JP4220416B2 - 力覚付与型入力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばカーナビゲーションシステムなどに利用される力覚付与型入力装置に係り、特に、表示手段に表示されたメニュー選択用のボタン上に設定された引込ポイントにカーソルを自動的に引き込んで所望のボタンの選択を容易にするタイプの入力装置における操作性の改善手段に関する。
従来より、表示手段にメニュー選択用のボタンとカーソルとを表示し、入力手段にて所望のボタンの表示位置にカーソルを移動することにより所望のメニュー選択を行えるようにした入力装置が知られている。また、この種の入力装置としては、所望のボタンの表示位置へのカーソルの移動を容易にするため、ボタン上に設定された引込ポイントにカーソルを自動的に引き込む機能を有するものも知られている。
図8は従来より知られているカーソルの自動引き込み機能を有する入力装置の一例を示すブロック図であって、操作者によって操作され、それ自身が動いた移動量を検出する入力手段101と、前記入力手段101によって移動されるカーソル及び入力ポイント(ボタン)が表示される表示手段102と、前記入力手段101の移動量から前記表示手段102上の前記カーソルの座標位置を求める位置検出手段103と、前記カーソルの位置座標に応じた力を前記入力手段101に付与する駆動手段104とから構成されている。前記入力手段101は、机上で転動されるころがり球105と、前記表示手段102のx軸及びy軸に対応して配置され、ころがり球105のx軸方向の回転量及びy軸方向の回転量を検出する回転角検出器106,107とからなり、前記駆動手段104は、前記ころがり球105を回転駆動する駆動部108(モータ108a,108b)と、前記位置検出手段103からの信号に応じた駆動部108の駆動信号を生成する駆動信号生成部109とからなる(例えば、特許文献1参照。)。
前記駆動信号生成部109には、図9の下段に示すように、カーソルと入力ポイントとの相対的な距離及び入力ポイントに対するカーソルの相対的な移動方向と駆動部108に供給される駆動信号との関係が予め記憶されており、入力手段101を操作してカーソルを入力ポイントに近づけてゆくと、図9の上段に示すように、カーソルが入力ポイントに対してx1≦x≦x2の範囲に至った段階で図9の下段に示される+1の駆動信号が駆動信号生成部109より駆動部108に供給され、ころがり球105に推進力が付与されて、図9の中段に示すように、入力手段101にあたかも入力ポイントに引き込まれるかのような感触が付与されると共に、カーソルが入力ポイント上に引き込まれる。また、入力手段101を操作してカーソルを入力ポイントから離れる方向に移動してゆくと、カーソルと入力ポイントとの距離がx3≦x≦x4の範囲では、図9の下段に示される−1の駆動信号が駆動信号生成部109より駆動部108に供給され、ころがり球105に抵抗力が付与されて、入力手段101にあたかも入力ポイントに引き戻されるかのような感触が付与される。
したがって、前記構成の入力装置によれば、所望の入力ポイントにカーソルを合致させる操作が容易になり、例えば表示手段102に表示されたメニューの選択を容易に行うことができる。
なお、前記従来例においては、カーソルが入力ポイントに対して所定のエリア内に至った段階で駆動部108に駆動信号を供給し、カーソルを入力ポイントの表示位置に引き込むように構成されているが、カーソルが入力ポイントの表示部を除くいかなる位置に移動されている場合にも、カーソルの現在位置から見て最も近い位置に表示されている1つの入力ポイントにカーソルを引き込む入力装置、すなわち引込エリアが無限大に設定されている入力装置も従来より知られている。
また、前記従来例においては、入力ポイントの中心位置にカーソルを引き込む構成になっていないが、入力ポイントの中心位置にカーソルを引き込む入力装置も従来より知られている。
さらに、前記従来例においては、入力手段101としていわゆるマウスが用いられているが、これに代えて、いわゆるジョイスティックを用いたジョイスティック型の入力装置も従来より知られている。
特公平07−120247号公報
ところで、特許文献1にも記載されているように、表示手段には、複数個のメニュー選択用のボタン(入力ポイント)が様々な配列で表示されるのが普通である。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、表示手段に複数個のボタンが表示されていて、特にボタンどうしが近接している場合における引込力の制御に関して何ら考慮されていないので、特許文献1に記載の技術を実機に適用した場合、カーソルを1のボタンの表示位置から他の1のボタンの表示位置に移動しようとしたときに、1のボタンに対する引込力の影響を受けるために却って他の1のボタンに対する入力手段の操作性が悪くなり、カーソルを所望のボタン上に円滑に移動できないという不都合を生じやすくなる。
即ち、図10の上段に示すように、表示手段に第1乃至第3のボタンB1,B2,B3が一定の間隔を隔てて一列に表示されており、各ボタンB1,B2,B3の周囲にそれぞれ第1乃至第3のカーソル引込エリアA1,A2,A3が個別に設定されている場合において、引込エリアA1,A2,A3のうちの1つにカーソルCが移動されたとき、当該カーソルCが移動された引込エリア内に設定された引込ポイント(本例の場合には、各ボタンB1,B2,B3の中心位置O1,O2,O3)からカーソルCの現在位置までの距離に応じた所定の引込力を入力手段101に付与する構成にすると、ボタンB1,B2,B3をこの順に横断するようにカーソルCを移動した場合、入力手段101に付与される引込力は、図10の下段に示すように変動する。
そして、第1ボタンB1の引込ポイントO1から第2ボタンB2の引込ポイントO2までカーソルCを移動する場合、カーソルCを第1ボタンB1の引込ポイントO1から第1引込エリアA1と第2引込エリアA2の境界部まで移動する期間においては引込ポイントO1からカーソルCの現在位置までの距離に応じた引込力が入力手段101に付与されるので、操作者は、入力手段101にこの引込力に抗した大きな操作力を加える。そして、カーソルCが前記境界部を越えると、その地点から引込ポイントO1への引込力はなくなり、代わって引込ポイントO2からカーソルCの現在位置までの距離に応じた引込力が入力手段101に付与される。ここで、第2ボタンB2が所望の移動先ボタンならば、操作者は入力手段101に対する操作力を弱めればよい。しかし、実際には、操作者は引込ポイントO1への引込力に抗した操作力を加え続けてしまうので、カーソルCが第2引込エリアA2と第3引込エリアA3の境界部を越えて第3引込エリアA3内に進入しやすくなる。
すなわち、操作者は操作方向と反対方向の引込力がなくなっても操作方向に大きな操作力を加え続けてしまうので、勢い余って移動先ボタンの引込エリア外側に飛び出してしまう、という問題点があった。
本発明は、かかる従来技術の不備を解決するためになされたものであって、その目的は、引込エリアが形成される複数のボタン間を移動する場合において、勢い余って移動先ボタンの引込エリア外側に飛び出してしまうことのない力覚付与型入力装置を提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するため、カーソル及び複数のボタンを表示する表示手段と、操作部、前記操作部の操作量を検出する操作量検出部並びに前記操作部に所要の外力を付与するアクチュエータとからなる入力手段と、前記操作量検出部からの操作量信号に基づいて前記カーソルの表示制御を行うと共に、前記カーソルと前記ボタンとの位置関係に基づいて前記ボタンの内方に向かう所定の引込力を前記操作部に与えるよう前記アクチュエータの駆動制御を行う制御手段とを備えた力覚付与型入力装置であって、前記制御手段は、前記表示手段に表示された1のボタンに前記カーソルを引き込む1の引込エリア内から前記表示手段に表示された他のボタンに前記カーソルを引き込む他の引込エリア内に前記カーソルが移動されたとき、一時的に前記他のボタンの内方に向かう引込力の大きさを前記所定の引込力の大きさよりも増加させるという構成にした。
かかる構成によると、カーソルが1の引込エリアと他の引込エリアの境界部を越えた後に、操作者が操作部に1の引込エリアの引込力(抵抗力)に抗する大きな操作力を加え続けても、他の引込エリアの引込力(抵抗力)が増加されるので、勢い余ってカーソルが所望の引込エリアである他の引込エリアから逸脱することを防止できる。
また、本発明は、前記構成の入力装置において、前記制御手段は、前記カーソルを前記1の引込エリア内から前記他の引込エリア内に移動するごとに、前記他のボタンの内方に向かう引込力を増加させる時間を設定し、当該時間の経過後、前記他のボタンの内方に向かう引込力を前記所定の引込力に戻すという構成にした。
かかる構成によると、一旦増加された他の引込エリアの引込力は、所定時間経過後に所定の引込力に戻るので、所定時間経過後は、通常の操作力で現在の引込エリアの外に出ることができる。
また、本発明は、前記構成の入力装置において、前記制御手段は、前記他のボタンの内方に向かう引込力のうち、前記カーソルの移動方向と反対方向の引込力のみを前記所定の引込力よりも増加させるという構成にした。
かかる構成によると、他のボタンの内方に向かう引込力のうち、カーソルの移動方向の引込力については予め定められた所定の引込力に維持されるので、カーソルを1の引込エリア内から他の引込エリア内に移動する際の操作部に作用する他の引込エリアの引込力(推進力)が大きくならず、他の引込エリアからのカーソルの逸脱をより防止しやすくできる。
本発明の力覚付与型入力装置は、表示手段に表示された1のボタンにカーソルを引き込む1の引込エリア内から表示手段に表示された他のボタンにカーソルを引き込む他の引込エリア内にカーソルが移動されたとき、制御手段によって他のボタンの内方に向かう引込力を予め定められた所定の引込力よりも増加させるので、カーソルが1の引込エリアと他の引込エリアの境界部を越えた後に操作者が操作部に1の引込エリアの引込力(抵抗力)に抗する大きな操作力を加え続けても、他の引込エリアの引込力(抵抗力)が増加されて大きくなるために、勢い余ってカーソルが所望の引込エリアである他の引込エリアから逸脱することを防止できる。
以下、本発明に係る力覚付与型入力装置の実施形態例を図1乃至図7に基づいて説明する。図1は実施形態例に係る力覚付与型入力装置の構成図、図2は実施形態例に係る入力手段の側面方向より見た断面図、図3は実施形態例に係る入力手段の平面方向より見た断面図、図4は実施形態例に係る力覚付与型入力装置の動作説明図、図5はカーソルの移動位置に対する操作部に付与される引込力の変化を示すグラフ図、図6は演算部の動作を示すフローチャート、図7はカーソルの移動位置に対する操作部に付与される引込力の変化の他の例を示すグラフ図である。
図1に示すように、本実施形態例に係る力覚付与型入力装置は、カーソルC及び複数個のボタンB1〜Bnを含む所要の画像を表示する表示手段1と、表示手段1に表示されたカーソルCの移動及び表示手段1に表示されたボタンB1〜Bnの選択を行う入力手段2と、表示手段1及び入力手段2の制御を行う制御手段3とから主に構成されている。
表示手段1としては、例えば液晶表示装置が用いられる。なお、カーソルC及びボタンB1〜Bnの座標は、表示手段1の水平方向をx軸、垂直方向をy軸として決定される。また、各ボタンB1〜Bnの周囲には、図4に示すように、カーソルCの引込エリアA1〜Anが設定されており、カーソルCが引込エリアA1〜An内に移動された場合のみ、第1及び第2の外力発生部23,24を駆動して、カーソルCを最も近い位置に表示されている1つの前記ボタンの中心位置に引き込むようになっている。
入力手段2は、図1に示すように、揺動レバー21aを有する機構部21と、揺動レバー21aの先端部に取り付けられた操作部22と、揺動レバー21aを介して操作部22に引込力を付与する第1及び第2の外力発生モータ23,24と、揺動レバー21aの直交する2方向の操作量を検出する第1及び第2の検出部25,26とからなる。
機構部21は、図2及び図3に示すように、揺動レバー21aと、ケース31と、ケース31に回転可能に保持されたレバー保持軸32及びスイングアーム33とからなる。レバー保持軸32とスイングアーム33とは、互いに直交する方向に配置され、レバー保持軸32には、揺動レバー21aがスイングアーム33の回転方向にのみ回転できるように取り付けられる。なお、図中の符号21bは、揺動レバー21aの揺動中心軸を示している。一方、スイングアーム33には長溝33aが開設されており、揺動レバー21aの下端部が貫通される。前記長溝33aの溝幅は、揺動レバー21aの下端部の直径よりも若干大きい程度に形成され、揺動レバー21aをレバー保持軸32の回転に伴って揺動する方向(X−X方向)に揺動した場合には、長溝33a内を揺動レバー21aの下端部が自由に摺動でき、揺動レバー21aを揺動中心軸21bの回転に伴って揺動する方向(Y−Y方向)に揺動した場合には、スイングアーム33が揺動レバー21aと一体となって揺動するようになっている。
このように構成されていることから、揺動レバー21aはレバー保持軸32及び揺動中心軸21bを中心として任意の方向に揺動することができる。そして、レバー保持軸32は、揺動レバー21aのX−X方向への揺動量に比例する回転量だけ揺動レバー21aの揺動方向に回転され、スイングアーム33は、揺動レバー21aのY−Y方向への揺動量に比例する回転量だけ揺動レバー21aの揺動方向に回転される。
操作部22は、操作者によって操作可能な形状及びサイズに形成されており、その一部には、表示手段1に表示されたボタンB1〜Bnの選択スイッチ22aが設定されている。
第1の外力発生モータ23は、前記レバー保持軸32に連結され、前記操作部22を表示手段1に設定されたx軸方向に駆動する。これに対して、第2の外力発生モータ24は、前記スイングアーム33に連結され、前記操作部22を表示手段1に設定されたy軸方向に駆動する。
第1及び第2の検出部25,26は、外力発生モータ23,24の回転軸に連結されて、それらの回転軸の回転方向と回転量とを検出し、それに応じた電気信号を出力するものであって、例えばロータリエンコーダなどが用いられる。
制御手段3は、図1に示すように、第1の検出部25から出力される第1の操作量信号a及び第2の検出部26から出力される第2の操作量信号b並びに選択スイッチ22aから出力されるスイッチ信号cを取り込む入力部41と、第1及び第2の操作量信号a,bに基づくカーソルCの移動方向及び移動量の算出、第1及び第2の操作量信号a,bに基づく第1及び第2の外力発生モータ23,24の駆動信号d,eの算出、それにスイッチ信号cに基づく表示画面の切替などを行う演算部42と、演算の基礎となる数式や係数それに引込エリアA1〜Anや引込ポイントO1〜Onの座標などが記憶された記憶部43と、演算部42から出力される外力発生モータ駆動信号d,eに応じた外力発生モータ駆動電力g,hを出力して第1及び第2の外力発生モータ23,24を駆動する第1及び第2のドライバ回路44,45と、演算部42から出力される表示手段駆動信号fに応じた表示手段駆動電力iを出力して表示手段1を駆動する第3のドライバ回路46と、これらの各部41〜46を制御するCPU47とから構成されている。
演算部42は、図4に示すように、操作部22が操作されたとき、第1の位置信号a及び第2の位置信号b並びに記憶部43に記憶された数式及び係数などに基づいて表示手段2に表示されているカーソルCの移動方向及び移動量を算出し、その演算結果に基づいて表示手段1に表示されたカーソルCを操作部22の操作方向に応じた方向に操作部22の操作量に応じた量だけ移動する。
また、演算部42は、図4に示すように、カーソルCの現在位置の座標(x、y)と表示手段1に表示された各ボタンB1〜Bnの中心位置の座標(x1,y1)とからカーソルCの現在位置から見て最も近い位置に表示されているボタン〔図4の例ではボタンB5〕を割り出し、当該割り出されたボタンの中心位置にカーソルCを引き込むように第1及び第2の外力発生モータ23,24を駆動する。
カーソルCをボタンB1〜Bnの中心位置に引き込むために第1及び第2の外力発生モータ23,24によって操作部22に付与される引込力Fは、例えば図5のボタンB1で説明すると、ボタンB1の中心位置O1から予め定められた所定の半径位置P1まではボタンB1の中心位置からの距離に応じて1次関数的に増加し、前記所定の半径位置P1から所定の半径位置P2までは一定値、P2よりも遠方では一時関数的に減少するように設定される。
図5の上段に例示するように、表示手段1上に隣接して表示された2つのボタンB1,B2に関して、カーソルCをボタンB1の中心O1からボタンB2の中心位置O2まで移動する場合においては、図5の中段に示すように、引込エリアA2におけるカーソルCの移動方向と反対方向の引込力の大きさを通常の引込力F2よりも増加させて、F2′とする。これにより、勢い余って所望のボタン(図5の例では、ボタンB2)の周囲に形成される引込エリアの外に飛び出してしまうことを防止できる。なお、引込力の大きさの増加率は、操作部22の操作円滑性と所要のボタンへのカーソル移動の容易性を考慮して任意に設定することができるが、実験によると、通常の引込力の大きさに対して、20%増乃至50%増の値に設定することによって良好な結果が得られた。また、引込力の大きさを増加させる時間(以下、本明細書では、この時間を、「増加時間」又は「引込力増加時間」という。)は、表示手段1上に表示されるボタンB1〜Bnの大きさや操作部22の操作速度を考慮して任意に設定することができるが、実験によると、100mS乃至200mSに設定することによって良好な結果が得られた。
前記引込エリアA2における引込力の大きさの増加は、カーソルCが1の引込エリアA1から他の引込エリアA2に移動された場合に一時的に行われ、所定の増加時間が経過した後は、予め定められた通常の引込力の大きさに戻される。これにより、所定の増加時間経過後には、通常の操作力で現在の引込エリアの外に出ることができる。
以下、前記演算部42の動作を図6のフローチャートに従って説明する。
まず、第1及び第2の検出部25,26によって検出されるカーソルCの位置情報及び記憶部43に記憶された各引込エリアA1〜Anの座標情報に基づいて、カーソルCが位置付けられている現在の引込エリアの番号(現引込エリア番号)を決定し(手順S−1)、決定された現引込エリア番号を記憶部43に記憶する(手順S−2)。次いで、決定された現引込エリア番号が先に記憶部43に記憶された引込番号(旧引込エリア番号)と同じか否かを判定し(手順S−3)、同じであると判定された場合には、手順S−4に移行して、先に記憶部43に記憶された引込力増加時間がゼロになっているか否かを判定する。
手順S−3において現引込エリア番号が旧引込エリア番号と同じであると判定され、かつ手順S−4において引込力の増加時間がゼロになったと判定された場合には、カーソルCを現引込エリア番号内の引込ポイント上に位置付ける意志があるということであるので、カーソルCの位置情報、記憶部43に記憶された各引込エリアA1〜An及び引込ポイントO1〜Onの座標情報並びに数式や係数などに基づいて予め定められた通常の引込力│F1│を演算し、モータドライバ44,45に出力する(手順S−5)。
手順S−3において現引込エリア番号が旧引込エリア番号と同じでないと判定された場合には、現引込エリア番号で表される引込エリアのカーソル進入側の端部の座標(進入地点)とカーソル退出側の端部の座標(仮想退出地点)とを特定して両地点間の距離を算出(手順S−6)した後、算出された両地点間の距離に応じた引込力増加時間を決定(手順S−7)し、決定された引込力増加時間を記憶部43に記憶する(手順S−8)。しかる後に、手順S−4に移行し、記憶部43に記憶された引込力増加時間がゼロになっているか否かを判定する。
手順S−3において現引込エリア番号が旧引込エリア番号と同じでないと判定され、かつ手順S−4において引込力増加時間がゼロになっていないと判定された場合には、カーソルCが現引込エリア番号の引込エリアを乗り越えて他の引込エリア内に移動される可能性が高いということであるので、引込力増加時間を減算(手順S−9)した後に、カーソルCの位置情報、記憶部43に記憶された各引込エリアA1〜An及び引込ポイントO1〜Onの座標情報並びに数式や係数などに基づいて増加された引込力を演算し、モータドライバ44,45に出力する(手順S−10)。最後に、記憶部43に記憶された引込エリア番号を現引込エリア番号に書き替え(手順S−11)、以下上述の動作を繰り返す。
このように、前記実施形態例に係る入力装置においては、表示手段1に表示された1のボタンB1にカーソルCを引き込む1の引込エリアA1内から表示手段1に表示された他のボタンB2にカーソルCを引き込む他の引込エリアA2内にカーソルCが移動されたとき、制御手段3がボタンB2の内方に向かう引込力の大きさを予め定められた通常の引込力の大きさよりも大きくする。そのため、カーソルCが引込エリアA1と引込エリアA2の境界部を越えた後に操作者が操作部22に引込エリアA1の引込力(抵抗力)に抗する大きな操作力を加え続けても、引込エリアA2と引込エリアA3との境界部における引込エリアA2の引込力(抵抗力)が増加されて大きくなるために、勢い余ってカーソルCが所望の引込エリアA2から逸脱することを防止できる。
また、前記実施形態例に係る入力装置は、カーソルCを1の引込エリアA1内から他の引込エリアA2内に移動するごとに、他のボタンB2の内方に向かう引込力の増加時間を設定し、当該増加時間の経過後、他のボタンの内方に向かう引込力を通常の引込力に戻すので、所定時間経過後には、通常の操作力で現在の引込エリアの外に出ることができる。
また、前記実施形態例に係る入力装置は、他のボタンB2の内方に向かう引込力のうち、カーソルCの移動方向と反対方向の引込力のみを所定の引込力F2の大きさよりも増加させるので、他のボタンB2の内方に向かう引込力のうち、カーソルCの移動方向の引込力については予め定められた所定の引込力に維持され、カーソルCを1の引込エリアA1内から他の引込エリアA2内に移動する際の操作部22に作用する第2引込エリアA2の引込力(推進力)が大きくならず、したがって他の引込エリアA2からのカーソルCの逸脱をより防止しやすくなる。
さらに、前記実施形態例に係る入力装置は、他の引込エリアA2におけるカーソルCの進入地点と仮想退出地点との距離に応じて引込力増加時間を決定するので、表示装置1上に表示されるボタンの大きさに関わりなく常に安定な操作感触を得ることができる。
なお、前記実施形態例においては、他のボタンB2の内方に向かう引込力のうち、カーソルCの移動方向と反対方向の引込力のみを所定の引込力F2の大きさよりも増加させた。しかし、図7の上段に示すように、カーソルCの移動方向と反対方向の引込力及びカーソルCの移動方向の引込力の双方について、通常の引込力の大きさより増加させてもよい。
また、前記実施形態例においては、他のボタンB2の内方に向かう引込力のうち、引込力が一定に設定されている区間だけ、引込力の大きさを増加させたが、図7の中段に示すように、引込力が徐々に大きくなるように設定されている区間について引込力の大きさを通常の引込力の大きさよりも増加させてもよい。
さらに、図7の下段に示すように、引込力の付与区間を延長することにより、実質的に引込力の大きさを増加させてもよい。
実施形態例に係る力覚付与型入力装置の構成図である。 実施形態例に係る入力手段の側面方向より見た断面図である。 実施形態例に係る入力手段の平面方向より見た断面図である。 実施形態例に係る力覚付与型入力装置の動作説明図である。 カーソル位置に対する引込力の変化を示すグラフ図である。 演算部の動作を示すフローチャートである。 カーソル位置に対する引込力の変化の他の例を示すグラフ図である。 従来例に係る入力装置の構成図である。 従来例に係る入力装置の動作説明図である。 従来例に係る入力装置におけるカーソル位置に対する引込力の変化を示すグラフ図である。
符号の説明
1 表示手段
2 入力手段
3 制御手段
22 操作部
23,24 外力発生モータ
25,26 検出部
A1〜A3 引込エリア
B1〜Bn ボタン
C カーソル

Claims (3)

  1. カーソル及び複数のボタンを表示する表示手段と、
    操作部、前記操作部の操作量を検出する操作量検出部並びに前記操作部に所要の外力を付与するアクチュエータとからなる入力手段と、
    前記操作量検出部からの操作量信号に基づいて前記カーソルの表示制御を行うと共に、前記カーソルと前記ボタンとの位置関係に基づいて前記ボタンの内方に向かう所定の引込力を前記操作部に与えるよう前記アクチュエータの駆動制御を行う制御手段とを備えた力覚付与型入力装置であって、
    前記制御手段は、前記表示手段に表示された1のボタンに前記カーソルを引き込む1の引込エリア内から前記表示手段に表示された他のボタンに前記カーソルを引き込む他の引込エリア内に前記カーソルが移動されたとき、一時的に前記他のボタンの内方に向かう引込力の大きさを前記所定の引込力の大きさよりも増加させることを特徴とする力覚付与型入力装置。
  2. 前記制御手段は、前記カーソルを前記1の引込エリア内から前記他の引込エリア内に移動するごとに、前記他のボタンの内方に向かう引込力を増加させる時間を設定し、当該時間の経過後、前記他のボタンの内方に向かう引込力を前記所定の引込力に戻すことを特徴とする請求項1に記載の力覚付与型入力装置。
  3. 前記制御手段は、前記他のボタンの内方に向かう引込力のうち、前記カーソルの移動方向と反対方向の引込力のみを前記所定の引込力よりも増加させることを特徴とする請求項1に記載の力覚付与型入力装置。
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