JP4229786B2 - ベーンポンプ - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、パワーステアリング装置に用いるベーンポンプに関する。
パワーステアリング装置に用いるベーンポンプとして、例えば図4に示すものが従来から知られている(特許文献1)。
この従来のベーンポンプは、そのボディ1にボア1aを形成するとともに、このボア1aの開口部を、ボディ1の側面に固定したカバー2によって塞いでいる。
上記ボア1a内には、略楕円形の内壁を有するカムリング3を設けている。このカムリング3内には、図示していない複数のベーンを出没自在に組み込んだロータ4を回転自在に組み込むとともに、これらカムリング3とロータ4との間に、図示していない一対のポンプ室を形成している。
また、上記ボディ1及びカバー2の内周には、軸穴6a,6bを形成するとともに、これら軸穴6a,6bにシャフト9を挿入している。そして、このシャフト9を、軸穴6aに設けた第1軸受部材7と、軸穴6bに設けた第2軸受部材8とによって、回転自在に支持している。
上記シャフト9は、ロータ4の中心に形成した貫通孔4aを貫通させているが、このロータ4を貫通した部分において、ロータ4をシャフト9に固定している。
また、このシャフト9の他方側には、図示していないプーリを固定するとともに、このプーリに駆動ベルトを介してエンジンや電動モータ等の駆動源を連係している。
したがって、駆動源の回転が、駆動ベルトを介してプーリに伝達されると、このプーリとともにシャフト9が回転して、シャフト9とともにロータ4が回転する。
上記カムリング3およびロータ4の図面左側の側面には、プレッシャープレート12を設けている。そして、このプレッシャープレート12とカバー2とによって、ロータ4を挟んでいる。ただし、このロータ4とプレッシャープレート12との間、及びロータ4とカバー2との間には、ロータ4の回転に抵抗が生じない程度の微少なクリアランスを設けている。
上記プレッシャープレート12の図面左側には、高圧室13,13を形成し、これら高圧室13,13を、プレッシャープレート12に形成した一対の吐出穴14,14を介して上記一対のポンプ室にそれぞれ連通させている。そして、上記高圧室13、13に、吐出圧を導くようにしているが、この高圧室13,13内の圧力を、プレッシャープレート12に作用させることによって、このプレッシャープレート12をロータ4およびカムリング3側に積極的に動かすようにしている。このようにプレッシャープレート12をロータ4およびカムリング3側に動かすことによって、このプレッシャープレート12とロータ4とのクリアランスおよびロータ4とカバー2とのクリアランスを小さくするようにしている。
なお、上記プレッシャープレート12には貫通孔12aを形成し、この貫通孔12aに上記シャフト9を貫通させている。
また、上記高圧室13,13には、それぞれ通路15,15を介して流量制御弁16,16を連通させている。そして、これら流量制御弁16,16の下流側に、コントロールバルブ17,17を介してアクチュエータ18,18を接続している。
次に、このベーンポンプの作用を説明する。
図示していない駆動源の作動により、シャフト9が回転すると、このシャフト9とともにロータ4が回転する。ロータ4が回転すると、その遠心力によってベーンが突出し、このベーンの先端がカムリング3の内壁に押し付けられることによって、各ベーン間に独立した室が形成される。
また、カムリング3の内壁が略楕円形をしているため、ロータ4の回転にともなって、ベーンがロータ4から出入りし、それに応じて各室の容積も変化する。そして、ロータ4の回転に伴って室の容積が拡大するときに、その室内に作動油を吸い込み、この室内に吸い込んだ作動油を、室の容積が縮小されるときに圧縮する。このように圧縮された作動油は高圧となり、吐出穴14,14を介して高圧室13、13側に吐出される。そして、高圧室13,13側に吐出された高圧の作動油は、通路15,15→流量制御弁16,16→コントロールバルブ17,17を介してアクチュエータ18,18に供給されることになる。
また、上記高圧室13、13内の高圧の作動油の作用によって、プレッシャープレート12がロータ4側に移動する。そして、吐出圧が高圧になればなる程、プレッシャープレート12はロータ4およびカムリング3側に移動して、ロータ4との間のクリアランスを小さくする。また、これによりロータ4とカバー2とのクリアランスも小さくなる。このようにロータ4とプレッシャープレート12とのクリアランス及びロータ4とカバー2とのクリアランスを小さくすることによって、吐出効率の低下を防止するようにしている。
特開2001−003875号公報
上記従来のベーンポンプでは、高圧室13,13内の圧力の作用によって、プレッシャープレート12をロータ4側に積極的に移動させているが、このプレッシャープレート12の貫通孔12aに相当する面積には、高圧室13,13内の圧力が作用しない。そのため、この貫通孔12aの部分、すなわちプレッシャープレート12の中心付近においては、このプレッシャープレート12をロータ4側に移動させる力が作用せず、作用する力のアンバランスが原因で、プレッシャープレート12が変形するおそれがあった。そして、プレッシャープレート12が変形すると、このプレッシャープレート12とロータ4とのクリアランスが大きくなるので、それによって漏れ量が多くなり、吐出効率が低下するという問題があった。
また、上記従来のベーンポンプでは、図示していないが、プレッシャープレート12の貫通穴12aとシャフト9との間にシール部材を設ける必要がある。しかし、貫通穴12aとシャフト9との間にシール部材を設けると、このシール部材の摺動抵抗によって、ヒステリシスが生じるという問題があった。
この発明の目的は、プレッシャープレートをロータ側に移動させる際に、このプレッシャープレートの変形を防止することができ、かつ、シャフトとプレッシャープレートとの間のシール部材を不要にすることのできるベーンポンプを提供することである。
第1の発明は、ボディと、このボディに形成したボアと、このボア内に組み込んだカムリングと、このカムリング内に回転自在に組み込んだロータと、このロータに形成した貫通孔と、この貫通孔に貫通させるとともに上記ロータを固定したシャフトと、ロータの周囲に出没自在に組み込んだ複数のベーンと、上記ロータ及びカムリングに隣接して設けたプレッシャープレートと、このプレッシャープレートに隣接して設けるとともに、上記カムリング及びロータと反対側に位置する高圧室とを備え、上記シャフトとともにロータが回転すると、高圧の作動油が高圧室側に吐出されるとともに、この高圧室内の作動油の作用によって、上記プレッシャープレートをカムリング及びロータ側に移動させ上記プレッシャープレートに凹部を形成し、この凹部にシャフトの先端を挿入して、この挿入したシャフトの先端を、凹部内に設けた軸受部材を介して回転自在に支持するベーンポンプにおいて、上記ボア内に段部を設ける一方、プレッシャープレートに大径部と小径部とを設け、上記ボア内の段部とプレッシャープレートの大径部との間に隙間を形成し、この隙間に、シャフトの直径方向及び軸方向の締め代を同時に有するリング状のシール部材を設けるとともに、このシール部材と上記プレッシャープレートの大径部との間にバックアップリングを介在させ、上記シール部材の締め代によって発揮される弾性力で、上記ボアとプレッシャープレートとの間をシールするとともに、プレッシャープレートをカムリング及びロータ側に移動させる構成にしたことを特徴とする。
第2の発明は、上記第1の発明において、プレッシャープレートに弾性力を付与するスプリングを設けるとともに、このスプリングの弾性力によって、プレッシャープレートをカムリング及びロータ側に移動させる構成にしたことを特徴とする
第1、2の発明によれば、プレッシャープレートに形成した凹部に、シャフトの先端を挿入するとともに、この挿入したシャフトの先端を、凹部内に設けた軸受部材を介して回転自在に支持する構成にしたので、シャフトを支持する部分においても、高圧室内の高圧の作動油がプレッシャープレートに作用する。そのため、プレッシャープレートの中央付近においても、このプレッシャープレートをロータ側に移動させる機能が発揮されることになり、このプレッシャープレートの変形を防止できる。そして、このようにプレッシャープレートの変形を防止できるので、このプレッシャープレートとロータとのクリアランスを、全接触面で小さくすることによって漏れ量を少なくして、吐出効率を向上させることができる。
また、シャフトがプレッシャープレートを貫通していないので、これらシャフトとプレッシャープレートとの間をシールする必要がない。したがって、シャフトとプレッシャープレートとの間のシール部材を不要にでき、シャフトに作用する摺動抵抗によってヒステリシスが生じるといった問題が生じない。しかも、従来必要であったシール部材が不要となる分、コストダウンできる。
さらに、シャフトとプレッシャープレートとの間からの作動油の漏れが全く生じないので、その分のエネルギーロスを防止でき、環境にも優しい。
さらに、プレッシャープレートとボディとの間に、シール部材を設けるとともに、このシール部材の締め代によって発揮される弾性力によって、プレッシャープレートをカムリング及びロータ側に移動させる構成にしたので、プレッシャープレートとボアとの間のシール性を確保しながら、ロータが回転し始めるとき、すなわち、高圧室内の圧力が低い状態において、プレッシャープレートとカムリング及びロータとのクリアランスを小さく維持することができる。
特に、ボア内の段部とプレッシャープレートの大径部との間に形成した隙間に、シール部材を設けたので、このシール部材の締め代による弾性力を、プレッシャープレートに対して軸線方向に作用させることができる。
すなわち、シール部材の締め代によって発揮される弾性力を軸線方向に作用させることにより、プレッシャープレートをカムリング及びロータ側に移動させる構成にしたので、プレッシャープレートとボアとの間のシール性を確保しながら、ロータが回転し始めるとき、すなわち、高圧室内の圧力が低い状態において、プレッシャープレートとカムリング及びロータとのクリアランスを小さく維持することができる。
の発明によれば、前記の効果に加え、プレッシャープレートに弾性力を付与するスプリングを設けるとともに、このスプリングの弾性力によって、プレッシャープレートをカムリング及びロータ側に移動させる構成にしたので、ロータが回転し始めるとき、すなわち、高圧室内の圧力が低い状態において、プレッシャープレートとカムリング及びロータとのクリアランスを確実に小さく維持することができる。
図1に示す参考例は、ボディ20にボア22を形成するとともに、このボア22内に、楕円形の内壁を有するカムリング23を設けている。このカムリング23は、その内部にロータ24を回転自在に設けている。なお、このロータ24には、複数のベーン25を出没自在に組み込んでいる。
上記ボディ20の側面には、カバー21を固定するとともに、このカバー21によってボア22の開口部を塞いでいる。
また、このカバー21には、軸穴26を形成するとともに、この軸穴26に、シャフト29を挿入している。そして、このシャフト29を、軸穴26に組み込んだ軸受部材28によって回転自在に支持している。
上記シャフト29は、ロータ24の中心部分を貫通しているが、このロータ24を、シャフト29の周囲に固定している。
なお、上記シャフト29の他方側には、図示していないプーリを固定し、このプーリに駆動ベルトを介してエンジンや電動モータ等の駆動源を連係している。
したがって、駆動ベルトを介して駆動源の回転がプーリに伝達されると、このプーリとともにシャフト29が回転して、ロータ24が回転する。
上記カムリング23およびロータ24の図面左側面側には、プレッシャープレート27を設けるとともに、このプレッシャープレート27の図面左側に、高圧室32を設けている。つまり、カムリング23及びロータ24に隣接してプレッシャープレート27を設けるとともに、このプレッシャープレート27に隣接して高圧室32を設けている。
一方、上記カムリング23及びロータ24の他方の側面側には、サイドプレート36を設けている。
そして、上記プレッシャープレート27とサイドプレート36とによって、ロータ24を挟んでいる。なお、ロータ24とプレッシャープレート27との間、及びロータ24とサイドプレート36との間には、ロータ24の回転に抵抗が発生しない程度の微少なクリアランスをそれぞれ設けている。
上記プレッシャープレート27には、一対の吐出穴31,31を形成している。そして、これら吐出穴31,31を介して吐出油を上記高圧室32に導くようにしている。また、この高圧室32内に導いた高圧の作用によって、プレッシャープレート27をカムリング23側及びロータ24側に積極的に移動させるようにしている。そして、吐出圧が高圧になればなる程、プレッシャープレート27とロータ24とクリアランス、及びロータ24とサイドプレート36とのクリアランスが小さくなることによって、吐出効率の低下を防止するようにしている。
また、上記プレッシャープレート27には、凹部33を形成している。そして、この凹部33に、上記シャフト29の先端29aを挿入している。このシャフト29の先端29aを挿入した凹部33内には、軸受部材34を組み込むとともに、この軸受部材34によってシャフト29の先端を回転自在に支持している。したがって、シャフト29は、上記カバー21側に設けた軸受部材28と、プレッシャープレート27内に設けた軸受部材34との2カ所で支持されることになる。
上記プレッシャープレート27は、直径の大きい大径部27aと、直径の小さい小径部27bとを備えている。
一方、ボア22も、内径の大きい大径部22aと、内径の小さい小径部22bとを備えている。そして、このボア22の大径部22aの内径を、上記プレッシャープレート27の大径部27aがぴったりはまる寸法に設定し、ボア22の小径部22bの内径を、上記プレッシャープレート27の小径部27bがぴったりはまる寸法に設定している。
また、図示するように、ボア22の大径部22aと小径部22bとの境目には段部38を形成し、この段部38によって、プレッシャープレート27の軸線方向の移動を規制している。
さらに、プレッシャープレート27の小径部27bには環状溝30を形成し、この環状溝30のOリング37を組み込んでいる。そして、上記Oリング37によって、ボア22とプレッシャープレート27との間をシールしている。
上記高圧室32には、コイルスプリング35を組み込むとともに、このコイルスプリング35のイニシャル荷重を、上記プレッシャープレート27に作用させている。そして、ロータ24の回転が止まっている非作動状態においても、プレッシャープレート27の大径部27aを、カムリング23及びロータ24側に積極的に動かすようにしている。
なお、図中符号p,pは、固定ピンであり、これら固定ピンp、pの一方を、カバー21に形成したピン孔40,40に圧入している。そして、これら固定ピンp,pを、サイドプレート36及びカムリング23に貫通させるとともに、その先端をプレッシャープレート27に形成した穴41,41に挿入している。このようにすることによって、サイドプレート36,カムリング23,及びプレッシャープレート27の相対位置を特定するとともに、これら3つの部材のカバー21に対する位置も特定している。
次に、この参考例の作用を説明する。
図示していない駆動源の作動により、シャフト29が回転すると、このシャフト29とともにロータ24が回転する。ロータ24が回転すると、その遠心力によってベーン25が突出し、このベーン25の先端がカムリング23の内壁に押し付けられて、各ベーン間に独立した室が形成される。
上記のように、ベーン25の先端がカムリング23の内壁に押しつけられるが、このカムリング23の内壁は、上記したように略楕円形をしているため、各ベーン25は、ロータ24の回転にともなってこのロータ24から出入りして、上記ベーン25によって形成された各室の容積も変化する。そして、ロータ24の回転に伴って室の容積が拡大するときに、その室内に作動油が吸い込まれて、その室の容積が縮小するときに、室内の作動油が圧縮されて高圧になる。この高圧の作動油は、吐出穴31,31を介して高圧室32側に導かれて、この高圧室32からボディ20に形成した通路44を介して外部に吐出されることになる。
なお、上記室に吸い込まれる作動油は、ボディ20に形成した吸い込み通路42を介してカムリング23の周囲に導かれ、このカムリング23の周囲から導くようにしている。
また、上記高圧室32内の高圧の作動油の作用によって、プレッシャープレート27がロータ24及びカムリング23側に移動する。そして、高圧室32内の吐出圧が高くなればなる程、プレッシャープレート27とロータ24とのクリアランスが小さくなる。また、ロータ24とサイドプレート36とのクリアランスも小さくなる。このようにクリアランスを小さくすることで、吐出効率の低下を防止するようにしている。
また、この参考例では、プレッシャープレート27に形成した凹部33に、シャフト29の先端29aを挿入するとともに、このシャフト29の先端29aを、凹部内33に設けた軸受部材34を介して回転自在に支持する構成にしたので、シャフト29の先端29aを支持する部分においても、高圧室32内の高圧の作動油をプレッシャープレート27に作用させることができる。そのため、プレッシャープレート27の側面全体に、バランス良く圧力が作用することになり、プレッシャープレート27の変形を防止することができる。このようにプレッシャープレート27の変形を防止できるので、その変形によって従来生じていたプレッシャープレート27とロータ24との隙間からの作動油の漏れを規制できる。そして、作動油の漏れを規制できた分、吐出効率を向上させることができる。
さらに、この参考例では、シャフト29がプレッシャープレート27を貫通していないので、これらシャフト29とプレッシャープレート27との間をシールする必要がない。したがって、シャフト29とプレッシャープレート27との間のシール部材を不要にでき、シャフト29に作用する摺動抵抗によってヒステリシスが生じるといった従来の問題を解決することができる。
ところで、この参考例では、コイルスプリング35のイニシャル荷重をプレッシャープレート27に作用させることにより、プレッシャープレート27をカムリング23及びロータ24側に常に移動させるようにしている。言い換えれば、高圧室32内の圧力が低い状態にあるときでも、プレッシャープレート27をカムリング23及びロータ24側に押しつけるようにしている。そして、このようにすることによって、作動開始時に、プレッシャープレート27とカムリング23及びロータ24との間から作動油が漏れないようにしている。
すなわち、この種のベーンポンプは、ポンプ停止時に、高圧室32内がほぼタンク圧となっているために、プレッシャープレート27には、図1中、右方向の推力、すなわち、ロータ24やカムリング23側にプレッシャープレート27を押しつける力が作用していない。このような状態では、プレッシャープレート27とカムリング23及びロータ24との間、また、サイドプレート36とカムリング23及びロータ24との間に隙間を有しているのが一般的である。
また、この種のベーンポンプでは、装置に組み付けた後、内部のエアを抜くために、高圧室32側から作動油を吸引する場合がある。その際、上記プレッシャープレート27には、図面左方向の力が作用するため、このプレッシャープレート27がカムリング23やロータ24から離れてしまうことがある。
上記のように、プレッシャープレート27がカムリング23やロータ24から離れた状態で、ポンプを作動させたとしても、プレッシャープレート27とカムリング23及びロータ24との隙間、また、サイドプレート36とカムリング23及びロータ24との隙間が大きいために、作動油の漏れが多く、その圧力を上げることができない。
しかし、上記したように、コイルスプリング35のイニシャル荷重によってプレッシャープレート27を、カムリング23及びローラ24側に常に移動させておけば、上記のような不都合が生じない。
一方、図2は、この発明の第1実施形態を示したものであるが、この第1実施形態は、上記参考例のコイルスプリング35の弾性力に変えて、シール部材45の締め代による弾性力を利用したものである。
図示するように、ボディ20に形成したボア22内に、楕円形の内壁を有するカムリング23を設けている。このカムリング23は、その内部にロータ24を回転自在に設けるとともに、このロータ24には、複数のベーン25を出没自在に組み込んでいる。
上記ボディ20の側面には、カバー21を固定するとともに、このカバー21によってボア22の開口部を塞いでいる。
また、このカバー21には、軸穴26を形成するとともに、この軸穴26に、シャフト29を挿入している。そして、このシャフト29を、軸穴26に組み込んだ軸受部材28によって回転自在に支持している。
上記シャフト29は、ロータ24の中心部分を貫通しているが、このロータ24を、シャフト29の周囲に固定している。
なお、上記シャフト29の他方側には、図示していないプーリを固定し、このプーリに駆動ベルトを介してエンジンや電動モータ等の駆動源を連係している。
したがって、駆動ベルトを介して駆動源の回転がプーリに伝達されると、このプーリとともにシャフト29が回転して、ロータ24が回転する。
上記カムリング23およびロータ24の図面左側面側には、プレッシャープレート27を設けるとともに、このプレッシャープレート27の図面左側に、高圧室32を設けている。つまり、カムリング23及びロータ24に隣接してプレッシャープレート27を設けるとともに、このプレッシャープレート27に隣接して高圧室32を設けている。
一方、上記カムリング23及びロータ24の他方の側面側には、サイドプレート36を設けている。
そして、上記プレッシャープレート27とサイドプレート36とによって、ロータ24を挟んでいる。なお、ロータ24とプレッシャープレート27との間、及びロータ24とサイドプレート36との間には、ロータ24の回転に抵抗が発生しない程度の微少なクリアランスをそれぞれ設けている。
上記プレッシャープレート27には、一対の吐出穴31,31を形成している。そして、これら吐出穴31,31を介して吐出油を上記高圧室32に導くようにしている。また、この高圧室32内に導いた高圧の作用によって、プレッシャープレート27をカムリング23側及びロータ24側に積極的に移動させるようにしている。そして、吐出圧が高圧になればなる程、プレッシャープレート27とロータ24とクリアランス、及びロータ24とサイドプレート36とのクリアランスが小さくなることによって、吐出効率の低下を防止するようにしている。
また、上記プレッシャープレート27には、凹部33を形成している。そして、この凹部33に、上記シャフト29の先端29aを挿入している。このシャフト29の先端29aを挿入した凹部33内には、軸受部材34を組み込むとともに、この軸受部材34によってシャフト29の先端を回転自在に支持している。したがって、シャフト29は、上記カバー21側に設けた軸受部材28と、プレッシャープレート27内に設けた軸受部材34との2カ所で支持されることになる。
上記プレッシャープレート27は、直径の大きい大径部27aと、直径の小さい小径部27bとを備えている。
一方、ボア22も、内径の大きい大径部22aと、内径の小さい小径部22bとを備えている。そして、このボア22の大径部22aの内径を、上記プレッシャープレート27の大径部27aがぴったりはまる寸法に設定し、ボア22の小径部22bの内径を、上記プレッシャープレート27の小径部27bがぴったりはまる寸法に設定している。
また、図示するように、ボア22の大径部22aと小径部22bとの境目には段部38を形成し、この段部38とプレッシャープレート27の大径部27aとの間に隙間39を形成し、この隙間39に、シール部材45とバックアップリング46とを組み込んでいる。そして、図示するようにシール部材45を隙間39に組み込む際、隙間39内で上記シール部材45を弾性変形させることによって、このシール部材45に径方向の弾性力と軸線方向の弾性力とを発揮させている。
上記シール部材45によって、径方向の弾性力が発揮されることにより、ボア22とプレッシャープレート27との隙間がシールされる。また、上記シール部材45の軸線方向の弾性力が発揮されることにより、プレッシャープレート27をカムリング23及びロータ24側に動かすようにしている。そして、ロータ24の回転が止まっている非作動状態においても、プレッシャープレート27の大径部27aを、カムリング23及びロータ24側に積極的に動かすようにしている。つまり、シール部材45によって、上記参考例のOリング37とコイルスプリング35の両方の機能を発揮させている。
なお、図中符号p,pは、固定ピンであり、これら固定ピンp、pの一方を、カバー21に形成したピン孔40,40に圧入している。そして、これら固定ピンp,pを、サイドプレート36及びカムリング23に貫通させるとともに、その先端をプレッシャープレート27に形成した穴41,41に挿入している。このようにすることによって、サイドプレート36,カムリング23,及びプレッシャープレート27の相対位置を特定するとともに、これら3つの部材のカバー21に対する位置も特定している。
次に、この第1実施形態の作用を説明する。
図示していない駆動源の作動により、シャフト29が回転すると、このシャフト29とともにロータ24が回転する。ロータ24が回転すると、その遠心力によってベーン25が突出し、このベーン25の先端がカムリング23の内壁に押し付けられて、各ベーン間に独立した室が形成される。
上記のように、ベーン25の先端がカムリング23の内壁に押しつけられるが、このカムリング23の内壁は、上記したように略楕円形をしているため、各ベーン25は、ロータ24の回転にともなってこのロータ24から出入りして、上記ベーン25によって形成された各室の容積も変化する。そして、ロータ24の回転に伴って室の容積が拡大するときに、その室内に作動油が吸い込まれて、その室の容積が縮小するときに、室内の作動油が圧縮されて高圧になる。この高圧の作動油は、吐出穴31,31を介して高圧室32側に導かれて、この高圧室32からボディ20に形成した通路44を介して外部に吐出されることになる。
なお、上記室に吸い込まれる作動油は、ボディ20に形成した吸い込み通路42を介してカムリング23の周囲に導かれ、このカムリング23の周囲から導くようにしている。
また、上記高圧室32内の高圧の作動油の作用によって、プレッシャープレート27がロータ24及びカムリング23側に移動する。そして、高圧室32内の吐出圧が高くなればなる程、プレッシャープレート27とロータ24とのクリアランスが小さくなる。また、ロータ24とサイドプレート36とのクリアランスも小さくなる。このようにクリアランスを小さくすることで、吐出効率の低下を防止するようにしている。
また、この第1実施形態では、プレッシャープレート27に形成した凹部33に、シャフト29の先端29aを挿入するとともに、このシャフト29の先端29aを、凹部内33に設けた軸受部材34を介して回転自在に支持する構成にしたので、シャフト29の先端29aを支持する部分においても、高圧室32内の高圧の作動油をプレッシャープレート27に作用させることができる。そのため、プレッシャープレート27の側面全体に、バランス良く圧力が作用することになり、プレッシャープレート27の変形を防止することができる。このようにプレッシャープレート27の変形を防止できるので、その変形によって従来生じていたプレッシャープレート27とロータ24との隙間からの作動油の漏れを規制できる。そして、漏れを規制できた分、吐出効率を向上させることができる。
さらに、この第1実施形態においても、シャフト29がプレッシャープレート27を貫通していないので、これらシャフト29とプレッシャープレート27との間をシールする必要がない。したがって、シャフト29とプレッシャープレート27との間のシール部材を不要にでき、シャフト29に作用する摺動抵抗によってヒステリシスが生じるといった従来の問題を解決することができる。
さらにまた、この第1実施形態によっても、シール部材45の軸線方向の弾性力によって、プレッシャープレート27をカムリング23及びロータ24側に常に押しつけておくことができる。したがって、プレッシャープレート27とロータ24との間、およびロータ24とサイドプレート36との隙間からの作動油の漏れを規制できる。
前記参考例では、コイルスプリング35をボディ1内にわざわざ組み付けなければならいために、作業コストや部品コストがかかっていたが、この第1実施形態によれば、ボア22とプレッシャープレート27との間をシールするためのシール部材45を利用して、コイルスプリング35と同様の機能が得られるので、コイルスプリング35を省略できる分、組み付け作業コストや部品コストを削減できる。
ところで、上記第1実施形態では、シール部材45の締め代による弾性力によって、プレッシャープレート27をカムリング23及びロータ24側に動かすようにしているが、このシール部材45による弾性力が不足する場合には、図3に示す第2実施形態のように、高圧室32内にコイルスプリング35を組み込んで、その弾性力をプレッシャープレート27に作用させてもよい。このようにコイルスプリング35を組み込めば、プレッシャープレート27をカムリング23及びロータ24側により確実に移動させることができる。
なお、上記第1、第2実施形態では、カバー21とカムリング23及びロータ24との間に、サイドプレート36を設けているが、このサイドプレートは、カバー21と一体化してもよい。つまり、この発明において、サイドプレート36は必須の構成要素ではない。
参考例の断面図である。 第1実施形態の断面図である。 第2実施形態の断面図である。 従来例の断面図である。
符号の説明
20 ボディ
22 ボア
22a ボアの大径部
22b ボアの小径部
23 カムリング
24 ロータ
27 プレッシャープレート
27a プレッシャープレートの大径部
27b プレッシャープレートの小径部
29 シャフト
29a シャフトの先端
32 高圧室
33 凹部
34 軸受部材
35 コイルスプリング
38 段部
39 隙間
45 シール部材

Claims (2)

  1. ボディと、このボディに形成したボアと、このボア内に組み込んだカムリングと、このカムリング内に回転自在に組み込んだロータと、このロータに形成した貫通孔と、この貫通孔に貫通させるとともに上記ロータを固定したシャフトと、ロータの周囲に出没自在に組み込んだ複数のベーンと、上記ロータ及びカムリングに隣接して設けたプレッシャープレートと、このプレッシャープレートに隣接して設けるとともに、上記カムリング及びロータと反対側に位置する高圧室とを備え、上記シャフトとともにロータが回転すると、高圧の作動油が高圧室側に吐出されるとともに、この高圧室内の作動油の作用によって、上記プレッシャープレートをカムリング及びロータ側に移動させ、上記プレッシャープレートに凹部を形成し、この凹部にシャフトの先端を挿入して、この挿入したシャフトの先端を、凹部内に設けた軸受部材を介して回転自在に支持するベーンポンプにおいて、上記ボア内に段部を設ける一方、プレッシャープレートに大径部と小径部とを設け、上記ボア内の段部とプレッシャープレートの大径部との間に隙間を形成し、この隙間に、シャフトの直径方向及び軸方向の締め代を同時に有するリング状のシール部材を設けるとともに、このシール部材と上記プレッシャープレートの大径部との間にバックアップリングを介在させ、上記シール部材の締め代によって発揮される弾性力で、上記ボアとプレッシャープレートとの間をシールするとともに、プレッシャープレートをカムリング及びロータ側に移動させる構成にしたことを特徴とするベーンポンプ。
  2. 上記プレッシャープレートに弾性力を付与するスプリングを設けるとともに、このスプリングの弾性力によって、プレッシャープレートをカムリング及びロータ側に移動させる構成にしたことを特徴とする請求項1に記載のベーンポンプ。
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