JP3124199B2 - シアル酸を含む糖類の製造方法 - Google Patents

シアル酸を含む糖類の製造方法

Info

Publication number
JP3124199B2
JP3124199B2 JP06327152A JP32715294A JP3124199B2 JP 3124199 B2 JP3124199 B2 JP 3124199B2 JP 06327152 A JP06327152 A JP 06327152A JP 32715294 A JP32715294 A JP 32715294A JP 3124199 B2 JP3124199 B2 JP 3124199B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sialic acid
monosaccharide
derived
sugar chain
enzyme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06327152A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08173182A (ja
Inventor
岳 山本
素子 中静
一郎 寺田
久 児玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP06327152A priority Critical patent/JP3124199B2/ja
Publication of JPH08173182A publication Critical patent/JPH08173182A/ja
Priority to US08/741,663 priority patent/US5908766A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3124199B2 publication Critical patent/JP3124199B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/1048Glycosyltransferases (2.4)
    • C12N9/1081Glycosyltransferases (2.4) transferring other glycosyl groups (2.4.99)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/26Preparation of nitrogen-containing carbohydrates

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シアル酸を含む糖類の
製造方法に関し、特にガラクトース残基の6位にシアル
酸を有する複合糖質及び遊離のオリゴ糖、並びに動物由
来の複合糖質を構成しうる単糖で6位の炭素に水酸基を
有する単糖の6位にシアル酸を結合させた2糖類を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、動物細胞における糖蛋白質、糖脂
質などの複合糖質が有する生物活性が次々と明らかにさ
れ、複合糖質における糖鎖の重要性が認識されつつあ
る。複合糖質中の糖鎖の非還元末端に存在することの多
い糖としてシアル酸が挙げられるが、糖鎖の持つ生理機
能、生物学的意識が重要視される中で、シアル酸はとり
わけ多くの機能を有していると考えられている。このシ
アル酸を含む2糖、オリゴ糖、複合糖質糖鎖等の生理機
能又は生物学的意義を詳細に検討するために、シアル酸
を含まない糖や糖鎖にシアル酸を転移することは非常に
重要である。
【0003】シアル酸を、ガラクト−ス、マンノ−ス、
N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミ
ンなどの単糖の6位や、遊離のオリゴ糖又は糖蛋白質、
糖脂質など複合糖質の糖鎖の非還元末端部分に存在する
ガラクト−スの6位に、α2,6結合で結合させる方法
としては、従来より化学合成法と酵素法が知られてい
る。化学合成法は、酵素法と比べてほぼ無制限の柔軟性
があるが、その合成方法が複雑であり、また副反応も生
じるため、シアル酸をガラクトースの6位に選択的に結
合させた生成物を収率よく合成することは極めて難しい
という欠点があった。
【0004】一方、酵素法は、化学合成法と比較して、
方法が非常に簡便で、かつ副反応が全く生じないため高
収率で合成することが可能である。このような酵素は、
ラット、ブタ、ヒト等の動物の顎下線、肝臓などの臓器
から取得されているが(Poulson et al. J.Biol.Chem.
252 2356-2362 (1977) 、Weinstein et al. J.Biol.Che
m. 257 13835-13844 (1982) 、Miyagi et al. Eur.J.Bi
ochem. 126 253-261 (1982) )、精製が困難で大量に得
られないため非常に高価である。これら動物由来のシア
ル酸転移酵素の一部は既にクロ−ニングされているが、
現在までのところ大量にかつ安価にシアル酸転移酵素を
供給するには至っておらず、そのため、簡便にかつ安価
にシアル酸を含むオリゴ糖や複合糖質を合成することは
きわめて難しい状況にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、シア
ル酸を含む糖類を、簡便にかつ安価に製造する方法を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者等は、海洋性細菌であるフォトバクテ
リウム属に属する微生物が、シアル酸を複合糖質糖鎖又
は遊離の糖鎖中のガラクトース残基等に転移させる酵素
を生産することを見出すとともに、この酵素を用いるこ
とにより、シアル酸を含む糖類を容易にかつ安価に製造
することができることを見出し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、β−ガラクトシド−α
2,6−シアル酸転移酵素を用いて、複合糖質糖鎖中の
ガラクトース残基の6位もしくは遊離の糖鎖中のガラク
トース残基の6位、又は動物由来の複合糖質を構成しう
る単糖で6位の炭素に水酸基を有する単糖の6位にシア
ル酸を結合させることを特徴とする、シアル酸を含む糖
類の製造方法である。
【0008】また、本発明は、前記β−ガラクトシド−
α2,6−シアル酸転移酵素が、フォトバクテリウム属
に属する微生物由来であり、さらに下記[a] 又は[b] の
理化学的性質を有することを特徴とする、シアル酸を含
む糖類の製造方法である。
【0009】[a] (1) 作用及び特異性:シチジン1リン酸(以下、CMP
とする場合もある。)−シアル酸からシアル酸を、複合
糖質糖鎖もしくは遊離の糖鎖中のガラクトース残基の6
位、又は動物由来の複合糖質を構成しうる単糖で6位の
炭素に水酸基を有する単糖の6位に転移させる。 (2) 至適pH:5〜6 (3) 至適温度:30℃ (4) 分子量:64,000±5,000(ゲル濾過による)
【0010】[b] (1) 作用及び特異性:シチジン1リン酸−シアル酸から
シアル酸を、複合糖質糖鎖もしくは遊離の糖鎖中のガラ
クトース残基の6位、又は動物由来の複合糖質を構成し
うる単糖で6位の炭素に水酸基を有する単糖の6位に転
移させる。 (2) 至適pH:5 (3) 至適温度:30℃ (4) pH安定性:4.5 〜6 (5) 熱安定性:35℃で5分間加熱後の活性は、初期活性
の約90%を保持する。45℃で5分間加熱後の活性は、初
期活性の約70%を保持する。 (6) 分子量:約61,000(12.5% SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動による) 約64,000(ゲル濾過による) (7) アミノ酸末端アミノ酸配列: X-Asn-Ser-Asp-Asn-Thr-Ser-Leu-Lys-Glu-Thr-Val (8) 等電点:4.6
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いるβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素
は、フォトバクテリウム属に属し、β−ガラクトシド−
α2,6−シアル酸転移酵素生産能を有する微生物を培
地に培養し、菌体中にβ−ガラクトシド−α2,6−シ
アル酸転移酵素を生産させ、これを採取することより得
ることができる。
【0012】ここで用いる微生物としては、フォトバク
テリウム属に属し、β−ガラクトシド−α2,6−シア
ル酸転移酵素生産能を有する微生物であれば、いずれで
も用いることができるが、中でもフォトバクテリウム
ダムセーラ種に属するものが好ましく、その例として
は、フォトバクテリウム ダムセーラ JTO160、ATCC 33
539、ATCC 35083などが挙げられる。フォトバクテリウ
ム ダムセーラは、いずれも海洋性細菌であり、フォト
バクテリウム ダムセーラ JTO160 は、相模湾の海水中
から分離されたものである。一例として、フォトバクテ
リウム ダムセーラ JTO160 のスクリーニング法を以下
に示す。
【0013】海水、海砂、もしくは海泥を微生物源とし
て、これらを直接もしくは滅菌海水で希釈した後に、マ
リンブロス2216−寒天培地(ディフコ社製、寒天濃度1.
5 %)なる平板培地に塗布し、生育する海洋性微生物を
取得する。得られた微生物を常法にしたがってシングル
コロニーアイソレーションした後に、マリンブロス2216
(ディフコ社製)なる液体培地を用い、それぞれの微生
物を培養する。微生物が十分生育した後に、培養液から
菌体を遠心分離によって集める。集めた菌体に、0.2 %
トライトンX-100 (関東化学社製)なる界面活性剤を含
む、20mMカコジレート緩衝液(pH6.0 )を添加し、菌体
を懸濁する。この菌体懸濁液を、氷冷下、超音波処理し
て細胞を破砕する。この細胞破砕液を酵素溶液として、
常法にしたがってシアル酸転移活性を測定し、シアル酸
転移活性を示す菌株より本菌株を得ることができる。
【0014】このようにして得られるフォトバクテリウ
ム ダムセーラ JTO160の菌学的性質を以下に示す。
【0015】菌学的性質: 1) 形態 (1) 細胞の形態は桿菌で、大きさは1×0.5μm〜2×
1μm。 (2) 運動性を有し、鞭毛(極単毛)を有する。 (3) グラム染色性は陰性。 (4) 胞子は形成しない。
【0016】2)生理学的性質 (1) 生育温度 25〜35℃ (2) 集落の色調 特徴的集落色
素を産生せず (3) O−Fテスト F (4) カタラーゼテスト 陽性 (5) オキシダーゼテスト 陽性 (6) グルコースからのガスの生成 陽性 (7) V−P反応 陽性 (8) ゼラチン分解能 無 (9) デンプン分解能 無 (10)硝酸塩還元能 有 (11)発光性 無 (12)酸素に対する態度 通性嫌気性 (13)グルコースの蓄積 有 (14)β−ヒドロキシ酪酸の蓄積 無 (15)β−ヒドロキシ酪酸の利用能 有 (16)Na+ 要求性 有 (17)プテリジン誘導体に対する感受性 10μg 有 150 μg 有 (18)キノン系 Q-8,Q-7 (19)菌体内DNA のGC含量(モル%)* 42 (20)リパーゼ活性 有 (21)アルギニンジヒドラーゼ活性 有 (22)資化性 酢酸塩 無 マルトース 有 L−プロリン 有 ピルビン酸塩 無 D−キシロース 無 セロビオース 無 D−ガラクトース 有 D−ガラクチュロン酸 無 D−グルコン酸塩 無 グルコース 有 L−グルタミン酸塩 無 D−マンノース 有 シュークロース 無 マンニトール 無 注)*:HPLC法によって行った。
【0017】以上の菌学的性質より、本菌はフォトバク
テリウム ダムセーラと推定された。そこで、フォトバ
クテリウム ダムセーラ GIFU 10450(基準株)とDN
A−DNAハイブリダイゼーション試験を行った結果、
89%と高い相同値が得られたため、本菌はフォトバクテ
リウム ダムセーラと同定された。なお、DNA−DN
Aハイブリダイゼーション試験はマイクロプレートを用
いたフォトビオチン標識方法によって行った。
【0018】フォトバクテリウム ダムセーラ JTO160
は、平成6年11月24日付で、工業技術院生命工学工業技
術研究所に、FERM BP-4900として寄託されている。ま
た、フォトバクテリウム ダムセーラ ATCC 33539 及び
ATCC 35083はいずれもAEMERICAN TYPE CULTURE COLLECT
ION (ATCC)に寄託されており、 ATCC 33539 の菌学的性
質は、Int.J. Syst.Bact. 32 267 (1982) 、及び MacDO
NELL et al. Syst.Appl.Microbiol. 6 171-182 (1985)
に、ATCC 35083の菌学的性質は、Grimes et al.Microb.
Ecol. 10 271-282 (1984) に記載されている。
【0019】上記微生物の培養に用いる培地としては、
それらの微生物が利用し得る炭素源、窒素源、無機物等
を含むものを用いる。炭素源としては、ペプトン、トリ
プトン、カゼイン分解物、肉エキス等が挙げられ、好ま
しくはペプトンを用いる。窒素源としては、酵母エキス
を用いるのが好ましい。塩類としては、塩化ナトリウ
ム、クエン酸鉄、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、
塩化カルシウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭
酸ナトリウム、臭化カリウム、塩化ストロンチウム、ほ
う酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、フッ化ナトリウ
ム、硝酸アンモニウム、リン酸水素二ナトリウム等を適
宜組み合わせて用いるのが好ましい。
【0020】また、上記成分をすべて含んだマリンブロ
ス2216なる培地(ディフコ社製)を用いることもでき
る。さらには、上記塩類を適度に含む人工海水を用い、
これにペプトン、酵母エキス等を添加した培地を用いる
こともできる。培養条件は培地の組成によって多少異な
るが、培養温度は15〜35℃、好ましくは20〜33℃、pHは
6.8〜8.8、好ましくは7.3〜8.2、培養時間は8〜48
時間、好ましくは16〜24時間である。
【0021】目的とする酵素は菌体内に存在するため、
公知の菌体破砕法、例えば超音波破砕法、フレンチプレ
ス破砕法、ガラスビーズ破砕法、ダイノミル破砕法など
のいずれかの方法を行えばよく、その菌体破砕物から目
的とする酵素を分離精製する。本発明における好ましい
菌体破砕法は、超音波破砕法である。例えば、菌体破砕
物から遠心分離により固形物を除去した後に、得られた
菌体破砕液上清を市販の陰イオン交換カラム、陽イオン
交換カラム、ゲル濾過カラム、ハイドロキシアパタイト
カラム、 CDP−ヘキサノールアミンアガロースカラム、
CMP−ヘキサノールアミンアガロースカラム、疎水性カ
ラム等のカラムクロマトグラフィー及びネイティブ−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動等を適宜組み合わせて電
気泳動的に単一バンドになるまで精製することができ
る。
【0022】なお、β−ガラクトシド−α2,6−シア
ル酸転移酵素は、完全に精製してもよいが、部分精製品
でも十分な活性を有するため、本発明ではβ−ガラクト
シド−2,6−シアル酸転移酵素の精製品及び部分精製
品のいずれをも用いることができる。
【0023】本発明で好ましく用いるβ−ガラクトシド
−α2,6 −シアル酸転移酵素の特徴は、フォトバクテリ
ウム属に属する微生物、中でもフォトバクテリウム ダ
ムセーラ種に属する微生物由来であり、かつCMP−シ
アル酸からシアル酸を、複合糖質糖鎖もしくは遊離の糖
鎖中のガラクトース残基の6位、好ましくはそれらの非
還元末端に存在するガラクトース残基の6位、又は動物
由来の複合糖質を構成しうる単糖で6位の炭素に水酸基
を有する単糖の6位に転移させる作用及び基質特異性を
有する点にある。この酵素の至適pHは5〜6の範囲内に
あり、至適温度は30℃、分子量はゲル濾過法によると6
4,000±5,000である。ここで、動物由来の複合糖質を構
成しうる単糖で6位の炭素に水酸基を有する単糖とは、
例えばガラクトース、マンノース、N−アセチルガラク
トサミン等をいう。
【0024】このような酵素としては、具体的にはフォ
トバクテリウム ダムセーラ JTO160 由来の酵素、フォ
トバクテリウム ダムセーラ ATCC 33539 由来の酵素、
フォトバクテリウム ダムセーラ ATCC 35083 由来の酵
素等が挙げられるが、一例としてフォトバクテリウム
ダムセーラ JTO160 由来の酵素の酵素学的性質及び理化
学的性質を以下に示す。
【0025】(1) 作用及び基質特異性 CMP−シアル酸からシアル酸を、複合糖質糖鎖もしく
は遊離の糖鎖中のガラクトース残基の6位、特にその非
還元末端に存在するガラクトースの6位に、またラクト
ース、N−アセチルラクトサミンなどのオリゴ糖に存在
するガラクトースの6位、特にその非還元末端に存在す
るガラクトースの6位に、さらにはガラクトース、マン
ノース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラ
クトサミンなどの動物由来の複合糖質を構成しうる単糖
で6位の炭素に水酸基を有する単糖の6位に転移させ
る。
【0026】(2) 熱安定性 本酵素溶液10μl を30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55
℃及び60℃の水浴中で5分間加熱した後、酵素活性を測
定し、非加熱時の酵素活性を100%として加熱後の残存
活性を比較した。その結果より、本酵素は30℃では100
%、35℃では約90%、45℃では約70%の残存活性を示
す。
【0027】(3) pH安定性 pH3.7から5.0(酢酸緩衝液)、pH5.0から7.3(カコ
ジレート緩衝液)及びpH7.3から8.0(トリス−塩酸緩
衝液)で酵素溶液を調製し、この酵素溶液10μl を用い
て酵素活性を測定した。酵素活性を比較した結果より、
本酵素はpH4.5〜6で安定である。
【0028】(4) 至適温度 酵素の失活が最小限に抑制され、かつ酵素反応が速やか
に進む温度は、30℃〜35℃である。
【0029】(5) 至適pH pH3.7から5.0(酢酸緩衝液)、pH5.0から7.3(カコ
ジレート緩衝液)及びpH7.3から8.0(トリス−塩酸緩
衝液)で調製した糖受容体基質を用いて、酵素活性を測
定した。その結果より、本酵素の至適pHは5である。
【0030】(6) 分子量 分子量の測定は SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法及
びゲル濾過法で測定した。 SDS−ポリアクリルアミド電
気泳動法では、常法にしたがって、 SDSを含むポリアク
リルアミドゲルの濃度が12.5%のゲルで、分子量マーカ
ー(分子量97,400のフォスフォリラーゼb、66,267のウ
シ血清アルブミン、42,400のアルドラーゼ、30,000のカ
ルボニックアンヒドラーゼ、20,100のトリプシンインヒ
ビター、14,400のリゾチーム)とともに電気泳動を行
い、移動度から分子量を求めた。その結果より、本酵素
の分子量(SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法)は約6
1,000である。
【0031】ゲル濾過法では、AsahiPak GS-510 なるゲ
ル濾過カラム(旭化学社製)を用いて、緩衝液として0.
2MのNaClを含む20mMリン酸緩衝液(pH6.0)を使用し、
分子量マーカー(分子量 158,000のアルドラーゼ、68,0
00のアルブミン、45,000のアルブミン) のゲル濾過を行
い、各蛋白質の溶出位置を測定した後、本酵素のゲル濾
過を行い、その溶出位置とマーカー蛋白質の溶出位置を
比較計算し、分子量を求めた。その結果より、本酵素の
分子量(ゲル濾過法)は約64,000である。
【0032】(7) アミノ末端アミノ酸配列 本酵素のアミノ末端アミノ酸配列をエドマン分解法によ
り決定した。本酵素溶液20μl (0.3μg/μl ) につい
て、7.5% SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を常
法に従って行った後、本酵素をウェスタンブロッテイン
グ法によりバイオダインA(日本ポール製) なる膜に吸
着させ、アミノ酸配列分析装置477A及び120Aプロテイン
シークエンサー(アプライドバイオシステムズ社製)に
より、アミノ末端側12個のアミノ酸配列を決定した。そ
の結果より、本酵素のアミノ末端アミノ酸配列は、 X-A
sn-Ser-Asp-Asn-Thr-Ser-Leu-Lys-Glu-Thr-Valである。
【0033】(8) 等電点 本酵素の等電点は、IEF4.5-6ゲルを用いて、ファストシ
ステム(ファルマシア製)で等電点マーカーとともに等
電点電気泳動を行い、等電点マーカーの移動度と、本酵
素の移動度とを比較することにより測定した。
【0034】本発明は、以上説明したβ−ガラクトシド
−α2,6−シアル酸転移酵素を用いることによって、
単糖の6位、又はオリゴ糖や糖蛋白質糖鎖等に存在する
ガラクトースの6位にシアル酸を転移し、シアル酸を含
む糖類を製造する。
【0035】即ち、ガラクトース、マンノース、N−ア
セチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミンなど
の複合糖質糖鎖を構成しうる単糖、ガラクトースを有す
るラクトース、N−アセチルラクトサミン等の2糖や、
糖鎖構造中にガラクトースを有する遊離の複合糖質糖
鎖、すなわちN−アセチルラクトサミンタイプ:バイア
ンテナリー糖鎖、N−アセチルラクトサミンタイプモノ
シアリレイテッド:バイアンテナリー糖鎖等のオリゴ
糖、又は糖鎖構造中にガラクトースを有する複合糖質、
すなわちアシアロフェツイン、アシアロα1 −酸性糖蛋
白質等の糖蛋白質や、ラクトシルセラミド、ガングリオ
シド等の糖脂質等を糖受容体基質として用いるととも
に、CMP−シアル酸を糖供与体基質として用い、β−
ガラクトシド−α2,6 −シアル酸転移酵素を作用させる
ことにより、それぞれのシアロ体を製造する。なお、β
−ガラクトシド−α2,6 −シアル酸転移酵素は完全な精
製品であってもよいし、部分精製品であってもよい。
【0036】反応は、酵素が失活しない条件であればい
ずれの条件でも行うことができる。すなわち、反応温度
は、15〜50℃、好ましくは25〜35℃であり、pHは、4〜
7.5、好ましくは5〜6である。また、反応に用いる緩
衝液としては、このpH範囲であるならばいずれのものを
も用いることができる。すなわち、カコジレート緩衝
液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液等を用いることができ
る。
【0037】糖受容体基質として、単糖、ガラクトース
を有するラクトース、N−アセチルラクトサミン等の2
糖や、糖鎖構造中にガラクトースを有する遊離の複合糖
質糖鎖、すなわちN−アセチルラクトサミンタイプ:バ
イアンテナリー糖鎖、N−アセチルラクトサミンタイプ
モノシアリレイテッド:バイアンテナリー糖鎖等のオリ
ゴ糖、又は糖鎖構造中にガラクトースを有する複合糖
質、すなわちアシアロフェツイン、アシアロα1 −酸性
糖蛋白質等の糖蛋白質等を用いる場合は、様々な濃度の
これら糖受容体基質溶液に、糖供与体基質としてCMP
−シアル酸と、完全精製酵素又は部分精製酵素とを添加
して反応を開始させる。この際に、糖受容体基質及び糖
供与体基質ともに、Km値(ミカエリス定数)の5倍量な
いし10倍量以上含まれているのが好ましい。
【0038】反応終了後、得られた反応生成物(各糖受
容体基質のシアロ体)は、カラムクロマトグラフィー等
で分離・精製することができる。一方、糖受容体基質と
して糖脂質を用いる場合、これら糖受容体基質は疎水性
であるため、上記反応液中に界面活性剤等を添加して酵
素と十分に混合することにより、効率よく反応させるこ
とができる。用いる界面活性剤としては、非イオン性界
面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性
剤、両性界面活性剤等が挙げられる。すなわち、トライ
トンX-100、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルピリジ
ニウムブロミド、ドデシル−N−ベタイン等が挙げられ
るが、好ましくはトライトンX-100を用いる。糖脂質を
糖受容体基質とする場合、反応溶液中にこれら界面活性
剤を適量添加することにより、効率よく反応を行うこと
ができる。この際に、糖受容体基質及び糖供与体基質と
もに、Km値(ミカエリス定数)の5倍量ないし10倍量以
上含まれているのが好ましい。反応終了後、得られた反
応生成物(各糖受容体基質のシアロ体)は、カラムクロ
マトグラフィー等で分離・精製することができる。
【0039】
【実施例】以下、製造例及び実施例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの製造例及
び実施例に限定されるものではない。
【0040】(製造例1)フォトバクテリウム ダムセーラ JTO160 由来のβ−ガ
ラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素の製造 マリンブロス2216なる培地を常法にしたがって調製し、
この液体培地10mlを試験管に分注してオートクレーブを
用いて滅菌操作を行った。マリンブロス2216−寒天プレ
ート(寒天濃度1.5%)で継代したフォトバクテリウム
ダムセーラ JTO160 のコロニーから白金耳菌体を採取
し、上記マリンブロス2216液体培地10mlに接種し、30℃
下、毎分150回転で8時間培養した。得られた培養液を
前培養液とした。
【0041】本培養は、以下の手順で実施した。3000ml
容のコブ付フラスコに常法にしたがって調製したマリン
ブロス2216なる培地を500ml 張り込み、オートクレーブ
を用いて滅菌操作を行った。これに前培養で得られた培
養液5mlを接種し、30℃下、毎分150回転で16時間培養
した。得られた菌体を遠心分離装置で回収し、湿重量で
約2gを得た。
【0042】この菌体を、40mlの1M NaCl、0.2%トラ
イトンX-100なる界面活性剤(関東化学社製)を含む20m
M カコジレート緩衝液(pH6.0)に懸濁し、氷冷下で超
音波破砕した。破砕は、懸濁液の660nm の吸光度が30%
以下になるまで行った。破砕終了後、菌体破砕液につい
て、4℃下、100,500gで1時間遠心分離を行い、破砕液
上清を得た。得られた上清を、0.2%トライトンX-100
なる界面活性剤を含む20mM カコジレート緩衝液(pH6.
0) 5000mlに対して、セルロースチューブを用いて4℃
で一晩透析した。透析外液は、3回交換した。透析終了
後、透析チューブ内に沈澱が生じていたため、再度4℃
下、100,500gで1時間遠心分離を行い、菌体破砕液から
粗酵素液を調製した。
【0043】得られた粗酵素液を、予め0.2%トライト
ンX-100なる界面活性剤を含む20mMカコジレート緩衝液
(pH6.0)で平衡化したQ-Sepharose HR 26/10(ファル
マシア製)なる強陰イオン交換カラムに吸着させ、0.2
%トライトンX-100なる界面活性剤を含む20mM カコジレ
ート緩衝液(pH6.0)から1M 塩化ナトリウムを含む同
緩衝液へ、直線濃度勾配法(総溶出量1060ml)で溶出さ
せ、塩化ナトリウム濃度が0.25M から0.35M の間に溶出
してくる酵素活性を有する画分を回収した。
【0044】回収した画分を、0.2%トライトンX-100
なる界面活性剤を含む20mM カコジレート緩衝液(pH6.
0)5000mlに対して4℃で一晩透析した。なお、透析外
液は3回交換した。透析した画分を、予め0.2%トライ
トンX-100 なる界面活性剤を含む20mM カコジレート緩
衝液(pH6.0)で平衡化したハイドロキシアパタイト
(高研製)に吸着させ、0.2%トライトンX-100 なる界
面活性剤を含む20mM カコジレート緩衝液(pH6.0)か
ら、0.2%トライトンX-100なる界面活性剤を含む0.35M
リン酸緩衝液(pH6.0)へ、直線濃度勾配法(総溶出
量620ml)で溶出させ、リン酸緩衝液濃度が0.08M から
0.16M の間に溶出してくる酵素活性を有する画分を回収
した。この画分を、0.2%トライトンX-100 なる界面活
性剤を含む20mM カコジレート緩衝液(pH6.0)5000ml
に対して4℃で透析した。透析外液、3回交換した。
【0045】透析した画分を、Sephacryl S-200(ファル
マシア製)なるゲル濾過カラム(2.6 ×60cm)に供し、
0.1M 塩化ナトリウム及び0.2%トライトンX-100なる
界面活性剤を含む20mM カコジレート緩衝液(pH6.0)
で溶出させ、溶出量100ml から140 mlに溶出される酵素
活性を有する画分を分取した。この画分を、0.2%トラ
イトンX-100 なる界面活性剤を含む20mM カコジレート
緩衝液(pH6.0)5000mlに対して4℃で透析した。
【0046】得られた画分を、予め0.2%トライトンX-
100 なる界面活性剤を含む20mM カコジレート緩衝液(p
H6.0)で平衡化した CDP−ヘキサノールアミンアガロ
ースを担体としたカラム(0.7×1.2cm)に吸着させ、
4mlの同緩衝液でカラムを洗浄後、8mlの2M 塩化ナト
リウムで溶出させた。溶出した画分を、0.2%トライト
ンX-100 なる界面活性剤を含む20mM カコジレート緩衝
液(pH6.0)に対して透析した。この画分を SDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動したところ、目的酵素は単
一のバンドを示し、約61,000の分子量を示した。この画
分の比活性は、菌体破砕時の比活性に比べて 643倍に上
昇し、全活性は257U、活性収率は19%であった。
【0047】なお、本酵素の活性測定は、糖供与体基質
(CMP−シアル酸)、糖受容体基質(アシアロ糖蛋白
質)及び酵素溶液を混合して酵素反応を行った後、糖受
容体基質に転移されたシアル酸を定量することにより行
った。詳しくは以下の通りである。
【0048】20mMカコジレート緩衝液(pH6.0) に、糖
受容体としてアシアロフェツインを6.25mg/ml 濃度で溶
解し、この溶液80μl を糖受容体基質溶液とした。この
糖受容体基質溶液に、14Cでシアル酸をラベルしたCM
P−シアル酸を含むCMP−シアル酸溶液10μl (6.7nm
ol、6,700cpm/nmol)を加え、予め30℃に保温した後に、
酵素溶液10μl を添加し、30℃下で5分間反応させた。
反応終了後、反応溶液を0.1MのNaClで平衡化した内径10
mm、長さ160mm の Sephadex G-50(ファルマシア社製)
のカラムに供した。溶離液としては、0.1MのNaClを用い
た。カラムのボイド画分に溶出する、酵素反応によって
シアル酸が転移した糖受容体基質を集め、この画分の放
射活性を測定し、転移されたシアル酸量を計算して酵素
活性を決定した。酵素1単位(1U) は、1分間に1ナノ
モルのシアル酸を転移する酵素量とした。
【0049】(実施例1)単糖のシアリル化 メチル−α−D−ガラクト−ス、メチル−β−D−ガラ
クト−ス、メチル−α−D−マンノ−ス、メチル−β−
D−マンノ−ス、メチル−β−D−N−アセチルグルコ
サミン、メチル−α−D−N−アセチルガラクトサミン
をそれぞれ糖受容体とし、CMP−シアル酸を糖供与体
基質とし、製造例1で得られた酵素を用いて酵素反応を
行った。具体的には、単糖80mM、放射ラベルしたCMP
−シアル酸67μM(6700cpm/nmol)及び酵素1U を、50
μl の20mM カコジレート緩衝液(pH6.0)に溶解し、3
0℃下で30分反応させた。
【0050】反応終了後、反応溶液を蒸留水で平衡化し
たDowex 1X2(フォスフェートフォーム)のカラム(0.
7×2cm,0.8ml,室町化学社製)に供し、反応生成物
を5mM燐酸緩衝液(pH6.8)で溶出した。得られた反応
生成物の放射活性を測定した結果、いずれの単糖にもシ
アル酸は転移していることが分かった。また、メチル−
α−D−ガラクト−スを100 としたときの酵素の相対活
性を測定した。結果を図1に示す。
【0051】(実施例2)シアリルメチル−β−D−N−アセチルラクトサミンの
製造 メチル−β−D−N−アセチルラクトサミンを糖受容体
基質として、シアリルメチル−β−D−N−アセチルラ
クトサミンの製造を行った。メチル−β−D−N−アセ
チルラクトサミン 79.4mg (200μmol)、CMP−シアル
酸 9.4mg(16μmol)及び製造例1で得られたβ−ガラク
トシド−α2,6 −シアル酸転移酵素270Uを、1mlの20mM
カコジレート緩衝液(pH6.0)に溶解し、30℃下で1
時間反応させた。反応の進行は、同条件で上記の1/10ス
ケールで、糖供与体基質として14Cでシアル酸をラベル
したCMP−シアル酸を用い、転移されたシアル酸量を
測定して確認した。反応終了後、反応液1mlに蒸留水を
添加し10mlとした。この溶液を、蒸留水で平衡化したDo
wexl-x2 (フォスフェートフォーム)のカラム(1.5×
9cm,15.9ml,室町化学社製)に供した。
【0052】90mlの蒸留水でカラムを洗浄し、その後5
mM Sodium Phosphate (pH6.8) 60mlで溶出を行い、5ml
ずつ分画した。それぞれの画分のグリコシド結合型シア
ル酸を、過よう素酸−レゾルシノール法で測定し、グリ
コシド結合型シアル酸を含む20mlから50mlまでの画分を
集め、ローターリーエバポレーターで濃縮した。濃縮し
た反応生成物を、活性炭カラム(1.5×6.8cm, 12ml,和
光純薬社製)に供した。その後、カラムの3倍量の蒸留
水でカラムを洗浄し、カラムの2倍量の10%、20%、50
%及び100%エタノールでそれぞれ溶出し、各画分のグ
リコシド結合型シアル酸を過よう素酸−レゾルシノール
法で測定した。グリコシド結合型シアル酸を含む10%、
20%、50%エタノール溶出画分を集め、ローターリーエ
バポレーターで濃縮した。
【0053】得られた反応生成物についてマススペクト
ルを測定した。結果を図2に示す。シアリルメチル−β
−D−N−アセチルラクトサミンの分子量は 688である
が、図2の結果より、分子量 689に相当するピーク((M
+H+) )を確認することができた。また、反応生成物に
ついて 1H−NMR及び13C−NMRによる測定を行っ
た。13C−NMRによる測定結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】これらの結果、酵素合成によって生じた反
応生成物はα2,6シアリルメチル−β−D−N−アセ
チルラクトサミンであることが明らかとなった。さら
に、糖供与体基質として14Cでシアル酸をラベルしたC
MP−シアル酸を用いた対照実験から、今回の条件で16
μmol のα2,6シアリルメチル−β−D−N−アセチ
ルラクトサミンを製造できたと計算された。
【0056】(実施例3)ピリジルアミノ化糖鎖のシアリル化(1) 製造例1で得られた酵素を用い、ピリジルアミノ化糖鎖
を糖受容体基質として酵素反応を行った。ピリジルアミ
ノ化糖鎖としては、N−アセチルラクトサミンタイプ:
バイアンテナリー糖鎖( Galβ1-4GlcNAcβ1-2Manα1-6
(Galβ1-4GlcNAcβ1-2Manα1-3)Manβ1-4GlcNAcβ1-4Gl
cNAc-PA (PA1)、宝酒造製) 及び2種類のN−アセチル
ラクトサミンタイプモノシアリレイテッド:バイアンテ
ナリー糖鎖( NeuAcα2-6Galβ1-4GlcNAcβ1-2Manα1-6
(Galβ1-4GlcNAcβ1-2Manα1-3)Manβ1-4GlcNAcβ1-4G
lcNAc-PA (PA2)、 Galβ1-4GlcNAcβ1-2Manα1-6 (NeuA
cα2-6Galβ1-4GlcNAcβ1-2Manα1-3) Manβ1-4GlcNAc
β1-4GlcNAc-PA (PA3)、宝酒造製) を用いた。各糖鎖の
構造を表2に示す。
【0057】いずれの糖受容体を用いた場合も、糖受容
体基質が 2.0μM 、CMP−シアル酸が 5.7μM 及び酵
素が1U となるように、それぞれを20mM カコジレート
緩衝液(pH6.0)25μl 中に溶解し、30℃下で20時間反
応させた。反応終了後、 100℃で2分間反応溶液を処理
することにより酵素を失活させた。その後、HPLCで反応
生成物の分析を行った。
【0058】HPLCシステムとしては Shimazu LC-10(島
津製)、カラムとしてはTakara PALPAK Type R (宝酒造
製) を用い、酵素を失活させた反応液10μl を、0.15%
N−ブタノールを含む100 mM酢酸−トリエチルアミン
(pH5.0) で平衡化したカラムに注入した。ピリジルア
ミノ化糖鎖の溶出には溶出液A(100 mM酢酸−トリエチ
ルアミン、pH5.0) 及び溶出液B(0.5%、n−ブタノ
ールを含む100mM 酢酸−トリエチルアミン、pH5.0)を
用い、30〜100%溶出液Bの直線濃度勾配法(0〜35
分)及び 100%溶出液B(35〜50分)により、順次ピリ
ジルアミノ化糖鎖の溶出を行い、1ml/minの流速、40℃
のカラム温度の条件下、蛍光(Ex:320nm 、Em:400nm)
を検出した。また、同様にしてN−アセチルラクトサミ
ンタイプジシアリレイテッド:バイアンテナリー糖鎖
( NeuAcα2-6Galβ1-4GlcNAcβ1-2Manα1-6 (NeuAcα2
-6Galβ1-4GlcNAcβ1-2Manα1-3) Manβ1-4GlcNAcβ1-4
GlcNAc-PA (PA4)) を溶出させ、蛍光を検出することに
より、本ピリジルアミノ化糖鎖を検出した。結果を図3
に示す。
【0059】図3から明らかなように、PA1〜PA3につい
て、PA4と同一のリテンションタイムを示すピークが検
出できた。即ち、β−ガラクトシド−α2,6 −シアル酸
転移酵素を用いることにより、N−アセチルラクトサミ
ンタイプ:バイアンテナリー糖鎖及び2種類のN−アセ
チルラクトサミンタイプモノシアリレイテッド:バイア
ンテナリー糖鎖のいずれからも、N−アセチルラクトサ
ミンタイプジシアリレイテッド:バイアンテナリー糖鎖
を合成することが明らかとなった。
【0060】
【表2】
【0061】(実施例4)アシアロフェツイン及びアシアロα1 −酸性糖蛋白質の
シアリル化 20mMカコジレート緩衝液(pH6.0)に、糖受容体として
アシアロフェツインを6.25mg/ml濃度で溶解し、この溶
液80μl を糖受容体基質溶液とした。この糖受容体基質
溶液に、14Cでシアル酸をラベルしたCMP−シアル酸
を含むCMP−シアル酸溶液10μl (6.7nmol、6,700c
pm/nmol )を加え、予め30℃に保温した後に、製造例1
で得られた粗酵素溶液10μl を添加し、30℃で5分間反
応させた。反応終了後、反応溶液を0.1MのNaClで平衡化
した内径10mm、長さ160 mmのセファデクスG-50のカラム
に供した。溶離液としては、0.1MのNaClを用いた。カラ
ムのボイド画分に溶出する、酵素反応によってシアル酸
が転移したアシアロフェツインを含む高分子量画分を集
め、この画分の放射活性を測定した。その結果、放射活
性は平均で3125cpm であった。
【0062】この反応の対照として、80μl の糖受容体
基質溶液と、14Cでシアル酸をラベルしたCMP−シア
ル酸を含むCMP−シアル酸溶液10μl (6.7 nmol、6,
700cpm/nmol )との混合溶液に、酵素溶液の代わりに10
μl の20mMカコジレート緩衝液(pH6.0)を添加した溶
液を用いた。この対照溶液を、30℃で5分間インキュベ
ートした後に、上記のカラムでゲル濾過を行い、上記と
同様にカラムのボイド画分の放射活性を測定した。その
結果、放射活性は平均で30cpm であった。
【0063】この対照溶液のボイド画分の放射活性を、
酵素を添加して反応させた場合のボイド画分の放射活性
から差し引いた値から、転移された総シアル酸量を計算
した。この結果から、上記条件下において、3nmolのシ
アル酸がアシアロフェツインに転移されたものと計算さ
れた。同様に、アシアロα1 −酸性糖蛋白質を糖受容体
基質とした場合、対照溶液のボイド画分の放射活性は、
平均で35cpm であり、酵素を添加して反応させた場合の
ボイド画分の放射活性は、平均で2985cpm であった。こ
の結果から、上記条件下において、2.9nmolのシアル酸
がアシアロα1 −酸性糖蛋白質に転移されたものと計算
された。
【0064】(製造例2)フォトバクテリウム ダムセーラ ATCC 33539 及び ATC
C 35083 由来のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸
転移酵素の製造 ATCC 33539及びATCC 35083を、マリンブロス2216(ディ
フコ社製)なる液体培地を用いてそれぞれ培養した。微
生物が十分に生育した後、培養液から菌体を遠心分離に
よって集めた。集めた菌体に、0.2 %トライトンX-100
(関東化学社製)なる界面活性剤を含む、20mMカコジレ
ート緩衝液(pH6.0 )を添加し、菌体を懸濁した。この
菌体懸濁液を氷零下で超音波処理し、細胞を破砕するこ
とにより、粗酵素溶液を調製した。
【0065】(実施例5)ピリジルアミノ化糖鎖のシアリル化(2) 製造例2で得られた各酵素を用い、ピリジルアミノ化糖
鎖を糖受容体基質として酵素反応を行った。ピリジルア
ミノ化糖鎖としては、ピリジルアミノ化ラクトース(Ga
lβ1-4Glc-PA 、宝酒造製) を用い、実施例3と同様に
して分析した。糖受容体基質についてのHPLCの分析結果
を図4に、ATCC 33539由来の酵素による反応物質につい
てのHPLCの分析結果を図5に、ATCC 35083由来の酵素に
よる反応物質についてのHPLCの分析結果を図6に示す。
【0066】図5では、リテンションタイム5.500 のピ
ークがピリジルアミノ化α2,6 −シアリルラクトースを
示し、図6では、リテンションタイム5.499 のピークが
ピリジルアミノ化α2,6 −シアリルラクトースを示して
いる。即ち、β−ガラクトシド−α2,6 −シアル酸転移
酵素を用いることにより、ピリジルアミノ化ラクトース
からピリジルアミノ化α2,6 −シアリルラクトースを合
成することが明らかとなった。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、シアル酸を含む糖類
を、簡便にかつ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フォトバクテリウム ダムセーラ JTO160 由来
のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素を用
いて単糖にシアル酸を転移させた場合における、各単糖
に対するβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵
素の相対活性を示すグラフである。
【図2】フォトバクテリウム ダムセーラ JTO160 由来
のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素を用
いて合成した、α2,6−シアリルメチル−β−D−N
−アセチルラクトサミンのマススペクトルを示すグラフ
である。
【図3】フォトバクテリウム ダムセーラ JTO160 由来
のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素を用
いてシアル酸を転移させたPA化糖鎖についてのHPLCによ
る分析結果を示すグラフである。
【図4】ピリジルアミノ化ラクトースについてのHPLCに
よる分析結果を示すグラフである。
【図5】フォトバクテリウム ダムセーラ ATCC 33539
由来のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素
を用いて合成した、ピリジルアミノ化α2,6 −シアリル
ラクトースについてのHPLCによる分析結果を示すグラフ
である。
【図6】フォトバクテリウム ダムセーラ ATCC 35083
由来のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素
を用いて合成した、ピリジルアミノ化α2,6 −シアリル
ラクトースについてのHPLCによる分析結果を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:01) (72)発明者 児玉 久 神奈川県横浜市青葉区梅が丘6−2 日 本たばこ産業株式会社 生命科学研究所 内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 19/00 - 19/64 C12N 9/00 - 9/99 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトバクテリウム属に属する微生物由
    来であり、下記の理化学的性質を有するβ−ガラクトシ
    ド−α2,6−シアル酸転移酵素を用いて、複合糖質糖
    鎖中のガラクトース残基の6位もしくは遊離の糖鎖中の
    ガラクトース残基の6位、又は動物由来の複合糖質を構
    成しうる単糖で6位の炭素に水酸基を有する単糖の6位
    にシアル酸を結合させることを特徴とする、シアル酸を
    含む糖類の製造方法。 (1) 作用及び特異性:シチジン1リン酸−シアル酸から
    シアル酸を、複合糖質糖鎖もしくは遊離の糖鎖中のガラ
    クトース残基の6位、又は動物由来の複合糖質を構成し
    うる単糖で6位の炭素に水酸基を有する単糖の6位に転
    移させる。 (2) 至適pH:5〜6 (3) 至適温度:30℃ (4) 分子量:64,000±5,000(ゲル濾過による)
  2. 【請求項2】 フォトバクテリウム属に属する微生物由
    来であり、下記の理化学的性質を有するβ−ガラクトシ
    ド−α2,6−シアル酸転移酵素を用いて、複合糖質糖
    鎖中のガラクトース残基の6位もしくは遊離の糖鎖中の
    ガラクトース残基の6位、又は動物由来の複合糖質を構
    成しうる単糖で6位の炭素に水酸基を有する単糖の6位
    にシアル酸を結合させることを特徴とする、シアル酸を
    含む糖類の製造方法。 (1) 作用及び特異性:シチジン1リン酸−シアル酸から
    シアル酸を、複合糖質糖鎖もしくは遊離の糖鎖中のガラ
    クトース残基の6位、又は動物由来の複合糖質を構成し
    うる単糖で6位の炭素に水酸基を有する単糖の6位に転
    移させる。 (2) 至適pH:5 (3) 至適温度:30℃ (4) pH安定性:4.5 〜6 (5) 熱安定性:35℃で5分間加熱後の活性は、初期活性
    の約90%を保持する。45℃で5分間加熱後の活性は、初
    期活性の約70%を保持する。 (6) 分子量:約61,000(12.5% SDS−ポリアクリルアミ
    ドゲル電気泳動による)約64,000(ゲル濾過による) (7) アミノ酸末端アミノ酸配列:X-Asn-Ser-Asp-Asn-Th
    r-Ser-Leu-Lys-Glu-Thr-Val (8) 等電点:4.6
JP06327152A 1994-12-28 1994-12-28 シアル酸を含む糖類の製造方法 Expired - Fee Related JP3124199B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06327152A JP3124199B2 (ja) 1994-12-28 1994-12-28 シアル酸を含む糖類の製造方法
US08/741,663 US5908766A (en) 1994-12-28 1996-10-31 Method of the production of saccharides containing sialic acid

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06327152A JP3124199B2 (ja) 1994-12-28 1994-12-28 シアル酸を含む糖類の製造方法
US08/741,663 US5908766A (en) 1994-12-28 1996-10-31 Method of the production of saccharides containing sialic acid

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08173182A JPH08173182A (ja) 1996-07-09
JP3124199B2 true JP3124199B2 (ja) 2001-01-15

Family

ID=26572400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06327152A Expired - Fee Related JP3124199B2 (ja) 1994-12-28 1994-12-28 シアル酸を含む糖類の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5908766A (ja)
JP (1) JP3124199B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5827714A (en) * 1994-12-07 1998-10-27 Japan Tobacco Inc. β-galactoside-α-2, 6-sialyltransferase, and a process for producing from Photobacterium
JP3140976B2 (ja) * 1997-02-28 2001-03-05 日本たばこ産業株式会社 β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素をコードする遺伝子
JPH10234364A (ja) * 1997-02-28 1998-09-08 Japan Tobacco Inc β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素
CN100413889C (zh) * 2002-12-24 2008-08-27 大塚化学株式会社 糖链天冬酰胺衍生物、糖链天冬酰胺和糖链以及它们的制造方法
TWI335920B (en) * 2002-12-24 2011-01-11 Yasuhiro Kajihara Sugar chain asparagine derivatives, sugar chain asparagine and sugar chain and manufacture thereof
WO2007056525A2 (en) * 2005-11-10 2007-05-18 James Paulson High affinity siglec ligands

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4925796A (en) * 1986-03-07 1990-05-15 Massachusetts Institute Of Technology Method for enhancing glycoprotein stability
US5278299A (en) * 1991-03-18 1994-01-11 Scripps Clinic And Research Foundation Method and composition for synthesizing sialylated glycosyl compounds
US5374541A (en) * 1993-05-04 1994-12-20 The Scripps Research Institute Combined use of β-galactosidase and sialyltransferase coupled with in situ regeneration of CMP-sialic acid for one pot synthesis of oligosaccharides

Also Published As

Publication number Publication date
US5908766A (en) 1999-06-01
JPH08173182A (ja) 1996-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Nishimoto et al. Purification and properties of a novel enzyme, trehalose synthase, from Pimelobacter sp. R48
KR910002852B1 (ko) 시클로말토덱스트린 글루카노트랜스퍼라제 및 그의 제조방법
Tanzer et al. Identification, preliminary characterization, and evidence for regulation of invertase in Streptococcus mutans
EP0704531A2 (en) Recombinant thermostable enzyme for converting maltose into trehalose
JP3124199B2 (ja) シアル酸を含む糖類の製造方法
US5089401A (en) Method for the preparation of fructose-containing oligosaccharide
JP3062409B2 (ja) 新規なβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素及びその製造方法
Chaen et al. Purification and Characterization of Thermostable Trehalose Phosphorylase from Theymoanaeyobium brockii
JP3734504B2 (ja) 新規なケラタン硫酸分解酵素
Staat et al. Characterization of a dextranase produced by an oral strain of Actinomyces israelii
JP2781412B2 (ja) 糖転移活性の強いβ―フラクトフラノシダーゼ、その製造法および該酵素を用いてアルドシルフラクトシドを製造する方法
US5827714A (en) β-galactoside-α-2, 6-sialyltransferase, and a process for producing from Photobacterium
US5234828A (en) Process for producing novel heat-resistant β-galactosyltransferase
Kitahata et al. Purification and some properties of amylomaltase from Escherichia coli IFO 3806
JP3235904B2 (ja) 耐熱性マンノースイソメラーゼ及びその製造法並びにこれを用いたマンノースの製造法
US5153128A (en) Heat-resistant β-galactosyltransferase, its production process and its use
JP2970932B2 (ja) 新規耐熱性β―ガラクトシル基転移酵素、その製造法及びその用途
EP0771868B1 (en) Novel deaminoneuraminidase and process for producing the same
US5110734A (en) Purified cyclodextrinase
US5238825A (en) Preparation and use of a cyclodextrinase for preparing maltooligosaccharides
WO2022209658A1 (ja) α-1,2グルコシダーゼとその製造方法並びに用途
US6383769B1 (en) Polypeptides having β-fructofuranosidase activity
JP3557276B2 (ja) 酵素をコードするdnaとそれを含む組換えdna並びに形質転換体
WO2006043305A1 (ja) 糖転移酵素の酵素活性を向上させる方法
JP4439153B2 (ja) 耐熱性マンノースイソメラーゼ及び該酵素を用いたマンノースの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071027

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081027

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081027

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091027

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027

Year of fee payment: 13

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees