JP4220115B2 - クローラ走行車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操向ハンドルの回転操作で機体を操向するコンバイン等のクローラ走行車の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
近来、この種コンバイン等のクローラ走行車においては、丸形等の操向ハンドルを備え、該操向ハンドルの回転操作に応じて機体を操向可能にしたものがあり、これを実現する操向方式としては、少なくとも下記の2方式が既に提案されている。
【0003】
一方の操向方式は、左右のクローラをそれぞれ独立駆動させる一対の走行用油圧無段変速機構を備え、該一対の走行用油圧無段変速機構を、操向ハンドルの回転操作および走行変速レバーの操作に応じて変速制御するものである。しかるに、この方式では、旋回時の自動減速機能、前後進切換時の方向反転防止機能等の機能を比較的容易に付加できる利点がある反面、左右のクローラを同期駆動させることが難しく、そのため、条刈り作業等において直進性能を重視するコンバイン等のクローラ走行車では採用し難いのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
また、他方の方式は、例えば特開平10−258761号公報のものの如く、左右のクローラに対して走行動力を変速伝達する単一の走行用油圧無段変速機構と、左右のクローラを差動させる操向用油圧無段変速機構とを備え、各油圧無段変速機構を、操向ハンドルの回転操作および走行変速レバーの操作に応じて変速制御するものであり、この方式では、良好な直進性能を比較的容易に確保することができる。しかるに従来では、この方式を採用するにあたり、前述の各種機能を複雑なリンク機構を用いて付加していたため、部品点数の増加および構造の複雑化に伴い、組立性やメンテナンス性が低下する許りでなく、コストアップを招く不都合があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、左右のクローラに伝動する走行動力を走行変速レバーの操作に応じて変速する走行用油圧機構と、左右のクローラを操向ハンドルの回転操作に応じて差動させる操向用油圧機構とを備えるクローラ走行車であって、該クローラ走行車に、走行変速レバー操作に応動する走行用係合部と、操向ハンドル操作に応動する操向用係合部と、両係合部に係合する係合体とを設け、該係合体を前記走行用油圧機構および操向用油圧機構に連繋させるにあたり、両係合部を十字状に交差させると共に、その交差部で係合体を両係合部に係合させたことを特徴とするクローラ走行車である。つまり、走行用油圧機構および操向用油圧機構に連繋される係合体を、走行変速レバー操作および操向ハンドル操作に応じて変位させることにより、走行用油圧機構および操向用油圧機構を複合的に制御するため、走行変速レバー操作および操向ハンドル操作に応じて係合体を変位させる走行用係合部および操向用係合部の形状設定に基づいて旋回時の自動減速機能、前後進切換時の方向反転防止機能等の機能を容易に付加することができる。従って、複雑なリンク機構を不要にして部品点数の削減および構造の簡略化が図れ、その結果、組立性やメンテナンス性を向上させることができる許りでなく、クローラ走行車のコストダウンにも寄与することができる。しかも、走行変速レバー操作および操向ハンドル操作に応じて係合体を変位させる機構を、少ない部材でコンパクトに構成することができる。
請求項2の発明は、請求項1において、係合部を長孔で形成したことを特徴とするクローラ走行車である。つまり、係合部の形状設定が容易になる許りでなく、走行変速レバー操作および操向ハンドル操作に応動する部材を、長孔が形成されたプレート部材等で簡単に構成できる利点がある。
請求項3の発明は、請求項1または2において、係合部を、油圧機構側の連結点を中心とする略円弧状の長孔で形成したことを特徴とするクローラ走行車である。つまり、係合部の形状設定が容易になる許りでなく、走行変速レバー操作および操向ハンドル操作に応動する部材を、長孔が形成されたプレート部材等で簡単に構成できる利点があり、しかも、前記長孔は、油圧機構側の連結点を中心とする略円弧状であるため、一方の油圧機構を状態保持しつつ他方の油圧機構を制御することができ、また、前記円弧を基本として形状変更を行うことにより、旋回時の自動減速機能等を容易に付加することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態の一つを図面に基づいて説明する。図面において、1はコンバインであって、該コンバイン1は、茎稈を刈取る前処理部2、刈り取った茎稈を脱穀し、且つ脱穀した穀粒を選別する脱穀部3、選別済の穀粒を貯溜する穀粒タンク4、脱穀済みの排稈を後処理する後処理部5、運転席6および各種の操作具が設けられる操作部7、機体下部に設けられる左右一対のクローラ走行装置8L、8R等を備えるが、これらの基本構成は従来通りである。
【0007】
9は前記コンバイン1に設けられる走行用トランスミッションであって、該走行用トランスミッション9は、エンジン10から供給される動力を、機械式の副変速機構11および主変速用動力合成機構12を介して動力分配軸13に伝動すると共に、該動力分配軸13の動力を、左右一対の差動用動力合成機構14L、14Rを介して左右のクローラ走行装置8L、8Rに伝動するように構成されている。
【0008】
前記動力合成機構12、14L、14Rは、何れも遊星ギヤ機構を用いて構成されており、そのうち主変速用動力合成機構12は、副変速機構11からの動力と、リングギヤ12aから入力される動力とを合成して出力軸12bに出力するように構成され、また、差動用動力合成機構14L、14Rは、動力分配軸13からの動力と、リングギヤ14aから入力される動力とを合成して出力軸14bに出力するように構成されている。
【0009】
15は油圧式無段変速機構によって構成される走行用無段変速機構であって、該走行用無段変速機構15は、エンジン動力で吐出駆動する可変容量式の油圧ポンプ16と、該油圧ポンプ16の吐出油で駆動する油圧モータ17(本実施形態では一対の可変容量式モータを使用)とを組み合せて構成されており、前記油圧ポンプ16の斜板角調整等に基づいて油圧モータ17の正逆回転制御および回転数制御を行い、そのモータ出力を前記主変速用動力合成機構12のリングギヤ12aにギヤ伝動機構18を介して入力することで走行動力を無段階状に変速するが、前記油圧モータ17の正逆回転制御および回転数制御は、油圧ポンプ16の斜板に連繋される走行用トラニオン軸19の回動操作に基づいて行われるようになっている。
【0010】
20は油圧式無段変速機構によって構成される操向用無段変速機構であって、該操向用無段変速機構20は、エンジン動力で吐出駆動する可変容量式の油圧ポンプ21と、該油圧ポンプ21の吐出油で駆動する油圧モータ22とを組み合せて構成されており、前記油圧ポンプ21の斜板角調整等に基づいて油圧モータ22の正逆回転制御および回転数制御を行い、そのモータ出力を前記差動用動力合成機構14L、14Rのリングギヤ14aにギヤ伝動機構23を介して入力するようになっている。また、ギヤ伝動機構23は、一方の差動用動力合成機構14Lに対して直接的にモータ出力を入力する一方、他方の差動用動力合成機構14Rに対しては、逆転ギヤ軸23bを介してモータ出力を入力するように構成されており、この背反的なモータ出力の入力に基づいて左右のクローラ走行装置8L、8Rを無段階状に差動させるが、前記油圧モータ22の正逆回転制御および回転数制御は、油圧ポンプ21の斜板に連繋される操向用トラニオン軸24の回動操作に基づいて行われるようになっている。
【0011】
即ち、操向用トラニオン軸24を中立位置とし、走行用トラニオン軸19を前進側に回動操作すると、左右のクローラ走行装置8L、8Rが前進方向に同速度で作動して機体を前進(直進)させる一方、走行用トラニオン軸19を後進側に回動操作すると、左右のクローラ走行装置8L、8Rが後進方向に同速度で作動して機体を後進(直進)させ、その走行速度は、走行用トラニオン軸19の操作量に応じて無段階状に変化することになる。
【0012】
また、走行用トラニオン軸19の回動操作に基づいて機体が前進もしくは後進している状態で、操向用トラニオン軸24を左操向側もしくは右操向側に回動操作すると、一方のクローラ走行装置8L、8Rが増速される一方、他方のクローラ走行装置8L、8Rが減速されて機体が旋回し、その旋回角(旋回半径)は、操向用トラニオン軸24の操作量に応じて無段階状に変化することになる。
【0013】
25は前記運転席6の一側方に配置される走行変速レバーであって、該走行変速レバー25の操作領域には、前進変速操作領域Fと後進変速操作領域Rとが中立領域Nを介して連続的に確保されている。また、走行変速レバー25を前後回動自在に支持するレバー支軸25aには、走行変速レバー操作に応じて前後回動する走行変速検出アーム26が一体的に設けられている。
【0014】
27は前記運転席6の前方に配置される丸形の操向ハンドルであって、該操向ハンドル27は、ポスト28に回動自在に支持されるハンドル軸27aの上端部に一体的に設けられており、その操作回転は、操作部7のステップ(床部)29に組付けられるハンドル回転減速機構30に入力されるようになっている。
【0015】
前記ハンドル回転減速機構30は、ハンドル軸27aの下端部に一体的に設けられる入力ギヤ31、該入力ギヤ31に噛合する第一カウンタギヤ32a、該第一カウンタギヤ32aおよび第二カウンタギヤ32bを一体回転自在に支持するカウンタギヤ軸32、前記第二カウンタギヤ32bに噛合する出力ギヤ34、該出力ギヤ34を回転自在に支持する出力ギヤ軸35、該出力ギヤ軸35を支持する出力ギヤブラケット36、前記カウンタギヤ軸35を支持するカウンタギヤブラケット37、ハンドル軸27aの下端部を支持するハンドル軸ブラケット38等で構成されており、前記出力ギヤ34の下面部には、後述する操向制御部材(回転体)39が一体的に設けられている。即ち、操向ハンドル27の回転操作に応じて操向制御部材39を回転させる共に、操向ハンドル27の回転操作量に対する操向制御部材39の回転動作量を、ハンドル回転減速機構30の減速比設定に基づいて調整するように構成されている。
【0016】
40は前記操向制御部材39の下方に重合状に配置される走行制御部材であって、該走行制御部材40は、ステップ29の下面側に設けられるスライドガイドブラケット41で前後スライド自在に支持されている。また、走行制御部材40の先端部は、前記走行変速検出アーム26に形成される長孔状の連結孔26aに対し、連結リンク42を介して連結されており、そのため、走行変速レバー25の操作に応じて走行制御部材40が前後にスライドすることになる。
【0017】
43は係合連結軸(係合体)であって、該係合連結軸43は、操向制御部材39に前後方向を向いて形成される長孔状の操向用係合孔(操向用係合部)39aと、走行制御部材40に左右方向を向いて形成される長孔状の走行用係合孔(走行用係合部)40aとを貫通すると共に、両制御部材39、40を挟装する上下一対のワッシャ43aによって抜止めされている。つまり、十字状に交差する操向用係合孔39aと走行用係合孔40aとの交差部に係合連結軸43を係合させることにより、該係合連結軸43を、操向制御部材39の回転および走行制御部材40のスライドに複合的に追随させる複合制御機構Sを構成している。
【0018】
44は前記ステップ29の下方に左右方向を向いて設けられる操向用連結ロッドであって、該操向用連結ロッド44の一端側は、前記係合連結軸43に対し、ボールジョイント44aを介して連結される一方、他端側は、前記操向用トラニオン軸24に一体的に設けられる操向用トラニオンアーム24aに対し、ボールジョイント44bを介して連結されている。つまり、係合連結軸43が左右方向に変位した場合、その左右変位に応じた量(方向を含む)だけ操向用トラニオン軸24が回動するように構成されている。
【0019】
45は前記ステップ29の下方に前後方向を向いて設けられる走行用連結ロッドであって、該走行用連結ロッド45の一端側は、前記係合連結軸43に対し、ボールジョイント45aを介して連結される一方、他端側は、前記走行用トラニオン軸19に一体的に設けられる走行用トラニオンアーム19aに対し、ボールジョイント45bを介して連結されている。つまり、係合連結軸43が前後方向に変位した場合、その前後変位に応じた量(方向を含む)だけ走行用トラニオン軸19が回動するように構成されている。
【0020】
前記操向用係合孔39aは、基本的に、操向用トラニオンアーム24aのロッド連結点を中心とする円弧形状の長孔に形成されている。つまり、操向制御部材39が中立位置で停止した状態で、走行制御部材40が前後に変位したとしても、係合連結軸43が上記円弧に沿って移動することにより、操向用トラニオンアーム24aのロッド連結点が変位せず、操向用トラニオンアーム24aが中立位置に保持されるようになっている。尚、上記の説明は、操向用係合孔39aの左右側縁部のうち、係合連結軸43が係合する側の形状について示すものであり、他側の形状については任意に設定することが可能であるが、操向用トラニオンアーム24a(走行用トラニオンアーム19aも同様)を中立位置に向けて付勢している本実施形態においては、操向制御部材39の回転方向に応じ、係合連結軸43が係合する側縁部が切換わるため、操向用係合孔39aの左右側縁部に、左右対称となるように円弧部を形成している。
【0021】
また、前記走行用係合孔40aも、基本的に、走行用トラニオンアーム19aのロッド連結点を中心とする円弧形状の長孔に形成されているが、走行用係合孔40aの前後側縁部40b、40cのうち、前進操作時(前方スライド時)に係合連結軸43が係合する後側縁部40bは、左右両端側ほど走行用トラニオンアーム19aに近づくように円弧形状が設定される一方、後進操作時(後方スライド時)に係合連結軸43が係合する前側縁部40cは、左右両端側ほど走行用トラニオンアーム19aから遠ざかるように円弧形状が設定されている。つまり、図4に示すように、後側縁部40bにおいては、走行用トラニオンアーム19aのロッド連結点を中心とする基準円弧に対し、その両端側後方に減速領域40d(斜線部分)を確保する一方、前側縁部40cにおいては、上記ロッド連結点を中心とする基準円弧に対し、その両端側前方に減速領域40e(斜線部分)を確保している。
【0022】
また、前記走行用係合孔40aの中間部(中立領域)においては、前後側縁部40b、40cが互いに平行する直線形状に形成されている。つまり、走行制御部材40が組立誤差やガタによって左右に位置ズレしても、走行用トラニオンアーム19aを中立位置に保持すべく構成されている。
【0023】
次に、図5〜図9に基づいて複合制御機構Sの作用を説明する。図5は走行変速レバー25および操向ハンドル27が中立の状態を示している。この状態では、係合連結軸43が操向用係合孔39aおよび走行用係合孔40aの中心点に位置しているので、両トラニオンアーム19a、24aが中立となり、機体は停止する。また、この状態においては、仮令操向ハンドル27を操作しても、係合連結軸43が変位せず、機体は停止状態を維持する。
【0024】
図6は図5の状態から走行変速レバー25を前進側に操作した状態を示している。この状態では、走行制御部材40のスライドに応じて係合連結軸43が前方に変位するので、走行用トラニオンアーム19aが前進側に回動し、その回動量に応じた速度で機体が前進する。また、係合連結軸43は、操向用係合孔39aの円弧に沿って変位するので、操向用トラニオンアーム24aは回動せず、機体は直進することになる。
【0025】
図7は図6の状態から操向ハンドル27を右方向に回転操作した状態を示している。この状態では、操向制御部材39の回転に応じて係合連結軸43が右側に変位するので、操向用トラニオンアーム24aが右側に回動し、その回動量に応じた旋回角で機体が右旋回する。また、係合連結軸43の右側変位をガイドする走行用係合孔40aの後側縁部40bは、減速領域40dにおいて係合連結軸43を走行用トラニオンアーム19aに近づけることにより、走行用トラニオンアーム19aを中立側に少し戻し、旋回走行速度を自動的に減速させる。この減速量は、前記減速領域40dの形状設定に基づき、操向ハンドル27の切れ角が大きくなるほど増加することになる。
【0026】
図8は図7の状態から走行変速レバー25を中立位置に戻した状態を示している。この状態では、走行制御部材40のスライドに応じて係合連結軸43が走行中立位置に戻るので、走行用トラニオンアーム19aが中立位置に復帰し、機体が停止する。また、係合連結軸43は、操向用係合孔39aの傾斜ガイド作用を受けて操向中立位置に戻るので、操向用トラニオンアーム24aも中立位置に復帰し、機体がその場で旋回することがない。
【0027】
図9は図8の状態から走行変速レバー25を後進側に操作した状態を示している。この状態では、走行制御部材40のスライドに応じて係合連結軸43が後方に変位するので、走行用トラニオンアーム19aが後進側に回動し、その回動量に応じた速度で機体が後進する。また、係合連結軸43は、操向用係合孔39aの傾斜ガイド作用を受けて左側に変位するので、操向用トラニオンアーム24aが左側に回動し、その回動量に応じた旋回角で機体が右旋回する。つまり、前記走行用トランスミッション構造においては、機体後進時に操向用トラニオンアーム24aを回動操作すると、アーム回動方向と逆方向に機体が旋回するため、操向用係合孔39aを逆方向に変位させて機体旋回方向をハンドル操作方向に一致させるように構成されている。
【0028】
ところで、前記操向制御部材40は、中立位置を基準とする最大回転角が左右それぞれ45°〜50°に設定されているが、操向ハンドル27の最大回転角は、前記ハンドル回転減速機構30の減速比設定に基づいて任意に設定することができるようになっている。つまり、操向ハンドル27の回転伝達経路にハンドル回転減速機構30を介設するにあたり、係合連結軸43を介して走行用トラニオンアーム19aおよび操向用トラニオンアーム24aに連繋される操向制御部材39よりも上手側の伝達経路にハンドル回転減速機構30を介設しているので、旋回角と自動減速動作との関係等を崩すことなく、操向ハンドル27の最大回転角を変更することが可能になる。例えば操向制御部材39の最大回転角を50°に設定したものにおいて、操向ハンドル27の最大回転角を360°(一回転)に設定する場合には、ハンドル回転減速機構30の減速比を7.2(360/50)とすれば良く、また、操向ハンドル27の最大回転角を540°(一回転半)に設定する場合には、ハンドル回転減速機構30の減速比を10.8(540/50)とすれば良い。この際、上記減速比設定は、前述したギヤ31、32a、32b、34の交換に基づいて容易に行うことが可能となる。
【0029】
また、本実施形態の操向用連結ロッド44は、左右方向を向き、且つ操向ハンドル27の操作方向(後進時は逆方向)に動作し、また、走行用連結ロッド45は、前後方向を向き、且つ走行変速レバー25の操作方向に動作するので、複合制御機構Sにおける動作の理解が容易になってメンテナンス性等を向上させることが可能になるが、各連結ロッド44、45の向きは所定の範囲(例えば45°)で変更しても良く、この場合には、各部材の配置に自由度を持たせることが可能になる。
【0030】
叙述の如く構成されたものにおいて、コンバイン1は、左右のクローラ走行装置8L、8Rに伝動する走行動力を走行変速レバー25の操作に応じて変速する走行用無段変速機構15と、左右のクローラ走行装置8L、8Rを操向ハンドル27の回転操作に応じて差動させる操向用無段変速機構20とを備えるが、走行変速レバー25の操作に応じてスライドする走行制御部材40と、操向ハンドル27の回転操作に応じて回転する操向制御部材39と、両制御部材39、40に形成される長孔状の係合孔39a、40aに係合する係合連結軸43とを設け、該係合連結軸43を前記走行用無段変速機構15および操向用無段変速機構20に連繋させて機体の走行および操向を制御するように構成されている。つまり、走行用無段変速機構15および操向用無段変速機構20に連繋される係合連結軸43を、走行変速レバー操作および操向ハンドル操作に応じて変位させることにより、走行用無段変速機構15および操向用無段変速機構20を複合的に制御するので、走行変速レバー操作および操向ハンドル操作に応じて係合連結軸43を変位させる係合孔39a、40aの形状設定に基づいて旋回時の自動減速機能、前後進切換時の方向反転防止機能等の機能を容易に付加することができる。従って、複雑なリンク機構を不要にして部品点数の削減および構造の簡略化が図れ、その結果、組立性やメンテナンス性を向上させることができる許りでなく、コンバイン1のコストダウンにも寄与することができる。
【0031】
また、両係合孔39a、40aを十字状に交差させると共に、その交差部で係合連結軸43を両係合孔39a、40aに係合させたため、走行変速レバー操作および操向ハンドル操作に応じて係合連結軸43を変位させる機構を、少ない部材でコンパクトに構成することができる。
【0032】
また、長孔状の係合孔39a、40aで係合連結軸43を変位させるので、形状設定が容易になる許りでなく、走行変速レバー操作および操向ハンドル操作に応動する部材を、係合孔39a、40aが形成されたプレート部材等で簡単に構成できる利点がある。
【0033】
また、係合孔39a、40aは、トラニオンアーム19a、24a側の連結点を中心とする略円弧状の長孔に形成されているので、一方の無段変速機構15、20を状態保持しつつ他方の無段変速機構15、20を制御することができ、しかも、前記円弧を基本として形状変更を行うことにより、旋回時の自動減速機能等を容易に付加することができる。
【0034】
また、操向ハンドル27の回転伝達経路にハンドル回転減速機構30を介設するにあたり、係合連結軸43を介して走行用トラニオンアーム19aおよび操向用トラニオンアーム24aに連繋される操向制御部材39よりも上手側の伝達経路にハンドル回転減速機構30を介設しているので、旋回角と自動減速動作との関係等を崩すことなく、操向ハンドル27の最大回転角を任意に変更することができ、その結果、機体条件に適合する最大回転角を設定して操向ハンドル27の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの斜視図である。
【図2】走行用トランスミッションの伝動回路図である。
【図3】複合制御機構を示す要部断面図である。
【図4】走行用係合孔の形状を示す平面図である。
【図5】走行変速レバーおよび操向ハンドルが中立の状態を示す複合制御機構の平面図である。
【図6】図5の状態から走行変速レバーを前進側に操作した状態を示す同上平面図である。
【図7】図6の状態から操向ハンドルを右方向に回転操作した状態を示す同上平面図である。
【図8】図7の状態から走行変速レバーを中立位置に戻した状態を示す同上平面図である。
【図9】図8の状態から走行変速レバーを後進側に操作した状態を示す同上平面図である。
【図10】走行変速レバー位置および操向ハンドル位置に対応する動作を示す表図である。
【符号の説明】
1 コンバイン
8L クローラ走行装置
8R クローラ走行装置
9 走行用トランスミッション
12 主変速用動力合成機構
14L 差動用動力合成機構
14R 差動用動力合成機構
15 走行用無段変速機構
19 走行用トラニオン軸
19a 走行用トラニオンアーム
20 操向用無段変速機構
24 操向用トラニオン軸
24a 操向用トラニオンアーム
25 走行変速レバー
27 操向ハンドル
30 ハンドル回転減速機構
39 操向制御部材
39a 操向用係合孔
40 走行制御部材
40a 走行用係合孔
43 係合連結軸
S 複合制御機構

Claims (3)

  1. 左右のクローラに伝動する走行動力を走行変速レバーの操作に応じて変速する走行用油圧機構と、左右のクローラを操向ハンドルの回転操作に応じて差動させる操向用油圧機構とを備えるクローラ走行車であって、該クローラ走行車に、走行変速レバー操作に応動する走行用係合部と、操向ハンドル操作に応動する操向用係合部と、両係合部に係合する係合体とを設け、該係合体を前記走行用油圧機構および操向用油圧機構に連繋させるにあたり、両係合部を十字状に交差させると共に、その交差部で係合体を両係合部に係合させたことを特徴とするクローラ走行車。
  2. 請求項1において、係合部を長孔で形成したことを特徴とするクローラ走行車。
  3. 請求項1または2において、係合部を、油圧機構側の連結点を中心とする略円弧状の長孔で形成したことを特徴とするクローラ走行車。
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