JP2001207474A - 地中連続壁構築用掘削装置 - Google Patents

地中連続壁構築用掘削装置

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JP2001207474A
JP2001207474A JP2000013328A JP2000013328A JP2001207474A JP 2001207474 A JP2001207474 A JP 2001207474A JP 2000013328 A JP2000013328 A JP 2000013328A JP 2000013328 A JP2000013328 A JP 2000013328A JP 2001207474 A JP2001207474 A JP 2001207474A
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cutter
endless chain
bit plate
plate
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JP2000013328A
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Shizuo Ikuta
静夫 生田
Koichi Gunji
紘一 郡司
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TENOTSUKUSU KYUSHU KK
Tenox Corp
Tenox Kyusyu Corp
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TENOTSUKUSU KYUSHU KK
Tenox Corp
Tenox Kyusyu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カッターポストの外周に張架されるエンドレ
スチェーンに、カッタービットが突設される複数枚のビ
ットプレートが固定された掘削装置を、硬質地盤等での
カッタービットのスリップや転倒を防止しながら、地中
連続壁を全幅に亘って均等に、且つ効率的に施工できる
ようにする。 【解決手段】 エンドレスチェーン3の循環方向に区分
された各区間毎に一組のビットプレート列60を構成し、
少なくとも一組のビットプレート列60におけるカッター
ビット8の軸をエンドレスチェーン3のチェーン連結軸
40の軸方向に見たときにその根元側から先端側へかけて
エンドレスチェーン3の循環の向きに傾斜させ、一組の
ビットプレート列60を構成するビットプレート6のカッ
タービット8の先端位置を同一水平面に投影したときに
重複しないように相違させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は地中連続壁の構築
用に使用される掘削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】カッタ
ーポストの外周にエンドレスチェーンが循環自在に張架
された特公平6-86729号,特公平7-113214号,特開平7-
180154号,特開平11-81368号等のような掘削装置を用い
て地中連続壁を構築する方法には地盤を連続して掘削し
ながらセメントミルク等の固化材を注入し、掘削された
現地盤土と固化材を攪拌・混合してソイルセメント連続
壁を構築する方法と、地盤を連続して掘削しながら現地
盤土を排出し、連続した溝を形成した後、溝内にセメン
トミルクを注入して連続壁を構築する方法がある。
【0003】上記掘削装置は基本的に図11−(a) 及びそ
の一部拡大図である(b) に示すように地中に鉛直に建て
込まれるカッターポストとその外周のエンドレスチェー
ンから構成され、地盤を掘削するカッタービットはエン
ドレスチェーンの外周面にボルト等により固定されるビ
ットプレートに溶接等により突設される。
【0004】特開平7-180154号,特開平11-81368号のよ
うに従来の掘削装置ではエンドレスチェーンの循環の向
きに関係なく、すなわちエンドレスチェーンの引上げ側
での掘削と引下げ側での掘削のいずれにも対応できるよ
う、図11−(b) に示すようにカッタービットは例えば円
錐台形の本体の先端の二箇所にチップを付けた上下対称
形をし、軸がビットプレートの面に垂直な方向を向いて
突設される。
【0005】カッターポストは図12−(a) に示すように
地上のベースマシンより地下数m〜数10mまで鉛直に建
て込まれ、ベースマシンに装着された油圧ジャッキから
掘削地盤面を押す押付力FP が与えられ、ベースマシン
から反力を受けることで鉛直性を保ちながら平行移動す
るが、押付力FP は地上で与えられることから、掘削深
度が深く、カッターポストが長くなるに従い、図12−
(b) に示すようにカッターポストの下端側に生ずる撓み
が増大する。
【0006】撓みの増大によりカッターポストの下部か
ら地盤に作用する下部押付力FP ’が下端寄り程減少す
るため、カッターポストの下部に上部より遅れを生じ、
鉛直状態を維持したまま掘進することが難しくなる。カ
ッターポストの下部の遅れを解消するには図12−(c) に
示すようにエンドレスチェーンを引き上げながら掘削し
つつ、カッターポストを上昇させる作業と、(d) に示す
ようにエンドレスチェーンを引き下げながら掘削しつ
つ、カッターポストを降下させる作業を交互に繰り返す
ことで、カッターポスト下部の遅れ部分を降下時に掘削
すると共に、鉛直性を修正した上で、通常の掘削作業に
移行する作業工程が必要になり、施工能率の大幅な低下
を招く。
【0007】地中連続壁を構築する際には前記の通り、
掘削された土砂とセメントミルクの攪拌・混合作業、ま
たは土砂の排出(搬出)作業が掘削と同時に必要になる
ため、作業効率向上の観点から、図13に示すように基本
的にエンドレスチェーンの引上げ側で掘削を行う引上げ
掘削が採用される。
【0008】この場合、引上げ掘削作業時にエンドレス
チェーンがカッターポスト下端部のリターンローラを通
過し、カッタービットがリターンローラ直下の地盤底面
に食い込むときにカッターポストの下部から地盤壁面に
作用する下部押付力FP ’に対し、反対向きの食込み抵
抗力fR が作用することから、引上げ掘削中のカッター
ポストの下部押付力FP ”はFP ”=FP ’−fR とな
り、下部押付力FP ’が更に減少する(FP ”)ため、
カッターポストの下部側の撓みが一層大きくなり、カッ
ターポストの下部の遅れを助長する結果となっている。
【0009】また図14に示すように引上げ掘削作業中の
掘削された土砂がエンドレスチェーンによって運ばれる
搬出速度VU とエンドレスチェーンの循環速度V1 及び
土砂の水中(安定液中)での落下速度V2 の関係はVU
=V1 −V2 となるため、掘削土砂の平均搬出速度はエ
ンドレスチェーンの循環速度V1 より遅くなる。
【0010】この結果、掘削土砂がカッタービットの上
方に堆積しながらエンドレスチェーンが上昇するため、
掘削地盤壁面とビットプレート及びエンドレスチェーン
との間に存在する土砂がクッションとなり、カッターポ
ストの移動速度を低下させる現象が生ずる。この現象は
軟弱地盤層において顕著に見られる。
【0011】更に図14の場合、掘削土砂の水中での引上
げ動力を必要とすることで、動力消費量が増大するた
め、運転経費が増加する。加えてチェーンの張力も大き
くなるため、エンドレスチェーンの疲労を促進させ、寿
命を短縮させる結果、エンドレスチェーンの維持管理費
も増加する。
【0012】この他、図11に示す従来の掘削装置では図
15に示すように掘削作業中に硬質地盤に遭遇した場合、
カッタービットはビットプレートに垂直に突設されてい
ることで、地盤壁面に対しても垂直な状態にあるため、
カッターポストの押付力FPを増しても地盤壁面に面接
触、もしくは線接触しているカッタービットの先端が地
盤に食い込むことができなくなる問題がある。
【0013】この状態でエンドレスチェーンを循環させ
ても、カッタービット先端がスリップするため、各カッ
タービットの先端に、押付力FP にカッタービット先端
と地盤壁面との間の摩擦係数μを乗じた摩擦抵抗力(μ
・FP )を地盤壁面に接触しているカッタービットの数
で除した抵抗力fb (=μ・FP /n)が作用する。こ
の抵抗力fb はエンドレスチェーンの走行抵抗になるた
め、実質的に掘削仕事が行われず、エンドレスチェーン
駆動用油圧モータの油圧が低下する現象が起こる。
【0014】この現象下ではカッタービットと地盤壁面
間に生ずる摩擦力に見合う、地盤表面の削り取られた量
に相当する掘進速度しか得られず、施工能率が著しく低
下する。またカッタービットがスリップすれば、チェー
ンの張力fC はチェーンを移動させる力として作用する
のみで、カッタービット先端を地盤に食い込ませる掘削
力として利用することができない。
【0015】比較的軟弱な地盤においても土層中に介在
する岩石層や玉石、あるいは地中構造物等(以下転石
等)に掘削中のカッタービットが遭遇した場合、カッタ
ービット先端は図16に示すように転石等から抵抗力fS
を受け、この抵抗力fS によってカッタービットにはカ
ッタービット先端からチェーンの内周面までの距離Lを
腕の長さとするモーメントM(=fS ・L)が発生す
る。
【0016】転石等に衝突したとき、カッタービット先
端には瞬間的に最大荷重(最大モーメント)が作用し、
カッタービットはチェーンと共に最大モーメントにより
エンドレスチェーンの循環方向とは逆向きに転倒するた
め、転石等に食い込むことができず、転石等の掘削、ま
たは打撃による破壊が困難になり、硬質地盤に遭遇した
場合と同じ結果になる。カッタービットの転倒によりエ
ンドレスチェーンのチェーン間に偏摩耗も発生し、エン
ドレスチェーンの破断等の原因にもなる。
【0017】以上のことから、カッタービットがビット
プレートに垂直に突設された図11に示す形の掘削装置は
比較的軟弱な地盤を対象としており、硬質地盤には適用
が効かず、土層中に転石等が存在する場合にも対応でき
ない。上記背景より、出願人は図11に示す掘削装置の上
記した各種の問題点を解決する構造のエンドレスチェー
ンと施工方法を先に提案している(特願平11−255853
号)。
【0018】本発明はこの先の出願を派生させたもの
で、地中連続壁を全幅に亘って均等に、且つ効率的に施
工できる掘削装置を加えて提案するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】例えば硬質地盤に接触す
ることによるカッタービットのスリップや転倒の問題は
図5に示すようにカッタービットの軸をその根元側から
先端側へかけてエンドレスチェーンの循環の向きに傾斜
させることにより解決される。
【0020】カッタービットが根元側から先端側へかけ
てエンドレスチェーンの循環の向きに傾斜することで、
カッターポストに関してカッタービットが地盤壁面を引
下げ掘削する側においてカッタービットは掘削地盤に対
してエンドレスチェーンの進行と共に食い込む方向を向
き、硬質地盤に対しても地盤中に食い込み易くなり、硬
質地盤におけるスリップや転倒に対して安定する。
【0021】またカッタービットがエンドレスチェーン
の循環の向きに傾斜することで、カッターポストに関し
て引き下げられる側で地盤を掘削(引下げ掘削)する場
合に、エンドレスチェーンがカッターポストの下部の遅
れを防止する働きをし、従来の図12−(b) ,(c) のよう
にエンドレスチェーンを引き上げて掘削しながらカッタ
ーポストを上昇させる作業と、エンドレスチェーンを引
き下げて掘削しながらカッターポストを降下させる作業
を交互に繰り返す鉛直性の修正作業を不要にし、掘削能
率の向上に貢献する。
【0022】この引下げ掘削の場合、図3に示すように
カッターポストの移動と共にエンドレスチェーンが循環
することで、エンドレスチェーンの循環の向きに前傾し
たカッタービットがリターンローラを通過するときにそ
の直下の地盤底面に食い込み、地盤底面をカッターポス
トの移動の向きと逆向きに蹴るため、カッターポストは
地盤底面からカッターポストを前進させようとするキッ
ク力fK を受け、図12−(a) の掘削時の様子を示す図13
の場合とは逆の自走効果が得られ、図12−(b)に示すよ
うなカッターポストの撓みの発生による下部の遅れはな
くなる。
【0023】また図3のカッターポストの全容を示す図
4に示すように掘削された土砂はエンドレスチェーンの
循環によりカッターポストの下方へ送られた後、リター
ンローラを経てカッターポストの進行方向反対側の掘削
後の空間へ運ばれ、この進行方向反対側へ排出された土
砂は上昇するエンドレスチェーンによってある程度引き
上げられた後にカッターポストの背後に堆積するため、
カッタービットが地盤を掘削するとき、カッターポスト
の下部はこの堆積した土砂から地盤壁面に向かう押付反
力fT を受ける。
【0024】この結果、カッターポストの下部から地盤
壁面に作用する下部押付力FP ”はベースマシンの油圧
ジャッキから与えられる押付力FP と上記キック力fK
及び押付反力fT の和となり(FP ”=FP +fK +f
T )、カッターポストの上部に加えられる押付力FP
り大きくなるため、図12−(b) に示すようなカッターポ
ストの撓みの発生による下部の遅れはなくなり、逆にカ
ッターポストの下部が上部より先行する恰好になる。
【0025】掘削装置を用いた引下げ掘削によれば、地
盤を引上げ掘削する場合に地盤底面から受ける食込み抵
抗力fR と反対向きのキック力fK を受けることで、カ
ッターポストの下部押付力FP ”は引上げ掘削する場合
の下部押付力FP ”より、f R +fK +fT だけ大きく
なる。
【0026】カッターポストの下部の遅れが防止される
ことで、鉛直性の修正作業が不要になり、掘削能率が大
幅に向上する。またカッターポストの下部が上部より先
行する傾向になることから、硬質地盤に対しても従来の
掘削装置の限界の深度を超える大深度の地中連続壁の構
築が可能になる。
【0027】また引下げ掘削によりカッターポストの進
行方向反対側での掘削土砂の引き上げが行われるため、
引上げ掘削による土砂排出のための引上げ動力が不要に
なり、消費電力の削減により運転経費が節減される上、
土砂排出のための引き上げに伴うチェーンの張力を減少
するため、チェーンの負荷が軽減され、破断に対する安
全性が向上する。
【0028】引下げ掘削による場合にはまた、図9に示
すようにエンドレスチェーンの循環の向きが土砂の落下
方向に一致するため、土砂の搬出速度が速くなる上、引
上げ掘削に比べ、エンドレスチェーンと掘削地盤壁面と
の間に土砂が堆積することがなくなるため、掘削抵抗と
摩擦抵抗が減少する。
【0029】このときの土砂の搬出速度VD はVD =チ
ェーン速度V1 、または土砂の落下速度V2 となり、図
14の場合のVU (V1 −V2 )より大きくなる。土砂の
落下時の運動エネルギはエンドレスチェーンを循環させ
る動力を補うために有効に利用できるため、動力消費量
が低減される。またチェーンの張力が軽減されるため、
チェーンの疲労が抑制され、寿命が延長される結果、エ
ンドレスチェーンの維持管理費が低減される。
【0030】引下げ掘削する場合にはまた、カッターポ
ストが水平に平行移動しながら、エンドレスチェーンが
循環するとき、図5に示すように地盤の壁面に対してカ
ッターポストから押付力FP が作用し、エンドレスチェ
ーンにはチェーンの張力FCが作用する。
【0031】図7に示すように押付力FP と張力FC
共にカッタービットの軸方向の成分FPb,FCbとそれに
垂直な成分FPm,FCmに分けられる。カッタービットの
軸方向の成分FPb,FCbは地盤への食込み力FB として
地盤の壁面に作用し、垂直成分FPm,FCmはカッタービ
ットを転倒させようとするモーメントFM として作用す
る。
【0032】カッタービットの軸方向の成分FPb,FCb
の向きは同じで、カッタービットの根元側から先端側を
向くため、各成分の合力である食込み力FB はFPb+F
Cbとなり、カッターポストの押付力FP とチェーンの張
力FC が共に地盤を切削する力として働き、カッタービ
ットの軸の傾斜により掘削能力が飛躍的に向上すること
になる。
【0033】垂直成分FPm,FCmは互いに向きが逆であ
るため、カッタービットを転倒させようとするモーメン
トFM は|FPm−FCm|となり、各成分FPm,FCmは相
殺され、モーメントFM が小さくなるように働く。この
結果、カッタービットとチェーンを転倒させるモーメン
トが低減されるため、カッタービットが地盤に食い込ん
でいる状態は維持され、チェーン間に偏摩耗が生じるこ
とがなく、偏摩耗によるエンドレスチェーンの破断が防
止される。
【0034】カッタービットの先端からFPb+FCbの食
込み力FB が作用することと、地盤からのモーメントF
M が小さくなることで、硬質地盤や転石等が存在する軟
弱地盤に対してもカッタービットのスリップと転倒が防
止されるため、エンドレスチェーン駆動用油圧モータの
油圧低下や、掘進速度の低下による施工能率の低下が回
避される。
【0035】本発明のエンドレスチェーンは地盤を地中
連続壁の全幅に亘って同時に施工する上で、請求項1に
記載のように循環方向に複数の区間に区分され、この区
間毎にエンドレスチェーンの外周面に固定される複数枚
のビットプレートが一組のビットプレート列を構成す
る。
【0036】各ビットプレートに突設される複数個のカ
ッタービットはカッターポストの幅方向に距離をおいて
配置され、一組のビットプレート列における全ビットプ
レートの全カッタービットの先端位置は同一水平面に投
影したときに重複しないように相違し、一組のビットプ
レート列毎に地中連続壁の全幅に相当する部分の地盤を
掘削する。エンドレスチェーン全体では複数の区間に区
分された区分数分の複数組のビットプレート列が地盤を
掘削することにより地中連続壁の全幅分を連続的に掘削
しながらカッターポストが移動する。
【0037】特に請求項2に記載のように一組のビット
プレート列における全ビットプレートの全カッタービッ
トの先端を同一水平面に投影したとき、隣接するカッタ
ービットの先端間距離が等しくなるようにカッタービッ
トを配置すれば、地盤の掘削を地中連続壁の幅方向に均
等に施工することができる。
【0038】請求項3では各ビットプレートにおいて、
少なくとも一個のカッタービットをその軸の回りに回転
自在にビットプレートに保持させ、そのカッタービット
の軸をビットプレートの面に垂直な方向に見たときにエ
ンドレスチェーンの循環方向に対して傾斜させることに
より、カッタービットが掘削し、粉砕した土砂をカッタ
ービットの周辺に飛散させ、掘削土砂がカッタービット
の上方に堆積しながらエンドレスチェーンが上昇するこ
と、及び掘削地盤壁面とビットプレート及びエンドレス
チェーンとの間に堆積することを防止する。
【0039】図8に示すようにビットプレートの面に垂
直な方向に見たときに軸がエンドレスチェーンの循環方
向に対して傾斜したカッタービットにおいては、軸に関
して両側で掘削抵抗に差が生ずるため、強制的に回転さ
せなくともカッタービットに抵抗の差による回転力が発
生し、カッタービットは常に回転しながら地盤を掘削
し、回転によって掘削された土砂を飛散させ、カッター
ビットからの乖離を促進する。
【0040】土砂が飛散することで、カッタービット先
端で一旦掘削された土砂がカッタービットの胴体部で圧
縮二次破砕される現象が回避され、圧縮二次破砕による
掘削抵抗が減少するため、掘削能力が著しく高まる。ま
た回転掘削によるセルフシャープニング効果によりカッ
タービットの偏摩耗が防止され、掘削能力の持続効果が
増すため、カッタービットやビットプレート、またはエ
ンドレスチェーンの寿命が延長し、交換の必要性が低下
する結果、エンドレスチェーンの機能の維持に要する経
費が削減される。
【0041】請求項4では一組のビットプレート列の
内、少なくとも一個のビットプレートに突設されるカッ
タービットの数を他のビットプレートに突設されるカッ
タービットの数より多くすることにより、全体として一
組のビットプレート列を構成するビットプレート数を少
なくし、それによって掘削速度を向上させ、所定長さの
地中連続壁を効率よく構築する。
【0042】なお、他のビットプレートよりカッタービ
ットの突設数が多いビットプレートが複数個存在する場
合には、その内のいずれかのビットプレートを他の形状
と異なる形状にすることにより、特に他と異なる形状の
ビットプレートを一組のビットプレート列の、エンドレ
スチェーン循環の向きの先頭に位置させることにより、
エンドレスチェーンの中での一組のビットプレート列を
簡単に識別することができる。他のビットプレートより
もカッタービットの突設数が多いビットプレートが一個
である場合にも同様にそのビットプレートの形状を他と
異ならせることにより一組のビットプレート列の識別が
簡単に行える。
【0043】請求項5ではビットプレートの面に垂直な
方向に見たとき、少なくとも両側に位置するカッタービ
ットの軸の方向を互いに相違させることにより、カッタ
ービットによる地盤の掘削時にビットプレートが受ける
抵抗力を低減し、エンドレスチェーンの循環が円滑に行
われるようにする。
【0044】この場合、各ビットプレートの両側のカッ
タービットの軸の方向が相違することで、カッタービッ
トが軸方向に受ける地盤からの力がビットプレートの面
に平行な成分と垂直な成分に分散して作用するため、ビ
ットプレートがその面に垂直な方向に受ける力が低減さ
れる。またビットプレートの面に平行な成分は互いに相
殺されるため、カッタービットによる地盤の掘削時にビ
ットプレートが受ける抵抗力が低減され、エンドレスチ
ェーンの寿命の延長に結び付く。
【0045】請求項6ではビットプレートの面に垂直な
方向に見たとき、両側に位置するカッタービットの軸を
その根元側から先端側へかけ、エンドレスチェーンの循
環方向を向くビットプレートの中心線に対して外側に向
けることにより、ビットプレートの幅より大きい幅に亘
って地盤を掘削させ、一組のビットプレート列による地
盤の掘削幅を拡大し、掘削装置の掘削能力を最大限に発
揮させる。
【0046】
【発明の実施の形態】この発明の掘削装置1は図3,図
5,図6,図8に示すようにカッターポスト2と、カッ
ターポスト2の外周に循環自在に張架されるエンドレス
チェーン3からなり、エンドレスチェーン3はチェーン
4を連鎖させたエンドレスチェーン本体5と、エンドレ
スチェーン本体5の外周面にボルト10や溶接により固定
される複数枚のビットプレート6と、各ビットプレート
6にカッターポスト2の幅方向に距離をおき、直接、も
しくは間接的に保持される形で突設される複数個のカッ
タービット8から構成される。
【0047】図6に示すようにビットプレート6に溶接
やボルトによりビットホルダ7が接合され、ビットプレ
ート6とビットホルダ7が別体である場合、カッタービ
ット8はビットホルダ7に保持されることにより間接的
にビットプレート6に保持され、ビットホルダ7がビッ
トプレート6の一部としてビットプレート6に一体的に
形成されている場合はビットプレート6に直接保持され
る。
【0048】ビットプレート6と別体である場合、ビッ
トホルダ7はカッタービット8の軸部8aが挿通する挿通
孔7aを持ち、カッタービット8はビットホルダ7に保持
される軸部8aと地盤を掘削する先端部8bの二部分からな
り、軸部8aのビットプレート6側(根元側)と先端部8b
側にフランジ8c,8dが形成される。先端部8bはフランジ
8d側から先端へかけて径が小さくなる円錐形、もしくは
円錐台形をし、先端には掘削地盤に対して点接触により
食い込み易くし、硬質地盤や転石等に対して集中的に打
撃力を加えるための超硬チップ8eが埋め込まれる。
【0049】カッタービット8は軸部8aにおいてビット
ホルダ7の挿通孔7aに挿通し、先端部8b側のフランジ8d
がビットホルダ7に根元側へ係止した状態でビットホル
ダ7に保持される。図6では軸部8aの根元側のフランジ
8cとビットホルダ7のビットプレート6側の面との間に
差し込まれ、フランジ8cとビットホルダ7に係止するU
字ピン9によってカッタービット8をビットホルダ7に
保持させているが、カッタービット8がビットホルダ7
から離脱しなければ、カッタービット8の保持方法は問
われない。U字ピン9を用いる場合、軸部8aの、ビット
ホルダ7のビットプレート6側の面から突出する部分に
はU字ピン9が嵌合する半円形状の溝が形成される。
【0050】図面では後述のようにカッタービット8を
回転自在に保持させるために、ビットホルダ7の挿通孔
7aの径を、カッタービット8がビットホルダ7に保持さ
れた状態で軸の回りに自由に回転できる程度にカッター
ビット8の軸部8aの径より大きくしている。
【0051】図3,図5,図10に示すようにエンドレス
チェーン3はその循環方向に複数の区間に区分され、こ
の区間毎に複数枚のビットプレート6が一組のビットプ
レート列60を構成し、少なくともいずれか一組のビット
プレート列60におけるカッタービット8の軸部8aはエン
ドレスチェーン3のチェーン連結軸40の軸方向に見たと
きにその根元のフランジ8c側から先端部8b側へかけてエ
ンドレスチェーン3が循環する向きに傾斜する。図3〜
図5に示す、エンドレスチェーン3が引下げ掘削する場
合で言えば、カッターポスト2の進行方向側に位置する
カッタービット8がフランジ8c側から先端部8b側へかけ
て下向きに傾斜する。
【0052】図6においてチェーン連結軸40の軸方向に
見たときに、一枚のビットプレート6に突設される複数
個の全カッタービット8の軸とビットプレート6の面と
のなす角度αが同一である必要はないが、このカッター
ビット8の軸部8aとビットプレート6の面とのなす角度
αは15〜75°程度が適当であり、角度αが15〜75°程度
の範囲にあれば掘削効率がよくなる。
【0053】エンドレスチェーン3全体では循環方向に
区分された内のいずれか一組のビットプレート列60毎
に、その全カッタービット8がチェーン連結軸40の軸方
向に見たときにビットプレート6の面に垂直な方向に対
して同一側へ傾斜していればよく、図10に示すように隣
接するビットプレート列60,60のそれぞれのカッタービ
ット8,8の傾斜方向を互いに相違させる場合もある。
この場合は同一のエンドレスチェーン3によって引下げ
掘削と引上げ掘削のいずれにも対応することができる。
【0054】一組のビットプレート列60毎にカッタービ
ット8の向きを相違させることは、図1,図2に示すよ
うにエンドレスチェーン本体5にボルト接合されるため
のビットプレート6のボルト挿通孔6aを上下対称に形成
することにより可能になる。図4はエンドレスチェーン
3がカッターポスト2に関して引き下げられる側で地盤
を掘削(引下げ掘削)する場合の施工時の様子を示す
が、施工はエンドレスチェーン3が張架されたカッター
ポスト2をベースマシン11の油圧ジャッキ12により水平
に移動させながら行われる。エンドレスチェーン3が掘
削した地盤壁面の土砂はカッタービット8の傾斜とエン
ドレスチェーン3の循環によってリターンローラ13を経
てカッターポスト2の進行方向反対側まで搬出され、そ
の側で上昇するエンドレスチェーン3によって一旦引き
上げられた後、掘削底面上に堆積する。
【0055】図1はカッターポスト2に関して地盤の掘
削側に位置するビットプレート6の面に垂直な方向に見
た一組のビットプレート列60の立面を示すが、後述する
ように一組のビットプレート列60における全ビットプレ
ート6の全カッタービット8の先端位置は同一水平面に
投影したときに重複しないように相違する。
【0056】またカッタービット8による地盤掘削時の
ビットプレート6の受ける抵抗を小さくする上で、ビッ
トプレート6の面に垂直な方向に見たとき、少なくとも
両側のカッタービット8,8の軸の向きはエンドレスチ
ェーンの循環方向を向くビットプレート6の中心線に関
して互いに相違する。
【0057】図面では特にビットプレート6の幅より大
きい幅に亘って地盤を掘削させ、一組のビットプレート
列60による地盤の掘削幅を拡大するために、両側のカッ
タービット8,8をビットプレート6の中心線に対して
外側に向けている。両側のカッタービット8,8の軸の
向きを互いに相違させた場合は請求項5の発明に該当
し、ビットプレート6の中心線に対して外側に向けた場
合は請求項6の発明に該当する。
【0058】表1,2は図1に示す一組のビットプレー
ト列60を構成する7枚の各ビットプレート6毎の全カッ
タービット8の突設位置を示す。縦方向には一組のビッ
トプレート列60が同一面内に配列したときの〜のビ
ットプレート6を、横方向にはビットプレート6の面に
垂直な方向に見たときに、各ビットプレート6毎に鉛直
方向の中心線(図1−に位置を示す)から各カッター
ビット8の先端までの距離x(mm)を表示しており、中
心線から右側を正に、左側を負に取っている。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】 表1は図1−〜に示す各7枚のビットプレート6か
ら一組のビットプレート列60を構成し、 550mm幅の地中
連続壁を構築する場合、表2は図1−のビットプレー
ト6を図2に示すビットプレート6に置き換え、 600mm
幅の地中連続壁を構築する場合の全ビットプレート6と
全カッタービット8の関係を示す。
【0061】ここに示すように一組のビットプレート列
60における全ビットプレート6の全カッタービット8の
先端を同一水平面に投影したときには全カッタービット
8の先端位置が互いに重複しないように相違している。
このため、一組のビットプレート列60によって地中連続
壁の全幅分を均等に掘削することが可能になる。
【0062】また図6,図7に示すように先端を地盤へ
食い込み易くする目的で、カッタービット8の地盤掘削
側の先端部8bを先端にかけて径が小さくなる円錐形、も
しくは円錐台形にし、最先端に超硬チップ8eを埋め込ん
だ場合には、超硬チップ8eは円錐状の頂部に設けられる
ため、全カッタービット8の超硬チップ8eによっては地
中連続壁の全幅を完全に覆うことはないとしても、各カ
ッタービット8が掘削地盤に対して集中的に打撃し、掘
削するため、硬質地盤や転石等が存在してもその破壊面
が横方向にも走り、軟弱な地盤では超硬チップ8eが当た
る横方向でも崩れることから、カッタービット8が円錐
形でない場合と同様に地中連続壁の全幅分を均等に掘削
することが可能である。
【0063】図1は特に7枚のビットプレート6が一組
のビットプレート列60を構成する場合に、一組のビット
プレート列60における全ビットプレート6の全カッター
ビット8の先端を同一水平面に投影したときに、隣接す
るカッタービット8,8の先端間距離を等しくした(25
mm)請求項2の掘削装置1の構成例を示している。
【0064】また図1では一組のビットプレート列60毎
にエンドレスチェーン3が循環する向きの先頭に位置す
るのビットプレート6に突設されるカッタービット8
の数を他のビットプレート6に突設されるカッタービッ
ト8の数より多い5個にすると共に、両外側のカッター
ビット8,8を地中連続壁の幅方向両側部分に位置さ
せ、両外側のカッタービット8,8によって地中連続壁
の最大幅を掘削できるようにしている。
【0065】このように他よりカッタービット8の突設
数が多い、先頭に位置するビットプレート6の両外側の
カッタービット8,8を地中連続壁の幅方向両側部分に
位置させることで、その両カッタービット8,8の中間
にも複数個のカッタービット8を突設することができ、
そのビットプレート6によって地中連続壁の幅方向の多
くの部分を掘削できるため、一組のビットプレート列60
全体ではビットプレート6の数を少なくすることができ
る。
【0066】また図1に示すように一組のビットプレー
ト列60の先頭に位置するのビットプレート6を後続の
〜のビットプレート6の形状と異なる形状にするこ
とで、エンドレスチェーン3全体の中での一組のビット
プレート列60と、その中での掘削を開始する先頭のビッ
トプレート6の位置を識別することができる。
【0067】図2に示すビットプレート6を図1−の
ビットプレート6に置き換えて使用した表2に示す場
合、他よりカッタービット8の突設数が多いビットプレ
ート6が一組のビットプレート列60の中にと(図
2)の2個存在しているが、ここでは図2のビットプレ
ート6の両外側のカッタービット8,8を地中連続壁の
幅方向両側部分に位置させ、地中連続壁の最大幅を掘削
できるようにし、図1−のビットプレート6の両外側
のカッタービット8,8をそれより内側に位置させ、前
記最大幅に次ぐ幅の位置を掘削できるようにしている。
【0068】図2に示すビットプレート6の両外側のカ
ッタービット8,8の中間の3個のカッタービット8は
図1−に示すビットプレート6の3個のビットプレー
ト8と同一位置に突設されている。この表2に示す場合
も先頭ののビットプレート6の形状を後続のビットプ
レート6の形状と異ならせることで、エンドレスチェー
ン3全体の中での一組のビットプレート列60と、その中
での掘削を開始する先頭のビットプレート6の位置を簡
単に識別することができる。
【0069】一組のビットプレート列60の内、少なくと
も一個のビットプレート6に突設されるカッタービット
8の数を他のビットプレート6に突設されるカッタービ
ット8の数より多くした場合は請求項4の発明に該当
し、所定の長さの地中連続壁を効率よく構築できる。
【0070】なお、図1に示すようにカッタービット8
の突設数が多いのビットプレート6以外の、残りの
〜のビットプレート3に少なくとも3個のカッタービ
ット8を突設しておけば、いずれのビットプレート6も
地中連続壁の全幅の内の3箇所を掘削するため、一組の
ビットプレート列60による掘削効率が上がり、一組のビ
ットプレート列60を構成するビットプレート6の数を削
減できる。
【0071】図1はまた、請求項3の掘削装置1の掘削
地盤壁面側の立面を示している。請求項3では引下げ掘
削するときに、図8においてカッタービット8の先端部
8bが軸に関して両側で受ける上向きの掘削抵抗に差を生
じさせ、抵抗の差によってカッタービット8を回転させ
るために、少なくとも一個のカッタービット8がその軸
の回りに回転自在にビットホルダ7に保持され、そのカ
ッタービット8の軸はビットプレート6の面に垂直な方
向に見たときに図8中、一点鎖線で示すエンドレスチェ
ーン3の循環方向に対して傾斜する。
【0072】ビットプレート6の面に垂直な方向に見た
ときにカッタービット8の軸とエンドレスチェーン3の
循環方向とのなす角度βは0〜45°程度が適当であり、
図1−の中央のカッタービット8のようにいずれかの
カッタービット8の軸はビットプレート6の面に垂直な
方向に見たときにエンドレスチェーン3の循環方向に一
致することもある。上記角度βを0〜45°程度の範囲に
設定することで、ビットプレート6が地盤から受ける抵
抗が低減されるため、エンドレスチェーン3の摩耗等が
抑制される効果もある。
【0073】軸がエンドレスチェーン3の循環方向に対
して傾斜したカッタービット8は図8に示すように掘削
抵抗の差により矢印の向きに回転し、回転によって掘削
土砂はカッタービット8の周辺に飛散し、カッタービッ
ト8から乖離する。
【0074】
【発明の効果】請求項1ではエンドレスチェーンの循環
方向に区分された区間毎に複数枚のビットプレートが一
組のビットプレート列を構成し、一組のビットプレート
列における全ビットプレートの全カッタービットの先端
位置が同一水平面に投影したときに重複しないように相
違しているため、一組のビットプレート列によって地中
連続壁の全幅に相当する部分の地盤を掘削することがで
きる。
【0075】またカッタービットの軸をその根元側から
先端側へかけてエンドレスチェーンが循環する向きに傾
斜させているため、硬質地盤に対してもカッタービット
先端を地盤に食い込ませることができる他、硬質地盤で
のカッタービットのスリップや転倒を防止できる。
【0076】請求項2では一組のビットプレート列にお
ける全ビットプレートの全カッタービットの先端を同一
水平面に投影したとき、隣接するカッタービットの先端
間距離が等しくなるようにカッタービットを配置するた
め、地盤の掘削を地中連続壁の幅方向に均等に施工する
ことができる上、より滑らかな掘削面となるように掘削
することができるため、掘削効率も向上する。
【0077】請求項3では各ビットプレートにおいて、
少なくとも一個のカッタービットをその軸の回りに回転
自在にビットプレートに保持させると共に、そのカッタ
ービットの軸をエンドレスチェーンの循環方向に対して
傾斜させることで、軸に関して両側で掘削抵抗に差を生
じさせ、カッタービットを回転させるため、掘削土砂を
飛散させ、カッタービットからの乖離を促進することが
できる。
【0078】この結果、カッタービット先端で一旦掘削
した土砂をカッタービットの胴体部が圧縮二次破砕する
現象が回避され、圧縮二次破砕による掘削抵抗が減少す
るため、掘削能力が高まる。請求項4では一組のビット
プレート列の内、少なくとも一個のビットプレートに突
設されるカッタービットの数を他のビットプレートに突
設されるカッタービットの数より多くするため、一組の
ビットプレート列内のビットプレート数を少なくでき、
それによって掘削速度が向上するため、所定長さの地中
連続壁を効率よく構築することができる。また一組のビ
ットプレート列内のビットプレート数が少なくなるた
め、ビットプレートの管理の手間も軽減される。
【0079】特に両外側のカッタービットにより地中連
続壁の最大幅の位置を掘削できるようにすれば、その中
間にも多くのカッタービットを存在させることができる
ため、所定幅の掘削を効率的に行うことができる。請求
項5では少なくとも両側のカッタービットの軸の向きを
互いに相違させることで、カッタービットが軸方向に受
ける地盤からの力をビットプレートの面に平行な成分と
垂直な成分に分散させ、カッタービットによる地盤の掘
削時にビットプレートがその面に垂直な方向に受ける力
を低減するため、エンドレスチェーンの循環を円滑に行
うことができる。
【0080】請求項6では両側のカッタービットをビッ
トプレートの中心線に対して外側に向けるため、ビット
プレートの幅より大きい幅に亘って地盤を掘削すること
ができ、一組のビットプレート列による地盤の掘削幅が
拡大され、掘削装置の掘削能力を最大限に発揮させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】〜は一組のビットプレート列を構成するビ
ットプレートを示した掘削装置進行方向側の立面図であ
る。
【図2】図1−のビットプレートに置換されるビット
プレートを示した掘削装置進行方向側の立面図である。
【図3】掘削装置により引下げ掘削しているときの様子
を示した立面図である。
【図4】図3に示す掘削装置全体とベースマシンを示し
た立面図である。
【図5】図3の拡大図である。
【図6】ビットプレートとカッタービットの詳細を示し
た立面図である。
【図7】図6のカッタービットに作用する力の関係を示
した立面図である。
【図8】図5の掘削装置進行方向側の立面図である。
【図9】引下げ掘削時のチェーン速度と土砂速度の関係
を示した立面図である。
【図10】ビットプレート列毎にカッタービットの向き
を相違させた掘削装置を示した立面図である。
【図11】(a) は従来の引上げ掘削による施工の様子を
示した立面図、(b) は(a) の円弧部分の拡大図である。
【図12】(a) 〜(d) は掘削深度が大きい場合の施工の
様子を示した立面図である。
【図13】図11の掘削装置による引上げ掘削の様子を示
した立面図である。
【図14】図13の一部拡大図である。
【図15】硬質地盤でのカッタービットのスリップの様
子を示した立面図である。
【図16】転石に遭遇したときのカッタービットの転倒
の様子を示した立面図である。
【符号の説明】
1……掘削装置、2……カッターポスト、3……エンド
レスチェーン、4……チェーン、40……チェーン連結
軸、5……エンドレスチェーン本体、6……ビットプレ
ート、60……ビットプレート列、6a……ボルト挿通孔、
7……ビットホルダ、7a……挿通孔、8……カッタービ
ット、8a……軸部、8b……先端部、8c……フランジ、8d
……フランジ、8e……超硬チップ、9……U字ピン、10
……ボルト、11……ベースマシン、12……油圧シリン
ダ、13……リターンローラ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カッターポストと、カッターポストの外
    周に循環自在に張架されるエンドレスチェーンと、エン
    ドレスチェーンの外周面に固定される複数枚のビットプ
    レートと、各ビットプレートにカッターポストの幅方向
    に距離をおいて突設される複数個のカッタービットから
    構成され、エンドレスチェーンはその循環方向に複数の
    区間に区分され、この区間毎に複数枚のビットプレート
    が一組のビットプレート列を構成しており、少なくとも
    いずれか一組のビットプレート列におけるカッタービッ
    トの軸はエンドレスチェーンのチェーン連結軸の軸方向
    に見たときにその根元側から先端側へかけてエンドレス
    チェーンが循環する向きに傾斜し、一組のビットプレー
    ト列における全ビットプレートの全カッタービットの先
    端位置は同一水平面に投影したときに重複しないように
    相違している地中連続壁構築用掘削装置。
  2. 【請求項2】 一組のビットプレート列における全ビッ
    トプレートの全カッタービットの先端を同一水平面に投
    影したとき、隣接するカッタービットの先端間距離は等
    しい請求項1記載の地中連続壁構築用掘削装置。
  3. 【請求項3】 各ビットプレートにおいて、少なくとも
    一個のカッタービットはその軸の回りに回転自在にビッ
    トプレートに保持され、そのカッタービットの軸はビッ
    トプレートの面に垂直な方向に見たときにエンドレスチ
    ェーンの循環方向に対していずれかの方向に傾斜してい
    る請求項1、もしくは請求項2記載の地中連続壁構築用
    掘削装置。
  4. 【請求項4】 一組のビットプレート列の内、少なくと
    も一個のビットプレートに突設されるカッタービットの
    数は他のビットプレートに突設されるカッタービットの
    数より多い請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の地
    中連続壁構築用掘削装置。
  5. 【請求項5】 ビットプレートの面に垂直な方向に見た
    とき、少なくとも両側に位置するカッタービットの軸の
    方向が互いに相違している請求項1乃至請求項4のいず
    れかに記載の地中連続壁構築用掘削装置。
  6. 【請求項6】 ビットプレートの面に垂直な方向に見た
    とき、両側に位置するカッタービットの軸はその根元側
    から先端側へかけ、エンドレスチェーンの循環方向を向
    くビットプレートの中心線に対して外側を向いている請
    求項1乃至請求項5のいずれかに記載の地中連続壁構築
    用掘削装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110158692A (zh) * 2019-05-23 2019-08-23 江苏徐工工程机械研究院有限公司 一种铣轮
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