JP4222079B2 - 自動車の車体構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、サイドドアをスライド式とした、いわゆるスライドドアを有する自動車の車体構造が知られている。一般的なスライドドアにおいては、ドア本体の前部上端、前部下端、及び後部における上下方向略中央部に設けられたローラーが、ボデー前後方向に沿ってローラーにそれぞれ対応して設けられたガイドレールに沿って転動することでドア本体を前後方向に摺動させ、ボデー側部に設けられた乗降用の開口部を開放/閉塞するものである。
【0003】
上記の様なスライドドアにおいてドアの下端部を摺動自在に支持する構造として、下記特許文献1に記載のものが知られており、その概略図を図7に示す。この構造においては、ボデーのサイドシルの車外側を構成するサイドシルアウタ40に車体の前後方向に沿って切欠409を形成するとともに、該切欠409の形状に対応するとともに車内側に凹入するブラケット42をサイドシルアウタ40に固定し、ブラケット42内部にドアに設けられたローラーを案内するガイドレール499を取付けたものである。すなわち、ブラケット42の上部と下部のそれぞれが、サイドシルアウタ40に溶接されている。
【0004】
【特許文献1】
実開平04−59513号公報
【0005】
しかしながら上記の構造においては、ブラケット42の上部とサイドシルアウタ40とが相互に溶接されているため、ブラケット42上部とサイドシルアウタ40の切欠409上部に沿って溶接しろを設けておく必要がある。従って、その分スライドドアにより開放/閉塞されるドア開口の下縁が高い位置となり、乗降性上好ましくないものとなっている。また、溶接後には、その部分の防錆処理などを施す必要が生じるため、生産性上も好ましくない。溶接しろを設けずにブラケット42上部とサイドシルアウタ40を突き当てるだけの構成とすることも考えられるが、車体の剛性が低下するという新たな問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、スライドドアを摺動可能に支持する自動車の車体構造において、車体の剛性を確保しつつ、スライドドアにより開放/閉塞されるドア開口の下縁の高さを低くできかつ生産性も向上させることの出来る構造を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を達成するため、本発明にあっては次のような構成としてある。すなわち、本発明の第1の構成は、車体側部に設けられたドア開口部と、前後方向に摺動して該ドア開口部を開放及び閉塞可能なサイドドアと、該サイドドアを前後方向に摺動支持する支持機構とを有する自動車の車体構造であって、上記支持機構が、上記ドア開口部の下縁を規定するサイドシルに設けられたガイドレールと、上記サイドドアに設けられ上記ガイドレールに摺動案内されるローラーとを含むものであり、上記サイドシルが、上記サイドシルの車内側面を規定するサイドシルインナと、該サイドシルインナと接合され上記サイドシルの車外側面を規定するとともに、該車外側面に形成され上記ドア開口部の前縁を規定するピラー下方部分から車体前後方向に沿って後方に延び、上記ローラーの車内方向への挿入を可能とする開口部を有するサイドシルアウタと、上記ローラーを前後方向に摺動案内する上記ガイドレールがその下面に設けられる水平部を有するアッパブラケットと、車外側縁において上記サイドシルアウタの上記開口部の下縁と接合されるとともに、上記開口部から車内側に水平に延びる水平部を有し、上記アッパブラケットと接合されることにより該アッパブラケットとともに車外側が上記開口部を通して車外に臨むよう開放した略箱状のブラケットを構成するロアブラケットと、上記ピラーの内側において該ピラーを補強するピラーレインとからなるものであり、上記アッパブラケットの上記水平部と上記ピラーレインとに接合される連結部材が設けられているものである。
【0008】
上記の構成によれば、ガイドレールの設けられるアッパブラケットが連結部材を介してピラーレインに連結されるため、アッパブラケットをサイドシルアウタにおけるドア開口部をなす部分に接合しなくともアッパブラケットの剛性を確保することが出来る。従って、アッパブラケットとサイドシルアウタとの溶接部分を設ける必要がないため、その分サイドシルの上縁の高さを下げることが出来、乗員の乗降性を高めることが出来る。
【0009】
本発明の第2の構成は、上記アッパブラケットが、該アッパブラケットの車内側縁から下方に延びる垂下部を有しており、上記ロアブラケットが、該ロアブラケットの車内側縁から上方に延び上記アッパブラケットの上記垂下部と接合される立上部を有しており、上記連結部材が下方に延びる延長部を有するとともに該延長部が上記アッパブラケットの上記垂下部に接合されているものである。
【0010】
上記の構成によれば、連結部材とアッパブラケットが上下方向に延びる面同士として互いに接合されるため、アッパブラケットに上下方向の力が作用しても接合部に対してはせん断方向の力となる。従って、連結部材による補強効果を高めることが出来る。また、アッパブラケットとロアブラケットも上下方向に延びる面同士で接合されるため、ブラケットそのものの上下方向の剛性を高いものとすることが出来る。
【0011】
本発明の第3の構成は、上記ロアブラケットの上記立上部における上記連結部材よりも車両後方の部分が、上記サイドシルアウタの上縁及び上記サイドシルインナの上縁との間で一体に接合されているものである。
【0012】
上記の構成によれば、アッパブラケットとロアブラケットとから構成されるブラケット全体としての支持剛性をより高めることが出来る。すなわち、アッパブラケットとロアブラケットとが互いに接合されてブラケットを構成しているとともに、アッパブラケットの前方部分が連結部材を介してピラーレインに支持されかつロアブラケットの連結部材より後方の部分においてはサイドシルアウタ及びサイドシルインナに一体に接合されるためである。
【0013】
本発明の第4の構成は、上記ロアブラケットの車外側縁と、上記サイドシルインナと上記サイドシルアウタとの接合部とを連結する補強部材を有しており、該補強部材が上記アッパブラケットと上記ロアブラケットの前方及び後方に回り込む前方延出部及び後方延出部を有し、上記アッパブラケット及び上記ロアブラケットの各前端がそれぞれ前方に突出して上記前方延出部に接合されているとともに、上記アッパブラケット及び上記ロアブラケットの各後端がそれぞれ後方に突出して上記後方延出部に接合されているものである。
【0014】
上記の構成によれば、アッパブラケット及びロアブラケットがその前後端のそれぞれにおいて補強部材に接合されているため、より一層ブラケットの支持剛性が向上する。
【0015】
本発明の第5の構成は、上記ガイドレールが、車体前方に向かって車内側に湾曲する形状を有しており、上記アッパブラケットの上記水平部及び上記ロアブラケットの上記水平部が上記ガイドレールの湾曲に追従して車内側に拡幅した拡幅部を有しており、上記ロアブラケットの上記水平部における上記拡幅部の下面と上記補強部材とに接合されたガセットが設けられているものである。
【0016】
上記の構成によれば、サイドドア閉塞時の、ドアの上下方向のがたつきを防止し、サイドドアをより安定して摺動させることが出来る。すなわち、サイドドアが閉じた際には、サイドドアに設けられたローラーがガイドレールに沿って前方に転動し、ローラーがロアブラケットの拡幅部上に位置することになるが、ガセットがロアブラケットの拡幅部下面と補強部材に接合されているため、ローラーを介してロアブラケットの拡幅部に加わる荷重に対する補強として機能するためである。
【0017】
本発明の第6の構成は、上記ピラーレインが上記サイドシルに沿って上記ピラーの前方まで延びるとともに、上記サイドシル内において上記ピラーの前方に設けられたサイドシルレインと接合されているものである。
【0018】
上記の構成によれば、サイドシルを補強するサイドシルレインとピラーを補強するピラーレインとが接合されているため、サイドシルとピラーの接続部分付近の剛性を一層高めることが出来る。
【0019】
【発明の効果】
上記の構成によれば、スライドドアを摺動可能に支持する自動車の車体構造において、車体の剛性を確保しつつ、スライドドアにより開放/閉塞されるドア開口の下縁の高さを低くできかつ生産性も向上させることが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図1乃至図6を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本発明の車体構造が適用された自動車Vの斜視図である。車両の側部には、乗員が乗降するためのドア開口部1が設けられているとともに、後で詳述する形態にてスライドしてドア開口部1を開放及び閉塞するサイドドアSDが設けられている。図1は、車両の左側に設けられたドア開口部1とサイドドアSDを示す。車両の右側にも同様のドア開口部1及びサイドドアSDが設けられているが、実質的に左側と対称の構造であるため、以下、左側のものを例に説明を行う。
【0022】
ドア開口部1は、前席乗員用のドア開口部(不図示)及びドアFDの後方に形成されており、Bピラー2、ルーフレール3、サイドシル4、及びリアサイドパネル5により規定されている。具体的には、ルーフレール3が車両Vの前後に亘って車両ルーフの両側部に延びているとともに、サイドシル4が車両Vの前後に亘って車両フロアの両側部に延びている。また、Bピラー2がルーフレール3とサイドシル4を上下に連結しているとともに、リアサイドパネル5がBピラー2から後方に、所定距離すなわちドア開口部1の前後長に相当する長さだけ離間して位置している。それで、ドア開口部1は、サイドドアSDを後方にスライドさせることにより開放され、乗員が車室内における2列目シートより後方の部分に乗車する、或いはそこから降車することが可能となっている。
【0023】
サイドドアSDは、不図示の摺動支持機構により支持される。摺動支持機構は、サイドドアSDの前部上端、前部下端、及び後部における上下方向略中央部にブラケットを介して取付けられたローラーと、車体の前後方向に沿って各ローラーに対応して車体に設けられたガイドレールとからなる。すなわち、ガイドレールは、ローラーに対応して、上部ガイドレール、中央部ガイドレール、及び下部ガイドレール(下部ガイドレールのみ図示符号499を付す)が車体に設けられている。これらのローラー及びガイドレールの配置や具体的な構成については、周知のものであるため、詳細な説明は省略する。
【0024】
上記の様な車体において、下部ガイドレール499は、サイドシル4に沿って配置されている。以下、サイドシル4において下部ガイドレール499が取付けられる部分の車体構造の概略を、図2を参照しながら説明する。
【0025】
図2は、サイドシル4において下部ガイドレール499が取付けられる部分の、概略斜視図である。同図は、車両の組立工程において車体の組立が終了した時点のものを示す。すなわち、サイドドアSDやそれに取付けられるローラー、及びドア開口部1の開口縁に取付けられるトリムなどは図示されていない。
【0026】
上述した様に、車両Vの側部においてフロアに沿って前後方向に、サイドシル4が形成されている。サイドシル4は、主にサイドシルアウタ40とサイドシルインナ41とからなる閉断面により構成されるとともに、サイドシル4の前後方向の所定位置(ドア開口部の前縁を規定する位置)において、上方にBピラー2が延びている。
【0027】
一方、詳細は後述するが、サイドドアSDの下部を支持する摺動支持機構のうち、下部ガイドレール499(図2においては不図示)がサイドシル4内に設けられている。具体的には、サイドシルアウタ40に開口部401が設けられているとともに、開口部401のサイドシル4内側に凹入するブラケット42が設けられていて、ブラケット42の上面内側に下部ガイドレール499が取付けられている。また、図示しないが、サイドドアSD内側の下部ガイドレール499に対応する位置に、車内側に突出する不図示のローラーブラケットを介して上下方向の回動軸周りに転動可能に軸支された第1のローラーと、車幅方向の回動軸周りに転動可能に軸支された第2のローラーが設けられており、ブラケット及びローラーがサイドドアSDを摺動可能に支持するべくサイドシル4の開口部401から車内側に挿入された状態では、第1のローラーが下部ガイドレール499に転動可能に係合しているとともに、第2のローラーがブラケット42下面上を転動するよう構成されている。
【0028】
開口部401及びブラケット42は、Bピラー2の付け根部分からサイドシル4におけるドア開口部1の後縁付近まで形成されている。また、開口部401の前端付近において、ブラケット42はその後端よりも車内側に拡幅されている。すなわち、前方ほどブラケット42の車内側への凹入長さが大きくされていて、下部ガイドレール499が開口部401の前端付近において車内側に湾曲している。図示しない上部ガイドレールも同様にその前端付近が車内側に湾曲する形状を有しており、サイドドアSDは両ガイドレールに沿って摺動することで、最も前部にあるときには車内方向に引込まれてドア開口部1を閉塞し、後方にスライドされるにつれて車外側に変位することでスムーズな摺動が行われる様になっている。なお、ブラケット42の車外側下縁は、サイドシル4内に閉断面を構成してサイドシル4を補強する補強部材43に接合されているが、分かり易さのため、図2においては補強部材43の図示を省略している。
【0029】
次に、サイドシル4において下部ガイドレール499が取付けられる部分の分解図である図3、図2におけるA−A矢視断面図である図4、図2におけるB−B矢視断面図である図5、及び図2におけるC−C矢視断面図である図6を参照しながら、サイドシル4、下部ガイドレール499、及びBピラー2付近の構造を詳細に説明する。
【0030】
サイドシル4の車外側の面は、サイドシルアウタ40により規定される。サイドシルアウタ40は、Bピラー2の付け根部分より若干前方からドア開口部1の後縁付近まで延びている。また、その長手方向に沿って開口部401が形成されている。それで、開口部401が設けられた部分を除いて、図2には不図示のサイドシルインナ41とともに閉断面を構成する。
【0031】
開口部401から車内側に凹入するブラケット42は、その上半分を構成するアッパブラケット420と、下半分を構成するロアブラケット421とからなる。アッパブラケット420は、その下面にローラーを案内する下部ガイドレール499(不図示)が取付けられた水平部420Hと、車内側の縁部から下方に垂下する垂下部420Vとからなる。また、ロアブラケット421は、その上面を第2のローラーが転動する水平部421Hと、水平部421Hの車内側の縁部から上方に延びる立上部421Vとからなる。アッパブラケット420とロアブラケット421は、アッパブラケット420の垂下部420Vとロアブラケット421の立上部421Vとにおいて互いに溶接され、車外側の面が開放して開口部401を通して車外に臨む略箱状の形状となる。また、アッパブラケット420及びロアブラケット421の各水平部420H、421Hは、その前方付近において車内方向に拡幅しており、アッパブラケット420の水平部420H下面に設けられるガイドレール499は、その拡幅形状に沿って車内側に湾曲して設けられている。ブラケット42は、本実施形態の様にアッパブラケット420とロアブラケット421との2つの部品から構成せず、一部品として構成することも出来るが、二部品から構成した方がガイドレール499の取付け作業が複雑にならずに済む。
【0032】
アッパブラケット420及びロアブラケット421の車外側縁部においてその前端及び後端に、前方及び後方にそれぞれ突出する前方突出部420F、421F及び後方突出部420R、421Rが設けられており、アッパブラケット420とロアブラケット421は、それらの前方突出部420F、421F同士、及び後方突出部420R、421R同士においても互いに接合されている。また、ロアブラケット421の車外側縁は、その全体に亘り補強部材43と接合されている。補強部材43には前方及び後方に延出する前方延出部43F及び後方延出部43Rが形成されており、アッパブラケット420とロアブラケット421の両前方突出部420F、421F及び両後方突出部420R、421Rとそれぞれ一体に接合されている。これにより、ブラケット42が強固に支持される。この補強部材43については、後で詳述する。アッパブラケット420は、ドア開口部1が形成されている部分においてはサイドシルアウタ40には接合されない。その分、サイドシルアウタ40におけるドア開口部1の下縁をなす部分とアッパブラケット420の間隔が小さくなっており、ドア開口部1の下縁の高さを下げることに寄与している。ただし、アッパブラケット420の上下方向の剛性が小さくなるため、アッパブラケット420は剛性確保のために別途連結部材44を介してピラーレイン20に接続される。この構造については、後で詳述する。
【0033】
一方、サイドシルアウタ40におけるBピラー2との接続部分の車内側において、サイドシルアウタ40からBピラー2部分に跨ってサイドシル4からBピラー2にかけての部分を補強するためのピラーレイン20が設けられている。ピラーレイン20は、Bピラー2としての閉断面の一部をなすものであり、Bピラー2の補強として作用する。また、サイドシルアウタ40の車内側でBピラー2の前方部分においてはサイドシル4を補強するためのサイドシルレイン45が設けられている。ピラーレイン20とサイドシルレイン45はともに、サイドシルアウタ40に形成された開口部401、すなわちアッパブラケット420及びロアブラケット421により構成される略箱状の凹入部を回避しつつ、車両前後方向でアッパブラケット420及びロアブラケット421とラップする形状とされている。また、サイドシルレイン45はピラーレイン20よりも車内側にあり、サイドシルレイン45とピラーレイン20が重複する部分においては車外側から順にサイドシルアウタ40、ピラーレイン20、サイドシルレイン45、の順番で重合されている。すなわち、ピラーレイン20とサイドシルレイン45とが互いに接合されており、サイドシル40の曲げ方向に対する剛性の向上に寄与している。
【0034】
アッパブラケット420は上述の様に、その上下方向の剛性確保のため、連結部材44を介してピラーレイン20に接続される。連結部材44は、ピラーレイン20の下部における車両後方部分に沿う形状とされていてその上下方向の面のほぼ全体に亘ってピラーレイン20に接合されるとともに、その下部においてフランジ441を介してアッパブラケット420の水平部420Hの上面に接合される。更に、連結部材44の下部には下方に延長された延長部440が形成されており、アッパブラケット420の垂下部420Vに接合される。それで、車体が組立てられた状態においては、連結部材44は、ほぼ全面に亘ってピラーレイン20に接合され、下部のフランジ441においてアッパブラケット420の水平部420Hの上面に接合され、かつ延長部440においてアッパブラケット420の垂下部420Vに接合されることになる。この様に設けられる連結部材44により、アッパブラケット420がピラーレイン20に間接的に接続されることになり、アッパブラケット420の上下方向の剛性が確保されている。特に、連結部材44の延長部440とアッパブラケット420の垂下部420V、及び連結部材44とピラーレイン20は、ともに上下方向に延びている面同士として接合されるため、上下方向の力はせん断力として作用することになり、より剛性を高めるのに寄与している。
【0035】
また、アッパブラケット420の車外側縁部におけるピラーレイン20とラップする部分には、上方に延びるフランジ420Eが形成されており、サイドシルレイン45を介してピラーレイン20に接合される。具体的には、サイドシルアウタ40、ピラーレイン20、サイドシルレイン45の重合部分における、サイドシルレイン45の更に車内側において、サイドシルアウタ40、ピラーレイン20、及びサイドシルレイン45とともに重合して接合されている。この接合部分も同様に上下方向の力に対してせん断として作用するため、アッパブラケット420の上下方向の剛性向上に寄与している。従って、アッパブラケット420はその前方部分においては、連結部材44及びフランジ420Eを介してピラーレイン20に接合されていることになる。
【0036】
ロアブラケット421は上述の様に、補強部材43に接合される。補強部材43はサイドシル4の長手方向に沿って折曲成形さており、サイドシル4の曲げに対して補強として機能するものである。補強部材43は、その上縁がロアブラケット421の車外側縁部に接合されるとともに、その下縁が不図示のサイドシルインナ41及びサイドシルアウタ40それぞれの下縁のフランジに挟まれた状態で一体に接合される。
【0037】
また、ロアブラケット421の立上部421Vの後方部分は、上方に延長されて延長部421Eを形成しており、サイドシルインナ41及びサイドシルアウタ40それぞれの上縁のフランジに挟まれた状態で一体に接合される。従って、ブラケット42の支持剛性、特に上下方向の支持剛性が高められている。
【0038】
更に、ロアブラケット421の拡幅部の下面には、ガセット46が設けられている。ガセット46は、ロアブラケット421の拡幅部における立上部421Vから水平部421Hにかけて接合されるとともに補強部材43にも接合されている。このガセット46により、ロアブラケット421の上下方向の剛性及びブラケット42に支持剛性が確保される。そのため、ロアブラケット421の水平部421Hの拡幅部上面を第2のローラーが転動する際のサイドドアSDのがたつきを防止するとともに、サイドドアSDを安定して摺動させることが出来る。
【0039】
ピラーレイン20の車内側には、Bピラーインナ21が設けられて、サイドシルアウタ40のBピラー部分とともにサイドシル4から上方に延びる閉断面を形成している。
【0040】
それで、各部材が組立てられた状態における図2のA−A部分の断面は図4に示す様になる。すなわち、サイドシルインナ41とサイドシルアウタ40によりサイドシル4の外郭が構成される。サイドシルアウタ40とサイドシルインナ41の上縁及び下縁にはそれぞれフランジが形成されていて、それら同士を接合することにより閉断面が構成されている。
【0041】
サイドシルアウタ40とサイドシルインナ41の各上縁の間には、ロアブラケット421の延長部421Eが挟まれており、その状態で一体に接合されている。また、ロアブラケット421の立上部421Vの車内側の面には、アッパブラケット420の垂下部420Vが接合されている。アッパブラケット420は上述の様に、サイドシル4におけるドア開口部1が形成された部分においてはサイドシルアウタ40には接合されていない。一方、ロアブラケット421の下縁は、サイドシルアウタ40の開口部401の下縁に、補強部材43とともに一体に接合されている。
【0042】
補強部材43は、ロアブラケット421の車内側でロアブラケット421及びサイドシルアウタ40に接合されている。また、補強部材43の下縁は、サイドシルアウタ40とサイドシルインナ41の下縁同士の間で、サイドシルアウタ40及びサイドシルインナ41とともに一体に接合されている。図示された様に、補強部材43はサイドシルアウタ40とともにサイドシル4の長手方向に延びる閉断面を構成し、サイドシル4の曲げ方向に対する剛性の向上に寄与している。
【0043】
一方各部材が組立てられた状態におけるBピラー2付近の車幅方向断面は、図2のB−B部分に相当する矢視断面図である図5に示すものとなる。すなわち、図5に示される断面の部分では上方にBピラー2が延びているため、サイドシルアウタ40とサイドシルインナ41は、上部においては互いに直接には接合されておらず、ピラーレイン20及びサイドシルレイン45、及びBピラーインナ21を介して接合されている。また、サイドシルアウタ40、ピラーレイン20、及びサイドシルレイン45の接合部には、上述の様にアッパブラケット420が重合して接合されている。
【0044】
図5に示す断面部分においては、アッパブラケット420とロアブラケット421が車内方向に拡幅されている。また、アッパブラケット420の垂下部420Vはロアブラケット421の立上部421Vと接合されている。補強部材43については、図4に示すのとほぼ同じ断面形状であり、図4に示す状態と同様に上縁においてロアブラケット421及びサイドシルアウタ40と接合されているとともに、下縁においてサイドシルアウタ40とサイドシルインナ41との間で両者と一体に接合されている。
【0045】
Bピラー2の付け根付近の水平方向の断面は、図6に示す様になる。すなわち、最も車外側に位置するサイドシルアウタ40の内側面にピラーレイン20が接合されており、ピラーレイン20の内側には連結部材44とサイドシルレイン45が接合される。更にサイドシルレイン45が接合された部分の車内側面には、アッパブラケット420から上方に延びるフランジ420Eが接合される。Bピラー2部分の最も車内側にはピラーインナ21が設けられ、サイドシルアウタ40のBピラー2を形成する部分とともに上下方向に延びる閉断面を実質的に構成している。
【0046】
以上、本発明を好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでも無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車体構造が適用された自動車Vの概略斜視図である。
【図2】サイドシルにおいて下部ガイドレールが取付けられる部分の概略斜視図である。
【図3】サイドシルにおいて下部ガイドレールが取付けられる部分の分解図である。
【図4】図2におけるA−A矢視断面図である。
【図5】図2におけるB−B矢視断面図である。
【図6】図2におけるC−C矢視断面図である。
【図7】スライドドア用ガイドレールが設けられたサイドシルの、従来構造の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
V 自動車
1 ドア開口部
SD サイドドア
2 Bピラー(ピラー)
20 ピラーレイン
4 サイドシル
40 サイドシルアウタ
401 開口部
41 サイドシルインナ
42 ブラケット
420 アッパブラケット
420H 水平部
420V 垂下部
421 ロアブラケット
421H 水平部
421V 立上部
43 補強部材
43F 前方延出部
43R 後方延出部
44 連結部材
440 延長部
45 サイドシルレイン
46 ガセット
499 下部ガイドレール(支持機構)

Claims (6)

  1. 車体側部に設けられたドア開口部と、前後方向に摺動して該ドア開口部を開放及び閉塞可能なサイドドアと、該サイドドアを前後方向に摺動支持する支持機構とを有する自動車の車体構造であって、
    上記支持機構が、上記ドア開口部の下縁を規定するサイドシルに設けられたガイドレールと、上記サイドドアに設けられ上記ガイドレールに摺動案内されるローラーとを含むものであり、
    上記サイドシルが、
    上記サイドシルの車内側面を規定するサイドシルインナと、
    該サイドシルインナと接合され上記サイドシルの車外側面を規定するとともに、該車外側面に形成され上記ドア開口部の前縁を規定するピラー下方部分から車体前後方向に沿って後方に延び、上記ローラーの車内方向への挿入を可能とする開口部を有するサイドシルアウタと、
    上記ローラーを前後方向に摺動案内する上記ガイドレールがその下面に設けられる水平部を有するアッパブラケットと、
    車外側縁において上記サイドシルアウタの上記開口部の下縁と接合されるとともに、上記開口部から車内側に水平に延びる水平部を有し、上記アッパブラケットと接合されることにより該アッパブラケットとともに車外側が上記開口部を通して車外に臨むよう開放した略箱状のブラケットを構成するロアブラケットと、
    上記ピラーの内側において該ピラーを補強するピラーレインとからなるものであり、
    上記アッパブラケットの上記水平部と上記ピラーレインとに接合される連結部材が設けられていることを特徴とする、自動車の車体構造。
  2. 上記アッパブラケットが、該アッパブラケットの車内側縁から下方に延びる垂下部を有しており、
    上記ロアブラケットが、該ロアブラケットの車内側縁から上方に延び上記アッパブラケットの上記垂下部と接合される立上部を有しており、
    上記連結部材が下方に延びる延長部を有するとともに該延長部が上記アッパブラケットの上記垂下部に接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
  3. 上記ロアブラケットの上記立上部における上記連結部材よりも車両後方の部分が、上記サイドシルアウタの上縁及び上記サイドシルインナの上縁との間で一体に接合されていることを特徴とする、請求項2に記載の自動車の車体構造。
  4. 上記ロアブラケットの車外側縁と、上記サイドシルインナと上記サイドシルアウタとの接合部とを連結する補強部材を有しており、
    該補強部材が上記アッパブラケットと上記ロアブラケットの前方及び後方に回り込む前方延出部及び後方延出部を有し、上記アッパブラケット及び上記ロアブラケットの各前端がそれぞれ前方に突出して上記前方延出部に接合されているとともに、上記アッパブラケット及び上記ロアブラケットの各後端がそれぞれ後方に突出して上記後方延出部に接合されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の自動車の車体構造。
  5. 上記ガイドレールが、車体前方に向かって車内側に湾曲する形状を有しており、
    上記アッパブラケットの上記水平部及び上記ロアブラケットの上記水平部が上記ガイドレールの湾曲に追従して車内側に拡幅した拡幅部を有しており、
    上記ロアブラケットの上記水平部における上記拡幅部の下面と上記補強部材とに接合されたガセットが設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の自動車の車体構造。
  6. 上記ピラーレインが上記サイドシルに沿って上記ピラーの前方まで延びるとともに、上記サイドシル内において上記ピラーの前方に設けられたサイドシルレインと接合されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の自動車の車体構造。
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