JP4228426B2 - 画像撮像装置及びホログラフィックステレオグラムの作製装置 - Google Patents

画像撮像装置及びホログラフィックステレオグラムの作製装置 Download PDF

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    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/26Processes or apparatus specially adapted to produce multiple sub- holograms or to obtain images from them, e.g. multicolour technique
    • G03H1/268Holographic stereogram

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  • Holo Graphy (AREA)
  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体を複数の位置から順次撮像することによって視差画像列を構成する各要素視差画像の画像信号を生成する画像撮像装置及びこの画像撮像装置を用いたホログラフィックステレオグラムの作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホログラフィックステレオグラムは、被写体を異なる観察点から順次撮像することにより得られた多数の画像を原画として、これらを1枚のホログラム用記録媒体に短冊状またはドット状の要素ホログラムとして順次露光記録することによって作製される。
【0003】
例えば、横方向のみの視差情報を有するホログラフィックステレオグラムを作製する場合は、図12に示すように、図示しない照明装置により照明された被写体100が、画像撮像装置101により横方向の異なる観察点から順次撮像される。これにより、それぞれの観察点からの複数の要素視差画像よりなる視差画像列が、画像信号D100として生成される。
【0004】
画像撮像装置101は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子等を有する一台のカメラを移動操作しながら被写体100を異なる位置から順次撮像し、又は異なる位置に設置した複数台のディジタルスチルカメラ等により被写体100を同時に撮像することによって、複数の要素視差画像よりなる視差画像列を構成する画像信号D100を生成する。
【0005】
画像撮像装置101により生成されたこれら画像信号D100は、必要に応じて視点変換処理等の所定の画像処理が施された後に、ホログラフィックステレオグラムプリンタ102に順次供給される。ホログラフィックステレオグラムプリンタ102は、これら画像撮像装置101からの画像信号D100に基づいて、複数の視差画像を短冊状の要素ホログラムとしてホログラム用記録媒体に順次露光記録する。
【0006】
これにより、横方向のみの視差情報を有するホログラフィックステレオグラム103が作製される。
【0007】
このように作製されたホログラフィックステレオグラム103は、使用者がこれをある位置から片方の目で見た場合に、各要素ホログラムの一部分の画像情報の集合体である二次元画像が識別され、また、この位置から水平に移動した他の位置で見た場合に、各要素ホログラムの別の部分の画像情報の集合体である二次元画像が識別される。したがって、ホログラフィックステレオグラム103においては、使用者がこれを両目で見た場合に左右の目の視差により、記録画像が3次元画像として認識されることとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、照明された被写体100を画像撮像装置101により撮像する場合、得られる画像信号D100の輝度信号のレベル(輝度レベル)は、例えば、被写体100の反射率や色等の種々の条件によりそれぞれ異なることとなる。
【0009】
したがって、例えば、人物の顔等を画像撮像装置101により撮像してホログラフィックステレオグラム103を作製しようとする場合、被写体100である人物の人種や日焼けの具合、化粧の有無等に応じて、作製されるホログラフィックステレオグラム103の明るさに大きなばらつきが生じてしまう場合がある。
【0010】
また、例えば図13に示すように、CCD撮像素子を有する一台のカメラ104を一次元的に移動操作しながら、照明装置により照明された被写体100を異なる観察点から順次撮像して視差画像列を構成する画像信号D100を生成する場合、カメラ104が被写体100の正面から離れた位置に移動すると、被写体100からの像はCCD撮像素子に対して急角度で入射することになる。このため、カメラ104が被写体100の正面から離れた位置にあるときに撮像された画像は、カメラ104が被写体100の正面にあるときに撮像された画像よりも暗くなり、要素ホログラム毎に明るさのばらつきを生じさせてしまい、作製されるホログラフィックステレオグラムの画像を劣化させてしまう場合があった。
【0011】
そこで、本発明は、被写体の状態や撮像条件等の違いに起因する明るさのばらつきを抑制し視差画像列を構成する良好な画像信号を生成することができる画像撮像装置及びこの画像撮像装置を用いることにより良好な画質のホログラフィックステレオグラムを作製するホログラフィックステレオグラムの作製装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像撮像装置は、照明手段と、明るさ検出手段と、撮像手段と、輝度レベル調整手段とを備える。画像撮像装置は、照明手段が、被写体を異なる方向から照明する複数個の光源と、これら光源からの出射光量を調整するライトコントローラとを有する。画像撮像装置は、明るさ検出手段が、照明手段により照明された被写体の所定位置における明るさを検出して被写体の明るさに関する情報を出力する。画像撮像装置は、撮像手段が、照明手段により照明された被写体を異なる複数の位置から順次撮像して視差画像列を構成する画像信号を生成して出力する。画像撮像装置は、輝度レベル調整手段が、明るさ検出手段から出力された被写体の明るさに関する情報に基づいて、撮像手段から出力された被写体の画像信号の輝度レベルを調整する。
【0013】
以上のように構成される本発明に係る画像撮像装置によれば、照明手段により異なる方向から照明される被写体を、撮像手段により複数の異なる位置から順次撮像して視差画像列を構成する複数の画像信号を生成する。画像撮像装置によれば、輝度レベル調整手段により被写体の状態や撮像条件等の違いに起因する明るさのばらつきにより生じる各画像信号の輝度レベルを調整されることにより、良好な視差画像列を構成する複数の画像信号を生成する。画像撮像装置によれば、輝度レベルを調整した視差画像列の各画像信号に基づいて画像劣化が低減された良好な画質のホログラフィックステレオグラムを作製することを可能とする。画像撮像装置によれば、被写体を異なる方向から異なる強度で照明することにより、立体感に富み、且つ陰の部分があまり暗すぎない良好なホログラフィックステレオグラムを作製することを可能とする。
【0014】
画像撮像装置は、輝度レベル調整手段、例えば、照明手段の光量を調整することにより画像信号の輝度レベルを調整し、又は撮像手段の撮像感度を調整することにより画像信号の輝度レベルを調整し、又は撮像手段より出力された画像信号に対して信号変換処理を施すことにより画像信号の輝度レベルを調整する。画像撮像装置は、明るさ検出手段により検出された被写体の明るさに関する情報に基づいて画像信号の輝度レベルを調整することにより、画像信号の輝度レベルの調整を適切且つ簡便に行うことができる。
【0015】
また、本発明に係るホログラフィックステレオグラムの作製装置は、被写体を異なる複数の位置から順次撮像して視差画像列を構成する画像信号を生成する画像撮像手段と、この画像撮像手段により生成された画像信号に基づいて、視差画像列を構成する各要素視差画像を要素ホログラムとして記録媒体に順次記録する記録手段とを備える。ホログラフィックステレオグラムの作製装置は、画像撮像手段が、照明手段と、明るさ検出手段と、撮像手段と、輝度レベル調整手段とを備える。
【0016】
ホログラフィックステレオグラムの作製装置は、画像撮像装置照明手段が、被写体を異なる方向から照明する複数個の光源と、これら光源からの出射光量を調整するライトコントローラとを有する。ホログラフィックステレオグラムの作製装置は、画像撮像装置明るさ検出手段が、照明手段により照明された被写体の所定位置における明るさを検出して被写体の明るさに関する情報を出力する。ホログラフィックステレオグラムの作製装置は、画像撮像装置撮像手段が、照明手段により照明された被写体を異なる複数の位置から順次撮像して視差画像列を構成する画像信号を生成して出力する。ホログラフィックステレオグラムの作製装置は、画像撮像装置輝度レベル調整手段が、明るさ検出手段から出力された被写体の明るさに関する情報に基づいて、撮像手段から出力された被写体の画像信号の輝度レベルを調整する。
【0017】
以上のように構成される本発明に係るホログラフィックステレオグラムの作製装置によれば、画像撮像手段により照明手段により異なる方向から照明される被写体を、撮像手段により複数の異なる位置から順次撮像して視差画像列を構成する画像信号を生成する。ホログラフィックステレオグラムの作製装置によれば、画像撮像手段において、輝度レベル調整手段により被写体の状態や撮像条件等の違いに起因する明るさのばらつきにより生じる各画像信号の輝度レベルを調整されることにより、良好な視差画像列を構成する複数の画像信号を生成する。
【0018】
ホログラフィックステレオグラムの作製装置によれば、記録手段が、画像撮像手段により生成された視差画像列を構成する画像信号に基づいて駆動され、視差画像列の各要素視差画像を要素ホログラムとして記録媒体に順次記録する。ホログラフィックステレオグラムの作製装置によれば、画像撮像手段から記録手段に対して、輝度レベル調整手段により被写体の状態や撮像条件等の違いに起因する明るさのばらつきにより生じ輝度レベルばらつきを調整された画像信号が供給されることにより、各画像信号に基づいて画像劣化が低減された良好な画質のホログラフィックステレオグラムを作製する。ホログラフィックステレオグラムの作製装置によれば、立体感に富み、且つ陰の部分があまり暗すぎない良好なホログラフィックステレオグラムを作製する
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。ここでは、本発明を、視差画像列を構成する各要素視差画像を要素ホログラムとしてホログラム用記録媒体に順次記録することによりホログラフィックステレオグラムを作製するホログラフィックステレオグラム作製システムに適用した例について説明する。なお、本発明は、この例に限定されるものではなく、例えばレンチキュラ方式のステレオ写真を作製するシステム等、視差画像列を利用するあらゆるシステムに適用可能であることは言うまでもない。
【0020】
本発明を適用したホログラフィックステレオグラム作製システムの一例を図1に示す。ホログラフィックステレオグラム作製システム1は、図1にその概略構成を示すように、被写体70を異なる複数の位置から要素視差画像を撮像して視差画像列を構成する画像データ(画像信号)を生成する画像撮像装置(画像撮像手段)10と、この画像撮像装置10より出力される画像データ(画像信号)に基づいて、視差画像列の各要素視差画像を要素ホログラムとしてホログラム用記録媒体60に記録するホログラフィックステレオグラムプリンタ(記録手段)30と、これら画像撮像装置10及びホログラフィックステレオグラムプリンタ30の動作を制御する制御部50とを備えている。
【0021】
画像撮像装置10は、被写体70を照明する照明部(照明手段)11と、この照明部11により照明された被写体70を複数のそれぞれ異なる位置から撮像して複数の視差画像よりなる視差画像列を画像データD1として生成する撮像部(撮像手段)12と、この撮像部12より供給された画像データD1に対して所定の画像処理を施してホログラフィックステレオグラム用画像データD2として出力する画像処理部13とを備えている。
【0022】
そして、この画像撮像装置10は、撮像部12より出力される画像データD1の輝度信号のレベル(輝度レベル)を、被写体70の状態や撮像条件等に応じて調整する輝度レベル調整手段を備えていることを特徴としている。
【0023】
図1に示す本例のホログラフィックステレオグラム作製システム1においては、輝度レベル調整手段が、被写体70を照明する照明部11から出射する照明光の光量を調整するライトコントローラ14として構成されている。
【0024】
撮像部12は、図2に示すように、CCD撮像素子15と撮像用レンズ16とを有する一台のカメラ17を備えている。このカメラ17は、カメラ送り機構18に支持されており、このカメラ送り機構18によって、所定の距離に亘り移動可能とされている。そして、撮像部12は、この一台のカメラ17をカメラ送り機構18により所定の距離に亘って移動させながら被写体70を撮像することにより、被写体70を異なる複数の位置から撮像し、複数の要素視差画像よりなる視差画像列を構成する画像データD1を生成し得るようになされている。
【0025】
なお、撮像部12は、以上のように一台のカメラ17を移動させることにより、被写体70を異なる位置から撮像する以外にも、複数台のカメラをそれぞれ互いに異なる位置に固定しておき、これら複数台のカメラにより被写体70を異なる位置から同時に撮像するように構成されていてもよい。この場合は、撮像時間を短縮することが可能となるが、複数台のカメラを用いる分、装置のコストが高くなることになる。
【0026】
また、撮像部12は、被写体70を移動させて被写体70を異なる位置から撮像するようにしてもよいが、ホログラフィックステレオグラムのポートレートを作製する場合など、人物を被写体70とした場合には、被写体70の姿勢を維持することが困難となる。
【0027】
ところで、CCD撮像素子15と撮像用レンズ16とを有する一台のカメラ17を移動操作させて被写体70を複数の位置から撮像するようにした場合、ホログラフィックステレオグラムとなったときに立体像を認識しやすい良好な視差画像列を得るためには、カメラ17と被写体70との位置関係が図3(A)乃至図3(D)に示すような関係となるようにカメラ17を移動操作することが望ましい。
【0028】
図3(A)に示すカメラ17と被写体70との関係は、Straight-ahead Camera on Straight Trackと呼ばれるものであり、カメラ17が被写体70に対する向きを変えずに直線的に移動するものである。この場合、撮像された視差画像列の各要素視差画像は、被写体70を異なる位置から同じ角度で撮像した画像となる。
【0029】
図3(B)に示すカメラ17と被写体70との関係は、Panning Camera on Straight Trackと呼ばれるものであり、カメラ17が常に被写体70に正対するように向きを変えながら直線的に移動するものである。この場合、撮像された視差画像列の各要素視差画像は、被写体70を異なる位置から正面に捉えた画像となる。
【0030】
図3(C)に示すカメラ17と被写体70との関係は、Re-centering Cameraon Straight Trackと呼ばれるものであり、カメラ17が被写体70に対する向きを変えずに直線的に移動し、その位置に応じてCCD撮像素子15と撮像用レンズ16との相対的な位置関係を変化させることにより、被写体70を異なる方向から撮像し得るようにされたものである。この場合、撮像された視差画像列の各要素視差画像は、Panning Camera on Straight Trackの場合と同様に、被写体70を異なる位置から正面に捉えた画像となるが、カメラ17が被写体70に正対しない位置において撮像された画像は、カメラ17が被写体70に正対する位置において撮像された画像よりも暗くなるという特徴がある。
【0031】
図3(D)に示すカメラ17と被写体70との関係は、Rotating Camera、又はRotating Objectと呼ばれるものであり、カメラ17が常に被写体70に正対するように向きを変えながら被写体70の周囲を移動し、又は、被写体70がカメラ17に対する向きを変えるように回転するものである。この場合、撮像された視差画像列の各要素視差画像は、Panning Camera on Straight Trackの場合と同様に、被写体70を異なる位置から正面に捉えた画像となる。
【0032】
本例のホログラフィックステレオグラム作製システム1における画像撮像装置10は、カメラ17と被写体70との関係が、図3(C)に示したRe-centeringCamera on Straight Trackの関係となるように、撮像部12が構成されている。
【0033】
カメラ送り機構18は、例えば、図2に示すように、図示しないステッピングモータに連結された駆動用シャフト19と、この駆動用シャフト19と平行に設けられたガイド用シャフト20とを有している。そして、カメラ17は、これら駆動用シャフト19とガイドシャフト20との双方に連結され支持されている。カメラ送り機構18は、撮像が開始されると、図示しないステッピングモータを駆動させ、このステッピングモータの駆動力を駆動用シャフト19を介してカメラ17に伝達する。カメラ17は、この駆動力を受け、ガイドシャフト20に案内されて、図2中矢印A方向に直線的に移動する。
【0034】
また、カメラ17のCCD撮像素子15は、カメラ17を移動操作する上記ステッピングモータと同期して駆動されるCCD撮像素子移動用のステッピングモータ21に連結されており、カメラ17自体の移動に同期して、カメラ17内を図2中矢印B方向に直線的に移動するようになされている。
【0035】
例えば、カメラ17は、図4(A)に示すように、移動経路の一端側(同図中右端側)に移動操作された際に、これに同期してCCD撮像素子15をカメラ17内における右端側に移動させることにより、被写体70からの像を撮像用レンズ16を介してCCD撮像素子15に入射させるようになされている。
【0036】
また、カメラ17は、図4(B)に示すように、移動経路の中央部に移動操作された際に、これに同期してCCD撮像素子15をカメラ17内における中央部に移動させることにより、被写体70からの像を撮像用レンズ16を介してCCD撮像素子15に入射させるようになされている。
【0037】
さらに、カメラ17は、図4(C)に示すように、移動経路の他端側(同図中左端側)に移動操作された際に、これに同期してCCD撮像素子15をカメラ17内における左端側に移動させることにより、被写体70からの像を撮像用レンズ16を介してCCD撮像素子15に入射させるようになされている。
【0038】
カメラ17は、以上のように、カメラ17自体の移動に同期させてCCD撮像素子15をカメラ17内で移動させることにより、カメラ17が移動経路のどの位置に移動した場合であっても、被写体70からの像を撮像用レンズ16を介して適切にCCD撮像素子15に入射させることができるようになされている。
【0039】
照明部11は、図2に示すように、被写体70をそれぞれ異なる方向から照明する例えば2つのライト(光源)22a,22bを備えている。これら2つのライト22a,22bのうち一方のライト22aは、カメラ17の移動経路の一端側(同図中右端側)から被写体70を照明し得るように、カメラ送り機構18の一端側に設置されている。また、これら2つのライト22a,22bのうち他方のライト22bは、カメラ17の移動経路の他端側(同図中左端側)から被写体70を照明し得るように、カメラ送り機構18の他端側に設置されている。
【0040】
これら2つのライト22a,22bは、それぞれライトコントローラ14に接続されており、このライトコントローラ14により、出射光量が制御されるようになされている。そして、これら2つのライト22a,22bは、例えば、一方のライト22aからの光量が他方のライト22bからの光量よりも多くなるようにライトコントローラ14により制御され、被写体70をそれぞれ異なる方向から異なる光量で照明する。
【0041】
画像撮像装置10は、このように、照明部11が複数のライト22a,22bを備え、これら複数のライト22a,22bにより被写体70を異なる方向から異なる光量で照明することにより、撮像部12により生成される画像データD1の画像を適度な陰影を有する画像とすることができる。したがって、この画像撮像装置10を用いた本例のホログラフィックステレオグラム作製システム1は、立体感に富み、且つ陰の部分があまり暗すぎない良好なホログラフィックステレオグラムを作製することができる。
【0042】
また、ライトコントローラ14は、撮像部12により生成された画像データD1の輝度レベルが被写体70の状態や撮像条件等に応じて適切な値となるように、照明部11のライト22a,22bの光量を制御する。
【0043】
この場合、画像撮像装置10は、照明部11のライト22a,22bにより照明される被写体70の所定位置における明るさを検出する図示しない明るさ検出手段を備え、この明るさ検出手段により検出された被写体70の各部の明るさに関する情報に基づいて、ライトコントローラ14が、撮像部12により生成された画像データD1の輝度レベルが適切な値となるように、照明部11のライト22a,22bの光量を制御することが望ましい。
【0044】
具体的には、例えば、被写体70のライト22a,22bからの照明光が照射される位置に図示しない光検出器等を設け、この光検出器により検出された被写体70の各部の明るさに関する情報に基づいて、ライトコントローラ14が照明部11のライト22a,22bの光量を制御する。
【0045】
また、撮像部12により生成された画像データD1の輝度レベルをモニターし、この画像データD1の輝度レベルから被写体70の各部の明るさを検出して、この被写体70の各部の明るさに関する情報をライトコントローラ14に供給し、ライトコントローラ14により照明部11のライト22a,22bの光量が制御されるようにしてもよい。この場合は、撮像部12が明るさ検出手段としての機能を兼ねることになる。
【0046】
なお、被写体70の状態や撮像条件等による被写体70の明るさを予測できる場合には、被写体70の所定位置における明るさを検出することなく、ライトコントローラ14により照明部11のライト22a,22bの光量を制御するようにしてもよい。
【0047】
ところで、この画像撮像装置10においては、上述したように、撮像部12のカメラ17を移動操作しながら被写体70を異なる位置から撮像するようにしているので、例えばホログラフィックステレオグラムのポートレートを作製する場合など、人物を被写体70とした場合には、被写体70がカメラ17の移動を意識して不用意に動いてしまう場合がある。このように、被写体70である人物が撮像中に動いてしまうと、ホログラフィックステレオグラムのポートレートを作製するための画像データを適切に生成することができない。
【0048】
そこで、画像撮像装置10は、図5に示すように、撮像部12のカメラ17と被写体70との間に、カメラ17の移動経路全域に亘ってハーフミラー等よりなるカメラ遮蔽部材23を配設し、被写体70からは移動するカメラ17が見えないようにすることが望ましい。
【0049】
このように、カメラ遮蔽部材23により被写体70からカメラ17が見えないようにすれば、被写体70がカメラ17の動きを意識しないですむので、被写体70の不用意な動きを抑制することができる。
【0050】
また、画像撮像装置10は、ハーフミラー等よりなるカメラ遮蔽部材23にモニター24からの画像を映し出しておき、被写体70にこの画像を注目させるようにしておけば、被写体70の視線を固定させることができ、更に良好なホログラフィックステレオグラムのポートレート用の画像データを生成することができる。
【0051】
画像処理部13は、制御部50の制御のもとに、撮像部12により生成された画像データD1に対して視点変換処理等の所定の画像処理を施し、ホログラフィックステレオグラム用画像データD2として出力する。
【0052】
具体的には、例えば横方向のみに視差情報を有するホログラフィックステレオグラムを作製する場合、画像処理部13は、撮像部12により生成された画像データD1に対して、例えばSlice and Diceと呼ばれる画像処理を施す。このSlice and Dice画像処理は、図6に示すように、画像データD1の各視差画像P1,P2,P3をそれぞれ視差方向に短冊状に分割し、これら分割されたデータから新たに視差画像P4を再構成し、ホログラフィックステレオグラム用画像データD2を生成するものである。
【0053】
このように、撮像部12により生成された画像データD1に対し、画像処理部13において、このSlice and Dice画像処理が施されることによって、最終的に作製されるホログラフィックステレオグラムの歪みやぼけ等が補正されることになる。
【0054】
また、画像処理部13は、上記Slice and Dice画像処理等の視点変換処理以外にも、必要に応じてキーストン歪み補正処理等の画像処理を施す。これにより、最終的に作製されるホログラフィックステレオグラムを更に良好なものとすることができる。
【0055】
以上説明した画像撮像装置10によれば、被写体70は、照明部11のライト22a,22bによって照明される。そして、このライト22a,22bによって照明された被写体70が、撮像部12のカメラ17によって撮像される。このとき、カメラ17は、カメラ送り機構18に従って移動しながら被写体70を異なる複数の場所から撮像する。これにより、撮像部12は、視差画像列を構成する画像データD1を生成する。この画像データD1の輝度レベルは、ライトコントローラ14がライト22a,22bの光量を制御することによって、被写体70の状態や撮像条件等に応じた適正な値に調整されている。
【0056】
撮像部12により生成された画像データD1は、画像処理部13に供給される。そして、この画像処理部13において、画像データD1に対して、例えば、Slice and Dice画像処理等の所定の画像処理が施される。そして、画像データD1がホログラフィックステレオグラム用画像データD2に変換されて出力される。
【0057】
なお、上述した画像撮像装置10は、撮像部12より出力される画像データD1の輝度レベルを調整する輝度レベル調整手段を、照明部11のライト22a、22bの光量を制御するライトコントローラ14により構成したが、本発明はかかる画像撮像装置10に限定されるものでは無い。画像撮像装置は、撮像部12により被写体70を撮像することにより得られる画像データD1の輝度レベルを調整することができるものであればどのようなもので輝度レベル調整手段を構成するようにしてもよい。
【0058】
例えば、画像撮像装置10は、図7に示すように、撮像部12のカメラ17の撮像感度を調整するゲインコントローラ25を備え、このゲインコントローラ25を輝度レベル調整手段としてもよい。この場合、ゲインコントローラ25は、撮像部12により生成される画像データD1の輝度レベルが被写体70の状態や撮像条件等に応じて適切な値となるように、撮像部12のカメラ17の撮像感度を制御する。
【0059】
なお、この場合も、画像撮像装置10は、照明部11のライト22a,22bにより照明される被写体70の所定位置における明るさを検出する図示しない明るさ検出手段を備え、この明るさ検出手段により検出された被写体70の明るさに関する情報に基づいて、ゲインコントローラ25が、撮像部12により生成される画像データD1の輝度レベルが適切な値となるように、撮像部12のカメラ17の撮像感度を制御することが望ましい。
【0060】
また、画像撮像装置10は、例えば、画像処理部13に画像データD1に対して所定の信号変換を行って輝度レベルを変化させる図示しない信号変換回路を備え、この信号変換回路を輝度レベル調整手段として構成してもよい。この場合は、撮像部12より出力された画像データD1が画像処理部13に供給された後に、その輝度レベルが被写体70の状態や撮像条件等に応じて適切な値となるように調整されることになる。
【0061】
なお、この場合も、画像撮像装置10は、照明部11のライト22a,22bにより照明される被写体70の所定位置における明るさを検出する図示しない明るさ検出手段を備え、この明るさ検出手段により検出された被写体70の明るさに関する情報に基づいて、画像データD1の輝度レベルが調整されることが望ましい。
【0062】
ところで、輝度レベル調整手段による画像データD1の輝度レベルの調整は、視差画像列の各要素視差画像全体に亘って一律に行う場合と、視差画像列の各要素視差画像間で段階的に行う場合とがある。すなわち、被写体70の反射率や色等の種々の条件により明るさにばらつきがあるときは、視差画像列の各要素視差画像全体に亘って一律に明るさを補償する必要がある。また、例えば上述したRe-centering Camera on Straight Trackにより被写体70を撮像する場合等には、視差画像列の各要素視差画像間に明るさのばらつきが生じるので、視差画像列の各要素視差画像間で段階的に明るさを補償する必要がある。
【0063】
したがって、輝度レベル調整手段は、被写体70の反射率や色等の種々の条件により明るさにばらつきがあるときは、例えば、ライト22a,22bからそれぞれ出射する照明光の光量を被写体70の反射率や色等の種々の条件に応じて一定の値に調整することにより、画像データD1の輝度レベルを視差画像列を構成する要素視差画像全体に亘って一律に調整する。
【0064】
また、輝度レベル調整手段は、視差画像列の各要素視差画像間に明るさのばらつきが生じる場合には、例えば、ライト22a,22bから出射する照明光の光量を、例えば図8に示すように、視差画像列の各要素視差画像間で段階的に変化させることにより、画像データD1の輝度レベルを視差画像列の各要素視差画像間で段階的に調整する。
【0065】
画像撮像装置10により出力されたホログラフィックステレオグラム用画像データD2は、ホログラフィックステレオグラムプリンタ30に供給される。
【0066】
ホログラフィックステレオグラムプリンタ30は、画像撮像装置10より出力されるホログラフィックステレオグラム用画像データD2に基づいて、後述する画像表示器を駆動して、この画像表示器に視差画像列の各要素視差画像を順次表示させる。また、ホログラフィックステレオグラムプリンタ30は、後述するレーザ光源からレーザ光を出射して、このレーザ光を分光し、その一部を物体光として画像表示器を透過させてこの画像表示器に表示された画像に応じて変調した後にホログラム用記録媒体60に入射させるとともに、他の一部を参照光としてホログラム用記録媒体60に入射させる。
【0067】
これにより、画像表示器に表示された画像に応じて変調された物体光と参照光とがホログラム用記録媒体60の記録面上において干渉して干渉縞を形成し、視差画像列の各要素視差画像が要素ホログラムとしてホログラム用記録媒体60に記録される。
【0068】
ホログラフィックステレオグラムプリンタ30は、以上の動作を視差画像列の各要素視差画像毎に繰り返し行うことにより、ホログラフィックステレオグラムを作製する。
【0069】
具体的には、ホログラフィックステレオグラムプリンタ30は、例えば図9(A)及び図9(B)に示すような光学系を備え、この光学系により物体光及び参照光をホログラム用記録媒体60に導くようにしている。なお、図9(A)は、光光学系の全体を上方から見た図であり、図9(B)は、光学系の物体光用の部分を横方向から見た図である。
【0070】
図9(A)に示すように、この光学系は、所定の波長のレーザ光を出射する上記レーザ光源31と、レーザ光源31からのレーザ光L1の光路上に配されたシャッタ32とこのシャッタ32を通過してきたレーザ光L2の光路上に配されたハーフミラー33とを備えている。
【0071】
上記シャッタ32は、制御部50によって制御され、ホログラム用記録媒体60を露光しないときには閉じられ、ホログラム用記録媒体60を露光するときに開放される。なお、ここでは、シャッタ32を用いてレーザ光のオンオフを切り換えるようにしているが、半導体レーザのように立ち上がり時にすぐに安定なレーザ光が出射される光源をレーザ光源31に使用するときには、レーザ光源自体をオンオフすることにより、シャッタ32の代わりとしてもよい。
【0072】
ハーフミラー33は、シャッタ32を通過してきたレーザ光L2を、参照光と物体光とに分光するためのものであり、透過光L3が物体光となり、反射光L4が参照光となる。
【0073】
ハーフミラー33を透過した物体光L3の光路上には、図9(A)及び図9(B)に示すように、物体光用の光学系として、ハーフミラー33を透過した物体光L3を反射する全反射ミラー34と、凸レンズとピンホールを組み合わせたスペーシャルフィルタ35と、物体光L3を平行光とするためのコリメータレンズ36と、画像撮像装置10より供給されるホログラフィックステレオグラム用画像データD2に基づいて駆動され、視差画像列の各要素視差画像を表示する上記画像表示器37と、物体光L3をホログラム用記録媒体60に投影するための投影レンズ38と、物体光L3をホログラム用記録媒体60上に照射させるシリンドリカルレンズ39とがこの順に配置されている。
【0074】
ハーフミラー33を透過した物体光L3は、全反射ミラー34によって反射された後、スペーシャルフィルタ35によって点光源からの拡散光とされる。次に、物体光L3は、コリメータレンズ36によって平行光とされ、その後、画像表示器37に入射する。ここで、表示装置37は、例えば液晶パネルからなる透過型の画像表示器であり、制御部50の制御のもとにホログラフィックステレオグラム用画像データD2に基づいて駆動され、視差画像列の各要素視差画像を表示する。そして、画像表示器37を透過した物体光L3は、画像表示器37に表示された視差画像に応じて変調された後、投影レンズ38を介してシリンドリカルレンズ39に入射する。
【0075】
そして、画像表示器37に表示された要素視差画像に応じて変調された物体光L3は、シリンドリカルレンズ39により横方向に集束され、ホログラム用記録媒体60にその一方の面60a側から入射する。
【0076】
一方、ハーフミラー33によって反射された参照光L4の光路上には、参照光用の光学系として、シリンドリカルレンズ40と、参照光L4を平行光とするためのコリメータレンズ41と、コリメータレンズ41を透過して平行光とされた参照光L4を反射して、ホログラム用記録媒体60にその他方の面60b側から入射させる全反射ミラー42とがこの順に配置されている。
【0077】
ハーフミラー33によって反射された参照光L4は、シリンドリカルレンズ40により横方向に収束された後、コリメータレンズ41により平行光とされる。そして、コリメータレンズ41により平行光とされた参照光L4は、全反射ミラー42により反射され、ホログラム用記録媒体60にその他方の面60b側から入射する。
【0078】
このようにして、ホログラム用記録媒体60に物体光L3と参照光L4とがそれぞれ入射することにより、これら物体光L3と参照光L4とがホログラム用記録媒体60の記録面上において干渉し、この干渉縞が要素ホログラムとしてホログラム用記録媒体60に記録される。
【0079】
ホログラフィックステレオグラムプリンタ30は、要素ホログラム1つ分の露光が終了すると、制御部50の制御のもとにシャッタ32を閉じ、レーザ光源31から出射されたレーザ光L1を遮断するとともに、画像表示装置37の駆動を停止する。そして、制御部50の制御のもとにホログラム用記録媒体60を要素ホログラムのホログラム幅分だけ移送する。
【0080】
その後、ホログラフィックステレオグラムプリンタ30は、制御部50の制御のもとに、画像撮像装置10により生成されたホログラフィックステレオグラム用画像データD2の視差画像列の各要素視差画像のうち次の要素視差画像の画像データに基づいて画像表示器37を駆動させることにより、画像表示器37に次の要素視差画像を表示させる。ホログラフィックステレオグラムプリンタ30は、これと同時に、制御部50の制御のもとにシャッタ32を開放することにより、画像表示器37に表示された要素視差画像に応じて変調された物体光L3を一方の面60a側からホログラム用記録媒体60に入射させ、参照光L4を他方の面60b側からホログラム用記録媒体60に入射させる。これにより、ホログラム用記録媒体60には、次の要素ホログラムが記録される。
【0081】
ホログラフィックステレオグラムプリンタ30は、以上の動作を、1画像を構成する要素ホログラム全てが記録されるまで繰り返し行うことにより、所望のホログラフィックステレオグラムを作製する。
【0082】
なお、本実施の形態のホログラフィックステレオグラム作製システム1に適用されるホログラフィックステレオグラムプリンタ30は、上述した例に限定されるものではなく、作製するホログラフィックステレオグラムの種類や環境等に応じて例えば光学系の構成等を適宜変更するようにしてもよいことは勿論である。
【0083】
ここで、ホログラフィックステレオグラムプリンタ30にて使用されるホログラム用記録媒体60について説明する。
【0084】
ホログラフィックステレオグラムプリンタ30にて使用されるホログラム用記録媒体60は、図10に示すように、無色透明の樹脂フィルム等よりなる基体61上に、ホログラフィック材料よりなるホログラム記録層62が形成され、更に、ホログラム記録層62上に、無色透明の樹脂フィルム等よりなる保護層63が形成されている。
【0085】
このホログラム用記録媒体60に3次元画像を記録する際は、上述したように、物体光L3をホログラム用記録媒体60の一方の面60a側から保護層63を透過してホログラム記録層62に入射させるとともに、参照光L4をホログラム用記録媒体60の他方の面60b側から基体61を透過してホログラム記録層62に入射させ、それらの干渉縞をホログラム記録層12に記録させる。したがって、基体61及び保護層63は、光散乱が少ないこと、複屈折が少ないこと、光透過率が高いこと等の光学特性が要求される。
【0086】
ホログラム記録層62には、従来公知のホログラフィック材料が広く使用可能であるが、特に、参照光L4と物体光L3との干渉によって生じる干渉縞を屈折率の変化として記録するものが好適である。そこで、本実施の形態では、ホログラム記録層62を構成するホログラフィック材料として、デュポン社製のホログラフィック材料「OMNI−DEX」(商品名)を用いた。このホログラフィック材料は、光重合型フォトポリマからなり、初期状態では、図11(A)に示すように、モノマMがマトリクスポリマに均一に分散している。このホログラフィック材料に対して、図11(B)に示すように、10〜400mJ/cm2 程度のパワーの光Laを照射すると、照射された光Laのパワーに応じて、露光された部分のモノマMが重合し、その結果、モノマMの濃度が場所によって変化して、屈折率変調が生じる。この後、図11(C)に示すように、1000mJ/cm2 程度のパワーの紫外線Lbを全面に照射することにより、モノマMの重合が完了し、屈折率変調度が増強されるとともに、この屈折率変調が定着する。
【0087】
したがって、このホログラム用記録媒体60に画像を記録してホログラフィックステレオグラムを作製するホログラフィックステレオグラムプリンタ30においては、ホログラム用記録媒体60に物体光L3及び参照光L4を入射して露光を行った後に、画像を定着させるために所定のパワーの紫外線を照射することが望ましい。
【0088】
以上のように構成される本実施の形態のホログラフィックステレオグラム作製システム1によりホログラフィックステレオグラムを作製する際は、先ず、画像撮像装置10が、制御部50の制御のもとに、ホログラフィックステレオグラム用画像データD2を生成する。
【0089】
具体的には、照明部11により照明された被写体70が、撮像部12により複数の異なる位置から撮像され、画像データD1が生成される。そして、画像処理部13において、この画像データD1に対して所定の画像処理が施されて、ホログラフィックステレオグラム用画像データD2が生成される。
【0090】
このとき、画像撮像装置10は、画像処理部13において、撮像部12により被写体70を撮像することにより得られる画像データD1の輝度レベルを、被写体70の状態や撮像条件等に応じて調整するようにしているので、輝度レベルが調整された良好なホログラフィックステレオグラム用画像データD2を生成することができる。
【0091】
そして、ホログラフィックステレオグラムプリンタ30が、制御部50の制御のもとに、画像撮像装置10より出力される画像データに基づいて、視差画像列の各要素視差画像を要素ホログラムとしてホログラム用記録媒体60に記録する。これにより、被写体70の像が3次元画像として認識されるホログラフィックステレオグラムが作製される。
【0092】
本実施の形態のホログラフィックステレオグラム作製システム1によれば、以上のように、画像撮像装置10の輝度レベル調整手段により、画像データD1の輝度レベル被写体70の状態や撮像条件等に応じて調整したホログラフィックステレオグラム用画像データD2に基づいて視差画像列の各要素視差画像を要素ホログラムとしてホログラム用記録媒体60に記録する。したがって、ホログラフィックステレオグラム作製システム1によれば、被写体70の状態や撮像条件等の違いに起因する明るさのばらつきが修正された良好な画質のホログラフィックステレオグラムを作製することができる。
【0093】
なお、以上は、横方向のみに視差情報を持つホログラフィックステレオグラムを作製するホログラフィックステレオグラム作製システムを例に説明したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、例えば、縦方向のみに視差情報を持つホログラフィックステレオグラムや縦横両方向に視差情報を持つホログラフィックステレオグラムを作製するホログラフィックステレオグラム作製システムにも適用可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る画像撮像装置は、撮像手段より出力される画像信号の輝度レベルを被写体の状態や撮像条件等に応じて輝度レベル調整手段により調整するようになされているので、被写体の状態や撮像条件等の違いに起因する明るさのばらつきを抑制して、良好な視差画像列を生成することができる。
【0095】
また、本発明に係るホログラフィックステレオグラムの作製装置は、画像撮像手段の撮像手段より出力される画像信号の輝度レベルを被写体の状態や撮像条件等に応じて輝度レベル調整手段により調整するようになされており、被写体の状態や撮像条件等の違いに起因する明るさのばらつきが抑制され、良好な視差画像列が生成されるので、良好な画質のホログラフィックステレオグラムを作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホログラフィックステレオグラム作製システムの一例の概略構成を示すブロック図である。
【図2】画像撮像装置の一例を説明する模式図である。
【図3】カメラと被写体との位置関係を説明する図であり、(A)はStraight-ahead Camera on Straight Trackとの関係を示し、(B)はPanning Camera on Straight Trackの関係を示し、(C)はRe-centering Camera on Straight Trackの関係を示し、(D)はPanning Camera on Straight Trackの関係を示している。
【図4】カメラの動きを説明する図であり、(A)はカメラが移動経路の一端側に移動したときのカメラの状態を示す図であり、(B)はカメラが移動経路の中央部に移動したときのカメラの状態を示す図であり、(C)はカメラが移動経路の他端側に移動したときのカメラの状態を示す図である。
【図5】画像撮像装置の外観を示す模式図である。
【図6】Slice and Diceと呼ばれる画像処理を説明する図である。
【図7】画像処理装置の他の例を示すブロック図である。
【図8】輝度レベル調整手段による輝度レベルの調整の一例を説明する図である。
【図9】ホログラフィックステレオグラムプリンタの光学系を示す図であり、(A)は同光学系の全体を上から見た図であり、(B)は物体公用の光学系を側方から見た図である。
【図10】ホログラム用記録媒体の一例を示す要部断面図である。
【図11】ホログラフィック材料の感光プロセスを説明する図であり、(A)はモノマがマトリクスポリマに均一に分散している状態を示し、(B)は所定のパワーの光が照射された状態を示し、(C)は全面に紫外線が照射された状態を示している。
【図12】ホログラフィックステレオグラムの作製方法を説明する図である。
【図13】被写体を撮像する一例を説明する図である。
【符号の説明】
1 ホログラフィックステレオグラム作製システム、10 画像撮像装置、11 照明部、12 撮像部、13 画像処理部、14 ライトコントローラ、17 カメラ、22a,22b ライト、25 ゲインコントローラ、30 ホログラフィックステレオグラムプリンタ

Claims (9)

  1. 被写体を異なる方向から照明する複数個の光源と、これら光源からの出射光量を調整するライトコントローラとを有する照明手段と、
    上記照明手段により照明された上記被写体の所定位置における明るさを検出して上記被写体の明るさに関する情報を出力する明るさ検出手段と、
    上記照明手段により照明された上記被写体を異なる複数の位置から順次撮像して視差画像列を構成する画像信号を生成して出力する撮像手段と、
    上記明るさ検出手段から出力された上記被写体の明るさに関する情報に基づいて、上記撮像手段から出力された上記被写体の上記画像信号の輝度レベルを調整する輝度レベル調整手段とを備えること
    を特徴とする画像撮像装置。
  2. 上記輝度レベル調整手段は、上記明るさ検出手段から出力された上記被写体の明るさに関する情報に基づいて上記照明手段の上記ライトコントローラを制御して上記各光源からの出射光量を調整することにより、上記画像信号の輝度レベルを調整すること
    を特徴とする請求項1記載の画像撮像装置。
  3. 上記輝度レベル調整手段は、上記明るさ検出手段から出力された上記被写体の明るさに関する情報に基づいて上記撮像手段の撮像感度を調整することにより、上記画像信号の輝度レベルを調整すること
    を特徴とする請求項1記載の画像撮像装置。
  4. 上記輝度レベル調整手段は、上記明るさ検出手段から出力された上記被写体の明るさに関する情報に基づいて上記撮像手段より出力された画像信号に対して信号変換処理を施すことにより、上記画像信号の輝度レベルを調整すること
    を特徴とする請求項1記載の画像撮像装置。
  5. 上記明るさ検出手段は、上記被写体に設けた光検出器であること
    を特徴とする請求項1記載の画像撮像装置。
  6. 上記明るさ検出手段は、上記撮像手段より出力される上記画像信号の輝度レベルをモニタして上記被写体の所定位置における明るさを検出すること
    を特徴とする請求項記載の画像撮像装置。
  7. 上記撮像手段は、
    CCD撮像素子と、撮像用レンズと、撮像用レンズに対してCCD撮像素子を移動させる移動手段とからなるカメラ部と、
    上記カメラ部を支持して上記被写体に対して所定の距離に亘って移動させるカメラ送り機構とから構成されること
    を特徴とする請求項1記載の画像撮像装置。
  8. 上記照明手段は、上記光源が上記撮像手段の上記カメラ送り機構の両端部に配置されること
    を特徴とする請求項7記載の画像撮像装置。
  9. 被写体を異なる複数の位置から順次撮像して視差画像列を構成する画像信号を生成する画像撮像手段と、
    上記画像撮像手段により生成された上記画像信号に基づいて、上記視差画像列を構成する各要視差素画像を要素ホログラムとして記録媒体に順次記録する記録手段とを備え、
    上記画像撮像手段は、
    上記被写体を異なる方向から照明する複数個の光源と、これら光源からの出射光量を調整するライトコントローラとを有する照明手段と、
    上記照明手段により照明された上記被写体の所定位置における明るさを検出して上記被写体の明るさに関する情報を出力する明るさ検出手段と、
    上記照明手段により照明された上記被写体を異なる複数の位置から順次撮像して視差画 像列を構成する画像信号を生成して出力する撮像手段と、
    上記明るさ検出手段から出力された上記被写体の明るさに関する情報に基づいて、上記撮像手段から出力された上記被写体の上記画像信号の輝度レベルを調整する輝度レベル調整手段とを備えること
    を特徴とするホログラフィックステレオグラムの作製装置。
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