JP4221636B2 - リチウムイオン二次電池の充電方法および充電装置 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の充電方法および充電装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば携帯用電子機器などに用いられるリチウムイオン二次電池の充電方法および充電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン二次電池は、家庭用ビデオカメラ、携帯電話、ノート型パソコンなどの携帯可能な電子機器用などに好適な携帯用電源であり、Ni−Cd(ニッケル・カドミウム)二次電池やNi−MH(ニッケル・水素)二次電池に代るものとして、広く利用されるようになって来ている。
【0003】
特に近年のLiCoO2 あるいはLiMn2 4 を用いたリチウムイオン二次電池や、ポリマー型リチウムイオン二次電池は、Ni−Cd二次電池等と比較して、充電密度が高く軽量で放電容量が大きいこと、サイクルライフも例えば1000回以上と長いこと、メモリー効果がほとんどなく、その点に関してNi−Cd二次電池のような充・放電管理上の煩雑さがないこと、自然放電が少ないので長期に亘って確実に定格出力を保つことができることなど、種々の特長を備えている。
【0004】
例えば、同じ単3型で、Ni−Cd二次電池と、Ni−MH二次電池と、リチウムイオン二次電池との放電電力量を比較すると、リチウムイオン二次電池が最も優れた性能を備えていると言える。すなわち、Ni−Cd二次電池は、定格電圧1.2[V]、放電容量500〜700[mAh]、放電電力量600〜840[mWh]である。また、Ni−MH二次電池は、定格電圧1.2[V]、放電容量1000〜1200[mAh]で、放電電力量1200〜1440[mWh]である。一方、リチウムイオン二次電池は、放電容量が500[mAh]であるが、定格電圧が3.6[V]であるから、その放電電力量は1800[mWh]となり、実質的にNi−MH二次電池よりもさらに大容量なものとなっている。また、3.6[V]の電圧をNi−Cd二次電池で達成するためには、3セルのNi−Cd二次電池を直列に接続することが必要となるが、これは、3つのNi−Cd二次電池の内部抵抗を直列に接続したことになるので、その内部抵抗に起因して、出力電圧の損失が大きくなってしまうことから、この点でもリチウムイオン二次電池には優位性がある。
【0005】
しかも、リチウムイオン二次電池は、Ni−Cd二次電池などよりも大きな容量を、Ni−Cd二次電池の約半分の重量で達成することができるので、軽量でかつ長時間連続使用可能であることが強く望まれる携帯用電子機器等に用いられる二次電池として、極めて有望なものである。例えば、一例として、家庭用ビデオカメラに用いられるNi−MH二次電池とリチウムイオン二次電池とを比較すると、電力量18000[mWh](3000[mAh]で6[V])のNi−MH二次電池の場合、重量が約350[g]であり、かなり重いのに対して、同じ電力量18000[mWh](2500[mAh]で7.2[V])のリチウムイオン二次電池の場合には約180[g]でNi−MH二次電池の重量の約半分となっており、極めて軽量である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のリチウムイオン二次電池の充電方法では、通常充電で8時間程度、急速充電でも(最短でも)1時間から3時間程度と、長い充電時間を要するものとなっており、1時間未満や10〜20分間程度など、短時間での充電ができなかった。すなわち、過大な電圧または過大な電流での充電は、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を著しく低下させることから、充電電圧を所定の定格充電電圧以下の電圧に保つと共に、0.3C〜1C (Cは定格放電容量値)程度の定電流によって充電していたので、最短でも1時間から3時間程度の充電時間を要していた。
【0007】
このため、例えば携帯用電子機器に用いられているリチウムイオン二次電池を出力電圧がカット・オフ(cut off )に達するまで放電させた場合、充電して携帯用電子機器が再び使用可能になるまでには、ユーザーは少くとも1時間から3時間程度もの充電時間を待たされざるを得ないものとなっていた。
【0008】
このような充電時間の点では、Ni−Cd二次電池やNi−MH二次電池の場合、いわゆるデルタピークカット(Δ-peak-cut )法と呼ばれるような超急速充電方法が行われており、例えば2400[mAh]のような大容量のセルを10分〜20分程度の短時間で充電することも可能となっている。Ni−Cd二次電池や、それとの互換性を本来考慮して開発されたNi−MH二次電池を急速充電する場合には、そのサイクル特性を低下させるようなダメージを与えないように、例えば定格電圧の1.5倍程度の充電電圧を脈流状に印加して行き、セルの端子間電圧が上昇から低下あるいは停滞に転じると、それを検知し、満充電に達したものとして充電を完了する。これが一般に「Δピーク」と呼ばれる所以である。Ni−Cd二次電池やNi−MH二次電池では、このような超急速充電方法によって、サイクル特性の著しい低下を引き起こすことなく、大容量のセルを10分〜20分程度の短時間で充電することが可能である。
【0009】
Ni−Cd二次電池の場合、充電の際に正極、負極で化学反応が起こって活物質が変化し、過充電に至ると水が分解されるが、このとき正極活物質よりも負極活物質が多いと正極から酸素ガスが発生して負極で吸収されるので、その際にセル電圧が上昇から低下へと転じる(−Δ[V]が生じる)こととなる。従って、これを検出することにより、過充電に至ることなく超急速充電を行うことができる。また、Ni−MH二次電池の場合には、過充電時の温度上昇等に伴ってセル電圧が上昇から停滞へと転じる(Δ>0[V]からΔ=0[V]になる)ので、これを検出することにより、過充電に至ることなく超急速充電を行うことができる。
【0010】
これに対し、リチウムイオン二次電池では、可動イオンが正極と負極とを行き来する際の酸化還元反応によって充・放電が行われるので、Ni−Cd二次電池やNi−MH二次電池の場合のような充・放電作用とはその電気化学的作用が根本的に異なっている。従って、それらNi−Cd二次電池やNi−MH二次電池の充電方法をリチウムイオン二次電池に適用することはできない。このため、リチウムイオン二次電池の場合には、一般に、充電電圧が一定になるまでは0.3C〜1C程度の定電流で充電し、その後は定電圧で充電して負極に可能な限りリチウムイオンを挿入することにより、充電量を可能な限り高くするようにしている。なお、定電圧充電の期間中は充電電流が徐々に減少する。
【0011】
リチウムイオン二次電池の場合には、サイクル特性を低下させることなく1時間未満の超急速充電を行う手法が確立されていなかったので、一旦カットオフ電圧に達するまで放電した後に、充電して使用再開することができるまでには、少なくとも1〜3時間の待ち時間が必要であり、この充電時間の点でNi−Cd二次電池やNi−MH二次電池よりも不利なものとなっているという問題があった。
【0012】
また、そのような充電時間が長いという不都合を克服するために、例えば非常用の電源としてアルカリ乾電池のような一次電池をリチウムイオン二次電池の代りに用意しておくといった手法も提案されている。しかし、これはリチウムイオン二次電池の急速充電を可能にするという根本的な対策ではないため、リチウムイオン二次電池とは別に重量がかさむ一次電池が必要となり、大容量の放電が可能でかつ軽量であるというリチウムイオン二次電池の特長を生かすことができないという新たな不都合が生じてしまうこととなる。
【0013】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、リチウムイオン二次電池を充電するにあたり、サイクル特性の著しい低下を引き起こすことなく、1時間未満あるいは10〜20分間などの短時間で超急速充電を行うことを可能とするリチウムイオン二次電池の充電方法および充電装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によるリチウムイオン二次電池の充電方法は、リチウムイオン二次電池を充電するにあたり、そのリチウムイオン二次電池の端子間電圧を検出すると共に、端子間電圧に基づいて内部電気量を演算する工程と、内部電気量がリチウムイオン二次電池の最大充電容量の49%未満の場合には、リチウムイオン二次電池の公称容量を超えた電流値に充電電流を制御しながら、そのリチウムイオン二次電池の最大充電容量の49%までの電気量を充電する工程と、内部電気量が最大充電容量の49%以上の場合には、それ以上の電気量の充電を、充電電流を公称容量以内の電流値に制御しながら行うと共に、内部電気量が最大充電容量以上になると、充電を終了させる工程とを含むものである。
【0015】
また、本発明によるリチウムイオン二次電池の充電装置は、充電対象のリチウムイオン二次電池に充電電流を供給して充電を行う充電装置であって、リチウムイオン二次電池の端子間電圧を検出すると共に、端子間電圧に基づいてリチウムイオン二次電池の内部電気量を演算する電池内電気量検出手段と、内部電気量がリチウムイオン二次電池の最大充電容量の49%未満の場合には、充電電流を、リチウムイオン二次電池の公称容量を超えた電流値に制御し、内部電気量が最大充電容量の49%以上の場合には、充電電流を公称容量以内の電流値に制御する充電電流制御手段と、内部電気量がリチウムイオン二次電池の最大充電容量の49%未満の場合には、リチウムイオン二次電池の充電を最大充電容量の49%以内に設定された目標充電量まで継続し、内部電気量が最大充電容量の49%以上の場合には、残りの電気量の充電を行い、内部電気量が最大充電容量以上となった場合には、充電を終了する充電量制御手段とを備えたものである。
【0016】
本発明によるリチウムイオン二次電池の充電方法および充電装置では、充電対象のリチウムイオン二次電池における最大充電容量の半分以内の電気量までは、そのリチウムイオン二次電池の公称容量を超えた電流値の充電電流で充電する。すなわち、本発明者らは、最大充電容量の半分以内の電気量までであれば、公称容量を超えた電流値の充電電流で充電しても、そのリチウムイオン二次電池のサイクル特性に著しいダメージを与えないことを、種々の実験等により確認した。従って、公称容量を超えた電流値の充電電流で最大充電容量の半分以内の電気量までを急速に充電して、サイクル特性に著しいダメージを与えることなく充電時間の短縮化を図る。
【0017】
リチウムイオン二次電池は一般に、Ni−Cd二次電池等の約2倍あるいはそれ以上の充電密度を備えているので、本発明による充電方法または充電装置によってリチウムイオン二次電池を最大充電容量の半分以内の電気量まで超急速充電することにより、重量比換算でNi−Cd二次電池等と同等あるいはそれ以上の電気量が充電される。
【0018】
なお、サイクル特性に著しいダメージを与えないようにすることが可能で、かつ充電時間の短縮化を図ることが可能であるような電流値としては、そのリチウムイオン二次電池の公称容量の1倍超ないし3倍の範囲内のいずれかの値に設定することが望ましい。例えば、1.2Cや2Cあるいは2.9Cなどに設定することが可能である。さらに詳細には、充電電流値とサイクル特性の低下との相関関係は、リチウムイオン二次電池の種類や構造の違いごとで異なっているので、要請される急速充電の早さと、そのときにセルに生じることが想定されるダメージ(サイクル特性の低下の程度)とに基づいて、適宜に充電電流値の大きさを設定することが望ましい。
【0019】
また、最大充電容量の半分を超えた電気量の充電については、セルのサイクル特性の低下を回避するために、充電電流を公称容量以内の電流値に制御しながら行う。
【0020】
また、充電電圧は、充電対象のリチウムイオン二次電池の定格充電電圧以内に制御することが望ましい。ただし、充電時間を可能な限り短時間化するためには、充電電圧を定格充電電圧の許容範囲の最大値(以下、最大定格充電電圧と呼ぶ)に設定することが望ましい。
【0021】
本発明の充電方法および充電装置では、正極として一般式:Lix nO2 (但し,nはCo,Ni,Mn,Fe,Al,V,Tiの少なくとも1種を表す。)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物を用い、負極にリチウム・炭素層間化合物あるいは金属リチウム若しくはリチウムとの合金化合物を用い、また、非水電解質としてリチウム塩を有機溶媒に溶解させた非水電解質液や、リチウム塩を高分子化合物に溶解・混合させた固体電解質や、前述の固体電解質に有機溶媒を混合させたゲル状電解質等のポリマー電解質を備えた非水二次電池等を、充電対象とすることが可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の充電装置の概要構成を表したものである。なお、本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の充電方法は、この充電装置の動作あるいは作用によって具現化されるものであるから、以下、それらを併せて説明する。
【0024】
このリチウムイオン二次電池の充電装置は、電池内電気量検出部1と、充電用電源3と、充電電流制御部5と、充電量制御部7と、充電設定部9と、表示部11とを備えている。
【0025】
さらに詳細には、電池内電気量検出部1は、電池電圧検出部13と、電池内電気量演算部15と、第1充電量演算部17と、第1充電目標電気量設定部19とから、その主要部が構成されている。この電池内電気量検出部1は、リチウムイオン二次電池21の内部電気量をその端子間電圧に基づいて検出し、目標充電量に対応して第1充電における追充電量を演算するものである。
【0026】
電池電圧検出部13は、リチウムイオン二次電池の正極と負極との端子間電圧を検出する。その電圧に基づいて、電池内電気量演算部15が、そのときのリチウムイオン二次電池21の内部電気量を演算する。リチウムイオン二次電池では一般に、内部電気量と放電電圧とが、図2に一例を示したように比較的明確な単調減少関数の関係にある。これは他のNi−Cd二次電池などとは異なる特徴である。従って、このようなリチウムイオン二次電池21の一般的な放電特性を生かして、リチウムイオン二次電池21の端子間電圧に基づいて、電池の内部に残存している電気量を実用上十分な正確さで計測することができる。
【0027】
第1充電量演算部17は、電池内電気量演算部15によって演算されたリチウムイオン二次電池21の現状の内部電気量と、第1充電目標電気量設定部19に設定されている目標電気量との差を演算し、その差の電気量を第1充電における追充電量とする。そして充電電流の設定および充電電圧の設定に基づいて、第1充電が完了するまでの所要時間を演算する。また、その所要時間を表示部11の画面(図示省略)に表示する。例えば、リチウムイオン二次電池21の内部電気量が500[mWh]で、第1充電の目標電気量が1000 [mWh]に設定されており、充電電流が5000[mA]に設定されている場合、内部電気量と目標電気量との差は500[mWh]となり、それを5000[mA]の充電電流で充電するのであるから、そのときに要する充電時間は6分間(0.1時間)と演算される。
【0028】
充電用電源3は、例えば家庭用交流電源などの電源23から供給される電源電圧を、充電電圧制御部25によって所定の直流電圧に変換し、その電圧を安定的に充電電圧として出力するものである。その充電電圧の値は、充電電圧設定部29によって設定される。さらに、その充電電圧の設定は、入力部29を介してユーザーが適宜に変更することが可能となっている。
【0029】
充電電流制御部5は、電池内電気量演算部15による演算の結果、リチウムイオン二次電池21の内部電気量がその最大充電容量の半分以下であった場合には、第1充電として、そのリチウムイオン二次電池21の公称容量を超えた電流値に設定された充電電流を制御する。その充電電流の値としては、充電対象のリチウムイオン二次電池21の公称容量の1倍超ないし3倍の範囲内のいずれかの値に設定することが望ましい。その範囲内で、最大充電容量の半分以下の充電を行ってもリチウムイオン二次電池21のサイクル特性に著しいダメージを与えなることがなく、かつ充電時間の短縮化を図ることが可能であるような充電電流値の大きさを、適宜に設定することが望ましい。そのような充電電流値の設定は、あらかじめ推奨値を充電電流設定部31に設定しておいてもよく、あるいは、その推奨値をユーザーが入力部29を介して変更可能としてもよい。
【0030】
充電量制御部7は、第1充電量演算部17によって演算された所要時間に亘って、前述したような公称容量を超えた電流値に設定された充電電流による第1充電を継続する。このようにして半分の充電量まで超急速充電した後、ユーザーは、半分の充電量で構わない場合には、リチウムイオン二次電池21を充電装置から取り外して、例えば携帯用電子機器などに再び装着して利用する。あるいは、さらに充電を継続することをユーザーが所望する場合には、第1充電が完了した後、ユーザーによって入力部29を介して第2充電を開始する命令が入力すると、それに基づいて、充電量制御部7が、定格充電電流(ここでは公称容量と同等)以下の電流値に設定された充電電流で、残りの電気量の充電を行う。また、この充電量制御部7は、充電が進んで、リチウムイオン二次電池21が満充電になると、その満充電状態に対応した所定の最大電圧値が電池内電気量検出部1によってリチウムイオン二次電池21から検出されるので、その最大電圧値の検出に基づいて、満充電(充電が完了したこと)を検知し、第2充電を終了させる。
【0031】
なお、このような電池電圧検出部13によって検出されるリチウムイオン二次電池21の電圧値に基づいて第2充電を停止するタイミングを判定する場合には、充電装置を時分割駆動するなどして、充電電圧を印加するデューティと、リチウムイオン二次電池21自体の無負荷状態での端子間電圧を電池電圧検出部13によって検出するデューティとを、切り替えなければならないので、充電装置の動作が繁雑なものとなることがある。そこで、電池電圧に基づいてリチウムイオン二次電池21の内部電気量を判定する手法の他にも、例えば、残りの電気量を満充電するまでに必要な所要充電時間を算出し、その所要充電時間に亘って第2充電を継続し、その所要充電時間が経過した後は、第2充電を終了するというように、第1充電の場合と同様に充電を時間的に制御するようにしてもよい。また、第1充電と第2充電との間に充電休止時間を設けることもできる。これは、制御部に予め設定することで実現され、電池性能を劣化させることもない。
【0032】
次に、この充電装置による充電動作について説明する。図3は、本発明の一実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の充電装置による第1充電の動作の概要を表したものである。
【0033】
まず、充電対象のリチウムイオン二次電池21が充電装置に接続されると、電池電圧検出部13が、そのリチウムイオン二次電池21の無負荷時の放電電圧(正極と負極との端子間電圧)を検出する(S1)。続いて、検出された放電電圧と内部電気量との相関関係に基づいて、放電電圧の値に対応したリチウムイオン二次電池21の内部電気量を演算し(S2)、その値を表示部11に表示する(S3)。
【0034】
ここで、リチウムイオン二次電池21の内部電気量が最大充電容量の半分以上の場合には(S4のN)第1充電を行わないか、または第2充電に移行する。一般に、充電装置に二次電池が装着されるのは、放電電圧がカットオフ電圧未満となったとき、換言すれば残留電気量が残り少ない状態となったときがほとんどであるから、通常はリチウムイオン二次電池21の内部電気量が最大充電容量の半分未満となっている場合が多い。このようにリチウムイオン二次電池21の内部電気量が最大充電容量の半分未満の場合には(S4のY)、第1充電量演算部17が、第1充電の際の目標値として最大充電容量の半分までの値に設定されている目標電気量とリチウムイオン二次電池21の現状の内部電気量との差を演算し(S5)、その差の電気量を第1充電の際に必要な追充電量とし、その追充電量と、充電電流および充電電圧の設定とに基づいて、第1充電が完了するまでの所要時間を演算する(S6)。また、その第1充電所要時間を表示部11の画面に表示する(S7)。
【0035】
続いて、上記のようにして演算された第1充電の所要時間に亘って、定格充電電流を超えた電流値にあらかじめ設定された充電電流による充電を行う(S8〜S9のNの繰り返し)。その第1充電所要時間が経過すると(S9のY)、充電量制御部7は、目標電気量までの充電が完了したものとして第1充電を停止する(S10)。また、その第1充電が完了した旨を表示部11が表示する(S11)。
【0036】
このようにして第1充電による超急速充電が完了して、最大充電容量の半分以下の電気量が充電された状態のリチウムイオン二次電池21は、ユーザーが所望する場合には(S12のN)、充電装置から取り外されるなどして、再び携帯用電子機器などに装着されて利用される。
【0037】
あるいは、さらに残り半分の電気量も充電して満充電状態にすることをユーザーが所望する場合には(S12のY)、図4に示したように、定格充電電流以下の電流値による第2充電を行う(S13)。その第2充電の続行中は、所定の周期ごとに(S14のY)、充電電圧ではないリチウムイオン二次電池21自体の無負荷状態の電圧を検出する(S15)。その電圧に基づいて、電池内電気量演算部15が、その検出時点ごとのリチウムイオン二次電池21の充電量を算出する(S16)。
【0038】
充電量制御部7は、算出された充電量を最大充電容量と比較し、内部電気量が最大充電容量未満の場合には(S17のN)第2充電を継続する。しかし内部電気量が最大充電容量以上となった場合には(S17のY)、満充電が完了したものとして第2充電を停止し(S18)、その旨を表示部11の画面に表示する(S19)。
【0039】
上記のような本実施の形態に係る充電方法における充電電流および充電電圧ならびに充電量(充電された内部電気量)の時間的な変化は、例えば図5,図6に一例を示したようなものとなる。なお、図中では、充電電流を実線で示し、充電電圧を点線で示している(以下、このようなグラフでは同様に表現している)。ここに示した一例では、公称電圧3.7[V]、公称容量650[mAh]のポリマー型リチウムイオン二次電池21を、公称容量の約2.9倍(約2.9C)の充電電流である1900[mA]で10分間の第1充電を行って、最大充電容量の約49%の電気量である317[mAh]まで超急速充電し、その後、定格放電容量未満の500[mA]の電流で2.5時間に亘って第2充電を行った結果を示したものである。なお、この図5および図6に示した一例では、制御の繁雑化を避けるために、所要充電時間としてあらかじめ一律に定めた2.5時間に亘って第2充電を継続して行うものとした。
【0040】
1900[mA]の定電流で充電を開始すると、充電電圧は急峻に4[V]以上に達し、それからさらに上昇して、10分後には最大定格電圧の約4.2[V]になる。この間、電流値はほとんど1900[mA]に保たれており、約300[mAh]の電気量が超急速充電される。これは、従来の一般的な0.3C〜1C程度の充電電流によって同じ300[mAh]の電気量を充電するための必要充電時間30分〜1時間30分と比較して、極めて短時間なものとなっている。
【0041】
このような第1充電の所要時間である約10分が経過すると、第1充電と同じく4.2 [V]の充電電圧で、500[mA]の充電電流による第2充電を開始する。充電電流は、この第2充電を開始してから約30分間は、500[mA]でほぼ一定に保たれる。それ以降は減少して行く。充電を開始してから約120分後には、ほぼ0[mA]となり、実質的に満充電に達して、第2充電が終了する。一方、充電電圧は、第2充電の開始直後には充電電流の変更に伴って4.2[V]から約4.0[V]に低下するが、その後の約30分間は徐々に上昇し、その30分間が経過した後は4.2[V]に達して、それ以降は変化することなく、ほぼ一定となる。このような第2充電によって、第1充電の残りの電気量をほぼ完全に充電することができる。この一例では、第2充電によって満充電を行うために実質的に要する時間は約110分間である。従って、第1充電を開始してから満充電に達するまでの時間は合計120分間となっている。
【0042】
このような第1充電および第2充電によってリチウムイオン二次電池21の内部に蓄積される電気量の推移は図6に示したようなものとなる。最初の10分間の第1充電によって、最大充電容量の約49%である300[mAh]程度を充電することができる。この約10分間の第1充電が完了した時点でも、リチウムイオン二次電池21には最大充電容量(満充電量)の約半分の電気量が充電されているので、ユーザーは、そのような満充電の約半分の電気量に対応した動作継続時間での使用で済むのであれば、この約10分程度の超急速充電による第1充電で一旦充電を終了し、そのリチウムイオン二次電池21を用いた携帯型電子機器の使用を再び開始することができる。リチウムイオン二次電池は一般に、重量比換算でNi−Cd二次電池等の約2倍の最大充電容量を備えている。従って、第1充電によってリチウムイオン二次電池21の最大充電容量の半分の電気量を充電した状態であっても、同重量のNi−Cd二次電池等における満充電の電気量と同等の電気量が充電されたことになる。従って、本発明に係る第1充電によれば、リチウムイオン二次電池21の半分の電気量を充電することにより、少なくとも同重量のNi−Cd二次電池等における満充電の電気量と同等の電気量を、10分〜20分程度の極めて短時間で急速に充電することができる。
【0043】
さらに多くの電気量を充電することをユーザーが所望する場合には、第1充電の終了後、第2充電を行うことにより、サイクル特性の低下を引き起こすことなく、さらに多くの電気量を充電することができる。
【0044】
満充電未満の電気量の充電と放電とを繰り返しても、リチウムイオン二次電池21には、いわゆるメモリー効果がないので、そのメモリー効果に起因した充電容量の低下などの不都合が生じることもない。しかも、後述するように、定格充電電流値を超えた電流で最大充電容量の半分までを超急速充電しても、リチウムイオン二次電池21にはサイクル特性の顕著な低下が生じないことが確認されており、上記のような超急速充電を行っても、それに起因したリチウムイオン二次電池のサイクルライフの短命化を回避することができる。
【0045】
次に、公称容量を超えた電流による超急速充電での充電量とサイクル特性の低下との相関関係を確認するために本発明者らが行った実験およびその結果について説明する。
【0046】
まず、この実験を行った時点で8mmビデオカメラ等に利用されている、重量40[g]、直径18[mm]、長さ65[mm]の円筒形状で、負極にリチウム・炭素層間化合物を、正極にLiCoO2 を採用した、形式番号US18650のリチウムイオン二次電池を、本実施の形態に係る充電方法によって充電する実験を行った。公称電圧が3.7[V]、公称容量が1800[mAh]のリチウムイオン二次電池を2サンプル用意し、その各々を充電した。
【0047】
第1充電では、最大充電電圧を4.2[V]に設定すると共に、充電電流を5000[mA](2.78C)に制御しながら、図7に示したように、継続時間を5分間とした場合から13分間とした場合まで、1分刻みに設定を変えて、合計9通りの場合について実験した。また、第2充電では、最大充電電圧を4.2[V]に設定すると共に、充電電流を1000[mA](0.56C)を超えないように制御しながら、3.5時間に亘ってその充電を継続するものとした。このように第1充電および第2充電を設定し、充電と放電とを交互に10サイクル繰り返した後、電池内部での負極表面劣化度合および充電容量の低下を調べた。なお、このときの放電条件は、雰囲気温度23[℃]、放電負荷1.8[W]、カットオフ電圧3.0[V]に設定した。このとき、充電比率(最大充電容量に対する実際上の充電量の比率)は、いずれの充電電流の場合も50%以下となっている。
【0048】
その結果、第1充電を最長の13分間に亘って行った場合でも、負極表面の劣化はなく、また充電容量の低下も一般的な充電方法の場合と同等であり、サイクル特性の低下が生じないことが確認された。
【0049】
次に、第2充電における充電電流をどの程度まで大きな電流にすることができるかを確認する実験を行った。この実験では、まず第1充電を、最大充電電圧4.2[V]、充電電流5000[mA]に制御しながら行って、最大充電容量1800[mAh]の33.4%に相当する約600[mAh]までの電気量を充電した後、第2充電として、充電電流を上記よりも小さい電流値である1200[mA](0.67C)、1400[mA](0.78C)、1600[mA](0.89C)、1800[mA](1C)の4通りに変えて、その各場合ごとに3.5時間に亘る充電を行った。このように第1充電に続いて種々の設定で第2充電を行うものとし、その充電と放電とを交互に10サイクル繰り返した後、電池内部で負極表面劣化度合を調べた。
【0050】
その結果、第2充電の充電電流が1600[mA]の場合までは、いずれも負極表面の劣化は生じていなかった。しかし、1800[mA]の場合には劣化が認められ、サイクル特性の低下が懸念されることが判明した。この結果から、第2充電の際の充電電流は、最大でも1800[mA](1C)未満とすることが望ましく、さらにマージン(安全率)を見込んで1400〜1600[mA]以下の電流値にすることが望ましいことが確認された。
【0051】
次に、上記と同様の構造で寸法が異なる、形式番号US18500のリチウムイオン二次電池を、第1充電および第2充電によって充電する実験を行った。このリチウムイオン二次電池は、公称電圧が3.7[V]、公称容量が1280[mAh]である。
【0052】
この実験では、第1充電を、最大充電電圧4.2[V]、充電電流3500[mA](2.73C)に制御しながら、15分間に亘って行い、それに続いて、第2充電を、充電電流1000[mA](0.78C)以下に制御しながら、3時間に亘って行った。第1充電では、最大充電容量の約47%である600[mAh]までの電気量が急速充電され、その後、残りの約53%である680[mAh]が第2充電によって充電された。そして充電が完了すると、放電条件を雰囲気温度23[℃]、放電負荷1.8[W]、カットオフ電圧3.0[V]に設定して、定格放電を行った。
【0053】
このような充・放電を、200サイクルに亘って繰り返し行って、サイクル回数に対応した放電容量の推移を調べた結果、図8に示したように、充・放電を200サイクルに亘って繰り返しても、放電容量は当初の4.5[Wh]から若干低下しただけで、約4.0[Wh]以上を保つことができることが確認された。このとき、容量保持率としては、図9に示したように、200サイクル経過後でも85〜90%以上に保たれている。これは、一般的な充電方法の場合と同等である。また、負極表面の劣化も見受けられないことが確認された。
【0054】
次に、充電装置の動作の説明でポリマー型の典型的なものとして例示したポリマー型リチウムイオン二次電池について、公称容量を超えた電流による超急速充電での充電量とサイクル特性の低下との相関関係を確認するための実験を行った。
【0055】
この実験では、最大充電電圧を一律に4.2[V]に設定すると共に、最大充電電流を600[mA](0.92C)、800[mA](1.23C)、1000[mA](1.54C)、1300[mA](2.00C)、1600[mA](2.46C)、1900[mA](2.92C)の6通りに変えて、その各場合ごとに、2.5時間に亘って充電を継続して、ポリマー型リチウムイオン二次電池の満充電を行った。このような充電と、それに続いて放電電流250[mA]、カットオフ3.0[V]の放電条件による放電とを、交互に50サイクル繰り返した後、各場合ごとでのサイクル特性の低下を調べた。
【0056】
その結果、図10に示したように、50サイクル経過時の放電容量保持率は、600[mA](0.92C)の場合で97.8%、800[mA](1.23C)の場合で96.9%、1000[mA](1.54C)の場合で93.9%、1300[mA](2C)の場合で88.9%となり、いずれも85%以上となった。しかし、2Cを超えた1600[mA](2.46C)の場合は82.2%、1900[mA](2.92C)の場合は77.3%となり、85%未満となった。また、放電容量および放電容量保持率の50サイクル経過までの推移は、図11および図12に示したようなものとなった。これらの図から、特に1600[mA]、1900[mA]で長時間充電した場合には、サイクル経過に連れて急激に放電容量保持率が低下して行くことが確認された。また、1300[mA]の場合も、放電容量の低減率が大きく、さらに充・放電サイクルを繰り返した後には、大幅に放電容量保持率が低下して行き、例えば100サイクルに至る前に85%を下回ってしまうことなどが想定される。
【0057】
なお、充電時の電池セルの表面の温度については、上記のいずれの場合も、30[℃]〜32.5[℃]となっており、充電時の使用温度範囲内にあることが確認された。
【0058】
このようなサイクル特性の実験結果から、定格充電電流(1C)を超えた電流値で長時間に亘ってポリマー型リチウムイオン二次電池を充電する場合には、特に2C以上の電流値の場合に、放電容量保持率の低下が著しくなることが確認された。そこで、特に1600[mA]および1900[mA]の電流値で超急速充電を行う場合について、上記と同じポリマー型リチウムイオン二次電池を、本実施の形態に係る充電装置を用いて第1充電および第2充電によって充電する実験を行った。
【0059】
この実験では、第1の実験と第2の実験とを行った。第1の実験では、最大充電電圧を4.2[V]に制御すると共に、充電電流を1600[mA]に制御しながら、12分間に亘って第1充電を行った後、最大充電電圧4.2[V]で最大充電電流を500[mA]に制御しながら、2.5時間に亘って第2充電を行うものとした。このような充電と、それに続いて放電電流250[mA]、カットオフ3.0[V]という放電条件による放電とを、交互に50サイクル繰り返した後のサイクル特性の低下を調べた。また、第2の実験では、最大充電電圧を4.2[V]に制御すると共に、充電電流を1900[mA]に制御しながら、10分間に亘って第1充電を行った後、最大充電電圧4.2[V]で最大充電電流を500[mA]に制御しながら、2.5時間に亘って第2充電を行い、その充電に続いて上記同様の放電を交互に50サイクル繰り返して、サイクル特性の低下を調べた。
【0060】
第1の実験では、12分間の第1充電で、公称容量650[mAh]の49%である320[mAh]の電気量が充電され、その後、2.5時間の第2充電で残りの電気量が充電された。その結果、充・放電を50サイクル行った後の放電容量保持率は97.0%となった。このときの充電電圧および充電電流の推移は、図13に示したようなものとなった。充電電流を1600[mA]に制御しながら充電を開始すると、充電電圧は、点線で示したように、急峻に4[V]以上に達し、それからさらに上昇して、12分後には最大定格充電電圧の約4.2[V]になる。この間、電流値は、実線で示したように1600[mA]に保たれている。
【0061】
第1充電の12分が経過すると、4.2[V]の最大定格充電電圧で第2充電が開始されるが、その開始後から約30分の間、充電電流は500[mA]でほぼ一定に保たれ、それ以降は減少して行く。そして充電開始後約120分には、ほぼ0 [mA]となり、実質的に満充電に達して、第2充電が終了する。一方、充電電圧は、第2充電の開始直後には充電電流の変更に伴って4.2[V]から約4.0[V]に一旦低下するが、その後約30分間は徐々に上昇し、4.2[V]に達すると、それ以降は変化することなくほぼ一定で満充電に至る。このときの充電量の推移は、第1充電から第2充電に移行する時刻が10分から12分に変わるだけで、その他は図6に示したような1900[mA]で第1充電を行った場合と同様となっている。
【0062】
第2の実験では、10分間の第1充電で、公称容量650[mAh]の49%である約317[mAh]の電気量が充電され、その後、2.5時間の第2充電で残りの電気量が充電された。その結果、50サイクルの充・放電経過後の放電容量保持率は96.9%となった。このときの充電電圧および充電電流ならびに充電量の推移は、既に図5、図6で説明した通りである。
【0063】
このような第1の実験および第2の実験における放電容量および放電容量保持率の50サイクル経過までの推移は、図15、図16に示したようなものとなり、サイクル特性に著しい低下は生じることがなく、1C以下の電流値で1時間以上の充電時間をかけて充電した場合のそれと同等であることが確認された。
【0064】
以上のように、本実施の形態に係る充電装置を用いて第1充電および第2充電を行う充電方法によれば、充電対象のリチウムイオン二次電池にサイクル特性の著しい低下を生じないようにしながら、充電時間の短縮化を図ることが可能となる。特に、第1充電における充電電流を2C〜3Cの範囲内のいずれかの電流値に設定することにより、定格充電容量の半分までの電気量を10〜15分間程度の短時間で充電することが可能となる。また、その第1充電が完了した段階で充電を終了してもよいが、それに続いて第2充電を行って、残りの電気量を定格充電電流以下の電流で満充電することも可能である。この第2充電を行った場合でも、第1充電における充電時間の短縮化によって、満充電までに要する充電時間を従来よりも大幅に短縮化することが可能となる。
【0065】
なお、本実施の形態に係る充電装置や充電方法は、例えばノートブック型パソコンや家庭用ビデオカメラや携帯電話など、各種の携帯用電子機器に用いられるリチウムイオン二次電池(ポリマー型を含む)の充電に好適なものであるが、それらのみには限定されないことは言うまでもない。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし3のうちいずれかに記載のリチウムイオン二次電池の充電方法または請求項4ないし6のうちいずれかに記載のリチウムイオン二次電池の充電装置によれば、公称容量を超えた電流値の充電電流で最大充電容量の49%の電気量までを充電するようにしたので、充電対象のリチウムイオン二次電池におけるサイクル特性に著しいダメージを与えないようにしながら充電時間の短縮化を図ることが可能となり、最大充電容量の49%以内の電気量を1時間未満あるいは10〜20分間程度で超急速充電することができるという効果を奏する。
【0067】
なお、本発明による充電方法または充電装置によってリチウムイオン二次電池を最大充電容量の49%の電気量まで超急速充電することで、重量比換算でNi−Cd二次電池等と同等あるいはそれ以上の電気量を充電することができるので、本発明によれば、充電時間の短縮化の点でも、Ni−Cd二次電池やNi−MH二次電池等に対してリチウムイオン二次電池を同等あるいはさらに優位なものとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の充電装置の概要構成を示した図である。
【図2】リチウムイオン二次電池における内部電気量と放電電圧との一般的な相関関係を示した図である。
【図3】第1充電による充電動作の概要を示した流れ図である。
【図4】第2充電による充電動作の概要を示した流れ図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る充電方法による充電電流および充電電圧の時間的な変化の一例を示した図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る充電方法による充電量の時間的な変化の一例を示した図である。
【図7】第1充電の継続時間を5分間とした場合から13分間とした場合まで1分刻みに設定を変えて行った実験の概要を示した図である。
【図8】充・放電を200サイクルに亘って繰り返し行って放電容量の推移を調べた結果を示した図である。
【図9】充・放電を200サイクルに亘って繰り返し行って放電容量保持率の推移を調べた結果を示した図である。
【図10】最大充電電流を600[mA]から1900[mA]までの6通りに変えて、ポリマー型リチウムイオン二次電池の満充電を行った実験の概要を示した図である。
【図11】図10に示した実験の結果に確認された放電容量の50サイクル経過までの推移を示した図である。
【図12】図10に示した実験の結果に確認された放電容量保持率の50サイクル経過までの推移を示した図である。
【図13】第1の実験により確認された充電電流および充電電圧の時間的な変化を示した図である。
【図14】第1の実験により確認された充電量の時間的な変化を示した図である。
【図15】第1の実験および第2の実験における放電容量の50サイクル経過までの推移を示した図である。
【図16】第1の実験および第2の実験における放電容量保持率の50サイクル経過までの推移を示した図である。
【符号の説明】
1…電池内電気量検出部、3…充電用電源、5…充電電流制御部、7…充電量制御部、9…充電設定部、11…表示部

Claims (6)

  1. リチウムイオン二次電池を充電するにあたり、
    そのリチウムイオン二次電池の端子間電圧を検出すると共に、前記端子間電圧に基づいて内部電気量を演算する工程と、
    前記内部電気量が前記リチウムイオン二次電池の最大充電容量の49%未満の場合には、前記リチウムイオン二次電池の公称容量を超えた電流値に充電電流を制御しながら、前記リチウムイオン二次電池の最大充電容量の49%までの電気量を充電する工程と、
    前記内部電気量が前記最大充電容量の49%以上の場合には、それ以上の電気量の充電を、充電電流を前記公称容量以内の電流値に制御しながら行うと共に、前記内部電気量が前記最大充電容量以上になると、充電を終了させる工程と
    を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法。
  2. 前記公称容量を超えた電流値を、前記公称容量の1倍超ないし3倍の範囲内のいずれかの値に設定した
    ことを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池の充電方法。
  3. 前記充電電流の制御に加えて、さらに、充電電圧を前記リチウムイオン二次電池の定格充電電圧に制御しながら、前記充電を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池の充電方法。
  4. 充電対象のリチウムイオン二次電池に充電電流を供給して充電を行う充電装置であって、
    前記リチウムイオン二次電池の端子間電圧を検出すると共に、前記端子間電圧に基づいて前記リチウムイオン二次電池の内部電気量を演算する電池内電気量検出手段と、
    前記内部電気量が前記リチウムイオン二次電池の最大充電容量の49%未満の場合には、前記充電電流を、前記リチウムイオン二次電池の公称容量を超えた電流値に制御し、前記内部電気量が前記最大充電容量の49%以上の場合には、前記充電電流を前記公称容量以内の電流値に制御する充電電流制御手段と、
    前記内部電気量が前記最大充電容量の49%未満の場合には、前記リチウムイオン二次電池の充電を前記最大充電容量の49%以内に設定された目標充電量まで継続し、前記内部電気量が前記最大充電容量の49%以上の場合には、残りの電気量の充電を行うと共に、前記内部電気量が前記最大充電容量以上になると、充電を終了する充電量制御手段と
    を備えたことを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電装置。
  5. 前記公称容量を超えた電流値が、前記公称容量の1倍超ないし3倍の範囲内のいずれかの値に設定されている
    ことを特徴とする請求項4記載のリチウムイオン二次電池の充電装置。
  6. 前記充電の際に充電電圧を前記リチウムイオン二次電池の定格充電電圧に制御する充電電圧制御手段を、さらに備えた
    ことを特徴とする請求項4記載のリチウムイオン二次電池の充電装置。
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