JP4223516B2 - ニューマチックケーソン - Google Patents

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Description

この発明は、刃口と作業室スラブとにより形成される圧気作業室がケーソン躯体の下部に設けられ、圧気作業室内の土砂等を排出する排土バケットを通過させるマテリアルシャフトと、マテリアルシャフトの上部に連結されて排土バケットを収容するマテリアルロックとが設けられたニューマチックケーソンに関するものである。
従来、刃口と作業室スラブとにより形成される圧気作業室がケーソン躯体の下部に設けられ、圧気作業室内の土砂等を排出する排土バケットを通過させるマテリアルシャフトと、このマテリアルシャフトの上部に排土バケットを収容するマテリアルロックとが設けられたニューマチックケーソンがある。このようなニューマチックケーソンに消音装置が設置されていない場合には、マテリアルロックから排土バケットを取出すときに、マテリアルロックからの排気によって排気口からジェット噴射音のような激しい騒音が発生する。そのため、マテリアルロックに排土バケットと共に収容された高圧空気が、外部に放出される場合に、マテリアルロックの排気管に消音器を取付けて排気音を抑制する手法が取られ、これにより、工事現場の周辺に漏出する騒音の発生を抑制することが行われている。
このような要求に応えた発明として、特許文献1及び特許文献2に記載されたようなものがある。特許文献1には、「上部ハッチ(15)と下部ハッチ(16)間にエアロック(17)を設け、このエアロック(17)に送気管(18)と排気管(23)とを取り付けたマテリアルロック(9)において、前記エアロック(17)の内部に、送気管(18)から供給される高圧空気によって発生する騒音を消去する消音装置を、前記エアロック(17)の内側周囲に略環状に設けた、ことを特徴とする圧気ケーソンにおける消音機能付きマテリアルロック。」が記載されている。
これによれば、「マテリアルロック9の上部ハッチ15と下部ハッチ16間に設けられたエアロック17の内部に、送気管18から供給される高圧空気によって発生する騒音を消去する消音装置を設けているので、エアロック17の内部に、短時間に大量の高圧空気を供給しても、高圧空気がエアロックの内壁に当たることによって発生する衝撃音や、エアロックの振動による騒音、送気管がエアロックと接続されている位置で急激に断面変化することによって発生する騒音を吸収し、大幅に低減し得る効果があり、ひいては圧気ケーソンの沈下掘削作業を市街地でも昼夜兼行が可能となり、工期を短縮できる効果があり、周辺住民の生活環境を阻害しないで施工できる効果もある。」と記載されている。
また、特許文献2には、「エアロック(9)の外部に、消音装置(21)を内蔵したバッファタンク(20)を設置し、エアコンプレッサ(17)から送気管(18)、前記バッファタンク(20)内の消音装置(21)を通じてエアロック(9)内に圧縮空気を送り込むように構成した消音機能を備えたマテリアルロックを有することを特徴とするニューマチックケーソン。」が記載されている。
これによれば、「本発明では、エアロック9の外部に、消音装置21を内蔵したバッファタンク20を設置し、エアコンプレッサ17から送気管18、前記バッファタンク20内の消音装置21を通じてエアロック9内に圧縮空気を送り込むようにしており、エアロック9の内容積を変えることなく、バッファタンク20に、必要十分な消音機能を持った消音装置を組み込むことができるし、このバッファタンク20に取り付けられた消音装置21により送気音を消音してからエアロック9内に圧縮空気を送り込むようにしているので、エアロック9に入る圧縮空気の送気音である騒音を大幅に減少させることができるし、バッファタンク20により騒音の漏洩を防止することができるので、これらの相乗作用により消音効果を大きくなし得る効果があり、さらには装置全体を小型にまとめ得る効果もある。」と記載されている。
特開2004−143734号公報 特開2005−60953号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、マテリアルロックと連なる高圧空気の排気管に消音装置(マフラー)を設置して、高圧空気による騒音が漏出しないように防音対策を行っているが、周辺環境を配慮すれば、更なる防音対策が必要な状況になっている。
また、特許文献2に記載された発明では、防音対策となる音源の隔離空間や防音空間をケーソン躯体の外部に別途設けて防音対策を行っているが、新たな工事が必要であり、質量の大きな頑強な構造物となっている。
そこで、この発明は、マテリアルロックに収容される高圧空気の排出にあたり、その高圧空気の急激な膨張による騒音を漏出し難くして、工事現場の周辺に漏出する騒音による被害を抑制することができると共に、構造が簡単なニューマチックケーソンを提供することを課題とする。
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、刃口と作業室スラブとにより形成される圧気作業室がケーソン躯体の下部に設けられ、前記圧気作業室内の土砂等を排出する排土バケットを通過させるマテリアルシャフトと、該マテリアルシャフトの上部に連結されて前記排土バケットを収容するマテリアルロックとが設けられ、前記マテリアルロックには、前記マテリアルシャフトの上部と連通されて前記排土バケットを通過可能な連通ハッチが設けられると共に、外部と連通されて前記排土バケットを取出し可能な取出ハッチが設けられたニューマチックケーソンであって、前記ケーソン躯体内には高圧空気が膨張可能な緩衝空間が前記作業室スラブの上方に設けられ、前記マテリアルロックと前記緩衝空間との間を連通する第1排気管が設けられ、前記緩衝空間と連通して地上に向けて延びる第2排気管が設けられ、前記取出ハッチ及び前記連通ハッチとを閉じた状態で、前記マテリアルロック内に収容された高圧空気が、前記第1排気管、前記緩衝空間、前記第2排気管を経由して、地上に排出されるようにしたニューマッチックケーソンとしたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記ケーソン躯体には、前記作業室スラブの上方に上スラブが設けられ、前記緩衝空間は、前記ケーソン躯体内に形成された緩衝部屋であり、該緩衝部屋は、前記作業室スラブを床板とし、前記上スラブを天井板とし、前記第1排気管が連結される第1取付口及び前記第2排気管が連結される第2取付口以外の部位が閉塞されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記ケーソン躯体には、前記作業室スラブの上方に上スラブが設けられ、前記作業室スラブを床板として前記上スラブを天井板としたスラブ間空間が形成され、前記緩衝空間は、前記スラブ間空間内に着脱可能に設けられた緩衝容器であり、該緩衝容器は、前記第1排気管が連結される第1取付口及び前記第2排気管が連結される第2取付口以外の部位が閉塞されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の構成に加え、前記緩衝空間は、前記ケーソン躯体内で隔壁部によって複数の緩衝区画小部屋に区画され、前記隔壁部には、隣接する前記緩衝区画小部屋同士を連通させる連通口が形成され、高圧空気が、前記連通口を通過して前記緩衝区画小部屋間を移動する過程で膨張するように構成されたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記第2排気管には、消音手段が取付けられていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一つに記載の構成に加え、前記ケーソン躯体の上下方向に沿って形成される側壁内には、前記第1排気管及び/又は前記第2排気管が通されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一つに記載の構成に加え、前記緩衝空間の内壁には、騒音を吸収する吸音材が取付けられたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか一つに記載の構成に加え、前記ケーソン躯体内の前記上スラブ上に荷重水が貯水され、前記第2排気管の先端は、前記ケーソン躯体内に蓄積される前記荷重水内に向けて配設されると共に、折り返されて下方に向けられて形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ケーソン躯体内には高圧空気が膨張可能な緩衝空間が作業室スラブの上方に設けられ、マテリアルロックと緩衝空間との間を連通する第1排気管が設けられ、緩衝空間と連通して地上に向けて延びる第2排気管が設けられる。そのため、圧気作業室からマテリアルロックに収容された高圧空気は、マテリアルロック内の容積の状態から、第1排気管を通ってマテリアルロックと緩衝空間とを合わせた容積の状態へと膨張する。この膨張のときに生じる騒音は、緩衝空間内で閉じ込められる。従って、従来、排土バケットと高圧空気の両方が、マテリアルロック内から直接に排出されていたのと比較すると、マテリアルロックに収容される高圧空気の排出にあたり、その高圧空気の急激な膨張によって騒音が漏出し難くなり、工事現場の周辺に対する騒音による被害を抑制することができる。また、ケーソン躯体内に緩衝空間が設けられることにより、マテリアルロックに消音装置等を設けないで済ませることができ、構造を簡単にすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ケーソン躯体には、作業室スラブの上方に上スラブが設けられ、緩衝空間は、ケーソン躯体内に形成された緩衝部屋であり、この緩衝部屋は、作業室スラブを床板とし、上スラブを天井板とし、第1排気管が連結される第1取付口及び第2排気管が連結される第2取付口以外の部位が閉塞されている。そのため、上スラブの上に荷重水を載荷することができると共に、上スラブの下に緩衝部屋を設けることができ、高圧空気の膨張による騒音が生じる緩衝部屋が、荷重水及び上スラブを隔てて大気から遠いところに配置される。従って、高圧空気が大気中に排出されるときに、緩衝空間内で生じる騒音が、更に、工事現場の周辺に漏出し難くすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、ケーソン躯体には、作業室スラブの上方に上スラブが設けられ、作業室スラブを床板として上スラブを天井板としたスラブ間空間が形成され、緩衝空間は、スラブ間空間内に着脱可能に設けられた緩衝容器であり、この緩衝容器は、第1排気管が連結される第1取付口及び前記第2排気管が連結される第2取付口以外の部位が閉塞されている。従って、工事現場の作業員の出入りする待機室等のスラブ間空間を区画して緩衝部屋を設けなくとも、スラブ間空間における所望の位置に、即座に緩衝容器を取付けて、騒音発生を抑制することができる。また、緩衝部屋を設けないで騒音発生の抑制をすることができるという点で、利便性及び経済性が高くなる。
請求項4に記載の発明によれば、緩衝空間は、ケーソン躯体内で隔壁部によって複数の緩衝区画小部屋に区画され、隔壁部には、隣接する緩衝区画小部屋同士を連通させる壁貫通口が形成され、高圧空気が、壁貫通口を通過して区画された緩衝区画小部屋間を移動する過程で膨張するように構成された。そのため、マテリアルロック内の高圧空気が、緩衝区画小部屋を通過するにつれて、序々に膨張して大気中に排出されるようにすることができる。従って、高圧空気が一気に膨張することなく段階的に膨張するために、高圧空気が膨張するときに生じる騒音を小さくすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、第2排気管には、消音手段が取付けられている。従って、最終的に外部に高圧空気が排出されるときに、騒音が漏出し難くすることができる。
請求項6に記載の発明によれば、ケーソン躯体の上下方向に沿って形成される側壁内には、第1排気管及び/又は第2排気管が通されている。従って、ケーソン躯体の側壁内の空間を利用して、第1排気管や第2排気管を確実に緩衝空間と接続することができる。また、第1排気管や第2排気管の位置が移動し難いようにすることができる。
請求項7に記載の発明によれば、緩衝空間の内壁には、騒音を吸収する吸音材が取付けられた。従って、緩衝空間内の吸音材に騒音が吸収されて、騒音が緩衝空間外へと漏出し難いようにすることができる。
請求項8に記載の発明によれば、ケーソン躯体内の上スラブ上に荷重水が貯水され、第2排気管の先端は、ケーソン躯体内に蓄積される荷重水内に向けて配設されると共に、折り返されて下方に向けられて形成されている。従って、緩衝空間を通過して騒音が抑制された空気が、荷重水内を通過することで、緩衝空間内で生じた騒音が、更に大気中に伝達し難いようにすることができる。また、第2排気管の先端が、折り返されて下方に向けられているので、排気管の先端から水が入り難くすることができる。
[発明の実施の形態1]
以下、この発明の実施の形態1について説明する。
図1は、この発明の実施の形態1を示す。
まず、構成を簡単に説明すると、ニューマチックケーソン10は、図1で示すように、ケーソン躯体11と、このケーソン躯体11内に設けられたマテリアルシャフト12と、マテリアルシャフト12の上部に連結されたマテリアルロック13と、ケーソン躯体11内に設けられた「緩衝空間」である緩衝部屋14と、マテリアルロック13と緩衝部屋14とを連結する第1排気管15と、緩衝部屋14から上方へと延びる第2排気管16とを備えている。
ケーソン躯体11には、上下方向に沿って側壁21が形成され、この側壁21の下部側に刃口22が形成されている。このケーソン躯体11は、側壁21で囲まれる内周側には、刃口22側から順に、作業室スラブ23、上スラブ24が水平方向に所定間隔を置いて設けられている。そして、ケーソン躯体11は、刃口22と作業室スラブ23とにより圧気作業室25が形成され、作業室スラブ23と上スラブ24とによりスラブ間空間26が形成されている。なお、このように、ケーソン躯体11に上スラブ24を設ける構成とすると、ケーソン躯体11は、スラブ間空間26を確保して、かつ、上スラブ24上にケーソン躯体11の沈下促進のための荷重水Wを載荷することができる。
スラブ間空間26は、作業室スラブ23を床板とし、上スラブ24を天井板とした空間である。また、スラブ間空間26は、第1排気管15と第2排気管16が連結されている緩衝部屋14と、ケーソン躯体11の上下方向に配設されて、人がエレベータによって昇降するためのエレベータシャフト17の下端部が挿嵌された待機室27と、マテリアルシャフト12が設けられて施工時に必要なメンテナンスロック28とが形成されている。
緩衝部屋14と待機室27との間には、隔壁31によって区画され、隔壁31には、緩衝部屋14と待機室27とを連通させるハッチ31aが設けられている。また、待機室27とメンテナンスロック28との間には、隔壁32によって区画され、隔壁32には、待機室27とメンテナンスロック28とを連通させるハッチ32aが設けられている。各々のハッチ31a,32aは、開閉自在な扉を設けられていて、作業員の移動が可能になっている。
緩衝部屋14は、スラブ間空間26に設けられているので、天井板となる上スラブ24と、床板となる作業室スラブ23と、隔壁31と、側壁21とによって囲まれる空間であり、高圧空気が膨張可能な空間となっている。
緩衝部屋14は、側壁21の部位に第1排気管15の一端部を取付けるための第1取付口33が形成されており、上スラブ24の部位に第2排気管16の一端部を取付けるための第2取付口34が形成されている。緩衝空間14は、第1排気管15から入る高圧空気が膨張するときに騒音を発生するが、外界から隔絶した空間となっているために、大気中に騒音が漏出し難い。また、緩衝空間14は、第2排気管16と連通され、第2排気管16の上部近傍が大気圧となっていることから、緩衝空間14内に入った空気が大気圧近くまで減圧されることになる。緩衝部屋14は、高圧空気を減圧して一時的な排気音について、外界から隔絶できるケーソン躯体11の部位、ここでは、ケーソン躯体11の下部側に形成され、騒音を閉じ込めるがごとき機能を発揮する。緩衝部屋14は、第1取付口33及び第2取付口34以外の部位は、閉塞されている。
この緩衝部屋14の大きさは、マテリアルロック13の大きさよりも大きく形成されている。緩衝部屋14の大きさは、マテリアルロック13の大きさよりも大きければ大きい程、高圧空気の膨張を速やかに促進することができるので、有効である。上スラブ24と作業室スラブ23とを有する2重スラブタイプのニューマチックケーソン10では、例えば、マテリアルロック13の容積を、約7mとすると、緩衝部屋14の容積を、マテリアルロック13の容積に比較して2〜10倍程度に確保することができるので、緩衝部屋14による膨張型の消音方式をケーソン躯体11内に効果的に構成することができる。
また、前述のように、緩衝部屋14は、上スラブ24と作業室スラブ23と隔壁31とで囲まれて閉塞されている。そのように、隔壁31が設けられているために、隔壁31による防音効果が期待できるので、緩衝部屋14に隣接して待機室27が形成されても、待機室27において、騒音による作業環境への影響も軽微である。
なお、上スラブ24と作業室スラブ23は、厚さ1m以上の鉄筋コンクリート壁であり、十分な遮音効果がある。これに加えて、緩衝部屋14の隔壁31を含めた内壁には、吸音材45が貼付されており、消音効果の向上が図られている。さらに加えて、上スラブ24の上方には、荷重水Wが載荷されており、これによる遮音効果も期待できる。
待機室27は、エレベータシャフト17の下端が取付けられており、エレベータシャフト17内のエレベータで昇降する作業員が待機できるようになっている。
メンテナンスロック28は、天井側では、上スラブ24の上スラブ貫通孔24aにマテリアルシャフト12の下端部が挿嵌されてマテリアルシャフト12と連通され、床側では、作業室スラブ23の作業室スラブ貫通孔23aが形成されて圧気作業室25と連通されている。
第1排気管15は、一端が緩衝部屋14の第1取付口33に取付けられており、他端がマテリアルロック13に取付けられている。また、第1排気管15におけるマテリアルロック13近傍には、切替バルブ41が取付けられている。第2排気管16は、一端が緩衝部屋14の第2取付口34に取付けられており、他端が「消音手段」である消音器42に取付けられている。このように第2排気管16の上部に消音器42が取付けられることによって、最終的な騒音も大気中に漏出し難くなっている。また、第2排気管16の口径は、第1排気管15の口径よりも大きく形成される。さらに、配管の長さは長い程、消音効果には好適である。例えば、第2排気管16の長さは、ケーソン躯体11の規模によっても異なるが、20〜30m以上にする。高圧空気は、第2排気管16内を、大気圧に近づきながら減圧されて移動するので、大気に放出する排気口部での排気騒音が低く抑制されるようにすることができる。第1排気管15や第2排気管16は、鋼管、樹脂管、又は、ゴムホース等を用いることが可能であり、その他の部材を用いることも可能である。
これらの他に、マテリアルロック13に給気管43が取付けられ、この給気管43に切替バルブ44が取付けられている。
また、ケーソン躯体11の沈下掘削のための掘削機2が、作業室スラブ23の下面に遠隔操作可能に懸架されている。懸架された掘削機2は、掘削とメンテナンスのために、遠隔操作で制御可能に移動できる。
作業室スラブ23には、懸架された掘削機2が通過可能なスライド式等のハッチ23bが形成されており、懸架された掘削機2が、遠隔操作が可能なハッチ23bを開閉することにより、メンテナンスロック28への移動、及び、圧気作業室25への帰還が可能となっている。なお、メンテナンスロック28は、作業室スラブ23に設けられたハッチ23bを閉じて減圧すれば、大気圧下の環境で、掘削機2の点検整備が行えるようになっている。
マテリアルロック13は、下部がマテリアルシャフト12と連通されて「連通ハッチ」である下ハッチ13aが設けられ、上部が外部と連通されて排土バケット1の「取出ハッチ」である上ハッチ13bが設けられている。マテリアルロックは、ハッチ13bが閉じられた状態では吊りワイヤ3とにより完全に外部と遮断される。
排土バケット1は、吊ワイヤ3によってマテリアルシャフト12内で吊下げられる。そして、排土バケット1は、圧気作業室25とマテリアルロック13との間を昇降することが可能となっている。
次に、この発明の実施の形態1に係るニューマチックケーソン10における高圧空気の排出方法及び作業工程を述べる。
まず、点検作業を行う作業員は、エレベータシャフト17に設置されている図示しないエレベータに乗って待機室27に降りる。そして、作業員は、隔壁32に形成されているハッチ32aを開けて大気圧に減圧されたメンテナンスロック28に入室する。作業員は、点検整備を終えると、メンテナンスロック28から退出して、隔壁32のハッチ32aを閉じる。その後、作業員は、エレベータで地上に退出する。なお、作業者は、メンテナンスロック28までの入退室を容易に行えるので、高気圧障害に罹ることもなく、良好な作業環境が確保されている。
メンテナンスロック28内の気圧を、切替バルブ44と下ハッチ13aを開き、切替バルブ41と上ハッチ13bを閉じ、給気管43から空気をメンテナンスロック28内に給気して、マテリアルロック13やマテリアルシャフト12内の気圧を上昇させる。このようにメンテナンスロック28内の気圧を圧気作業室25と同圧に上昇させた後に切替バルブ44を閉じ、ハッチ23bを開け、掘削機2を圧気作業室25へと移動し、作業室スラブ23の下面に懸架する。なお、作業室スラブ23のハッチ23bの開閉、掘削機2の移動等、一連の作業は、全て遠隔操作が可能に構成されている。
この状態で、掘削機2で地盤Gを掘削してニューマチックケーソン10を沈下させていく。掘削土砂は、排土バケット1に積み込む。そして、排土バケット1は、吊ワイヤ3によって吊り下げられており、吊ワイヤ3を引き揚げることにより、掘削土砂等を積み込んだ排土バケット1が、圧気作業室25から、作業室スラブ貫通孔23a、メンテナンスロック28、上スラブ貫通孔24aを経由して、マテリアルシャフト12内を上昇して、マテリアルロック13内に収容される。このとき、排土バケット1と共に、高圧空気が、マテリアルロック13内に収容される。マテリアルロック13内に、排土バケット1が収容されると、下ハッチ13aが閉じられる。このとき、マテリアルロック13内と圧気作業室25内とは、同圧に加圧された状態となっている。
マテリアルロック13の排気口に取付けられた切替バルブ41が開かれ、高圧空気が、第1排気管15を通過して、緩衝部屋14内に入る。高圧空気は、第1取入口33から緩衝部屋14に入るときに、減圧されて膨張することによって騒音が発生する。なお、緩衝部屋14内で騒音が生じても、騒音が、吸音材45に吸収され、又、上スラブ24及び荷重水Wに妨げられ、大気中まで伝わり難い。そして、緩衝部屋14内の高圧空気が、第2排気管16を通過して大気圧へと状態変化しながら消音器42へと向かい、消音器42を通過する過程で更に消音されて外部へと排出されることになる。
マテリアルロック13の高圧空気が第1排気管15の方へと移動することにより、マテリアルロック13内の気圧が下がれば(大気圧まで下がれば、尚良い。)、マテリアルロック13の上ハッチ13bを開けて排土バケット1をマテリアルロック13から外部へと搬出される。掘削土砂を積載した排土バケット1を地上の土砂搬出設備へと移動して、排土バケット1を転倒する等して、積載してある掘削土砂を排出する。
その後、空になった排土バケット1を、再度、マテリアルロック13内に投入して、マテリアルロック13の上ハッチ13bを閉じる。上ハッチ13bには、図示しないワイヤ通し孔が設けられている。また、第1排気管15側の切替バルブ41は閉じられている。給気管43側の切替バルブ44を開き、マテリアルロック13内の気圧を圧気作業室25内の気圧と同圧力になるまで上昇させる。その後、閉じているマテリアルロック13の下ハッチ13aを開放し、マテリアルシャフト12とハッチ23bを通して、排土バケット1を圧気作業室25の地盤Gへと吊下ろす。
このようにして、掘削及び土砂搬出の作業を繰り返して、ニューマチックケーソン10を沈下させていく。
次に、この発明の実施の形態1に係るニューマチックケーソン10における高圧空気の排出過程において、高圧空気の圧力の変化に関して述べる。
例えば、マテリアルロック13では、容積V1=7m、気圧P1=0.5MPaであり、緩衝部屋14では、容積V2=28m、気圧P2=0.1MPa(大気圧)であるとする。このとき、第1排気管15及び第2排気管16の容積は無視して、又、第1排気管15の切替バルブ41が開き、第2排気管16から空気が漏出しないものと仮定する。
この場合に、マテリアルロック13の容積と緩衝部屋14の容積とを合計した容積は、V=V1+V2=35mとなる。差圧ΔP=0.4MPaが均等になることで、5容積の気圧は、0.18MPaとなる。なお、ここでは、V1:V2:V=1:4:5の比率の関係にあるが、あくまでも例示にすぎず、V1とV2との比率は、適宜変更可能である。
実際には、第2排気管16から即時に排気されており、0.18MPa以下の気圧で地上部の外気に排気される。この外気に排気される排気音は、0.18MPa以下に気圧が低下したことにより、気圧P1=0.5MPaで排気される騒音と比較して消音効果が期待できる。
第2排気管16の排気口に消音器42を設置することは、周辺環境の状況に応じて対応する。一定の圧力を持った空気が膨張できる緩衝部屋14を経由することで、圧力を低下させて外気に排気することができ、減圧による排気音を低減することができる。緩衝部屋14は、膨張側のサイレンサーの役割を果たしている。
このようなニューマチックケーソン10によれば、ケーソン躯体11内には高圧空気が膨張可能な緩衝部屋14が作業室スラブ23の上方に設けられ、マテリアルロック13と緩衝部屋14との間を連通する第1排気管15が設けられ、緩衝部屋14と連通して地上に向けて延びる第2排気管16が設けられる。そのため、圧気作業室25からマテリアルロック13に収容された高圧空気は、マテリアルロック13内の容積の状態から、第1排気管15を通ってマテリアルロック13と緩衝部屋14とを合わせた容積の状態へと膨張する。この膨張のときに生じる騒音は、緩衝部屋14内で閉じ込められる。従って、従来、排土バケット1と高圧空気の両方が、マテリアルロック13内から直接に排出されていたのと比較すると、空気の急激な膨張によって騒音が漏出し難くなり、工事現場の周辺に対する騒音による被害を抑制することができる。また、ケーソン躯体11内に緩衝空間14が設けられることにより、マテリアルロック13に消音装置42等を設けないで済ませることができ、構造を簡単にすることができる。
また、ケーソン躯体11には、作業室スラブ23の上方に上スラブ24が設けられ、緩衝部屋14は、作業室スラブ23を床板とし、上スラブ24を天井板とし、第1排気管15が連結される第1取付口33及び第2排気管16が連結される第2取付口34以外の部位が閉塞され、ケーソン躯体11内に形成された緩衝部屋14である。そのため、上スラブ24の上に荷重水Wを載荷することができると共に、上スラブ24の下に緩衝部屋14を設けることができ、高圧空気の膨張による騒音が生じる緩衝部屋14が、荷重水W及び上スラブ24を隔てて大気から遠いところに配置される。従って、高圧空気が大気中に排出されるときに、緩衝部屋14内で生じる騒音が、更に、工事現場の周辺に漏出し難くすることができる。
さらに、第2排気管16の上部には、消音器42が取付けられている。従って、最終的に外部に高圧空気が排出されるときに、騒音が漏出し難くすることができる。
また、ケーソン躯体11の上下方向に沿って形成される側壁21内には、第1排気管15が通されている。従って、ケーソン躯体11の側壁21内の空間を利用して、第1排気管15を確実に緩衝部屋14と接続することができる。また、第1排気管15の位置が移動し難いようにすることができる。
さらに、緩衝部屋14の内壁には、騒音を吸収する吸音材45が取付けられた。従って、緩衝部屋14内の吸音材45に騒音が吸収されて、騒音が緩衝部屋14外へと漏出し難いようにすることができる。
また、ケーソン躯体11の上スラブ24上に荷重水Wが貯水され、第2排気管16の先端は、ケーソン躯体11内に蓄積される荷重水W内に向けて配設されると共に、折り返されて下方に向けられて形成されている。従って、緩衝部屋14を通過して騒音が抑制された空気が、荷重水W内を通過することで、緩衝部屋14内で生じた騒音が、更に大気中に伝達し難いようにすることができる。
さらに、緩衝部屋14は、上スラブ24、側壁21、隔壁31で隔絶されており、緩衝部屋14で発生する排気音の影響は、地上部では、ほとんどない。また、緩衝部屋14の上方には、通常では、荷重水Wが載荷されており、音源の遮断効果は高い。
また、発明の主たる目的ではないが、緩衝部屋14における排気音についても、直接大気に排出する場合に比較して、ほぼ閉鎖状態の緩衝部屋14の圧力は高くなるので、空気の流速が遅くなることで、騒音量は、小さくなる。
前述したように、緩衝部屋14では、マテリアルロック13の圧力に応じた排気音が発生するが、近隣周辺とはケーソン躯体11で隔絶されていて騒音の問題が全くなく、待機室27等の作業区域とは隔壁31で遮断できるので、良好な作業環境を確保することができる。
[発明の実施の形態2]
以下、この発明の実施の形態2について説明する。
図2は、この発明の実施の形態2を示す。この発明の実施の形態2において、この発明の実施の形態1と同一構造については、同一符号を付して、以下の説明を省略する。
この発明の実施の形態2におけるニューマチックケーソン50がこの発明の実施の形態1におけるニューマチックケーソン10と異なるのは、この発明の実施の形態1では、隔壁31を用いて「緩衝空間」としての緩衝部屋14を用いていたが、この発明の実施の形態2では、「緩衝空間」としての緩衝容器51を用いている点である。
すなわち、この発明の実施の形態2では、スラブ間空間26内に設けられている待機室57内に、緩衝容器51が配設されている。緩衝容器51は、内部が中空で形成され、高圧空気が膨張可能な容器である。この緩衝容器51には、第1排気管15が取付けられる第1取付口53が形成され、第2排気管16が取付けられる第2取付口54が形成されている。また、緩衝容器51は、第1取付口53及び第2取付口54以外の部位が閉塞されており、待機室57内に着脱可能に配設されている。なお、待機室57内ではなく、作業員が利用できる出入りするその他利用できる空間内に着脱することも可能である。
緩衝容器51は、マテリアルシャフト12から搬入できるセグメントタイプが好適であり、地上よりセグメントをマテリアルシャフト12より搬入して待機室57内で組み立てる組立式であり、材料が吸音効果が大きくなる質量の大きな材質が好適である。この緩衝容器51の第1取付口53に第1排気管15を取付け、緩衝容器51の第2取付口54に第2排気管16を取付ける。この場合の材料としては、コンクリート製や、鋼製でも構わない。また、この発明の実施の形態1の場合と同様に、緩衝容器51内の内壁における第1取付口53及び第2取付口54以外の部位に、図2(b)で示す吸音材55が貼付されている。
この緩衝容器51の作用及び効果が、この発明の実施の形態1における緩衝部屋14と異なるのは、緩衝容器51が待機室57内で着脱可能であるという点であり、その他の作用及び効果は、この発明の実施の形態1における緩衝部屋14の場合とほぼ同じである。
また、ケーソン躯体11には、作業室スラブ23の上方に上スラブ24が設けられ、作業室スラブ23を床板として上スラブ24を天井板としたスラブ間空間26が形成され、緩衝容器51は、第1排気管15が連結される第1取付口53及び第2排気管16が連結される第2取付口54以外の部位が閉塞され、スラブ間空間26内に着脱可能に設けられた。従って、工事現場の作業員の出入りする待機室57等のスラブ間空間26を区画して緩衝部屋14を設けなくても、スラブ間空間26内における所望の位置に、即座に緩衝容器51を取付けて、騒音発生を抑制することができる。また、第1実施の形態のような緩衝部屋14を設けないで騒音発生の抑制をすることができるという点で、利便性及び経済性が高いと考えられる。
[発明の実施の形態3]
以下、この発明の実施の形態3について説明する。
図3は、この発明の実施の形態3を示す。この発明の実施の形態3において、この発明の実施の形態1と同一構造については、同一符号を付して、以下の説明を省略する。
この発明の実施の形態3におけるニューマチックケーソン60がこの発明の実施の形態1におけるニューマチックケーソン10と異なるのは、この発明の実施の形態1では、「緩衝空間」として緩衝部屋14を用いていたが、この発明の実施の形態3では、この発明の実施の形態1で説明した緩衝部屋14が更に細かく区画されて、2つの隔壁部81,82によって3つに区画した「緩衝空間」である緩衝区画小部屋71〜73が設けられている点である。
すなわち、この発明の実施の形態3では、「緩衝空間」として、第1緩衝区画小部屋71、第2緩衝区画小部屋72、第3緩衝区画小部屋73が設けられ、第1緩衝区画小部屋71と第2緩衝区画小部屋72とが隔壁部81によって区画され、第2緩衝区画小部屋72と第3緩衝区画小部屋73とが隔壁部82によって区画されている。また、隔壁部81には、第1緩衝区画小部屋71と第2緩衝区画小部屋72とを連通させる壁貫通口81aが形成されており、隔壁部82には、第2緩衝区画小部屋72と第3緩衝区画小部屋73とを連通させる壁貫通口82aが形成されている。第1緩衝区画小部屋71に形成された第1取付口63には、第1排気管15の一端部が取付けられており、第3緩衝区画小部屋73に形成された第2取付口64には、第2排気管16の一端部が取付けられている。 また、各緩衝区画小部屋71〜73の内壁には、吸音材85が貼付されている。
次に、ニューマチックケーソン60における高圧空気の排出方法を述べる。
第1排気管15までの高圧空気の流れは、この発明の実施の形態1におけるニューマチックケーソン10の場合と同様であるから省略し、その後の高圧空気の流れを説明する。
第1排気管15を通過する高圧空気は、第1取付口63から第1緩衝区画小部屋71に流入し、壁貫通口81aを通過して、第2緩衝区画小部屋72に流入し、更に、壁貫通口82aを通過して、第3緩衝区画小部屋73に流入し、第2取付口64に取付けられた第2排気管16を経由して大気中へと排出される。
このようなニューマッチックケーソン60によれば、ケーソン躯体11内で2つの隔壁部81,82によって3つの緩衝区画小部屋71〜73に区画され、隔壁部81,82には、隣接する緩衝区画小部屋71〜73同士を連通する壁貫通口81a,82aが形成され、高圧空気が、壁貫通口81a,82aを通過して区画された緩衝区画小部屋71〜73を順に移動しながら膨張するように構成された。そのため、マテリアルロック13内の高圧空気が、各緩衝区画小部屋71〜73内を通過するにつれて、序々に膨張して順次流速を低下させながら、大気中に排出されるようにすることができる。従って、高圧空気が急激に膨張しないために、高圧空気が膨張するときに生じる騒音を小さくすることができる。
なお、この発明の実施の形態3では、緩衝区画小部屋71〜73は、3つの部屋で構成されていたが、上記実施の形態に限定されない。すなわち、隔壁部81,82の数を増加させ、又、緩衝区画小部屋71〜73の数も増加させる構成とすることも可能である。そうすれば、マテリアルロック13内の高圧空気を、更に段階的に膨張させることができ、騒音の抑制力が増すことになる。
なお、この発明の実施の形態1乃至3によれば、スラブ間空間26は、作業室スラブ23の上面の全面に対応する上方に、上スラブ24が形成される構成であったが、上記実施の形態に限定されない。例えば、図4(a)で示すように、緩衝部屋14、緩衝容器51、又は、緩衝区画小部屋71〜73の上壁部位にのみ上スラブ101を形成すると共に、緩衝部屋114の側壁部位にのみ隔壁102を形成し、このような上スラブ101、作業室スラブ23、隔壁部102、及び、側壁21で囲う構成とすることも可能である。このように、作業室スラブ23の上方にコンクリート構造で緩衝部屋114だけを設置した場合には、この発明の実施の形態1乃至3に記載された発明に比較して、小規模となり、経済性が高いと考えられる。
また、この発明の実施の形態1乃至3によれば、緩衝部屋14は、メンテナンスロック28や待機室27と同一の階であるスラブ間空間26内に設けられていたが、上記実施の形態に限定されない。すなわち、緩衝部屋14を設けるに当たって、緩衝部屋14をメンテナンスロック28や待機室27と無関係に設けることも可能である。例えば、図4(a)で示すように、ケーソン躯体11の用途によって上スラブ24の形状が決定されるので、緩衝部屋114だけを独立して設けることもできるようにしておくことも可能である。
さらに、この発明の実施の形態1乃至3によれば、マテリアルロック13内の容積よりも、緩衝部屋14、緩衝容器51、又は、緩衝区画小部屋71〜73内の容積を大きく形成していたが、上記実施の形態に限定されない。従って、マテリアルロック13の大きさよりも小さく形成することも可能である。高圧空気の膨張を生じさせるためには、マテリアルロック13以外に膨張できる空間があれば十分に同様の効果が得られ易いからである。
また、この発明の実施の形態1乃至3によれば、第1排気管15が側壁21内に配設され、第2排気管16がケーソン躯体11の内部に独自に立ち上げられていたが、上記実施の形態に限定されない。すなわち、第1排気管15だけでなく、第2排気管16も、側壁21内に配設する構成も可能である。また、第2排気管16の方を側壁21内に配設し、第1排気管15をケーソン躯体11の内部に独自に立ち上げて配設する構成も可能である。また、その他ケーソン躯体11内の部位を利用して配設する等適宜変更可能である。
さらに、この発明の実施の形態1乃至3によれば、ニューマチックケーソン10,50,60は、第2排気管16の上部に消音器42が取付けられていたが、上記実施の形態に限定されない。すなわち、高圧空気が緩衝部屋14、緩衝容器51、又は、緩衝区画小部屋71〜73を通過することにより、十分に消音効果が得られるのであれば、必ずしも消音器42を第2排気管16に設置する必要がない。
また、この発明の実施の形態1乃至3によれば、第2排気管16の口径は、第1排気管15の口径よりも大きく形成されていたが、上記実施の形態に限定されない。すなわち、第2排気管16の口径を第1排気管15の口径と同じ大きさにしたり、第2排気管16の口径を第1排気管15の口径よりも小さくしたりすることも可能である。
さらに、この発明の実施の形態1乃至3によれば、緩衝部屋14、緩衝容器51、又は、緩衝区画小部屋71〜73内に、吸音材45,55,85等が設けられて騒音が吸収される構成であったが、上記実施の形態に限定されない。すなわち、吸音材45,55,85等を設けない構成とすることも可能である。
また、この発明の実施の形態1乃至3によれば、第2排気管16の先端に消音器42が設置されていたが、上記実施の形態に限定されない。すなわち、図4(b)で示すように、第2排気管116の上端を荷重水W内に向けて配設し、折り返して下方に向けられるように形成することも可能である。この場合には、第2排気管116から排出する空気が、荷重水Wを通過する過程で、騒音が抑制されることになる。この他に、図4(c)で示すように、第2排気管116の先端に弁116aを設け、第2排気管116を通る空気が排出されるときにのみ開き、空気が排出されないときには閉じるようにすることも可能である。
なお、この発明の実施の形態1乃至3によれば、エレベータシャフト17の上部にマンロック18を設け、このマンロック18内に高圧空気が収容された場合に、その高圧空気を消音する機構に関しては述べられていないが、上記実施の形態に限定されない。すなわち、第1排気管15及び切替バルブ41、並びに、給気管43及び切替バルブ44を、マテリアルシャフト12の上部に設けられたマテリアルロック13に取付けたのと同様に、図4(a)で示すエレベータシャフト17の上部に設けられたマンロック18に対しても別途取付けて同様に高圧空気の流路を確保することにより、マンロック18内の高圧空気を消音する構成とすることも可能である。このような構成の場合にも、マンロック18内に収容された高圧空気が、第1排気管15を通り、緩衝部屋14、緩衝容器51、又は、第1乃至第3緩衝区画小部屋71〜73を通過し、第2排気管16を通って、消音器42を通過して消音されて行くことになる。また、第2排気管116の上部は、荷重水Wから水没した状態で配設することも可能である。
この発明の実施の形態1に係るニューマッチックケーソンの断面図であり、(a)は、横方向から見た断面図であり、(b)は、(a)のA−A線に沿う断面図である。 この発明の実施の形態2に係るニューマッチックケーソンの断面図であり、(a)は、横方向から見た断面図であり、(b)は、(a)のB−B線に沿う断面図である。 この発明の実施の形態3に係るニューマッチックケーソンの断面図であり、(a)は、横方向から見た断面図であり、(b)は、(a)のC−C線に沿う断面図である。 この発明の実施の形態における他の形態に係る図であり、(a)は、緩衝部屋だけを上スラブ上に設けたニューマチックケーソンの断面図であり、(b)は、第2排気管の先端部の他の形態に係る図であり、(c)は、第2排気管の先端部に弁を設けた他の形態に係る図である。
符号の説明
1 排土バケット
2 掘削機
3 吊ワイヤ
10,50,60 ニューマッチックケーソン
11 ケーソン躯体
12 マテリアルシャフト
13 マテリアルロック
13a 連通ハッチ
13b 取出ハッチ
14 緩衝部屋(緩衝空間)
15 第1排気管
16 第2排気管
21 側壁
22 刃口
23 作業室スラブ
24 上スラブ
25 圧気作業室
26 スラブ間空間
33,53,63 第1取付口
34,54,64 第2取付口
42 消音器(消音手段)
45,55,85 吸音材
51 緩衝容器(緩衝空間)
71 第1緩衝区画小部屋(緩衝空間)
72 第2緩衝区画小部屋(緩衝空間)
73 第3緩衝区画小部屋(緩衝空間)
81,82 隔壁
81a,82a 壁貫通孔

Claims (8)

  1. 刃口と作業室スラブとにより形成される圧気作業室がケーソン躯体の下部に設けられ、前記圧気作業室内の土砂等を排出する排土バケットを通過させるマテリアルシャフトと、該マテリアルシャフトの上部に連結されて前記排土バケットを収容するマテリアルロックとが設けられ、前記マテリアルロックには、前記マテリアルシャフトの上部と連通されて前記排土バケットを通過可能な連通ハッチが設けられると共に、外部と連通されて前記排土バケットを取出し可能な取出ハッチが設けられたニューマチックケーソンであって、
    前記ケーソン躯体内には高圧空気が膨張可能な緩衝空間が前記作業室スラブの上方に設けられ、前記マテリアルロックと前記緩衝空間との間を連通する第1排気管が設けられ、前記緩衝空間と連通して地上に向けて延びる第2排気管が設けられ、
    前記取出ハッチ及び前記連通ハッチとを閉じた状態で、前記マテリアルロック内に収容された高圧空気が、前記第1排気管、前記緩衝空間、前記第2排気管を経由して、地上に排出されるようにしたことを特徴とするニューマッチックケーソン。
  2. 前記ケーソン躯体には、前記作業室スラブの上方に上スラブが設けられ、前記緩衝空間は、前記ケーソン躯体内に形成された緩衝部屋であり、該緩衝部屋は、前記作業室スラブを床板とし、前記上スラブを天井板とし、前記第1排気管が連結される第1取付口及び前記第2排気管が連結される第2取付口以外の部位が閉塞されていることを特徴とする請求項1に記載のニューマッチックケーソン。
  3. 前記ケーソン躯体には、前記作業室スラブの上方に上スラブが設けられ、前記作業室スラブを床板として前記上スラブを天井板としたスラブ間空間が形成され、前記緩衝空間は、前記スラブ間空間内に着脱可能に設けられた緩衝容器であり、該緩衝容器は、前記第1排気管が連結される第1取付口及び前記第2排気管が連結される第2取付口以外の部位が閉塞されていることを特徴とする請求項1に記載のニューマッチックケーソン。
  4. 前記緩衝空間は、前記ケーソン躯体内で隔壁部によって複数の緩衝区画小部屋に区画され、前記隔壁部には、隣接する前記緩衝区画小部屋同士を連通させる壁貫通口が形成され、高圧空気が、前記壁貫通孔を通過して前記緩衝区画小部屋間を移動する過程で膨張するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載のニューマチックケーソン。
  5. 前記第2排気管には、消音手段が取付けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載のニューマチックケーソン。
  6. 前記ケーソン躯体の上下方向に沿って形成される側壁内には、前記第1排気管及び/又は前記第2排気管が通されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一つに記載のニューマッチックケーソン。
  7. 前記緩衝空間の内壁には、騒音を吸収する吸音材が取付けられたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一つに記載のニューマッチックケーソン。
  8. 前記ケーソン躯体内の前記上スラブ上に荷重水が貯水され、前記第2排気管の先端は、前記ケーソン躯体内に蓄積される前記荷重水内に向けて配設されると共に、折り返されて下方に向けられて形成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一つに記載のニューマチックケーソン。
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