JP4229229B2 - インストルメントパネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は自動車のエアバッグ装置、特に助手席用のエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フロントウィンドウパネルの下方に位置するインストルメントパネルの内部に、エアバッグとインフレータを収納したエアバッグ装置を一体化して備えたインストルメントパネルが知られている。このエアバッグ装置の下部はインストルメントパネルの内部で車幅方向に沿って配設されたステアリングメンバに固定され、上部はインストルメントパネルの裏面に一体形成された前後一対の取付片に係止されている。
【0003】
インストルメントパネルのエアバッグに対応する部分で、前記一対の取付片の間には、その裏面に形成した閉ループ状の開裂溝(破断予定線)により、インストルメントパネル自体に区画形成されたドア部が設けられている(類似技術として、特開2001−39254号公報参照)。
【0004】
このように、インストルメントパネル自体にドア部を形成しているのは、インストルメントパネルに開口を形成して、そこに別物の開閉リッドを設ける場合に比べて、見映えが良いからである。ドア部の裏側には開裂溝を越えてドア部の外側まで延びるアルミ製の裏当部材が形成されている。そして、エアバッグの膨張時には、エアバッグの膨張力により、裏当部材を介してドア部の全面が押されて、ドア部が開裂溝より破断されて切り離される。切り離されたドア部は、裏当部材の開裂溝に対応する部分をヒンジ部として外側へ開成し、ドア部が取り除かれた後の開口部から、エアバッグを車内側へ展開させることができる。
【0005】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、インストルメントパネルのドア部の裏側に結合されている裏当部材が金属製(アルミ製)のため、開裂溝のうち、裏当部材にて覆われている部分には、エアバッグの膨張力が直接及ばない。すなわち、裏当部材が金属製で柔軟に変形しないため、エアバッグの膨張力を裏当部材にて覆われた部分の開裂溝に直接及ぼすことができず、ドア部は裏当部材を介して全面的に押される間接的作用により、その部分の開裂溝を破断することになる。そのため、このような開裂溝を確実に破断させるに、エアバッグを膨張させるためのインフレータを大型で高出力にする必要があり、重量及びコストの面で不利であった。
【0006】
こうした問題を解決するため、裏当部材をプラスチック材料で構成することも知られている。例えば、本出願人はすでに特開2002−347556(特許文献1)にて、裏当部材の構成材料の材質を工夫した提案を行っている。すなわち、裏当部材の前記開裂溝に対応する部位がエアバッグの膨張力を受けて押し上げられて変形して開裂溝に対して直接その押し上げ力を及ぼすことができるように、裏当部材を軟質の樹脂材料により構成するというものである。そして、具体的には、裏当部材の材質として、曲げ弾性率が6000kgf/cm2以下、好ましくは4500kgf/cm2以下、更に実施例としては、2800kgf/cm2の熱可塑性オレフィンエラストマー樹脂が使用されている。
【0007】
また、特開平9−109816号公報(特許文献2)には、助手席用エアバッグカバーを兼ねるインストルメントパネルの材質とその内側の補強部材の材質との組合せとして、ポリオレフィンとオレフィン系エラストマーが好ましいとされ、更にその物性としてインストルメントパネルが、引張伸びが300%よりも大きく、曲げ弾性率が20000kgf/cm2より大きく、熱変形温度が120℃より大きく、アイゾット衝撃強度(23℃)が15kg・cm/cmより大きいポリプロピレン系樹脂を使用し、かつ前記補強部材として、曲げ弾性率が3000kgf/cm2より大きく、アイゾット衝撃強度(−40℃)が20kg・cm/cmより大きいオレフィン系エラストマーを使用することが提案されている。
【0008】
また、特開平8−48204号公報(特許文献3)には、2層構造のガスバッグモジュール用カバーとして、第1層の硬さが概ね32から43ショアDであり、第2層の硬さが概ね45から80ショアAであるものが提案されている。
また、上記のようなエアバッグ装置を一体化したシームレスのインストルメントパネルにおいてドア部のヒンジを構成する部位に対応する裏当て部材に湾曲状の溝部を形成したものがある(特許文献4 特表2002−507172)。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−347556
【特許文献2】
特開平9−109816号公報
【特許文献3】
特開平8−48204号公報
【特許文献4】
特表2002−507172
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インストルメントパネルの内部に設けたエアバッグ装置には、その安全装置としての機能を十全に発揮させるために、各種の要求性能を満足させなくてはならない。例えば、車輌が衝撃を受けてインフレータが作動したとき、瞬時に収納されているエアバッグを膨張させ、その膨張力により破断予定線に沿ってエアバッグカバーを構成しているインストルメントパネルのドア部を開裂し、その開口部から車輌室内に向かってエアバッグをスムースに膨張展開させなくてはならない。しかも、車輌内部は高温度〜低温度の、広い温度範囲におかれるから、前記エアバッグ装置のスムースな作動がその広い温度範囲にわたって保証されるように、その広い温度範囲で十分な機械的諸特性を保持できるものでなければならない。
【0011】
更に、インストルメント内部にエアバッグ装置を一体化したことで、車室側の外観がその対応する内部の構造により悪影響が及ぶことも避けなければならない。
こうした観点から検討すると、従来提案されたインストルメントパネル内に一体化して設けたエアバッグ装置は十分満足できるものではなかった。
本発明は、こうした状況の下に、広い温度範囲にわたって安全性、信頼性に優れ、また、耐久性、外観等に優れた助手席用エアバッグ装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、インストルメントパネルを構成するポリオレフィン樹脂として、特定の曲げ弾性率、伸び率、アイゾット衝撃値を備え、更にそれらに加えて特定の引張強さを具備する材質を選択し、かつ前記裏当部材として前記ポリオレフィン樹脂よりも軟質で伸び性の大きい熱可塑性オレフィンエラストマーの組合せで構成することが有効であることを見出し、本発明に至った。
更に、この材料の組合せとともに、エアバッグ装置作動時にインストルメントパネルのドア部が開裂する際ヒンジ部となる部位の構造を工夫することにより、一層スムースな展開が確保されることも見出した。
【0013】
すなわち、本発明は、インストルメントパネル内部に一体に設置されたエアバッグ装置を備えたインストルメントパネルであって、前記パネルの内側に設けた破断予定線によって区画され、エアバッグ膨張時に該破断予定線に沿って開裂してエアバッグを膨出させるドア部、及びそれに結合した裏当部材を有するものにおいて、該ドア部を含む該パネルが弾性率1500〜3500Mpa、引張強さ17〜40Mpa、アイゾット衝撃値3.0〜15KJ/m2、及び伸び400%以下を有するポリオレフィン樹脂から構成され、該裏当部材が前記パネルよりも軟質で、かつ伸び性の大きい熱可塑性オレフィンエラストマーから構成され、裏当部材はドア部を補強するドア補強部と、取付部と、取付部とドア補強部とを連結し破断予定線を跨ぐヒンジ部とを有し、このヒンジ部は前記破断予定線に交差する断面において取付部側及びドア補強部側に破断予定線に向けて拡開状に形成される一対の平板部を含む湾曲形状をなし、かつ破断予定線を形成する開裂溝の基端とヒンジ部の基端とが一致していることを特徴とするインストルメントパネル。
に関する。
【0015】
本発明において、インストルメントパネルの材質が前記特性を備えることが重要である。すなわち、該パネルの弾性率が1500Mpa未満の場合には耐荷重性が劣り、変形し易く、3500Mpaを越えると反対に衝撃を受けてエアバッグ装置が作動したときドア部材が強すぎることとなり、開裂溝へ伝わる衝撃力が十分に大きくないとスムースな開裂が保証されないおそれがある。好ましい曲げ弾性率は、2000〜3200Mpa、より好ましくは、2500〜3000Mpaである。引張強さが17Mpa未満の場合には、ドア部材が常態(エアバッグ非展開時)においてもパネルが受ける衝撃により開裂溝から破損するおそれがあり、また40Mpaを越える場合には、エアバッグ装置の作動時に予定の開裂溝から開裂し難くスムースな開裂が保証されないおそれがある。好ましい引張強さは、20〜35Mpa、より好ましくは、23〜30Mpaである。
【0016】
アイゾット衝撃値が3.0KJ/m2未満の場合にはエアバッグ作動時に破断予定線を越えて開裂するおそれがあり、また15KJ/m2を越える場合には、反対にエアバッグ作動時に予定の開裂溝から開裂し難くなり、スムースな開裂が保証されないおそれがある。好ましいアイゾット衝撃値は、好ましくは3.8〜7.5、より好ましくは、4.0〜6.0である。更に伸びが400%を越えると、やはりエアバッグ装置の作動時に予定の開裂溝から開裂し難い。好ましくは
30〜400%、より好ましくは100〜400%である。
本発明に使用する上記インストルメントパネルや裏当部材の物性に適応する樹脂材料自体は、市販品から選択できる。
【0017】
ところで、ヒンジ部の長さ(周長)はヒンジ間距離に比べて十分に大きいことが望まれる。ドア部が回動してエアバッグ膨出エリア外に移動する際、ヒンジ部で折れる態様(前記特許文献2 図13、前記特許文献3 図1))では、折れ点に曲げ応力が集中する。また、裏当部材の大きな曲率の湾曲形状をしているヒンジ部(特許文献1 図3、特許文献4 図3など)では、同様に応力の集中により、特に低温条件におけるドアの開裂時の挙動として図5のようにドア端部が偏位してインストルメントパネル上に乗り上げる、すなわち同パネルと干渉する動きをしていることが、本発明者らの実験結果から判明している。前者の場合には、折れたときの破片の飛散が懸念され、またドア端部のパネルと干渉しながら開裂する態様では、開裂持の抵抗により、設計どおりにエアバッグが展開されないことが懸念される。したがって、こうした懸念を払拭するため、インストルメントパネルや裏当部材に適用する樹脂材料の選択が重要となる。
【0018】
本発明においては、上記した材料の選択により、広い温度範囲にわたって、スムースなドアの開裂を可能とし、同時に設計どおりでスムースなエアバッグの膨張、展開を確保することができる。
特に本発明においては、ヒンジ部の構造を破断予定線に交差する断面において取付部側及びドア補強部側に一対の平板部を含む湾曲形状をなすように設けることが特に好ましい。更にその平板部が破断予定線に向けて拡開状に形成することが一層好ましい。これらの場合には、低温時にもドアが開裂するときヒンジ部において前記のようなインストルメントパネルと干渉しながらそれに乗り上げるような偏位を生じることなく、スムースな開裂を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1〜図4は、この発明の実施形態を示す図である。すなわち、図1は、本発明のエアバッグ装置を一体化したインストルメントパネルの断面説明図であり、図2は、その一体化したエアバッグ装置のドア部となるインストルメントパネルおよび裏当部材の構造を示す一部破断斜視図であり、図3は、裏当部材の断面説明図である。また、図4は、図3中のヒンジ構造を示す本発明の一実施例である。図中、1は自動車のインストルメントパネルで、その上方にはフロントウィンドウパネル2が位置している。このインストルメントパネル1は、硬質のポリプロピレン樹脂による成形品で、表面にはフロントウィンドウパネル2への映り込みを防止するための艶消しシボ加工が施されている。
【0020】
インストルメントパネル1の内部には、エアバッグ装置3が設置されている。エアバッグ装置3は、インフレータ4を内蔵したリアクションカン5をブラケット6にてステアリングメンバ7に固定し、リアクションカン5にミッドリテーナ5aを固定して、リアクションカン5に一体に設けたケース8内にエアバッグ9を折り畳んで収納した構造をしている。ケース8の前面及び後面にはフック10が取付けられている。
【0021】
このエアバッグ装置3の上方に対応するインストルメントパネル1には、長方形状のドア部11が形成されている。このドア部11は、インストルメントパネル1の裏面に形成した平面略日の字状の開裂溝12により区画形成されたものである(図8)。この開裂溝12は、インストルメントパネル1の成形後に、回転刃(フライス刃など)により後加工した切削溝である。従って、インストルメントパネル1の表面には一体成形溝におけるような艶ムラなどが生じない。
【0022】
インストルメントパネル1の裏面におけるドア部11に対応する部分には、軟質の熱可塑性オレフィン系エラストマー樹脂製の裏当部材13が結合されている。開裂溝12の内側及び外側に対応する位置に格子状の結合リブ(図示せず)が設定されている。この結合リブが超音波振動溶着において溶融し、裏当部材13とインストルメントパネル1との結合力を得ている。
【0023】
そして、この裏当部材13における開裂溝12の外側近接位置には各筒状の筒状体16が形成され、その前後の対向面が前後一対の取付片17、18になっている。裏当部材13が樹脂製のため、このような取付片17、18の一体形成が容易である。この取付片17、18には、それぞれ取付孔19が形成され、そこにエアバッグ装置3のフック10が係止されている。
【0024】
取付片17、18の基部は、断面略L字状に外方に延設され、外周フランジ14を形成する。このインストルメントパネル1裏面との対向面にも結合リブが設けられ、インストルメントパネル1との結合力を得ている。
【0025】
裏当部材13がインストルメントパネル1と別体のため、取付片17、18の角度は、インストルメントパネル1の型抜き角度に規制されることなく、自由に設定することができる。また、取付片17、18を筒状体16の前後対向面部として形成したため、取付片17、18の強度が高くなり、エアバッグ装置3の支持強度が向上すると共に、筒状体16によりエアバッグ9の膨張方向をガイドする機能も向上する。更に、取付片17、18が裏当部材13と一体で形成されているため、部品点数の増加を招くこともない。
【0026】
裏当部材13の開裂溝12に対応する部位には、前後辺部を残して、Hの字形の切断部20が形成されている。この切断部20は小さい幅のスリット状に形成されている。裏当部材13における開裂溝12の前後辺部に対応する部位は、開裂溝12を跨ぐ湾曲状のヒンジ部21となっている。なお、切断部20として明確に分断する他、薄肉状に連結した破断可能な弱部として構成することもできる。
裏当部材13の詳細を図3に示す。一対のヒンジ部21は、ドア側の基部21a、第1の傾斜部21b、反転部21c、第2の傾斜部21d、取付片側の基部21eを有する「く」の字状をしている。
【0027】
次に、エアバッグ9の展開挙動を説明する。自動車が衝突すると、インフレータ4からエアバッグ9へガスが噴出される。エアバッグ9はケース8内で膨張して、その膨張力により、裏当部材13及びドア部11が上側に押される。この時、ヒンジ部21、21(前後)に先行して日の字状をなす開裂溝12が開裂し、ヒンジ部21を中心にいわゆる観音開き状に一対のドアが開く。そのため、ドア部11の切断が確実に行われ、ドア部11がインストルメントパネル1から切り離される。
【0028】
インストルメントパネル1から切り離されたドア部11は、裏当部材13のヒンジ部21を中心に前側及び後側へ回転して開き、ドア部11が取り除かれた部分の開口から、エアバッグ9が車室内側に展開して、乗員を保護することができる。この時、裏当部材13のヒンジ部21が直線状の傾斜部(平坦部)(21b、21d)を含む湾曲形状をしているため、ドア部11の開成時に取付片方向へヒンジ基部21eが押されて偏位することが防止され、その結果、ヒンジ基部eのインストルメントパネル面に対する角度(図4に示す角度)の鋭角化が防止される。また、周長も確保されており、曲げ変形が元々曲げ点を持つ基部(21a、21e)や反転部21cに集中しない。すなわち、直線状の傾斜部21b、21dにおいて曲がりが起き易くなるため、ドア部のエッジ11aは図5のようにインストルメントパネル1表面に干渉する位置(乗り上げ位置)にならず、ヒンジ部21の上方にあって、ヒンジ部21の下面によりエアバッグ9にも接しない。よって、エアバッグ膨出用開口が確保され、エアバッグ9の円滑な展開を促進させる。ヒンジ部21に外方への引き出し力が作用せず、基部(21e)における局所的曲げ・引張力の作用を抑制できる。
【0029】
実施の形態では、直線状をなす部分は傾斜部である。傾斜角度は基部直近のインストルメントパネル面に対して直角とするほか、予め基部21eに破断予定線に向けて拡開状に鈍角を設定できるようにするのがよい。100°よりも大きくとるのがよい(図4)。(好適には120〜150°、さらに好ましくは125〜145°である)。基部21aも同様に直角とするほか、鈍角としてもよい。二つの基部の角度は同一でもよいし、異なってもよい(C線はヒンジセンタ)。ヒンジ部21の高さは25mm程度を上限にする。これ以上の高さを取ると、エアバッグ9の収納スペースを侵食すること、過剰な周長となって、無駄だからである。裏当材の使用材料に応じて適宜選択する。また前記角度が大きくなると、より大きな鈍角となってヒンジ部21の2つの基部21a、21e間の距離が大きくなるとともに、周長がとりずらくなるので、実用的には150°までが好ましい。
【0030】
実施例
インストルメントパネル(アウター)をポリプロピレン、裏当部材(インナー)を熱可塑性ポリオレフィンエラストマーとして下記表に示す物性を有する材料から選択し、図1から4に示す構造のエアバッグ装置を製作し、エアバッグの展開試験を室温(23℃)行いその展開状況を観察した。その結果を表に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
実施例4及び比較例9
実施例1のヒンジサイズに相当する大きさとし、但し、その断面形状を図6に示す平坦部のない湾曲状断面形状に変えた他は実施例1と同様にして、比較例9のエアバッグ装置を製作し、これをマイナス30℃の低温下に展開試験を行い、エアバッグの展開状況を観察した。
その結果、比較例9では、エアバッグは所定形状に展開したものの、取付片側基部に多くの白化箇所があり、溝部の近傍に亀裂Xを生じて、インストルメントパネル1に部分的に割れた箇所も生じた(図7)。
【0033】
これに対して、実施例1のエアバッグ装置を使用した実施例4では、マイナス30℃という低温下でもインストルメントパネル1の表面のドア部が良好に回動し、エアバッグの展開に支障がなかった。ヒンジ部の白化や破損、インストルメントパネル1の亀裂や小片の発生はなかった。
以上の実施例では、ドア部を観音開きとしたが、これに制限されるものではなく、片側開きとしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のエアバッグ装置を一体化したインストルメントパネルは、その材料を特定の物性を有するものから選択したことにより、エアバッグ装置が作動したとき、ヒンジ部が取付片側に押されて偏位しインストルメントパネルと干渉するようなことはなく、広い温度範囲にわたって、設計どおりのスムースな展開が可能である。また、低温時においてもインストルメントパネルのヒンジ対応部位に亀裂や破損が発生することもなく、エアバッグ装置の信頼性を高めることができる。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ装置を一体化したインストルメントパネルの断面説明図。
【図2】図1に示すインストルメントパネルのドア部および裏当部材の構造を示す一部破断斜視図。
【図3】本発明の裏当部材の断面説明図。
【図4】図3中のヒンジ構造を示す本発明の一実施例の説明図。
【図5】ドア部開裂時、ドア端部が取付部側に偏位して、インストルメントパネルと干渉する様子を説明する図(観音開きの片側の動きをドア端部の動作を強調するため両端を丸で示した)。
【図6】比較例9のヒンジ構造を示す説明図。
【図7】図6に示すヒンジ構造がエアバッグ装置のドア部が開裂した際に破損した状態を示す説明図。
【図8】インストルメントパネルにおける開裂溝の配置の説明図。
【0035】
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
3 エアバッグ装置
4 インフレータ
9 エアバッグ
11 開閉扉部
12 開裂溝
13 裏当部材
16 筒状体
17、18 取付片
20 切断部
21 ヒンジ部
Claims (1)
- インストルメントパネル内部に一体に設置されたエアバッグ装置を備えたインストルメントパネルであって、前記パネルの内側に設けた破断予定線によって区画され、エアバッグ膨張時に該破断予定線に沿って開裂してエアバッグを膨出させるドア部、及びそれに結合した裏当部材を有するものにおいて、該ドア部を含む該パネルが弾性率1500〜3500Mpa、引張強さ17〜40Mpa、アイゾット衝撃値3.0〜15KJ/m2、及び伸び400%以下を有するポリオレフィン樹脂から構成され、該裏当部材が前記パネルよりも軟質で、かつ伸び性の大きい熱可塑性オレフィンエラストマーから構成され、前記裏当部材はドア部を補強するドア補強部と、取付部と、取付部とドア補強部とを連結し破断予定線を跨ぐヒンジ部とを有し、このヒンジ部は前記破断予定線に交差する断面において取付部側及びドア補強部側に破断予定線に向けて拡開状に形成される一対の平板部を含む湾曲形状をなし、かつ破断予定線を形成する開裂溝の基端とヒンジ部の基端とが一致していることを特徴とするインストルメントパネル。
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2003
- 2003-04-21 JP JP2003115646A patent/JP4229229B2/ja not_active Expired - Lifetime
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