JP4219931B2 - 糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギンおよび糖鎖ならびにそれらの製造法 - Google Patents

糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギンおよび糖鎖ならびにそれらの製造法 Download PDF

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Description

本発明は糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギンおよび糖鎖ならびにそれらの製造法に関する。
また本発明はフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体およびその製造方法に関する。
近年、核酸(DNA)、タンパク質に続く第三の鎖状生命分子として、糖鎖分子が注目されてきている。ヒトの体は、約60兆個の細胞から成っている一大細胞社会であり、全ての細胞表面は糖鎖分子によって覆われている。例えば、ABO式血液型は細胞表面の糖鎖の違いにより決定されている。
糖鎖は、細胞間の認識や相互作用に関わる働きをもち、細胞社会を成り立たせる要となっている。細胞社会の乱れは、癌、慢性疾患、感染症、老化などにつながる。
例えば、細胞が癌化すると糖鎖の構造変化が起こることが分かっている。また、コレラ菌やインフルエンザウイルスなどは、ある特定の糖鎖を認識し結合することにより、細胞に侵入し感染することが知られている。
糖鎖機能の解明は、新しい原理に基づく医薬品や食品の開発などをもたらし、病気の予防、治療に貢献するなど、幅広い応用が期待されている。
糖鎖は単糖の配列、結合様式・部位、鎖の長さ・分岐様式、全体の高次構造などの多様性から、核酸やタンパク質の構造と比べると非常に複雑な構造である。従って、その構造に由来する生物学的な情報は核酸やタンパク質に比べて多種多様である。糖鎖は、研究の重要性を認識されながらも、その構造の複雑さや多様性により、核酸やタンパク質に比べて研究の推進が遅れている状況にある。
上記のように細胞膜表面や血清などに存在するタンパク質の多くは糖鎖が結合している。糖鎖がタンパク質に共有結合した分子は糖タンパク質とよばれ、糖とタンパク質との結合様式の違いから2つのグループに分けることができる。一つはアスパラギン(Asn)の側鎖のアミノ基と糖鎖が結合したアスパラギン結合型糖鎖(N−グリコシド結合型)である。もう一方はセリン(Ser)やトレオニン(Thr)のアルコールに糖鎖が結合したムチン結合型糖鎖(O−グリコシド結合型)である。すべてのアスパラギン結合型糖鎖は5つの糖残基からなる基本骨格をもち、結合する糖鎖の非還元末端の糖残基の種類によって高マンノース型、複合型、混成型のサブグループに分類される。一方ムチン結合型糖鎖は基本骨格(コア)の違いから4グループに分類される。
このように糖鎖は重要な化合物ではあるが、糖鎖の絶対量の不足がある。糖鎖を得る手段として、生体内に存在する糖タンパク質から糖鎖だけを遊離させる方法がある。しかし糖タンパク質から糖鎖を大量に切り出すのは、困難であり、生体内には構造が酷似した糖鎖が多く存在し、単一の糖鎖のみを大量に得るのは難しい。また、生体内に存在しない糖鎖は、大量に入手するのは困難である。
本発明の課題は、少なくとも1種以上のシアル酸あるいはシアル酸の誘導体を非還元末端に含む新規な糖鎖アスパラギン誘導体とその製造方法を提供することにある。
また本発明の課題は、少なくとも1種以上のシアル酸あるいはシアル酸の誘導体を非還元末端に含む新規な糖鎖アスパラギンとその製造方法を提供することにある。
また本発明の課題は、少なくとも1種以上のシアル酸あるいはシアル酸の誘導体を非還元末端に含む新規な糖鎖とその製造方法を提供することにある。
本発明の課題は、脂溶性の保護基でアスパラギンのアミノ基窒素が保護された糖鎖アスパラギンの非還元末端側のN−アセチルグルコサミンに少なくとも1個以上のフコースを含む新規な糖鎖アスパラギン誘導体とその製造方法を提供することにある。
本発明は、下記の発明に係る。
1.式(1)で表される11〜7糖を有するα2,3糖鎖アスパラギン誘導体及びその製造法。
Figure 0004219931
〔式中、RおよびRは、水素原子、式(2)〜(5)で示される基であり、同一でも異なっていてもよい。ただし、RおよびRの一方は必ず式(2)で示される基である。〕
Figure 0004219931
R,R’,R”は下記の組合せを示す。
(a)R=F、R’=OH、R”=OH
(b)R=OH、R’=F、R”=OH
(c)R=OH、R’=OH、R”=F
(d)R=OH、R’=OH、R”=OH
Figure 0004219931
2.式(6)で表されるフッ素を含む11〜7糖を有するα2,6糖鎖アスパラギン誘導体及びその製造法。
Figure 0004219931
〔式中、RおよびRは、水素原子、式(7)で示される基、または式(3)〜(5)で示される基である。ただし、RおよびRの一方は必ず式(7)で示される基である。〕
Figure 0004219931
R,R’,R”は下記の組合せを示す。
(a)R=F、R’=OH、R”=OH
(b)R=OH、R’=F、R”=OH
(c)R=OH、R’=OH、R”=F
3.式(8)で表される11〜7糖を有するα2,3糖鎖アスパラギン及びその製造法。
Figure 0004219931
〔式中、RおよびRは上記に同じ。〕
4.式(9)で表されるフッ素を含む11〜7糖を有するα2,6糖鎖アスパラギン及びその製造法。
Figure 0004219931
〔式中、RおよびRは上記に同じ。〕
5.式(10)で表される11〜7糖を有するα2,3糖鎖及びその製造法。
Figure 0004219931
〔式中、RおよびRは上記に同じ。〕
6.式(11)で表されるフッ素を含む11〜7糖を有するα2,6糖鎖及びその製造法。
Figure 0004219931
〔式中、RおよびRは上記に同じ。〕
7.式(22)で表される11糖を有する(α2,3)(α2,6)糖鎖アスパラギン誘導体。
Figure 0004219931
〔式中、Rは式(2)で示される基であり、Rは下記式(7)で示される基である。〕
Figure 0004219931
R,R’,R”は下記の組合せを示す。
(a)R=F、R’=OH、R”=OH
(b)R=OH、R’=F、R”=OH
(c)R=OH、R’=OH、R”=F
(d)R=OH、R’=OH、R”=OH
8.式(23)で表される11糖を有する(α2,3)(α2,6)糖鎖アスパラギン誘導体。
Figure 0004219931
〔式中、Rは式(2)で示される基であり、Rは下記式(7)で示される基である。〕
Figure 0004219931
R,R’,R”は下記の組合せを示す。
(a)R=F、R’=OH、R”=OH
(b)R=OH、R’=F、R”=OH
(c)R=OH、R’=OH、R”=F
(d)R=OH、R’=OH、R”=OH
本発明は、脂溶性の保護基でアスパラギンのアミノ基窒素が保護された糖鎖アスパラギンの非還元末端側のN−アセチルグルコサミンに少なくとも1個以上のフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体、およびその製造方法に係る。
本発明者は、先に特願2001−185685号(以下、先願という)において、種々の単離された糖鎖アスパラギン誘導体を従来に比べて非常に容易かつ大量に得ることができる、糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギン、糖鎖の製造方法、更には糖残基が任意に欠失した糖鎖が結合した新規な糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギン、糖鎖を開発した。
この先願の方法は例えば
(1) (a)1種もしくは2種以上の糖鎖アスパラギンを含む混合物に含まれる該糖鎖アスパラギンに脂溶性の保護基を導入して糖鎖アスパラギン誘導体混合物を得る工程、
ならびに
(b)該糖鎖アスパラギン誘導体混合物または該糖鎖アスパラギン誘導体混合物に含まれる糖鎖アスパラギン誘導体を加水分解して得られる混合物をクロマトグラフィーに供して各糖鎖アスパラギン誘導体を分離する工程、
を含む、糖鎖アスパラギン由来の糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法、
(2) (b’)工程(b)で分離された糖鎖アスパラギン誘導体を糖加水分解酵素を用いて加水分解する工程をさらに含む前記(1)記載の糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法、
(3) 1種もしくは2種以上の糖鎖アスパラギンを含む混合物が、下記式(A)の化合物および/または該化合物において1以上の糖残基が欠失した化合物を含むものである、前記(1)または(2)記載の糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法、
(4) 脂溶性の保護基がフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基である前記(1)〜(3)いずれか記載の糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法、
(5) 工程(a)が、非還元末端にシアル酸残基を有する1種もしくは2種以上の糖鎖アスパラギンを含む混合物に含まれる該糖鎖アスパラギンにFmoc基を導入し、かつシアル酸残基にベンジル基を導入して糖鎖アスパラギン誘導体混合物を得る工程である、前記(1)〜(3)いずれか記載の糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法、
(6) (a)1種もしくは2種以上の糖鎖アスパラギンを含む混合物に含まれる該糖鎖アスパラギンに脂溶性の保護基を導入して糖鎖アスパラギン誘導体混合物を得る工程、
(b)該糖鎖アスパラギン誘導体混合物または該糖鎖アスパラギン誘導体混合物に含まれる糖鎖アスパラギン誘導体を加水分解して得られる混合物をクロマトグラフィーに供して各糖鎖アスパラギン誘導体を分離する工程、ならびに
(c)工程(b)で分離された糖鎖アスパラギン誘導体の保護基を除去して糖鎖アスパラギンを得る工程、
を含む、糖鎖アスパラギンの製造方法、
(7) (b’)工程(b)で分離された糖鎖アスパラギン誘導体を糖加水分解酵素を用いて加水分解する工程、および/または
(c’)工程(c)で得られた糖鎖アスパラギンを糖加水分解酵素を用いて加水分解する工程、
をさらに含む、前記(6)記載の糖鎖アスパラギンの製造方法、
(8) 1種もしくは2種以上の糖鎖アスパラギンを含む混合物が、下記式(A)の化合物および/または該化合物において1以上の糖残基が欠失した化合物を含むものである、前記(6)または(7)記載の糖鎖アスパラギンの製造方法、
(9) 脂溶性の保護基がFmoc基である前記(6)〜(8)いずれか記載の糖鎖アスパラギンの製造方法、
(10) 工程(a)が、非還元末端にシアル酸残基を有する1種もしくは2種以上の糖鎖アスパラギンを含む混合物に含まれる該糖鎖アスパラギンにFmoc基を導入し、かつシアル酸残基にベンジル基を導入して糖鎖アスパラギン誘導体混合物を得る工程である、前記(6)〜(8)いずれか記載の糖鎖アスパラギンの製造方法などである。
Figure 0004219931
これら糖鎖アスパラギン誘導体及び糖鎖アスパラギンの製造についての詳細は、上記先願に述べられているので、これを引用する。しかし若干先願の内容について述べると、先願の糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法は、たとえば、天然の糖タンパク質に由来する糖鎖アスパラギン、好ましくはアスパラギン結合型糖鎖から得られる糖鎖アスパラギンの混合物に含まれる当該糖鎖アスパラギンに脂溶性の保護基を導入(結合)して糖鎖アスパラギン誘導体の混合物を得た後に当該混合物を各糖鎖アスパラギン誘導体に分離することを1つの大きな特徴とする。なお、本明細書において、「糖鎖アスパラギン」とはアスパラギンが結合した状態の糖鎖をいう。また、「アスパラギン結合型糖鎖」とはタンパク質のポリペプチド中のアスパラギン(Asn)の酸アミノ基に、還元末端に存在するN−アセチルグルコサミンがN−グリコシド結合した糖鎖群であって、Man(β1−4)GlcNac(β1−4)GlcNacを母核とする糖鎖群をいう。「糖鎖アスパラギン誘導体」とはアスパラギン残基に脂溶性の保護基が結合した状態の糖鎖アスパラギンをいう。また、化合物の構造式中、「AcHN」はアセトアミド基を示す。
前記するように、天然の糖タンパク質に由来する糖鎖は非還元末端の糖残基がランダムに欠失した糖鎖の混合物である。本発明者らは、意外にも天然の糖タンパク質に由来する糖鎖、具体的には糖鎖アスパラギンの混合物に含まれる当該糖鎖アスパラギンに脂溶性の保護基を導入することで、当該保護基が導入された糖鎖アスパラギン誘導体の混合物を公知のクロマトグラフィーの手法を用いて容易に個々の糖鎖アスパラギン誘導体に分離することができることを見出した。それにより、種々の構造を有する糖鎖アスパラギン誘導体をそれぞれ大量に調製することが可能となった。たとえば、従来分離が困難であった類似構造の糖鎖アスパラギン誘導体同士の分離が可能となり、それらの化合物を各々、容易かつ大量に調製することができる。また、得られた糖鎖アスパラギン誘導体を元に、たとえば、糖加水分解酵素を順次作用させて糖残基を除去することにより、さらに様々な糖鎖アスパラギン誘導体を合成することもできる。
このように、糖鎖アスパラギンに脂溶性の保護基を導入して誘導体化することにより個々の糖鎖アスパラギン誘導体の分離が可能となったが、これは、脂溶性の保護基を導入したことにより糖鎖アスパラギン誘導体の全体の脂溶性が高まり、たとえば、好適に使用される逆相系カラムとの相互作用が格段に向上し、その結果、より鋭敏に糖鎖構造の差を反映して個々の糖鎖アスパラギン誘導体が分離されるようになったことによると考えられる。
さらに、先願によれば、得られた糖鎖アスパラギン誘導体の保護基を除去することにより種々の糖鎖アスパラギンを、人工的に容易かつ大量に得ることができる。
しかし、上記先願で得られる糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギン及び糖鎖はいずれもα2,6結合体のものであった。
また、上記先願で得られる糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギン及び糖鎖はいずれもフコースが結合していない糖鎖アスパラギン誘導体であった。
本発明では、上記先願に記載のないα2,3結合体の糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギン及び糖鎖、並びにα2,6結合体のもので更にフッ素を含む、いずれも新規な糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギン及び糖鎖を得るものである。
また本発明では、上記先願に記載のないフコース結合体の糖鎖アスパラギン誘導体を得るものである。
ここで、α2,3結合体とα2,6結合体の相異について以下に説明する。
α2,3結合体、α2,6結合体とは、シアル酸とガラクトースとの結合様式を表わすものである。前者は、シアル酸の2位の炭素と、ガラクトースの3位の炭素がα結合しているものをいい、後者は、シアル酸の2位の炭素と、ガラクトースの6位の炭素がα結合しているものをいう。これらは、ガラクトースとの結合炭素の違いではある。
しかしながらこの違いは、例えば、インフルエンザウイルスは、シアル酸を末端に持つ糖鎖をレセプターとして認識している。しかし、ヒトとトリのインフルエンザウイルスではレセプター特異性が異なっている。前者は、シアル酸がガラクトースにα2,6結合した糖鎖を、後者はシアル酸がガラクトースにα2,3結合した糖鎖を特異的に認識する。シアル酸−ガラクトース間の結合様式の違い、さらにはシアル酸の相違が、インフルエンザウイルスの宿主域の制限に大きな役割を果たしていることが知られている。
本発明では、このように先願には記載のない新規な糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギン及び糖鎖、並びにそれらの製造法に係るものである。
本発明の方法においては先ず、出発化合物である脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギン(9糖−Asn−Fmoc)をシアル酸転移酵素を用いてシアル酸あるいはシアル酸の誘導体を転移させ、得られた脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギンをクロマトグラフィーに供することにより分離し、脂溶性の保護基で保護されたジシアロ糖鎖アスパラギン誘導体および2種のモノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体が得られる。
次いで、得られたジシアロ糖鎖アスパラギン誘導体および2種のモノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体を糖加水分解することにより、シアル酸あるいはシアル酸誘導体を有する9〜7糖鎖アスパラギン誘導体が得られる。
また、上記で得られた11〜7糖鎖アスパラギン誘導体やジシアロ糖鎖アスパラギン(α2,6−11糖−Asn−Fmoc)を出発原料としそれを糖加水分解することにより得られる10〜6糖鎖アスパラギン誘導体に、糖転移酵素によりフコースを転移することによりフコースを含む13〜7糖鎖アスパラギン誘導体が得られる。
当該保護基としては特に限定されるものではなく、例えば、Fmoc基やt−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、ベンジル基、アリル基、アリルオキシカルボニル基、アセチル基等の、カーボネート系またはアミド系の保護基等を使用することができる。得られた糖鎖アスパラギン誘導体を直ちに所望の糖ペプチドの合成に使用できるという観点から、当該保護基としては、Fmoc基またはBoc基などが好ましく、Fmoc基がより好ましい。Fmoc基はシアル酸等比較的酸性条件に不安定な糖が糖鎖に存在する場合に特に有効である。また、保護基の導入は公知の方法(たとえば、Protecting groups in Organic chemistry,John Wiley & Sons INC.,New York 1991,ISBN 0−471−62301−6を参照)に従って行えばよい。
たとえば、Fmoc基を用いる場合、糖鎖アスパラギンに対しアセトンを適量加えた後、さらに9−フルオレニルメチル−N−スクシニミヂルカーボネートと炭酸水素ナトリウムを加えて溶解し、25℃にてアスパラギン残基へのFmoc基の結合反応を行うことにより、当該糖鎖アスパラギンのアスパラギン残基にFmoc基を導入することができる。
以上の操作により、脂溶性の保護基が導入された糖鎖アスパラギン誘導体が得られる。
シアル酸としては、一般に市販されているシアル酸あるいは化学合成したものを用いることができる。
シアル酸の誘導体としては、一般に市販されているシアル酸の誘導体あるいは化学合成したものを用いることができる。具体的には、シアル酸の7位、8位あるいは9位の炭素に結合している水酸基を水素原子あるいはハロゲン原子で置換したものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素等を挙げることができるが、好ましくはフッ素がよい。
シアル酸転移酵素としては、一般に市販されているもの、天然由来のもの、遺伝子組換えにより生産されたものを用いることができ、転移させるシアル酸あるいはシアル酸の誘導体の種類により適宜選択することができる。具体的には、α2,3転移酵素であるRat Recombinant由来のもの、α2,6転移酵素であるRat Liver由来のものを挙げることができる。また、シアリターゼをもちいてpH調整等により平衡をずらすことにより、シアル酸あるいはシアル酸の誘導体を転移させてもよい。
上記糖鎖アスパラギン誘導体のクロマトグラフィーによる分離は、適宜、公知のクロマトグラフィーを単独でまたは複数組み合わせて用いることにより行うことができる。
たとえば、得られた糖鎖アスパラギン誘導体混合物をゲル濾過カラムクロマトグラフィーで精製後、HPLCを用いて精製する。HPLCにおいて用い得るカラムとしては逆相系のカラムが好適であり、たとえば、ODS、Phenyl系、ニトリル系や、陰イオン交換系のカラム、具体的には、たとえば、ファルマシア社製モノQカラム、イヤトロン社製イアトロビーズカラムなどが利用可能である。分離条件等は適宜、公知の条件を参照して調整すればよい。以上の操作により、糖鎖アスパラギン誘導体混合物から所望の各糖鎖アスパラギン誘導体を得ることができる。
以上の操作により、たとえば、保護基がFmoc基である場合、式(12)、(13)、(17)、(18)、(22)、(23)の糖鎖アスパラギン誘導体を単独又は混合物の形で得ることができる。
次に、上記で分離された糖鎖アスパラギン誘導体を加水分解することにより、所望の糖鎖構造を有する糖鎖アスパラギン誘導体を効率的に得ることができる。たとえば、糖鎖アスパラギン誘導体を分離する段階においては混合物に含まれる糖鎖アスパラギン誘導体の種類を制限して糖鎖アスパラギン誘導体を大まかに分離し、次いで加水分解、たとえば、糖加水分解酵素を用いて加水分解することにより所望の糖鎖構造を有する糖鎖アスパラギン誘導体を効率的に得ることができる。なお、加水分解は前記と同様にして行うことができる。特に、所望の糖鎖構造を有する糖鎖アスパラギン誘導体をより効率的に得る観点から、糖残基の切断様式が明確な糖加水分解酵素を用いて加水分解するのが好ましい。
たとえば、ガラクトース残基の除去は、加水分解される化合物を緩衝液(たとえば、リン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、グッド緩衝溶液など)に溶かし、公知の条件に従ってガラクトース加水分解酵素を用いてガラクトース残基の切断反応を行うことにより成し得る。なお、加水分解される化合物は各々単離されたものであっても混合物であってもよい。この反応で用いるガラクトース加水分解酵素は市販されている公知のエキソ型の酵素を利用するのが好ましい。また、同様の活性を有するものであれば、新たに単離された酵素、遺伝子工学的に創製された酵素であってもよい。次いで、前記と同様にして、反応後に得られる反応液(糖残基が切断された糖鎖アスパラギン誘導体の混合物)をクロマトグラフィーに供し、各糖鎖アスパラギン誘導体を得ればよい。たとえば、分離はHPLC(ODSカラム、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18)で行うのが好ましい。
N−アセチルグルコサミン残基の除去は、加水分解される化合物を緩衝液(たとえば、リン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、グッド緩衝溶液など)に溶かし、公知の条件に従ってN−アセチルグルコサミン加水分解酵素を用いてN−アセチルグルコサミン残基の切断反応を行うことにより成し得る。また、N−アセチルヘキソサミニダーゼ加水分解酵素を用いてもよい。なお、加水分解される化合物は各々単離されたものであっても混合物であってもよい。この反応で用いる各酵素は市販されているエキソ型の酵素を利用するのが好ましい。また、同様の活性を有するものであれば、新たに単離された酵素、遺伝子工学的に創製された酵素であってもよい。次いで、前記と同様にして、反応後に得られる反応液(糖残基が切断された糖鎖アスパラギン誘導体の混合物)をクロマトグラフィーに供し、各糖鎖アスパラギン誘導体を得ればよい。たとえば、分離はHPLC(ODSカラム、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:メタノール=65:35または50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18)で行うのが好ましい。
マンノース残基の除去は、加水分解される化合物を緩衝液(たとえば、リン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、グッド緩衝溶液など)に溶かし、公知の条件に従ってマンノース加水分解酵素を用いてマンノース残基の切断反応を行うことにより成し得る。なお、加水分解される化合物は各々単離されたものであっても混合物であってもよい。この反応で用いるマンノース加水分解酵素は市販されているエキソ型の酵素を利用するのが好ましい。また、同様の活性を有するものであれば、新たに単離された酵素、遺伝子工学的に創製された酵素であってもよい。次いで、前記と同様にして、反応後に得られる反応液(糖残基が切断された糖鎖アスパラギン誘導体の混合物)をクロマトグラフィーに供し、各糖鎖アスパラギン誘導体を得ればよい。たとえば、分離はHPLC(ODSカラム、展開溶媒は、10〜200mM程度の酢酸アンモニウムなどの緩衝溶液とアセトニトリル、あるいはエタノール、あるいはメタノール、あるいはブタノール、あるいはプロパノールなどの脂溶性のある水溶性有機溶剤を適宜混ぜて用いることができる。ここに例示する場合、展開溶媒としては50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18が好適である)で行うのが好ましい。
このようにして得られた各糖鎖アスパラギン誘導体を得た後、フコースを転移させることにより本発明の脂溶性の保護基でアスパラギンのアミノ基窒素が保護された糖鎖アスパラギンの非還元末端側のN−アセチルグルコサミンに少なくとも1個以上のフコースを含む新規な糖鎖アスパラギン誘導体を製造することができる。
フコースとしては、一般に市販されているフコースあるいは化学合成したものを用いることができる。
フコース転移酵素としては、一般に市販されているもの、天然由来のもの、遺伝子組換えにより生産されたものを用いることができ、転移させるフコースの種類により適宜選択することができる。具体的には、糖鎖アスパラギンの非還元末端側のN−アセチルグルコサミンにフコースを転移させる酵素であるFucosyltransferase V(Human,Recombinant、血漿由来、血清由来、乳汁由来、肝臓由来)などを挙げることができる。また、フコース加水分解酵素を用いてpH調整等により平衡ずらすことにより、フコースを転移させてもよい。
上記糖鎖アスパラギン誘導体のクロマトグラフィーによる分離は、適宜、公知のクロマトグラフィーを単独でまたは複数組合せて用いることにより行うことができる。
たとえば、得られた糖鎖アスパラギン誘導体混合物をゲル濾過カラムクロマトグラフィーで精製後、HPLCを用いて精製する。HPLCにおいて用い得るカラムとしては逆相系のカラムが好適であり、たとえば、ODS、Phenyl系、ニトリル系や、陰イオン交換系のカラム、具体的には、たとえば、ファルマシア社製モノQカラム、イヤトロン社製イアトロビーズカラムなどが利用可能である。分離条件等は適宜、公知の条件を参照して調整すればよい。以上の操作により、糖鎖アスパラギン誘導体混合物から所望の各糖鎖アスパラギン誘導体を得ることができる。
このように、各糖鎖アスパラギン誘導体を得た後、さらに各種糖加水分解酵素等を用いて当該誘導体を加水分解し、糖鎖の非還元末端の糖残基を除去することにより、たとえば、糖鎖の末端の分岐構造が不均一な様々な糖鎖アスパラギン誘導体をそれぞれ単一化合物として得ることができる。また、種々の糖加水分解酵素を用い、加水分解する順番やその種類を変えることで、より多くの種類の糖鎖アスパラギン誘導体を製造することができる。
従来の方法によれば、極限られた糖鎖構造を有する糖鎖アスパラギン誘導体を分析スケールで得るのにさえ膨大な時間とコストが必要であったが、本発明によれば、特別の装置や試薬を必要とすることなく、慣用のゲルろ過カラム、HPLCカラムや、少なくとも3種類の糖加水分解酵素(たとえば、ガラクトース加水分解酵素、マンノース加水分解酵素、N−アセチルグルコサミン加水分解酵素)等を使って、2週間程度で所望の糖鎖構造を有する糖鎖アスパラギン誘導体を1グラム程度調製することが可能である。
以上の操作により、たとえば、保護基がFmoc基である場合、式(14)〜(16)、(19)〜(21)の糖鎖アスパラギン誘導体を単独又は混合物の形で得ることができる。
また本発明は、種々の単離された糖鎖アスパラギンを大量に得ることができる糖鎖アスパラギンの製造方法を提供する。当該方法は、前記糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法に従う糖鎖アスパラギン誘導体の製造工程に続き、さらに、得られた糖鎖アスパラギン誘導体から保護基を除去する工程を含むものである。
糖鎖アスパラギン誘導体からの保護基の除去は、公知の方法に従って行うことができる(たとえば、Protecting groups in Organic chemistry,John Wiley & Sons INC.,New York 1991,ISBN 0−471−62301−6を参照)。たとえば、保護基がFmoc基である場合、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中、糖鎖アスパラギン誘導体にモルホリンを加えて反応を行うことによりFmoc基を除去することができる。また、Boc基は弱酸を反応させることで除去することができる。保護基除去後、所望により適宜、公知の方法、たとえば、ゲル濾過カラム、イオン交換カラムなどを使用する各種クロマトグラフィーや、HPLCによる分離という方法によって精製することにより、糖鎖アスパラギンを得てもよい。
以上の操作により、たとえば、式(8)、(9)の糖鎖アスパラギンを単独又は混合物の形で得ることができる。
さらに本発明は、種々の単離された糖鎖を大量に得ることができる糖鎖の製造方法を提供する。当該方法は、前記糖鎖アスパラギンの製造方法に従う糖鎖アスパラギンの製造工程に続き、さらに、得られた糖鎖アスパラギンからアスパラギン残基を除去する工程を含むものである。
糖鎖アスパラギンからのアスパラギン残基の除去は、公知の方法に従って行うことができる。たとえば、糖鎖アスパラギンを無水ヒドラジンと反応させた後、アセチル化することによりアスパラギン残基を除去して糖鎖を得ることができる。また、糖鎖アスパラギンを塩基性水溶液で加熱還流後、アセチル化することによってもアスパラギン残基を除去して糖鎖を得ることができる。アスパラギン残基除去後、所望により適宜、公知の方法、たとえば、ゲル濾過カラム、イオン交換カラムなどを使用する各種クロマトグラフィーや、HPLCによる分離という方法によって精製してもよい。
以上の操作により、たとえば、式(10)、(11)の糖鎖を単独又は混合物の形で得ることができる。
このように、本発明によれば、所望の糖鎖構造を有する糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギンおよび糖鎖(以下、3つ併せて糖鎖類という場合がある)を安価かつ効率的に大量に製造することができる。
かかる糖鎖類は医薬品開発等の分野において非常に有用である。たとえば、医薬品開発における応用例としては、たとえば、ガンのワクチン合成があげられる。細胞がガン化すると体内にはなかった糖鎖が発現することが知られている。また、当該糖鎖を化学的に合成し、ワクチンとして個体に投与すると、ガンの増殖が抑制されることも知られている。そこで、本発明により所望の糖鎖類を製造することができれば、ガンの治療に有効なワクチンの合成を行うことが可能である。また、本発明により得られる糖鎖類を、さらに化学的な反応および糖転移酵素による反応などを組み合わせて新たな糖残基を結合させて誘導体化し、新規なワクチンの合成を行うことも可能である。
以下に参考例、実施例を挙げて説明するが、本発明は何らこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1 α2,6−ジシアロ糖鎖アスパラギンの合成
卵由来粗精製SGP(シアリルグリコペプチド)2.6gをトリス−塩酸・塩化カルシウム緩衝溶液(TRIZMA BASE 0.05mol/l、塩化カルシウム0.01mol/l、pH7.5)100mlに溶解させた。これにアジ化ナトリウム58mg(772μmol)とアクチナーゼ−E(科研製薬社製)526mgを加え、37℃で静置した。65時間後、再びアクチナーゼ−Eを263mg加え、更に37℃で24時間静置した。この溶液を凍結乾燥した後、残留物をゲル濾過カラムクロマトグラフィー(Sephadex G−25、2.5φ×1m、展開溶媒は水、流速は1.0ml/min)で2回精製し、α2,6−ジシアロ糖鎖アスパラギンを1.3g(555μmol)得た。
得られたジシアロ糖鎖アスパラギンの物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
δ 5.13(s,1H,Man4−H−1),5.07(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.95(s,1H,Man4−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.61(d,1H,J=7.6Hz,GlcNAc2−H−1),4.60(d,2H,J=7.6Hz,GlcNAc5,5−H−1),4.44(d,2H,J=8.0Hz,Gal6,6−H−1),4.25(bd,1H,Man3−H−2),4.20(bdd,1H,Man4−H−2),4.12(bd,1H,Man4−H−2),2.94(dd,1H,J=4.5Hz,17.2Hz,Asn−βCH),2.85(dd,1H,J=7.0Hz,17.2Hz,Asn−βCH),2.67,2.66(dd,2H,J=4.6Hz,12.4Hz,NeuAc7,7−H−3eq),2.07(s,3H,Ac),2.06(s,6H,Ac×2),2.02(s,6H,Ac×2),2.01(s,3H,Ac),1.71(dd,2H,J=12.4Hz,12.4Hz,NeuAc7,7−H−3ax.)
Figure 0004219931
参考例2 化合物1、2、3および4の合成
参考例1で得られたα2,6−ジシアロ糖鎖アスパラギン(609mg,261μmol)を水20.7mlに溶解させ、さらに0.1規定塩酸13.8mlを加えた。この溶液を70℃で35分間加熱した後速やかに氷冷し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH7とした。これを凍結乾燥した後、残留物をゲル濾過カラムクロマトグラフィー(Sephadex G−25、2.5φ×1m、展開溶媒は水、流速は1.0ml/min)で精製したところ、α2,6−ジシアロ糖鎖アスパラギン、2種のα2,6−モノシアロ糖鎖アスパラギンおよびアシアロ糖鎖アスパラギンの混合物534mgを得た。この4成分はそれぞれを単離することなく次の工程に進めた。
なお、得られた糖鎖混合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
5.13(s,Man4−H1),5.12(s,Man4−H1),5.01(d,GlcNAc1−H1),4.94(s,Man4’−H1),4.93(s,Man4’−H1),4.82(s,Man3−H1),4.60(d,GlcNAc2−H1),4.58(d,GlcNAc5,5’−H1),4.47(dd,Gal6,6’−H1),4.44(d,Gal6,6’−H1),4.24(d,Man3−H2),4.19(d,Man4’−H2),4.11(d,Man4−H2),2.97(bdd,AsN−βCH),2.72(dd,NeuAc7−H3eq,NeuAc7−H3eq),2.64(bdd,AsN−βCH),2.15(s×5,−Ac),1.79(dd,NeuAc7−H3ax,NeuAc7’−H3ax)
得られた糖鎖の混合物429mgをアセトン16.3mlと水11.2mlに溶解させた。ここに9−フルオレニルメチル−N−スクシニミジルカーボネート(155.7mg,461.7μmol)と炭酸水素ナトリウム(80.4mg,957μmol)を加え、室温で2時間攪拌した。この溶液をエバポレーターに供してアセトンを除き、残りの溶液をゲル濾過カラムクロマトグラフィー(Sephadex G−25、2.5φ×1m、展開溶媒は水、流速は1.0ml/min)で精製したところ、化合物1、化合物2および3、化合物4の混合物309mgが得られた。この混合物をHPLC(ODSカラム、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:メタノール=65:35、2.0φ×25cm、流速3ml/min)を用いて精製したところ、51分後に化合物1が、67分後に化合物2および3の混合物が、93分後に化合物4が溶出した。それぞれを取り分け凍結乾燥を行った後、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー(Sephadex G−25、2.5φ×30cm、展開溶媒は水、流速は1.0ml/min)で脱塩することで目的の化合物2および3の混合物150mgを得た。
なお、得られた化合物1の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
7.99(2H,d,Fmoc),7.79(2H,d,Fmoc),7.55(4H,m,Fmoc),5.15(1H,s,Man4−H1),5.06(1H,d,GlcNAc1−H1),4.95(1H,s,Man4’−H1),4.82(1H,s,Man3−H1),4.69(1H,d,GlcNAc2−H1),4.67(2H,d,GlcNAc5,5’−H1),4.53(2H,d,Gal6,6’−H1),4.34(1H,d,Man3−H2),4.27(1H,d,Man4’−H2),4.19(1H,d,Man4−H2),3.03(1H,bdd,AsN−βCH),3.00(1H,bdd,AsN−βCH),2.76(2H,dd,NeuAc7,7’−H3eq),2.15(18H,s×6,−Ac),1.79(2H,dd,NeuAc7,7’−H3ax);HRMS Calcd for C103154NaO66[M+Na+]2581.8838,found,2581.8821
Figure 0004219931
上記の糖鎖の構造を記号化すると次のようになる。ここで
NeuAc:シアル酸 Gal:D−ガラクトース GlcNAc:N−アセチルグルコサミン Man:D−マンノース Asn:アスパラギン を示す。
Figure 0004219931
また、得られた化合物2および3の混合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
7.99(d,Fmoc),7.79(d,Fmoc),7.55(m,Fmoc),5.14(s,Man4−H1),5.12(s,Man4−H),5.00(d,GlcNAc1−H1),4.94(s,Man4’−H1),4.93(s,Man4’−H1),4.82(s,Man3−H1),4.60(d,GlcNAc2−H1),4.58(d,GlcNAc5,5’−H1),4.46(dd,Gal6,6’−H1),4.44(d,Gal6,6’−H1),4.24(d,Man3−H2),4.19(d,Man4’−H2),4.11(d,Man4−H2),2.97(bdd,AsN−βCH),2.72(dd,NeuAc7−H3eq,NeuAc7−H3eq),2.64(bdd,AsN−βCH),2.15(s×5,−Ac),1.79(dd,NeuAc7−H3ax,NeuAc7’−H3ax)
また、得られた化合物4の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
7.99(2H,d,Fmoc),7.79(2H,d,Fmoc),7.55(4H,m,Fmoc),5.12(1H,s,Man4−H1),5.06(1H,d,GlcNAc1−H1),4.93(1H,s,Man4’−H1),4.82(1H,s,Man3−H1),4.69(1H,d,GlcNAc2−H1),4.67(2H,d,GlcNAc5,5’−H1),4.53(2H,d,Gal6,6’−H1),4.34(1H,d,Man3−H2),4.27(1H,d,Man4’−H2),4.19(1H,d,Man4−H2),3.03(1H,bdd,AsN−βCH),3.00(1H,bdd,AsN−βCH),2.15(12H,s×4,−Ac);HRMS Calcd for C81120NaO50[M+Na+]1999.6930,found,1999.6939
Figure 0004219931
上記の化合物4の構造の簡略化したものを表2に示す。
参考例3 化合物2、3の合成および単離
参考例2で得られた化合物2、3の混合物(5.0mg,2.2μmol)を220μLの水に溶解させ、22mMの炭酸セシウム水溶液を100μL加え、pH7.0とした。この溶液を凍結乾燥した。乾燥後の固形物にN,N−ジメチルホルムアミドを430μL加え、更に6.6μmolのベンジルブロマイド/N,N−ジメチルホルムアミド溶液を20μL加えた。この溶液をアルゴン雰囲気下で攪拌した。48時間後、TLC(展開溶媒は1M NH4OAc:イソプロパノール=1:2を用いた)にて原料の消失を確認した後、4.4mLのジエチルエーテルを加えて化合物を沈殿させた。沈殿した糖鎖を濾過し、残った糖鎖を水に溶解させ凍結乾燥した。凍結乾燥後の残留物を分取HPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=78:22、流速4.0mL/min)で精製したところ、88分後に化合物3が、91分後に化合物2が溶出した。それぞれを取り分け、更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物2のベンジル体が1.6mg、化合物3のベンジル体が1.8mg得られた。
化合物2のベンジル体(10糖、13.6mg、5.8mmol)を、氷冷下にNaOHaq.(pH=12)1.4mlに溶解させた。反応をHPLCでモニターしながら約8時間撹拌した。反応の進行が終了した時点で、反応液を40mM HClにてpH=7.0に調整した。中和後の液を、メンブランフィルターで濾過した後、濃縮、次いでHPLC(YMC− Pack ODS−AM,SH−343−5AM,20×250mm,AN/25mM AcONH buffer=20/80,7.0ml/min.,wave length;274nm)にて分取・精製を行った。分取した液を濃縮後、ODSカラム(コスモシール 75C18−OPN,ナカライテスク社製)にて脱塩処理を行い、濃縮、凍結乾燥を行うと、目的とする化合物2(6.2mg,47.4%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。化合物2の構造の簡略化したものを表1に示す。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.00(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.79(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.59(dd,2H,J=7.2,Fmoc),7.53(dd,2H,J=7.2,Fmoc),5.22(s,1H,Man4−H1),5.09(d,1H,J=9.8,GlcNAc1−H1),5.01(s,1H,Man4’−H−1),4.85(s,1H),4.58−4.75(m,5H),4.57(dd,2H,J=8.0),4.38−4.48(m,2H),4.33(s,1H),4.28(bs,1H,Man4−H2),4.19(bs,1H),2.64−2.85(m,3H,Asn−βCHx2,NeuAc7−H3eq),2.16,2.13,2.12(eachs,12H,Acx4),1.98(s,3H,Ac)1.80(dd,1H,Ja=12.0,Jb=12.0,NeuAc7−H3ax).
化合物3のベンジル体(10糖、5.0mg、2.1mmol)を、氷冷下にNaOHaq.(pH=12)2.0mlに溶解させた。反応をHPLCでモニターしながら約5時間撹拌した。反応の進行が終了した時点で、反応液を40mM HClにてpH=7.0に調整した。中和後の液を、メンブランフィルターで濾過した後、濃縮、次いでHPLC(YMC− Pack ODS−AM,SH−343−5AM,20×250mm,AN/25mM AcONH buffer=20/80,7.0ml/min.,wave length;274nm)にて分取・精製を行った。分取した液を濃縮後、ODSカラム(コスモシール 75C18−OPN,ナカライテスク社製)にて脱塩処理を行い、濃縮、凍結乾燥を行うと、目的とする化合物3(2.5mg,52.0%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。化合物3の構造の簡略化したものを表1に示す。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.01(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.80(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.59(dd,2H,J=7.6,Fmoc),7.52(dd,2H,J=7.6,Fmoc),5.21(s,1H,Man4−H1),5.09(d,1H,J=9.5,GlcNAc1−H1),5.03(s,1H,Man4’−H−1),4.58−4.71(m,5H),4.54(t,2H,J=7.5),4.40−4.50(b,2H),4.34(s,1H),4.28(bs,1H,Man4−H2),4.19(bs,1H),2.70−2.85(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.55−2.70(m,1H,Asn−βCH),2.16,2.15,2.13,2.11(eachs,12H,Acx4),1.98(s,3H,Ac)1.80(dd,1H,Ja=12.4,Jb=12.4,NeuAc7−H3ax).
参考例4 化合物5および6の合成
参考例2で得られた化合物2および3の混合物(224mg,97μmol)とウシ血清アルブミン24mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH6.0)22mlに溶解させ、さらにDiplococcus pneumoniae由来β−ガラクトシダーゼ(1.35U)を加えた。この溶液を37℃で15時間静置した後、凍結乾燥を行った。残留物をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=85:15、流速3ml/min)で精製したところ、129分後に化合物5が、134分後に化合物6が溶出した。それぞれを取り分け、凍結乾燥を行った。続いてHPLC〔ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は最初の15分間が水、16分後から30分後までは水:アセトニトリル(容量比)=10:0から85:15、31分後から45分後までは水:アセトニトリル=85:15から80:20になるようにグラジエントを掛けた。流速は3.0ml/min〕を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物5が81mg、化合物6が75mg得られた。
なお、得られた化合物5の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
7.99(2H,d,Fmoc),7.79(2H,d,Fmoc),7.55(4H,m,Fmoc),5.15(1H,S,Man4−H1),5.06(1H,d,GlcNAc1−H1),4.95(1H,s,Man4’−H1),4.82(1H,s,Man3−H1),4.69(1H,d,GlcNAc2−H1),4.67(2H,d,GlcNAc5,5’−H1),4.53(1H,d,Gal6’−H1),4.34(1H,d,Man3−H2),4.27(1H,d,Man4’−H2),4.19(1H,d,Man4−H2),2.97(1H,bdd,AsN−βCH),2.76(1H,dd,NeuAc7’−H3eq),2.61(1H,bdd,AsN−βCH),2.15(15H,s×5,−Ac),1.79(1H,dd,NeuAc7’−H3ax);HRMS Calcd for C86127NaO53[M+Na+]2128.7356,found,2128.7363
また、得られた化合物6の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
7.99(2H,d,Fmoc),7.79(2H,d,Fmoc),7.55(4H,m,Fmoc),5.15(1H,S,Man4−H1),5.06(1H,d,GlcNAc1−H1),4.95(1H,s,Man4’−H1),4.82(1H,s,Man3−H1),4.69(1H,d,GlcNAc2−H1),4.67(2H,d,GlcNAc5,5’−H1),4.53(1H,d,Gal6−H1),4.34(1H,d,Man3−H2),4.27(1H,d,Man4’−H2),4.19(1H,d,Man4−H2),2.97(1H,bdd,AsN−βCH),2.76(1H,dd,NeuAc7−H3eq),2.60(1H,bdd,AsN−βCH),2.15(15H,s×5,−Ac),1.79(1H,dd,NeuAc7−H3ax);HRMS Calcd for C86125Na53[M+Na+]2172.6995,found,2172.7084
参考例5 化合物7および8の合成
参考例4で得られた化合物5および6の混合物(90mg,47.3μmol)をそれぞれ分離することなく、ウシ血清アルブミン8mgと共にHEPES緩衝溶液(50mM,pH6.0)8.1mlに溶解させ、さらにBovine kidney由来β−グルコサミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Bovine kidney)を2.88U加えた。この溶液を37℃で18時間静置した後凍結乾燥し、残留物をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:メタノール=65:35、流速3ml/min)で精製したところ、117分後に化合物7が、127分後に化合物8が溶出した。それぞれを取り分け、凍結乾燥を行った。続いてHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は最初の15分間が水、16分後から30分後までは水:アセトニトリル=10:0から85:15、31分後から45分後までは水:アセトニトリル=85:15から80:20になるようにグラジエントを掛けた。流速は3.0ml/min)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物7が40mg、化合物8が37mg得られた。
なお、得られた化合物7の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
8.01(2H,d,Fmoc),7.80(2H,d,Fmoc),7.56(4H,m,Fmoc),5.22(1H,s,Man4−H1),5.08(1H,d,GlcNAc1−H1),4.94(1H,s,Man4’−H1),4.84(1H,s,Man3−H1),4.69(1H,d,GlcNAc2−H1),4.67(1H,d,GlcNAc5−H1),4.55(1H,d,Gal6−H1),4.33(1H,dd,Man3−H2),4.20(1H,dd,Man4−H2),4.15(1H,dd,Man4’−H2),2.97(1H,bdd,AsN−βCH),2.76(2H,dd,NeuAc7,7’−H3eq),2.62(1H,bdd,AsN−βCH),2.15(12H,s×4,−Ac),1.79(2H,dd,NeuAc7,7’−H3ax);HRMS Calcd for C78114NaO48[M+Na+]1925.6562,found,1925.6539
また、得られた化合物8の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
7.99(2H,d,Fmoc),7.79(2H,d,Fmoc),7.55(4H,m,Fmoc),5.15(1H,S,Man4−H1),5.06(1H,d,GlcNAc1−H1),4.95(1H,s,Man4’−H1),4.82(1H,s,Man3−H1),4.69(1H,d,GlcNAc2−H1),4.67(2H,d,GlcNAc5,5’−H1),4.53(2H,d,Gal6,6’−H1),4.34(1H,d,Man3−H2),4.27(1H,d,Man4’−H2),2.97(1H,bdd,AsN−βCH2),2.76(1H,dd,NeuAc7’−H3eq),2.61(1H,bdd,AsN−βCH2),2.15(12H,s×4,−Ac),1.79(1H,dd,NeuAc7’−H3ax);HRMS Calcd for C78114NaO48[M+Na+]1925.6562,found,1925.6533
参考例6 化合物9の合成
参考例5で得られた化合物7(30mg,473μmol)とウシ血清アルブミン3mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH6.0)6mlに溶解させ、さらにJack Beans由来α−マンノシダーゼを10U加えた。この溶液を37℃で21時間静置した後凍結乾燥し、続いてHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は最初の15分間が水、16分後から30分後までは水:アセトニトリル=10:0から85:15、31分後から45分後までは水:アセトニトリル=85:15から80:20になるようにグラジエントを掛けた。流速は3.0ml/min)を用いて精製したところ、目的とする化合物9が20mg得られた。
なお、得られた化合物9の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
8.01(2H,d,Fmoc),7.80(2H,d,Fmoc),7.56(4H,m,Fmoc),5.00(1H,d,GlcNAc1−H1),4.95(1H,s,Man4’−H1),4.84(1H,s,Man3−H1),4.67(1H,d,GlcNAc2−H1),4.56(1H,d,GlcNAc5−H1),4.44(1H,d,Gal6−H1),4.11(1H,dd,Man4’−H2),4.07(1H,dd,Man3−H2),2.97(1H,bdd,AsN−βCH),2.76(1H,dd,NeuAc7’−H3eq),2.62(1H,bdd,AsN−βCH),2.15(12H,s×4,−Ac),1.79(2H,dd,NeuAc7’−H3ax);HRMS Calcd for C72104NaO43[M+Na+]1763.6034,found,1763.6074
参考例7 化合物10の合成
参考例5で得られた化合物8(40mg,630μmol)とウシ血清アルブミン5gをHEPES緩衝溶液(50mM,pH6.0)7.8mlに溶解させ、Jack Beans由来α−マンノシダーゼを38U加えた。この溶液を37℃で63時間静置した後凍結乾燥し、続いてHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は最初の15分間が水、16分後から30分後までは水:アセトニトリル=10:0から85:15、31分後から45分後までは85:15から80:20になるようにグラジエントを掛けた。流速は3.0ml/min)を用いて精製したところ、目的とする化合物10が30mg得られた。
なお、得られた化合物10の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
8.01(2H,d,Fmoc),7.80(2H,d,Fmoc),7.56(4H,m,Fmoc),5.23(1H,s,Man4−H1),5.08(1H,d,GlcNAc1−H1),4.53(1H,d,Gal6−H1),4.32(1H,dd,Man3−H2),4.28(1H,dd,Man4−H2),2.81(1H,bdd,AsN−βCH),2.76(1H,dd,NeuAc7−H3eq),2.59(1H,bdd,AsN−βCH),2.13(12H,s×4,−Ac),1.80(1H,dd,NeuAc7H3ax);HRMS Calcd for C72104NaO43[M+Na+]1763.6034,found,1763.6041
参考例8 化合物11の合成
化合物5(28mg,21.3μmol)とウシ血清アルブミン1.0mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,454μL)に溶解させ、ノイラミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Viblio Cholerae,198mU)を加えた。この溶液を37℃で20時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物11(17mg,収率70%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
化合物11の構造の簡略化したものを表2に示す。
H−NMR(30℃)
δ 7.91(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.71(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.51(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.43(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.12(s,1H,Man4−H−1),4.99(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.92(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.58(d,1H,J=8.0Hz,GlcNAc2−H−1),4.55(d,1H,J=8.4Hz,GlcNAc5’−H−1),4.47(d,1H,J=7.8Hz,Gal6’−H−1),4.34(t,1H,Fmoc),4.24(bd,1H,J=1.9Hz,Man3−H−2),4.18(bdd,1H,J=1.4Hz,3.3Hz,Man4−H−2),4.11(bdd,1H,J=1.4Hz,3.5Hz,Man4’−H−2),2.72(bdd,1H,J=3.0Hz,15.7Hz,AsN−βCH),2.52(bdd,1H,J=8.7Hz,15.7Hz,AsN−βCH),2.06,2.05,2.04,1.89(each s,each 3H,Ac);HRMS Calcd for C75110NaO45[M+Na+]1837.6402,found 1837.6471
参考例9 化合物12の合成
化合物6(20mg,9.4μmol)とウシ血清アルブミン1.6mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,323μL)に溶解させ、ノイラミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Viblio Cholerae,141mU)を加えた。この溶液を37℃で18時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。続いてHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物12(13mg,収率76%)を得た。得られた化合物の構造はH−NMRが標品と一致したことから確認した。
化合物12の構造の簡略化したものを表2に示す。
参考例10 化合物13の合成
化合物7(45mg,24μmol)とウシ血清アルブミン1.7mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,820μL)に溶解させ、ノイラミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Viblio Cholerae,134mU)を加えた。この溶液を37℃で14時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。続いて、反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物13(28mg,収率74%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
化合物13の構造の簡略化したものを表2に示す。
H−NMR(30℃)
δ 7.92(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.71(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.51(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.44(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.10(s,1H,Man4−H−1),4.99(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.92(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.58(d,2H,GlcNAc2,5’−H−1),4.47(d,1H,J=8.0Hz,Gal6’−H−1),4.35(t,1H,Fmoc),4.24(bd,1H,J=1.9Hz,Man3−H−2),4.11(bs,1H,Man4’−H−2),4.07(bs,1H,Man4−H−2),2.72(bd,1H,J=15.5Hz,AsN−βCH),2.52(bdd,1H,J=8.7Hz,15.5Hz,AsN−βCH),2.06,2.04,1.89(each s,each 3H,Ac);HRMS Calcd for C6797NaO40[M+Na+ 1634.5608,found,1634.5564
参考例11 化合物14の合成
化合物8(47mg,25μmol)とウシ血清アルブミン1.9mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,840μL)に溶解させ、ノイラミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Viblio Cholerae,369mU)を加えた。この溶液を37℃で37時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。反応溶液を凍結乾燥し、続いてHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物14(26mg,収率65%)を得た。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
化合物14の構造の簡略化したものを表2に示す。
H−NMR(30℃)
δ 7.92(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.71(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.51(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.43(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.12(s,1H,Man4−H−1),4.99(d,1H,J=9.4Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.57(bd,2H,GlcNAc2,5’−H−1),4.46(d,1H,J=7.5Hz,Gal6’−H−1),4.34(t,3H,Fmoc),4.24(bs,1H,Man4’−H−2),4.19(bs,1H,Man4−H−2),2.72(bd,1H,J=15.5Hz,AsN−βCH),2.52(bdd,1H,J=9.2Hz,15.5Hz,AsN−βCH),2.06,2.05,1.89(each s,each 3H,Ac);HRMS Calcd for C6797NaO40[M+Na+]1634.5608,found,1634.5644
参考例12 化合物15の合成
化合物9(32mg,18.4μmol)とウシ血清アルブミン2.5mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,713μL)に溶解させ、ノイラミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Viblio Cholerae,134mU)を加えた。この溶液を37℃で17時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。続いて、反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物15(13mg,収率52%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
化合物15の構造の簡略化したものを表2に示す。
H−NMR(30℃)
δ 7.92(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.71(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.51(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.44(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.00(d,1H,J=9.9Hz,GlcNAc1−H−1),4.92(s,1H,Man4’−H−1),4.75(s,1H,Man3−H−1),4.58(d,2H,J=7.5Hz,GlcNAc2,5’−H−1),4.47(d,1H,J=7.8Hz,Gal6’−H−1),4.34(t,1H,Fmoc),4.10(bd,1H,Man3−H−2),4.07(bs,1H,Man4’−H−2),2.72(bdd,1H,J=15.5Hz,AsN−βCH),2.52(bdd,1H,J=9.2Hz,15.5Hz,AsN−βCH),2.07,2.05,1.89(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C618835[M+H+]1450.5,found,1450.3
参考例13 化合物16の合成
化合物10(28mg,16μmol)とウシ血清アルブミン1.7mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,624μL)に溶解させ、ノイラミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Viblio Cholerae,117mU)を加えた。この溶液を37℃で17時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。続いて、反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm。最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物16(14.6mg,収率68%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
化合物16の構造の簡略化したものを表2に示す。
H−NMR(30℃)
δ 7.92(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.71(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.50(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.43(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.12(s,1H,Man4−H−1),4.99(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.57(d,2H,J=7.2Hz,GlcNAc2−H−1),4.46(d,1H,J=7.8Hz,Gal6−H−1),4.34(t,1H,Fmoc),4.22(bd,1H,J=2.7Hz,Man3−H−2),4.19(b,1H,Man4−H−2),2.72(bdd,1H,J=15.5Hz,AsN−βCH),2.52(bdd,1H,J=9.8Hz,15.5Hz,AsN−βCH),2.05(s,6H,Ac×2),1.89(s,3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C6188 [M+H+]1450.5,found,1450.3
参考例14 (5−アセタミド−3,5,7−トリデオキシ−7−フルオロ−D−グリセロ−β−D−ラクト−2−ノヌロピラノシドニック アシッド(7−フルオロシアル酸)
5−Acetamide−3,5,7−trideoxy−7−fluoro−D−glycero−β−D−galacto−2−nonulopyranosidonic acid 25の合成)
Figure 0004219931
(1)化合物17の合成
無水酢酸(60ml)に酢酸ナトリウム(5g,69mmol)を溶かし、加熱した後にD−ガラクトース(G)(10g,55mmol)を少しずつ加える。2時間加熱還流した後TLC(トルエン:酢酸エチル=5:1)にて反応が終了したことを確認した。反応溶液を室温に戻した後に、氷水300ccに注ぐ。ろ過して沈殿物を集める。沈殿物をエタノール(14ml)の溶かし再結晶を行い、化合物17を9.0g(収率41%)得た。
(2)化合物18の合成
化合物17(4.3g,11mmol)を塩化メチレン(120ml)の溶かした後、アルゴン気流下−20℃まで冷却した。続いて、反応溶液に四塩化スズ(3.1g,12mmol)を加え20分撹拌した後、ベンジルアルコール(2.3g,22mmol)を加え反応温度を室温に戻した。TLC(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で反応終了を確認後、反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮した。残渣をデシケータで乾燥後、蒸留したメタノール(80ml)に溶かしナトリウムメトキシド(431mg,5.5mmol)を加えアルゴン気流下撹拌した。TLC(酢酸エチル:メタノール:水=10:5:1)で反応終了を確認した後、陽イオン交換樹脂IR−120(+)で中和し反応を終了させた。樹脂をろ過して取り除いた後、濾液を減圧濃縮した。残渣をデシケータで乾燥後、ピリジン(44ml)に溶かし、反応溶液を0℃に冷却した。反応溶液にトリメチルアセチルクロリド(4.6g,38.5mmol)を加えた後、室温に戻しアルゴン気流下1時間撹拌した。反応終了をTLC(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で確認し0℃に冷却後メタノールを加え反応を終了させた。反応溶液をそのまま減圧濃縮した後、残渣を酢酸エチルに溶かし飽和食塩水溶液、水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで酢酸エチルを乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ過して取り除いた後、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し化合物18(2.8g,収率58%)を得た。
Figure 0004219931
(3)化合物19の合成
化合物18(200mg,0.455mmol)をジクロロメタン(7.8ml)とピリジン(1.3ml)に溶かし、無水クロロ酢酸(155mg,0.91mmol)を加えて、アルゴン気流下−15℃で攪拌しながら15分間反応させた。反応終了を確認後、メタノール(5ml)で無水クロロ酢酸をクエンチし、トルエンで3回共沸しながら減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過後濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、化合物19(収量172mg,収率73.5%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ 7.37−7.29(m,5H,Ph),5.39(dd,1H,J1,2=8.0Hz,J2,3=10.4Hz,H−2),4.89(dd,1H,J3,4=3.4Hz,H−3),4.89,4.62(2d,2H,J=12.5Hz,OC Ph),4.53(d,1H,H−1),4.37(dd,1H,J6a,6b=11.5Hz,J6a,5=6.0Hz,H−6a),4.32(dd,1H,J6b,5=6.6Hz,H−6b),4.00(m,1H,H−4),3.92(s,2H,COC Cl),3.75(dd,1H,H−5),1.23,1.19〔2s,18H,COC(CH
13C−NMR(400MHz,CDCl
δ 178.33,177.57,165.92,(C=O),136.66,128.48,128.07,127.89(Ph),99.16(C−1),72.82(C−3),72.35(C−5),70.92(C−2),70.49(OPh),67.29(C−4),62.30(C−6),40.40(COCl),38.95,38.80〔CO(CH〕,27.14,26.98〔COC(
H−NMR、13C−NMRはBrukerのAVANCE 400(400MHzと表記)で測定した。溶媒が重クロロホルムの時は内部標準としてトリメチルシランを用いた。その他の重溶媒を用いたときは溶媒ピークを基準とした。化学シフトは、δ(ppm)で、結合定数はJ(Hz)示した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーには、Merck Silicagel60,70−230mesh又は230−400meshを、球状シリカゲルは関東化学社製のSilica Gel 60(Spherical)を、反応検出用(以下TLC)としてはE.Merk社製DC−Platten Kieselgel 60F254(Art1,05715)を使用した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のカラムはナカライテスク社製 COSMOSIL 5C18−AR Packed Column(φ4.6×150mm),を使用し、分光蛍光光度計は、JASCO社製のFP−210 Spectrofluorometerを用いた。
(4)化合物20の合成
化合物19(300mg,0.583mmol)をジクロロメタン(5.8ml)に溶かし、アルゴン気流下−15℃で攪拌しながらジエチルアミノスルファートリフルオリド(DAST)を加えた。DASTを加え10分後室温に戻し1時間反応させた。TLCで原料消失を確認し、メタノール(3ml)でDASTをクエンチ後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:6)で精製し化合物20(収量211mg、収率70%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ 7.37−7.27(m,5H,Ph),5.31(ddd,1H,J3,F=14.3Hz,J3,4=9.69Hz,J2,3=9.63Hz,H−3),5.04(dd,1H,J1,2=7.93Hz,H−2),4.86(d,1H,J=12.2Hz,OC Ph),4.60(d,1H,H−1),4.59(d,1H,OC Ph),4.44(ddd,1H,J4,5=9.04Hz,J4,F=50.6Hz,H−4),4.43(ddd,1H,J6a,6b=12.1Hz,J6a,5=2.41Hz,J6a,F=2.23Hz,H−6a),4.24(ddd,1H,J6b,5=5.67Hz,J6b,F=1.28Hz,H−6b),3.93(s,2H,OCOC Cl),3.75(m,1H,H−5),1.25,1.18〔2s,18H,OCOC(CH
13C−NMR(400MHz,CDCl
δ 177.94,117.43,165.88(C=O),136.34,128.55,138.23,127.92(Ph),98.68(C−1),87.35(d,J4,F=188.62Hz,C−4),72.65(d,J2,F=7.96Hz,C−2),72.05(d,J3,F=20.02Hz,C−3),71.49(d,J5,F=23.09Hz,C−5),70.80(OPh),62.12(C−6),40.30(OCOCl),38.87〔OCO(CH〕,27.17,26.92〔OCOC(
Figure 0004219931
(5)化合物21の合成
化合物20(625mg,1.21mmol)をメタノール(24.2ml)に溶かし、アルゴン気流下−15℃で攪拌しながら、ナトリウムメトキシド(13.1mg,0.6mmol)を加えた。30分後TLCで原料消失を確認後陽イオン交換樹脂IR−120(+)で中和(pH6−7)し、樹脂を濾過後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し化合物21(収量395mg,収率74%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ 7.38−7.29(m,5H,Ph),5.18(ddd,1H,J3,F=14.8Hz,J3,4=9.51Hz,J2,3=8.99Hz,H−3),4.90(d,1H,J=11.7,OC Ph),4.63(d,1H,OC Ph),4.47(ddd,1H,J5,6a=2.43Hz,J6a,F=2.2Hz,H−6a),4.47(d,1H,J1,2=7.7Hz,H−1),4.38(ddd,1H,J4,5=8.96Hz,J3,4=9.67Hz,J4,F=50.8Hz,H−4),4.23(ddd,1H,J6a,6b=12.0Hz,J6b,5=6.05Hz,J6b,F=1.26Hz,H−6b),3.75(m,1H,H−5),3.54(m,1H,J2,OH=2.70Hz,H−2),1.27,1.26〔2s,18H,OCOC(CH
13C−NMR(400MHz,CDCl
δ 178.17,177.94(C=O),136.54,128.54,128.17,128.12(Ph),101.31(C−1),87.45(d,J4,F=187.39Hz,C−4),74.17(d,J3,F=18.88Hz,C−3),72.45(d,J2,F=7.56Hz,C−2),71.45(d,J5,F=23.26Hz,C−5),71.09(OPh),62.44(C−6),38.90,38.85〔OCO(CH〕,27.14,26.99〔OCOC(
(6)化合物22の合成
ピリジン(22.2μl,0.274mmol)を溶かしたジクロロメタン(370μl)溶液に0℃で無水トリフルオロメタンスルフォン酸(46μl,0.274mmol)を滴下し、15分後、化合物21をジクロロメタン(1ml)に溶かしたものを0℃で滴下した。TLCで原料消失を確認し、反応混合物をジクロロメタンで希釈した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。残渣を真空ポンプでさらに乾燥後ベンゼン(1ml)に溶かし、アルゴン気流下室温でアジ化ナトリウム(13mg,0.206mmol)、テトラアンモニウムクロライド(57mg,0.206mmol)を加え40℃で反応させた。2時間後TLCで原料消失を確認後減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水、水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製して化合物22(収量30.4mg,収率95%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ 7.39−7.32(m,5H,Ph),4.99(ddd,1H,J3,F=13.18Hz,J3,4=9.27Hz,J2,3=3.87Hz,H−3),4.93(d,1H,J=12.07Hz,OC Ph),4.67(d,1H,J1,2=1.18Hz,H−1),4.63(d,1H,OC Ph),4.51(ddd,1H,J6a,6b=11.95Hz,J6a,5=2.54Hz,J6a,F=2.08Hz,H−6a),4.23(ddd,1H,J6b,5=6.14Hz,J6b,F=1.14Hz,H−6b),4.08(m,1H,H−2),3.64(m,1H,H−5),1.26〔2s,18H,OCOC(C
13C−NMR(400MHz,CDCl
δ 178.01,177.68(C=O),136.06,128.63,128.31,128.14(Ph),97.25(C−1),85.51(d,J4,F=183.97,C−4),72.01(d,J5,F=23.89,C−5),71.73(d,J3,F=18.98,C−3)
70.57(OPh),62.42(C−2,C−6),39.08,38.90〔OCO(CH〕,27.18,26.95〔OCOC(
Figure 0004219931
(7)化合物23の合成
化合物22(180mg,0.387mmol)をメタノール(8ml)に溶かしナトリウムメトキシド(922mg,9.67mmol)を加え攪拌し40℃で反応させた。4.5時間後TLCで1スポットにまとまったことを確認し陽イオン交換樹脂IR−120(+)で中和後、濾過し濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し化合物23(収量105.3mg,収率91.6%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl),
δ 7.40−7.31(m,5H,Ph),4.96(d,1H,J=12.13Hz,OC Ph),4.71(d,1H,J1,2=1.33Hz,H−1),4.69(d,1H,OC Ph),4.49(ddd,1H,J4,F=51.06Hz,J4,5=9.19Hz,J3,4=9.20Hz,H−4),4.02(m,1H,H−2),3.93(dddd,1H,J6a,6b=12.19Hz,J6a,5=2.31Hz,J6a,F=2.32Hz,J6a,OH=6.20Hz,H−6a),3.89−3.77(m,2H,H−3,H−6b),3.39(m,1H,H−5),
13C−NMR(400MHz,CDCl),
δ 136.39,128.62,128.24,127.83(Ph),98.63(C−1),88.19(d,J4,F=178.91Hz,C−4),73.95(d,J5,F=25.48Hz,C−5),71.18(OPh),71.16(d,J3,F=19.69Hz,C−3),64.48(d,J2,F=8.42Hz,C−2),61.39(C−6)
(8)化合物24の合成
化合物23(105mg,0.353mmol)をメタノール(7ml)に溶かし無水酢酸(333μl,3.53mol)を加えた後、アルゴン気流下で触媒量の10% Pd/Cを加え水素置換してから室温で攪拌した。2時間後TLCで原料消失を確認し、活性炭濾過後濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=5:1)で精製し化合物24(収量57mg,収率72%)を得た。
H−NMR(400MHz,DO),
δ 5.23(dd,1H,J1,2=2.69Hz,J1,F=1.44Hz,H−1−α),4.65(ddd,1H,J4,F=50.94Hz,J3,4=9.06Hz,J4,5=9.58Hz,H−4−α),4.47(m,1H,H−2−α),4.43(ddd,1H,J3,F=14.28Hz,J2,3=4.9Hz,H−3−α),4.16(m,1H,H−5−α),3.95(m,2H,H−6a−α,H−6b−α),2.14(s,3H,NHCOC −α)
13C−NMR(400MHz,DO),
δ 175.27(C=O−α),93.46(C−1−α),88.30(d,J4,F=177.00Hz,C−4−α),69.91(d,J5,F=24.41Hz,C−5−α),67.60(d,J3,F=18.74Hz,C−3−α),60.36(C−6),54.12(d,J2,F=8.68Hz,C−2−α),22.31(NHCO−α)
Figure 0004219931
(9)化合物25の合成
化合物24(50mg,0.224mmol)ピルビン酸ナトリウム(123mg,1.12mmol)と牛血清アルブミン(5mg)をリン酸ナトリウム緩衝溶液(100mM,pH7.5,3.4ml)に溶かし、その後シアル酸アルドラーゼ(50U)を加え室温で反応を開始した。24時間後反応溶液を凍結乾燥させ、少量の水に溶かし陰イオン交換樹脂カラム(AG 1−X8,200−400mesh,formate form)にのせた。水300ml流した後、1Mギ酸で目的物を溶出させ減圧濃縮し、ゲル濾過カラム(Sephadex G−15,水)で精製し化合物25(収量40mg,収率58.9%)を得た。
H−NMR(400MHz,DO),
δ 4.61(dd,1H,J7,8=8.97Hz,J7,F=45.56Hz,H−7),4.18(dd,1H,J5,6=10.63Hz,J6,F=29.86Hz,H−6),4.15(m,1H,H−4),4.07(m,1H,H−8),4.02(dd,1H,J4,5=10.10Hz,H−5),3.90(ddd,1H,J9a9b=12.18Hz,J9a,8=2.77Hz,J9a,F=2.86Hz,H−9a),3.76(ddd,1H,J9b,8=5.33Hz,J9b,F=2.06Hz,H−9b),2.40(dd,1H,J3eq,3ax=13.00,J3eq,4=4.88Hz,H−3eq),2.15(s,3H,OCOC ),2.00(dd,1H,J3ax,4=11.70Hz,H−3ax),
13C−NMR(400MHz,DO),
δ 175.17,173.68(C=O),96.01(C−1),89.12(d,J7,F=179.23Hz,C−7),69.67(d,J6,F=17.41Hz,C−6),68.31(d,J8,F=26.50Hz,C−8),67.26(C−4),62.70(C−6),52.17(C−5),39.19(C−3),22.61(NHCO),
参考例15(5−アセタミド−3,5,8−トリデオキシ−8−フルオロ−D−グリセロ−β−D−ラクト−2−ノヌロピラノシドニック アシッド(8−フルオロシアル酸)
5−Acetamide−3,5,8−trideoxy−8−fluoro−D−glycero−β−D−galacto−2−nonulopyranosidonic acid 27の合成)
下記のスキームに従ってシアル酸(26)から5−アセタミド−3,5,8−トリデオキシ−8−フルオロ−D−グリセロ−β−D−ラクト−2−ノヌロピラノシドニック アシッド(27)を合成した。
Figure 0004219931
8−フルオロシアル酸のNMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz,DO),
δ 4.69(dddd,1H,J8,F=48.7Hz,J8,9a=5.0Hz,J8,9b=3.5Hz,H−8),4.03(ddd,1H,J4,5=10.0Hz,J3ax,4=11.1Hz,J3eq,4=4.7Hz,H−4),3.95(dd,1H,J4,5=10.0Hz,J5,6=9.9Hz,H−5),3.94(ddd,1H,J6,7=〜0Hz,J7,8=6.8Hz,J7,F=14.0Hz,H−7),3.88(ddd,1H,J9a9b=13.3Hz,J9a,8=3.5Hz,J9b,F=28.0Hz,H−9b),3.86(dd,1H,J5,6=9.9Hz,J6,7=〜0Hz,H−6),3.72(ddd,1H,J9a,9b=5.33Hz,J9a,8=5.0Hz,J9a,F=30.6Hz,H−9a),2.28(dd,1H,J3eq, 3ax=13.00,J3eq,4=4.6Hz,H−3eq),2.05(s,3H,Ac),1.87(dd,1H,J3ax,4=11.1Hz,J3eq,3ax=13.00,H−3ax)
参考例16(5−アセタミド−3,5,9−トリデオキシ−9−フルオロ−D−グリセロ−β−D−ラクト−2−ノヌロピラノシドニック アシッド(9−フルオロシアル酸)
5−Acetamide−3,5,9−trideoxy−9−fluoro−D−glycero−β−D−galacto−2−nonulopyranosidonic acid 28の合成)
下記のスキームに従ってシアル酸(26)から5−アセタミド−3,5,9−トリデオキシ−9−フルオロ−D−グリセロ−β−D−ラクト−2−ノヌロピラノシドニック アシッド(28)を合成した。
Figure 0004219931
参考例17 CMP−シアル酸の合成
Figure 0004219931
(a)(1)Dowex 50−X8,MeOH,(2)AcO,60%HClO
(b)(1)1H−Tetrazole,CHCN,(2)t−BuOOH,CHCN,(3)DBU,CHCN,(4)NaOMe,MeOH,H
シアル酸(0.074mmol)を蒸留メタノール(3ml)に溶かし、アルゴン気流下室温で撹拌しながらDowex−50W−X8(65mg)を加え、3時間反応させた。反応終了を確認し、濾過後減圧濃縮した。残渣を無水酢酸(200μl)に溶かし、−20℃で撹拌しながら無水酢酸:60%過塩素酸=15:1溶液(22μl)を加え、10℃にて40分反応させた。反応終了を確認後、反応溶液を酢酸エチルで希釈して、飽和重曹水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後減圧濃縮して、カルボキシル基が保護されたシアル酸(29)を含む残渣を得た。残渣とCMP−5’−ホスホロアミダイト誘導体(30)(0.23mmol)をベンゼンで別々の3回共沸し、蒸留したアセトニトリル(100μl)にそれぞれ溶かし混ぜた。アルゴン気流下氷水中で撹拌しながら1H−テトラゾール(17mg,0.23mmol)を加えた。5分後に室温に戻し、さらに10分間反応させた。反応終了を確認後、溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過後30℃以下で濃縮した後さらにトルエンで2回共沸し水を取り除いた。残渣に蒸留したアセトニトリル(400μl)を加え、アルゴン気流下氷冷しながら2.5Mのt−BuOOHトルエン溶液(290μl)を滴下した。5分後に室温に戻し、さらに20分間撹拌した。反応終了を確認後、ジメチルスルフィド(53μl)を滴下し10分間撹拌してt−BuOOHをクエンチした。その後、DBU(18μl)を滴下して20分間室温で撹拌した。反応終了を確認後、メタノール(0.67ml)、水(1.35ml)、ナトリウムメトキシド(360mg)を加え室温で16時間反応させた。反応終了を確認後水で抽出し、ジクロロメタンで洗浄した。水層を25℃以下で8ml程度まで減圧濃縮した。この水溶液をSephadex G−15(1.8φ×90cm)を用いるゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:20mMアンモニア水、流速:0.3ml/min)で精製し、CMP−シアル酸を得た。
参考例18 CMP−7”−デオキシ−7”−フルオロ−シアル酸の合成
シアル酸の代わりに化合物(25)を用いた以外は参考例7と同様にしてCMP−7”−デオキシ−7”−フルオロ−シアル酸を合成した。NMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz,50mM NDDCO in DO),
δ 8.04(d,1H,J5,6=7.6Hz,H−6),6.20(d,1H,J6,5=7.6Hz,H−5),6.06(d,1H,J1’,2’=4.5Hz,H−1’),4.54(dd,1H,J7”,8”=9.5Hz,J7”,F=45.9Hz,H−7”),4.42〜4.20(m,7H,H−2’,H−3’,H−4’,H−5’a,H−5’b,H−6”,H−8”),4.16(ddd,1H,J4”,3”eq=4.7Hz,J4”,3”ax=11.3Hz,J4,5=10.3Hz,H−4”),4.03(dd,1H,J5”,4”=J5”,6”=10.3Hz,H−5”),3.91(ddd,1H,J9”a,9”b=12.2Hz,J9”a,8”=2.8Hz,J9”a,F=2.8Hz,H−9”a),3.75(ddd,1H,J9”a,9”b=12.2Hz,J9”b,8”=5.4Hz,J9”b,F=2.1Hz,H−9”b),2.61(dd,1H,J3”eq,4”=4.7Hz,Jgem=13.3Hz,H−3”eq),2.14(s,3H,Ac),1.76(ddd,1H,J3”ax,4”=11.5Hz,Jgem=13.3Hz,J3”ax,P=5.6Hz,H−3”ax),
参考例19 CMP−8”−デオキシ−8”−フルオロ−シアル酸の合成
シアル酸の代わりに化合物(27)を用いた以外は参考例7と同様にしてCMP−8”−デオキシ−8”−フルオロ−シアル酸を合成した。NMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz,50mM NDDCO in DO),
δ 8.08(d,1H,J5,6=7.6Hz,H−6),6.20(d,1H,J6,5=7.6Hz,H−5),6.09(d,1H,J1’,2’=4.1Hz,H−1’),4.90(m,1H,H−8”),4.42(dd,1H,J3’,2’=J3’,4’=4.9Hz,H−3’),4.39(dd,1H,J2’,1’=4.1Hz,J’2’,3’=4.9Hz,H−2’),4.31−4.28(m,3H,H−4’,H−5’a,H−5’b),4.15(ddd,1H,J4”,3”eq=4.4Hz,J4”,3”ax=11.5Hz,J4,5=10.5Hz,H−4”),4.10−3.90(m,5H,H−5”,H−6”,H−7”,H−9”a,H−9”b),2.60(dd,1H,J3”eq,4”=4.4Hz,Jgem=13.1Hz,H−3”eq),2.13(s,3H,Ac),1.77(ddd,1H,J3”ax,4”=11.5Hz,Jgem=13.1Hz,J3”ax,P=4.5Hz,H−3”ax),
参考例20 CMP−9”−デオキシ−9”−フルオロ−シアル酸の合成
シアル酸の代わりに化合物(28)を用いた以外は参考例7と同様にしてCMP−9”−デオキシ−9”−フルオロ−シアル酸を合成した。
実施例1 Fmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジシアロα2,3糖鎖アスパラギン(C1−1)およびFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護した2種のモノシアロα2,3糖鎖アスパラギン(C1−2及びC1−3)の合成
参考例3で得られたFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したアシアロ糖鎖アスパラギンにシアル酸転移酵素を用いてCMP−シアル酸を転移させた。
シアル酸転移酵素としてα2,3転移酵素である市販のRat,Recombinant由来のものを用いた。
参考例3で得られたアシアロ9糖(20mg,10.1μmol)を50mMカコジル酸緩衝液(pH=6.0,5ml)に溶解させた後、牛血清アルブミン(BSA,5mg)を加える。これに、CMP−シアル酸(26mg,40.4μmol)、Alkaline phosphatase(5μl,125unit)を加え均一化する。最後に、α2,3−Sialyltransferase(CALBIOCHEM社製、100μl)を加え37℃で48時間静置させる。HPLCで反応をモニターしながら原料が目的量まで減少した時点で反応を終了させ、反応液をメンブランフィルターにて濾過する。濾液を濃縮し液量を減じた後、HPLC分取カラムにて精製した(YMC−Pack R&D ODS,D−ODS−5−A,20×250mm,AN/25mM AcONH4 buffer=18/82,7.5ml/min.,wave length;274nm)ところ、25分後にジシアロ11糖 化合物(C1−1)が、それぞれ30分後、34分後に各モノシアロ10糖 化合物(C1−2)及び(C1−3)が溶出してきた。それぞれを分取した後、脱塩処理、次いで凍結乾燥を行うと、各化合物1、2、3がそれぞれ0.7mg(2.7%)、1.9mg(8.3%)、3.5mg(15.3%)得られた。各化合物のNMRデータは以下のとおりである。
化合物(C1−1)
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 7.90(d,2H,Fmoc),7.69(d,2H,Fmoc),7.49(dd,2H,Fmoc),7.42(dd,2H,Fmoc),5.10(s,1H,Man4−H1),4.97(d,1H,GlcNAc1−H1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.50−4.60(m,4H),4.34(1H,Fmoc),4.24(bs,1H,Man3−H2),4.18(bs,1H,Man4−H2),4.10(m,2H),2.74(m,3H,Asn−βCH,NeuAc7,7’−H3eq),2.40−2.60(m,1H,Asn−βCH),2.05,2.03,2.02(each s,Ac),1.77(dd,2H,NeuAc7,7’−H3ax).
化合物(C1−2)
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 7.90(d,2H,Fmoc),7.69(d,2H,Fmoc),7.49(dd,2H,Fmoc),7.42(dd,2H,Fmoc),5.10(s,1H,Man4−H1),4.97(d,1H,GlcNAc1−H1),4.90(s,1H,Man4’−H−1),4.47−4.60(m),4.43(d,1H),4.32(1H,Fmoc),4.22(bs,2H),4.17(bs,1H,Man4−H2),4.06−4.13(m,2H),2.72(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.50−2.60(m,1H,Asn−βCH),2.05,2.03,2.01(each s,Ac),1.77(dd,1H,NeuAc7−H3ax).
化合物(C1−3)
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 7.90(d,2H,Fmoc),7.69(d,2H,Fmoc),7.49(dd,2H,Fmoc),7.42(dd,2H,Fmoc),5.10(s,1H,Man4−H1),4.97(d,1H,GlcNAc1−H1),4.90(s,1H,Man4’−H−1),4.50−4.60(m),4.45(d,1H),4.33(1H,Fmoc),4.22(m,2H),4.17(bs,1H,Man4−H2),4.09(m,2H),2.74(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.45−2.60(m,1H,Asn−βCH),2.05,2.03,2.02,2.00(each s,Ac),1.77(dd,1H,NeuAc7−H3ax)
Figure 0004219931
実施例1で得られた化合物(C1−2)(2mg,0.88μmol)とウシ血清アルブミン1mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0)100μlに溶解させ、さらにβ−ガラクトシダーゼ(生化学工業社製、from Jack Beans,5μL,100mU)を加えた。この溶液を37℃で15時間静置した後、メンブランフィルターでろ過を行った。ろ液をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18、流速7.5ml/min)で精製した後、溶媒を濃縮、次いで凍結乾燥を行った。残留物を水200μlに溶解させODS−カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−opn、最初に水で洗浄を行い、次いで25%アセトニトリル水溶液で溶出させる)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物(C2)が0.5μg得られた。NMRデータは以下のとおりである。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 7.90(d,2H,Fmoc),7.69(d,2H,Fmoc),7.49(dd,2H,Fmoc),7.42(dd,2H,Fmoc),5.10(s,1H,Man4−H1),4.98(d,1H,GlcNAc1−H1),4.90(s,1H,Man4’−H−1),4.50−4.60(m),4.33(1H,Fmoc),4.22(m,2H),4.17(bs,1H,Man4−H2),4.10(m,2H),2.74(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.45−2.60(m,1H,Asn−βCH),2.05,2.03,2.01(each s,Ac),1.78(dd,1H,NeuAc7−H3ax)
Figure 0004219931
実施例2で得られた化合物(C2)(1.8mg,0.86μmol)を、ウシ血清アルブミン1mgと共にHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0)90μlに溶解させ、さらにN−アセチル−β−グルコサミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Jack Beans)を4μl(250mU)加えた。この溶液を37℃で24時間静置した後、メンブランフィルターでろ過を行った。ろ液をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18、流速7.5ml/min)で精製した後、溶媒を濃縮、次いで凍結乾燥を行った。残留物を水200μlに溶解させODS−カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−opn、最初に水で洗浄を行い、次いで25%アセトニトリル水溶液で溶出させる)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物(C3)が0.9μg得られた。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.01(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.80(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.60(dd,2H,J=7.6,Fmoc),7.53(dd,2H,J=7.6,Fmoc),5.21(s,1H,Man4−H1),5.09(d,1H,J=8.8,GlcNAc1−H1),5.00(s,1H,Man4’−H−1),4.87(s,1H),4.60−4.78(m,5H),4.40−4.50(bm,2H),4.34(s,1H),4.28(bs,1H,Man4−H2),4.20(dd,1H,Ja=3.0,Jb=9.9),2.80−2.95(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.65−2.75(m,1H,Asn−βCH),2.16,2.14,2.12(eachs,Acx3),1.98(s,3H,Ac),1.89(dd,1H,Ja=12.1,Jb=11.9,NeuAc7−H3ax).
Figure 0004219931
実施例3で得られた化合物(C3)(0.8mg,0.42μmol)とウシ血清アルブミン1mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0)50μlに溶解させ、α−マンノシダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Jack Beans)30μl(2.9U)加えた。この溶液を37℃で63時間静置した後、メンブランフィルターでろ過を行った。ろ液をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速7.5ml/min)で精製した後、溶媒を濃縮、次いで凍結乾燥を行った。残留物を水200μlに溶解させODS−カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−opn、最初に水で洗浄を行い、次いで25%アセトニトリル水溶液で溶出させる)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物(C4)が0.6μg得られた。
H NMR(400MHz,DO,30oC,HOD=4.81)
δ 8.00(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.79(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.59(dd,2H,J=7.2,Fmoc),7.52(dd,2H,J=7.2,Fmoc),5.21(s,1H,Man4−H1),5.09(d,1H,J=10.0,GlcNAc1−H1),4.60−4.75(m,),4.40−4.50(m,2H),4.32(bd,1H,J=2.3),4.28(bs,1H),4.22(bdd,1H,Ja=9.7,Jb=2.8,Man4−H2),2.80−2.95(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.60−2.75(m,1H,Asn−βCH),2.14,2.14,2.12(eachs,Acx3),1.98(s,3H,Ac),1.88(dd,1H,Ja=12.1,Jb=12.0,NeuAc7−H3ax).
Figure 0004219931
実施例1で得られた化合物(C1−3)(1mg,0.44μmol)とウシ血清アルブミン1mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0)50μlに溶解させ、さらにβ−ガラクトシダーゼ(生化学工業社製、from Jack Beans,5μL,100mU)を加えた。この溶液を37℃で15時間静置した後、メンブランフィルターでろ過を行った。ろ液をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18、流速7.5ml/min)で精製した後、溶媒を濃縮、次いで凍結乾燥を行った。残留物を水200μlに溶解させODS−カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−opn、最初に水で洗浄を行い、次いで25%アセトニトリル水溶液で溶出させる)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物(C5)が0.3μg得られた。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.01(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.81(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.60(dd,2H,J=7.2,Fmoc),7.53(dd,2H,J=7.2,Fmoc),5.21(s,1H,Man4−H1),5.09(d,1H,J=9.6,GlcNAc1−H1),5.02(s,1H,Man4’−H−1),4.55−4.70(m),4.44(1H,Fmoc),4.30−4.38(bm,2H),4.28(bd,1H,Man4−H2),4.17−4.25(m,2H),2.78−2.95(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.55−2.70(m,1H,Asn−βCH),2.16,2.15,2.14,2.12(eachs,12H,Acx4),1.98(s,3H,Ac),1.89(dd,1H,Ja=12.2,Jb=12.0,NeuAc7−H3ax).
Figure 0004219931
実施例5で得られた化合物(C5)(1.0mg,0.48μmol)を、ウシ血清アルブミン1mgと共にHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0)50μlに溶解させ、さらにN−アセチル−β−グルコサミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Jack Beans)を4μl(250mU)加えた。この溶液を37℃で22時間静置した後、メンブランフィルターでろ過を行った。ろ液をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18、流速7.5ml/min)で精製した後、溶媒を濃縮、次いで凍結乾燥を行った。残留物を水200μlに溶解させODS−カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−opn、最初に水で洗浄を行い、次いで25%アセトニトリル水溶液で溶出させる)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物(C6)が0.6μg得られた。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.01(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.80(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.60(dd,2H,J=7.6,Fmoc),7.53(dd,2H,J=7.6,Fmoc),5.19(s,1H,Man4−H1),5.09(d,1H,J=9.2,GlcNAc1−H1),5.02(s,1H,Man4’−H−1),4.85(s,1H)4.58−4.75(m,5H),4.38−4.48(m,2H,Fmoc),4.40(bd,J=2.4,1H),4.18−4.25(m,2H),4.15(m,1H),2.80−2.95(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.65−2.75(m,1H,Asn−βCH),2.16,2.13,2.12(eachs,9H,Acx3),1.98(s,3H,Ac),1.89(dd,1H,Ja=12.2,Jb=12.0,NeuAc7−H3ax).
Figure 0004219931
実施例6で得られた化合物(C6)(1.0mg,0.53μmol)とウシ血清アルブミン1mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0)50μlに溶解させ、α−マンノシダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Jack Beans)10μl(0.9U)加えた。この溶液を37℃で20時間静置した後、メンブランフィルターでろ過を行った。ろ液をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速7.5ml/min)で精製した後、溶媒を濃縮、次いで凍結乾燥を行った。残留物を水200μlに溶解させODS−カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−opn、最初に水で洗浄を行い、次いで25%アセトニトリル水溶液で溶出させる)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物(C7)が0.5μg得られた。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.01(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.81(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.60(dd,2H,J=7.2,Fmoc),7.53(dd,2H,J=7.6,Fmoc),5.09(d,1H,J=9.2,GlcNAc1−H1),5.01(s,1H,Man4’−H−1),4.84(s,1H),4.55−4.70(m,5H),4.44(t,1H,J=6.0,Fmoc),4.30−4.38(bs,1H),4.15−4.25(m,2H),4.17(s,1H),2.80−2.95(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.55−2.70(m,1H,Asn−βCH),2.16,2.13,2.12(eachs,Acx3),1.98(s,3H,Ac)1.89(dd,1H,Ja=12.2,Jb=12.3,NeuAc7−H3ax).
Figure 0004219931
実施例7A
Fmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジシアロ(α2,6)(α2,3)糖鎖アスパラギンの合成
参考例3で得られたFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したアシアロ糖鎖アスパラギン(化合物2)にシアル酸転移酵素を用いてCMP−シアル酸を転移させた。
シアル酸転移酵素としてα2,3転移酵素である市販のRat,Recombinant由来のものを用いた。
参考例3で得られた化合物2(1.7mg,0.75μmol)を50mMカコジル酸緩衝液(pH=5.0,85μl)に溶解させた後、牛血清アルブミン(BSA,1mg)を加える。これに、CMP−シアル酸(4.8mg,7.5μmol)、Alkaline phosphatase(1μl,75unit)を加え均一化する。最後に、α2,3−Sialyltransferase(CALBIOCHEM社製、75μl,34mU)を加え37℃で3.5時間静置させる。HPLCで反応をモニターしながら原料が消失した時点で反応を終了させ、反応液をメンブランフィルターにて濾過する。濾液を濃縮し液量を減じた後、HPLC分取カラムにて精製した(YMC−Pack R&D ODS,D−ODS−5−A,20×250mm,AN/25mM AcONH4 buffer=18/82,7.5ml/min.,wave length;274nm)ところ、25分後に化合物(C7A)が溶出してきた。分取した後、脱塩処理、次いで凍結乾燥を行うと、化合物(C7A)が1.3mg(67.8%)得られた。化合物のNMRデータは以下のとおりである。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.00(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.79(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.60(dd,2H,J=7.2,Fmoc),7.52(dd,2H,J=7.2,Fmoc),5.21(s,1H,Man4−H1),5.09(d,1H,J=8.8,GlcNAc1−H1),5.03(s,1H,Man4’−H−1),4.86(s,1H),4.58−4.72(m,5H),4.54(d,1H,J=8.0),4.38−4.48(m,2H)4.34(bs,1H),4.28(bs,1H),4.15−4.25(m,2H),2.80−2.86(dd,1H,Ja=4.4,Jb=12.4,NeuAc7−H3eq),2.73−2.83(m,dd,3H,Ja=4.4,Jb=12.4,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.60−2.72(m,1H,Asn−βCH),2.16,2.15,2.14,2.12(each s,Ac x5),1.98(s,3H,Ac),1.89(dd,1H,Ja=12.4,Jb=12.0,NeuAc7−H3ax),1.81(dd,1H,Ja=12.4,Jb=12.0,NeuAc7−H3ax).
Figure 0004219931
実施例7B
Fmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジシアロ(α2,3)(α2,6)糖鎖アスパラギンの合成
参考例3で得られたFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したアシアロ糖鎖アスパラギン(化合物3)にシアル酸転移酵素を用いてCMP−シアル酸を転移させた。
シアル酸転移酵素としてα2,3転移酵素である市販のRat,Recombinant由来のものを用いた。
参考例3で得られた化合物3(1.2mg,0.53μmol)を50mMカコジル酸緩衝液(pH=5.0,60μl)に溶解させた後、牛血清アルブミン(BSA,1mg)を加える。これに、CMP−シアル酸(3.4mg,5.3μmol)、Alkaline phosphatase(1μl,75unit)を加え均一化する。最後に、α2,3−Sialyltransferase(CALBIOCHEM社製、52.9μl,24mU)を加え37℃で3時間静置させる。HPLCで反応をモニターしながら原料が全て消費された時点で反応を終了させ、反応液をメンブランフィルターにて濾過する。濾液を濃縮し液量を減じた後、HPLC分取カラムにて精製した(YMC−Pack R&D ODS,D−ODS−5−A,20×250mm,AN/25mM AcONH4 buffer=18/82,7.5ml/min.,wave length;274nm)ところ、23分後に化合物(C7B)が溶出してきた。分取した後、脱塩処理、次いで凍結乾燥を行うと、各化合物(C7B)が1.1mg(81.2%)得られた。各化合物のNMRデータは以下のとおりである。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.00(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.79(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.59(dd,2H,J=7.6,Fmoc),7.51(dd,2H,J=7.6,Fmoc),5.21(s,1H,Man4−H1),5.08(d,1H,J=10.0,GlcNAc1−H1),5.00(s,1H,Man4’−H−1),4.84(s,1H),4.60−4.72(m,5H),4.52(d,1H,J=7.6),4.35−4.45(m,2H),4.33(bs,1H),4.27(bs,1H),4.15−4.25(m,2H),2.80−2.86(dd,1H,Ja=4.8,Jb=12.4,NeuAc7−H3eq),2.73−2.83(bs,dd,3H,Ja=4.8,Jb=12.4,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.60−2.72(m,1H,Asn−βCH),2.15,2.12,2.10(each s,Ac x5),1.97(s,3H,Ac),1.88(dd,1H,Ja=12.4,Jb=12.4,NeuAc7−H3ax),1.80(dd,1H,Ja=12.4,Jb=12.4,NeuAc7−H3ax).
Figure 0004219931
実施例8 Fmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジ7”−デオキシ−7”−フルオロ−シアロα2,3糖鎖アスパラギン(C8−1)およびFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護した2種のモノ7”−デオキシ−7”−フルオロ−シアロα2,3糖鎖アスパラギン(C8−2及びC8−3)の合成
参考例8で得られたCMP−7”−デオキシ−7”−フルオロ−シアル酸を用いた以外は実施例1と同様にして下記に示すFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジ7”−デオキシ−7”−フルオロ−シアロα2,3糖鎖アスパラギンおよびFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護した2種のモノ7”−デオキシ−7”−フルオロ−シアロα2,3糖鎖アスパラギンを得た。
Figure 0004219931
Figure 0004219931
実施例2の化合物(C1−2)の代りに実施例8で得られた化合物(C8−2)を使用した以外は実施例2と同様にして目的とする化合物(C9)が得られた。
Figure 0004219931
実施例3の化合物(C2)の代りに実施例9で得られた化合物(C9)を使用した以外は実施例3と同様にして目的とする化合物(C10)が得られた。
Figure 0004219931
実施例4の化合物(C3)の代りに実施例10で得られた化合物(C10)を使用した以外は実施例4と同様にして目的とする化合物(C11)が得られた。
Figure 0004219931
実施例5の化合物(C1−3)の代りに実施例8で得られた化合物(C8−3)を使用した以外は実施例5と同様にして目的とする化合物(C12)が得られた。
Figure 0004219931
実施例6の化合物(C5)の代りに実施例12で得られた化合物(C12)を使用した以外は実施例6と同様にして目的とする化合物(C13)が得られた。
Figure 0004219931
実施例7の化合物(C6)の代りに実施例13で得られた化合物(C13)を使用した以外は実施例7と同様にして目的とする化合物(C14)が得られた。
Figure 0004219931
実施例15 Fmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジ8”−デオキシ−8”−フルオロ−シアロα2,3糖鎖アスパラギン(C15−1)およびFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護した2種のモノ8”−デオキシ−8”−フルオロ−シアロα2,3糖鎖アスパラギン(C15−2及びC15−3)の合成
参考例9で得られたCMP−8”−デオキシ−8”−フルオロ−シアル酸を用いた以外は実施例1と同様にして下記に示すFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジ8”−デオキシ−8”−フルオロ−シアロα2,3糖鎖アスパラギンおよびFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護した2種のモノ8”−デオキシ−8”−フルオロ−シアロα2,3糖鎖アスパラギンを得た。
Figure 0004219931
この糖鎖アスパラギンは式(1)のR=R=式(2)、R=OH、R’=F、R”=OHに相当する。
Figure 0004219931
この糖鎖アスパラギンは式(1)のR=式(3)、R=式(2)、R=OH、R’=F、R”=OHに相当する。
Figure 0004219931
この糖鎖アスパラギンは式(1)のR=式(2)、R=OH、R’=F、R”=OH、R=式(3)に相当する。
実施例16 (実施例15のガラクトース加水分解酵素)
実施例2の化合物(C1−2)の代りに実施例15で得られた化合物(C15−2)を使用した以外は実施例2と同様にして目的とする化合物(C16)が得られた。
Figure 0004219931
この糖鎖アスパラギンは式(1)のR=式(4)、R=式(2)、R=OH、R’=F、R”=OHに相当する。
実施例17 (実施例16のN−アセチルグルコサミン加水分解酵素)
実施例3の化合物(C2)の代りに実施例16で得られた化合物(C16)を使用した以外は実施例3と同様にして目的とする化合物(C17)が得られた。
Figure 0004219931
この糖鎖アスパラギンは式(1)のR=式(5)、R=式(2)、R=OH、R’=F、R”=OHに相当する。
実施例18 (実施例17のマンノース加水分解酵素)
実施例4の化合物(C3)の代りに実施例17で得られた化合物(C17)を使用した以外は実施例4と同様にして目的とする化合物(C18)が得られた。
Figure 0004219931
この糖鎖アスパラギンは式(1)のR=H、R=式(2)、R=OH、R’=F、R”=OHに相当する。
実施例19 (実施例15のガラクトース加水分解酵素)
実施例5の化合物(C1−3)の代りに実施例15で得られた化合物(C15−3)を使用した以外は実施例5と同様にして目的とする化合物(C19)が得られた。
Figure 0004219931
この糖鎖アスパラギンは式(1)のR=式(2)、R=OH、R’=F、R”=OH、R=式(4)に相当する。
実施例20 (実施例19のN−アセチルグルコサミン加水分解酵素)
実施例6の化合物(C5)の代りに実施例19で得られた化合物(C19)を使用した以外は実施例6と同様にして目的とする化合物(C20)が得られた。
Figure 0004219931
この糖鎖アスパラギンは式(1)のR=式(2)、R=OH、R’=F、R”=OH、R=式(5)に相当する。
実施例21 (実施例20のマンノース加水分解酵素)
実施例7の化合物(C6)の代りに実施例20で得られた化合物(C20)を使用した以外は実施例7と同様にして目的とする化合物(C21)が得られた。
Figure 0004219931
この糖鎖アスパラギンは式(1)のR=式(2)、R=OH、R’=F、R”=OH、R=Hに相当する。
実施例22 Fmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジ9”−デオキシ−9”−フルオロ−シアロα2,3糖鎖アスパラギン(C22−1)およびFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護した2種のモノ9”−デオキシ−9”−フルオロ−シアロα2,3糖鎖アスパラギン(C22−2及びC22−3)の合成
参考例10で得られたCMP−9”−デオキシ−9”−フルオロ−シアル酸を用いた以外は実施例1と同様にして上記Fmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジ9”−デオキシ−9”−フルオロ−シアロα2,3糖鎖アスパラギンおよびFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護した2種のモノ9”−デオキシ−9”−フルオロ−シアロα2,3糖鎖アスパラギンを得た。
Figure 0004219931
(C22−1)は式(1)のR=R=式(2)、R=OH、R’=OH、R”=Fの糖鎖アスパラギンに相当する。
(C22−2)は式(1)のR=式(3)、R=式(2)、R=OH、R’=OH、R”=Fの糖鎖アスパラギンに相当する。
(C22−3)は式(1)のR=式(2)、R=OH、R’=OH、R”=F、R=式(3)の糖鎖アスパラギンに相当する。
実施例23 (実施例22のガラクトース加水分解酵素)
実施例2の化合物(C1−2)の代りに実施例22で得られた化合物(C22−2)を使用した以外は実施例2と同様にして目的とする化合物(C23)が得られた。
(C23)は式(1)のR=式(4)、R=式(2)、R=OH、R’=OH、R”=Fの糖鎖アスパラギンに相当する。
Figure 0004219931
実施例24 (実施例23のN−アセチルグルコサミン加水分解酵素)
実施例3の化合物(C2)の代りに実施例23で得られた化合物(C23)を使用した以外は実施例3と同様にして目的とする化合物(C24)が得られた。
(C24)は式(1)のR=式(5)、R=式(2)、R=OH、R’=OH、R”=Fの糖鎖アスパラギンに相当する。
Figure 0004219931
実施例25 (実施例24のマンノース加水分解酵素)
実施例4の化合物(C3)の代りに実施例24で得られた化合物(C24)を使用した以外は実施例4と同様にして目的とする化合物(C25)が得られた。
(C25)は式(1)のR=H、R=式(2)、R=OH、R’=OH、R”=Fの糖鎖アスパラギンに相当する。
Figure 0004219931
実施例26 (実施例22のガラクトース加水分解酵素)
実施例5の化合物(C1−3)の代りに実施例22で得られた化合物(C22−3)を使用した以外は実施例5と同様にして目的とする化合物(C26)が得られた。
(C−26)は式(1)のR=式(2)、R=OH、R’=OH、R”=F、R=式(4)の糖鎖アスパラギンに相当する。
Figure 0004219931
実施例27 (実施例26のN−アセチルグルコサミン加水分解酵素)
実施例6の化合物(C5)の代りに実施例26で得られた化合物(C26)を使用した以外は実施例6と同様にして目的とする化合物(C27)が得られた。
(C27)は式(1)のR=式(2)、R=OH、R’=OH、R”=F、R=式(5)の糖鎖アスパラギンに相当する。
Figure 0004219931
実施例28 (実施例27のマンノース加水分解酵素)
実施例7の化合物(C6)の代りに実施例27で得られた化合物(C27)を使用した以外は実施例7と同様にして目的とする化合物(C28)が得られた。
(C28)は式(1)のR=式(2)、R=OH、R’=OH、R”=F、R=Hの糖鎖アスパラギンに相当する。
Figure 0004219931
実施例29 Fmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジ7”−デオキシ−7”−フルオロ−シアロ(2−6)糖鎖アスパラギン(C29−1)およびFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護した2種のモノ7”−デオキシ−7”−フルオロ−シアロ(2−6)糖鎖アスパラギン(C29−2及びC29−3)の合成
参考例7で得られたCMP−7”−デオキシ−7”−フルオロ−シアル酸を、シアル酸転移酵素としてα2,6転移酵素である市販のRat Liver由来のものを用い、カコジル酸緩衝溶液のpHを6.0とした以外は実施例1と同様にして下記に示すFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジ7”−デオキシ−7”−フルオロ−シアロ(2−6)糖鎖アスパラギンおよびFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護した2種のモノ7”−デオキシ−7”−フルオロ−シアロ(2−6)糖鎖アスパラギンを得た。(C29−1)〜(C29−3)の化学式を以下に示す。
Figure 0004219931
Figure 0004219931
実施例30 (実施例29のガラクトース加水分解酵素)
実施例2の化合物(C1−2)の代りに実施例29で得られた化合物(C29−2)を使用した以外は実施例2と同様にして目的とする化合物(C30)が得られた。(C30)の化学式を以下に示す。
Figure 0004219931
実施例31 (実施例30のN−アセチルグルコサミン加水分解酵素)
実施例3の化合物(C2)の代りに実施例30で得られた化合物(C30)を使用した以外は実施例3と同様にして目的とする化合物(C31)が得られた。(C31)の化学式を以下に示す。
Figure 0004219931
実施例32 (実施例31のマンノース加水分解酵素)
実施例4の化合物(C3)の代りに実施例31で得られた化合物(C31)を使用した以外は実施例4と同様にして目的とする化合物(C32)が得られた。(C32)の化学式を以下に示す。
Figure 0004219931
実施例33 (実施例29のガラクトース加水分解酵素)
実施例5の化合物(C1−3)の代りに実施例29で得られた化合物(C29−3)を使用した以外は実施例5と同様にして目的とする化合物(C33)が得られた。(C33)の化学式を以下に示す。
Figure 0004219931
実施例34 (実施例33のN−アセチルグルコサミン加水分解酵素)
実施例6の化合物(C5)の代りに実施例33で得られた化合物(C33)を使用した以外は実施例6と同様にして目的とする化合物(C34)が得られた。(C34)の化学式を以下に示す。
Figure 0004219931
実施例35 (実施例34のマンノース加水分解酵素)
実施例7の化合物(C6)の代りに実施例34で得られた化合物(C34)を使用した以外は実施例7と同様にして目的とする化合物(C35)が得られた。(C35)の化学式を以下に示す。
Figure 0004219931
実施例36〜49
以下、同様にして以下に示す糖鎖アスパラギン誘導体を合成した。
Figure 0004219931
Figure 0004219931
Figure 0004219931
Figure 0004219931
尚、代表例として8Fα2,6−11糖−Asn−Fmoc(C36−1)のNMRデータを以下に示す。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.01(d,2H,J=7.4,Fmoc),7.80(d,2H,J=7.4,Fmoc),7.59(dd,2H,J=7.4,Fmoc),7.52(bdd,2H,J=7.4,Fmoc),5.22(s,1H,Man4−H1),5.08(d,1H,J=9.4,GlcNAc1−H1),5.05(s,1H,Man4’−H−1),4.85−4.95(m,1H),4.55−4.75(m),4.53(d,1H,J=7.9),4.43(m,1H),4.35(bs,2H,Man3−H2),4.28(bs,1H,Man4−H2),4.10−4.25(m,2H),2.75−2.85(m,1H,Asn−βCH),2.63−2.70(dd,2H,Ja=3.9,Jb=12.0,NeuAc7,7’−H3eq),2.55−2.65(m,1H,Asn−βCH),2.16,2.11,2.08(eachs,15H,Acx5),1.84(s,3H,Ac),1.74(dd,1H,Ja=12.3,Jb=12.2,NeuAc7−H3ax).
実施例50 (糖鎖アスパラギン誘導体のFmoc基の脱保護)
全ての糖鎖アスパラギン誘導体において、以下の手順でFmoc基の脱保護を行った。まず、糖鎖アスパラギンFmoc体1μmolあたりに240μリットルのN,N−ジメチルホルムアミド、160μリットルのモルホリンを加え、室温・アルゴン雰囲気下で反応させた。TLC(展開溶媒として1M酢酸アンモニウム:イソプロパノール=8:5を用いた)にて反応終了を確認した後、氷水で冷却した。ここにジエチルエーテルを反応溶液の10倍量加えて15分間攪拌した後、析出した沈殿物をろ別した。得られた残渣を水に溶解させ、35℃でエバポレートした。更にトルエンを3ml加えエバポレートするという操作を3回繰り返した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、展開溶媒は水)により精製して、対応する糖鎖アスパラギンを得た。
実施例51 (糖鎖アスパラギンのアスパラギン残基の除去)
実施例50で得られた糖鎖アスパラギンを無水ヒドラジンと反応させた後、アセチル化することによりアスパラギン残基を除去して対応する糖鎖を得た。
実施例52〜69
参考例2、3、8〜13、実施例1〜7で製造した各Fmoc−糖鎖アスパラギン 2nmolを、トリス塩酸緩衝液 約10mlに溶解させた。このものに、GDP−フコース200nmol、Fucosyltransferase V(Human,Recombinant)0.5mUを加え、37℃で約2時間静置、反応させた。反応液を超純水20mlで希釈したのち、キャピラリー電気泳動(fused silica capillary,50mm i.d.,60cm,buffer;100mM Tris−borate,pH=8.3,100mM Heptane sulfonate,印加電圧27kV,温度25℃,214mm)で分離を行い各目的物を得た。
各実施例における原料及び目的物を以下に示す。
Figure 0004219931
Figure 0004219931
Figure 0004219931
Figure 0004219931
Figure 0004219931
Figure 0004219931
Figure 0004219931
Figure 0004219931
Figure 0004219931
Figure 0004219931
Figure 0004219931
Figure 0004219931

Claims (26)

  1. 下記式(1)で表される、非還元末端のシアル酸がフッ素化された、11〜7糖を有するα2,3糖鎖アスパラギン誘導体。
    Figure 0004219931
    〔式中、RおよびRは、水素原子、式(2)〜(5)で示される基であり、同一でも異なっていてもよい。ただし、RおよびRの一方は必ず式(2)で示される基である。〕
    Figure 0004219931
    R,R’,R”は下記の組合せを示す。
    (a)R=F、R’=OH、R”=OH
    (b)R=OH、R’=F、R”=OH
    (c)R=OH、R’=OH、R”=F
    Figure 0004219931
    Figure 0004219931
    Figure 0004219931
  2. 下記式(6)で表される、非還元末端のシアル酸がフッ素化された、11〜7糖を有するα2,6糖鎖アスパラギン誘導体。
    Figure 0004219931
    〔式中、RおよびRは、水素原子、式(7)で示される基、または式(3)〜(5)で示される基である。ただし、RおよびRの一方は必ず式(7)で示される基である。〕
    Figure 0004219931
    R,R’,R”は下記の組合せを示す。
    (a)R=F、R’=OH、R”=OH
    (b)R=OH、R’=F、R”=OH
    (c)R=OH、R’=OH、R”=F
  3. 下記式(8)で表される11〜7糖を有するα2,3糖鎖アスパラギン。
    Figure 0004219931
    〔式中、RおよびRは上記に同じ。〕
  4. 下記式(9)で表されるフッ素を含む11〜7糖を有するα2,6糖鎖アスパラギン。
    Figure 0004219931
    〔式中、RおよびRは上記に同じ。〕
  5. 下記式(10)で表される11〜7糖を有するα2,3糖鎖。
    Figure 0004219931
    〔式中、RおよびRは上記に同じ。〕
  6. 下記式(11)で表されるフッ素を含む11〜7糖を有するα2,6糖鎖。
    Figure 0004219931
    〔式中、RおよびRは上記に同じ。〕
  7. 脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギンにシアル酸転移酵素を用いてシアル酸あるいはシアル酸の誘導体を転移させ、得られた脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギンをクロマトグラフィーに供することにより分離することを特徴とする下記式(12)で表される11糖を有するα2,3ジシアロ糖鎖アスパラギン誘導体の製造法。
    Figure 0004219931
    〔式中、RおよびRは、共に式(2)で示される基である。〕
  8. 脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギンにシアル酸転移酵素を用いてシアル酸あるいはシアル酸の誘導体を転移させ、得られた脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギンをクロマトグラフィーに供することにより分離することを特徴とする下記式(13)で表される10糖を有するα2,3モノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体の製造法。
    Figure 0004219931
    〔式中、R、Rの一方は式(2)で示される基、他方は式(3)で示される基である。〕
  9. 式(13)で表されるモノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体をガラクトース加水分解酵素を用いて加水分解することを特徴とする下記式(14)で表される9糖を有するα2,3モノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体の製造法。
    Figure 0004219931
    〔式中、R、Rの一方は式(2)で示される基、他方は式(4)で示される基である。〕
  10. 式(14)で表されるモノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体をN−アセチルグルコサミン加水分解酵素を用いて加水分解することを特徴とする下記式(15)で表される8糖を有するα2,3モノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体の製造法。
    Figure 0004219931
    〔式中、R、Rの一方は式(2)で示される基、他方は式(5)で示される基である。〕
  11. 式(15)で表されるモノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体をマンノース加水分解酵素を用いて加水分解することを特徴とする下記式(16)で表される7糖を有するα2,3モノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体の製造法。
    Figure 0004219931
    〔式中、R、Rの一方は式(2)で示される基、他方は水素原子である。〕
  12. 脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギンにシアル酸転移酵素を用いてシアル酸あるいはシアル酸の誘導体を転移させ、得られた脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギンをクロマトグラフィーに供することにより分離することを特徴とする下記式(17)で表される11糖を有するα2,6ジシアロ糖鎖アスパラギン誘導体の製造法。
    Figure 0004219931
    〔式中、RおよびRは、共に式(7)で示される基である。〕
  13. 脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギンにシアル酸転移酵素を用いてシアル酸あるいはシアル酸の誘導体を転移させ、得られた脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギンをクロマトグラフィーに供することにより分離することを特徴とする下記式(18)で表される10糖を有するα2,6モノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体の製造法。
    Figure 0004219931
    〔式中、RおよびRの一方は式(7)で示される基、他方は式(3)で示される基である。〕
  14. 式(18)で表されるモノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体をガラクトース加水分解酵素を用いて加水分解することを特徴とする下記式(19)で表される9糖を有するα2,6モノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体の製造法。
    Figure 0004219931
    〔式中、RおよびRの一方は式(7)で示される基、他方は式(4)で示される基である。〕
  15. 式(19)で表されるモノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体をN−アセチルグルコサミン加水分解酵素を用いて加水分解することを特徴とする下記式(20)で表される8糖を有するα2,6モノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体の製造法。
    Figure 0004219931
    〔式中、RおよびRの一方は式(7)で示される基、他方は式(5)で示される基である。〕
  16. 式(20)で表されるモノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体をマンノース加水分解酵素を用いて加水分解することを特徴とする下記式(21)で表される7糖を有するα2,6モノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体の製造法。
    Figure 0004219931
    〔式中、RおよびRの一方は式(7)で示される基、他方は水素原子である。〕
  17. 式(1)で表される11〜7糖を有するα2,3糖鎖アスパラギン誘導体の保護基を除去することを特徴とする式(8)で表される11〜7糖を有するα2,3糖鎖アスパラギンの製造法。
  18. 式(6)で表される11〜7糖を有するα2,6糖鎖アスパラギン誘導体の保護基を除去することを特徴とする式(9)で表される11〜7糖を有するα2,6糖鎖アスパラギンの製造法。
  19. 式(8)で表される11〜7糖を有するα2,3糖鎖アスパラギンのアスパラギン残基を除去することを特徴とする式(10)で表される11〜7糖を有するα2,3糖鎖の製造法。
  20. 式(9)で表される11〜7糖を有するα2,6糖鎖アスパラギンのアスパラギン残基を除去することを特徴とする式(11)で表される11〜7糖を有するα2,6糖鎖の製造法。
  21. 下記式(22)で表される、非還元末端のシアル酸がフッ素化された、11糖を有する(α2,3)(α2,6)糖鎖アスパラギン誘導体。
    Figure 0004219931
    〔式中、Rは式(2)で示される基であり、Rは下記式(7)で示される基である。〕
    Figure 0004219931
    R,R’,R”は下記の組合せを示す。
    (a)R=F、R’=OH、R”=OH
    (b)R=OH、R’=F、R”=OH
    (c)R=OH、R’=OH、R”=F
  22. 下記式(23)で表される、非還元末端のシアル酸がフッ素化された、11糖を有する(α2,3)(α2,6)糖鎖アスパラギン誘導体。
    Figure 0004219931
    〔式中、Rは式(2)で示される基であり、Rは下記式(7)で示される基である。〕
    Figure 0004219931
    R,R’,R”は下記の組合せを示す。
    (a)R=F、R’=OH、R”=OH
    (b)R=OH、R’=F、R”=OH
    (c)R=OH、R’=OH、R”=F
  23. 式(1)で表される、非還元末端のシアル酸がフッ素化された、11〜7糖を有するα2,3糖鎖アスパラギン誘導体の非還元末端側のN−アセチルグルコサミンに少なくとも1個以上のフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体。
  24. 式(6)で表される、非還元末端のシアル酸がフッ素化された、11〜7糖を有するα2,6糖鎖アスパラギン誘導体の非還元末端側のN−アセチルグルコサミンに少なくとも1個以上のフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体。
  25. 脂溶性の保護基でアスパラギンのアミノ基窒素が保護された、式(1)で表される、非還元末端のシアル酸がフッ素化された、糖鎖アスパラギンにフコース転移酵素を用いてフコースを転移させ、得られた脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギンをクロマトグラフィーに供することにより分離することを特徴とする脂溶性の保護基でアスパラギンのアミノ基窒素が保護された糖鎖アスパラギンの非還元末端側のN−アセチルグルコサミンに少なくとも1個以上のフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法。
  26. 脂溶性の保護基でアスパラギンのアミノ基窒素が保護された、式(6)で表される、非還元末端のシアル酸がフッ素化された、糖鎖アスパラギンにフコース転移酵素を用いてフコースを転移させ、得られた脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギンをクロマトグラフィーに供することにより分離することを特徴とする脂溶性の保護基でアスパラギンのアミノ基窒素が保護された糖鎖アスパラギンの非還元末端側のN−アセチルグルコサミンに少なくとも1個以上のフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法。
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