JP4225723B2 - 内燃機関の燃料蒸気吸着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料蒸気を吸着するために内燃機関の吸気通路に設置される燃料蒸気吸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両停止時に車両から放出される燃料蒸気(以下HCという)に関する規制の強化により、エンジン内の残留燃料やインジェクタから洩れた燃料が気化することによって発生したHCが、車両停止時に拡散して吸入口から外部へ洩れ出てくることが問題となっている。そこで、吸気ダクトやエアクリーナ等の吸気通路の断面の一部や全面に活性炭を内包したフィルタのようなHC吸着材を設置して、HCを吸着することにより、吸入口からHCが外部へ洩れ出るのを抑制、防止する装置が考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の装置では、車両の運転時に吸入する空気により吸着材をパージすることによって、車両停止時に吸着したHCを脱離して吸着性能を回復させ、次の車両停止時のHC吸着を可能とする構成になっている。しかし、吸着材に吸入空気が均一に接触しなかったり、運転状態により吸入空気量が少ない場合には、吸着材に吸着されたHCが十分にパージされないので、吸着能力不足の状態で次の車両停止を迎えることになり、吸入口からHCが洩れ出すという可能性がある。本発明は従来技術におけるこの問題を解決することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明者等は、活性炭に吸着されたHCの脱離は高温の条件下で促進されるという点に着目した。活性炭からのHCの脱離時においては、液化して吸着されていたHCが気化して脱離するために、HCが気化しやすい高温の条件において脱離性能が高くなる。そこで、車両の運転時(脱離時)に吸入空気又はHC吸着材を加熱する(燃料の代表沸点以上に加熱するのが望ましい)ことにより、脱離性能を向上させる。それによって、少ない空気量でもHCを吸着材から効率よく脱離させることができる。
【0005】
請求項1ないし3の発明においては、HCの脱離を促進するために、吸着材を加熱手段によって直接的に加熱するものにおいて、内燃機関の低回転又は低負荷時に加熱手段を作動させるようにする。また、請求項4ないし7の発明においては、加熱手段によって加熱された吸入空気により吸着材を間接的に加熱するものにおいて、内燃機関の低回転又は低負荷時に加熱手段を作動させるようにする。なお、エアクリーナに吸着材を設けて、それを再生させる時に加熱するようにした装置としては実開昭62−184162号公報に記載されたものがある。しかし、この装置はアイシング防止のために考案された構成であるため、吸着材によって吸着するものは空気中に含まれている水分である。従って、この装置において提案されている吸着材の加熱及び加熱停止の制御は、本発明の目的とするHC脱離の促進には適していない。また、吸着材を常時加熱することは燃費の悪化につながるため、必要以上に吸着材を加熱を行うことは避けた方が良い。このため、本発明においては、HCが効率良く吸着材から脱離するのを促進するような加熱及び加熱停止の制御を提供するものである。
【0006】
吸着材からのHCの脱離量は吸着材を通過する吸入空気量に依存する。請求項1ないし7の発明においては、内燃機関の低回転又は低負荷時に吸着材の加熱手段を作動させる構成となっているため、脱離しにくい運転状態で加熱し、脱離しやすい運転状態では加熱を停止することにより、電力消費等を抑えて効率良く脱離を促進することができる。
【0007】
即ち、内燃機関が低回転又は低負荷の場合は、吸入空気量が少なくてHCが脱離しにくいため、加熱手段を駆動して吸入空気又は吸着材を加熱する。これに対して、内燃機関が高回転又は高負荷の場合は、吸入空気量が多くてHCが脱離しやすいため加熱手段を停止する。その結果、必要以上に吸着材を加熱することがなく、効率的に脱離を促進することができる。更に、この制御は、低負荷時に高温の空気を吸入することにより、内燃機関の噴射燃料の微粒化を促進して排気エミッションの向上に貢献する。また、高負荷時に低温の吸気を吸入することにより、充填効率の向上による出力向上を図ることができるし、吸入空気温度の低下により自発火が抑えられるので、ノック防止にも貢献する。
【0008】
【発明の実施の形態】
吸着材を加熱してHCを脱離させるための吸入空気を燃焼式ヒータによって温めたり、ホットエアを吸入させたり、高温となったエンジンの冷却水によって吸着材を直接に加熱したり、電気的なヒータによって吸着材を加熱するというように、吸着材の加熱手段にはいろいろなものがある。これらを図に示すと共に、本発明の実施例に関連して順次説明する。但し、吸着材の加熱手段がこれらのものに限られる訳ではなく、その他のヒータも利用可能である。
【0009】
まず、第1の実施例を図1によって説明する。エンジン1の吸気管2にエアクリーナ21が設置され、その内部に吸入空気を濾過するエアフィルタ22と、HCを吸着する吸着シート3が設置されている。吸着シート3はごみによる目詰まり等を防ぐため、エアフィルタ22のクリーン側(エンジン1の本体側)に設置されている。吸着シート3は吸着材(活性炭)31を2枚のメッシュ32によって挟みこむ構造になっている。メッシュ32の目の粗さは活性炭31がこぼれ落ちず、かつ圧損の許容値を満たすように設定されている。エアクリーナ21の上流側には、吸入空気を加熱することによって吸着材31を加熱するための具体的な加熱手段の一例としての燃焼式ヒータ41が設置されている。燃焼式ヒータ41は、火炎がエアフィルタ22に到達しない位置に設けられている。燃焼式ヒータ41の駆動はECU7により制御される。
【0010】
第1の実施例の作動について説明する。エンジン1の運転時に吸気口から吸入された空気はエアフィルタ22と吸着シート3を通り抜ける。この際に、活性炭からなる吸着材31に吸着されていたHCの一部が空気によってパージされる。燃焼式ヒータ41を駆動すると、燃焼式ヒータ41により吸入空気が加熱されるため、吸着シート3を通り抜ける空気が高温になるから、吸着材31に吸着されているHCが気化しやすくなる。それによってHCの脱離が促進され、従来技術よりも少ない空気量で効率良くHCをパージすることができる。ここで、吸入空気の温度が燃料の代表沸点(例えば60℃)以上になるように燃焼式ヒータ41の加熱温度を設定すると更に効果的である。
【0011】
エンジンの運転状態が低回転又は低負荷の時は、そのままではHCが吸着材31から脱離しにくいため、第1実施例では燃焼式ヒータ41を駆動して吸入空気を温める。これによりHCの脱離が促進される。これと反対に、エンジンの運転状態が高回転又は高負荷の時は脱離しやすいため、燃焼式ヒータ41を停止させる。更に、この制御によれば、低負荷時に高温の空気を吸入することにより、エンジン1の噴射燃料の微粒化が促進されて排気エミッションが低減するし、高負荷時には低温の吸気を吸入することにより、充填効率が向上して出力が増加するとか、吸入空気温度の低下により自発火が抑えられて、ノックを防止することができるという付加価値を併せ持つため、この制御はエンジンの運転の面から見ても有利である。
【0012】
この制御を図2によって説明する。IG ONにより車両が運転を始めたと判断すると(ステップ201)、燃焼ヒータ41の制御を開始する。エンジン1の運転開始直後は低回転又は低負荷であるため、ステップ202においてヒータ41を駆動する。次のステップ203においてはエンジンが停止したかどうかを判断する。エンジンが停止した(yes)時はステップ210へ進み、燃焼ヒータ41を停止させて制御を終了する。エンジン1が停止していない(no)時はステップ204に進み、エンジン1の回転数センサや吸気絞り弁6の開度、その他、エンジン1の運転状態を示す信号や、エンジン1を制御している信号等から、現在のエンジン回転数N又は負荷Tを測定する。そして、次のステップ205において、現在のエンジン回転数Nや負荷Tが所定の値N0 ,T0 以上であるか否かを判断する。N≧N0 (又はT≧T0 )でない場合(no)は、エンジン1は低回転又は低負荷のままであると判断してステップ203へ戻る。
【0013】
N≧N0 (又はT≧T0 )である場合(yes)には、エンジン1は高回転又は高負荷になったと判断してステップ206に進み、燃焼式ヒータ41を停止させる。次にステップ207へ進んでエンジンが停止したかどうかを判断する。エンジン1が停止した(yes)時はステップ210へ進み、燃焼式ヒータ41を停止させて制御を終了する。エンジン1が停止していない(no)時はステップ208へ進み、エンジン1の回転数センサや吸気絞り弁6の開度、その他、エンジン1の運転状態を示す信号や、エンジン1を制御している信号等から現在のエンジン回転数N又は負荷Tを測定する。ステップ209においては、現在のエンジン回転数Nや負荷Tが所定の値N0 ,T0 以上であるか否かを判断する。N≧N0 (又はT≧T0 )である場合(yes)には、エンジン1は高回転又は高負荷のままであると判断してステップ207へ戻る。N≧N0 (又はT≧T0 )でない場合(no)には、エンジンは低回転又は低負荷になったと判断してステップ202に戻る。
【0014】
本発明の第2の実施例を図3によって説明する。第2実施例の特徴として、一端がエンジン1周辺に開口してエンジン1の周辺のホットエアを吸入するホットエア通路53を設置し、エアクリーナ21の上流側の吸気管2に接続している。また、通路53と吸気管2との接続部に切り替え弁51を設置している。切り替え弁51はモータ57に連結されており、モータ57の駆動はECU7によって制御される構造となっている。ここでは切り替え弁51よりも上流側の吸気管を便宜上クールエア通路55と呼ぶ。
【0015】
以下、第2の実施例の作動について説明する。前述の説明から明らかなように、エンジン1の運転状態が低回転又は低負荷の時にはホットエアを吸入する一方、エンジン1の運転状態が高回転又は高負荷の時はクールエアを吸入するのが望ましい。従って、第2の実施例においては、エンジン1が低回転又は低負荷の時には、切り替え弁51をホットエア通路53を開く方向に動かす。この結果、エンジン1の周辺のホットエアが吸入され、吸着シート3のパージが促進される。これに対して、高回転又は高負荷の時には、切り替え弁51をクールエア通路55を開く方向に動かす。この結果、クールエアがエンジン1に吸入されるが、吸入空気量が多いので、クールエアであっても十分に吸着シート3のパージが行われる。
【0016】
この制御を図4に示す。図4は、前述の第1実施例の制御を示す図2とほぼ同じであり、ヒータ駆動がステップ302のホットエア通路開に置き換わったこと、及びヒータ停止がクールエア通路開に置き換わっただけであるため、図4についての詳細な説明は省略する。なお、図3ではモータ57によって切り替え弁51を駆動しているが、図5に示す第2実施例の変形例のように吸気管負圧によって作動するアクチュエータを用いて切り替え弁51を駆動する構造にしても良い。この場合は、エンジン1の低回転又は低負荷運転の時にアクチュエータ52がホットエア通路53を開く。
【0017】
本発明の第3の実施例を図6によって説明する。この場合もエンジン1の吸気ダクト2にエアクリーナ21が設置され、その内部に吸入空気をろ過するエアフィルタ22と、HCを吸着する吸着シート3が設置されている。第3実施例の特徴である吸着シート3の構造を図7の(a)(b)に示す。吸着シート3は、HCを吸着する吸着材31(例えば活性炭)を2枚のメッシュ32で挟み込むと共に、メッシュ32を支持枠33を介してエアクリーナ21に取り付けることによって固定されている。メッシュ32は活性炭がこぼれ落ちず、かつ圧損の許容値を満たすように設定されている。支持枠33の内部は水通路34になっており、水通路34は両端のポート35,36を介して外部とつながっている。図6に示すように、一方のポート35は水通路81によりエンジン1の冷却水套に接続され、他方のポート36は水通路82によりラジエータ(図外)に接続されている。水通路81又は82の途中に水通路を遮断するバルブ83又は84が設置されており、バルブ83又は84の開閉はECU7によって制御される。なお、バルブ83及び84は、いずれか一方を設けただけでも十分である。
【0018】
第3の実施例の作動について説明する。前述のように、低回転又は低負荷の時には高温の空気を吸入し、高回転又は高負荷の時には低温の空気を吸入するのが望ましい。このため、第1の実施例と同様に現在のエンジン回転数N又は負荷Tを測定し、低回転又は低負荷であればバルブ83,84を開く。通常のエンジンの運転中においては、冷却水は燃料の代表沸点(例えば60℃)以上の高温になっているため、吸着シート3は冷却水の熱によって加熱される。更に、加熱された吸着シート3を通り抜ける時に吸入空気も加熱されるため、エンジン1は高温の空気を吸入することになる。エンジン1が高回転又は高負荷であれば、バルブ83又は84を閉じる。これにより、吸着シート3の加熱は停止され、エンジン1は低温の空気を吸入することになる。
【0019】
このような第3実施例の制御を図8に示す。図8は前述の第1実施例に関する図2とほぼ同じであって、ヒータ駆動がバルブ83又は84の開弁、ヒータ停止がバルブ83又は84の閉弁に置き換わっただけであるため、図8についての詳細な説明は省略する。なお、第3の実施例では支持枠33内だけに冷却水を流すように構成したが、図9に示す第1の変形例のように、メッシュ32の表面や、図10に示す第2の変形例のように、活性炭31の間にも水通路37を設けると、活性炭31や吸入空気を更に効率良く温度調節することができるので、性能を向上することができる。
【0020】
本発明の第4の実施例を図11によって説明する。エンジン1の吸気ダクト2にエアクリーナ21が設置され、その内部に吸入空気をろ過するエアフィルタ22と、HCを吸着する吸着シート3が設置されている。吸着シート3の具体的な構造を図12に示す。吸着シート3の支持枠33内には抵抗線からなる電気的なヒータ9が埋設されており、このヒータ9に通電して発熱させることにより活性炭31を加熱する。ヒータ9への通電はECU7により制御される。
【0021】
第4の実施例の作動について説明する。前述のように、エンジン1の低回転又は低負荷の時には高温の空気を吸入し、高回転又は高負荷の時には低温の空気を吸入するのが望ましい。このため、第1の実施例と同様に現在のエンジン回転数N又は負荷Tを測定し、低回転又は低負荷であればヒータ9に通電して吸着シート3を加熱する。更に、加熱された吸着シート3を通り抜ける時に吸入空気も加熱されるため、エンジン1は高温の空気を吸入することになる。エンジン1が高回転又は高負荷であればヒータ9への通電を停止する。これにより、吸着シート3の加熱は停止され、エンジン1は低温の空気を吸入することになる。このヒータ9の制御は図2に示す第1実施例の場合と同じであるため、図示及び説明を省略する。
【0022】
第4の実施例においても、第3実施例についての変形例を示す図9や図10のように、メッシュ32の表面や活性炭31の間にヒータを設置すると、更に効率良く吸着シート3の温度調節をすることができるので、性能を向上させることができる。
【0023】
第4の実施例のように、ヒータを電力によって加熱する場合には、常時ヒータに通電して加熱していると燃費が低下する。そこで、吸着シート3からHCをパージするのに必要な時間だけヒータ9に通電して加熱し、吸着シート3のパージが完了したらヒータ9への通電を停止するような制御を追加するとよい。吸気管2に設置されているエアフローセンサ23の出力信号を利用して制御を行うフローチャートを図13に示す。吸着シート3からHCをパージするのに必要な吸入空気量V0 は、吸着シート3の吸着性能及び脱離性能とヒータ9の発熱量(又は、加熱された時の吸着シート3の温度)によって決まる。
【0024】
IG ONによりエンジン1が運転を始めた(yes)と判断された時(ステップ501)は、ヒータ9の通電制御を開始する。エンジン1の運転開始直後は低回転又は低負荷であるため、ステップ502においてヒータ9に通電する。次に、ステップ503においてエンジン1が停止したかどうかを判断する。エンジン1が停止した(yes)時は、ステップ513へ進み、ヒータ9への通電を停止して制御を終了する。エンジン1が停止していなかった(no)時はステップ504に進み、エアフローセンサ23の出力信号から吸入空気量Vを求める。また、ステップ505において、制御が開始されてからの積算吸入空気量V′を求める。次のステップ506では、積算吸入空気量V′が必要吸入空気量V0 に達したか否かを判断する。V′≧V0 の場合(yes)は、吸着シート3のパージは完了したとしてステップ513に進み、ヒータ9への通電を停止して制御を終了する。
【0025】
V′≧V0 でない場合(no)は、吸着シート3のパージは完了していないと判断してステップ507へ進む。ステップ507においては、エンジン1の回転数センサやエンジン1の運転状態を示す信号、或いはエンジン1を制御している信号等から現在のエンジン回転数N又は負荷Tを測定する。そして、ステップ508において現在のエンジン回転数Nや負荷Tが所定の値N0 ,T0 以上であるか否かを判断する。N≧N0 (又はT≧T0 )でない場合(no)は、エンジン1が低回転又は低負荷のままであると判断してステップ503へ戻る。N≧N0 (又はT≧T0 )である場合(yes)には、エンジン1は高回転又は高負荷になったものと判断してステップ509に進み、ヒータ9への通電を停止する。
【0026】
次に、ステップ510においてエンジン1が停止したかどうかを判断する。エンジン1が停止した(yes)時はステップ513へ進み、ヒータ9への通電を停止して制御を終了する。エンジン1が停止していなかった(no)時はステップ511へ進み、エンジン1の回転数センサやエンジン1の運転状態を示す信号、或いはエンジン1を制御している信号等から現在のエンジン回転数N又は負荷Tを測定する。そして、次のステップ512において、現在のエンジン回転数Nや負荷Tが所定の値N0 ,T0 以上であるか否かを判断する。N≧N0 (又はT≧T0 )である場合(yes)には、エンジン1は高回転又は高負荷のままであると判断してステップ510へ戻る。N≧N0 (又はT≧T0 )でない場合(no)には、エンジン1が低回転又は低負荷になったものと判断してステップ502へ戻る。この制御は第1〜第4の各実施例についても同様に適用することができる。
【0027】
図13に示す制御プログラムでは確実に吸着シート3からHCをパージするために、吸着シート3が加熱されるヒータ9への通電時の吸入空気量のみによって制御しているが、実際は吸着シート3が加熱されていない時にもHCはパージされる。この点を考慮した制御プログラムを図14に示す。ステップ601から610までの部分は図6におけるステップ501から510までの部分と同じであるが、ステップ611〜613の部分、特にステップ612に特徴がある。吸着シート3が加熱されている時と、加熱されていない時とでは脱離性能が異なる。つまり、同じ量のHCを脱離させるためには、加熱しない場合は加熱した場合よりも多くの吸入空気量が必要になる。従って、加熱の有無の影響を示す係数aをあらかじめ求めて、加熱しない場合の積算吸入空気量V′を求める時(ステップ612)に加味している。他の部分は図13と同じであるため、より詳細な説明は省略する。この制御プログラムを第1〜第4の各実施例について適用すると更に効果的である。
【0028】
なお、図示の各実施例においては活性炭のような吸着材31が、いずれもエアクリーナ21内の吸着シート3内に保持されているものを示しているが、本発明の燃料蒸気吸着装置においては、吸着材31をエアクリーナ21内以外の位置、例えば吸気管2内でもエアクリーナ21の下流側で、且つ通常の吸気絞り弁6の上流側となる位置に設けることができるし、ヒータ9や冷却水によって吸着材31を直接に加熱することができる場合には、吸着材31を吸気絞り弁6の下流側に設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の装置のシステム構成図である。
【図2】第1実施例の制御の手順を示すフローチャートである。
【図3】第2実施例の装置のシステム構成図である。
【図4】第2実施例の制御の手順を示すフローチャートである。
【図5】第2実施例の変形例装置のシステム構成図である。
【図6】第3実施例の装置のシステム構成図である。
【図7】第3実施例の要部を拡大して示すもので、(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【図8】第3実施例の制御の手順を示すフローチャートである。
【図9】第3実施例についての第1の変形例の要部を拡大して示すもので、(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【図10】第3実施例についての第1の変形例の要部を拡大して示すもので、(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【図11】第4実施例の装置のシステム構成図である。
【図12】第4実施例の要部を拡大して示すもので、(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【図13】第4実施例の制御の手順を示すフローチャートである。
【図14】第4実施例の制御の手順の変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)
2…吸気管(吸気通路)
3…吸着シート
6…吸気絞り弁
7…電子式制御装置(ECU)
9…電気的なヒータ
21…エアクリーナ
22…エアフィルタ
23…エアフローセンサ
31…吸着材(例.活性炭)
32…メッシュ
33…支持枠
41…燃焼式ヒータ
51…切り替え弁
53…ホットエア通路
81…水通路
83,84…バルブ
Claims (7)
- 燃料蒸気吸着材を内燃機関の吸気通路の断面の少なくとも一部に設けると共に、前記燃料蒸気吸着材を加熱することができる加熱手段を設けて、前記燃料蒸気吸着材から燃料蒸気を脱離させる場合に、前記加熱手段によって前記燃料蒸気吸着材を加熱するようにした内燃機関の燃料蒸気吸着装置において、
前記内燃機関の低回転又は低負荷時に、前記加熱手段を作動させるようにしたことを特徴とする内燃機関の燃料蒸気吸着装置。 - 請求項1において、前記加熱手段が、前記内燃機関によって加熱された冷却水を前記燃料蒸気吸着材の周辺部へ導入することができる手段を含んでいることを特徴とする内燃機関の燃料蒸気吸着装置。
- 請求項1において、前記加熱手段が、前記燃料蒸気吸着材の周辺部に取り付けられた電気的なヒータを含んでいることを特徴とする内燃機関の燃料蒸気吸着装置。
- 燃料蒸気吸着材を内燃機関の吸気通路の断面の少なくとも一部に設けると共に、吸入空気を加熱することができる加熱手段を前記燃料蒸気吸着材の上流側に設けて、前記燃料蒸気吸着材から燃料蒸気を脱離させる場合に、前記加熱手段によって吸入空気を加熱することにより前記燃料蒸気吸着材を間接的に加熱するようにした内燃機関の燃料蒸気吸着装置において、
前記内燃機関の低回転又は低負荷時に、前記加熱手段を作動させるようにしたことを特徴とする内燃機関の燃料蒸気吸着装置。 - 請求項4において、前記吸入空気の加熱手段が燃焼式ヒータを含んでいることを特徴とする内燃機関の燃料蒸気吸着装置。
- 請求項4において、前記吸入空気の加熱手段が前記内燃機関の周辺のホットエアを導入することができる手段を含んでいることを特徴とする内燃機関の燃料蒸気吸着装置。
- 請求項4において、前記吸入空気の加熱手段が電気的なヒータを含んでいることを特徴とする内燃機関の燃料蒸気吸着装置。
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