JP4226411B2 - 液封防振装置 - Google Patents

液封防振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4226411B2
JP4226411B2 JP2003290661A JP2003290661A JP4226411B2 JP 4226411 B2 JP4226411 B2 JP 4226411B2 JP 2003290661 A JP2003290661 A JP 2003290661A JP 2003290661 A JP2003290661 A JP 2003290661A JP 4226411 B2 JP4226411 B2 JP 4226411B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid chamber
elastic partition
partition member
elastic
main
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003290661A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005061482A (ja
Inventor
徹 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamashita Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yamashita Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamashita Rubber Co Ltd filed Critical Yamashita Rubber Co Ltd
Priority to JP2003290661A priority Critical patent/JP4226411B2/ja
Publication of JP2005061482A publication Critical patent/JP2005061482A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4226411B2 publication Critical patent/JP4226411B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Description

発明の属する技術分野
この発明は、自動車のエンジンマウント等に使用する液封防振装置に関する。
液封エンジンマウントにおいて、主液室と副液室を弾性仕切り膜(弾性仕切部材)で区画して、主液室の内圧変動を吸収する技術は種々公知である。
特許第2799953号公報 特開2003−139189号公報
図11は、従来の液封エンジンマウントの概略構造を原理的に示し、公知のゴム等からなる防振用の弾性体であるインシュレータ1とダイアフラム2により液室を形成し、この液室を仕切部材3で主液室5と副液室6に区分し、これらを仕切部材3に設けたオリフィス通路4で連通し、仕切部材3の中央部に弾性仕切り膜7を設けてある。符号9aはエンジン側へ取付けるための第1の取付金具、9bは車体側へ取付けるための第2の取付金具である。
このような液封エンジンマウントに要求される理想的な特性は、車両のアイドル振動域である低振幅時に主液室5の内圧を0に近くして低動バネとし、車両の乗り心地に影響する振動域である高振幅時には主液室5の内圧が最大になることで高減衰化することである。これを弾性仕切り膜7で実現するには、主液室5の内圧が低圧時で弾性仕切り膜7のバネ定数が限りなく0に近く、高圧時で無限大になるよう非線形変化することが必要となる。
上記特性を実現するため弾性仕切り膜7には非線形特性を付与してある。弾性仕切り膜7部分を拡大した図12に示すように、円形の弾性仕切り膜7の副液室6側に中央部から外周方向へ突出する押し当て脚8を一体に形成し、仕切部材3の一部に設けた脚押し当て壁3aへ押し当てたものである。符号3cは膜支持部であり、弾性仕切り膜7と共に仕切部材3を構成する剛体部である。
図12は振動が入力しない初期状態、図13は振動が入力した内圧上昇時を示す。図13に示すように、主液室5の内圧が高まると弾性仕切り膜7が副液室6側へ突出するように変形して内圧を吸収するとともに、その変位量の増大に伴って押し当て脚8の先端が脚押し当て壁3aへ強く押し当てられるため、その反力により弾性仕切り膜7のバネ定数を非線形的に変化させる。これを図14に実線で示す。
また、このような非線形的変化を実現するものとして、液体流動用の開口を備えるとともに間隔をもって対向配置された一対の変位規制板間に可動板を移動可能に収容し、低振幅時では可動板を変位規制板に密着させない範囲で振動させることにより、変位規制板を通して液体移動を実現し、高振幅時には可動板を変位規制板へ密接して液体移動を止めるものもある。
上記の図11に示す弾性仕切り膜7の構造において、押し当て脚8は斜めに突出しているため、弾性仕切り膜7の中央部における変形の割合が圧倒的に大きく、押し当て脚8による規制は相対的に小さくなるから、図14に示す理想的な非線形特性(仮想線)を実現させることは困難であった。そこでこのような形式において、非線形特性をより顕著にすることが望まれる。さらに、上記従来例のように、弾性仕切り膜を支持斜面により支持する形式でも、非線形特性を改善できるが、弾性仕切り膜の弾性変形規制後さらに非線形特性を期待することができないから、弾性変形規制後も引き続き非線形特性を実現し、広範囲の内圧変動に対して非線形にすることが望まれる。
また、上記可動板形式のものは変位規制板との接離時騒音を低減することが要求されていた。
そこで本願発明はこのような要請の実現を目的とする。
上記課題を解決するため本願発明は、防振用の弾性体であるインシュレータを壁の一部とする液室を設け、その内部を弾性仕切部材にて主液室と副液室に区画し、主液室と副液室をオリフィス通路で連結した液封防振装置において、
前記弾性仕切部材の中央部に自律的バネ調整手段を設け、前記弾性仕切部材の弾性変形量が増大するに伴って弾性仕切部材のみで自律的に弾性変形に抵抗してバネを非線形的に増大させるとともに、前記自律的バネ調整手段は、前記弾性仕切部材から主液室もしくは副液室又はこれら双方の液室内へ突出し、前記弾性仕切部材の径方向断面にて中央部に設けられた調整間隙を挟んで対向する調整突部を備え、さらに、この調節間隙内中央に剛性部材を設けたことを特徴とする。
この自律的バネ調整手段は、前記弾性仕切部材から主液室もしくは副液室又はこれら双方の液室内へ突出し、前記弾性仕切部材の径方向断面にて中央部に設けられた調整間隙を挟んで対向する調整突部を備えるようにすることができる。
また、前記自律的バネ調整手段は、前記弾性仕切部材の主液室側と副液室の双方に設けられるとともに、双方の自律的バネ調整手段はそれぞれ同一又は異なる構造のいずれににもすることができる。
なお、自律的バネ調整とは、弾性部材のバネ調整を弾性部材のみによって行うことであり、外部の例えば、ストッパ部材等が不要であることを意味する。
弾性仕切部材の中央部に自律的バネ調整手段を設けたので、弾性仕切部材の弾性変形量が増大すると、自律的バネ調整手段が弾性仕切部材の弾性変形に対して自律的に抵抗し、その結果、バネを非線形的に増大させる。したがって、バネ調整に弾性仕切部材以外の外部部材を必要としないので、構造が簡単化するととももに、弾性部材における内部構造でバネ調整するから、調整が直接的に行われ、より顕著な非線形特性を実現できる。
このとき、自律的バネ調整手段を、弾性仕切部材の主液室もしくは副液室又はこれら双方へ突出するように設けることができる。弾性仕切部材が弾性変形するにしたがって、自律的バネ調整手段の調整間隙を挟んで対向する調整突部が次第に接近し、ついに当接すると互いに突っ張り合うため、弾性変形の抵抗となり、これによって弾性仕切部材のバネが急激に増大し、非線形的に変化する。
また、自律的バネ調整手段を主液室側と副液室の双方に設けたとき、双方の自律的バネ調整手段を同一又は異なる構造にすることができる。同一構造にすれば弾性仕切部材が副液室へ変形する場合(この変形を生じる内圧を正圧という)と、逆の場合(このときの内圧を負圧という)のいずれでも、同様の特性を実現できる。また異ならせば、正圧時と負圧時における弾性仕切部材の挙動態様の実状に適したバネ調整が可能になる。
また、調節間隙内に剛性部材を設けると、バネ変化を調節自在にすることができるとともに、非線形特性をより顕著にさせることができる。さらに、弾性仕切部材の副液室側に斜め外側方へ突出して弾性仕切部材の支持部へ押し当てられる押し当て脚部を設ければさらに非線形特性を改善できる。
そのうえ、弾性仕切部材の外周部分に設けた主変形部を、主液室の内圧が所定より大きくなると弾性仕切部材の支持部材に押し当てられて弾性変形を規制されるようにしたので、これによっても非線形特性を改善できる。
また、弾性仕切り膜に設けた主変形部に初期たるみを与えると、初期たるみが解消されるまでバネを発生しない。したがって初期段階のバネをゼロにできるから、さらなる小振幅時の低バネを実現し、かつ非線形特性を向上させることができる。
最良の実施形態
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
図1〜図4は第1実施例に係り、図1は実施例の適用された液封エンジンマウントの要部断面図、図2は弾性仕切部材の外周部をさらに拡大した図、図3は作用図、図4は効果を示すバネ特性グラフである。なお、本例の全体構造は図6と同様であり、前記従来例と共通部が多いため、前記の従来例と共通する部分については共通符号を用いる。
図1において、弾性仕切り膜7は中央厚肉部10を有するとともに、その中央部で主液室5側の面に自律的バネ調整手段15をなす主液室側調節突部13を一体又は別体に設けてある。弾性仕切り膜7の外周部分のうち主変形部12の外周側部分は押さえ部材20の一部で略逆J字状断面をなす押さえ部21の先端部と、脚押し当て壁3aの上端部に形成された略三角形断面の支持頭部22の間で挟持固定されるか、もしくは両部材間で若干クリアランスを有する非固定状態に保持される。
弾性仕切り膜7の主変形部12よりもさらに外周部は厚肉の固定端部25をなし、押さえ部21の略逆J字状断面部内と仕切部材3の一部で支持頭部22近傍に形成された段部3dの間に収容されて圧縮固定されている。図中における仮想線は、圧縮前における固定端部25の上下先端部26であり、この状態から上下方向より圧縮されて図示の実線状態になっている。
押さえ部材20は仕切部材3の上部側を構成する部材であるが、厚肉をなし、内部にオリフィス通路4を形成している。図中の符号4aはオリフィス通路4の入り口、4bは同出口である。
図2において、弾性仕切り膜7の中央部で主液室5側の面に主液室側調節突部13を一体又は別体に設けてある。主液室側調節突部13は上方へ向かって中心へ収束する断面略山形をなし、中央部が調節間隙14をなす。この調節間隙14を挟んで、図示状態である弾性仕切り膜7の径方向断面内にて、主液室側調節突部13の先端13a,13aが一対をなして対向する。主液室側調節突部13はリング状に周方向へ連続して形成しても、数個に分割してもよい。主液室側調節突部13と調節間隙14により自律的調整手段15が構成されている。
弾性仕切り膜7の下面と一体に設けられている押し当て脚8は主液室側調節突部13の基部より外周側に設けられる。押し当て脚8の先端8aは、初期状態で脚押し当て壁3aへ押し当てられず、寸法sなるクリアランスが設けられている。このクリアランスは中央厚肉部10が弾性変形するとともに解消され、押し当て脚8の先端8aが脚押し当て壁3aへ押し当てられるようになっている。但し、押し当て脚8は必ずしも必要ない。
支持頭部22の上面は、中心線Cへ向かって斜め下がりの斜面23をなし、この斜面23と主変形部12との間に初期状態で略三角形断面の空間24を形成している。この空間24は小振幅の振動では解消されずに存在するが、ある程度の大振幅振動によって主変形部12の変形量が大きくなり、かつ中央厚肉部10が下方へ変位したりさらには弾性変形すると、主変形部12が斜面23へ押し当てられることにより解消される。
図2に示す弾性仕切り膜7の初期状態では、主変形部12と斜面23の間に空間24が形成され、かつ押し当て脚8の先端8aと脚押し当て壁3aの間にクリアランスが形成されている。また、小振幅時には、主変形部12が弾性変形により斜面23へ近接するが空間24はまだ残っている。押し当て脚8の先端8aと脚押し当て壁3aの間におけるクリアランスはあまり変化がない。したがって、この段階における弾性仕切り膜7のバネは、ほぼ主変形部12のものであって、比較的弱い状態である。
図3に示す大振幅時には、主液室5の内圧により、主変形部12が空間24を解消して斜面23へ押し当てられる。また中央厚肉部10が弾性変形を開始し、主液室側調節突部13は先端側が中心に向かって収束するよう変化し、やがて向かい合う先端13a,13aが相互に当接する。この時点から弾性仕切り膜7のバネ定数を非線形に変化させる。
しかも、主液室側調節突部13は、弾性仕切り膜7の変形によって次第に収束するよう変化するから、調節間隙14を解消したときから後において、弾性仕切り膜7の変形を防止するように突っ張る力がより大きく、かつ確実になる。また、押し当て脚8の先端8aが脚押し当て壁3aに押し当てられて圧縮され、これによっても弾性仕切り膜7のバネ定数を非線形的に変化させることに貢献する。
そのうえ、主変形部12と支持頭部22の間に空間24を形成し、小振幅時にはこの空間24を維持して主変形部12の弾性変形を許容し、大振幅時には主変形部12を斜面23上へ支持して弾性変形を規制するため、それ以後はバネの大きな中央厚肉部10の弾性変形に切り替わるから、これによっても弾性仕切り膜7のバネ定数を非線形的に変化させることに貢献する。
さらに、初期状態で押し当て脚8の先端8aを脚押し当て壁3aへ押し当てずにクリアランスを形成したので、この点でも非線形特性を改善できる。したがって、これら各部の非線形化構造による効果が奏合して弾性仕切り膜7のバネが急激に増大し、顕著な非線形特性を生じる。しかも、弾性部材である押し当て脚8を、その押し当て方向と略直交する方向の面である脚押し当て壁3aで受け止めるので、当初にクリアランスを設けておいても打音を少なくして、騒音を低減できる。
図4は、この特性を有するバネ曲線を示し、A点において、主液室側調節突部13の先端13a,13a相互の当接による突っ張り力と押し当て脚8の圧縮及び主変形部12の斜面23による支持並びに押し当て脚8の当初クリアランスとが相まってバネ定数が非線形的に大きく変化する。なお、押し当て脚8を省略しても破線で示すように比較的良好な非線形特性を発揮できる。仮想線は従来例である。
このように、主液室5へ突出する主液室側調節突部13を設けると、弾性仕切り膜7が主液室5の内圧により、副液室6側へ凸に変形するに従い調節間隙14が狭くなり、やがて調節間隙14を挟んで対向する先端13a,13aが相互に当接して弾性仕切り膜7の変形を防ぐようになるので、急激に弾性仕切り膜7のバネ定数が大きくなる。
しかも、内圧上昇に応じて主液室側調節突部13は調節間隙14をなくす方向へ変化するので、弾性仕切り膜7の変形に伴う力が主液室側調節突部13の先端側へ集中する方向に働くため、効率よく反力を形成でき、弾性仕切り膜7の弾性変形を効率的に規制できる。
図5は上記実施例の別案であって、自律的バネ調整手段15の調整間隙14内に剛性部材として調整ブロック17を設けた例である。この例における調整ブロック17は、対向する先端13a,13aの間に位置して各先端13a,13aが当接するようにした比較的剛性のある部分である。基本的には、先端13a,13aとの間隙を狭くするとともに、これらが当接したとき剛体として受け止めるようにするための剛性を有するブロック状部材である。この調整ブロック17は弾性仕切り膜7と一体又は別体に形成される。別体とするときは軽合金などの金属等を用いて作成し、弾性仕切り膜7へインサート成形で一体するか接着やリベット等の機械的手段で結合一体化することができる。
また、必要により、調整ブロック17を弾性仕切り膜7と一体又は別体の比較的剛性を有する弾性部材として形成したときは、その一部にスリット16を設け、剛性を調整することもできる。このとき仮想線で示すように、スリット16内に金属等からなる別製の剛体16aを入れてより大きな剛性がえられるように調整をしてもよい。さらには調節間隙14内へ剛体を設けることも任意にできる。
図6は主変形部12に初期たるみを与えた構造について説明する固定端部25の拡大断面図である。固定端部25を圧縮して固定することにより主変形部12に初期たるみを与える。固定端部25は固定前の非圧縮状態では、仮想線で示すように、上部26が環状溝28の上端部よりも長く上方へ突出し、下部27は環状溝凹部29の下端部よりも長く下方へ突出する。したがって、固定部25は押さえ部材20と仕切部材3との間に固定されると、仮想線で示す圧縮前の状態から上下方向より圧縮されて図示の実線状態になっている。なお、本実施例では下部27よりも上部26側の圧縮量が大きくなっている。
この固定部25に対する圧縮によって、主として弾性仕切り膜7の主変形部12をたるませて初期たるみを形成させることになる。すなわち、初期状態よりも実際の主変形部12は、副液室6側へ若干傾斜するように膨出してたわむ。任意位置におけるこの変化量Dを初期たわみ量とする。なお、初期たわみによって主変形部12が膨出する方向、すなわちたわみ方向は副液室6又は主液室5側のいずれでもよく、たわみ量及びたわみ方向は初期設定によって任意にできる。したがって、たるみの程度は目的とする非線形特性に応じて自由に設定できる。
弾性仕切り膜7は、初期たるみが解消されるまでバネを発生しない。したがって初期段階のバネをゼロにできるから、さらなる小振幅時の低バネを実現し、かつ非線形特性を向上させることができる。なお、主変形部12のたるみ量は、主液室5の内圧上昇に対して弾性仕切り膜7のバネ定数がゼロ(0)の範囲を決定する。したがって、たるみ量の調節によって弾性仕切り膜7のバネ定数を非線形的に立ち上げるポイントを任意に調節可能になる。また、この初期たるみ構造は以下に述べる他の各実施例に適用できる。
また、この圧縮程度を調節する締め代調節によって初期たるみの調節が可能になる。特に、上部26と下部27をそれぞれ弾性仕切り膜7の中央に向けて傾斜させることにより、略矢形に屈曲させれば、圧縮時のたるみを大きくすることができる。また、固定部25の外周側全体が押さえ部材20の内面へ密着して径方向外方への膨出を規制され、内周側が押さえ部材先端部21と支持頭部22の間を開放されるため、外周部分へ膨出傾向になる。
図7は第3実施例を示す。この例では、押し当て脚8を除いた点が第1実施例(図1)と相違している。このようにしても、主液室5側に設けた自律的バネ調整手段15のみによって充分な非線形特性を実現できる。
図8は第4実施例を示す。この例では、主液室5側の自律的バネ調整手段15に加えて、副液室6側にも自律的バネ調整手段15を設けてある。すなわち、弾性仕切り膜7の主液室5側に主液室側調節突部13と調節間隙14からなる自律的バネ調整手段15を設けるとともに、弾性仕切り膜7の副液室6側にも副液室側調節突部33と調節間隙34からなる自律的バネ調整手段15を設けてある。副液室側調節突部33と調節間隙34は主液室側調節突部13及び調節間隙14と同形で対称に形成されている。
このようにすると、弾性仕切り膜7の正圧又は負圧による弾性変形において、いずれの場合も同様のバネ調整が可能になる。
図9は第5実施例を示す。この例では、上記図7の第4実施例に対して、副液室側調節突部33を若干小さくし、かつ調節間隙34の間隙も狭くして、主液室5側と副液室6側の自律的バネ調整手段15、15を異形構造にした点が相違する。
これは、弾性仕切り膜7の負圧時における弾性変形量が正圧時よりも小さいことに着目し、負圧時におけるバネ調整を正圧時よりもより急激にさせたものである。但し、負圧時の最大弾性変形量は正圧時よりも小さいため、副液室側自律的バネ調整手段15における副液室側調節突部33のボリュームは小さめにして、必要以上のバネを形成することのないようにしてある。
このようにすると、正圧時と負圧時における弾性仕切り膜7の挙動態様の実際に即したバネ調整が可能となる。但し、必要により副液室側調節突部33と調節間隙34を主液室側調節突部13及び調節間隙14より大きくすることもできる。
図10は主変形部12の正圧及び負圧時における双方の変形に対して非線形特性を発揮できるようにした第6実施例を示す図6と同様部位の断面図である。この図において、支持頭部は、副液室6側の第1の支持頭部22と、主液室5側の第2の支持頭部40を備える。これらは弾性仕切り膜7を挟んでその中心軸線と平行な方向にて対面している。初期状態にて、第1の支持頭部22の斜面23と第2の支持頭部40の斜面41は、弾性仕切り膜7の主変形部12との間でそれぞれ主変形部12に対して初期クリアランス24,43を形成している。したがって主変形部12が斜面23,42と接触する前と接触後ではバネが大きく変化するから、これによっても非線形特性の改善に寄与する。
しかも、主変形部12は正圧時の変形では斜面23と接触し、負圧時の変形では斜面41と接触するから、正圧・負圧双方の変形に対して非線形特性を発揮できる。なお、本例において主変形部12は食状態で斜面23と斜面41の間に空間24と空間42が形成されるから、非固定状態で前実施例同様の初期たるみを与えられている。また、斜面23と斜面41の傾斜角は同様もしくは相違のいずれでもよく、相違させる場合は、負圧側の変形の方が小さい実状に鑑み、負圧用である斜面41側の傾斜角を小さくすることが好ましい。なお、本例の構造は前記各実施例に適用できる。
実施例の要部を示す拡大断面図 弾性仕切部材の外周部をさらに拡大した図 作用図 効果を示すバネ特性グラフ 実施例の別案を示す図 初期たるみを説明する拡大断面図 第3実施例を示す図 第4実施例を示す図 第5実施例を示す図 第6実施例を示す図6と同様部位の断面図 従来の液封エンジンマウントの概略構造を原理的に示す図 従来例における要部の拡大断面図 従来例の作用図 従来例の特性図
符号の説明
1:インシュレータ、2:ダイアフラム、3:仕切部材、4:オリフィス通路、5:主液室、6:副液室、7:弾性膜、8:押し当て脚、10:中央厚肉部、12:主変形部、13:主液室側調節突部、14:調節間隙、15:自律的調整手段15、16:厚肉部 、 17:調整ブロック

Claims (5)

  1. 防振用の弾性体であるインシュレータを壁の一部とする液室を設け、その内部を弾性仕切部材にて主液室と副液室に区画し、主液室と副液室をオリフィス通路で連結した液封防振装置において、
    前記弾性仕切部材の中央部に自律的バネ調整手段を設け、前記弾性仕切部材の弾性変形量が増大するに伴って弾性仕切部材のみで自律的に弾性変形に抵抗してバネを非線形的に増
    大させるとともに、
    前記自律的バネ調整手段は、前記弾性仕切部材から主液室もしくは副液室又はこれら双方の液室内へ突出し、前記弾性仕切部材の径方向断面にて中央部に設けられた調整間隙を挟んで対向する調整突部を備え、
    さらに、この調節間隙内中央に剛性部材を設けたことを特徴とする液封防振装置。
  2. 前記自律的バネ調整手段は、前記弾性仕切部材の主液室側と副液室の双方に設けられるとともに、双方の自律的バネ調整手段が同一又は異なる構造をなすことを特徴とする請求項の液封防振装置。
  3. 前記弾性仕切部材の前記副液室側に斜め外側方へ突出して前記弾性仕切部材の支持部へ押し当てられる押し当て脚部を設けたことを特徴とする請求項1の液封防振装置。
  4. 前記弾性仕切部材の固定された外周部近傍部分を中央部よりも薄肉の主変形部とし、前記弾性仕切部材の支持部材に対して主液室の内圧が所定以下のときクリアランスを有し、それより内圧が大きくなると前記支持部材に押し当てられて弾性変形を規制されることを特徴とする請求項1の液封防振装置。
  5. 前記弾性仕切部材の固定された外周部近傍部分を中央部よりも薄肉の主変形部とし、この主変形部に初期状態にて初期たるみを与えたことを特徴とする請求項1の液封防振装置。
JP2003290661A 2003-08-08 2003-08-08 液封防振装置 Expired - Fee Related JP4226411B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003290661A JP4226411B2 (ja) 2003-08-08 2003-08-08 液封防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003290661A JP4226411B2 (ja) 2003-08-08 2003-08-08 液封防振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005061482A JP2005061482A (ja) 2005-03-10
JP4226411B2 true JP4226411B2 (ja) 2009-02-18

Family

ID=34368626

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003290661A Expired - Fee Related JP4226411B2 (ja) 2003-08-08 2003-08-08 液封防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4226411B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5050283B2 (ja) * 2007-11-29 2012-10-17 東洋ゴム工業株式会社 液封入式防振装置
US9243679B2 (en) 2010-09-22 2016-01-26 Bridgestone Corporation Anti-vibration device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005061482A (ja) 2005-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2799953B2 (ja) 液封防振装置
JP4275791B2 (ja) 液封マウント
JP2005273906A (ja) 液体封入式防振装置
WO2013146874A1 (ja) 倒立型液封マウント
US7159856B2 (en) Fluid sealed antivibration device
JP4226411B2 (ja) 液封防振装置
US20210033167A1 (en) Fluid-filled vibration damping device
JP4167556B2 (ja) 液封防振装置
JP7269146B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP4256246B2 (ja) 液封防振装置
JP4188751B2 (ja) 液封入式防振装置
JP2005036850A (ja) 液封防振装置
JP5497533B2 (ja) 液封防振装置
JP2006144983A (ja) 防振支持装置
JP3088686B2 (ja) 液体封入型防振装置
WO2005100814A1 (ja) 液封入式防振装置、並びに、その液封入式防振装置に使用される弾性仕切り膜および挟持部材
JPH10339348A (ja) 液封マウント
JP2002310221A (ja) 液封防振装置
JP7301713B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2002310223A (ja) 液封防振装置用弾性膜構造
JP3813619B2 (ja) 液封防振装置
JP3934294B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP5108349B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2002206587A (ja) 液封入式防振装置
JP2567543B2 (ja) 液体封入式防振マウント

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080729

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081126

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees