JP2017042806A - 曲げ加工方法及びブシュの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂層に割れや欠けが発生することを防止できる曲げ加工方法を提供する。
【解決手段】加工対象部11aが設定される裏金11と、裏金11の加工対象部11aとは異なる部分に積層される中間層12と、裏金11の加工対象部11a及び中間層12にそれぞれ積層され、中間層12によって裏金11と密着される樹脂層13とを具備する基材10を準備する準備工程と、少なくとも加工対象部11aを曲げ変形させることで、裏金11側に向かうように基材10を曲げる曲げ工程と、を含む。
【選択図】図6
【解決手段】加工対象部11aが設定される裏金11と、裏金11の加工対象部11aとは異なる部分に積層される中間層12と、裏金11の加工対象部11a及び中間層12にそれぞれ積層され、中間層12によって裏金11と密着される樹脂層13とを具備する基材10を準備する準備工程と、少なくとも加工対象部11aを曲げ変形させることで、裏金11側に向かうように基材10を曲げる曲げ工程と、を含む。
【選択図】図6
Description
本発明は、裏金に積層される第一の層と、第一の層に積層され、第一の層によって裏金と密着される第二の層とを具備する基材を曲げる曲げ変形加工方法及びブシュの製造方法の技術に関する。
従来、裏金と、裏金に積層される第一の層と、第一の層に積層され、第一の層によって裏金と密着される第二の層とを具備する基材を曲げる曲げ変形加工方法及びブシュの製造方法の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載の複層摺動板(基材)910は、図11(a)に示すように、裏金911、多孔質金属焼結層(第一の層)912及び合成樹脂層(第二の層)913を具備する。多孔質金属焼結層912は、裏金911の全面に積層される。合成樹脂層913は、多孔質金属焼結層912の全面に積層される。複層摺動板910は、円筒状に形成される。なお、図11においては説明の便宜上、複層摺動板910の下端部の断面のみを記載している。
特許文献1に記載の技術において、裏金11は、後端部を折り目として径方向外側方に向かうように曲げ変形される。このとき、図11(b)に示すように、複層摺動板910の内周側に配置される合成樹脂層913(特に裏金11の折り目となる部分に積層される合成樹脂層913、図11(b)における後上部)は、径方向外側方に大きく引っ張られることとなる。
しかしながら、合成樹脂層913は、全面が多孔質金属焼結層912によって拘束されているため、裏金11の曲げ変形時に引っ張られて割れ914や欠けが発生する可能性があった。
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は第二の層に割れや欠けが発生することを防止できる曲げ加工方法及びブシュの製造方法を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、加工対象部が設定される裏金と、前記裏金の前記加工対象部とは異なる部分に積層される第一の層と、前記裏金の前記加工対象部及び前記第一の層にそれぞれ積層され、前記第一の層によって前記裏金と密着される第二の層とを具備する基材を準備する準備工程と、少なくとも前記加工対象部を曲げ変形させることで、前記裏金側に向かうように前記基材を曲げる曲げ工程と、を含むものである。
請求項2においては、前記準備工程において、前記加工対象部は直線状に形成され、前記曲げ工程において、前記基材は前記加工対象部に沿って折り曲げられるものである。
請求項3においては、前記準備工程は、前記裏金に前記第一の層を積層する工程と、前記裏金の前記加工対象部に積層された前記第一の層を除去する工程と、を含むものである。
請求項4においては、前記第二の層は、樹脂材料によって構成されるものである。
請求項5においては、前記第一の層は、多孔質金属焼結層によって構成されるものである。
請求項6においては、前記準備工程において、前記第二の層は前記裏金の前記加工対象部に積層される部分が凹んだ形状に形成されるものである。
請求項7においては、加工対象部が設定される裏金と、前記裏金の前記加工対象部とは異なる部分に積層される第一の層と、前記裏金の前記加工対象部及び前記第一の層にそれぞれ積層され、前記第一の層によって前記裏金と密着される第二の層とを具備する板状の基材を準備する準備工程と、前記第二の層が内周側に配置されるように前記板状の基材を円筒状に変形させる変形工程と、前記裏金側に向かうように前記基材を曲げることで、少なくとも前記加工対象部を曲げ変形させて鍔部を形成する曲げ工程と、を含むものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、第二の層に割れや欠けが発生することを防止できる。
請求項2においては、第二の層に割れや欠けが発生することなく基材を折り曲げることができる。
請求項3においては、簡単に第一の層を積層することができる。
請求項4においては、基材の摺動特性(耐焼付き性及び耐摩耗性等)を向上することができる。
請求項5においては、裏金と第二の層との密着性を効果的に向上することができる。
請求項6においては、基材を簡単に曲げることができる。
請求項7においては、第二の層に割れや欠けが発生することなく、鍔部を具備するブシュを製造することができる。
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
以下では、本発明の第一実施形態に係る曲げ加工方法について説明する。
第一実施形態に係る曲げ加工方法は、図7に示すブシュ1を製造するためのものである。ブシュ1は、回転軸等に嵌め合わされて当該回転軸を支持するものである。ブシュ1は、略円筒状に形成される。第一実施形態に係るブシュ1の内周面等は、樹脂でライニングされる(図7に示す樹脂層13参照)。
次に、第一実施形態に係る曲げ加工方法の流れについて説明する。
図1に示すように、第一実施形態に係る曲げ加工方法においては、準備工程が行われる(ステップS10)。準備工程は、図2に示す帯状の裏金11に適宜加工を施して図3に示す基材10を準備する工程である。裏金11に施す加工については後で詳述する。
図3及び図4に示すように、準備工程で準備される基材10は、板状の部材である。基材10は、第一実施形態においては、長手方向を左右方向に向けた平面視略矩形状に形成される。基材10は、裏金11と中間層12と樹脂層13とを具備する。
裏金11は、基材10の下部に配置される金属部材である。裏金11には、加工対象部11a及び非加工対象部11bが設定される。
加工対象部11aは、基材10を曲げるために便宜上設定される部分(裏金11の所定の部分)である。加工対象部11aは、裏金11の後部に設定される。加工対象部11aは、裏金11の左端部から右端部に亘って設定される。加工対象部11aは、左右方向に対して平行な直線状に形成される。
非加工対象部11bは、裏金11の加工対象部11aを除く部分に設定される。すなわち、非加工対象部11bは、加工対象部11aの前方及び後方に設定される。
中間層12は、後述する樹脂層13を拘束し、裏金11と樹脂層13とを密着させるためのものである。中間層12は、多孔質金属焼結層によって構成される。中間層12は、裏金11の非加工対象部11bの上面にだけ積層される(加工対象部11aの上面には積層されない)。
樹脂層13は、裏金11の加工対象部11aの上面及び中間層12にそれぞれ積層される。中間層12に積層される樹脂層13は、含浸によって形成される。これによって、樹脂層13は、裏金11と密着される。
このような基材10は、図2に示すように、準備工程において、帯状の裏金11(左右方向幅が基材10の左右方向幅よりも長い裏金11)に中間層12及び樹脂層13を積層し、帯状の裏金11を適宜切断することで連続的に製造される。
より詳細には、準備工程において、図2(a)に示すように、帯状の裏金11には、焼結装置20によって中間層12が積層される。焼結装置20は、巻き出しローラ21、粉末容器22、中間ローラ23、焼結炉24及び巻き取りローラ25を具備する。
巻き出しローラ21は、帯状の裏金11を右方に巻き出すためのものである。巻き出しローラ21は、焼結装置20の左端部に配置される。巻き出しローラ21には、帯状の裏金11が巻回される。
粉末容器22は、帯状の裏金11の上面に金属の粉末22aを散布するためのものである。粉末容器22は、巻き出しローラ21の右上方に配置される。粉末容器22には、金属の粉末22aが貯溜される。金属の粉末22aは、例えば、溶融した金属を所定の容器から流出させ、当該流出させた金属に空気や水等を吹き付けるアトマイズ法等によって製造される。金属の粉末22aは、その粒子が球状となるように形成される(図4(b)参照)。
中間ローラ23は、帯状の裏金11に散布された金属の粉末22aの一部を除去するためのものである。中間ローラ23は、上下方向に間隔を空けて配置される一対のローラによって構成される。中間ローラ23は、粉末容器22の右方に配置される。上側の中間ローラ23は、外周面から径方向外側方に突出する突起部23aを具備する。突起部23aは、中間ローラ23の全周に亘って突出するように(円板状に)形成される。突起部23aは、帯状の裏金11の上面における後部と当接可能に形成される。また、下側の中間ローラ23は、その外周面が帯状の裏金11の下面と当接可能に構成される。
焼結炉24は、金属の粉末22aを焼結するためのものである。焼結炉24は、金属の粉末22aを加熱するための焼結部及び加熱した金属の粉末22aを冷却する冷却部等を具備する。焼結炉24は、中間ローラ23の右方に配置される。
巻き取りローラ25は、帯状の裏金11を巻き取るためのものである。巻き取りローラ25は、焼結炉24の右方に配置される。
このように構成される焼結装置20は、準備工程において、巻き出しローラ21等を回転させることで、巻き出しローラ21から帯状の裏金11を右方に巻き出す。当該帯状の裏金11は、粉末容器22の下方を通過する。このとき、帯状の裏金11の上面には、粉末容器22から金属の粉末22aが散布される。このような帯状の裏金11は、中間ローラ23の間を通過する。このとき、上側の中間ローラ23の突起部23aが帯状の裏金11の上面に当接することで、加工対象部11aの上面に散布された金属の粉末22aが除去される。
中間ローラ23を通過した帯状の裏金11は、焼結炉24へ移動される。これにより、金属の粉末22aは、焼結炉24で焼結され、帯状の裏金11(非加工対象部11b)の上面に中間層12が積層される。そして、帯状の裏金11は、巻き取りローラ25に巻き取られる。
第一実施形態に係る準備工程においては、中間ローラ23によって金属の粉末22aを適宜除去することによって、帯状の裏金11を巻き出しながら非加工対象部11bの上面だけに中間層12を積層することができる。このため、準備工程においては、速やかに中間層12を積層することができる。
準備工程においては、中間層12を積層した後で、図2(b)に示すように、含浸装置30によって帯状の裏金11に樹脂層13を積層する。含浸装置30は、巻き出しローラ31、塗布部32、焼成炉33及び巻き取りローラ34を具備する。
巻き出しローラ31は、帯状の裏金11を右方に巻き出すためのものである。巻き出しローラ31は、含浸装置30の後端部に配置される。巻き出しローラ31には、中間層12が積層された帯状の裏金11が捲回される。
塗布部32は、帯状の裏金11の上面に樹脂の塗料32aを塗布するためのものである。塗布部32は、樹脂の塗料32aを含浸させる。塗布部32は、巻き出しローラ31の右方に配置される。
焼成炉33は、樹脂の塗料32aを焼成するためのものである。焼成炉33は、樹脂の塗料32aを加熱するための焼成部及び加熱した樹脂の塗料32aを冷却する冷却部等を具備する。焼成炉33は、塗布部32の右方に配置される。
巻き取りローラ34は、帯状の裏金11を巻き取るためのものである。巻き取りローラ34は、焼成炉33の右方に配置される。
このように構成される含浸装置30は、準備工程において、巻き出しローラ31等を回転させることで、巻き出しローラ31から帯状の裏金11を右方に巻き出す。当該帯状の裏金11は、塗布部32の下方を通過する。このとき、帯状の裏金11の加工対象部11aの上面及び中間層12には、塗布部32から樹脂の塗料32aが塗布される。これによって、帯状の裏金11の加工対象部11aの上面及び中間層12には、樹脂の塗料32aが含浸される。
このような帯状の裏金11は、焼成炉33へ移動される。これにより、樹脂の塗料32aは、焼成炉33で焼成され、帯状の裏金11の加工対象部11aの上面及び中間層12に樹脂層13が積層される。そして、帯状の裏金11は、巻き取りローラ34に巻き取られる。
中間層12及び樹脂層13が積層された帯状の裏金11は、前後方向に沿って切断される。これによって、図3に示す板状の基材10が準備される。
図1に示すように、準備工程が行われた後で、変形工程が行われる(ステップS20)。変形工程は、図3に示す基材10を円筒状に塑性変形させる工程である。変形工程において、基材10は、所定の治具によって拘束され、左部及び右部が上側に曲げられる。これによって、図5に示すように、基材10は、その軸方向を前後方向に向けた円筒状に形成される。樹脂層13は、基材10の内周側に配置される。加工対象部11aは、基材10の後部における外周側に配置される。
図1に示すように、変形工程が行われた後で、曲げ工程が行われる(ステップS30)。曲げ工程は、図5に示す基材10の加工対象部11aを径方向外側方に折り曲げる工程である。曲げ工程において、基材10の前部(加工対象部11aの前後中央部よりも前方)は、所定のダイによって拘束される。また、曲げ工程において、基材10の後端部は、所定のパンチによって拡径するように押圧される。
これによって、図6に示すように、加工対象部11aは、径方向外側方に折り曲げられる。なお、図6においては、説明の便宜上、図5に示す基材10の下端部の断面のみを記載している。加工対象部11aが折り曲げられるとき、加工対象部11aに積層される樹脂層13は、円筒状の基材10の径方向外側方(図6(b)における下方)に大きく引っ張られることとなる。
前述の如く、加工対象部11aには、樹脂層13だけが積層される(中間層12が積層されていない)。このため、加工対象部11aに積層される樹脂層13は、加工対象部11aが折り曲げられるときに中間層12に拘束されずに、大きく(自由に)伸張することができる。
これによれば、加工対象部11aに積層される樹脂層13は、加工対象部11aが折り曲げられるときに、板厚が減少するように伸張することができる。従って、曲げ工程において、加工対象部11aに積層される樹脂層13に割れや欠けが発生することを防止できる。
ここで、第一実施形態に係る樹脂層13は、摺動層となっている。このような場合において、曲げ工程を行った際に曲げ加工部の摺動層(加工対象部11aに積層される樹脂層13)に割れや欠けが発生する可能性があると、前記曲げ加工部の摺動層を後加工によって除去もしくは除肉する必要がある。これに対して、第一実施形態に係る曲げ加工方法によれば、前記曲げ加工部の摺動層に割れや欠けが発生することを防止できるため、前記後加工を行う必要がなくなり、その結果、異物やバリの発生を抑制できる。
このような曲げ工程が行われることで、基材10は、裏金11側に曲げられる。以上によって、図7に示すブシュ1が製造される。当該ブシュ1は、円筒部2、立ち上がり部3及び鍔部4を具備する。
円筒部2は、ブシュ1の前部に形成される。円筒部2は、前側の非加工対象部11bに対応する部分である(図5参照)。すなわち、円筒部2は、裏金11に中間層12及び樹脂層13が積層されることで構成される。
立ち上がり部3は、円筒部2の後端部から径方向外側方に折れ曲がるように形成される。立ち上がり部3は、加工対象部11aに対応する部分である(図5参照)。すなわち、立ち上がり部3は、裏金11に樹脂層13だけが積層されることで構成される。また、立ち上がり部3は、その厚みが円筒部2の厚みよりも薄くなるように形成される。
鍔部4は、立ち上がり部3から径方向外側方に延びるように形成される。鍔部4は、正面視略円環状(より詳細には円環の一部が切り欠かれたような形状)に形成される。鍔部4は、後側の非加工対象部11bに対応する部分である(図5参照)。すなわち、鍔部4は、裏金11に中間層12及び樹脂層13が積層されることで構成される。
第一実施形態に係る曲げ加工方法によれば、立ち上がり部3の樹脂層13に割れや欠けが発生することなくブシュ1を製造することができる。また、樹脂層13によって、円筒部2及び立ち上がり部3の内周面、並びに鍔部4の後側面の摺動特性(耐焼付き性及び耐摩耗性等)を向上することができる。また、中間層12によって、裏金11と樹脂層13との密着性を向上することができる。
また、中間層12は、粒子が球状に形成される金属の粉末22aを焼結することで形成される。これによれば、中間層12をより均一に形成することができるため、加工対象部11aに中間層12を積層しなくても、樹脂層13と裏金11との密着力の低下を抑えることができる。
以上の如く、第一実施形態に係る曲げ加工方法は、加工対象部11aが設定される裏金11と、前記裏金11の前記加工対象部11aとは異なる部分に積層される中間層12(第一の層)と、前記裏金11の前記加工対象部11a及び前記中間層12にそれぞれ積層され、前記中間層12によって前記裏金11と密着される樹脂層13(第二の層)とを具備する基材10を準備する準備工程と、少なくとも前記加工対象部11aを曲げ変形させることで、前記裏金11側に向かうように前記基材10を曲げる曲げ工程と、を含むものである。
このように構成することにより、樹脂層13に割れや欠けが発生することを防止できる。
また、前記準備工程において、前記加工対象部11aは直線状に形成され、前記曲げ工程において、前記基材10は前記加工対象部11aに沿って折り曲げられるものである。
このように構成することにより、樹脂層13に割れや欠けが発生することなく基材10を折り曲げることができる。
また、前記樹脂層13は、樹脂材料によって構成されるものである。
このように構成することにより、基材10の摺動特性(耐焼付き性及び耐摩耗性等)を向上することができる。
また、前記中間層12は、多孔質金属焼結層によって構成されるものである。
このように構成することにより、裏金11と樹脂層13との密着性を効果的に向上することができる。
また、第一実施形態に係る曲げ加工方法は、加工対象部11aが設定される裏金11と、前記裏金11の前記加工対象部11aとは異なる部分に積層される中間層12と、前記裏金11の前記加工対象部11a及び前記中間層12にそれぞれ積層され、前記中間層12によって前記裏金11と密着される樹脂層13とを具備する板状の基材10を準備する準備工程と、前記樹脂層13が内周側に配置されるように前記板状の基材10を円筒状に変形させる変形工程と、前記裏金11側に向かうように前記基材10を曲げることで、少なくとも前記加工対象部11aを曲げ変形させて鍔部4を形成する曲げ工程と、を含むものである。
このように構成することにより、樹脂層13に割れや欠けが発生することなく、鍔部4を具備するブシュ1を製造することができる。
なお、第一実施形態に係る中間層12は、本発明に係る第一の層の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る樹脂層13は、本発明に係る第二の層の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る樹脂層13は、本発明に係る第二の層の実施の一形態である。
次に、第二実施形態に係る曲げ加工方法について説明する。
なお、以下において、第一実施形態と同じように構成される部分については、第一実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
第二実施形態に係る曲げ加工方法においては、まず、準備工程が行われて図8に示す基材110が準備される。準備工程において、裏金11には、第一実施形態に係る焼結装置20及び含浸装置30(図2参照)によって中間層12及び樹脂層113が積層される。その後、裏金11は、一定の長さで切断される。
樹脂層113が積層されるとき、裏金11の加工対象部11aの上面及び中間層12には、第一実施形態に係る樹脂の塗料32aよりも粘度が低い樹脂の塗料が塗布される。第二実施形態に係る樹脂の塗料は、例えば、第一実施形態に係る樹脂の塗料32aに所定の添加物が加えられる等して、その粘度が低くなるように調整される。
これによれば、準備工程において、第一実施形態と同じように樹脂の塗料を塗布するだけで、加工対象部11aに樹脂の塗料を自然に沈み込ませることができる。これによって、基材110に別途加工を施すことなく、裏金11の加工対象部11aに積層される樹脂層113を凹んだ形状に形成することができる。
準備工程が行われた後で、第一実施形態と同じようにして変形工程が行われる(図5参照)。その後、第二実施形態に係る曲げ加工方法においては、図9に示すように、第一実施形態と同じようにして曲げ工程が行われる。
加工対象部11aに積層される(凹んだ)樹脂層113は、その厚みが薄い。このため、曲げ工程において、基材110を弱い力で曲げることができる。また、曲げ工程において、応力は裏金11に対し支配的にかかるが、樹脂の厚さにより表面応力が小さくなる効果が期待され、加工対象部11aに積層される樹脂層113、すなわち樹脂層113の中で中間層12が積層されていない部分に応力を作用させ易くすることができる。これによれば、曲げ工程において基材10を簡単に曲げることができる。
以上の如く、第二実施形態に係る曲げ加工方法は、前記準備工程において、前記樹脂層13は前記裏金11の前記加工対象部11aに積層される部分が凹んだ形状に形成されるものである。
このように構成することにより、基材10を簡単に曲げることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態に係る曲げ加工方法においては、加工対象部11aに散布された金属の粉末22aを除去して中間層12を積層するものとしたが、本発明に係る中間層を積層するための手段は、これに限定されるものでない。例えば、裏金11の上面の全域に中間層12を積層(焼結)した後で樹脂の塗料32aの含浸前に中間層12に対して切削加工を施すことで、加工対象部11aに積層された中間層12を除去するものであっても良い。これによれば、裏金11の加工対象部11aに最初から金属の粉末22aを散布させない場合よりも簡単に、中間層12を積層することができる。また、図2に示す中間ローラ23を用いる必要がなくなる(特殊な部品を用いる必要がなくなる)ため、製造コストを削減することができる。また、加工対象部11aに予め中間層12を設けない方法(本実施形態に係る中間層12を形成する方法、図2(a)参照)によれば、中間層12に対して前記切削加工を施す必要がなくなるため、前記切削加工を施した場合に生じる切削屑の問題を解決できる。
このように、前記準備工程は、前記裏金11に前記中間層12を積層する工程と、前記裏金11の前記加工対象部11aに積層された前記中間層12を除去する工程と、を含むものである。
このように構成することにより、簡単に中間層12を積層することができる。
また、本実施形態に係る曲げ加工方法は、ブシュ1の鍔部4を形成するものとしたが、本発明に係る曲げ加工方法の適用対象は、これに限定されるものでなく、例えば、ブシュ1の円筒部2やブシュ1とは異なる適宜の部材等であっても良い。本発明に係る曲げ加工方法を適用してブシュ1の円筒部2を形成する場合、図10に示す変形例に係る基材310を準備しても良い。変形例に係る基材310の裏金311には、複数の加工対象部311a及び複数の非加工対象部311bが設定される。加工対象部311aは、裏金311の前端部から後端部に亘って設定される。複数の加工対象部311aは、互いに左右方向に間隔を空けて配置される。
変形例に係る基材310は、加工対象部311aに沿って曲げられることで、円筒状に形成される。これによって、基材310を曲げるときに加工対象部311aに積層される樹脂層13を十分に伸張させることができる。また、樹脂層13をバランスよく伸張させることができる。これによれば、樹脂層13に割れや欠けが発生することを防止できる。
変形例に係る基材310は、加工対象部311aに沿って曲げられることで、円筒状に形成される。これによって、基材310を曲げるときに加工対象部311aに積層される樹脂層13を十分に伸張させることができる。また、樹脂層13をバランスよく伸張させることができる。これによれば、樹脂層13に割れや欠けが発生することを防止できる。
また、本実施形態に係る中間層12は、断面視(図4参照)で複数の球形状を有する多孔質金属焼結層によって構成されるものとしたが、本発明に係る中間層の構成はこれに限定されるものでない。例えば、本発明に係る中間層は、多孔質金属焼結層であっても、断面視で複数の球形状を有さない構成であってもよい。また、本発明に係る中間層は、非多孔質金属焼結層によって構成されていても良い。また、本発明に係る中間層は、帯状の裏金11に帯状の金属を貼り付けることで構成されていても良い(焼結しなくても良い)。また、中間層12を形成するための金属の粉末22aは、その粒子が球状に形成されるものとしたが、粒子の形状はこれに限定されるものでなく、多角形状や不規則形状等であっても良い。
また、本実施形態においては、帯状の裏金11の加工対象部11a及び中間層12に樹脂層13を積層するものとしたが、本発明に係る裏金の加工対象部及び中間層に積層される層は、これに限定されるものでなく、例えば、金属層であっても良い。
また、本実施形態に係る基材10は、裏金11に二つの層(中間層12及び樹脂層13)が積層される三層構造であるものとしたが、本発明に係る基材の構造は、これに限定されるものでない。例えば、本発明に係る基材は、裏金11に三層以上の層が積層される四層以上の多層構造であっても良い。
また、本実施形態においては、変形工程を行った後で曲げ工程を行うものとしたが、本発明に係る変形工程と曲げ工程とを行う順番はこれに限定されるものでなく、曲げ工程を行った後で変形工程を行っても良い。
また、第二実施形態においては、粘度の低い樹脂の塗料によって加工対象部11aに積層される樹脂層113を自然に凹ませるものとしたが、樹脂層113を凹ませるための手段はこれに限定されるものでない。例えば、加工対象部11aに積層される樹脂層に切削加工を施すことによって、樹脂層を凹ませても良い。
10 基材
11 裏金
11a 加工対象部
12 中間層(第一の層)
13 樹脂層(第二の層)
11 裏金
11a 加工対象部
12 中間層(第一の層)
13 樹脂層(第二の層)
Claims (7)
- 加工対象部が設定される裏金と、前記裏金の前記加工対象部とは異なる部分に積層される第一の層と、前記裏金の前記加工対象部及び前記第一の層にそれぞれ積層され、前記第一の層によって前記裏金と密着される第二の層とを具備する基材を準備する準備工程と、
少なくとも前記加工対象部を曲げ変形させることで、前記裏金側に向かうように前記基材を曲げる曲げ工程と、
を含む、
曲げ加工方法。 - 前記準備工程において、
前記加工対象部は直線状に形成され、
前記曲げ工程において、
前記基材は前記加工対象部に沿って折り曲げられる、
請求項1に記載の曲げ加工方法。 - 前記準備工程は、
前記裏金に前記第一の層を積層する工程と、
前記裏金の前記加工対象部に積層された前記第一の層を除去する工程と、
を含む、
請求項1又は請求項2に記載の曲げ加工方法。 - 前記第二の層は、
樹脂材料によって構成される、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の曲げ加工方法。 - 前記第一の層は、
多孔質金属焼結層によって構成される、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の曲げ加工方法。 - 前記準備工程において、
前記第二の層は前記裏金の前記加工対象部に積層される部分が凹んだ形状に形成される、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の曲げ加工方法。 - 加工対象部が設定される裏金と、前記裏金の前記加工対象部とは異なる部分に積層される第一の層と、前記裏金の前記加工対象部及び前記第一の層にそれぞれ積層され、前記第一の層によって前記裏金と密着される第二の層とを具備する板状の基材を準備する準備工程と、
前記第二の層が内周側に配置されるように前記板状の基材を円筒状に変形させる変形工程と、
前記裏金側に向かうように前記基材を曲げることで、少なくとも前記加工対象部を曲げ変形させて鍔部を形成する曲げ工程と、
を含む、
ブシュの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2015168898A JP2017042806A (ja) | 2015-08-28 | 2015-08-28 | 曲げ加工方法及びブシュの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH074924U (ja) * | 1993-06-25 | 1995-01-24 | 株式会社小松製作所 | 滑り軸受 |
JP2002195261A (ja) * | 2000-12-26 | 2002-07-10 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | ブッシュおよびブッシュの製造方法 |
JP2005052879A (ja) * | 2003-08-06 | 2005-03-03 | Oiles Ind Co Ltd | 複層滑り軸受の製造方法及びその製造装置 |
-
2015
- 2015-08-28 JP JP2015168898A patent/JP2017042806A/ja active Pending
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