JP4225669B2 - 鋼製連壁部材継手部の固結体切削装置及び切削方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は連続するソイルセメントの地盤改良体中に鋼製連壁部材を挿入する鋼製地中連続壁の施工時に、鋼製連壁部材の未接続側の継手部における固結体を除去のために切削する固結体切削装置、及びそれを使用した固結体切削方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
特公平7-39652号のようなカッターポストとその外周に張架されるエンドレスチェーンからなる掘削攪拌装置を用いて構築される連続するソイルセメントの地盤改良体と、地盤改良体内に挿入されるH形断面等の鋼製連壁部材から構成される鋼製地中連続壁の施工は特開平9-3876号等のように地盤改良体の構築後、その地盤改良体中に固結前に先行して挿入されている鋼製連壁部材の未接続側の継手部に連結しながら、隣接する鋼製連壁部材を挿入することにより行われる。
【0003】
例えば日没や機械の故障その他の理由により地盤改良体の全構築区間の内の中途で1日の作業を終了させる、あるいは1日の内で一時的に作業を中断させる場合、施工は鋼製連壁部材を挿入した時点で終了することになるが、未接続側の継手部までを含めた鋼製連壁部材の全体が施工済みの地盤改良体中に位置する場合には、施工再開後の鋼製連壁部材の挿入時に挿入済みの鋼製連壁部材の未接続側の継手部周辺で固化しつつあるソイルセメントを粉砕、もしくは破砕しながら落とし込むことが必要になる。
【0004】
このため、施工再開後に挿入される鋼製連壁部材は先端と表面にソイルセメントから抵抗を受けながら落とし込まれることになるが、挿入深度が大きくなれば表面における抵抗が大きくなるため、次第に挿入速度が遅くなり、作業効率の低下が生ずる。
【0005】
特に未接続側の継手部から、ソイルセメントの未施工側の端面までに距離があれば、それに隣接する鋼製連壁部材の挿入時に粉砕すべき固結体の長さが大きくなるため、抵抗は一層大きくなり、ソイルセメントが完全に固結していれば、挿入することが不可能になる。
【0006】
この発明は上記背景より、先行して埋設されている鋼製連壁部材の継手部の回りで固化している固結体を切削する装置とそれを用いた方法を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では地盤改良体を構築するために使用される掘削攪拌装置のエンドレスチェーンに固定されるベースプレートに二枚一組の切削刃を接続し、前記二枚一組の切削刃は、ベースプレートから前記鋼製連壁部材側に張り出し、前記継手部を挟み込むように配置し、かつ、前記継手部に案内されながら降下する張り出し長さとし、この切削刃によって鋼製連壁部材の継手部の周辺で固化し始めている、もしくは固結している固結体を強制的に切削し、固結体に切れ目を入れることにより、継手部より未施工側の固結体の、掘削攪拌装置のカッタービット等による除去を容易にし、新規施工側に隣接する鋼製連壁部材の落とし込みの作業効率を高める。
【0008】
固結体の、切削刃によって入れられた切れ目に挟まれた部分の除去は切削刃が接続されるベースプレートが固定されたエンドレスチェーンとは別のエンドレスチェーンに固定されたベースプレートに突設されるカッタービットによって、または請求項4に記載のように切削刃が接続されるベースプレートが固定されるエンドレスチェーンと同一のエンドレスチェーンに固定される他のいずれかのベースプレートに突設されるカッタービット等によって行われる。
【0009】
切削刃が接続されるベースプレート以外のベースプレートにカッタービットが突設されているときは、切削刃による固結体の切削時にカッタービットが固結体を破壊することのないよう、請求項5に記載のように切削刃は、エンドレスチェーンの他のベースプレートに突設されるカッタービットより施工済みの鋼製連壁部材側へ突出する。
【0010】
固結体切削装置はエンドレスチェーンの外周に固定されるベースプレートと、ベースプレートの、鋼製連壁部材の各継手部に相当する位置にそれぞれ接続される二枚一組の切削刃から構成され、切削刃が継手部を挟み込むように二枚で一組となることで、鋼製連壁部材の未接続側の継手部の形状、すなわち継手部が凹形状であるか凸形状であるかに関係なく、継手部周辺で固結している固結体を切削する。
【0011】
請求項2に記載のように固結体切削装置をエンドレスチェーンに対して高さ方向に間隔を隔てて複数箇所装着すれば、固結体の切削が確実に行われるため、継手部の全長に亘って完全に切れ目を入れることが可能になる。
【0012】
固結体切削装置の切削刃はエンドレスチェーンの外周に装着されることで、降下するときの運動エネルギが固結体に作用し、先行して挿入されている鋼製連壁部材の継手部周辺の固結体を切削し、固結体に切れ目を入れる。切削刃が固結体を切削する際には多くの場合、固結体は完全には固結せず、半硬化の状態にあるが、切削刃は固結体を強制的に切削するため、完全に固結している場合にも対応が効く。
【0013】
継手部より未施工側の、切削刃によって並列する切れ目が入れられた固結体は切れ目の深さに亘って固結体の本体から分離するため、カッタービット等による衝撃が加えられることにより固結体本体の地盤改良体から離脱し、除去される。
【0014】
カッタービットを請求項6に記載のようにその根元側から先端側へかけて降下の向きに傾斜させた状態でベースプレートに支持させれば、カッタービットの降下時の衝撃力が固結体に効果的に加えられるため、継手部周辺の固結体が完全に固結している場合にも除去が可能になる。
【0015】
切削刃はベースプレートから鋼製連壁部材側へ張り出し、継手部を挟み込むように配置されることで、例えば掘削攪拌装置のカッターポストの軸が掘削攪拌装置の進行方向の面内で鉛直に対して傾斜し、鋼製連壁部材の継手部の上端部と下端部とでエンドレスチェーンとの間の距離が相違する場合にもその差に関係なく、継手部周辺の固結体を継手部の全長に亘って切削する。
【0016】
また掘削攪拌装置のカッターポストの軸がその幅方向に傾斜し、鋼製連壁部材の継手部の上端部と下端部とで二枚の切削刃の中心と継手部との間にずれが生じた場合、切削刃がベースプレートに固定されていれば切削刃の降下に伴うカッターポスト幅方向の変位に追従できないか、挿入済みの鋼製連壁部材から切削刃が強制的な力を受けるが、請求項3に記載のように各継手部の位置で並列する切削刃を鉛直軸回りに回転自在にベースプレートに連結することにより、鋼製連壁部材から切削刃に強制的な力を加えることなく切削刃を変位に追従させることが可能になる。
【0017】
継手部周辺の固結体が切削刃によって切削された後にカッタービット等によって除去されることで、未接続側の継手部からソイルセメントの未施工側の端面までに距離がある場合にもソイルセメントの端面側に継手部を露出させることができるため、地盤改良体の全構築区間の内の中途で1日の作業が終了する、あるいは1日の内で一時的に作業が中断することになる場合に、先行して挿入されている鋼製連壁部材に対し、翌日の、あるいは中断後の施工再開時に隣接する鋼製連壁部材を容易に連結することが可能になる。
【0018】
また継手部からソイルセメントの未施工側の端面までに距離がある場合にも継手部を露出させることができることで、隣接する区間の地盤改良体構築時にソイルセメントが継手部内に流入し易くなるため、先行する区間と隣接する区間の地盤改良体の接合が強固になる。
【0019】
切削刃やカッタービットが降下し、固結体を切削、もしくは除去するときにはその衝撃力が鋼製連壁部材の本体に作用する可能性があるが、エンドレスチェーンは昇降する区間においてカッターポストに対してその幅方向と進行方向に移動できる余裕を持つことから、固結体の切削や除去時に固結体からの反力に応じて自由に変位できるため、鋼製連壁部材の本体に衝撃力を加えることはない。
【0020】
特に請求項3に記載のように切削刃が鉛直軸回りに回転自在にベースプレートに連結されている場合には切削刃自体がエンドレスチェーンに対して自由に回転変位できるため、鋼製連壁部材に与える衝撃力が一層緩和される。
【0021】
継手部周辺の固結体の切削は請求項7に記載のようにエンドレスチェーンに装着された固結体切削装置を降下させることにより行われる。カッタービットを用いた固結体の除去は切削後、切削刃によって入れられた固結体の切れ目間にカッタービットを落とし込むことにより行われる。このとき、カッタービットが突設された固結体切削装置を施工済みの鋼製連壁部材側へ寄せることもある。
【0022】
【発明の実施の形態】
請求項1の固結体切削装置1は図8,図9に示すように掘削攪拌装置4を用いて連続するソイルセメントの地盤改良体12を構築し、その固結前に地盤改良体12中に、互いに連結される鋼製連壁部材13,13を挿入する鋼製地中連続壁の施工方法において、先行して挿入されている鋼製連壁部材13の未接続側の継手部13a周辺の固結体を切削し、その固結体の除去を容易にするものである。
【0023】
鋼製連壁部材13は掘削攪拌装置4の進行方向両側に継手部13a,13bを持ち、隣接する鋼製連壁部材13,13は双方の継手部13a,13bにおいて互いに嵌合し、連結されながら地盤改良体12の固結前に地盤改良体12中に挿入される。
【0024】
図1,図8に示すように一個置きに形状の異なる鋼製連壁部材13が使用される場合は両側の継手部13a,13bの形状は同一になり、図3に示すように両側の継手部13a,13bが凹形状に、または図6に示すように凸形状になる。
【0025】
図示しないが、全鋼製連壁部材13に同一形状の鋼製連壁部材13が使用される場合は両側の継手部13a,13bの形状は互いに異なり、一方の継手部13a(13b)が凹形状であれば、他方の継手部13b(13a)は凸形状になる。
【0026】
掘削攪拌装置4は図9,図10に示すようにカッターポスト5と、その外周に循環自在に張架され、カッタービット8が固定されるエンドレスチェーン6と、エンドレスチェーン6を循環させる駆動装置10からなり、ベースマシン11に搭載された油圧シリンダによってカッターポスト5がベースマシン11を反力として水平方向に移動し、循環するカッタービット8が地盤を溝状に切削しながら、カッターポスト5等から地中に供給される固化材と切削土を混合することにより壁状に連続する地盤改良体12を構築する。
【0027】
エンドレスチェーン6の外周にはその周方向(循環方向)に間隔をおいてベースプレート7が固定され、ベースプレート7にエンドレスチェーン6の循環により地盤を掘削するカッタービット8が突設される。
【0028】
カッタービット8は切削刃3,3による固結体の切削後に、切削による切れ目に挟まれた区間で、継手部13aから地盤改良体12の端面までの部分に衝撃を加えることにより固結体本体の地盤改良体12から離脱させ、除去する。
【0029】
固結体の除去を確実に行う上では、図12〜図14に示すようにカッタービット8を、その軸が根元側から先端側へかけて降下の向きに傾斜した状態でベースプレート7に支持させることが好ましい。この場合のカッタービット8は固定状態でベースプレート8に支持される場合もあるが、特に固結体に打撃力を加えるときにカッタービット8が受ける摩擦抵抗を抑える上では軸回りに回転自在に支持される方がよい。
【0030】
回転自在に支持される場合は図12に示すようにベースプレート7にカッタービット8を保持する、挿通孔9aを有するビットホルダ9が固定され、ビットホルダ9の挿通孔9aにカッタービット8の軸部8aが挿入され、ビットホルダ9に回転自在に支持される。
【0031】
この場合、カッタービット8はビットホルダ9に保持される軸部8aと地盤を掘削する先端部8bの二部分からなり、軸部8aのベースプレート7側と先端側にフランジ8c,8dが形成される。
【0032】
先端部8bはフランジ8d側から先端へかけて径が小さくなる円錐形、もしくは円錐台形、またはそれに近似した形状をし、先端部8bの先端には固化が始まっている固結体に対しても点接触により食い込み易くし、集中的に打撃力を加えられるよう、必要により超硬チップ8eが埋め込まれる。
【0033】
固結体切削装置1は図1,図2、及びそれぞれの詳細図である図3,図4に示すようにエンドレスチェーン6に固定されるベースプレート7の内、いずれか1枚の、もしくは複数枚のベースプレート2を利用してエンドレスチェーン6に装着される。複数枚のベースプレート2を利用する場合、固結体切削装置1は複数段配置されることになる。
【0034】
固結体切削装置1はベースプレート2と、ベースプレート2の、前記鋼製連壁部材13の未接続側の各継手部13aに相当する位置にそれぞれ接続される二枚一組で、計四枚の切削刃3,3から構成される。図5は図3,図4に示す固結体切削装置1をエンドレスチェーン6に対して高さ方向に間隔をおき、複数段に装着した場合を示す。
【0035】
図3〜図5は凹形状の継手部13aに固結体切削装置1を組み合わせた様子を、図6は凹形状の継手部13bに嵌合する凸形状の継手部13aに固結体切削装置1を組み合わせた様子を示すが、ここに示すように互いに連結される関係にある図8に示す鋼製連壁部材13であれば、継手部13aの形状に関係なく同一の固結体切削装置1で対応することが可能になっている。
【0036】
同一の固結体切削装置1を用いる場合は、凹形状の継手部13aの幅が凸形状の継手部13aの幅より大きいことから、凹形状の継手部13aに対して固結体切削装置1を使用する場合の方が切削刃3,3による切れ目を継手部13aに接するように形成できるため、切削刃3,3による切削後のカッタービット8による除去の面からは有利である。
【0037】
ベースプレート2はエンドレスチェーン6を構成するいずれかのリンクチェーン6aにボルト6b等により固定され、二枚の切削刃3,3はベースプレート2の鋼製連壁部材13側に並列し、溶接により、または切削刃3にフランジを付けた場合はフランジにおいてボルト等により接続される。
【0038】
各継手部13aの回りを切削する一組の二枚の切削刃3,3間の間隔は両切削刃3,3が鋼製連壁部材13の継手部13aを両側から挟み込むような大きさに設定され、図面では一組の二枚の切削刃3,3を互いに平行にしてベースプレート2に固定しているが、ベースプレート2側から鋼製連壁部材13側へかけて間隔が小さくなるように互いに角度を付ける場合もある。
【0039】
また図面では切削刃3を板状に形成しているが、固化しつつある、または固結している固結体に対して切削刃3の下端において切削しながら切れ目を入れればよいため、必ずしも板状である必要はない。
【0040】
図2に示すように同一のエンドレスチェーン6に固結体切削装置1とカッタービット8を装着した場合、図1に示すように平面上、切削刃3,3が継手部13aを挟み込み、固結体を切削する状態にあるときには、エンドレスチェーン6の循環による、他のベースプレート7に突設されたカッタービット8の降下によって施工済みの地盤改良体12が破壊されないよう、切削刃3はカッタービット8より施工済みの鋼製連壁部材13側へ張り出す。
【0041】
この同一のエンドレスチェーン6に固結体切削装置1とカッタービット8を装着した場合は、カッタービット8が平面上、切れ目間に配置されるようにすることで、切れ目に挟まれた部分の除去が行われるが、場合により切削刃3,3による固結体の切削後に、掘削攪拌装置4を施工済みの鋼製連壁部材13側へ寄せ、カッタービット8を降下させることにより切れ目に挟まれた部分の除去を行うこともある。
【0042】
図面では切削刃3のベースプレート2からの張り出し長さをベースプレート2から継手部13aの中心までの距離より大きくなるようにしているが、切削刃3は必ずしも継手部13aを完全に包囲する長さを持つ必要はない。二枚の切削刃3,3が継手部13aを挟み込む場合、その両切削刃3,3は継手部13aに案内されながら降下することになる。
【0043】
切削刃3が継手部13aを完全に包囲する程度の長さを持つ場合には、掘削攪拌装置4のカッターポスト5の軸が掘削攪拌装置4の進行方向の面内で鉛直に対して傾斜し、図9において継手部13aの上端部における継手部13aからカッターポスト5の軸までの距離L1と、継手部13aの下端部における継手部13aからカッターポスト5の軸までの距離L2に差が生じた場合にも、その差に関係なく、継手部13a周辺の固結体を確実に切削することができる。
【0044】
図11に示すようにエンドレスチェーン6は昇降する区間で撓みを生じ得る範囲においてカッターポスト5に対してその幅方向と進行方向に変位可能であるが、カッターポスト5自体がその幅方向に傾斜した場合には、切削刃3が降下に伴い、カッターポスト5の幅方向に変位することになるため、図7ではこの変位に追従させるために、並列する各切削刃3をヒンジ2aにより鉛直軸回りに回転自在にベースプレート2に連結している。
【0045】
この場合、切削刃3,3間に間隔保持材2bを架設し、両切削刃3,3に回転自在に連結すれば、並列する切削刃3,3は実質的に常に平行な状態を維持したまま、継手部13aの幅方向の変位に追従しながら固結体を切削するため、図7−(b) に示すように平面上、カッターポスト5の中心線C1と鋼製連壁部材13の中心線C2との間にずれが生じた場合にも対応できる。
【0046】
切削刃3による固結体の切削後、上記の通り、切れ目に挟まれた部分に対してカッタービット8を落とし込むことで、その部分が地盤改良体12から分離させられ、除去される。このとき、図12〜図14に示すカッタービット8を使用すれば、固結体が固化し始めている場合の他、完全に固結している場合にも簡単に除去することができる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1では掘削攪拌装置のエンドレスチェーンに二枚一組の切削刃を装着し、切削刃によって鋼製連壁部材の継手部周辺で固化し始めている、もしくは固結している固結体を強制的に切削し、固結体に切れ目を入れるため、継手部より未施工側の固結体のカッタービットによる除去を容易にすることができ、新規施工側に隣接する鋼製連壁部材の落とし込みの作業効率が向上する。
【0048】
請求項2では固結体切削装置をエンドレスチェーンに対して高さ方向に間隔を隔てて複数箇所装着するため、固結体の切削が確実に行われ、継手部の全長に亘って完全に切れ目を入れることが可能になる。
【0049】
請求項3では切削刃を鉛直軸回りに回転自在にベースプレートに連結するため、掘削攪拌装置のカッターポストの軸がその幅方向に傾斜し、鋼製連壁部材の継手部の上端部と下端部とで二枚の切削刃の中心と継手部との間にずれが生じた場合にも鋼製連壁部材から切削刃に力を加えることなく、切削刃を変位に追従させることができる。
【0050】
請求項4では固結体切削装置を装着したエンドレスチェーンに固定された他のベースプレートにカッタービットを突設するため、同一のエンドレスチェーンによって固結体の切削と除去を行うことができ、固結体除去のための作業効率が向上する。
【0051】
請求項5では請求項4において切削刃をカッタービットより施工済みの鋼製連壁部材側へ突出させるため、切削刃による固結体の切削時にカッタービットが固結体を破壊することを防止できる。
【0052】
請求項6ではカッタービットをその根元側から先端側へかけて降下の向きに傾斜させた状態でベースプレートに支持させるため、カッタービットの降下時の衝撃力を固結体に効果的に加えることができ、継手部周辺の固結体が完全に固結している場合にも除去することが可能になる。
【0053】
請求項4〜請求項6では継手部周辺の固結体が切削刃によって切削された後にカッタービットによって除去されることで、未接続側の継手部からソイルセメントの未施工側の端面までに距離がある場合にもソイルセメントの端面側に継手部を露出させることができるため、地盤改良体の全構築区間の内の中途で作業を中断させる場合にも、先行して挿入されている鋼製連壁部材に対し、施工再開時に隣接する鋼製連壁部材を容易に連結することが可能になる。
【0054】
また継手部からソイルセメントの未施工側の端面までに距離がある場合にも継手部を露出させることができることで、隣接する区間の地盤改良体構築時にソイルセメントが継手部内に流入し易くなるため、先行する区間と隣接する区間の地盤改良体の接合が強固になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固結体切削装置による固結体の切削の様子を示した平面図である。
【図2】図1の立面図である。
【図3】図1の詳細図である。
【図4】図2の詳細図である。
【図5】固結体切削装置を複数段に配置した場合を示した立面図である。
【図6】鋼製連壁部材の継手部が凸形状である場合の固結体切削の様子を示した平面図である。
【図7】 (a) は切削刃を鉛直軸回りに回転自在にベースプレートに連結した場合を示した平面図、(b) はカッターポストの中心線と鋼製連壁部材の中心線との間にずれがある場合の様子を示した平面図である。
【図8】鋼製地中連続壁の施工の様子を示した平面図である。
【図9】図8の立面図である。
【図10】掘削攪拌装置とベースマシンを示した立面図である。
【図11】エンドレスチェーンの撓みの様子を示した立面図である。
【図12】カッタービットを根元側から先端側へかけて降下の向きに傾斜させてベースプレートに支持させた場合を示した立面図である。
【図13】図12のカッタービットによる固結体除去の様子を示した立面図である。
【図14】ベースプレートの面に垂直な方向に見た図12の側面図である。
【符号の説明】
1……固結体切削装置、2……ベースプレート、2a……ヒンジ、2b……間隔保持材、3……切削刃、4……掘削攪拌装置、5……カッターポスト、6……エンドレスチェーン、6a……リンクチェーン、6b……ボルト、7……ベースプレート、8……カッタービット、8a……軸部、8b……先端部、8c……フランジ、8d……フランジ、8e……超硬チップ、9……ビットホルダ、9a……挿通孔、10……駆動装置、11……ベースマシン12……地盤改良体、13……鋼製連壁部材、13a……継手部、13b……継手部。
Claims (7)
- カッターポストとその外周に張架されるエンドレスチェーンからなる掘削攪拌装置を用いて連続するソイルセメントの地盤改良体を構築し、その固結前に地盤改良体中に、互いに連結される鋼製連壁部材を挿入する鋼製地中連続壁の施工において、先行して挿入されている鋼製連壁部材の未接続側の継手部周辺の固結体を切削する装置であり、前記掘削攪拌装置のエンドレスチェーンの外周に固定されるベースプレートと、ベースプレートの、前記鋼製連壁部材の未接続側の各継手部に相当する位置にそれぞれ接続される二枚一組の切削刃から構成され、前記二枚一組の切削刃は、ベースプレートから前記鋼製連壁部材側に張り出し、前記継手部を挟み込むように配置され、かつ、前記継手部に案内されながら降下する張り出し長さである鋼製連壁部材継手部の固結体切削装置。
- 請求項1記載の固結体切削装置がエンドレスチェーンに対して高さ方向に間隔を隔てて複数箇所装着されている鋼製連壁部材継手部の固結体切削装置。
- 鋼製連壁部材の各継手部の位置で並列する切削刃が鉛直軸回りに回転自在にベースプレートに連結されている請求項1、もしくは請求項2記載の鋼製連壁部材継手部の固結体切削装置。
- エンドレスチェーンに固定された他のいずれかのベースプレートにカッタービットが突設されている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の鋼製連壁部材継手部の固結体切削装置。
- 切削刃は、エンドレスチェーンの他のベースプレートに突設されるカッタービットより施工済みの鋼製連壁部材側へ突出している請求項4記載の鋼製連壁部材継手部の固結体切削装置。
- カッタービットはその根元側から先端側へかけて降下の向きに傾斜した状態でベースプレートに支持されている請求項4、もしくは請求項5記載の鋼製連壁部材継手部の固結体切削装置。
- カッターポストとその外周に張架されるエンドレスチェーンからなる掘削攪拌装置を用いて連続するソイルセメントの地盤改良体を構築し、その固結前に地盤改良体中に、互いに連結される鋼製連壁部材を挿入する鋼製地中連続壁の施工方法において、掘削攪拌装置のエンドレスチェーンに装着された請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の固結体切削装置を降下させ、先行して挿入されている鋼製連壁部材の未接続側の継手部周辺の固結体を切削する鋼製連壁部材継手部の固結体切削方法。
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