JP4228832B2 - 複層滑り軸受の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等のドアのヒンジ部等に用いられる複層滑り軸受の製造方法及び製造装置に関する。
特開2003−28145号公報
複層滑り軸受の製造方法としては、例えば、滑り層を有する複層板材をプレスして当該複層板材に凹所を形成(絞り成形)し、当該凹所の底部を打ち抜く複層滑り軸受の製造方法が特許文献1において提案されている。
ところで、斯かる複層滑り軸受の製造方法では、複層板材に形成した凹所の底部の全部を打ち抜くために、当該方法により製造した複層滑り軸受を自動車等のドアのヒンジ部に用いた場合、複層滑り軸受の底抜き側の端部と当該滑り軸受により回転支持している軸との間に塵埃等が入り込むことのできる程度の隙間が生じ得てしまう虞があり、シール性の高い複層滑り軸受を製造することが困難である。
また、斯かる複層滑り軸受の製造方法では、プレス加工によって凹所を形成するために、多数の凹所を夫々互いに近接させた位置で複層板材に形成しようとすると、プレス加工による過大な押圧力が与えられて複層板材自体に撓みが生じ得てしまい、従って、高精度な複層滑り軸受を低費用をもって大量に製造することが困難である。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シール性の高い複層滑り軸受を製造することができ、また、高精度な複層滑り軸受を低費用をもって大量に製造することのできる複層滑り軸受の製造方法及びその製造装置を提供することにある。
本発明の第一の態様の複層滑り軸受の製造方法は、滑り層を有する複層板材を打ち抜いて夫々互いに連結する複数の円板状の軸受素体を形成する軸受素体形成工程と、軸受素体形成工程で形成された複数の円板状の軸受素体の中央部を滑り層側から絞り成形して当該中央部に凹所を形成する絞り成形工程と、絞り成形工程で形成された凹所の底部の周縁部を残存させるように当該底部の一部を滑り層側から打ち抜く底抜き工程と、底抜き工程で底部の一部が打ち抜かれた凹所の底部の周縁部を滑り層側から押し拡げる押し拡げ工程とを具備している。
第一の態様の複層滑り軸受の製造方法によれば、絞り成形工程で形成された凹所の底部の一部を滑り層側から打ち抜き、こうして抜かれた凹所の底部の周縁部を滑り層側から押し拡げるために、複層滑り軸受の底抜き側の端部に縮径戻り力を残存させることができて、シール性の高い複層滑り軸受を製造し得る。
本発明の第二の態様の複層滑り軸受の製造方法は、複数の円板状の軸受素体を形成すべき複層板材の部位を軸受素体形成工程の加工位置に、凹所を形成すべき複層板材の部位を絞り成形工程の加工位置に、底部の一部を打ち抜くべき複層板材の部位を底抜き工程の加工位置に、そして、押し拡げるべき凹所の底部の周縁部を押し拡げ工程の加工位置に夫々配するように当該複層板材を順送りする順送り工程を更に具備している。
第二の態様の複層滑り軸受の製造方法によれば、複層板材を順送りする順送り工程を具備しているために、例えばコイル巻きされた複層板材から次々に複層滑り軸受を連続して製造できる。
本発明の第三の態様の複層滑り軸受の製造方法では、第一又は第二の態様の複層滑り軸受の製造方法において、軸受素体形成工程は、複層板材の幅方向で互いに隣接して配される前列側の複数の円板状の軸受素体を形成する前列軸受素体形成工程と、前列軸受素体形成工程で形成された前列側の複数の円板状の軸受素体に対して後列側に位置すると共に複層板材の幅方向で互いに隣接して配される複数の円板状の軸受素体を形成する後列軸受素体形成工程とを具備している。
後列軸受素体形成工程は、好ましくは本発明の第四の態様の複層滑り軸受の製造方法のように、前列軸受素体形成工程で前列側の複数の円板状の軸受素体が形成されてから一回に複層板材を軸受素体の前後二列分順送りさせる順送り工程で複層板材が二回以上順送りされた後、後列側の複数の円板状の軸受素体を形成する。
第四の態様の複層滑り軸受の製造方法によれば、複層板材に加わる押圧力を小さくすることができて多数の凹所を夫々互いに近接した位置に形成することができ、従って、高精度な複層滑り軸受を低費用をもって大量に製造することができる。
軸受素体形成工程では、本発明の第五の態様の複層滑り軸受の製造方法のように、千鳥配列された複数の円板状の軸受素体を形成するとよい。
また、前列軸受素体形成工程と後列軸受素体形成工程とでは、好ましくは本発明の第六の態様の複層滑り軸受の製造方法のように、互いに千鳥配列された前列側の軸受素体と後列側の軸受素体とを形成する。
本発明の第七の態様の複層滑り軸受の製造方法は、本発明の第一から第六のいずれかの態様の複層滑り軸受の製造方法において、複層板材の幅方向における縁部を折り曲げる縁部折り曲げ工程を更に具備しており、ここで、縁部折り曲げ工程で縁部を折り曲げた後に絞り成形工程による複層板材の軸受素体の絞り成形を行う。
本発明の第八の態様の複層滑り軸受の製造方法は、本発明の第一から第七のいずれかの態様の複層滑り軸受の製造方法において、軸受素体形成工程で形成された複数の円板状の軸受素体の夫々を互いに連結する連結部を折り曲げる連結部折り曲げ工程を更に具備しており、ここで、連結部折り曲げ工程で連結部を折り曲げた後に絞り成形工程による複層板材の軸受素体の絞り成形を行う。
第七又は第八の態様の複層滑り軸受の製造方法によれば、複層板材の幅方向における縁部又は軸受素体の夫々を互いに連結する連結部を折り曲げるために、複層板材自体の撓みをなくし得て、複層滑り軸受を更に高精度に製造し得る。
本発明の第九の態様の複層滑り軸受の製造方法は、第一から第八のいずれかの態様の複層滑り軸受の製造方法において、絞り成形工程では絞り成形を複数回行う。
本発明の第十の態様の複層滑り軸受の製造方法は、第一から第九のいずれかの態様の複層滑り軸受の製造方法において、押し拡げ工程で押し拡げられた軸受素体の端部としての底部の周縁部を下方から突き上げ整形する端部整形工程を更に具備している。
本発明の第十一の態様の複層滑り軸受の製造方法は、第十の態様の複層滑り軸受の製造方法において、端部整形工程で底部の周縁部が下方から突き上げ整形された軸受素体の環状鍔部の外周縁部又は内周縁部における滑り層に環状溝を形成するコイニング工程を更に具備している。
本発明の第十二の態様の複層滑り軸受の製造方法は、第十一の態様の複層滑り軸受の製造方法において、コイニング工程で環状鍔部の外周縁部の滑り層に環状溝が形成された軸受素体を、外周縁部の環状溝の部位で剪断させるように、滑り層側から打ち抜いて鍔付きの複層滑り軸受を得、この鍔付きの複層滑り軸受を排出する排出工程を更に具備している。
本発明の第十三の態様の複層滑り軸受の製造方法は、第十一の態様の複層滑り軸受の製造方法において、コイニング工程で環状鍔部の内周縁部の滑り層に環状溝が形成された軸受素体を、内周縁部の環状溝の部位で剪断させるように、滑り層側から打ち抜いて鍔無しの複層滑り軸受を得、この鍔無しの複層滑り軸受を排出する排出工程を更に具備している。
本発明の第一の態様の複層滑り軸受の製造装置は、滑り層を有する複層板材を打ち抜いて夫々互いに連結する複数の円板状の軸受素体を形成する軸受素体形成手段と、軸受素体形成手段により形成された複数の円板状の軸受素体の中央部を滑り層側から絞り成形して当該中央部に凹所を形成する絞り成形手段と、絞り成形手段により形成された凹所の底部の周縁部を残存させるように当該底部の一部を滑り層側から打ち抜く底抜き手段と、底抜き手段により底部の一部が打ち抜かれた凹所の底部の周縁部を滑り層側から押し拡げる押し拡げ手段とを具備している。
第一の態様の複層滑り軸受の製造装置によれば、絞り成形手段で形成された凹所の底部の一部を底抜き手段により滑り層側から打ち抜き、こうして抜かれた凹所の底部の周縁部を押し拡げ手段により滑り層側から押し拡げるために、複層滑り軸受の底抜き側の端部に縮径戻り力を残存させることができて、シール性の高い複層滑り軸受を製造し得る。
本発明の第二の態様の複層滑り軸受の製造装置は、複数の円板状の軸受素体を形成すべき複層板材の部位を軸受素体形成手段の加工位置に、凹所を形成すべき複層板材の部位を絞り成形手段の加工位置に、底部の一部を打ち抜くべき複層板材の部位を底抜き手段の加工位置に、そして、押し拡げるべき複層板材の部位を押し拡げ手段の加工位置に夫々配するように当該複層板材を順送りする順送り手段を更に具備している。
第二の態様の複層滑り軸受の製造装置によれば、複層板材を順送りする順送り手段を具備しているために、例えばコイル巻きされた複層板材から次々に複層滑り軸受を連続して製造できる。
本発明の第三の態様の複層滑り軸受の製造装置では、第一又は第二の態様の複層滑り軸受の製造装置において、軸受素体形成手段は、複層板材の幅方向で互いに隣接して配される前列側の複数の円板状の軸受素体を形成する前列軸受素体形成手段と、前列軸受素体形成手段により形成された前列側の複数の円板状の軸受素体に対して後列側に位置すると共に複層板材の幅方向で互いに隣接して配される複数の円板状の軸受素体を形成する後列軸受素体形成手段とを具備している。
後列軸受素体形成手段は、好ましくは本発明の第四の態様の複層滑り軸受の製造装置のように、前列軸受素体形成手段により前列側の複数の円板状の軸受素体が形成されてから一回に複層板材を軸受素体の前後二列分順送りさせる順送り手段により複層板材が二回以上順送りされた後、後列側の複数の円板状の軸受素体を形成するようになっている。
第四の態様の複層滑り軸受の製造装置によれば、複層板材に加わる押圧力を小さくすることができて多数の凹所を夫々互いに近接した位置に形成することができ、従って、高精度な複層滑り軸受を低費用をもって大量に製造することができる。
軸受素体形成手段は、本発明の第五の態様の複層滑り軸受の製造装置のように、千鳥配列された複数の円板状の軸受素体を形成するようになっているとよい。
また、前列軸受素体形成手段と後列軸受素体形成手段とは、好ましくは本発明の第六の態様の複層滑り軸受の製造装置のように、互いに千鳥配列された前列側の軸受素体と後列側の軸受素体とを形成するようになっている。
本発明の第七の態様の複層滑り軸受の製造装置は、第一から第六のいずれかの態様の複層滑り軸受の製造装置において、複層板材の幅方向における縁部を折り曲げる縁部折り曲げ手段を更に具備しており、ここで、絞り成形手段は、縁部折り曲げ手段により縁部が折り曲げられた後に、複層板材の軸受素体を絞り成形するようになっている。
本発明の第八の態様の複層滑り軸受の製造装置は、第一から第七のいずれかの態様の複層滑り軸受の製造装置において、軸受素体形成手段により形成された複数の円板状の軸受素体の夫々を互いに連結する連結部を折り曲げる連結部折り曲げ手段を更に具備しており、ここで、絞り成形手段は、連結部折り曲げ手段により連結部を折り曲げた後に複層板材の軸受素体を絞り成形するようになっている。
第七又は第八の態様の複層滑り軸受の製造装置によれば、複層板材の幅方向における縁部又は軸受素体の夫々を互いに連結する連結部を折り曲げるために、複層板材自体の撓みをなくし得て、複層滑り軸受を更に高精度に製造し得る。
本発明の第九の態様の複層滑り軸受の製造装置では、第一から第八のいずれかの態様の複層滑り軸受の製造装置において、絞り成形手段は、軸受素体の絞り成形を複数回行うようになっている。
本発明の第十の態様の複層滑り軸受の製造装置は、第一から第九のいずれかの態様の複層滑り軸受の製造装置において、押し拡げ手段により押し拡げられた軸受素体の端部としての底部の周縁部を下方から突き上げ整形する端部整形手段を更に具備している。
本発明の第十一の態様の複層滑り軸受の製造装置は、第十の態様の複層滑り軸受の製造装置において、端部整形手段により底部の周縁部が下方から突き上げ整形された軸受素体の環状鍔部の外周縁部又は内周縁部における滑り層に環状溝を形成するコイニング手段を更に具備している。
本発明の第十二の態様の複層滑り軸受の製造装置は、第十一の態様の複層滑り軸受の製造装置において、コイニング手段により環状鍔部の外周縁部の滑り層に環状溝が形成された軸受素体を、外周縁部の環状溝の部位で剪断させるように、滑り層側から打ち抜いて鍔付きの複層滑り軸受を得、この鍔付きの複層滑り軸受を排出する排出手段を更に具備している。
本発明の第十三の態様の複層滑り軸受の製造装置は、第十一の態様の複層滑り軸受の製造装置において、コイニング手段により環状鍔部の内周縁部の滑り層に環状溝が形成された軸受素体を、内周縁部の環状溝の部位で剪断させるように、滑り層側から打ち抜いて鍔無しの複層滑り軸受を得、この鍔無しの複層滑り軸受を排出する排出手段を更に具備している。
本発明によれば、シール性の高い複層滑り軸受を製造することができ、また、高精度な複層滑り軸受を低費用をもって大量に製造することのできる複層滑り軸受の製造方法及び製造装置を提供し得る。
次に、図を参照して本発明及び本発明の実施例を詳細に説明する。尚、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
本例において、図1に示す鍔A付きの複層滑り軸受Bを製造する図2及び図3に示す製造装置1は、一方の面に滑り層2を有する複層板材3の不要部分4を打ち抜いて夫々互いに連結部9を介して連結する複数の円板状の軸受素体5(図14参照)を形成する軸受素体形成手段6と、複層板材3の幅方向における両縁部7(図14から図16参照)を折り曲げる縁部折り曲げ手段8(図4参照)と、軸受素体形成手段6により形成された複数の円板状の軸受素体5の夫々を互いに連結する連結部9(図14から図16参照)を折り曲げる連結部折り曲げ手段10と、軸受素体形成手段6により形成された複数の円板状の軸受素体5の中央部11(図14参照)を滑り層2側から絞り成形して当該中央部11に円筒状部13及び円筒状部13に連続する底部14を有する凹所15を形成する絞り成形手段16(図5参照)と、絞り成形手段16により形成された凹所15の底部14の周縁部17を残存させるように当該底部14の一部18を滑り層2側から打ち抜く底抜き手段19(図6及び図7参照)と、底抜き手段19により底部14の一部18が打ち抜かれた凹所15の底部14の周縁部17を滑り層2側から押し拡げる押し拡げ手段20(図8及び図9参照)と、押し拡げ手段20により押し拡げられた軸受素体5の端部としての底部14の周縁部17を下方から突き上げ整形する端部整形手段26(図10及び図11参照)と、端部整形手段26により凹所15の底部14の周縁部17が押し拡げられた軸受素体5を連結部9から分離して当該軸受素体5を複層滑り軸受Bとして排出する排出手段21(図12参照)と、複層板材3を順送りする順送り手段22と、順送り手段22により順送りされる複層板材3を支持する支持手段23と、滑り層2を有する複層板材3に位置決め用のパイロット孔24(図14参照)を形成するパイロット孔形成手段25とを具備している。
複層板材3は、図4等に示すように、金属板層31と、金属板層31に焼結された銅粉粒32を有する焼結層33と、焼結層33に含浸された合成樹脂を有する滑り層2とを具備している。滑り層2の形成材料である合成樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリイミド樹脂などの充填材を含むポリテトラフルオロエチレンを好ましい例として挙げることができる。
支持手段23は、下基台91と、下基台91に固着された中間基台91aと、下基台91にコイルばねからなる弾性手段59a及びリフター装置92を介して連結された下ストリッパープレート93と、下基台91に近接及び離反するようにX方向に移動(上下動)する上基台94と、上基台94に弾性部材59bを介して連結された上ストリッパープレート95と、加工領域の略中央部において複層板材3を下方から弾性的に支持する弾性支持装置85とを具備しており、順送り手段22により順送りされて下ストリッパープレート93及び中間基台91a上に載置された複層板材3を当該下ストリッパープレート93及び中間基台91aと上ストリッパープレート95とにより挟圧支持するようになっている。
下基台91と下ストリッパープレート93との間に配された弾性手段59aは、上基台94が図13に示すように上昇された際には、その弾性力でリフター装置92と協働して下ストリッパープレート93を同じく図13に示すように上昇させるようになっている。
リフター装置92は、下基台91に植設されたロッド92aと、ロッド92aに上下動自在に支持された可動板92bと、ロッド92aの一端膨大部と可動板92bとの間に配されていると共に可動板92bを弾性的に上方に押し上げるコイルばね92cと、一端では下ストリッパープレート93に、他端では可動板92bに夫々当接して下ストリッパープレート93に上下動自在に配されていると共に可動板92bを介するコイルばね92cの弾性力を下ストリッパープレート93に伝達する伝達ロッド92dとを具備しており、上基台94が図13に示すように上昇された際には、弾性手段59aと協働して下ストリッパープレート93を同じく図13に示すように上昇させる。
弾性支持装置85は、中間基台91aに上下動自在に配された支持ロッド85aと、下基台91に螺着されたナット85bと、支持ロッド85aとナット85bとの間に配されていると共に支持ロッド85aを弾性的に上方に付勢するコイルばね85cとを具備しており、上基台94が図13に示すように上昇されると共に弾性手段59a及びリフター装置92による下ストリッパープレート93の上昇で複層板材3が持ち上げられた際には、コイルばね85cにより支持ロッド85aを上昇させて支持ロッド85aの上面を底部14に当接させ、これにより複層板材3を下方から弾性的に支持するようになっている。
上基台94及び上ストリッパープレート95の下ストリッパープレート93及び中間基台91aに対するX方向の近接及び離反は、上ストリッパープレート95並びに下ストリッパープレート93及び中間基台91aに夫々設けられたガイド孔97a内に摺動自在に配された上下ガイドピン97によって正確に案内される。
上ストリッパープレート95並びに下ストリッパープレート93及び中間基台91a間に配されている複層板材3は、その両縁部7でガイドピン97bに摺接支持されており、各ガイドピン97bはコイルばね97cにより弾性的に上下動自在に支持されている。
軸受素体形成手段6は、複層板材3の幅方向で互いに隣接して配される前列側の複数(本例では五個)の円板状の軸受素体5aを形成する前列軸受素体形成手段41と、前列軸受素体形成手段41により形成された円板状の軸受素体5aに対して後列側に位置すると共に複層板材3の幅方向で互いに隣接して配される複数(本例では五個)の円板状の軸受素体5bを形成する後列軸受素体形成手段42とを具備している。
前列軸受素体形成手段41及び後列軸受素体形成手段42は、上基台94に固定されていると共に不要部分4を打ち抜く打抜パンチ43及び44を夫々具備しており、打抜パンチ43及び44は、上基台94の下基台91に対するX方向の相対的な移動により上ストリッパープレート95と共に下降されることによって図14に示すように複層板材3の不要部分4を滑り層2側から夫々打ち抜くようになっている。打抜パンチ43及び44により打ち抜かれた不要部分4は、当該打抜パンチ43及び44の下方に位置する下基台91の夫々の部位に形成されている抜き落とし用の孔96から排出される。
前列軸受素体形成手段41及び後列軸受素体形成手段42によって形成された軸受素体5a及び5bは図14に示すように夫々互いに千鳥配列となっており、円板状の軸受素体5aの中心部と円板状の軸受素体5bの中心部とは、本例では、夫々互いに複層板材3の送り方向Y及び幅方向に交差する方向に伸びる線上に位置している。円板状の軸受素体5a及び5bの夫々の直径は、本例では約24mmである。
縁部折り曲げ手段8は、図4に特に詳細に示すように、下基台91に固定されていると共に軸受素体形成手段6により円板状の軸受素体5a及び5bが形成された複層板材3の縁部7を折り曲げるように突き上げる一対の突き上げパンチ45を具備している。突き上げパンチ45は、金属板層31側から複層板材3の縁部7を押圧する所定距離L以上の送り方向Yにおける長さを有する押圧面を夫々具備している。突き上げパンチ45は、複層板材3を挟圧支持する上ストリッパープレート95及び下ストリッパープレート93に対して相対的に上昇することにより挟圧支持される部分に含まれない縁部7を金属板層31側から上方に向かって突き上げるようになっている。
連結部折り曲げ手段10は、下基台91に固定されていると共に軸受素体形成手段6により円板状の軸受素体5a及び5bが形成された複層板材3の波線状の連結部9の一部9aを図15に示すように折り曲げるように突き上げる突き上げパンチ46と、上基台94に弾性部材59dを介して連結されていると共に突き上げパンチ46による連結部9の突き上げと共に上昇されようとする円板状の軸受素体5aを滑り層2側から弾性的に抑えつける抑え部材47とを具備している。突き上げパンチ46は、複層板材3を挟圧支持する上ストリッパープレート95及び下ストリッパープレート93に対して相対的に上昇することにより挟圧支持される部分に含まれない連結部9の一部9aを金属板層31側から上方に向かって突き上げるようになっている。
絞り成形手段16は、本例では、大径の絞りパンチ51とダイ61とにより円板状の軸受素体5の中央部11を滑り層2側から絞り成形して当該円板状の軸受素体5に大径の凹所15を規定する円筒状部13を形成する初絞り機構52と、絞りパンチ51よりも小径の絞りパンチ53とダイ63とにより円筒状部13を絞り成形して縮径させる再絞り機構54と、絞りパンチ53の径よりも微少に小さい径の絞りパンチ55とダイ65とにより円筒状部13を絞り成形して微少に縮径させる微少絞り機構56と、絞りパンチ55の径と同等又は絞りパンチ55の径よりも微少に小さい径の絞りパンチ57aとダイ66とにより円筒状部13を絞り成形して当該円筒状部13の形状を整える整形絞り機構57と、初絞り機構52により円筒状部13が形成された軸受素体5の中心位置を調整パンチ67とダイ68とに調整する位置調整機構58とを具備しており、初絞り機構52、再絞り機構54、微少絞り機構56及び整形絞り機構57により円板状の軸受素体5を複数回に分けて絞り成形するようになっている。初絞り機構52による絞り成形では、環状鍔部60と円筒状部13との間の肩部15aを形成し、再絞り機構54による絞り成形では、円筒状部13の形状を整え、微少絞り機構56による絞り成形では、環状鍔部60と円筒状部13との間の肩部15aの形状を整え、整形絞り機構57による絞り成形では、環状鍔部60、円筒状部13及び肩部15aからなる軸受素体5の全体形状を整形するようになっている。
初絞り機構52は、上基台94に固定された絞りパンチ51と、中間基台91aに固定されていると共に絞りパンチ51に押圧される軸受素体5の環状鍔部60を支持するダイ61と、中間基台91aに上下動自在に配されていると共に上面が底部14に当接するロッド52aと、ロッド52aと中間基台91aとの間に配されていると共にロッド52aを上方に弾性的に付勢するコイルばね52bとを具備しており、縁部折り曲げ手段8及び連結部折り曲げ手段10の夫々により縁部7及び連結部9の一部9aが折り曲げられた複層板材3の軸受素体5に対して絞りパンチ51及び絞りパンチ51により初絞り成形して環状鍔部60、円筒状部13、底部14及び肩部15aからなる軸受素体5を形成し、初絞り成形後に上基台94が図13に示すように上昇された際には、コイルばね52bでもって上方に弾性的に付勢されたロッド52aにより円筒状部13及び底部14を図13に示すようにダイ61外に押し出すようになっている。
再絞り機構54は、上基台94に固定された絞りパンチ53と、中間基台91aに固定されていると共に絞りパンチ53に押圧される軸受素体5の環状鍔部60を支持するダイ63と、中間基台91aに上下動自在に配されていると共に上面が底部14に当接するロッド54aと、ロッド54aと下基台91に螺着されたナット54cとの間に配されていると共にロッド54aを上方に弾性的に付勢するコイルばね54bとを具備しており、初絞り機構52により初絞り成形された軸受素体5に対して再絞り成形をするようになっていると共に再絞り成形後に上基台94が図13に示すように上昇された際には、コイルばね54bでもって上方に弾性的に付勢されたロッド54aにより円筒状部13及び底部14を図13に示すようにダイ63外に押し出すようになっている。
微少絞り機構56は、上基台94に固定された絞りパンチ55と、中間基台91aに固定されていると共に絞りパンチ55に押圧される軸受素体5の環状鍔部60を支持するダイ65と、中間基台91aに上下動自在に配されていると共に上面が底部14に当接するロッド56aと、ロッド56aと下基台91に螺着されたナット56cとの間に配されていると共にロッド56aを上方に弾性的に付勢するコイルばね56bとを具備しており、再絞り機構54により再絞り成形された軸受素体5に対して微少絞り成形をするようになっていると共に微少絞り成形後に上基台94が図13に示すように上昇された際には、コイルばね56bでもって上方に弾性的に付勢されたロッド56aにより円筒状部13及び底部14を図13に示すようにダイ65外に押し出すようになっている。
整形絞り機構57は、上基台94に固定された絞りパンチ57aと、中間基台91aに固定されていると共に絞りパンチ57aに押圧される軸受素体5の環状鍔部60を支持するダイ66と、中間基台91aに上下動自在に配されていると共に上面が底部14に当接するロッド57bと、ロッド57bと下基台91に螺着されたナット57cとの間に配されていると共にロッド57bを上方に弾性的に付勢するコイルばね57dとを具備しており、微少絞り機構56により微少絞り成形された軸受素体5に対して整形絞り成形をするようになっていると共に整形絞り成形後に上基台94が図13に示すように上昇された際には、コイルばね57dでもって上方に弾性的に付勢されたロッド57bにより円筒状部13及び底部14を図13に示すようにダイ66外に押し出すようになっている。
位置調整機構58は、上基台94に固定されていると共に軸受素体5の凹所15に挿入される調整パンチ67と、中間基台91aに固定されていると共に調整パンチ67が挿入される凹所15を有する軸受素体5を金属板層31側から支持するダイ68と、中間基台91aに上下動自在に配されていると共に上面が底部14に当接するロッド58aと、ロッド58aと中間基台91aとの間に配されていると共にロッド58aを上方に弾性的に付勢するコイルばね58bとを具備しており、初絞り機構52による初絞り成形後であって再絞り機構54による再絞り成形前に、調整パンチ67及びダイ68により円筒状部13等を挟圧して円筒状部13等の中心位置を調整するようになっていると共に、調整後に上基台94が図13に示すように上昇された際には、コイルばね58bでもって上方に弾性的に付勢されたロッド58aにより円筒状部13及び底部14を図13に示すようにダイ68外に押し出すようになっている。
底抜き手段19は、特に図6及び図7に詳細に示すように、上基台94に固定されていると共に軸受素体5の円筒状部13の内径よりも小さい外径を有する底抜きパンチ71と、中間基台91aに固定されていると共に底抜きパンチ71により底部14の一部18が打ち抜かれる軸受素体5の環状鍔部60、円筒状部13及び周縁部17を金属板層31側から支持するダイ72とを具備しており、ダイ72は、環状鍔部60及び円筒状部13を保持する大径孔ダイ72bと、周縁部17を保持する小径孔ダイ72cとを具備しており、絞り成形手段16により絞り成形された軸受素体5に対して底抜きを行うようになっている。小径孔ダイ72cの刃先72aは、本例では、0.5mm前後の緩やかな曲面からなる。
押し拡げ手段20は、特に図8及び図9(a)に詳細に示すように、上基台94に固定されていると共に軸受素体5の円筒状部13の内径と略同一の径の端部拡径パンチ73と、中間基台91aに固定されていると共に軸受素体5の環状鍔部60及び円筒状部13を金属板層31側から支持するダイ74と、中間基台91a及び下基台91に上下動自在に配されていると共に上昇により円筒状部13の環状の下端面20aに当接して円筒状部13をダイ74の孔から押し出すロッド20bとを具備しており、円筒状部13内に嵌入される端部拡径パンチ73により底抜き側の端部である周縁部17を押し拡げて拡径するようになっていると共に拡径後に上基台94が図13に示すように上昇された際には、ロッド20bにより円筒状部13を図13に示すようにダイ74外に押し出すようになっている。
端部整形手段26は、特に図10及び図11に詳細に示すように、中間基台91a及び下基台91に上下動自在に配されていると共に軸受素体5の端部であって押し拡げられた周縁部17に滑り層2側から当接する小径円柱状部76を先端に有する円柱状の端部整形パンチ77と、上ストリッパープレート95に固定されていると共に軸受素体5の円筒状部13の内周面に当接する内周整形パンチ79と、中間基台91aに固定されていると共に軸受素体5を支持するダイ80とを具備しており、端部整形パンチ77を下方から突き上げることによって当該端部整形パンチ77を押し拡げ手段20により押し拡げられた周縁部17に当接させて軸受素体5の円筒状部13の底抜き側の端部であって押し拡げられた周縁部17を整形するようになっていると共に端部整形後に上基台94が図13に示すように上昇された際には、端部整形パンチ77により円筒状部13を図13に示すようにダイ80外に押し出すようになっている。
排出手段21は、特に図12(a)及び(b)に詳細に示すように、本例では、上基台94に固定されていると共に環状鍔部60に滑り層2側から当接するパンチ81と、中間基台91aに固定されていると共にパンチ81と協働して軸受素体5を環状鍔部60の周縁部で剪断するダイ82と、パンチ81及びダイ82により連結部9から分離されて複層滑り軸受Bとして完成された軸受素体5を製造装置1から排出すべく中間基台91aに設けられた排出孔83とを具備しており、端部成形手段26により底抜き側の端部が整形された軸受素体5を鍔A付き複層滑り軸受Bとして中間基台91aから下方に排出するようになっている。
ロッド20b及び端部整形パンチ77の夫々は弾性突き上げ手段86により上方に弾性的に突き上げられるようになっており、弾性突き上げ手段86は、下基台91及び中間基台91aに固着された案内ロッド86a及び86bと、案内ロッド86a及び86bに上下動自在に案内支持された突き上げ板86cと、突き上げ板86cに螺着されたナット86dとロッド20bの下端大径部との間に配されたコイルばね86eと、突き上げ板86cに螺着されたナット86fと端部整形パンチ77の下端大径部との間に配されたコイルばね86gと、案内ロッド86bの膨大部と突き上げ板86cとの間に配されたコイルばね86hとを具備しており、上基台94が図13に示すように上昇された際には、コイルばね86e、86g及び86hによりロッド20b及び端部整形パンチ77を上昇させて円筒状部13を図13に示すようにダイ74及びダイ80外に夫々押し出すようになっている。
順送り手段22は、複層板材3を挟持する一対のローラ22aを間歇的に回転させることにより複層板材3を繰り出して送り方向Yに所定距離L(本例では、約56mm)毎に間歇的に複層板材3を移動させる繰り出し機構22bを具備している。繰り出し機構22bは、パイロット孔24を形成すべき複層板材3の送り方向Yにおける部位をパイロット孔形成手段25の加工位置に、複数の円板状の軸受素体5を形成すべき複層板材3の送り方向Yにおける部位を軸受素体形成手段6の加工位置に、複層板材3の縁部7を折り曲げるべき複層板材3の送り方向Yにおける部位を縁部折り曲げ手段8の加工位置に、連結部9の一部9aを折り曲げるべき複層板材3の送り方向Yにおける部位を連結部折り曲げ手段10の加工位置に、凹所15を形成すべき複層板材3の送り方向Yにおける部位を絞り成形手段16の加工位置に、底部14の一部18を打ち抜くべき複層板材3の送り方向Yにおける部位を底抜き手段19の加工位置に、押し拡げるべき複層板材3の送り方向Yにおける部位を押し拡げ手段20の加工位置に、底抜き側の端部を整形すべき複層板材3の送り方向Yにおける部位を端部整形手段26の加工位置に、そして、複層滑り軸受の製造装置1から軸受素体5を排出すべき複層板材3の送り方向Yにおける部位を排出手段21の排出位置に夫々配するように、当該複層板材3を所定距離L毎に繰り出すようになっている。
パイロット孔形成手段25は、前列軸受素体形成手段41による不要部分4の打ち抜きが行われる前に複層板材3に前列側の軸受素体5の位置決め用のパイロット孔24aを形成するパンチ25aと、後列軸受素体形成手段42による不要部分4の打ち抜きが行われる前に複層板材3に後列側の軸受素体5の位置決め用のパイロット孔24bを形成するパイロット孔形成パンチ(図示せず)とを具備している。パイロット孔24a及び24bの夫々は、加工中に検知器等により検知されるようになっており、本例の複層滑り軸受の製造装置1は、検知器がパイロット孔24a及び24bの位置と設定位置との不一致を検知した場合には、当該複層滑り軸受の動作を一旦停止するようになっている。
上述のように構成された本例の複層滑り軸受の製造装置1は、順送り手段22による順送り工程で複層板材3を所定距離L毎に送り方向Yに間歇移動させ、移動された複層板材3に、軸受素体形成手段6、縁部折り曲げ手段8、連結部折り曲げ手段10、絞り成形手段16、底抜き手段19、押し拡げ手段20、端部整形手段26、排出手段21及びパイロット孔形成手段25の夫々による加工を同時的に行うようになっている。
順送り手段22による順送り工程では、図13に示すように、上基台94の上昇に基づいて上ストリッパープレート95と下ストリッパープレート93及び中間基台91aとが互いに離反すると共に各軸受素体5の円筒状部13がダイ61、63、65、66、68、72、74及び80から抜き出された後に、繰り出し機構22bによる複層板材3の繰り出しを開始して複層板材3を送り方向Yに軸受素体5の前後二列分である距離L(本例では、約56mm)だけ移動させる。
前列軸受素体形成手段41による前列軸受素体形成工程では、パイロット孔24aの位置を基準にして位置決めされた複層板材3の部位における不要部分4を上基台94と共に下降される打抜パンチ43により滑り層2側から打ち抜いて、図14に示すように、複層板材3の幅方向で並んで配される前列側の複数(本例では、五個)の円板状の軸受素体5aを同時的に形成する。後列軸受素体形成手段42による後列軸受素体形成工程では、パイロット孔24bの位置を基準にして位置決めされた複層板材3の部位における不要部分4を上基台94と共に下降される打抜パンチ44により滑り層2側から打ち抜いて、図14に示すように、複層板材3の幅方向で並んで配される後列側の複数(本例では、五個)の円板状の軸受素体5bを同時的に形成する。ここで、後列軸受素体形成工程は、前列軸受素体形成工程で前列側の複数の軸受素体5aが形成されてから順送り工程で複層板材3が二回以上順送りされた後、後列側の複数の軸受素体5bを形成する。このようにして形成された複数の軸受素体5a及び5bは、本例では、夫々互いに千鳥配列となっている。尚、打抜パンチ43及び44により打ち抜かれた不要部分4は、当該打抜パンチ43及び44の下方に位置する下基台91の夫々の部位に形成されている抜き落とし用の孔96から排出される。
縁部折り曲げ手段8による縁部折り曲げ工程では、図4に示すように、上基台94の下降に基づいて上ストリッパープレート95に押し下げられる下ストリッパープレート93から突き出される突き上げパンチ45により複層板材3の両縁部7を金属板層31側から突き上げて当該両縁部7を上方に向かって1.5mm程度立ち上がらせる。突き上げパンチ45は、本例では、一回の突き上げ動作で送り方向Yにおける複層板材3の56mm程度の範囲を折り曲げる。
連結部折り曲げ手段10による連結部折り曲げ工程では、上基台94の下降に基づいて上ストリッパープレート95に押し下げられる下ストリッパープレート93から突き出される突き上げパンチ46により連結部9を金属板層31側から突き上げると共に、抑え部材47を複数の軸受素体5aに当接させて当該軸受素体5aを抑えつけることによって図15に示すように連結部9の一部9aを折り曲げる。
絞り成形手段16による絞り成形工程では、初絞り機構52、再絞り機構54、微少絞り機構56及び整形絞り機構57により複数回に分けて軸受素体5を図5に示すように絞り成形するようになっており、初絞り機構52により環状鍔部60と凹所15との間に肩部15aを形成し、初絞り機構52による絞り成形後、位置調整機構58により軸受素体5の中心位置を一旦調整し、再絞り機構54により凹所15の円筒状部13の形状を整え、微少絞り機構56により環状鍔部60と凹所15との間の肩部の形状を整え、整形絞り機構57により軸受素体5の全体の形状を整形する。
底抜き手段19による底抜き工程では、図6及び図7に示すように、上基台94と共に下降される底抜きパンチ71によりダイ72に支持される軸受素体5の底部14の一部18を滑り層2側から押圧して滑り層2に流動変形を生じさせ、当該底抜きパンチ71がダイ72の刃先に当接しないように設定された下死点まで下降すると共に一部18と周縁部17とを分離する。周縁部17の端面は、底抜きパンチ71の下降と共に流動変形した滑り層2によって覆われる。尚、周縁部17から分離された底部14の一部18は、打ち抜き用の孔96から排出される。
押し拡げ手段20による押し拡げ工程では、図9(a)に示すように、上基台94と共に下降される端部拡径パンチ73をダイ74に支持される軸受素体5の円筒状部13の内周に当接させ、軸受素体5の端部としての周縁部17の内径と円筒状部13の内径とが略同一となるように、当該周縁部17を下降される端部拡径パンチ73により押し拡げる。尚、端部拡径パンチ73により押し拡げられた軸受素体5の端部には縮径戻り力が残存されるので、軸受素体5の底抜き側の端部は、端部拡径パンチ73の引き抜き後、図9(b)に示すように若干縮径する。
端部整形手段26による端部整形工程では、図10及び図11に示すように端部整形パンチ77を下方から突き上げて周縁部17に当接させ、軸受素体5の円筒状部13の底抜き側の端部を整形し、伴せて、上基台94と共に下降される内周整形パンチ79を円筒状部13の内周面に当接させて当該内周面形状をも整形する。
排出手段21による排出工程では、図12(a)に示すように、上基台94と共に下降されるパンチ81により軸受素体5の環状鍔部60の周縁部に剪断力を与えて軸受素体5を連結部9から分離し、当該分離した複層滑り軸受Bとしての軸受素体5を図12(b)に示すように排出孔83を介して複層滑り軸受の製造装置1から排出する。尚、残存した連結部9は、スクラップカッター100により細断される。
以上の複層滑り軸受の製造装置1によれば、滑り層2を有する複層板材3の不要部分4を打ち抜いて夫々互いに連結する複数の円板状の軸受素体5を形成する軸受素体形成手段6と、軸受素体形成手段6により形成された複数の円板状の軸受素体5の中央部11を滑り層2側から絞り成形して当該中央部11に凹所15を形成する絞り成形手段16と、絞り成形手段16により形成された凹所15の底部14の周縁部17を残存させるように当該底部14の一部18を滑り層2側から打ち抜く底抜き手段19と、底抜き手段19により底部14の一部18が打ち抜かれた凹所15の底部14の周縁部17を滑り層2側から押し拡げる押し拡げ手段20とを具備しているために、複層滑り軸受Bの底抜き側の端部に縮径戻り力を残存させることができて、シール性の高い複層滑り軸受Bを製造し得、複数の円板状の軸受素体5を形成すべき複層板材3の部位を軸受素体形成手段6の加工位置に、凹所15を形成すべき複層板材3の部位を絞り成形手段16の加工位置に、底部14の一部18を打ち抜くべき複層板材3の部位を底抜き手段19の加工位置に、そして、押し拡げるべき複層板材3の部位を押し拡げ手段20の加工位置に夫々配するように当該複層板材3を順送りする順送り手段22とを更に具備しているために、例えばコイル巻きされた複層板材3から次々に複層滑り軸受Bを連続して製造でき、軸受素体形成手段6の後列軸受素体形成手段42が、前列軸受素体形成手段41により前列側の複数の円板状の軸受素体5aが形成されてから一回に複層板材3を軸受素体5の前後二列分順送りさせる順送り手段22により複層板材3が二回以上順送りされた後、後列側の複数の円板状の軸受素体5bを形成するようになっているために、複層板材3に加わる押圧力を小さくすることができて多数の凹所15を夫々互いに近接した位置に形成することができ、従って、高精度な複層滑り軸受Bを低費用をもって大量に製造することができ、複層板材3の幅方向における縁部7を折り曲げる縁部折り曲げ手段8及び軸受素体形成手段6により形成された複数の円板状の軸受素体5の夫々を互いに連結する連結部9を折り曲げる連結部折り曲げ手段10を更に具備しており、絞り成形手段16は、縁部折り曲げ手段8及び連結部折り曲げ手段10により縁部7及び連結部9が折り曲げられた後に、複層板材3の軸受素体5を絞り成形するようになっているために、複層板材3自体の撓みをなくし得て、複層滑り軸受Bを更に高精度に製造し得る。
尚、複層滑り軸受の製造装置1は、例えば、図17及び図18に示すように、端部整形手段26及び排出手段21間に配されていると共に、端部整形手段26により底部14の周縁部17が下方から突き上げ整形された軸受素体5の環状鍔部60の外周縁部101における滑り層2に環状溝103を形成するコイニング手段104を更に具備していてもよく、コイニング手段104は、上基台94に固定されていると共に環状溝103形成用の環状刃105を先端に有する円柱状のコイニングパンチ106と、コイニングパンチ106により環状溝103が形成される軸受素体5の環状鍔部60を金属板層31側から支持するダイ107と、中間基台91aに上下動自在に配されていると共に上面が軸受素体5の底抜き側の端部に当接するロッド108と、ロッド108と下基台91に螺着されたナット(図示せず)との間に配されていると共にロッド108を上方に弾性的に付勢するコイルばね(図示せず)とを具備しており、上基台94と共に下降されるコイニングパンチ106の環状刃105をダイ107に支持される環状鍔部60の外周縁部101に当接させて、外周縁部101に環状溝103を形成し、環状溝103の形成後に上基台94が上昇された際には、コイルばねでもって上方に弾性的に付勢されたロッド108により円筒状部13及び底抜き側の端部をダイ107外に押し出すようになっていてもよい。
また、複層滑り軸受の製造装置1は、図17及び図18に示すコイニング手段104に代えて、図19及び図20に示すように、端部整形手段26及び排出手段21間に配されていると共に、端部整形手段26により底部14の周縁部17が下方から突き上げ整形された軸受素体5の環状鍔部60の内周縁部102における滑り層2に環状溝103aを形成するコイニング手段104aを更に具備していてもよく、斯かるコイニング手段104aは、上基台94に固定されていると共に環状溝103a形成用の環状刃105aを先端に有するコイニングパンチ106aと、コイニングパンチ106aにより環状溝103aが形成される軸受素体5の環状鍔部60を金属板層31側から支持するダイ107aと、中間基台91aに上下動自在に配されていると共に上面が軸受素体5の底抜き側の端部に当接するロッド108aと、ロッド108aと下基台91に螺着されたナット(図示せず)との間に配されていると共にロッド108aを上方に弾性的に付勢するコイルばね(図示せず)とを具備しており、上基台94と共に下降されるコイニングパンチ106aの環状刃105aをダイ107aに支持される環状鍔部60の内周縁部102に当接させて、内周縁部102に環状溝103aを形成し、環状溝103aの形成後に上基台94が上昇された際には、コイルばねでもって上方に弾性的に付勢されたロッド108aにより円筒状部13及び底抜き側の端部をダイ107a外に押し出すようになっていてもよい。
環状溝103又は103aを規定する二つの規定面109が互いに交差する内角の角度は、60度以下であってもよく、また、コイニングパンチ106及び106aは円筒状であってもよい。
図17及び図18に示す環状溝103を形成するコイニング手段104を具備する場合には、複層滑り軸受の製造装置1は、上記排出手段21に代えて、図21及び図22に示すように、軸受素体5を、外周縁部101の環状溝103の部位で剪断させるように、滑り層2側から打ち抜いて鍔A付きの複層滑り軸受Bを得、この鍔A付きの複層滑り軸受Bを排出する排出手段111を具備していてもよく、斯かる排出手段111は、上基台94に固定されていると共に環状鍔部60の外周縁部101と略同一の径を有する軸受素体5打ち抜き用のパンチ112と、中間基台91aに固定されていると共にパンチ112と協働して環状溝103が形成された軸受素体5を環状鍔部60の外周縁部101で剪断するダイ113と、パンチ112及びダイ113による剪断によって得た複層滑り軸受Bを製造装置1から排出すべく中間基台91aに設けられた排出孔114とを具備しており、コイニング手段104により環状溝103が形成された軸受素体5を鍔A付き複層滑り軸受Bとして中間基台91aから下方に排出するようになっていてもよい。
また、図19及び図20に示す環状溝103aを形成するコイニング手段104aを具備する場合には、複層滑り軸受の製造装置1は、排出手段21に代えて、図23及び図24に示すように、軸受素体5を、内周縁部102の環状溝103aの部位で剪断させるように、滑り層2側から打ち抜いて鍔A無しの複層滑り軸受Cを得、この鍔A無しの複層滑り軸受Cを排出する排出手段111aを具備していてもよく、斯かる排出手段111aは、上基台94に固定されていると共に環状鍔部60の内周縁部102と略同一の径を有する軸受素体5打ち抜き用のパンチ112aと、中間基台91aに固定されていると共にパンチ112aと協働して環状溝103aが形成された軸受素体5を環状鍔部60の内周縁部102で剪断するダイ113aと、パンチ112a及びダイ113aによる剪断によって得た複層滑り軸受Cを製造装置1から排出すべく中間基台91aに設けられた排出孔114aとを具備しており、コイニング手段104aにより環状溝103が形成された軸受素体5を鍔A無し複層滑り軸受Cとして中間基台91aから下方に排出するようになっていてもよい。
以上のようにコイニング手段104若しくは104a及び排出手段111若しくは111aを具備する複層滑り軸受の製造装置1によれば、コイニング手段104又は104aにより環状鍔部60の外周縁部101又は内周縁部102における滑り層2に環状溝103又は103aを形成した後に、排出手段111又は111aによる環状鍔部60の外周縁部101又は内周縁部102の環状溝103又は103aの部位での剪断を行うために、当該剪断時に滑り層2が破壊することをなくし得る。
また、複層滑り軸受の製造装置1は、本例では、パンチ81により滑り層2側から環状鍔部60の周縁部に剪断力を与えて軸受素体5を連結部9から分離して排出する排出手段21を具備しているが、これに代えて、図25に示すように、下基台91に固定されていると共に先端に円筒状部を有している円筒状の打ち抜きパンチ120と上ストリッパープレート95に固定されているダイ121とを協働させて軸受素体5の環状鍔部60を剪断して複層滑り軸受Bを得、この複層滑り軸受Bを筒部122を介して上方に向かって押し出すと共に押し出した複層滑り軸受Bを上基台94に設けられた板ばね123の弾性力によって製造装置1から弾き出すようになっている排出手段124を具備していてもよく、斯かる場合には、中間基台91aは、弾性的に上下動するように配される。また、排出手段124は、打ち抜きパンチ120とダイ121とによる剪断により複層滑り軸受Cを得、この複層滑り軸受Cを上記同様に排出するようになっていてもよい。
以上の複層滑り軸受の製造装置1の後列側の軸受素体5bを加工する各手段は、図2に示される前列側の軸受素体5aを加工する各手段から所定距離Lの半分だけずれた位置に夫々配設されており、前列側の軸受素体5aに対する加工と同様にして後列側の軸受素体5bを加工するようになっている。
本発明の実施の形態の例により製造される複層滑り軸受の斜視図である。 本発明の実施の形態の例の側断面説明図である。 図2に示す例の平面説明図である。 図2に示す例の主に縁部折り曲げ手段の一部拡大説明図である。 図2に示す例の主に絞り成形手段の一部拡大説明図である。 図2に示す例の主に底抜き手段の拡大説明図である。 図2に示す例の主に底抜き手段の一部拡大説明図である。 図2に示す例の主に押し拡げ手段の拡大説明図である。 (a)は、図2に示す例の主に押し拡げ手段による押し拡げ時の一部拡大説明図であり、(b)は、図2に示す例の主に押し拡げ手段による押し拡げ後の一部拡大説明図である。 図2に示す例の主に端部整形手段の拡大説明図である。 図2に示す例の主に端部整形手段の一部拡大説明図である。 (a)は、図2に示す例の主に排出手段による軸受素体の分離時の一部拡大説明図であり、(b)は、図2に示す例の主に排出手段による軸受素体の分離後の一部拡大説明図である。 図2に示す例の動作説明図である。 図2に示す例により加工される複層板材の一部拡大平面説明図である。 連結部折り曲げ手段により加工された複層板材の一部拡大平面説明図である。 図2に示す例により加工される複層板材の横断面説明図である。 図2に示す例のコイニング手段を具備する場合における主にコイニング手段の拡大説明図である。 図2に示す例のコイニング手段を具備する場合における主にコイニング手段の一部拡大説明図である。 図2に示す例の他のコイニング手段を具備する場合における主に他のコイニング手段の拡大説明図である。 図2に示す例の他のコイニング手段を具備する場合における主に他のコイニング手段の一部拡大説明図である。 図2に示す例の他の排出手段を具備する場合における主に他の排出手段の拡大説明図である。 図2に示す例の他の排出手段を具備する場合における主に他の排出手段の一部拡大説明図である。 図2に示す例の他の排出手段を具備する場合における主に他の排出手段の拡大説明図である。 図2に示す例の他の排出手段を具備する場合における主に他の排出手段の一部拡大説明図である。 図2に示す例の他の排出手段を具備する場合における主に他の排出手段の説明図である。
符号の説明
1 製造装置
2 滑り層
3 複層板材
4 不要部分
5、5a、5b 軸受素体
6 軸受素体形成手段
7 縁部
8 縁部折り曲げ手段
9 連結部
9a、18 一部
10 連結部折り曲げ手段
11 中央部
14 底部
15 凹所
16 絞り成形手段
17 周縁部
19 底抜き手段
20 押し拡げ手段
21、111、111a、124 排出手段
25 パイロット孔形成手段
26 端部整形手段
104、104a コイニング手段

Claims (26)

  1. 滑り層を有する複層板材を打ち抜いて夫々互いに連結する複数の円板状の軸受素体を形成する軸受素体形成工程と、軸受素体形成工程で形成された複数の円板状の軸受素体の中央部を滑り層側から絞り成形して当該中央部に凹所を形成する絞り成形工程と、絞り成形工程で形成された凹所の底部の周縁部を残存させるように当該底部の一部を滑り層側から打ち抜く底抜き工程と、底抜き工程で底部の一部が打ち抜かれた凹所の底部の周縁部を滑り層側から押し拡げる押し拡げ工程とを具備している複層滑り軸受の製造方法。
  2. 複数の円板状の軸受素体を形成すべき複層板材の部位を軸受素体形成工程の加工位置に、凹所を形成すべき複層板材の部位を絞り成形工程の加工位置に、底部の一部を打ち抜くべき複層板材の部位を底抜き工程の加工位置に、そして、押し拡げるべき凹所の底部の周縁部を押し拡げ工程の加工位置に夫々配するように当該複層板材を順送りする順送り工程を更に具備している請求項1に記載の複層滑り軸受の製造方法。
  3. 軸受素体形成工程は、複層板材の幅方向で互いに隣接して配される前列側の複数の円板状の軸受素体を形成する前列軸受素体形成工程と、前列軸受素体形成工程で形成された前列側の複数の円板状の軸受素体に対して後列側に位置すると共に複層板材の幅方向で互いに隣接して配される複数の円板状の軸受素体を形成する後列軸受素体形成工程とを具備している請求項1又は2に記載の複層滑り軸受の製造方法。
  4. 後列軸受素体形成工程は、前列軸受素体形成工程で前列側の複数の円板状の軸受素体が形成されてから一回に複層板材を軸受素体の前後二列分順送りさせる順送り工程で複層板材が二回以上順送りされた後、後列側の複数の円板状の軸受素体を形成する請求項3に記載の複層滑り軸受の製造方法。
  5. 軸受素体形成工程では、千鳥配列された複数の円板状の軸受素体を形成する請求項1から4のいずれか一項に記載の複層滑り軸受の製造方法。
  6. 前列軸受素体形成工程と後列軸受素体形成工程とでは、互いに千鳥配列された前列側の軸受素体と後列側の軸受素体とを形成する請求項5に記載の複層滑り軸受の製造方法。
  7. 複層板材の幅方向における縁部を折り曲げる縁部折り曲げ工程を更に具備しており、縁部折り曲げ工程で縁部を折り曲げた後に絞り成形工程による複層板材の軸受素体の絞り成形を行う請求項1から6のいずれか一項に記載の複層滑り軸受の製造方法。
  8. 軸受素体形成工程で形成された複数の円板状の軸受素体の夫々を互いに連結する連結部を折り曲げる連結部折り曲げ工程を更に具備しており、連結部折り曲げ工程で連結部を折り曲げた後に絞り成形工程による複層板材の軸受素体の絞り成形を行う請求項1から7のいずれか一項に記載の複層滑り軸受の製造方法。
  9. 絞り成形工程では絞り成形を複数回行う請求項1から8のいずれか一項に記載の複層滑り軸受の製造方法。
  10. 押し拡げ工程で押し拡げられた軸受素体の端部としての底部の周縁部を下方から突き上げ整形する端部整形工程を更に具備している請求項1から9のいずれか一項に記載の複層滑り軸受の製造方法。
  11. 端部整形工程で底部の周縁部が下方から突き上げ整形された軸受素体の環状鍔部の外周縁部又は内周縁部における滑り層に環状溝を形成するコイニング工程を更に具備している請求項10に記載の複層滑り軸受の製造方法。
  12. コイニング工程で環状鍔部の外周縁部の滑り層に環状溝が形成された軸受素体を、外周縁部の環状溝の部位で剪断させるように、滑り層側から打ち抜いて鍔付きの複層滑り軸受を得、この鍔付きの複層滑り軸受を排出する排出工程を更に具備している請求項11に記載の複層滑り軸受の製造方法。
  13. コイニング工程で環状鍔部の内周縁部の滑り層に環状溝が形成された軸受素体を、内周縁部の環状溝の部位で剪断させるように、滑り層側から打ち抜いて鍔無しの複層滑り軸受を得、この鍔無しの複層滑り軸受を排出する排出工程を更に具備している請求項11に記載の複層滑り軸受の製造方法。
  14. 滑り層を有する複層板材を打ち抜いて夫々互いに連結する複数の円板状の軸受素体を形成する軸受素体形成手段と、軸受素体形成手段により形成された複数の円板状の軸受素体の中央部を滑り層側から絞り成形して当該中央部に凹所を形成する絞り成形手段と、絞り成形手段により形成された凹所の底部の周縁部を残存させるように当該底部の一部を滑り層側から打ち抜く底抜き手段と、底抜き手段により底部の一部が打ち抜かれた凹所の底部の周縁部を滑り層側から押し拡げる押し拡げ手段とを具備している複層滑り軸受の製造装置。
  15. 複数の円板状の軸受素体を形成すべき複層板材の部位を軸受素体形成手段の加工位置に、凹所を形成すべき複層板材の部位を絞り成形手段の加工位置に、底部の一部を打ち抜くべき複層板材の部位を底抜き手段の加工位置に、そして、押し拡げるべき複層板材の部位を押し拡げ手段の加工位置に夫々配するように当該複層板材を順送りする順送り手段を更に具備している請求項14に記載の複層滑り軸受の製造装置。
  16. 軸受素体形成手段は、複層板材の幅方向で互いに隣接して配される前列側の複数の円板状の軸受素体を形成する前列軸受素体形成手段と、前列軸受素体形成手段により形成された前列側の複数の円板状の軸受素体に対して後列側に位置すると共に複層板材の幅方向で互いに隣接して配される複数の円板状の軸受素体を形成する後列軸受素体形成手段とを具備している請求項14又は15に記載の複層滑り軸受の製造装置。
  17. 後列軸受素体形成手段は、前列軸受素体形成手段により前列側の複数の円板状の軸受素体が形成されてから一回に複層板材を軸受素体の前後二列分順送りさせる順送り手段により複層板材が二回以上順送りされた後、後列側の複数の円板状の軸受素体を形成するようになっている請求項16に記載の複層滑り軸受の製造装置。
  18. 軸受素体形成手段は、千鳥配列された複数の円板状の軸受素体を形成するようになっている請求項14から17のいずれか一項に記載の複層滑り軸受の製造装置。
  19. 前列軸受素体形成手段と後列軸受素体形成手段とは、互いに千鳥配列された前列側の軸受素体と後列側の軸受素体とを形成するようになっている請求項18に記載の複層滑り軸受の製造装置。
  20. 複層板材の幅方向における縁部を折り曲げる縁部折り曲げ手段を更に具備しており、絞り成形手段は、縁部折り曲げ手段により縁部が折り曲げられた後に、複層板材の軸受素体を絞り成形するようになっている請求項14から19のいずれか一項に記載の複層滑り軸受の製造装置。
  21. 軸受素体形成手段により形成された複数の円板状の軸受素体の夫々を互いに連結する連結部を折り曲げる連結部折り曲げ手段を更に具備しており、絞り成形手段は、連結部折り曲げ手段により連結部を折り曲げた後に複層板材の軸受素体を絞り成形するようになっている請求項14から20のいずれか一項に記載の複層滑り軸受の製造装置。
  22. 絞り成形手段は、軸受素体の絞り成形を複数回行うようになっている請求項14から21のいずれか一項に記載の複層滑り軸受の製造装置。
  23. 押し拡げ手段により押し拡げられた軸受素体の端部としての底部の周縁部を下方から突き上げ整形する端部整形手段を更に具備している請求項14から22のいずれか一項に記載の複層滑り軸受の製造装置。
  24. 端部整形手段により底部の周縁部が下方から突き上げ整形された軸受素体の環状鍔部の外周縁部又は内周縁部における滑り層に環状溝を形成するコイニング手段を更に具備している請求項23に記載の複層滑り軸受の製造装置。
  25. コイニング手段により環状鍔部の外周縁部の滑り層に環状溝が形成された軸受素体を、外周縁部の環状溝の部位で剪断させるように、滑り層側から打ち抜いて鍔付きの複層滑り軸受を得、この鍔付きの複層滑り軸受を排出する排出手段を更に具備している請求項24に記載の複層滑り軸受の製造装置。
  26. コイニング手段により環状鍔部の内周縁部の滑り層に環状溝が形成された軸受素体を、内周縁部の環状溝の部位で剪断させるように、滑り層側から打ち抜いて鍔無しの複層滑り軸受を得、この鍔無しの複層滑り軸受を排出する排出手段を更に具備している請求項24に記載の複層滑り軸受の製造装置。
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