JP2002045196A - 混成型糖鎖の酵素的合成方法 - Google Patents

混成型糖鎖の酵素的合成方法

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JP2002045196A JP2000234814A JP2000234814A JP2002045196A JP 2002045196 A JP2002045196 A JP 2002045196A JP 2000234814 A JP2000234814 A JP 2000234814A JP 2000234814 A JP2000234814 A JP 2000234814A JP 2002045196 A JP2002045196 A JP 2002045196A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 β1−2 アセチルグルコサミン転移酵
素Iの基質となり且つ非還元末端にN−アセチルグルコ
サミンあるいはグルコースを持たない糖鎖を有する複合
糖質を、β1−2 アセチルグルコサミン転移酵素Iお
よびβ1−4 ガラクトース転移酵素共存下にてN−ア
セチルグルコサミニル化およびガラクトシル化すること
を特徴とする、混成型糖鎖を持つ複合糖質の製造方法。 【効果】 本発明の製造方法により、従来、安定且つ大
量の供給が困難とされていた混成型糖鎖を有する複合糖
質を簡便に製造できる。当該混成型糖鎖は糖鎖工学の基
礎分野や診断用途に広く利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、診断用途あるいは
糖鎖工学研究用途として有用な混成型糖鎖の酵素を用い
た簡便な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の研究により糖鎖が生体機能、ある
いは癌等の種々の疾病に深く関与していることが明らか
となってきた。この糖鎖の一形態である糖タンパク質糖
鎖はペプチド鎖のアスパラギンと糖鎖が結合したN−結
合型糖鎖、ペプチド鎖のセリンまたはトレオニンと糖鎖
が結合したO−結合型糖鎖に分類される。このうち、N−
結合型糖鎖はコア構造となるトリマンノース構造のマン
ノースにマンノースのみが結合した高マンノース型糖
鎖、N−アセチルグルコサミンのみが結合した複合型糖
鎖、マンノースとN−アセチルグルコサミンが結合した
混成型糖鎖に分類される。これら3種類の内、複合型糖
鎖および高マンノース型糖鎖と種々の疾病との関連につ
いては解析が進んでいるが、混成型糖鎖についてはあま
り解析が進んでいないのが現状で、さらなる解析が望ま
れている。このような混成型糖鎖の解析には分析の標準
品として使用される、あるいは混成型糖鎖形成に関与す
る糖転移酵素の基質として使用される、混成型糖鎖の標
品が必要となる。
【0003】混成型糖鎖の疾病との関連については遺伝
性の貧血疾患であるHEMPAS病(hereditary eryth
roblastic multinuclearity associated with positive
acidified serum lysis test)における混成型糖鎖の
増加が知られている。すなわち、赤血球表面糖タンパク
質であるBand3あるいはBand4.5は、正常時
には、下記式
【0004】
【化5】
【0005】(式中、R2はポリペプチド鎖を示し、M
anはマンノース残基を示し、GlcNAcはN−アセ
チルグルコサミン残基を示し、Galはガラクトース残
基を示し、Siaはシアル酸残基を示す)で示されるよ
うに、糖鎖部分として、ポリラクトサミン構造を有する
複合型糖鎖を有しているが、HEMPAS病患者では
【0006】
【化6】
【0007】(式中、各記号の定義は前述の通りであ
る)で示されるように、糖鎖部分が混成型糖鎖へと変化
している(M.N. Fukudaら, J. Biol. Chem. 262, 7195
(1987)、M.N. Fukudaら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
27, 7443 (1990))。これらの疾病と糖鎖構造変化の関
連性の解明、あるいは治療用途や診断用途として、
【0008】
【化7】
【0009】(式中、各記号の定義は前述の通りであ
る)で表される化合物およびそれらの前駆体である式
(I)
【0010】
【化8】
【0011】(式中、R1は水酸基、2−アミノピリジ
ル基、アスパラギンあるいはその類似体、またはポリペ
プチド鎖を示し、その他の記号の定義は前述の通りであ
る)あるいは式(II)
【0012】
【化9】
【0013】(式中、各記号の定義は前述の通りであ
る)で表される混成型糖鎖を有する複合糖質が有用であ
る。
【0014】また、Clostridium botulinumのC2毒素
が細胞毒性を発揮するには下記式
【0015】
【化10】
【0016】(式中、各記号の定義は前述の通りであ
る)に表される様な混成型糖鎖を有する構造が必要であ
ることが知られている(M. Eckhardtら、J. Biol. Che
m., 275, 2328, (2000))。このClostridium botulinum
の感染予防あるいは治療、Clostridium botulinum毒素
の検出にこれらの混成型糖鎖が有用と考えられている。
【0017】この様に、糖鎖工学研究用途あるいは種々
の疾病の研究用途、医薬品・診断薬用途に混成型糖鎖の
安定且つ大量な供給が重要になるが、これら糖鎖を天然
から高純度で大量且つ安定に供給することは非常に困難
であった。また、化学的に合成することも煩雑且つ低収
率であるため事実上困難であった。天然からの抽出ある
いは化学合成の他に酵母に混成型糖鎖を持つ糖タンパク
質を生産させる試みが為されている。すなわち、通常高
マンノース型糖鎖しか作らない酵母細胞にマンノース分
解酵素遺伝子とβ1−2 N−アセチルグルコサミン転
移酵素I遺伝子を導入し、
【0018】
【化11】
【0019】(式中、各記号の定義は前述の通りであ
る)で表される混成型糖鎖を有する糖タンパク質を酵母
に生産させることに成功している(地神芳文、第17回バ
イオテクノロジーシンポジウム予稿集、第24頁、1999
年)。しかしながら、さらにガラクトースが付加された
式(I)あるいは式(II)で表されるような構造の糖鎖
は未だ得られていない。また、酵母の粗酵素液から糖鎖
を抽出するため、目的の混成型糖鎖を得るためには煩雑
な操作が必要であるといった問題点があった。
【0020】この様に、糖鎖工学研究用途あるいは種々
の疾病の研究用途、医薬品・診断薬用途として重要な混
成型糖鎖を安定且つ大量に供給することは事実上困難で
あった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、糖鎖工学や
診断用途として有用な混成型糖鎖を安定且つ大量に供給
することを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、β1−2 N−アセチ
ルグルコサミン転移酵素I(以下GnTIとも略する)
の基質となり且つ非還元末端にN−アセチルグルコサミ
ンあるいはグルコースを持たない糖鎖を有する複合糖質
を、GnTIおよびβ1−4 ガラクトース転移酵素
(以下β1−4GalTとも略する)共存下にてN−ア
セチルグルコサミニル化およびガラクトシル化すること
により、混成型糖鎖を持つ複合糖質を酵素的に一段階で
簡単に製造することに成功し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は以下の通りである。 (1)GnTIの基質となり且つ非還元末端にN−アセ
チルグルコサミンあるいはグルコースを持たない糖鎖を
有する複合糖質を、GnTIおよびβ1−4GalT共
存下にてN−アセチルグルコサミニル化およびガラクト
シル化することを特徴とする、混成型糖鎖を持つ複合糖
質の製造方法。 (2)GnTIの基質となり且つ非還元末端にN−アセ
チルグルコサミンあるいはグルコースを持たない糖鎖を
有する複合糖質が、式(Ia)
【0023】
【化12】
【0024】(式中、各記号の定義は前述の通りであ
る)で表される化合物であり、混成型糖鎖を持つ複合糖
質が、式(I)
【0025】
【化13】
【0026】(式中、各記号の定義は前述の通りであ
る)で表される化合物である、上記(1)記載の製造方
法。 (3)GnTIの基質となり且つ非還元末端にN−アセ
チルグルコサミンあるいはグルコースを持たない糖鎖を
有する複合糖質が、式(IIa)
【0027】
【化14】
【0028】(式中、各記号の定義は前述の通りであ
る)で表される化合物であり、混成型糖鎖を持つ複合糖
質が、式(II)
【0029】
【化15】
【0030】(式中、各記号の定義は前述の通りであ
る)で表される化合物である、上記(1)記載の製造方
法。 (4)当該N−アセチルグルコサミニル化およびガラク
トシル化が、UDP−N−アセチルグルコサミン(以下
UDP−GlcNAcとも略する)、UDP−ガラクト
ース(以下UDP−Galとも略する)、緩衝液、およ
び2価金属の共存下にて行なわれることを特徴とする上
記(2)または(3)記載の製造方法。 (5)当該緩衝液の濃度が、10〜100mMである、上記
(4)記載の製造方法。 (6)当該緩衝液のpHが5.0〜8.5である、上記(4)記
載の製造方法。 (7)2価金属がマンガン塩、就中塩化マンガンであ
る、上記(4)記載の製造方法。 (8)マンガン塩の濃度が5〜50mMである、上記(7)
記載の製造方法。
【0031】本発明の混成型糖鎖を持つ複合糖質の製造
方法は、GnTIの基質となり且つ非還元末端にN−ア
セチルグルコサミンあるいはグルコースを持たない糖鎖
を有する複合糖質を、GnTIおよびβ1−4GalT
共存下にてN−アセチルグルコサミニル化およびガラク
トシル化することを特徴とする。
【0032】本明細書における「複合糖質」なる用語
は、当分野で通常用いられている「糖質と他の化合物の
複合体」を意図するのに加え、より広義には糖質そのも
のならびにその修飾物をも包含する。当該他の化合物と
しては、アミノ酸、ペプチド、蛋白質、脂質あるいは他
の天然または合成の高分子化合物(ウシ血清アルブミン
に化学結合させた糖、ポリアクリルアミドに付加させた
糖等)、低分子化合物(4−アミノ安息香酸エチルエス
テル(ABEE)、4−アミノ安息香酸オクタンエチルエス
テル(ABOS)、2−アミノベンズアミド(2−AB)等)
ならびにそれらの混合物等が挙げられる。本発明におい
て好適に用いられるアミノ酸としては、アスパラギンお
よびその類似体が挙げられる。本明細書において、「類
似体」とは、アナログ体もしくは化学修飾されたもの
で、具体的にはt−ブトキシカルボニル基(t−Boc
基)、フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc
基)等の保護基で修飾されたもの等が挙げられる。糖質
の修飾物としては、例えば2−アミノピリジル化等で標
識化したもの等が挙げられる。より具体的には当該「複
合糖質」としては、糖質、糖タンパク質、プロテオグリ
カン、糖脂質が例示される。
【0033】当該N−アセチルグルコサミニル化および
ガラクトシル化を施す、出発材料としての複合糖質とし
ては、GnTIの基質となり且つ非還元末端にN−アセ
チルグルコサミンあるいはグルコースを持たない糖鎖を
有するものであれば特に限定されない。GnTIの基質
となり得る必須の条件としては、(1)Manβ1−4G
lcNAcのマンノース部分がマンノースであるか、あ
るいは他の糖であってもその2位のOH基がマンノース
と同じ立体構造であること、(2)当該マンノース部分の
4位がOH基であることが挙げられる。具体的には以下
の式(Ia)、(IIa)、(IIIa)あるいは(IVa)で表さ
れる化合物ならびにそれらの誘導体が基質として用いら
れる。
【0034】
【化16】
【0035】(式中、各記号の定義は前述の通りであ
る)
【0036】ここで誘導体とは、当該N−アセチルグル
コサミニル化およびガラクトシル化の妨げにならない程
度に化学修飾が為されているものを意味し、例えば上記
式中の糖鎖部分において1乃至数個の糖残基が付加乃至
は除去されたものや、R1において種々の官能基が除
去、付加あるいは置換されたもの等も包含される。例え
ばR1において2−アミノピリジル基が別の蛍光物質で
置換されたものも、出発材料の複合糖質として使用可能
である。
【0037】本発明において、β1−2 N−アセチル
グルコサミン転移酵素I(GnTI)とは、例えば式
(Ia)あるいは式(IIa)で表されるような構造の糖鎖
のマンノースα1−3(以下Manα1−3)分岐のマ
ンノースにのみβ1−2結合でN−アセチルグルコサミ
ン(以下GlcNAc)を付加することができるもので
ある。
【0038】また、本発明において、β1−4 ガラク
トース転移酵素(β1−4GalT)とは、例えば下記
式(1)あるいは式(2)
【0039】
【化17】
【0040】(式中、各記号の定義は前述の通りであ
る)で表されるような構造の糖鎖のGlcNAcにβ1
−4結合でガラクトースを付加することができるものを
いう。上記式(1)あるいは式(2)で表される構造を有
する複合糖質は、それぞれ式(Ia)あるいは式(IIa)
で表される複合糖質のGnTI反応産物である。式
(1)あるいは式(2)のβ1−4GalT反応産物は、
それぞれ式(I)あるいは式(II)で表される混成型糖
鎖を有する複合糖質である。
【0041】本発明の製造方法で用いる糖転移酵素(G
nTI、β1−4GalT)は、天然由来のものでも、
遺伝子組換えにより生産されたものでもよい。
【0042】天然由来のβ1−4GalTとしては、牛
乳、ヒト乳由来のものが商業的に入手可能である(シグ
マ社、ベーリンガーマンハイム社、オックスフォードグ
ライコシステム社等)。組換え型β1−4GalTとし
ては、牛乳由来のβ1−4GalTを昆虫細胞で生産し
たものがカルビオケム社から、ヒト由来のβ1−4Ga
lTを大腸菌で生産したものが東洋紡社からそれぞれ市
販されている。
【0043】天然由来のGnTIとしては、各種起源か
ら公知の手法により採取、精製することによって得るこ
とができる。例えばウサギ肝臓から精製した報告(Oppe
mheimer, C.L.ら、J. Biol. Chem., 256, 799 (1981);
Y. Nishikawaら、J. Biol. Chem., 263, 8270 (199
8))、ウシ初乳から精製した報告(Harpaz, N.ら、J. B
iol. Chem., 255, 4885 (1980);Vella, G. ら、Can.
J. Biochem, Cell Biol., 62, 409 (1984))、ブタ肝臓
から精製した報告(Oppemheimer, C.L.ら、J. Biol.Che
m., 256, 11477 (1981))等に基いて調製することがで
きる。また、ヒト由来ガン細胞(A431)等の細胞を
起源として調製することも可能である。組換え型GnT
Iとしては、例えば、既知のGnTI遺伝子配列(Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 87, 9948 (1990) 参照)を
もとにPCR反応により遺伝子を入手し、大腸菌のマル
トース結合タンパク質(MBP)遺伝子を持つベクター
pMALc2にGnTI遺伝子を組み込み大腸菌にMB
P−GnTI融合タンパク質として生産させることによ
り調製できる。当該ベクターならびに宿主となる大腸菌
等は商業的に入手可能である。好ましくは、入手が容易
であるという点から、遺伝子組換えにより生産されたも
のを用いることが望ましい。
【0044】上記糖転移酵素は、固定化された糖転移酵
素を使用しても問題はない。当該担体への酵素の固定化
は、例えば糖転移酵素の別のタンパク質との融合タンパ
ク質および当該タンパク質に特異的に結合するリガンド
を有する担体を用いることによって好適に実施できる。
該担体としては、マルトオリゴ糖、グルタチオン、ニッ
ケル、キチン、セルロース等をリガンドとして側鎖に持
つ担体が挙げられ、該リガンドは糖転移酵素に結合して
いる別のタンパク質の種類によって適宜選択される。例
えばマルトオリゴ糖を側鎖に持つ担体のマルトオリゴ糖
部分をMBP−β1−4GalTやMBP−GnTIの
MBP部分に特異的に結合させることによって固定化糖
転移酵素を得ることができる。
【0045】使用する糖転移酵素の濃度は、基質の量、
反応温度、pH等の反応条件によって適宜決定され得る
が、数μU/ml〜数mU/mlの範囲内で使用できる。1μU
/ml程度の低濃度でも十分に目的を達成することができ
る。
【0046】本発明の製造方法は、好ましくは当該酵素
反応に必須の上記二種の酵素に加え、当該反応を好適に
実施するのに必要な糖供与体、適切な緩衝液、2価金属
の共存下で実施する。
【0047】糖供与体としては、UDP−GlcNAc
およびUDP−Galが使用され、その濃度は、好まし
くは基質糖鎖に対するKm値の1〜5倍、より好ましく
は該Km値の2〜3倍、さらに好ましくはKm値の2倍
程度であるが、さらに低濃度のものでも十分に目的を達
成することができる。これらの糖供与体は商業的に入手
可能である。
【0048】反応系に含まれる適切な緩衝液としては、
GnTIおよびβ1−4GalTが十分に機能しうる至
適条件を達成し得るものであれば特に限定されないが、
好ましくはpH5.0〜8.5、より好ましくはpH6.0〜7.5程度
の緩衝液、就中HEPES緩衝液、MES緩衝液、Tr
is緩衝液等が用いられる。当該至適pH範囲をはずれ
ると当然のことながら酵素反応は著しく低下する。当該
緩衝液の濃度も特に限定されないが、通常10〜100mM程
度であり、好ましくは10〜20mM程度である。当該濃度が
低すぎると十分な緩衝能が得られず、又、高すぎると酵
素活性そのものを阻害する恐れがある。特に好ましい緩
衝液としてはpH6.0〜7.5、10〜20mM程度のHEPES緩
衝液である。当該緩衝液は自体公知の方法で調製するこ
とができる。
【0049】本発明において使用する2価金属として
は、GnTIおよびβ1−4GalTの両活性に必要と
されるマンガン塩が望ましく、塩化マンガンを用いるの
がより好ましい。当該マンガン塩の濃度は通常5〜50mM
であり、好ましくは10〜20mMの範囲で使用する。
【0050】本発明において行なわれるN−アセチルグ
ルコサミニル化およびガラクトシル化の反応は、上述の
ように例えば式(Ia)あるいは(IIa)のような構造の
複合糖質を基質として、GnTIおよびβ1−4Gal
T共存下、好ましくは糖供与体(UDP−GlcNAc
およびUDP−Gal)、適切な緩衝液、2価金属の共
存下で行なわれるが、当該反応は、通常両糖転移酵素の
至適温度である30℃〜37℃で、1〜24時間、好ましくは1
0〜16時間行なう。当該反応では、必要成分を一度に混
合することができ、従って当該反応を一段階で完了させ
ることができる。
【0051】本発明の製造方法によって得られた混成型
糖鎖を有する複合糖質は、種々の糖転移酵素や糖鎖分解
酵素等の酵素的手法、ヒドラジン分解等の化学的手法、
加熱等の物理的手法等、公知の手法により糖鎖を切り出
し、適宜所望の態様に改変することができる。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例にて具体的且つ詳細に
説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものでは
ない。
【0053】実施例1:Man5混成型糖鎖の合成
【0054】
【化18】
【0055】(式中、PAは、2−アミノピリジル基を
示し、その他の定義は前述の通りである) 式(3)で表される複合糖質を含む表1記載の組成の反
応液500μlを37℃にて保温し、反応を行なった。尚、β
1−4GalTはシグマ社製品を、MBP−GnTIは
GnTI遺伝子(既知のGnTI遺伝子配列をもとにP
CR反応により調製;Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 8
7, 9948 (1990)、参照)を含んだpMALc2ベクター
(New England Bio Labs社製)により形質転換された大
腸菌(E.Coli BL21)を培養、誘導し、得られた粗酵素
液をAmylose(New England Bio Labs社製)カラムクロ
マトグラフィーにより精製したものを使用した。
【0056】
【表1】
【0057】反応開始後、0.5時間毎に反応液20μl
をサンプリングし、表2記載の条件の高速液体クロマト
グラフィー(以下、HPLCともいう)に供した。HP
LCにより検出される各ピークの同定は各種ピリジルア
ミノ化糖鎖の標準品(図1)を用いて行なった。
【0058】
【表2】
【0059】その結果、反応初期から中期にかけては式
(3)で表される未反応基質、式(4)で表される反応中
間体、式(5)で表される最終反応物が混在しているが
(図2、図4参照)、反応時間10時間経過時では、式
(5)で表される最終反応物、即ち混成型糖鎖を有する
複合糖質に100%変換されていることが確認された
(図3、図4参照)。
【0060】実施例2:Man3混成型糖鎖の合成
【0061】
【化19】
【0062】(式中各記号の定義は前述の通りである) 式(6)で表される複合糖質を含む表3記載の組成の反
応液500μlを37℃にて保温し、反応を行なった。尚、実
施例1同様、β1−4GalTはシグマ社製品を、MB
P−GnTIはGnTI遺伝子を含んだpMALc2ベ
クターにより形質転換された大腸菌を培養、誘導し、得
られた粗酵素液をAmyloseカラムクロマトグラフィーに
より精製したものを使用した。
【0063】
【表3】
【0064】反応開始から15時間、反応液20μlをサ
ンプリングし、実施例1同様、表2記載の条件のHPL
Cに供した。HPLCにより検出される各ピークの同定
は各種ピリジルアミノ化糖鎖の標準品(図5)を用いて
行なった。
【0065】その結果、反応時間15時間経過時では、
式(8)で表される最終反応物、即ち混成型糖鎖を有す
る複合糖質に100%変換されていることが確認された
(図6参照)。
【0066】実施例3:RNaseBの糖鎖の混成型糖
鎖への変換 高マンノース型糖鎖を持つRNaseB(ブタ膵臓由
来、シグマ社製)上の糖鎖を、本発明の製造方法を用い
て、混成型糖鎖へと変換した。
【0067】
【化20】
【0068】(式中、各記号は前述の通りである) RNaseBからヒドラジン分解法により糖鎖を切り出
し、常法に従いピリジルアミノ化を行なった。得られた
ピリジルアミノ化糖鎖を実施例1と同様にして、表2記
載の条件のHPLCに供した。その結果、5本のピーク
が検出された(図7)。HPLCにより検出される各ピ
ークの同定はマンノース標準品(図8)を用いて行なっ
た。各マンノース標準品は、それぞれ宝酒造社製のピリ
ジルアミノ化糖鎖を用いた。結果、一番目のピークはマ
ンノース標準品のM5に位置することから、式(9)で
表される化合物と推測された。
【0069】次に基質としてRNaseB、糖転移酵素
としてMBP−GnTIのみを含む表4記載の反応液50
0μlを37℃にて保温して反応行なった。尚、実施例1同
様、MBP−GnTIはGnTI遺伝子を含んだpMA
Lc2ベクターにより形質転換された大腸菌を培養、誘
導し、得られた粗酵素液をAmyloseカラムクロマトグラ
フィーにより精製したものを使用した。
【0070】
【表4】
【0071】反応開始から15時間後、ヒドラジン分解
法により糖鎖を切り出し、常法に従いピリジルアミノ化
を行なった。得られたピリジルアミノ化糖鎖を実施例1
と同様にして、表2記載の条件のHPLCに供した。そ
の結果、M5の位置のピークが消失し、マンノース標準
品M5に糖残基が1つ付加されたM6の位置にピークの
増加が見られた(図9)。本ピリジルアミノ化糖鎖をN
−アセチルグルコサミニダーゼ処理した後、HPLCに
供した結果、M6の位置のピークが減少し、M5の位置
のピークが現れた(図10)。本結果から、式(9)で
表される化合物がGnTIで処理することにより、N−
アセチルグルコサミン残基が1つ付加された式(10)で
表される化合物へと変換され、M6の位置でピークとな
って検出されることが確認された。これらの結果からR
NaseBがGnTIの基質となり得ることが確認され
た。
【0072】
【化21】
【0073】(式中、各記号の定義は前述の通りであ
る) 次に、基質としてRNaseBを含む表5記載の組成の
反応液500μlを37℃にて保温し、反応を行なった。尚、
β1−4GalTは東洋紡社製品(組換え型ヒト由来)
を、MBP−GnTIは実施例1同様、GnTI遺伝子
を含んだpMALc2ベクターにより形質転換された大
腸菌を培養、誘導し、得られた粗酵素液をAmyloseカラ
ムクロマトグラフィーにより精製したものを使用した。
【0074】
【表5】
【0075】反応開始から15時間後、ヒドラジン分解
法により糖鎖を切り出し、常法に従いピリジルアミノ化
を行なった。得られたピリジルアミノ化糖鎖を実施例1
と同様にして、表2記載の条件のHPLCに供した。そ
の結果、M5の位置のピークが消失し、マンノース標準
品M5に糖残基が2つ付加されたM7の位置にピークの
増加が見られた(図11)。ガラクトシダーゼ処理およ
びN−アセチルグルコサミニダーゼ処理を同時に行なっ
た結果、M7のピークが消失し、M5のピークが現れた
(図12)。本結果から、式(9)化合物がGnTIお
よびβ1−4GalTでの処理により、N−アセチルグ
ルコサミン残基およびガラクトース残基がそれぞれ付加
された式(11)化合物へと変換され、M7の位置でピー
クとなって検出されることが確認された。
【0076】さらに、確認の為、RNaseBの糖鎖を
GnTIおよびβ1−4GalTで処理して得られる反
応産物のHPLC画分であるM7ピークを分取し、表6
記載の条件のHPLCに供した結果、別に調製した式
(11)化合物標準品(Palacpac, N. Q.,ら、Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 96, 4692 (1999))とピーク位置が
一致したことからM7ピークは式(11)で表される化合
物であることが明らかとなった。M7ピークのHPLC
分析の結果を図13に、式(11)化合物標準品のHPL
C分析の結果を図14に示す。以上の結果から、複合糖
質を直接基質として本発明の製造方法により混成型糖鎖
を持つ複合糖質へ変換可能であることが確認された。
【0077】
【表6】
【0078】
【発明の効果】本発明の製造方法により、従来、安定且
つ大量の供給が困難とされていた混成型糖鎖を有する複
合糖質を簡便に製造できる。当該混成型糖鎖は糖鎖工学
の基礎分野や診断用途に広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で使用した、ピリジルアミノ化糖鎖標
準品のHPLCチャート図である。
【図2】GnTIおよびβ1−4GalTを用いたMa
n5混成型糖鎖の合成反応(実施例1)における、反応
150分後の反応産物のHPLCチャート図である。
【図3】GnTIおよびβ1−4GalTを用いたMa
n5混成型糖鎖の合成反応(実施例1)における、反応
10時間後の反応産物のHPLCチャート図である。
【図4】GnTIおよびβ1−4GalTを用いたMa
n5混成型糖鎖の合成反応(実施例1)における、反応
時間と各種反応産物の割合の変化を示すグラフである。
【図5】実施例2で使用した、ピリジルアミノ化糖鎖標
準品のHPLCチャート図である。
【図6】GnTIおよびβ1−4GalTを用いたMa
n3混成型糖鎖の合成反応(実施例2)における、反応
15時間後の反応産物のHPLCチャート図である。
【図7】RNaseBの糖鎖のHPLCチャート図であ
る。
【図8】実施例3で使用した、マンノース標準品のHP
LCチャート図である。
【図9】GnTI反応後のRNaseBの糖鎖のHPL
Cチャート図である。
【図10】GnTI反応後のRNaseBの糖鎖をさら
にN−アセチルグルコサミニダーゼ処理した後の該糖鎖
のHPLCチャート図である。
【図11】GnTIおよびβ1−4GalT反応後のR
NaseBの糖鎖のHPLCチャート図である。
【図12】GnTIおよびβ1−4GalT反応後のR
NaseBの糖鎖をさらにガラクトシダーゼ処理および
N−アセチルグルコサミニダーゼ処理した後の該糖鎖の
HPLCチャート図である。
【図13】M7ピーク画分のHPLCチャート図であ
る。
【図14】式(11)化合物の標準品のHPLCチャート
図である。
フロントページの続き (72)発明者 三崎 亮 大阪府豊中市刀根山4−3−31−301 (72)発明者 井戸 芳博 大阪府茨木市下穂積2−2−24 ヤングヴ ィレッジ茨木1110号 Fターム(参考) 4B064 AF21 CA21 CC03 CC07 CC09 CD02 CD12 CD15 DA13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β1−2 アセチルグルコサミン転移酵
    素Iの基質となり且つ非還元末端にN−アセチルグルコ
    サミンあるいはグルコースを持たない糖鎖を有する複合
    糖質を、β1−2 アセチルグルコサミン転移酵素Iお
    よびβ1−4ガラクトース転移酵素共存下にてN−アセ
    チルグルコサミニル化およびガラクトシル化することを
    特徴とする、混成型糖鎖を持つ複合糖質の製造方法。
  2. 【請求項2】 β1−2 アセチルグルコサミン転移酵
    素Iの基質となり且つ非還元末端にN−アセチルグルコ
    サミンあるいはグルコースを持たない糖鎖を有する複合
    糖質が、式(Ia) 【化1】 (式中、R1は水酸基、2−アミノピリジル基、アスパ
    ラギンあるいはその類似体、またはポリペプチド鎖を示
    し、Manはマンノース残基を示し、GlcNAcはN
    −アセチルグルコサミン残基を示す)で表される化合物
    であり、混成型糖鎖を持つ複合糖質が、式(I) 【化2】 (式中、R1は水酸基、2−アミノピリジル基、アスパ
    ラギンあるいはその類似体、またはポリペプチド鎖を示
    し、Manはマンノース残基を示し、GlcNAcはN
    −アセチルグルコサミン残基を示し、Galはガラクト
    ース残基を示す)で表される化合物である、請求項1記
    載の製造方法。
  3. 【請求項3】 β1−2 アセチルグルコサミン転移酵
    素Iの基質となり且つ非還元末端にN−アセチルグルコ
    サミンあるいはグルコースを持たない糖鎖を有する複合
    糖質が、式(IIa) 【化3】 (式中、R1は水酸基、2−アミノピリジル基、アスパ
    ラギンあるいはその類似体、またはポリペプチド鎖を示
    し、Manはマンノース残基を示し、GlcNAcはN
    −アセチルグルコサミン残基を示す)で表される化合物
    であり、混成型糖鎖を持つ複合糖質が、式(II) 【化4】 (式中、R1は水酸基、2−アミノピリジル基、アスパ
    ラギンあるいはその類似体、またはポリペプチド鎖を示
    し、Manはマンノース残基を示し、GlcNAcはN
    −アセチルグルコサミン残基を示し、Galはガラクト
    ース残基を示す)で表される化合物である、請求項1記
    載の製造方法。
  4. 【請求項4】 当該N−アセチルグルコサミニル化およ
    びガラクトシル化が、UDP−N−アセチルグルコサミ
    ン、UDP−ガラクトース、緩衝液、および2価金属の
    共存下にて行なわれることを特徴とする請求項2または
    3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 当該緩衝液の濃度が、10〜100mMであ
    る、請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 当該緩衝液のpHが5.0〜8.5である、請求
    項4記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 2価金属がマンガン塩である、請求項4
    記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 マンガン塩の濃度が5〜50mMである、請
    求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 マンガン塩が塩化マンガンである、請求
    項7または8記載の製造方法。
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