座標を求めるとともに、こうして求めた前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標、y座標およびz座標を、等価モデルにおける前記3軸交点の、等価モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標として採用し、等価モデルにおいて、等価モデルの第1角度、第2角度および第3角度を変数として用い、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のx座標を表すx座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標に等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のy座標から等価モデルの座標系に対する前記3軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、等価モデルの第1〜第3角度を求め、等価モデルの第1〜第3角度を反転モデルの第1〜第3角度に変換し、反転モデルの第1〜第3角度を演算することを特徴とする請求項5に記載の位置決め演算装置。
  7. 基台と、基台に直列に順に並んで設けられる第1〜第6のアーム体と、第6のアーム体に固定される対象物と、隣接する2つのアーム体を各アーム体の軸線と同軸の回転軸線まわりに回転自在に連結する同軸関節部と、隣接する2つのアーム体をこれら2つのアーム体の軸線に対して傾斜する回転軸線まわりに回転自在に連結する傾斜関節部とを有し、第1のアーム体は、基台に固定され、第1のアーム体と第2のアーム体との回転関節軸が、傾斜関節部であり、第1のアーム体と第2のアーム体との回転軸線と、第2のアーム体と第3のアーム体との回転軸線とが交差する2軸交点を有する多関節マニピュレータの各アーム体の相対回転角度を求める演算装置であって、
    前記第1〜第6のアーム体がこの順に並んで設けられる多関節マニピュレータのモデルを真のモデルとし、
    アーム体の並び順が真のモデルと同じであり、対象物に対して基台の位置を制御する形態のモデルを反転モデルとし、
    真のモデルの座標系の原点は基台に固定され、相互に直交するx軸、y軸およびz軸を有する真のモデルの座標系において、対象物の位置および姿勢が入力される入力手段と、
    反転モデルの座標系の原点は対象物に固定され、多関節マニピュレータが真のモデルの座標系から見た対象物の位置および姿勢を実現する各関節軸角度をとった際の、反転モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を演算し、反転モデルにおける演算された反転モデルの座標系に対する基台の位置および姿勢に基づいて、反転モデルにおける前記2軸交点の、反転モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標を求め、反転モデルにおいて、反転モデルの第6のアーム体に対する第5のアーム体の回転角度である第1角度、第5のアーム体に対する第4のアーム体の回転角度である第2角度、第4のアーム体に対する第3のアーム体の回転角度である第3角度を変数として用い、反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標を表すx座標式と、反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標に反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標から反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、反転モデルの第1〜第3角度を求め、これら反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する基台の姿勢および第1〜第3角度に基づいて、反転モデルの第3のアーム体に対する第2のアーム体の回転角度である第4角度、および第2のアーム体に対する第1のアーム体の回転角度である第5角度を求め、反転モデルの第1〜第5角度を真のモデルの第1〜第5角度に変換する演算手段と、
    演算手段が演算した演算結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする位置決め演算装置。
  8. 適用対象である多関節マニピュレータにおいて、第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、傾斜関節部であり、
    前記反転モデルに対して等価な等価モデルであって、反転モデルにおける第3のアーム体と第4のアーム体とを連結する関節部が、第3および第4のアーム体の軸線に垂直な回転軸線まわりに回転自在に連結される関節部に置き換えられたモデルを等価モデルとし、
    等価モデルの座標系の原点は対象物に固定され、等価モデルにおいて、真のモデルにおける基台と対象物との相対位置および相対姿勢を実現した場合の、等価モデルの座標系から見た基台の位置および姿勢を、等価モデルにおける基台の位置および姿勢としており、
    前記演算手段は、前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標、y座標およびz座標を求めるとともに、こうして求めた前記反転モデルにおける反転モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標、y座標およびz座標を、等価モデルにおける前記2軸交点の、等価モデルの座標系に対するx座標、y座標およびz座標として採用し、等価モデルにおいて、等価モデルの第1角度、第2角度および第3角度を変数として用い、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のx座標を表すx座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標に等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を加算した加算値を表すyz加算座標式と、等価モデルにおける等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のy座標から等価モデルの座標系に対する前記2軸交点のz座標を減算した減算値を表すyz減算座標式とを含む座標式を解いて、等価モデルの第1〜第3角度を求め、等価モデルの第1〜第3角度を反転モデルの第1〜第3角度に変換し、反転モデルの第1〜第3角度を演算することを特徴とする請求項7に記載の位置決め演算装置。
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