JP4264029B2 - 力覚付与型入力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばカーナビゲーションシステムなどに利用される力覚付与型入力装置に係り、特に、表示手段に表示されたメニュー選択用のボタン上にカーソルを自動的に引き込んで所望のボタンの選択を容易にするタイプの力覚付与型入力装置における操作性の改善手段に関する。
従来より、表示手段に表示されたボタンに対するカーソルの位置付けを容易にするため、ボタンの周囲に仮想的な引込エリアを設定し、ジョイスティックやマウスなどの入力装置を操作することによってカーソルが1のボタンの引込エリア内に移動されたとき、当該ボタンの中心位置と現在のカーソルの表示位置とからカーソルの引込ベクトルを計算し、この引込ベクトルに基づいてカーソルを当該ボタンの中心位置に引き込む映像表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、前記カーソルの移動を制御する入力装置としては、操作者によって操作され、それ自身が動いた移動量を検出する入力手段と、前記入力手段によって移動されるカーソル及びボタンが表示される表示手段と、前記入力手段の移動量から前記表示手段上の前記カーソルの座標を求める位置検出手段と、前記カーソルの座標に応じた引込力を前記入力手段に付与する駆動手段とからなるものが従来より提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平08−314637号公報 特公平07−120247号公報
ところで、特許文献1,2にも記載されているように、表示手段には複数個のボタン(入力ポイント)が様々な配列で表示されるのが普通である。しかしながら、特許文献1,2に記載の技術は、複数個のボタンのそれぞれについて設定された引込エリアが重なり合っている場合におけるカーソルの引込み制御に関して何ら考慮されていないので、特許文献1,2に記載の技術を実機に適用した場合、ユーザが意図していないボタンにカーソルが引き込まれるという不都合を生じることがある。
即ち、ボタンは必要に応じて表示画面上に追加されたり表示画面上から削除されたりするものであるので、追加や削除の状態によっては、隣接して配置された一方のボタンの引込エリアと他方のボタンの引込エリアとが重なり合う場合がある。図8は、大型のボタンB1と小型のボタンB2とが上下に隣接して配置されており、ボタンB1の引込エリアA1とボタンB2の引込エリアA2とが重なり合っている場合を示している。この場合において、カーソルCが引込エリアA1と引込エリアA2との重なり部分にカーソルCが位置付けられると、特許文献1に記載の技術のようにボタンの中心位置と現在のカーソルの表示位置とからカーソルの引込ベクトルを計算してカーソルをボタンの中心位置に引き込む表示装置においては、図8に示すように、カーソルCの表示位置からボタンB1の最も近い辺縁部の表示位置までの距離La′の方がカーソルCの表示位置からボタンB2の最も近い辺縁部の表示位置までの距離Lb′より小さくても、カーソルCの表示位置からボタンB1の中心部までの距離LaよりもカーソルCの表示位置からボタンB2の中心部までの距離Lbの方が小さい場合には、ボタンB2にカーソルCを引き込むようにカーソルの移動が制御される。
しかしながら、カーソルCの表示位置からボタンB1の最も近い辺縁部の表示位置までの距離La′の方がカーソルCの表示位置からボタンB2の最も近い辺縁部の表示位置までの距離Lb′より小さい場合、ユーザは、視覚的にカーソルCはボタンB1に引き込まれるものと認識し、かつまた期待するのが普通であるので、ボタンB2にカーソルCが引き込まれるとユーザは操作部の操作に違和感を覚え、操作部の円滑な操作が困難になる。
本発明は、かかる従来技術の不備を解決するためになされたものであって、その目的は、カーソルの引込方向をユーザの視覚と一致させることができて操作性が良好な力覚付与型入力装置を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、ユーザによって操作される操作部と、前記操作部の操作状態を検出する検出手段と、前記操作部に駆動力を付与する駆動手段と、カーソル及び複数のボタンを表示する表示手段と、前記検出手段の出力信号に基づいて前記カーソルの表示制御を行うと共に、前記複数のボタンのうちの1つに前記カーソルを引き込むように前記駆動手段の駆動制御を行う制御手段とを備えた力覚付与型入力装置であって、前記制御手段は、前記カーソルの表示位置から見て前記各ボタンの最も近い辺縁部の表示位置までの各距離を算出し、前記カーソルの表示位置から見て最も近い位置に辺縁部が表示されている1のボタンを割り出し、前記カーソルの表示位置から見て前記各ボタンの中心位置までの距離に関わりなく、前記辺縁部の表示位置までの距離が最も短い1のボタンに向かって前記カーソルを引き込むように前記駆動手段の駆動制御を行うという構成にした。
このように、カーソルの表示位置から各ボタンの最も近い辺縁部の表示位置までの各距離を算出し、カーソルの表示位置から見て最も近い位置に辺縁部が表示されている1のボタンの内側にカーソルを引き込むと、ユーザがカーソルを引き込むであろうと視覚的に認識しかつまた期待しているボタンに実際にカーソルを引き込むことができるので、カーソルの表示位置から各ボタンの中心部までの各距離を算出し、カーソルの表示位置から見て最も近い位置に中心部がある1のボタンの内側にカーソルを引き込む場合とは異なり、ユーザの認識及び期待と実際のカーソルの動作とを一致させることができる。
また、本発明は、前記構成の力覚付与型入力装置において、前記制御手段は、前記カーソルが前記ボタンの辺縁部に対して垂直方向に引き込まれるように前記駆動手段を駆動制御するという構成にした。
このように、カーソルをボタンの辺縁部に対して垂直に引き込むと、カーソルの表示位置から各ボタンの最も近い辺縁部の表示位置までの距離、即ち、カーソルの表示位置を通る辺縁部の垂直線の方向と実際のカーソルの引込方向とを一致させることができるので、操作部の操作感触を良好なものにすることができる。
本発明の力覚付与型入力装置は、カーソルの表示位置から各ボタンの最も近い辺縁部の表示位置までの各距離を算出し、カーソルの表示位置から見て最も近い位置に辺縁部が表示されている1のボタンの内側にカーソルを引き込むので、ユーザの認識及び期待と実際のカーソルの動作とを一致させることができ、操作部の操作性を良好なものにすることができる。
以下、本発明に係る力覚付与型入力装置の実施形態例を図1乃至図7に基づいて説明する。図1は実施形態例に係る力覚付与型入力装置の構成図、図2は実施形態例に係る入力ユニットの側面方向より見た断面図、図3は実施形態例に係る入力ユニットの平面方向より見た断面図、図4は実施形態例に係る力覚付与型入力装置の動作説明図、図5は実施形態例に係るボタンとカーソルの表示エリアとの関係を示す説明図、図6は演算部の動作を示すフローチャート、図7は実施形態例に係る力覚付与型入力装置の他の動作説明図である。
図1に示すように、本実施形態例に係る力覚付与型入力装置は、カーソルC及び複数個のボタンB1〜Bnを含む所要の画像を表示する表示手段1と、表示手段1に表示されたカーソルCの移動及び表示手段1に表示されたボタンB1〜Bnの選択を行う入力ユニット2と、表示手段1及び入力ユニット2の制御を行う制御手段3とから主に構成されている。
表示手段1としては、例えば液晶表示装置が用いられる。なお、カーソルC及びボタンB1〜Bnの座標は、表示手段1の水平方向をx軸、垂直方向をy軸として決定される。また、図4に示すように、各ボタンB1〜Bn(図4には、ボタンB1及びボタンB2のみ表示されている。)の周囲には、カーソルCの引込エリアA1〜An(図4には、引込エリアA1及び引込エリアA2のみ表示されている。)が設定されており、カーソルCが引込エリアA1〜An内に移動された場合のみ、後述する第1及び第2の駆動手段23,24を駆動して、カーソルCを最も近い位置に表示されている1つのボタンの中心位置に引き込むようになっている。
入力ユニット2は、図1に示すように、揺動レバー21aを有する機構部21と、揺動レバー21aの先端部に取り付けられた操作部22と、揺動レバー21aを介して操作部22に引込力を付与する第1及び第2の駆動手段23,24と、揺動レバー21aの直交する2方向の操作量を検出する第1及び第2の検出手段25,26とからなる。
機構部21は、図2及び図3に示すように、揺動レバー21aと、ケース31と、ケース31に回転可能に保持されたレバー保持軸32及びスイングアーム33とからなる。レバー保持軸32とスイングアーム33とは、互いに直交する方向に配置され、レバー保持軸32には、揺動レバー21aがスイングアーム33の回転方向にのみ回転できるように取り付けられる。なお、図中の符号21bは、揺動レバー21aの揺動中心軸を示している。一方、スイングアーム33には長溝33aが開設されており、揺動レバー21aの下端部が貫通される。前記長溝33aの溝幅は、揺動レバー21aの下端部の直径よりも若干大きい程度に形成され、揺動レバー21aをレバー保持軸32の回転に伴って揺動する方向(X−X方向)に揺動した場合には、長溝33a内を揺動レバー21aの下端部が自由に摺動でき、揺動レバー21aを揺動中心軸21bの回転に伴って揺動する方向(Y−Y方向)に揺動した場合には、スイングアーム33が揺動レバー21aと一体となって揺動するようになっている。
このように構成されていることから、揺動レバー21aはレバー保持軸32及び揺動中心軸21bを中心として任意の方向に揺動することができる。そして、レバー保持軸32は、揺動レバー21aのX−X方向への揺動量に比例する回転量だけ揺動レバー21aの揺動方向に回転され、スイングアーム33は、揺動レバー21aのY−Y方向への揺動量に比例する回転量だけ揺動レバー21aの揺動方向に回転される。
操作部22は、操作者によって操作可能な形状及びサイズに形成されており、その一部には、表示手段1に表示されたボタンB1〜Bnの選択スイッチ22aが設定されている。
第1及び第2の駆動手段23,24としては、電動モータなどを用いることができる。そして、第1の駆動手段23は、前記レバー保持軸32に連結され、前記操作部22を表示手段1に設定されたx軸方向に駆動する。これに対して、第2の駆動手段24は、前記スイングアーム33に連結され、前記操作部22を表示手段1に設定されたy軸方向に駆動する。
また、第1及び第2の検出手段25,26としては、ロータリ形のエンコーダや可変抵抗器などを用いることができる。これら第1及び第2の検出手段25,26は、駆動手段23,24の回転軸にそれぞれ連結され、それら各回転軸の回転方向と回転量とを検出し、それに応じた電気信号を出力する。
制御手段3は、図1に示すように、第1の検出手段25から出力される第1の検出号a及び第2の検出手段26から出力される第2の検出信号b並びに選択スイッチ22aから出力されるスイッチ信号cを取り込む入力部41と、第1及び第2の検出信号a,bに基づくカーソルCの移動方向及び移動量の算出、第1及び第2の検出信号a,bに基づく第1及び第2の駆動手段23,24の駆動信号d,eの算出、それにスイッチ信号cに基づく表示画面の切替などを行う演算部42と、演算の基礎となる数式や係数それに引込エリアA1〜Anや各ボタンB1〜Bnの中心部O1〜Onの座標などが記憶された記憶部43と、演算部42から出力されるモータ駆動信号d,eに応じたモータ駆動電力g,hを出力して第1及び第2の駆動手段23,24を駆動する第1及び第2のドライバ回路44,45と、演算部42から出力される表示手段駆動信号fに応じた表示手段駆動電力iを出力して表示手段1を駆動する第3のドライバ回路46と、これらの各部41〜46を制御するCPU47とから構成されている。
演算部42は、操作部22が操作されたとき、第1の位置信号a及び第2の位置信号b並びに記憶部43に記憶された数式及び係数などに基づいて操作部22の操作方向及び操作量を算出し、その演算結果に基づいて表示手段1に表示されたカーソルCを操作部22の操作方向に応じた方向に操作部22の操作量に応じた量だけ移動する。
また、演算部42は、図4に示すように、カーソルCの現在位置の座標(x、y)と表示手段1に表示された各ボタンB1〜Bnの辺縁部の位置情報とからカーソルCの現在位置から見て各ボタンB1〜Bnの最も近い辺縁部の表示位置までの各距離La′,Lb′・・・を算出し、カーソルCの現在位置から見て最も近い位置に辺縁部が表示されている1のボタン(図4の例ではボタンB1)を割り出し、当該割り出されたボタンの中心位置O1にカーソルCを引き込むように第1及び第2の駆動手段23,24を駆動する。
距離La′,Lb′・・・の算出に際し、演算部42は、図5に示す方法及び図6に示す手順で演算を行う。なお、図5及び図6においては、説明を容易にするため、ボタンB1の辺縁部に対するカーソルCの距離La′の算出方法及び算出手順のみを代表的に表示している。演算部42は、ボタンB1に対してカーソルCが(0−0)〜(2−2)で示されるいずれのエリア内にあるかを判定し、各エリアに応じた演算式で距離La′の算出を行う。即ち、図5に示すように、ボタンB1の四隅部の座標が(x1,y2)、(x2,y2)、(x1,y1)、(x2,y1)で表示される場合において、カーソルCが(0−0)にあると判定された場合には演算式La′=√〔(x−x1)+(y−y1)〕で、カーソルCから見て最も近いボタンB1の辺縁部に対するカーソルCの距離La′を算出する。同様に、カーソルCが(0−1)にあると判定された場合には演算式La′=x1−xで、カーソルCが(0−2)にあると判定された場合には演算式La′=√〔(x−x1)+(y−y2)〕で、カーソルCが(1−0)にあると判定された場合には演算式La′=y1−yで、カーソルCが(1−1)にあると判定された場合には演算式La′=0で、カーソルCが(1−2)にあると判定された場合には演算式La′=y−y2で、カーソルCが(2−0)にあると判定された場合には演算式La′=√〔(x−x2)+(y−y1)〕で、カーソルCが(2−1)にあると判定された場合には演算式La′=x−x2で、カーソルCが(2−2)にあると判定された場合には演算式La′=√〔(x−x2)+(y−y2)〕で、カーソルCから見て最も近いボタンB1の辺縁部に対するカーソルCの距離La′を算出する。
本例の力覚付与型入力装置は、カーソルCの表示位置から各ボタンB1〜Bnの最も近い辺縁部の表示位置までの各距離La′,Lb′・・・を算出し、その距離が最も短いボタンに向かってカーソルCが引き込まれるように駆動手段23,24の駆動制御を行う。即ち、本例の力覚付与型入力装置は、カーソルCの表示位置から見て最も近い位置に辺縁部が表示されている1のボタンの内側にカーソルCを引き込むので、カーソルCの表示位置から各ボタンB1〜Bnの中心部O1〜Onまでの各距離La,Lb・・・(図8参照)を算出し、カーソルCの表示位置から見て最も近い位置に中心部がある1のボタンの内側にカーソルCを引き込む場合とは異なり、ユーザの認識及び期待しているカーソルCの引込方向と実際のカーソルCの引込方向とを一致させることができ、操作部22の操作性を良好なものにすることができる。
なお、前記実施形態例においては、カーソルCを現在のカーソルCの表示位置から1のボタンB1の中心位置O1に直線的に引き込むようにしたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、図7に示すように、カーソルCをボタンB1〜Bnの辺縁部に対して垂直に引き込むように駆動手段23,24を駆動制御することもできる。この場合、図7の上段に示すように、カーソルCがボタンB1〜Bnの表示範囲内に入った段階でカーソルCの移動制御を停止することもできるし、図7の下段に示すように、カーソルCがボタンB1〜Bnの表示範囲内に入った後にカーソルCをボタンB1〜Bnの中心部O1〜Onまで移動するようにカーソルCの移動制御を行うようにすることもできる。
このように、カーソルCをボタンB1〜Bnの辺縁部に対して垂直に引き込むと、カーソルCの表示位置から各ボタンB1〜Bnの最も近い辺縁部の表示位置までの距離と実際のカーソルの引込方向とを一致させることができるので、操作部22の操作感触を良好なものにすることができる。
また、前記実施形態例においては、各ボタンB1〜Bnの周囲に有限の引込エリアA1〜Anが設定された入力装置を例にとって説明したが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、前記各引込エリアA1〜Anが無限大に設定されており、カーソルCがボタンの表示部を除くいかなる位置に移動されている場合にも、カーソルCの現在位置から見て最も近い位置に表示されている1つのボタンにカーソルCを引き込むタイプの入力装置にもそのまま適用することができる。
実施形態例に係る力覚付与型入力装置の構成図である。 実施形態例に係る入力ユニットの側面方向より見た断面図である。 実施形態例に係る入力ユニットの平面方向より見た断面図である。 実施形態例に係る力覚付与型入力装置の動作説明図である。 ボタンとカーソルの表示エリアとの関係を示す説明図である。 演算部の動作を示すフローチャートである。 実施形態例に係る力覚付与型入力装置の他の動作説明図である。 従来例に係る力覚付与型入力装置の動作説明図である。
符号の説明
1 表示手段
2 入力ユニット
3 制御手段
22 操作部
23,24 駆動手段
25,26 検出手段
A1〜A3 引込エリア
B1〜Bn ボタン
C カーソル

Claims (2)

  1. ユーザによって操作される操作部と、前記操作部の操作状態を検出する検出手段と、前記操作部に駆動力を付与する駆動手段と、カーソル及び複数のボタンを表示する表示手段と、前記検出手段の出力信号に基づいて前記カーソルの表示制御を行うと共に、前記複数のボタンのうちの1つに前記カーソルを引き込むように前記駆動手段の駆動制御を行う制御手段とを備えた力覚付与型入力装置であって、
    前記制御手段は、前記カーソルの表示位置から見て前記各ボタンの最も近い辺縁部の表示位置までの各距離を算出し、前記カーソルの表示位置から見て最も近い位置に辺縁部が表示されている1のボタンを割り出し、前記カーソルの表示位置から見て前記各ボタンの中心位置までの距離に関わりなく、前記辺縁部の表示位置までの距離が最も短い1のボタンに向かって前記カーソルを引き込むように前記駆動手段の駆動制御を行うことを特徴とする力覚付与型入力装置。
  2. 前記制御手段は、前記カーソルが前記ボタンの辺縁部に対して垂直方向に引き込まれるように前記駆動手段を駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の力覚付与型入力装置。
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