JP2007297429A - 糖鎖ライブラリの作製方法及びその利用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
下記式(I):
【化1】
〔式中、R1、R2はそれぞれ、同一又は異なって、直線状又は分岐状の糖鎖であり、
S1は任意の糖残基であり、
SA、SBは、同一又は異なる糖残基であり、
Lは、結合、又は直線状の糖鎖であり、
Xは、存在しないか、又は存在する場合には所定の基を示し、
SA、SBの糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される、保護された糖鎖化合物及びそのライブラリ、並びにそれらの製造方法;該保護された糖鎖化合物及びライブラリをグリコシダーゼで処理することを含む、糖鎖化合物の製造方法、並びにそのグリコシダーゼ分解物;該保護された糖鎖化合物の合成中間体;試薬及びキットなど。
【選択図】なし
Description
Kajihara et al., Chemistry-A European Journal Vol.10: 971-985 (2004)
[1]保護された糖鎖化合物又はその塩であって、
下記式(I):
S1は任意の糖残基であり、
SA、SBは、同一又は異なる糖残基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SBの糖残基、及びR1、R2における該保護用糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される、糖鎖化合物又はその塩。
[2]以下(a)〜(d)から選ばれる1以上の特徴を有する、上記[1]の糖鎖化合物又はその塩:
(a)R1、R2が直線状の糖鎖であり、かつSA、SBが互いに異なる糖残基である;
(b)R1、R2の一方又は双方が、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、かつ保護用糖残基、及びSA、SBの糖残基がそれぞれ異なる;
(c)R1、R2が直線状の糖鎖であり、かつR1におけるSAと隣接する糖残基及びSAの糖残基が互いに異なり、R2におけるSBと隣接する糖残基及びSBの糖残基が互いに異なる;
(d)R1、R2の一方又は双方が、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、かつ保護用糖残基及びそれと隣接する糖残基が互いに異なり、R1におけるSAと隣接する糖残基及びSAの糖残基が互いに異なり、R2におけるSBと隣接する糖残基及びSBの糖残基が互いに異なる。
[3]以下(a)〜(c)から選ばれる1以上の特徴を有する、上記[1]の糖鎖化合物又はその塩:
(a)R1、R2が直線状の糖鎖であり、かつR1、R2が1種の糖残基から構成される;
(b)R1、R2の一方又は双方が、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、かつR1、R2が、保護用糖残基を除いて、1種の糖残基から構成される;
(c)R1におけるSAと隣接する糖残基、R2におけるSBと隣接する糖残基が、同一のエキソ型グリコシダーゼにより切断される。
[4]R1、R2における糖残基数がそれぞれ3〜8である、上記[1]の糖鎖化合物又はその塩。
[5]R1、R2がそれぞれ、同一又は異なって、下記式(v3)、(v14)
[6]式(I)におけるSA、SBの糖残基、式(v3)におけるS2〜S4の糖残基、式(v14)におけるS2〜S6、ST1の糖残基が、D−グルコース、D−マンノース、D−ガラクトース、D−キシロース、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセチル−D−ガラクトサミン、L−フコース及びシアル酸からなる群より選ばれる、上記[5]の糖鎖化合物又はその塩。
[7]保護された糖鎖化合物が、下記式(Ia):
SA、SB、SCは、同一又は異なる糖残基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SB、SCの糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される化合物である、上記[1]の糖鎖化合物又はその塩。
[8]保護された糖鎖化合物が、下記式(II)で表される化合物である、上記[1]の糖鎖化合物又はその塩:
SA、SB、SCは、同一又は異なる糖残基であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)GlcNAc中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)GlcNAc中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SB、SCの糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕。
[9]Man間、GlcNAc間及びManとGlcNAcとの間の全ての結合様式が、天然の高マンノース型糖鎖化合物と同一の結合様式である、上記[8]の糖鎖化合物又はその塩。
[10]SA、SB、SCの糖残基がそれぞれ異なる糖残基である、上記[8]の糖鎖化合物又はその塩。
[11]SAがD−グルコースである、上記[8]の糖鎖化合物又はその塩。
[12]2種以上の保護された糖鎖化合物又はその塩を含むライブラリであって、
該糖鎖化合物が、下記式(I)及び(I’):
S1、S1’は、同一の糖残基であり、
SA、SB、SA’、SB’はそれぞれ、同一又は異なる糖残基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1又はS1’の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1又はS1’の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SBの糖残基、及びR1、R2における該保護用糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断され、
SA’、SB’の糖残基、及びR1’、R2’における該保護用糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される、ライブラリ。
[13]R1、R1’が同一の糖鎖であり、R2、R2’が同一の糖鎖であり、かつSA、SA’が互いに異なる糖残基であり、SB、SB’が互いに異なる糖残基である、上記[12]のライブラリ。
[14]以下(a)又は(b)の特徴を有する、上記[12]のライブラリ:
(a)R1、R2、R1’、R2’が直線状の糖鎖であり、かつSA、SA’、SB、SB’の糖残基がそれぞれ異なる;
(b)R1、R2、R1’、R2’のうち少なくとも1つが、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、かつ保護用糖残基、及びSA、SA’、SB、SB’の糖残基がそれぞれ異なる。
[15]下記式(I’’):
S1’’は、S1、S1’と同一の糖残基であり、
SA’’は、SA、SA’と異なる糖残基であり、SB’’は、SB、SB’と異なる糖残基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1’’の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1’’の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA’’、SB’’の糖残基、及びR1’’、R2’’における該保護用糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される、保護された糖鎖化合物をさらに含む、上記[13]のライブラリ。
[16]上記式(I)で表される保護された糖鎖化合物又はその塩を、グリコシダーゼで処理して糖鎖化合物を得ることを含む、糖鎖化合物の製造方法。
[17]上記式(I)及び(I’)で表される、2種以上の保護された糖鎖化合物又はその塩を含むライブラリを、グリコシダーゼで処理することを含む、糖鎖化合物の製造方法。
[18]天然に存在する糖鎖と同一構造を有する糖鎖の非還元末端に少なくとも1つの糖残基が導入されている、保護された糖鎖化合物を合成し、合成された糖鎖化合物をグリコシダーゼで処理して糖鎖化合物を得ることを含む、糖鎖化合物の製造方法。
[19]糖鎖化合物又はその塩であって、
上記式(II)で表される保護された高マンノース型糖鎖化合物を、グリコシダーゼにより分解することにより得られ、かつ
(a)SB、SCの糖残基の一方又は双方を保持する化合物;又は
(b)SAとして、α−D−グルコース以外の糖残基を保持する化合物。
[20]下記式(IIa1)〜(IIa4)、(IIa8)、(IIb4)〜(IIb5)、(IIb14)のいずれかの糖鎖化合物又はその塩:
Xは、(i)存在しないか、(ii)GlcNAc中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)GlcNAc中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SB、SCの糖残基はそれぞれ異なって、D−グルコース、D−ガラクトース、D−キシロース、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセチル−D−ガラクトサミン、L-フコース、シアル酸からなる群より選ばれる糖残基である〕。
[21]糖鎖化合物又はその塩であって、
下記式(IP):
S1は任意の糖残基であり、
PA、PBは、互いに異なるヒドロキシ保護基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示す〕で表される、糖鎖化合物又はその塩。
[22]上記[1]の糖鎖化合物又はその塩、上記[12]のライブラリあるいはそれらのグリコシダーゼ分解物又はその塩、あるいは上記[20]の糖類化合物又はその塩を含む、試薬又はキット。
[23]以下(a)及び(b)を含む、キット:
(a)上記[1]の糖鎖化合物又はその塩、又は上記[12]のライブラリ;
(b)1以上のグリコシダーゼ。
本発明の保護された糖鎖化合物及びその塩、並びにそれらを含むライブラリをグリコシダーゼで処理することにより得られる糖鎖化合物及びその塩、並びにそれらを含むライブラリは、生理活性を有する天然糖鎖の生成反応における中間体又はその集合体などとして有用である。
本発明の合成中間体は、本発明の保護された糖鎖化合物及びその塩、並びにそれらを含むライブラリの容易な作製などを可能にするため有用である。
本発明はまた、上述したような糖鎖化合物及びその塩、並びにそれらを含むライブラリの製造方法、並びにこのような糖鎖化合物及びその塩、並びにそれらを含むライブラリを含む試薬及びキットなどを提供する。
本発明は、保護された糖鎖化合物又はその塩を提供する。
SA、SB、SC、SDはそれぞれ、同一又は異なる糖残基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SB、SC、SDの糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される化合物、あるいは
下記式(Ic):
SA、SBは、同一又は異なる糖残基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SBの糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される化合物であってもよい。
S1は任意の糖残基であり、
PA、PBは、所定の保護基(例、エキソ型グリコシダーゼにより選択的に除去可能である糖残基(例、SA、SB)、ヒドロキシ保護基)であり、
Lは、結合、又は直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示す〕
(R1、R2、S1、SA、SB、L、Xは上述したものと同様であり得る)
本発明はまた、2種以上の本発明の保護化合物を含むライブラリを提供する。本発明のライブラリは、上記式(I)及び(I’)で表される糖鎖化合物、必要に応じて、さらに式(I’’)及び/又は式(In)で表される糖鎖化合物を含み得る:
本発明はまた、本発明の保護化合物、又は2種以上の保護化合物を含むライブラリをグリコシダーゼにより処理することを含む、糖鎖化合物の製造方法を提供する。グリコシダーゼとしては、上述したエキソ型グリコシダーゼ、エンド型グリコシダーゼが挙げられる。また、本発明の保護化合物をグリコシダーゼで処理する場合、最初に反応させるグリコシダーゼとしては、エキソ型グリコシダーゼのみならず、2以上の糖単位を除去可能なエンド型グリコシダーゼもまた使用できる。例えば、本発明の保護化合物が式(II)で表される化合物である場合、2糖単位(例、SA及びManから構成される2糖単位)を除去可能なエンドグリコシダーゼを反応させることもまた好ましい。本処理に供される保護化合物及びそれを含むライブラリは、単離及び/又は精製されたものであり得る。
本発明は、本発明の保護化合物若しくはその塩又はそれらのライブラリ、あるいはそれらの任意のグリコシダーゼ分解物、あるいは本発明の保護化合物の合成中間体を含む、試薬及びキットを提供する。
Bn:ベンジル
Ac: アセチル
All:アリル(allyl)
Phth: フタロイル
Bz: ベンゾイル
CA: モノクロロアセチル酢酸
AgOTf: 銀トリフラート
Me: メチル
以下の実験に用いたA. oryzae由来ガラクトシダーゼ、 Jack beans由来α-マンノシダーゼ、 Jack beans 由来GlcNAc’aseは、Sigmaから購入した。A. oryzae由来グルコシダーゼIIは、以下のようにして得た。Aspergillus oryzae RIB40(ATCC number: 42149)菌を 100 ml DPY (2% dextrin, 1% polypeptone, 0.5% yeast extract, 0.5% KH2PO4, 0.05% MgSO4・7H2O, pH 5.5) 培地にて30℃ 、18時間培養後、菌体を回収した。菌体を液体窒素で凍結後粉砕、6 ml の抽出バッファー (50 mM Tris (pH 7.5), 2 mM PMSF, 1:100 PIC (protein inhibitor cocktail))に溶かした。遠心分離 (3,000×g, 10分間, 4℃) にて不溶物を除去後、超遠心分離 (20,000×g, 20分間, 4℃) することにより膜画分を回収した。得られた膜画分を1% Triton X-100 を含む抽出バッファー600μLに溶かし、粗酵素液として使用した。
標記化合物を、下記の方法に従い合成した。なお、参考文献は、以下の通りである。
1) Matsuo, I., Wada, M., Manabe, S., Yamaguchi, Y., Otake, K., Kato, K., Ito, Y. (2003) J. Am. Chem. Soc., 125, 3402.
2) Matsuo, I., Ito, Y. (2003) Carbohydr. Res., 338, 2163.
3) Matsuo, I., Kashiwagi, T., Totani, K., Ito, Y. (2005) Tetrahedron Lett., 46, 4197.
4) Ito, Y., Ohnishi, Y., Ogawa, T. (1998) Synlett, 1102.
5) Matsuo, I., Wada, M., Ito, Y. (2002) Tetrahedron Lett., 43, 3273.
6) Matsuo, I., Isomura, M., Miyazaki, T., Sakakibara, T., Ajisaka, K. (1998) Carbohydr Res., 305, 401.
7) Matsuo, I., Miyazaki, T., Isomura, M., Sakakibara, T., Ajisaka, K. (1998) J. Carbohydr. Chem., 17, 1249.
乾燥トルエン (5 mL) 中のSMe-マンノースアクセプター (276.1 mg, 0.573 mmol)、AgOTf (288.2 mg, 1.12 mmol) 及びモレキュラーシーブ4A (5 g) の混合液を、-40℃で30分間攪拌した。乾燥トルエン (5 mL) 中のCl-ドナー (298.0 mg, 0.577 mmol) の溶液を加え、混合液を-10℃で1時間、周囲温度で12時間攪拌した。反応をTEA (1 mL) で停止した。反応混合液をEtOAcで希釈し、シリカゲルを通してろ過した。ろ液をNaHCO3水溶液及びブライン (brine) で連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (トルエン:EtOAc, 20:1〜9:1) により精製し、マンノビオース (310.7 mg, 57 %) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.326-7.174 (m, 30H), 5.205 (bs, 1H), 5.136 (bs, 1H), 4.905 (d, 1H, J = 11.0 Hz), 4.832 (d, 1H, J = 10.7 Hz), 4.670-4.487 (m, 11H), 4.368 (bd, 1H, J = 11.7 Hz), 4.257 (dd, 1H, J = 5.3 and 11.7 Hz), 4.291-4.047 (m, 2H), 3.965-3.765 (m, 6H), 3.678 (bd, 1H, J = 11.2 Hz), 2.086 (s, 3H), 2.101 (s, 3H); MALDI-TOF mass calcd for C57H62O11SNa (M + Na)+977.4, found 977.9.
THF:MeOH (4:1, 5 mL) 中のマンノビオース (310.7 mg, 0.325 mmol) の攪拌溶液に、1M NaOMe/MeOH (15μL) を0℃で加えた。混合液を1時間攪拌し、1N HCl (20μL) で中和した。反応混合液をEtOAcで希釈し、NaHCO3水溶液及びブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮し、マンノビオースアクセプター (279.7 mg, 94 %) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.348-7.172 (m, 30H), 5.214 (bs, 1H), 5.130 (bs, 1H), 4.907 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 4.822 (d, 1H, J = 10.4 Hz), 4.669-4.490 (m, 10H), 4.052 (bs, 1H), 3.930-3.686 (m, 11H), 2.093 (s, 3H); MALDI-TOF mass calcd for C55H62O11SNa (M + Na)+ 935.4, found 935.9.
乾燥トルエン (5 mL) 中のマンノビオースアクセプター (279.7 mg, 0.306 mmol)、AgOTf (500.0 mg, 1.946 mmol) 及びモレキュラーシーブ4A (2 g) の混合液を、-40℃で30分間攪拌した。乾燥CH2Cl2(5 mL) 中のCl-ガラクトースドナー (317.2 mg, 0.516 mmol) の溶液を加え、混合液を-10℃で1時間及び40℃で24時間攪拌した。反応をTEA (1 mL) で停止した。反応混合液をEtOAcで希釈し、セライト (Celite) を通してろ過した。ろ液をNaHCO3 水溶液及びブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をPTLC (トルエン:EtOAc, 5:1) により精製し、ガラクトシルマンノビオースドナー (295.3 mg, 65 %) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.104-7.151 (m, 50H), 5.598 (bd, 1H, J = 3.6 Hz), 5.891 (dd, 1H, J = 8.0 and 10.0 Hz), 5.580 (dd, 1H, J = 3.6 and 10.4 Hz), 5.199 (bs, 1H), 5.055 (bs, 1H), 4.802-4.772 (m, 2H), 4.663-4.261 (m, 14H), 4.102-3.674 (m, 11H), 2.118 (s, 3H); MALDI-TOF mass calcd for C89H86O19SNa (M + Na)+1513.54, found 1514.19.
乾燥CH2Cl2(5 mL) 中のCp2HfCl2 (269.5 mg, 0.710 mmol)、AgOTf (365.5 mg, 1.423 mmol)、及びモレキュラーシーブ4A (3 g) の攪拌混合液に、乾燥CH2Cl2 (10 mL) 中のマンノビオースアクセプター (541.1 mg, 0.593 mmol) 及びGlcNAc-ドナー (354.0 mg, 0.609 mmol) の溶液を-78℃で加えた。混合液を2時間及び-40℃で1時間攪拌した。シリカゲルを通すことにより不溶性物質を除去し、次いでろ液をEtOAcで希釈し、ブライン、NaHCO3水溶液及びブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空中でエバポレートした。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (トルエン:EtOAc, 15:1〜10:1) により精製し、化合物GlcNAc-マンノビオースドナー (393.4 mg, 45 %) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.347-6.830 (m, 49H), 5.246 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 5.128 (bs, 1H), 4.934 (bs, 1H), 4.750-4.273 (m, 18H), 4.200 (bd, 1H, J =10.4Hz), 3.994 (m, 2H), 3.786-3.611 (m, 15H), 2.111 (s, 3H); MALDI-TOF mass calcd for C90H91O16NSNa (M + Na)+ 1496.6, found 1497.5.
6-CA-マンノース (533.6 mg, 1.008 mmol) をピリジン (0.8 mL) に溶解した。混合液に無水酢酸 (0.4 mL) を0℃で加え、2時間攪拌した。反応混合液を真空中で濃縮した。残渣をCH2Cl2(5 mL) 中のNBS (535.0 mg, 3.009 mmol) 及びDAST (135μL, 1.022 mmol) で-40℃にて処理した。反応混合液を-30℃で1時間、次いで周囲温度で攪拌した。12時間後、MeOH (0.5 mL) を加え、混合液をEtOAcで希釈し、NaHCO3 水溶液及びブラインで連続して洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をDABCO (432 mg) で50℃にて2時間処理した。混合液をAmberlist 15 E [H+] で中和した。不溶性物質をろ過により除去し、ろ液を真空中で乾燥させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (トルエン:EtOAc, 10:1〜4:1) により精製し、3-アセチル化マンノースアクセプター (117.3 mg, 28%) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.377-7.282 (m, 10H), 5.525 (dd, 1H, J = 2.0 and 50.4 Hz), 5.216 (m, 1H), 4.745-4.617 (m, 4H), 4.092 (t, 1H, J = 9.6 Hz), 4.006 (bs, 1H), 3.863-3.758 (m, 3H), 1.976 (s, 3H); MALDI-TOF mass calcd for C22H25O6FNa (M + Na)+ 427.2, found 427.7.
乾燥トルエン (20 mL) 中の3-アセチル化マンノースアクセプター (45.0 mg, 0.111 mmol)、GlcNAc-マンノビオースドナー (181.0 mg, 0.123 mmol)、及びモレキュラーシーブ4A (2 g) の溶液を0℃で1時間攪拌し、次いでClCH2CH2Cl中の1M MeOTf (0.2 mL, 0.2 mmol) を加えた。反応混合液を40℃で24時間攪拌した。反応をTEA (0.2 mL) で0℃にて停止させた。混合液をEtOAcで希釈し、セライトを通してろ過した。ろ液をNaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をPTLC (トルエン:EtOAc, 5/1) により精製し、GlcNAc-マンノビオシル3-アセチル化マンノース (172.8 mg, 84%) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.361-6.840 (m, 59H), 5.750 (bd, 1H, J = 50.4 Hz), 5.240 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 4.884-3.500 (m, 48H), 1.974 (s, 3H); MALDI-TOF mass calcd for C111H112O22NFNa (M + Na)+ 1854.06, found 1854.5.
THF:MeOH (5:1, 6 mL) 中のGlcNAc-マンノシル3-アセチル化マンノース (172.8 mg, 0.932 mmol) の攪拌溶液に、1M NaOMe/MeOH (100μL) を0℃で加えた。混合液を1時間攪拌し、1N HCl (200μL) で中和した。反応混合液をEtOAcで希釈し、NaHCO3水溶液及びブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮し、GlcNAc-マンノビオシル3-OHマンノースアクセプター (98.0 mg, 58 %) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.361-6.840 (m, 59H), 5.809 (bd, 1H, J = 49.2 Hz), 5.238 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 4.904 (bs, 2H), 4.849-4.752 (m, 6H), 4.645-4.253 (m, 17H), 4.183 (bd, 1H, J = 10.8 Hz), 4.109 (bd, 1H, J = 9.2 Hz), 3.974-3.506 (m, 22H), 2.395 (bd, 1H, J = 9.6 Hz); MALDI-TOF mass calcd for C109H110O21NFNa (M + Na)+ 1810.8, found 1812.5.
乾燥トルエン (20 mL) 中のGlcNAc-マンノビオシル3-OHマンノースアクセプター (98.0 mg, 0.055 mmol)、ガラクトシル-マンノビオースドナー (182.0 mg, 0.122 mmol)、及びモレキュラーシーブ4A (2 g) の混合液を、0℃で1時間攪拌し、次いでClCH2CH2Cl中の1M MeOTf (0.6 mL, 0.6 mmol) を加えた。反応混合液を40℃で24時間攪拌した。反応をTEA (1 mL) で 0℃にて停止させた。混合液をEtOAcで希釈し、セライトを通してろ過した。ろ液をNaHCO3水溶液及びブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をPTLC (トルエン: EtOAc, 7:1) により精製し、GlcNAc-マンノビオシル1-6(ガラクトシルマンノビオース)1-3マンノースドナー (93.3 mg, 44%) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.104-6.804 (m, 109H), 5.959-5.916 (m, 2H), 5.683- 5.541 (m, 2H), 5.261-5.104 (m, 3H), 4.862-3.419 (m, 76H); MALDI-TOF mass calcd for C197H192O40NFNa (M + Na)+ 3253.29, found 3255.8.
トリマンノシル・コア・トリサッカリド (trimannosyl core trisaccharide) (1.09 g, 0.422 mmol) (Matsuo et al., J. Am. Chem. Soc. 125: 3402 (2003) 参照) を、10% HF/ピリジンを含有するDMF (3 mL) 中に溶解し、3 mLテフロン反応容器に移した。これを、1.0 GPaまで加圧し、30℃で12時間放置した。混合液をEtOAcで希釈し、NaHCO3水溶液及びブラインで連続して洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。合わせた混合液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:EtOAc, 5:1〜1:1) により精製し、化合物3-OHトリマンノシル・コア・トリサッカリドアクセプター (0.939 g, 収率94 %) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.855-6.707 (m, 73H), 5.640-5.543 (m, 1H), 5.336-5.173 (m, 5H), 5.008-4.794 (m, 8H), 4.687-3.361 (m, 66H), 3.278 (bd, 1H, J = 9.6 Hz), 3.177 (bd, 1H, J= 9.6 Hz), 2.893-2.831 (m, 1H), 2.011 (s, 3H); MALDI-TOF mass calcd for C154H160O34N2Na (M + Na)+ 2604.1, found 2603.7.
乾燥トルエン/エーテル (2:1, 15 mL) 中のCp2HfCl2(225.0 mg, 0.528 mmol)、AgOTf (319.0 mg, 1.056 mmol)、及びモレキュラーシーブ4A (2.6 g) の攪拌混合液に、乾燥トルエン (5 mL) 中の3-OHトリマンノシル・コア・トリサッカリドアクセプター (363.9 mg, 0.141 mmol) 及びグルコースドナー (257.3 mg, 0.440 mmol) の溶液を-40℃で加えた。混合液を2時間及び-10℃で12時間攪拌した。シリカゲルを通すことにより不溶性物質を除去し、次いでろ液をEtOAcで希釈し、ブライン、NaHCO3水溶液及びブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空中でエバポレートした。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (トルエン:EtOAc, 15:1〜10:1) により精製し、化合物グルコシル・トリマンノシル・コア・トリサッカリド(glucosyl trimannosyl core trisaccharide) (295.5 mg, 67 %) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.985-6.727 (m, 93H), 6.070 (t, 1H, J= 10.0 Hz), 5.641-5.522 (m, 2H), 3.367-5.332 (m, 2H), 5.220-5.514 (m, 3H), 5.006-4.703 (m, 5H), 4.674-3.359 (m, 66H), 3.278 (bd, 1H, J = 8.8 Hz), 3.175 (bd, 1H, J= 10.4 Hz), 2.903-2.843 (m, 1H), 1.999 (s, 3H); MALDI-TOF mass calcd for C188H188O42N2Na (M + Na)+ 3168.2, found 3169.5.
乾燥CH3CN中のグルコシル・トリマンノシル・コア・トリサッカリド (237.1 mg, 0.075 mmol) の攪拌溶液に、p-トルエンスルホン酸・一水和物 (72.3 mg, 0.381 mmol) を加え、室温で1時間攪拌した。反応をTEA (0.1 mL) で停止させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (トルエン:EtOAc, 5:1) により精製し、グルコシル・トリマンノシル・コア・トリサッカリドアクセプター (221.8 mg, 96%) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.221-6.715 (m, 91H), 6.020 (t, 1H, J=7.2 Hz), 5.651-5.541 (m, 2H), 5.367-3.171 (m, 85H), 2.939 (m, 1H), 1.965 (s, 3H); MALDI-TOF mass calcd for C182H180O42N2Na (M + Na)+ 3088.2, found 3089.9.
乾燥トルエン (5 mL) 中のCp2HfCl2(22.7 mg, 0.060 mmol)、AgOTf (36.8 mg, 0.143 mmol)、及びモレキュラーシーブ4A (1.8 g) の攪拌混合液に、乾燥トルエン (10 mL) 中のグルコシル・トリマンノシル・コア・トリサッカリドアクセプター (104.6 mg, 0.0323 mmol) 及びGlcNAc-マンノビオシル1-6(ガラクトシルマンノビオース)1-3マンノースドナー (93.3 mg, 0.030 mmol) の溶液を-30℃で加えた。混合液を0℃まで徐々に温め、4時間攪拌した。反応をTEA (1 mL) で停止させた。セライトを通すことにより不溶性物質を除去し、ろ液をEtOAcで希釈し、ブライン、NaHCO3水溶液及びブラインで連続して洗浄した。溶液をNa2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をPTLC (トルエン:EtOAc, 5:1) により精製し、[GlcNAc-マンノビオシル1-6(ガラクトシルマンノビオース)1-3マンノシル]1-6グルコシル・トリマンノシル・コア・トリサッカリド (42.7 mg, 23%) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.064-6.596 (m, 197H), 6.089 (t, 1H, J = 9.6 Hz), 5.092 (d, 1H, J = 3.2 Hz), 3.834 (dd, 1H, J = 10.0 and 8.4 Hz), 5.611-5.466 (m, 3H), 5.339-5.142 (m, 9H), 4.985-3.164 (m, 155H), 3.051 (bd, 1H, J = 10 Hz), 2.109 (s, 3H); MALDI-TOF mass calcd for C379H371O82N3Na (M + Na)+6298.5, found 6300.2.
1 mLのエチレンジアミンを含有するn-ブタノール (2 mL) 中の[GlcNAc-マンノビオシル1-6(ガラクトシルマンノビオース)1-3マンノシル]1-6グルコシル・トリマンノシル・コア・トリサッカリド (42.7 mg, 0.0068 mmol) の溶液を、90℃で15時間攪拌した。揮発物を真空中でのエバポレーションにより除去し、残渣をピリジン (3 mL) に溶解した。溶液をAc2O (1.5 mL) で0℃にて5時間処理し、真空中でエバポレートした。残渣をEtOAcで希釈し、ブライン、1 N HCl、ブライン、NaHCO3水溶液及びブラインで連続して洗浄した。溶液をNa2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮し、アセチル化化合物を得た。アセチル化化合物を、MeOH (10 mL) 中のPd(OH)2-C (20 wt. %, 50 mg) で室温にて24時間処理した。セライトを通して混合液をろ過した。ろ液を真空中で濃縮した。Sep-Pak C18カートリッジ (500 mg, Waters, H2O:MeOH, 100:0〜20:1) を用いて残渣を精製し、14糖であるTM (14 mg, 85%) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.185 (bs, 3H), 5.127 (d, 1H, J = 3.6 Hz), 4.966 (bs, 1H), 4.934 (bs, 1H), 4.910 (bs, 1H), 4.898 (bs, 1H), 4.774 (bs, 1H), 4.266 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 4.464 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.374 (d, 1H , J = 7.6 Hz), 4.309 (d, 1H, J = 8.0Hz), 4.109 (bs, 2H), 3.990-3.247 (m, H), 1.946 (s, 3H), 1.940 (s, 3H), 1.902 (s, 3H), 1.410 (m, 1H), 0.735 (t, 3H, J = 7.6 Hz); MALDI-TOF mass calcd for C93H157O71N3Na (M + Na)+ 2474.9, found 2474.6.
糖鎖の非還元末端側に各々独立に除去できる保護基が導入された、糖鎖ライブラリに必要な全ての構造を含む出発糖鎖化合物を調製することにより、グリコシダーゼの選択性に依存することなく、該出発糖鎖化合物を目的糖鎖化合物へと変換することが可能になる。例えば、上記1.13.で製造された、糖鎖の非還元末端側に各々独立に除去できる保護基が導入された高マンノース型糖鎖 (14糖)、又はその誘導体 (例、上記1.12.で製造された化合物) を、グリコシダーゼにより戦略的に切断することで、糖鎖ライブラリを構築できる(図1)。上記1.13. (及び1.12.) で製造された高マンノース型糖鎖化合物は、図2に示されるグリコシダーゼ切断部位を有するので、各種のグリコシダーゼを適宜反応させることで、以下の表1〜4 (但し、一部の化合物は重複) に示されるような種々の糖鎖が生成可能である。
100μLの反応混合液 (14糖; 1 mg, Jack beans 由来GlcNAc’ase (5 U), A. oryzae 由来ガラクトシダーゼ (50 U) 又はA. oryzae由来グルコシダーゼII (A. oryzae膜画分200μL) のいずれかの酵素, DMNM (デオキシマンノノジリマイシン), 40mM 酢酸バッファー (pH 4.5)) を37℃にて、所定の日数インキュベートした。反応を、100℃で1分間加熱することにより停止させた。不溶性物質をultra-free (Millipore) によりろ過し、ろ液をSep-Pakカートリッジ (Waters, H2O:MeOH, 100:0〜70:30) により精製した(図3A〜B)。
その結果、高マンノース型糖鎖 (14糖) の非還元末端から、D-グルコースが除去された糖鎖化合物 (上記式 (IIb4’) で表される化合物)、D-ガラクトースが除去された糖鎖化合物 (上記式 (IIa4’) で表される化合物) 及びN-アセチル-D-グルコサミンが除去された糖鎖化合物 (上記式 (IIa1’) で表される化合物)の生成がそれぞれ確認された(図3B)。
・D-グルコースが除去された糖鎖化合物
C87H147N3O66K1 Calcd for 2328.8, Found 2328.4
・D-ガラクトースが除去された糖鎖化合物
C87H147N3O66Na1 Calcd for 2312.8, Found 2313.5
・N-アセチル-D-グルコサミンが除去された糖鎖化合物
C85H144N2O66Na1 Calcd for 2271.8, Found 2271.7
100μLの反応混合液 (14糖; 1 mg, Jack beans 由来GlcNAc’ase (0.3 U), A. oryzae 由来ガラクトシダーゼ (30 U), 10mM DMNM 1μL, 40mM 酢酸バッファー (pH 4.5)) を37℃で10日間インキュベートした。反応を、100℃で1分間加熱することにより停止させた。不溶性物質をultra-free (Millipore) によりろ過し、ろ液をSep-Pakカートリッジ (Waters, H2O:MeOH, 100:0〜70:30) により精製して、GM9 (1 mg, 収量)を得た。
・GM9 (上記式 (IIa5’) で表される化合物)
Matsuo et al., J. Am. Chem. Soc. 125: 3402 (2003) に記載の化合物とNMRおよびMSの値の一致を確認した。
100μLの反応混合液 (14糖; 1 mg, A. oryzae由来ガラクトシダーゼ (50U), 40mM酢酸バッファー (pH 4.5)) を37℃で7日間インキュベートした。混合液にα1-2 マンノシダーゼ (A. saitoi, 0.003 U) を加え、12時間インキュベートし、次いでGlcNAc’ase (Jack beans, 0.3 U) 及び10 mM DMN (デオキシノジリマイシン) 1μLを加えた。反応混合液を12時間インキュベートした。100℃で1分間加熱することにより反応を停止させた。不溶性物質をultra-free (Millipore) によりろ過し、ろ液をSep-Pakカートリッジ (Waters, H2O:MeOH, 100:0〜70:30) でろ過して、GM8B (1 mg, 収量)を得た(図4A〜C)。
・GM8B (上記式 (IIa9’) で表される化合物)
Matsuo et al., Carbohydr. Res. 338: 2163 (2003)に記載の化合物とNMRおよびMSの値の一致を確認した。
また、GM8Bの作製における中間体として、上記式 (IIa4’) 及び (IIa8’) で表される化合物の生成も確認された(図4B、C)。
・上記式 (IIa8’) で表される化合物
C81H137N3O61Na1 Calcd for 2150.8, Found 2151.5
100μLの反応混合液 (14糖; 1 mg, Jack beans由来GlcNAc’ase (0.3 U), A. saitoi由来α1-2 Mannosidase (0.001 U), 40mM 酢酸バッファー (pH 4.5)) を37℃で24時間インキュベートした。混合液に、A. oryzae由来ガラクトシダーゼ (30U) 及びDMNMを加えた。反応混合液を10日間インキュベートし、次いで100℃で1分間加熱することにより反応を停止させた。不溶性物質をultra-free (Millipore) によりろ過し、ろ液をSep-Pakカートリッジ (Waters, H2O:MeOH, 100:0〜70:30) により精製して、GM8C (1 mg, 収量) を得た。
・GM8C (上記式 (IIa6’) で表される化合物)
C73H124N2O56Na1 Calcd for 1947.7, Found 1948.9
また、GM8Cの作製における中間体として、上記式 (IIa1’) 及び (IIa2’) で表される化合物の生成も確認された。
・上記式 (IIa2’) で表される化合物
C79H134N2O61Na1 Calcd for 2109.7, Found 2109.9
100μLの反応混合液 (14糖; 1 mg, A. oryzae由来ガラクトシダーゼ (3 mg), Jack beans由来α-マンノシダーゼ (5μL), 40mM 酢酸バッファー (pH 4.5)) を37℃で7分間インキュベートした。混合液にJack beans 由来GlcNAc’ase (0.3 U) 及びA. saitoi由来α1-2マンノシダーゼ (0.001 U) を加え、24時間インキュベートした。100℃で1分間加熱することにより反応を停止させた。不溶性物質をultra-free (Millipore) によりろ過し、ろ液をSep-Pakカートリッジ (Waters, H2O:MeOH, 100:0〜70:30) により精製してGM7を得た(図5A〜C)。
・GM7 (上記式 (IIa10’) で表される化合物)
C67H114N2O51Na1 Calcd for 1785.6, Found 1787.2
また、GM7の作製における中間体として、上記式 (IIa4’)、(IIa8’)及び (IIa9’) で表される化合物の生成も確認された(図5B)。
100μLの反応混合液 (14糖; 1 mg, Jack beans由来GlcNAc’ase (0.3 U), Jack beans由来α-マンノシダーゼ (0.5 U), 40mM酢酸バッファー (pH 4.5)) を37℃で12時間インキュベートした。混合液にA. oryzae由来ガラクトシダーゼ (30 U) を加え、26日間インキュベートし、次いで100℃で1分間加熱することにより反応を停止させた。不溶性物質をultra-free (Millipore) によりろ過し、ろ液をSep-Pakカートリッジ (Waters, H2O:MeOH, 100:0〜70:30) により精製して、GM7Cを得た(図6A〜B)。
・GM7C (上記式 (IIa7’) で表される化合物)
C67H114N2O51Na1 Calcd for 1785.6, Found 1787.2
また、GM7Cの作製における中間体として、上記式 (IIa1’)、(IIa2’) 及び (IIa3’) で表される化合物の生成も確認された(図6B)。
・上記式 (IIa3’) で表される化合物
C73H124N2O56Na1 Calcd for 1947.7, Found 1945.3
600μLの反応混合液 (14糖; 1 mg, Jack beans由来GlcNAc’ase (0.6 U), A. oryzae由来グルコシダーゼII(膜画分)500μL, 40mM酢酸バッファー (pH 4.5)) を37℃で4日間インキュベートした。混合液にA. saitoi由来α1-2マンノシダーゼ (0.001 U) を加え、24時間インキュベートした。混合液にA. oryzae由来ガラクトシダーゼ (30 U) を加え、4日間インキュベートし、次いで100℃で1分間加熱することにより反応を停止させた。不溶性物質をultra-free (Millipore) によりろ過し、ろ液をSep-Pakカートリッジ (Waters, H2O:MeOH, 100:0〜70:30) により精製して、GM6Cを得た(図7A〜B)。
・GM6C
C55H94N2O41Na1 Calcd for 1461.5, Found 1463.4
また、M6Cの作製における中間体として、上記式 (IIb4’)、(IIb5’) 及び (IIb14’)で表される化合物の生成も確認された(図7B)。
・上記式 (IIb5’) で表される化合物
C79H134N2O61Na1 Calcd for 2109.7, Found 2111.3
・上記式(IIb14’) で表される化合物
C61H104N2O46Na1 Calcd for 1623.6, Found 1625.8
グルコシダーゼII、ガラクトシダーゼ、GlcNAc’ase、α-マンノシダーゼ及びα1-2マンノシダーゼを、各酵素に応じた適切な反応条件(例、上記の糖鎖化合物の作製で用いた反応条件)において、下記表5に記載される組合せで用いることにより、高マンノース型糖鎖から生成する天然糖鎖と同一構造を有する糖鎖化合物(例、表1参照)を作製する。
Gal:β−ガラクトシダーゼ;MII:α1−2マンノシダーゼ;M:マンノシダーゼ;GN:グルコシダーゼII;EM:エンドマンノシダーゼ
先ず、糖鎖の非還元末端側に各々独立に除去できる保護基が導入された複合型糖鎖を合成する。このような複合型糖鎖は、Seifert et al., Angewandte Chemie International Edition 39: 531-534 (2000) に記載される方法、及び当該分野において周知の方法を用いることにより、容易に合成できる。次いで、糖鎖の非還元末端側に各々独立に除去できる保護基が導入された複合型糖鎖化合物を、グリコシダーゼにより戦略的に切断することで、糖鎖ライブラリを構築する(図8)。複合型糖鎖化合物は、図9Aに示される糖残基間の結合様式を有し、図9Bに示されるグリコシダーゼ切断部位を有するので、これらのグリコシダーゼを適宜反応させることで、種々の糖鎖が生成される。
糖鎖の非還元末端側に各々独立に除去できる保護基が導入された、糖鎖ライブラリに必要な全ての構造を含む出発糖鎖化合物を調製することにより、グリコシダーゼの選択性に依存することなく、該出発糖鎖化合物を目的糖鎖化合物へと変換することが可能である。天然O結合型糖鎖は、図10Aに示されるCORE1〜8の構造を有し、図10Bに示されるグリコシダーゼ切断部位を有する。従って、図10Cに示されるような、糖鎖の非還元末端側に各々独立に除去できる保護基が導入されたO結合型糖鎖化合物を作製し、図10Dに示されるようにグリコシダーゼで選択的に切断することで、天然O結合型糖鎖と同一構造を有する糖鎖化合物を得ることができる。
また、糖鎖の非還元末端側に各々独立に除去できる保護基(糖残基)が導入された複数の種類のO結合型糖鎖化合物(O結合型糖鎖化合物の末端を保護する糖残基の組合せはそれぞれ異なる)を合成し、これらをアミノ酸(セリン又はスレオニン)の側鎖に結合させる。このように作製された、糖鎖化合物が結合したアミノ酸を、アミノ酸重合反応に供し、複数の種類のO結合型糖鎖化合物が結合した糖ペプチドを得る。糖鎖化合物が結合したアミノ酸の重合は、例えば、Nakahara et al., Tetrahedron Letter 35: 3321-3324 (1994) 記載の方法により行う。次いで、複数の種類のO結合型糖鎖化合物が結合した糖ペプチドを、グリコシダーゼにより選択的に切断することで、糖ペプチドライブラリを得る(図11)。
Claims (23)
- 保護された糖鎖化合物又はその塩であって、
下記式(I):
〔式中、R1、R2はそれぞれ、同一又は異なって、糖残基数1〜10の直線状の糖鎖であるか、又は糖残基数が1〜10である、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、
S1は任意の糖残基であり、
SA、SBは、同一又は異なる糖残基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SBの糖残基、及びR1、R2における該保護用糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される、糖鎖化合物又はその塩。 - 以下(a)〜(d)から選ばれる1以上の特徴を有する、請求項1記載の糖鎖化合物又はその塩:
(a)R1、R2が直線状の糖鎖であり、かつSA、SBが互いに異なる糖残基である;
(b)R1、R2の一方又は双方が、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、かつ保護用糖残基、及びSA、SBの糖残基がそれぞれ異なる;
(c)R1、R2が直線状の糖鎖であり、かつR1におけるSAと隣接する糖残基及びSAの糖残基が互いに異なり、R2におけるSBと隣接する糖残基及びSBの糖残基が互いに異なる;
(d)R1、R2の一方又は双方が、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、かつ保護用糖残基及びそれと隣接する糖残基が互いに異なり、R1におけるSAと隣接する糖残基及びSAの糖残基が互いに異なり、R2におけるSBと隣接する糖残基及びSBの糖残基が互いに異なる。 - 以下(a)〜(c)から選ばれる1以上の特徴を有する、請求項1記載の糖鎖化合物又はその塩:
(a)R1、R2が直線状の糖鎖であり、かつR1、R2が1種の糖残基から構成される;
(b)R1、R2の一方又は双方が、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、かつR1、R2が、保護用糖残基を除いて、1種の糖残基から構成される;
(c)R1におけるSAと隣接する糖残基、R2におけるSBと隣接する糖残基が、同一のエキソ型グリコシダーゼにより切断される。 - R1、R2における糖残基数がそれぞれ3〜8である、請求項1記載の糖鎖化合物又はその塩。
- R1、R2がそれぞれ、同一又は異なって、下記式(v3)、(v14)
〔式(v3)におけるS2〜S4、式(v14)におけるS2〜S6は任意の糖残基であり、式(v14)におけるST1は保護用糖残基である〕のいずれかである、請求項1記載の糖鎖化合物又はその塩。 - 式(I)におけるSA、SBの糖残基、式(v3)におけるS2〜S4の糖残基、式(v14)におけるS2〜S6、ST1の糖残基が、D−グルコース、D−マンノース、D−ガラクトース、D−キシロース、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセチル−D−ガラクトサミン、L−フコース及びシアル酸からなる群より選ばれる、請求項5記載の糖鎖化合物又はその塩。
- 保護された糖鎖化合物が、下記式(Ia):
〔式中、S1〜S9は、任意の糖残基であり、
SA、SB、SCは、同一又は異なる糖残基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SB、SCの糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される化合物である、請求項1記載の糖鎖化合物又はその塩。 - 保護された糖鎖化合物が、下記式(II)で表される化合物である、請求項1記載の糖鎖化合物又はその塩:
〔式中、ManはD−マンノースを示し、GlcNAcはN−アセチル−D−グルコサミンを示し、
SA、SB、SCは、同一又は異なる糖残基であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)GlcNAc中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)GlcNAc中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SB、SCの糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕。 - Man間、GlcNAc間及びManとGlcNAcとの間の全ての結合様式が、天然の高マンノース型糖鎖化合物と同一の結合様式である、請求項8記載の糖鎖化合物又はその塩。
- SA、SB、SCの糖残基がそれぞれ異なる糖残基である、請求項8記載の糖鎖化合物又はその塩。
- SAがD−グルコースである、請求項8記載の糖鎖化合物又はその塩。
- 2種以上の保護された糖鎖化合物又はその塩を含むライブラリであって、
該糖鎖化合物が、下記式(I)及び(I’):
〔式中、R1、R2、R1’、R2’はそれぞれ、同一又は異なって、糖残基数1〜10の直線状の糖鎖であるか、又は糖残基数が1〜10である、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、
S1、S1’は、同一の糖残基であり、
SA、SB、SA’、SB’はそれぞれ、同一又は異なる糖残基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1又はS1’の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1又はS1’の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SBの糖残基、及びR1、R2における該保護用糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断され、
SA’、SB’の糖残基、及びR1’、R2’における該保護用糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される、ライブラリ。 - R1、R1’が同一の糖鎖であり、R2、R2’が同一の糖鎖であり、かつSA、SA’が互いに異なる糖残基であり、SB、SB’が互いに異なる糖残基である、請求項12記載のライブラリ。
- 以下(a)又は(b)の特徴を有する、請求項12記載のライブラリ:
(a)R1、R2、R1’、R2’が直線状の糖鎖であり、かつSA、SA’、SB、SB’の糖残基がそれぞれ異なる;
(b)R1、R2、R1’、R2’のうち少なくとも1つが、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、かつ保護用糖残基、及びSA、SA’、SB、SB’の糖残基がそれぞれ異なる。 - 下記式(I’’):
〔式中、R1’’、R2’’はそれぞれ、同一又は異なって、糖残基数1〜10の直線状の糖鎖であるか、又は糖残基数が1〜10である、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、
S1’’は、S1、S1’と同一の糖残基であり、
SA’’は、SA、SA’と異なる糖残基であり、SB’’は、SB、SB’と異なる糖残基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1’’の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1’’の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA’’、SB’’の糖残基、及びR1’’、R2’’における該保護用糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される、保護された糖鎖化合物をさらに含む、請求項13記載のライブラリ。 - 糖鎖化合物の製造方法であって、
下記式(I):
〔式中、R1、R2はそれぞれ、同一又は異なって、糖残基数1〜10の直線状の糖鎖であるか、又は糖残基数が1〜10である、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、
S1は任意の糖残基であり、
SA、SBは、同一又は異なる糖残基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SBの糖残基、及びR1、R2における該保護用糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される、保護された糖鎖化合物又はその塩を、グリコシダーゼで処理して糖鎖化合物を得ることを含む、方法。 - 糖鎖化合物の製造方法であって、
2種以上の保護された糖鎖化合物又はその塩を含むライブラリを、グリコシダーゼで処理することを含み、
該糖鎖化合物が、下記式(I)及び(I’):
〔式中、R1、R2、R1’、R2’はそれぞれ、同一又は異なって、糖残基数1〜10の直線状の糖鎖であるか、又は糖残基数が1〜10である、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、
S1、S1’は、同一の糖残基であり、
SA、SB、SA’、SB’はそれぞれ、同一又は異なる糖残基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1又はS1’の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1又はS1’の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SBの糖残基、及びR1、R2における該保護用糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断され、
SA’、SB’の糖残基、及びR1’、R2’における該保護用糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される、方法。 - 天然に存在する糖鎖と同一構造を有する糖鎖の非還元末端に少なくとも1つの糖残基が導入されている、保護された糖鎖化合物を合成し、合成された糖鎖化合物をグリコシダーゼで処理して糖鎖化合物を得ることを含む、糖鎖化合物の製造方法。
- 糖鎖化合物又はその塩であって、
下記式(II):
〔式中、ManはD−マンノースを示し、GlcNAcはN−アセチル−D−グルコサミンを示し、
SA、SB、SCはそれぞれ、同一又は異なる糖残基であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)GlcNAc中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)GlcNAc中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SB、SCの糖残基はそれぞれ、異なるエキソ型グリコシダーゼにより切断される〕で表される、保護された高マンノース型糖鎖化合物を、グリコシダーゼにより分解することにより得られ、かつ
(a)SB、SCの糖残基の一方又は双方を保持する化合物;又は
(b)SAとして、α−D−グルコース以外の糖残基を保持する化合物。 - 下記式(IIa1)〜(IIa4)、(IIa8)、(IIb4)〜(IIb5)、(IIb14)のいずれかの糖鎖化合物又はその塩:
〔式中、ManはD−マンノースを示し、GlcNAcはN−アセチル−D−グルコサミンを示し、
Xは、(i)存在しないか、(ii)GlcNAc中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)GlcNAc中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示し、
SA、SB、SCの糖残基はそれぞれ異なって、D−グルコース、D−ガラクトース、D−キシロース、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセチル−D−ガラクトサミン、L-フコース、シアル酸からなる群より選ばれる糖残基である〕。 - 糖鎖化合物又はその塩であって、
下記式(IP):
〔式中、R1、R2はそれぞれ、同一又は異なって、糖残基数1〜10の直線状の糖鎖であるか、又は糖残基数が1〜10である、保護用糖残基を末端に有する分岐状の糖鎖であり、
S1は任意の糖残基であり、
PA、PBは、互いに異なるヒドロキシ保護基であり、
Lは、結合、又は糖残基数1〜5の直線状の糖鎖であり、
Xは、(i)存在しないか、(ii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基に結合しているヒドロキシル保護基、アミノ酸残基又は機能性物質を示すか、あるいは(iii)Lが存在する場合にはLを構成する還元末端側の糖残基中の任意のヒドロキシル基、又はLが存在しない場合にはS1の糖残基中の任意のヒドロキシル基がアミノ基に置換されている構造を示すか、あるいは置換された該アミノ基に結合しているアミノ保護基又は機能性物質を示す〕で表される、糖鎖化合物又はその塩。 - 請求項1記載の糖鎖化合物又はその塩、請求項12記載のライブラリあるいはそれらのグリコシダーゼ分解物又はその塩、あるいは請求項20記載の糖鎖化合物又はその塩を含む、試薬又はキット。
- 以下(a)及び(b)を含む、キット:
(a)請求項1記載の糖鎖化合物又はその塩、又は請求項12記載のライブラリ;
(b)1以上のグリコシダーゼ。
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