JP4227553B2 - 透過性地下水浄化壁 - Google Patents

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本発明は、汚染地下水の流域に配置することにより該汚染地下水の浄化を可能とする、透過性地下水浄化壁に関する。
廃棄物処理場や不法投棄廃棄物から流れ出た有害物質や工場廃液などが地下に浸透することにより地下水が汚染されることがある。このようにして汚染された地下水(以下「汚染地下水」という)は、その流れにより周囲に拡散されるため、周辺地域の環境に悪影響を及ぼす。
従来、このような汚染地下水の拡散を防止する対策工の一つとして、透過性地下水浄化壁が採用されている。この透過性地下水浄化壁は、汚染地下水の下流側流域に、汚染地下水の流向方向と交差するように、透過性を有する浄化剤を連続的に配置することにより構築される。そして、汚染地下水がこの透過性地下水浄化壁を通過する過程において、汚染地下水が含有する汚染物質が除去されることが可能となる。
これらの透過性地下水浄化壁の構築は、一般的にはトレンチ掘削等により掘削された溝に浄化剤を充填する施工法や、ケーシングパイプを打設してその内部の土砂と浄化剤とを置き換えた後ケーシングパイプを引き抜く施工法等により行われていた。しかし、このようにして構築された透過性地下水浄化壁は、長期間にわたる使用により浄化剤の機能が低下した場合に、該浄化剤の交換が困難なため新たな透過性地下水浄化壁を構築する必要があり、手間がかかる上、別途用地が必要となるという問題点を有していた。
そのため、特許文献1には、側部に複数の孔が形成され透過性を有する鋼管矢板を汚染地下水の流向方向に対して交差するように連続的に配置してその内部に浄化剤を充填した、地下水浄化用矢板壁(透過性地下水浄化壁)が記載されている。該地下水浄化用矢板壁は、透過性を有した鋼管矢板の内部に浄化剤を配置した構成のため、内部の浄化剤を取り出すことが可能となり、長期間の使用により機能が低下した浄化剤の置換作業を容易に行うことを可能としている。
特開2002−294692号公報([0032]−[0057]、図1−図3)
しかしながら、工場等の敷地内に透過性地下水浄化壁を構築するような場合には、急傾斜地における施工や狭い用地における施工を強いられる場合が多いところ、従来の透過性地下水浄化壁の構築方法では、その施工に要する重機が進入できないために施工ができないことがあった。特に、鋼管矢板等により構築する工法では、透過性地下水浄化壁の深さと同等の長さの鋼管矢板を圧入若しくは打込む必要があるため、上空に障害物がある場合には該鋼管矢板を立てこむことが難しく、最悪の場合には施工ができないという問題点を有していた。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、急傾斜地や比較的狭い作業スペースしか確保できない施工箇所や上空に高さ制限がある施工箇所等でも施工が可能な、透過性地下水浄化壁を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、汚染地下水の下流側流域の地中に該汚染地下水の流向方向に対して交差するように配設される透過性の中空領域と、前記中空領域の内部に充填される充填材と、から構成されており、少なくとも前記充填材の一部が浸透してきた前記汚染地下水を浄化する透過性の浄化剤からなる透過性地下水浄化壁であって、前記中空領域の底版及び流向方向に対して左右の側部にコンクリートが打設されており、前記中空領域は、流向方向前後面に複数の透水孔を有し、少なくとも上下方向で分割された組立式の土留部材から構成されていることを特徴としている。
かかる透過性地下水浄化壁は、上下方向で分割された組立式の土留部材を利用して構築されているため、透過性地下水浄化壁の深さと略同じ長さの土留部材の圧入または打込みの必要がない。また、該土留部材の施工に要する重機を配置する必要がないため、工場用地内などの狭い作業スペースしか確保ができない場合や、急斜面のために重機等の進入が困難な場合でも施工が可能である。また、側面に複数の透水孔を有している土留部材を透過性地下水浄化壁の一部として使用するため、長期間にわたる使用により浄化剤の機能が低下した場合でも、浄化剤の置換作業を容易に行うことが可能となる。
また、請求項2に記載の発明は、汚染地下水の下流側流域の地中に該汚染地下水の流向方向に対して交差するように複数列状に配置された中空の杭体(以下単に「杭体」という場合がある)である透過性の中空領域と、前記中空領域の内部に充填される充填材と、を備える透過性地下水浄化壁であって、少なくとも前記充填材の一部が浸透してきた前記汚染地下水を浄化する透過性の浄化剤からななり、前記中空の杭体の底版及び流向方向に対して左右の側部にコンクリートが打設されており、前記中空の杭体は、流向方向前後面に複数の透水孔を有し、少なくとも上下方向で分割された組立式の土留部材から構成されていることを特徴としている。
かかる透過性地下水浄化壁によれば、汚染地下水の流速、流量や汚染濃度に対応して、各杭体ごとに充填剤を変更することや、透過性の浄化剤の透水係数や配合等を調節することが可能となるため好適である。また、長期間の使用により浄化剤の浄化機能が低下した場合でも、杭体ごとに浄化剤の置換作業を行えば、汚染地下水の流れを止めることなく作業を行うことが可能となる。
また、前記組立式の土留部材が、ライナープレートであれば、土留部材の搬送を、人力により行うことが可能な上、その組立作業も容易になる。つまり、この透過性地下水浄化壁は重機を要することなく、人力により容易に施工できるので、好適である。
また、前記透過性地下水浄化壁が、その一部に遮水性杭体を有していれば、汚染地下水の流向方向が当該透過性地下水浄化壁の内部において変化することがなく、透過性地下水浄化壁の構築により、下流側地下水流域が変化することがなく好適である。
本発明により、急傾斜地、狭小用地または上空に高さ制限がある施工箇所など、各種制限がある施工箇所においても、容易に透過性地下水浄化壁を構築することが可能となる。
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は、本実施の形態による透過性地下水浄化壁1の全体の概要を示す斜視図である。また、図2は、透過性地下水浄化壁1の側方断面図である。さらに、図3は図1の透過性地下水浄化壁1の一部を拡大して示した図であり(a)は平断面図、(b)は正断面図である。
ここで、説明における左右は、地下水の流向方向を基準として、下流側から上流側方向を見て左右を決定する。
本実施の形態では、図1及び図2に示すように、工場敷地内の斜面上に、透過性地下水浄化壁1を構築する場合について説明する。
図1に示すように、透過性地下水浄化壁1は、工場廃液等が地中に浸透して地中に滞留した汚染源を通過することにより汚染物質を含有して流下する汚染地下水2の下流側流域に、汚染地下水2の流向方向を遮断する方向に連続して配設された断面形状が小判型の複数の杭体10(中空領域)により構成されている。各杭体10は、その外殻が複数のライナープレート11により構成されており、その下端は不透水層線RLよりも深い位置にまで挿入されている(図2参照)。
ここで、各杭体10は、4枚のライナープレート11を繋ぎ合わせることにより形成された小判型のリングを、上下に積み重ねることにより構成されたものである。なお、ライナープレート11は、杭体10の左右の接合部t1,t1と汚染地下水2の流向方向の上流側と下流側の側部中央の接合部t2,t2との4箇所の接合部において繋ぎ合わされている(図3(a)参照)。
また、杭体10には、汚染地下水2を透過する浄化杭10aと汚染地下水2を遮水する遮水杭10bとがある。浄化杭10aはその上流側と下流側の両側面に透水孔12を有する有孔ライナー11aから構成されており、遮水杭10bは、透水孔12を有していない無孔ライナー11bにより構成されている。なお、本実施の形態の透過性地下水浄化壁1は、これらの浄化杭10aと遮水杭10bとが交互に配置されることにより構成されている。
汚染地下水2は、この透過性地下水浄化壁1の浄化杭10aを透過することにより、含有する汚染物質が除去されて浄化地下水3となる。
浄化杭10aは、図2に示すように、その内部がコンクリート20と、鉄粉等の金属還元剤と活性炭等の吸着剤と砕石との混合物からなる透過性の浄化剤(以下単に「透過性浄化剤」という場合がある)21と、杭体10の掘削に伴い発生した良質の発生土22とにより充填されている。ここで、透過性浄化材21は、砕石を混合することにより所定の間隙を確保して、浄化杭10a内に所定の透水性を維持するとともに、高価な鉄粉や活性炭等の浄化材料の量を削減することが可能となる。なお、透過性浄化材21を構成する各材料の配合は、汚染地下水2の流量や流速及び汚染物質やその濃度等に応じて調節するものとする。また、浄化杭10a内に打設されるコンクリート20は、浄化杭10aの底部全面に打設される底版コンクリート20aと浄化杭10aの左右の側部に打設される側部コンクリート20bにより、断面形状がU字型に形成されている(図3(b)参照)。
図2に示すように、底版コンクリート20aは、浄化杭10aの下端から不透水層線RLよりもやや高い位置まで打設されており、発生土22による覆土は、浄化杭10aの上端から地下水位線WLよりもやや高い位置まで行われている。なお、底版コンクリート20aの上端から発生土22の下端の間は、図3(a)及び(b)に示すように、左右両端に側部コンクリート20bが打設されており、この左右の側部コンクリート20bの間に透過性浄化剤21が充填されている。
一方、遮水杭10bは、図3(a)及び(b)に示すように、遮水杭10bの下端から地下水位線WL(図2参照)よりやや高い位置までコンクリート20が充填されており、コンクリート20の上端から遮水杭10bの上端までは発生土22からなる覆土がなされている。
また、各杭体10の地下水の流向方向に対して中央よりやや下流側には、ライナープレート11の内面及び杭体10の底面に沿って水膨張ゴムからなる止水シール23がU字状に配設されている。
さらに、浄化杭10aと遮水杭10bとの接合部は、図3(a)に示すように、ゴム板からなる止水板30を介して接合されており、止水板30の上流側には止水コンクリート31が打設されている。
次に、図4及び図5を用いて、本実施の形態の透過性地下水浄化壁1の構築方法について説明を行う。
ここで、図4(a)〜(f)は浄化杭10aの構築方法を各施工段階ごとに示した断面図である。また、図5(a)は隣接する杭体10同士の接合部を示した分解斜視図であり、図5(b)は同平面図、図5(c)は止水板30の設置状況を示した断面図である。
まず、透過性地下水浄化壁1を構築する所定の位置に、杭体10の形状に合せて、ライナープレート11の1段分の高さよりやや深く掘削を行う(図4(a)参照)。
所定の深さの掘削が完了したら、速やかにライナープレート11で小判型のリングを1段組み立てて、開口面を閉合する(図4(b)参照)。ここで、ライナープレート11の組立作業の際に、予め後記する止水板30を、杭体10の左右の接合部t1において上流側と下流側のライナープレート11,11により挟持させておく。また、掘削する深さは、ライナープレート11の1段分の高さよりやや深くするものとしたが、地山の状況に応じて深く掘削して、ライナープレート11を複数段組み立てる構成としてもよい。
続けて、杭体10の下端が不透水層線RLよりも深い位置になるまで掘削作業とライナープレート11の組立作業とを繰り返し行う(図4(c)参照)。なお、掘削作業は、杭体10の内部にて作業が可能な小型建設機械を用いて行うか、人力により行うものとする。また、ライナープレート11の組立作業については、人力により行えばよい。ここで、施工時には、公知の地下水位低下工法等により当該施工箇所への汚染地下水2の流入を防止するものとする。
所定の深さまで掘削作業及びライナープレート11の組立作業が完了したら、コンクリート20の打設を行う。コンクリート20の打設は、不透水層線RLよりも高い位置まで杭体10の全断面積に打設する底版コンクリート20aと、底版コンクリート20aの上端から地下水位線WLよりも高い位置まで杭体10の左右側部に打設する側部コンクリート20bとを2段階に分けて打設する。底版コンクリート20aと左右の側部コンクリート20bとにより、コンクリート20は、断面形状がU字型に形成される(図4(d)参照)。この際、杭体10の汚染地下水2の流向方向の中央よりやや下流側には、コンクリート20の外周を覆うように、止水シール23が予め設置されている。
コンクリート20の打設が完了したら、コンクリート20の凹部に透過性浄化剤21を充填する。この際、透過性浄化剤21の上端は、側部コンクリート20bの上端と同じ高さになるように充填する(図4(e)参照)。
透過性浄化剤21の充填が完了したら、杭体10の上端まで、杭体10の掘削に伴い発生した発生土22により覆土を行う(図4(f)参照)。
続いて、同様の作業を繰り返し、隣接する杭体10を構築する。そして、複数回、杭体10の構築を繰り返し行うことにより、透過性地下水浄化壁1を構築する。
ここで、遮水杭10bの構築の際には、透過性浄化剤21の充填は行わず、杭体10の内部の地下水位線WLよりも高い位置までコンクリート20により充填を行う。
なお、杭体10同士の接合は、図5(a)〜(c)に示すように止水板30を介して行う。
止水板30は、ライナープレート11の組立作業の際に、隣接する杭体10,10が、同じ1枚の止水板30の左右の端部をそれぞれの接合部t1においてライナープレート11,11により挟持するように配設されている(図5(a)及び(b)参照)。ここで、止水板30は、図5(c)に示すように、ライナープレート11よりも上下幅が広く、ライナープレート11を組み立てる際に、ライナープレート11の下端よりも下方向に突出するように配設される。そして、次の段のライナープレート11を組み立てる際に、既設の止水板30aの下端部と、新設の止水板30bの上端部とが重なるようにして配置し、ライナープレート11により挟持する。
また、杭体10の接合部における止水板30の上流側の余掘り部32には止水コンクリート31を打設する(図5(b)参照)。止水コンクリート31の打設の際には、接合部の余掘り部32にライナープレート11と三角形が形成されるように型枠31aを設置して、余掘り部32に沿ってコンクリートが杭体10の周囲に廻りこむことがないようにする。
以上のように、本実施の形態の透過性地下水浄化壁1は、ライナープレート11により土留を行った内部に透過性浄化剤21を充填した構成であるため、長期間使用することにより透過性浄化剤21の浄化機能が低下した場合でも、透過性浄化剤21のみを掘削除去して新たに充填することが可能である。そのため、浄化機能を維持したまま長期間に渡り使用が可能な、透過性地下水浄化壁1の構築が可能となる。
また、当該透過性地下水浄化壁1は、コンクリート20が充填された遮水杭10bを浄化杭10aとを交互に配置しているため、遮水杭10bによる斜面の抑止効果も得ることが可能となる。
また、人力による持ち運びが可能な上、組立作業が容易なライナープレート11を使用することにより、建設機械が進入できないような狭小な施工箇所や、急斜面での施工についても、透過性地下水浄化壁1の構築が可能となる。
また、徐々にライナープレート11を組み立てながら掘削する、いわゆる逆巻き工法による杭体10の構築のため、ケーシング等の透過性地下水浄化壁の深さと略同じ長さの土留部材を打設する必要がなく、大型の建設機械を必要としないとともに、上空に制限があるような施工箇所に関しても施工が可能である。
また、小判型のライナープレート11により杭体10を形成し、杭体10の左右方向中央に正方形形状に浄化剤21を配置する構成とすることで、当該透過性地下水浄化壁1を通過して浄化させる汚染地下水2は、従来の円形の浄化杭からなる透過性地下水浄化壁と比べて、一定の厚みからなる浄化体による均質な浄化が可能となる。
また、ライナープレート11の組み合わせや形状を調節することにより、適宜浄化に必要な厚みを有した透過性地下水浄化壁1を形成することが可能となる。
また、砕石を含むことにより、その間隙が比較的大きく形成されるため、鉄粉の腐食により発生したカルシウム塩等による透過性浄化剤の間隙の目詰まりを防止して、その透過性を長期間維持することが可能となる。
また、杭体10の集合体により構成される透過性地下水浄化壁1のうち、所定の杭体10に透過性浄化剤21を配設する構成としたため、高価な浄化剤の使用量を最小限に抑えた経済性に優れた透過性地下水浄化壁1の構築が可能となる。
また、杭体10の掘削により発生した良質の発生土22により覆土を行うため、掘削残土を減らし、残土処分にかかる費用を削減することが可能となる。
また、各杭体10には、地下水の流向方向に対して中央よりやや下流側には、ライナープレートの内面及び杭体10の底面に沿って止水シール23が配設されているため、コンクリート20が収縮することによりコンクリート20とライナープレート11との間に隙間が形成された場合であっても、膨張した止水シール23により止水されるため、汚染地下水2が浄化されないまま流下することを抑止することが可能となる。
さらに、浄化杭10aの底部には、底版コンクリート20aが打設されているため、ボイリングなどが生じることにより、土砂と透過性浄化剤21とが混合して、その浄化機能が低下することが抑止される。
以上、本発明について、好適な実施の形態の例を説明したが、本発明は前記実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記の実施の形態では、透過性地下水浄化壁を、複数の杭体の集合体により形成するものとしたが、直方体形状のいわゆる壁型の連続地中壁により構成してもよく、その構成は限定されるものではない。
また、前記の実施の形態では、浄化杭と遮水杭とを交互に配置するものとしたが、浄化杭のみを配置してもよく、その配置は汚染地下水の流量や汚染濃度等を考慮して、適宜設定すればよい。
また、前記の実施の形態では、遮水杭の構築と浄化杭の側部にコンクリートを打設する構成としたが、ソイルセメントやベントナイト改良土等を使用してもよく、不透水性で汚染地下水の浸透を防止することが可能であれば、材料は限定されるものではない。
また、浄化杭のコンクリート打設の際に、底版コンクリートと側部コンクリートとを2段階に分けて打設するものとしたが、これに限定されるものではなく、型枠を設置して、一度に打設してもよい。
また、前記の実施の形態では、透過性地下水浄化壁の構築にあたり、ライナープレートからなる土留部材を利用して掘削するものとしたが、いわゆる親杭横矢板による方法や、泥水式掘削により掘削を行い、組立式の土留材を配置する方法により構築してもよく、その施工方法は限定されるものではない。
また、前記の実施の形態では、透過性地下水浄化壁を構成する複数の浄化杭として断面形状小判型のライナープレートを使用するものとしたが、矩形断面や円形断面を形成するライナープレートを使用してもよく、各浄化杭の断面形状は限定されるものではない。また、各ライナープレートの形状寸法は限定されるものではない。
また、透過性浄化剤に対応する位置のライナープレートに透水孔を形成する構成としたが、汚染地下水の流量により、ライナープレートの継手部の間隙を利用して汚染地下水を透過させる構成としてもよく、汚染地下水の透過部の構成は限定されるものではない。
また、地山の状況に応じて適宜杭体内部に支保工等を設置する場合があることはいうまでもない。
また、前記の実施の形態では、透過性浄化剤として、鉄粉と活性炭と砕石との混合物を使用するものとしたが、例えば鉄粉又は活性炭のいずれか一方と砕石との混合物でもよく、所定の透過性を有し、汚染地下水が含有する汚染物質に対応する構成であれば、透過性浄化剤の構成は限定されるものではない。また、鉄粉と活性炭とに限定されるものではなく、汚染物質に応じてその他の浄化機能を有した材料を使用してもよいことはいうまでもない。
また、透過性浄化剤の所定の透過性を維持することが可能であれば、砕石に限定されるものではなく、例えば、珪砂等を使用してもよい。
また、覆土材として、杭体の掘削に伴い発生した良質の発生土を使用するものとしたが、これに限定されるものではなく、必要以上の地表水が浸透することを防止することが可能であれば、その材料は限定されるものではない。
透過性地下水浄化壁の全体の概要を示す斜視図である。 図1の透過性地下水浄化壁の側方断面図である。 図1の透過性地下水浄化壁の一部を拡大して示した図であり(a)は平断面図、(b)は正面断面図である。 本発明による透過性地下水浄化壁の構築方法に関する各段階を示す断面図であり、(a)は掘削状況、(b)はライナープレート設置状況、(c)はランナープレート組み立て完成状況、(d)はコンクリート打設状況、(e)は透過性浄化剤充填状況、(f)は覆土充填状況を示している。 隣接する浄化杭同士の接合部の詳細を示す図であり、(a)は分解斜視図、(b)は拡大平面図、(c)は拡大断面図である。
符号の説明
1 透過性地下水浄化壁
2 汚染地下水
3 浄化地下水
10 杭体(中空領域)
10a 浄化杭
10b 遮水杭
11 ライナープレート(土留部材)
12 透水孔
20 コンクリート(充填材)
21 透過性浄化剤(充填材)
22 発生土(充填材)

Claims (4)

  1. 汚染地下水の下流側流域の地中に該汚染地下水の流向方向に対して交差するように配設される透過性の中空領域と、
    前記中空領域の内部に充填される充填材と、から構成されており、
    少なくとも前記充填材の一部が浸透してきた前記汚染地下水を浄化する透過性の浄化剤からなる透過性地下水浄化壁であって、
    前記中空領域の底版及び流向方向に対して左右の側部にコンクリートが打設されており、
    前記中空領域は、流向方向前後面に複数の透水孔を有し、少なくとも上下方向で分割された組立式の土留部材から構成されていることを特徴とする、透過性地下水浄化壁。
  2. 汚染地下水の下流側流域の地中に該汚染地下水の流向方向に対して交差するように複数列状に配置された中空の杭体である透過性の中空領域と、
    前記中空領域の内部に充填される充填材と、を備える透過性地下水浄化壁であって、
    少なくとも前記充填材の一部が浸透してきた前記汚染地下水を浄化する透過性の浄化剤からななり、
    前記中空の杭体の底版及び流向方向に対して左右の側部にコンクリートが打設されており、
    前記中空の杭体は、流向方向前後面に複数の透水孔を有し、少なくとも上下方向で分割された組立式の土留部材から構成されていることを特徴とする、透過性地下水浄化壁。
  3. 前記組立式の土留部材が、ライナープレートであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の透過性地下水浄化壁。
  4. 前記透過性地下水浄化壁が、その一部に遮水性杭体を有していることを特徴とする、請求項2に記載の透過性地下水浄化壁。
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