JP4221547B2 - レチノイン酸類またはその誘導体を含有する組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製剤への配合性に優れたレチノイン酸類又はその誘導体において、荒れ肌やきめの粗さ、しわ、色素沈着など乾燥や紫外線、活性酸素ならびに老化による皮膚障害、乾癬や苔癬、魚鱗癬、角化症、ダリエ症などの皮膚角化異常症、膿疱症や座瘡、湿疹、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、脱毛症、口腔粘膜の荒れや歯周病などの口腔疾患、ドライアイや網膜剥離、増殖性硝子体網膜症などの眼疾患、口腔乳頭腫や乳頭腫ウイルス関連疾患、消化器潰瘍などの腫瘍、カポジ肉腫などの悪性腫瘍、口腔白斑病や皮膚癌、乳癌、胃癌、白血病などの前癌症状ならびに癌、関節炎や大腸炎、腎炎などの炎症性疾患、紅斑性狼瘡や全身性エリスマトーデス、遅延型過敏症、臓器移植拒絶などの免疫性疾患、脂血症やアテローム性動脈硬化症などの循環器系疾患、子宮内膜過形成や良性前立腺肥大などの非悪性過増殖性疾患、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患、成長ホルモン分泌低下などの下垂体機能異常、創傷、アポトーシス調整異常などに関連する症状または疾患を予防または治療するための外用剤組成物、医薬品組成物または洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】
従来より、レチノイン酸をはじめとするレチノイドには、細胞の増殖と分化の制御、遺伝子発現の制御など多用な生理作用が知られている。今日までの様々な研究から、レチノイドには荒れ肌やきめの粗さ、しわ、色素沈着など乾燥や紫外線、活性酸素ならびに老化による皮膚障害、乾癬や苔癬、魚鱗癬、角化症、ダリエ症などの皮膚角化異常症、膿疱症や座瘡、湿疹、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、脱毛症、口腔粘膜の荒れや歯周病などの口腔疾患、ドライアイや網膜剥離、増殖性硝子体網膜症などの眼疾患、口腔乳頭腫や乳頭腫ウイルス関連疾患、消化器潰瘍などの腫瘍、カポジ肉腫などの悪性腫瘍、口腔白斑病や皮膚癌、乳癌、胃癌、白血病などの前癌症状ならびに癌、関節炎や大腸炎、腎炎などの炎症性疾患、紅斑性狼瘡や全身性エリスマトーデス、遅延型過敏症、臓器移植拒絶などの免疫性疾患、脂血症やアテローム性動脈硬化症などの循環器系疾患、子宮内膜過形成や良性前立腺肥大などの非悪性過増殖性疾患、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患、成長ホルモン分泌低下などの下垂体機能異常、創傷、アポトーシス調整異常などに関連する症状または疾患の予防または治療に効果があることが報告されている(橋本祐一・首藤紘一編「レチノイド」講談社サイエンテフィク、特開昭46−714号公報、特開昭61−275265号公報、特開平1−500190号公報、特開平2−167223号公報、特開平2−268193号公報、特開平4−244076号公報、特開平6−56622号公報、特開平7−505871号公報、特開平8−99821号公報、特開平8−333318号公報、特開平8−506816号公報、特開平9−12538号公報、特表平9−503499号公報、特開平11−335284号公報、特開2000−154150号公報、特開表2000−502707)。
また、レチノイドの作用発現は、レチノイドが細胞の核内に存在するレチノイン酸レセプターを介した遺伝子の転写に起因することも明らかになっている。
しかし、レチノイン酸には強い刺激性や催奇形性などの副作用や水に対する溶解性の悪さから、化粧料や医薬品への応用はごく限られたものでしかなかった。この問題点を解決するために様々なレチノイン酸誘導体やレチノイン酸レセプター作用物質の研究が行われてきた。これらの研究の中には、レチノイドによる刺激緩和を目的にレチノイン酸をアミド化した誘導体の報告もあるが(特開昭46−714号公報)、水溶性が悪いため製品への応用は容易ではなかった。
水溶性を改善するためにレチノイン酸糖エステル(特表平9−503499号公報)やレチノールの配糖体(特開平10−158290号公報)などが提案されているが、前者は加水分解を受け易く、後者は合成法が煩雑であり、ともに実使用には向かないものであった。レチノイン酸の糖アミド誘導体も開示されているが(特開平9−12538号公報および特表平9−509680号公報、米国特許4565863号)、糖の結合部位がアノメリック位のため合成が煩雑となることや、構造中に芳香族環をもつことなどより、いずれも実用化が困難と考えられるものであった。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、アミノ糖類から誘導される特定の基をもつレチノイン酸類又はその誘導体が該レチノイン酸類の細胞賦活化やしわ改善効果などの効果を失うことなく水溶性、安定性ならびに皮膚刺激性において優れていることを見い出した(特願平11−246011号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、レチノイン酸類又はその誘導体(以下、単に「レチノイン酸誘導体」と表わす)において、特に、cis型立体異性体を0.5質量%(以下、単に%と略す)以上を含有することにより製剤への配合性が向上することを特徴とした、荒れ肌やきめの粗さ、しわ、色素沈着など乾燥や紫外線、活性酸素ならびに老化による皮膚障害、乾癬や苔癬、魚鱗癬、角化症、ダリエ症などの皮膚角化異常症、膿疱症や座瘡、湿疹、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、脱毛症、口腔粘膜の荒れや歯周病などの口腔疾患、ドライアイや網膜剥離、増殖性硝子体網膜症などの眼疾患、口腔乳頭腫や乳頭腫ウイルス関連疾患、消化器潰瘍などの腫瘍、カポジ肉腫などの悪性腫瘍、口腔白斑病や皮膚癌、乳癌、胃癌、白血病などの前癌症状ならびに癌、関節炎や大腸炎、腎炎などの炎症性疾患、紅斑性狼瘡や全身性エリスマトーデス、遅延型過敏症、臓器移植拒絶などの免疫性疾患、脂血症やアテローム性動脈硬化症などの循環器系疾患、子宮内膜過形成や良性前立腺肥大などの非悪性過増殖性疾患、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患、成長ホルモン分泌低下などの下垂体機能異常、創傷、アポトーシス調整異常などに関連する症状または疾患を予防または治療するための外用剤組成物、医薬品組成物または洗浄剤組成物に関するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アミノ糖類から誘導される特定の基をもつレチノイン酸誘導体が、水溶性や安定性の向上ばかりでなく、刺激性や催奇形性などの副作用もない化合物であることを見出した。特に、皮膚・頭髪に対する作用について鋭意研究を重ねた結果、紫外線照射モルモットにおける色素沈着改善効果、過酸化水素によるヒト皮膚由来線維芽細胞の酸化障害に対する抗酸化効果、ニキビ患者に対するニキビ治療効果、紫外線照射マウスによる皮膚のきめの粗さならびにしわ改善効果、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)による荒れ肌の改善効果、頭髪の成長促進効果を見い出した。
これらの発見は、本発明のレチノイン酸誘導体がレチノイドの効果を保持したまま、レチノイン酸の副作用や溶解性などの問題点を解決したレチノイン酸に代わる優れた化合物であることを示している。さらに、レチノイン酸誘導体中にcis型立体異性体を0.5%以上含むことによって製剤への配合性に優れた外用剤組成物、医薬品組成物または洗浄剤組成物を見い出し本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。本発明は、式(I)で示されるレチノイン酸誘導体を有効成分として含有し、このレチノイン酸誘導体中に、trans型の他にcis型立体異性体を0.5質量%以上含むことを特徴とする、きめの粗さ改善用外用剤、美白用外用剤、シワ改善用外用剤である。
【0006】
【化2】
式中(I)では、R1はでアノメリック位以外で窒素原子と結合したグルコサミンよりアミノ基を除いたグルコサミン残基、R2は水素原子を示す。
【0007】
式(I)で表わされるレチノイン酸誘導体は、N−レチノイルグルコサミンである。
【0008】
また、レチノイン酸誘導体はそのレチノイド部分のcis型立体異性体を0.5%以上含有すると製剤への溶解性が向上することも明らかとなった。このcis型立体異性体としては、7−cis、9−cis、11−cis、13−cis、7,9−di−cis、9,13−di−cis、11,13−di−cis、7,9,13−tri−cisなどが少なくとも1種以上存在することが挙げられる。
【0009】
本発明の組成物は、必須成分である式(I)で表わされるレチノイン酸誘導体を任意の濃度で配合できるが、通常、0.001〜5%、好ましくは0.005〜2%配合させるのがよい。
【0010】
本発明の組成物には、式(I)のレチノイン酸誘導体の他に、任意の成分、例えば、界面活性剤、油分、アルコール類、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、保湿剤、キレート剤、pH調整剤、紫外線吸収剤・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸、色素、香料、精製水等を配合することができる。
また本発明の組成物は、クリーム、乳液、化粧水、美容液、パック剤、アンダーメークアップ、ファンデーション、ゼリー剤、ボディーソープ、シャンプー、リンス、整髪剤、育毛剤、歯磨、トローチ、台所用洗浄剤、ハンドソープ、洗顔剤、石鹸、拭き掃除用洗浄剤、衣料用洗浄剤、軟膏、点眼剤、錠剤、顆粒剤、注射液などの製品形態として用いることができる。
【0011】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例表中の%は質量%である。
【0012】
[試験例1]美白評価
有色モルモットの背部体毛をバリカン及びシェーバーで剃毛し、1日1回、週4回、合計8回の紫外線を照射することにより、各モルモットの背部に約2.25cm2の範囲の色素沈着を4ヶ所作成した。各レチノイン酸誘導体0.05%を含むエタノール/プロピレングリコール(7:3)溶液30μLを1日1回、週5回の割合で4週間塗布し、色素沈着の変化を目視にて評価した。色素沈着の評価は、著しく改善(◎)、改善(○)、やや改善(△)、不変(×)の4段階で行った。評価結果を表1に示す。なお、レチノイン酸誘導体未添加のものを比較例とした。
【0013】
【表1】
表1の結果より、本発明のレチノイン酸誘導体には優れた美白効果があることがわかった。また、trans型立体異性体100%よりもcis型立体異性体を0.5%含むレチノイン酸誘導体の溶解性が優れていたため、以下の実施例には表1に示したcis体/tarns体=0.5/99.5であるレチノイン酸誘導体を用いた。
【0014】
[試験例2]酸化障害改善試験
ヒト皮膚由来線維芽細胞を用いて、酸化障害改善効果を評価した。線維芽細胞は10%ウシ胎児血清を含むダルベッコ変法培地を用いて、5%CO2存在下、37℃にて培養した。培養4日後にキサンチンとキサンチンオキシダーゼを各々、終濃度100mg/mLと100unit/mLになるように加えて2時間培養した。また、キサンチン、キサンチンオキシダーゼを加えないものをブランクとした。培養後、上記培地にて細胞を洗浄し、種々レチノイン酸誘導体を終濃度1μM添加した上記培地、もしくはコントロールとして未添加の培地に交換、更に1日培養した。線維芽細胞における酸化障害の測定は、プロコラーゲンI型C末端ペプチドに対する抗体を用いて、培養上清中に含まれるI型コラーゲンを指標にELISA法にて行った。各レチノイン酸誘導体による酸化障害の改善率は、コントロールのI型コラーゲン量を0、ブランクのI型コラーゲン量を100としたときの比率で求めた。なお、培養上清を採取後、細胞数をアラマーブルー法にて測定し、上記処理した線維芽細胞の細胞数が減少していないことを確認した。評価結果を表2に示す。
【0015】
【表2】
以上の結果より、本発明のレチノイン酸誘導体には優れた酸化障害改善効果があることがわかった。
【0016】
[試験例3]ニキビ改善評価
種々レチノイン酸誘導体を0.05%配合した下記組成例に示すニキビ用美容液を調製した。対照としてレチノイン酸誘導体未添加の美容液を調製した。
<ニキビ用美容液の組成>
レチノイン酸誘導体 0.05%
POE(40)硬化ひまし油 0.5
カルボキシビニルポリマー(分子量100万〜150万) 0.2
キサンタンガム 0.2
1,3−ブチレングリコール 8.0
エタノール 10.0
クエン酸ナトリウム 0.3
メチルパラベン 0.1
ローズ水 0.5
トリイソプロパノールアミン 0.1
香料 微量
精製水 バランス
計 100.0
ニキビ患者20名を被験者とし、顔面に各美容液を1日数回連続塗布し、1ヶ月後のニキビに対する治療効果を判定した。判定は、著しく改善(◎)、改善(○)、不変(△)、悪化(×)の4段階で行った。判定結果を表3に示す。
【0017】
【表3】
以上の結果より、本発明のレチノイン酸誘導体には優れたニキビ治療効果があることがわかった。
【0018】
[試験例4]きめの粗さ改善試験
1群4匹のヘアレスマウス(hos:HR−1、10週齢、雌)の背部皮膚に紫外線UVBを1日1回40mJ/cm2で週3回、6週間にわたり照射した。照射終了後、マウス背部に種々レチノイン酸誘導体0.05%を含むエタノール/プロピレングリコール(7:3)溶液ならびにエタノール/プロピレングリコール(7:3)溶液100μLを1日1回、週5回の割合で4週間塗布した。試験開始時、UV照射後、ならびに塗布終了後にレプリカ剤(商品名SILFLO;英国FLEXICO DEVELOPMENTS LTD.社製)を用いてマウス背部皮膚のレプリカを採取した。対照として、UV非照射群(4匹)についても同様にレプリカを採取した。各レプリカはマクロレンズで拡大写真を撮影し、その写真を用いて「きめの粗さ」を評価した。きめの粗さは皮溝が3本以上会合する点を1交点とした「きめ交点数」で定義し、レプリカ写真上で1cm×1cmの正方形内に存在するきめ交点数をカウントした。
各群についてきめ交点数の平均点を算出し、きめの改善率を式(2)により算出した評価結果を表4に示した。
表4の結果より、本発明のレチノイン酸誘導体にはきめの粗さを改善する優れた効果があることがわかった。
【0019】
【数1】
【0020】
【表4】
【0021】
[試験例5]しわ改善試験
1群4匹のヘアレスマウス(hos:HR−1、10週齢、雌)の背部皮膚に紫外線UVBを1日1回50mJ/cm2で週5回、10週間にわたり照射した。照射終了後、マウス背部に種々レチノイン酸誘導体0.05%を含むエタノール/プロピレングリコール(7:3)溶液100μLを1日1回、週5回の割合で8週間塗布した。8週間の塗布終了後、しわの程度を目視により判定した。対照として、エタノール/プロピレングリコール(7:3)溶液を塗布したコントロール群についても同様の評価を行った。
評価基準は以下の通りである。
評点0:多数の細かい筋が背部及び横腹にある。細かい筋は頭から尾の方向に走っている。この筋はマウスの動きにより見えたり消えたりする。
評点1:背骨に沿った全ての細かい筋が認められなくなる。わずかな浅い粗いしわが正中線に対して垂直に走っている。このしわはマウスの動きにより見えたり消えたりする。
評点2:全ての細かい筋が認められなくなる。多少粗いしわが正中線に対し垂直に走っている。このしわは固定されており、マウスの動きに依存しない。
評点3:全ての細かい筋が認められない。いくつかの深いしわが正中線に対して垂直に走っている。このしわは固定されており、マウスの動きに依存しない。各固体について0.5単位の評点で評価を行ない、各群について平均点を算出し、しわ改善率を式(3)により算出し、評価結果を表5に示した。
表5の結果より、本発明のレチノイン酸誘導体には優れたしわ改善効果があることがわかった。
【0022】
【数2】
【0023】
【表5】
【0024】
[試験例6]荒れ肌改善試験
ヒト上腕部内側に10%SDS溶液を用いて人工的に荒れ肌を作製し、種々レチノイン酸誘導体を0.05%配合した親水軟膏を1日2回塗布した。塗布3日後の荒れ肌改善度を、角質水分量の変化を指標として判定した。角質水分量はコンダクタンス(μS)として測定されるが、レチノイン酸誘導体未添加の親水軟膏を塗布した時のコンダクタンスを100としたときの相対値を改善度とし評価結果を表6に示した。表6の結果より、本発明のレチノイン酸誘導体には優れた荒れ肌改善効果があることがわかった。
【0025】
【表6】
【0026】
[試験例7]
種々のレチノイン酸誘導体を0.05%配合した下記の組成例に示す育毛ローションを調製し、頭髪の成長促進作用を評価した。なお、レチノイン酸誘導体未配合の組成を比較例とした。
<育毛ローションの組成>
各レチノイン酸誘導体 0.05%
パーム油トコトリエノール 0.5%
ポリビニルピロリドン 1.0%
プロピレングリコール 2.0%
PEO(20)ステアリルアルコールエーテル 1.5%
95%エタノール バランス
計 100.0%
【0027】
<評価方法>
毛周期が休止期にある生後49日齢のC3H/Heslcマウスの背部を、電気バリカン及び電気シェーバーを用い、皮膚を傷つけないように除毛し、1群3匹として実験に供した。翌日より除毛した背部に各レチノイン酸誘導体を配合した育毛ローションを0.1mLずつ、1日1回塗布した。発毛効果は、除毛した面積に対する塗布開始後15日目の発毛面積率を計算し、下記基準により評価した。結果を表7に示した。
<評価基準>
◎:発毛面積率が80%以上
○:発毛面積率が60%以上80%未満
△:発毛面積率が40%以上60%未満
×:発毛面積率が40%未満
表7の結果より、本発明のレチノイン酸誘導体には優れた頭髪成長促進作用があることがわかった。
【0028】
【表7】
【0029】
[実施例1、参考例1〜4]
化粧水の実施例を表8に示す。いずれの化粧水においても、目的とするスキンケア効果について、高い効果が見られた。また、これらを公知の不織布に含浸し、パックとして用いても同様の高い効果が見られた。
【0030】
【表8】
【0031】
[実施例2、参考例5〜8]
化粧ジェルの実施例を表9に示す。いずれの化粧ジェルにおいても、目的とするスキンケア効果について、高い効果が見られた。また、これらを公知の不織布に含浸し、パックとして用いても同様の高い効果が見られた。
【0032】
【表9】
【0033】
[実施例3、参考例9〜12]
化粧乳液の実施例を表10に示す。いずれの化粧乳液においても、目的とするスキンケア効果について、高い効果が見られた。また、これらを公知の不織布に含浸し、パックとして用いても同様の高い効果が見られた。
【0034】
【表10】
【0035】
[参考例13〜17]
化粧クリームの実施例を表11に示す。いずれの化粧クリームにおいても、目的とするスキンケア効果について、高い効果が見られた。
【0036】
【表11】
【0037】
[実施例4]
しわ改善化粧液
【表12】
この実施例4のしわ改善化粧液の外観は微白濁半透明の液体で粒子径は0.005〜0.02μmであった。
【0038】
[参考例18]
抗酸化化粧液
【表13】
この参考例18の抗酸化化粧液の外観は微白濁半透明の粘ちょうな液体で粒子径は0.005〜0.02μmであった。
【0039】
[実施例5]
しわ改善貼付剤
【表14】
実施例5の組成を常法によりニーダーでペースト状になるまで混合し、パック剤基剤を製造した。これを不織布上に均一に塗布し、ポリエチレンフィルムを施して、しわ改善貼付剤とした。
【0040】
[参考例19,20]
ホディソープ
【表15】
【0041】
[参考例21〜24]
シャンプー
【表16】
*1 ライオン化学製 XM−503LN または レオガードGP
または UCC社製 ポリマーJR400
【0042】
[参考例25〜28]
リンス
【表17】
【0043】
[参考例29]
練歯磨
【表18】
【0044】
[参考例30]
練歯磨
【表19】
【0045】
[参考例31]
練歯磨
【表20】
【0046】
[参考例32]
液状歯磨
【表21】
【0047】
[参考例33]
洗口剤
【表22】
【0048】
[参考例34]
マウスウォッシュ
【表23】
【0049】
[参考例35]
トローチ
【表24】
【0050】
[参考例36〜42、比較例1〜3]
台所用洗浄剤
表25に示す処方で台所用洗浄剤を調製し、手肌に対するマイルド性評価(試験例8:洗浄剤モルモット皮膚刺激性試験、試験例9:洗浄剤ヒト肌荒れ試験)を行った。マイルド性の総合評価は、極めてマイルドである(◎)、マイルドである(○)、僅かにマイルドである(△)、マイルドでない(×)の4段階で評価した。その結果を表25に示した。
[試験例8]洗浄剤モルモット皮膚刺激性試験
剃毛したモルモット(ハートレー系、7週齢、雌、N=10)の側腹部に2cm×2cm枠の塗布部位を左右2箇所ずつ設定(4箇所/匹)し、洗浄剤組成物の30%水溶液、及び比較品を各枠に50μLずつ1日1回塗布した。3日間連続塗布後の皮膚刺激スコアを下記の評価基準(ドレイズ法)に従い、判定した。皮膚刺激スコアは紅斑および浮腫の合計点(8点満点)で表した。
<皮膚刺激スコアの評価基準>
[紅斑]
評点
0:紅斑なし
1:紅斑極く弱い
2:紅斑明瞭
3:紅斑中程度〜強度
4:紅斑極めて強度〜結痂
[浮腫]
評点
0:浮腫なし
1:浮腫形成極く軽度
2:浮腫形成軽度
3:浮腫形成中程度
4:浮腫形成強度
【0051】
[試験例9]洗浄剤ヒト肌荒れ試験
洗浄剤組成物の6%水溶液、及び比較品を左右に割り付け、各々に手を37℃、30分間浸漬する操作を1日1回、連続4日間実施した。4日間浸漬終了後の肌荒れ(手荒れ)の程度を下記の評価基準に従い、判定した。試験は健常人20名のパネラーにより行った。
<肌荒れ(手荒れ)スコアの評価基準>
0:肌荒れを認めない
1:僅かな肌荒れを認める
2:肌荒れを認める
3:ややひどい肌荒れを認める
4:ひどい肌荒れを認める
【0052】
【表25】
表25の結果から明かなように、本発明の洗浄剤組成物は手肌に対する刺激性、肌荒れ性が極めて低い、すなわち手肌に対してマイルドな洗浄剤組成物であることがわかった。
【0053】
[参考例43]
濃縮台所用洗浄剤
【表26】
【0054】
[参考例44]
ハンドソープ
【表27】
【0055】
[参考例45]
洗顔剤
【表28】
【0056】
[参考例46]
石鹸
【表29】
【0057】
[参考例47]
拭き掃除用洗浄剤
【表30】
【0058】
[参考例48]
衣料用洗浄剤
【表31】
【0059】
[参考例49]
養毛剤
【表32】
【0060】
[参考例50]
育毛スプレー
【表33】
【0061】
[参考例51]
育毛トニック
【表34】
【0062】
[参考例52]
育毛ヘアローション
【表35】
【0063】
[参考例53]
育毛ヘアローション
【表36】
【0064】
[参考例54]
育毛シャンプー
【表37】
【0065】
[参考例55]
育毛リンス
【表38】
【0066】
[参考例56]
養毛クリーム
【表39】
上記処方物A,Bを70℃でそれぞれ溶解し、BにAを加えて均一に乳化した。更に冷却しながらCを加えて育毛クリームを調製した。
【0067】
[参考例57]
育毛料
【表40】
【0068】
[参考例58]
育毛ヘアリキッド
【表41】
【0069】
[参考例59〜63]
育毛料
【表42】
【0070】
[参考例64〜68]
育毛料
【表43】
【0071】
[参考例69,70]
育毛料
【表44】
【0072】
[参考例71〜74]
軟膏
【表45】
【0073】
[参考例75〜77]
点眼剤
【表46】
【0074】
[参考例78〜80]
内服剤:散剤(1包1g)
【表47】
【0075】
[参考例81〜83]
内服剤:顆粒剤(1包1.5g)
【表48】
腸溶性フィルムコーティング顆粒は、例えば、参考例81〜83などの顆粒にコーティング液(HP−55 10.7%、グリセリン脂肪酸エステル 2.3%、タルク 5.0%、エタノール 38.0%、ジクロルメタン 44.0%)をスプレーコーティングして調製した。
【0076】
[参考例84〜86]
内服剤:錠剤(1錠150mg)
【表49】
直接粉末圧縮法により調製した。
【0077】
[参考例87〜89]
内服剤:錠剤(1錠100mg)
【表50】
湿式顆粒圧縮法(押出し造粒法)により調製した。
【0078】
水溶性フィルムコーティング錠剤は、例えば、参考例84〜89などの錠剤にコーティング液(ヒドロキシプロピルセルロース 4.0%、マクロゴール6000 1.0%、酸化チタン 0.3%、タルク 0.5%、レーキ色素 0.05%、精製水 94.15%)をスプレーコーティングして調製した。また、腸溶性フィルムコーティング錠剤は、例えば、参考例84〜89などの錠剤にコーティング液(オイドラギットL30D−55 41.0%、マクロゴール6000 1.4%、タルク 2.7%、精製水 54.9%)をスプレーコーティングして調製した。
【0079】
溶解性の良好なcis体/trans体=0.5/99.5であるレチノイン酸誘導体を配合した上記実施例記載の組成物の配合性は良好であった。
Claims (4)
- 上記式(I)で示されるレチノイン酸誘導体を有効成分として含有し、このレチノイン酸誘導体中に、trans型の他にcis型立体異性体を0.5質量%以上含むことを特徴とする美白用外用剤。
- 上記式(I)で示されるレチノイン酸誘導体を有効成分として含有し、このレチノイン酸誘導体中に、trans型の他にcis型立体異性体を0.5質量%以上含むことを特徴とするシワ改善用外用剤。
- 外用剤が、クリーム、乳液、化粧水、化粧ジェル、美容液、パック剤、又は貼付剤である請求項1、2又は3記載の外用剤。
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