JP4225502B2 - スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機のフレーム固定方法 - Google Patents

スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機のフレーム固定方法 Download PDF

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本発明は、スクロール圧縮機に関し、特に、フレームを密閉容器に容易且つ堅固に固定させることができるフレーム固定構造を有するスクロール圧縮機及びスクロール圧縮機のフレーム固定方法に関する。
一般に、圧縮機は、機械的エネルギーを圧縮性流体の圧縮エネルギーに変換させるもので、通常、往復動式、スクロール式、遠心式及びベーン式に区分することができる。
スクロール式圧縮機は、ピストンの直線運動を利用する往復動式と異なり、遠心式やベーン式のように、回転体を利用してガスを吸入、圧縮して吐出する方式である。
図4は、従来のスクロール圧縮機を示す縦断面図で、図5は、図4のA部拡大断面図である。
図に示すように、従来のスクロール圧縮機は、密閉容器1の内部に備えられた収容空間の上部に、上部フレーム2が固定されており、下部には、下部フレーム3が固定されている。
また、前記上部フレーム2と下部フレーム3との間には、固定子4と、前記固定子4の内側に回転自在に結合される回転子5と、からなる電動機構部6が設置されており、前記回転子5の上部及び下部には、回転子5の回転時の回転不均衡を調節するためのバランスウェイトBWが装着されている。
且つ、前記回転子5の中心に垂直方向に形成されている軸孔5aには、回転子5の回転と同時に回転するように回転軸7が圧入されているが、このように回転子5に結合された回転軸7の上端部は、上部フレーム2の支持孔2aに回転自在に挿入されており、下端部は、下部フレーム3の支持孔3aに回転自在に挿入されている。
また、前記上部フレーム2の上側には、上部フレーム2に固定される固定スクロール8と、前記固定スクロール8と上部フレーム2との間に回転自在に結合される旋回スクロール9と、からなる圧縮機構部10が設置されているが、前記旋回スクロール9の下端部に形成されたボス部11の結合孔11aには、前記回転軸7の上端部に偏心して形成された偏心部7aが挿入結合されている。
且つ、前記回転軸7の下端部には、密閉容器1の底部に充填されているオイル12を吸い上げて、回転軸7に形成されたオイル流路7bを通して圧縮機構部10の摩擦部位に供給するためのオイルフィーダ13が結合されている。
また、前記密閉容器1の側面には、冷媒ガスを吸入するための吸入管14、及び圧縮された冷媒ガスを吐出するための吐出管15が高さ差をおいて設置され、前記固定スクロール8の上部には、前記吸入管14を通して密閉容器1の内部に吸入された冷媒ガスが存在する低圧部20と、その吸入された冷媒ガスが圧縮機構部10で圧縮されて吐出管15を通して吐出される前に滞留する高圧部21と、を区画する高低圧分離板16が固定されている。
且つ、前記固定スクロール8の上面には、固定スクロール8に形成された吐出孔8aを通して吐出される冷媒ガスが逆流しないように、チェックバルブ19が結合されている。
図中、未説明符号8bは固定スクロール8のラップで、8cは冷媒流入孔で、9aは旋回スクロール9のラップで、16aは排出孔で、30は自転防止部材で、Pは圧縮ポケットである。
このように構成されるスクロール圧縮機は、電源が印加されると電動機構部6の回転子5が回転を行い、前記回転子5の回転により回転軸7が回転を行い、これにより、前記回転軸7の上端部に結合された旋回スクロール9が回転を行う。
前記旋回スクロール9の回転は、回転軸7の中心から偏心部7aの中心までの距離である偏心距離を旋回半径とする旋回運動であり、このように旋回運動を行う旋回スクロール9は、自転防止部材30により自転が防止される。
このように旋回スクロール9が旋回運動を行うと、前記旋回スクロール9のラップ9aが前記固定スクロール8のラップ8bに嵌合されて旋回運動を行うようになるが、このとき、冷媒ガスが前記吸入管14を通して密閉容器1の低圧部20に流入し、その流入した冷媒ガスが、固定スクロール8に形成された流入孔8cを通して、固定スクロール8のラップ8bと旋回スクロール9のラップ9aとの間に形成される圧縮ポケットPに流入し、継続的な旋回スクロール9の回転により、圧縮ポケットPの体積が縮小されて冷媒ガスの圧縮が行われると共に、中央部分に移動されて圧縮された冷媒ガスが、固定スクロール8の吐出孔8aを通して外部に吐出される。
なお、このように圧縮が行われる間、密閉容器1の内側下部に充填されているオイル12は、回転軸7の回転と共に回転されるオイルフィーダ13により吸い上げられ、その吸い上げられたオイル12は、オイル流路7bを通して圧縮機構部10に供給される。
一方、図5に示すように、上部フレーム2の側面に形成されたピン挿入溝2bに溶接ピン21が挿入された状態で、密閉容器1の通孔1aを貫通する溶接部Wにより、前記溶接ピン21が前記密閉容器1に溶接されることによって、上部フレーム2が密閉容器1に固定される。
しかしながら、このような従来のスクロール圧縮機においては、上部フレーム2が密閉容器1に直接固定されることなく溶接ピン21により固定されるため、固定部位(接合部位)が脆弱で、圧縮機の運転時に発生する振動により接合部位が外れやすいという問題点があった。
従って、本発明の目的は、塑性加工により、密閉容器に形成された貫通穴の内周面をフレームの側面に形成された接合溝内に挿入されるようにした状態で、溶接を行うことにより、フレームが密閉容器に直接的に堅固に結合されて、圧縮機の運転時に発生する振動により密閉容器とフレームとの接合部が外れることを效果的に防止できるフレーム固定構造を有するスクロール圧縮機及びスクロール圧縮機のフレーム固定方法を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明に係るフレーム固定構造を有するスクロール圧縮機は、密閉容器の内部上側に設置される上部フレームと、前記上部フレームの上部に固定される固定スクロールと、前記固定スクロールと上部フレームとの間に旋回自在に設置される旋回スクロールと、を備えるスクロール圧縮機において、前記上部フレームの側面に接合溝が形成され、前記接合溝と対応する前記密閉容器の側面に貫通穴を有する折曲部が形成され、前記貫通穴を貫通して前記密閉容器と前記上部フレームとを固定させる溶接部が形成される。該溶接部は、その一端が前記接合溝に溶着されて固定されると共に、その他端の部分が少なくとも前記折曲部の内側で貫通穴よりも拡大されて前記折曲部に固定されている。
本発明に係るスクロール圧縮機のフレーム固定方法は、フレームの側面に接合溝を形成する第1の段階と、前記接合溝に対応する密閉容器の側面に貫通穴を形成する第2の段階と、前記貫通穴の周囲を前記接合溝の内側に折曲させて折曲部を形成する第3の段階と、前記フレームを前記密閉容器に溶接させる第4の段階と、を含む。前記第4の段階における溶接は、溶接部が貫通穴を貫通し、その一端が前記接合溝に溶着されて固定されると共に、その他端の部分が少なくとも前記折曲部の内側で貫通穴よりも拡大されて前記折曲部に固定されるようにおこなわれる。
本発明に係るフレーム固定構造を有するスクロール圧縮機及びスクロール圧縮機のフレーム固定方法によれば、塑性加工により、密閉容器に形成された貫通穴の内周面をフレームの側面に形成された接合溝内に挿入されるようにした状態で、溶接を行い溶接部が貫通穴を貫通し、その一端が前記接合溝に溶着されて固定されると共に、その他端の部分が少なくとも前記折曲部の内側で貫通穴よりも拡大されて前記折曲部に固定されるようにおこなわれることにより、フレームが密閉容器に直接的に堅固に結合されて、圧縮機の運転時に発生する振動により密閉容器とフレームとの接合部が外れることを效果的に防止できるという効果がある。
以下、添付の図面を参照して、本発明に係るフレーム固定構造を有するスクロール圧縮機及びスクロール圧縮機のフレーム固定方法について説明する。
図1は、本発明に係るフレーム固定構造を有するスクロール圧縮機を示す縦断面図で、図2は、図1のB部拡大断面図である。
図に示すように、本発明に係るフレーム固定構造を有するスクロール圧縮機は、密閉容器103の内部に備えられた収容空間101の上部に、上部フレーム104が固定されており、下部には、下部フレーム105が固定されている。
前記上部フレーム104と下部フレーム105との間には、固定子106と、前記固定子106の内側に回転自在に結合される回転子107と、からなる電動機構部108が設置されている。
前記回転子107の上部及び下部には、回転子107の回転時の回転不均衡を調節するためのバランスウェイトBWが装着されている。
且つ、前記回転子107の中心に垂直方向に形成されている軸孔109aには、回転子107の回転と同時に回転するように回転軸109が圧入されている。前記回転子107に結合された回転軸109の上端部は、上部フレーム104の支持孔104aに回転自在に挿入されており、下端部は、下部フレーム105の支持孔105aに回転自在に挿入されている。
また、前記上部フレーム104の上側には、上部フレーム104に固定される固定スクロール110と、前記固定スクロール110と上部フレーム104との間に回転自在に結合される旋回スクロール111と、からなる圧縮機構部112が設置されている。前記旋回スクロール111の下端部に形成されたボス部117の結合孔117aには、前記回転軸109の上端部に偏心して形成された偏心部109bが挿入結合されている。
且つ、前記回転軸109の下端部には、密閉容器103の底部に充填されているオイル102を吸い上げて、回転軸109に形成されたオイル流路109cを通して圧縮機構部112の摩擦部位に供給するためのオイルフィーダ103aが結合されている。
また、前記密閉容器103の側面には、冷媒ガスを吸入するための吸入管115、及び圧縮された冷媒ガスを吐出するための吐出管116が高さ差をおいて設置され、前記固定スクロール110の上部には、前記吸入管115を通して密閉容器103の内部に吸入された冷媒ガスが存在する低圧部LPと、その吸入された冷媒ガスが圧縮機構部112で圧縮されて吐出管116を通して吐出される前に滞留する高圧部HPと、を区画する高低圧分離板110bが固定されている。
且つ、前記固定スクロール110の上面には、固定スクロール110に形成された吐出孔110cを通して吐出される冷媒ガスが逆流しないように、チェックバルブ113が結合されている。
また、前記上部フレーム104の側面(または外周面)に接合溝121が形成され、前記接合溝121と対応する前記密閉容器103の側面(または外周面)に貫通穴122を有する折曲部123が形成され、前記貫通穴122を貫通して前記密閉容器103と前記上部フレーム104とを固定させる溶接部124が形成されている。
前記接合溝121は、先端部121aと入口部121bとからなる。前記先端部121aは、直径が次第に小さくなるように形成されており、前記入口部121bは、同一直径に形成されている。
前記貫通穴122を中心に、前記折曲部123の内面123aは、前記接合溝121の内側に突出され、前記折曲部123の外面123bは、前記密閉容器103の内側に陥没形成されている。
前記折曲部123は、その一部が塑性加工により、その突出面が前記接合溝121の内側面から隔離するように、前記接合溝121の内側にベンディングされているが、この状態で、前記貫通穴122を貫通して溶接された溶接部124の一端124aは先端部121aに溶着されて固定され、他端124bは前記折曲部123の内側および外側で貫通穴122よりも拡大されて折曲部123に固定されることによって、上部フレーム104が密閉容器103に堅固に固定されるようになる。
図中、未説明符号110aは固定スクロール110のラップで、110dは冷媒流入孔で、111aは旋回スクロール111のラップで、30は自転防止部材で、Pは圧縮ポケットである。
このように構成された本発明に係るスクロール圧縮機においては、電源が印加されて電動機構部108の回転子107が回転を行うと、前記回転子107に圧入されている回転軸109が回転を行い、前記回転軸109の上端部に形成された偏心部109bに結合された旋回スクロール111が回転を行う。
前記旋回スクロール111の回転は、前記回転軸109の中心から偏心部109bの中心までの距離である偏心距離を旋回半径とする旋回運動であり、このように旋回運動を行う旋回スクロール111は、自転防止部材130により自転が防止される。
このように旋回スクロール111が旋回運動を行うと、前記旋回スクロール111のラップ111aが前記固定スクロール110のラップ110aに嵌合されて旋回運動を行うようになるが、このとき、冷媒ガスが前記冷媒吸入管115を通して密閉容器103の低圧部LPに流入し、その流入した冷媒ガスが、固定スクロール110に形成された流入孔110dを通して、固定スクロール110のラップ110aと旋回スクロール111のラップ111aとの間に形成される圧縮ポケットPに流入し、継続的な旋回スクロール111の回転により、圧縮ポケットPの体積が縮小されて冷媒ガスの圧縮が行われると共に、中央部分に移動されて圧縮された冷媒ガスが、固定スクロール110の吐出孔110cを通して吐出された後、高圧部HPに吐出される。
本発明に係るスクロール圧縮機の特徴として、上部フレーム104に形成された接合溝121に密閉容器103の折曲部123が挿入された状態で、前記上部フレーム104が密閉容器103にさらに堅固に溶接されることによって、圧縮機の運転時に発生する振動により上部フレーム104と密閉容器103との結合部位が外れることが效果的に防止される。本発明の技術は、上部フレーム104の固定構造だけでなく、下部フレーム105の固定構造にも適用可能である。
一方、図3の(A)〜(C)は、本発明に係るスクロール圧縮機のフレーム固定方法を説明するために、スクロール圧縮機を示す部分縦断面図である。
図に示すように、本発明に係るスクロール圧縮機のフレーム固定方法は、上部フレーム104の側面に接合溝121を形成する第1の段階(図3の(A)参照)と、前記接合溝121に対応する密閉容器103の側面に貫通穴122を形成する第2の段階(図3の(A)参照)と、前記貫通穴122の周囲を前記接合溝121の内側に折曲させて折曲部123を形成する第3の段階(図3の(B)参照)と、前記上部フレーム104を前記密閉容器103に溶接させる第4の段階(図3の(C)参照)と、を含む。
前記第1の段階では、前記接合溝121を、上部フレーム104の側面に、少なくとも一つ以上所定の間隔をおいて形成することもできる。また、前記第3の段階では、塑性加工により前記折曲部123を形成することが好ましい。
本発明に係るフレーム固定構造を有するスクロール圧縮機を示す縦断面図である。 図1のB部拡大断面図である。 (A) 本発明に係るスクロール圧縮機のフレーム固定方法を説明するために、スクロール圧縮機を示す部分縦断面図である。 (B) 本発明に係るスクロール圧縮機のフレーム固定方法を説明するために、スクロール圧縮機を示す部分縦断面図である。 (C) 本発明に係るスクロール圧縮機のフレーム固定方法を説明するために、スクロール圧縮機を示す部分縦断面図である。 従来のスクロール圧縮機を示す縦断面図である。 図4のA部拡大断面図である。
符号の説明
103 密閉容器
104 上部フレーム
110 固定スクロール
111 旋回スクロール
121 接合溝
122 貫通穴
123 折曲部
124 溶接部

Claims (11)

  1. 密閉容器の内部上側に設置される上部フレームと、前記上部フレームの上部に固定される固定スクロールと、前記固定スクロールと上部フレームとの間に旋回自在に設置される旋回スクロールと、を備えるスクロール圧縮機において、
    前記上部フレームの側面に接合溝が形成され、前記接合溝と対応する前記密閉容器の側面に貫通穴を有する折曲部が形成され、前記貫通穴を貫通して前記密閉容器と前記上部フレームとを固定させる溶接部が形成され、該溶接部は、その一端が前記接合溝に溶着されて固定されると共に、その他端の部分が少なくとも前記折曲部の内側で貫通穴よりも拡大されて前記折曲部に固定されている、フレーム固定構造を有することを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記接合溝は、先端部と入口部とからなることを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記接合溝は、少なくとも一つ以上形成されることを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記接合溝は、等間隔で形成されることを特徴とする請求項3記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記折曲部は、その一部が前記接合溝の内側にベンディングされることを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記貫通穴を中心に、前記折曲部の内面は、前記接合溝の内側に突出され、前記折曲部の外面は、前記密閉容器の内側に陥没形成されることを特徴とする請求項5記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記折曲部の突出面が前記接合溝の内側面と所定間隔隔離するように形成されることを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  8. フレームの側面に接合溝を形成する第1の段階と、
    前記接合溝に対応する密閉容器の側面に貫通穴を形成する第2の段階と、
    前記貫通穴の周囲を前記接合溝の内側に折曲させて折曲部を形成する第3の段階と、
    前記フレームを前記密閉容器に溶接させる第4の段階とを含み、
    前記第4の段階における溶接は、溶接部が貫通穴を貫通し、その一端が前記接合溝に溶着されて固定されると共に、その他端の部分が少なくとも前記折曲部の内側で貫通穴よりも拡大されて前記折曲部に固定されるようにおこなわれる、
    ことを特徴とするスクロール圧縮機のフレーム固定方法。
  9. 前記第1の段階では、前記接合溝を、前記フレームの側面に所定の間隔をおいて形成することを特徴とする請求項8記載のスクロール圧縮機のフレーム固定方法。
  10. 前記第3の段階では、塑性加工により前記折曲部を形成することを特徴とする請求項8記載のスクロール圧縮機のフレーム固定方法。
  11. 前記折曲部の突出面が前記接合溝の内側面と所定間隔隔離するように形成されることを特徴とする請求項8記載のスクロール圧縮機のフレーム固定方法。
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