JP4219626B2 - 超音波断層画像生成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば超音波診断装置の血流表示を行うような画像表示装置等に関するものであり、特にBモード(断層像表示)表示を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断装置は被験体から反射された超音波信号から断層像を表示するものであって、特にリアルタイムで断層像を表示する方式をBモードと呼んでいる。
【0003】
Bモードにおいては、被験体の組織は良好に表示することができるが、血管を流れる血流を表示する場合、画像が不鮮明になってしまうという不具合があり、この不具合を解消するため、デジタル技術を用いた以下のような試みがなされている。図10はこの従来の超音波診断装置の血流表示方法を示す動作説明図である。これは http://www.gemedicalsystems.com/rad/us/education/msutut4.htmlに掲載されているBフローと呼ばれる手法である。
【0004】
以下、図10を参照して従来の超音波診断装置の動作を説明する。まずエンコーダ20から超音波ビームを発信する。人体2で反射された超音波(以下、エコーと呼ぶ)はデコーダ21で解読され、その後Bモードで表示される。
【0005】
ここで、図16に示すように、組織160より血流161は被験体の奥にあるので、入射する超音波ビーム162に対し、血流エコー163bと組織エコー163aとは時差を持って返って来るので、それぞれ識別できる。血流エコーは組織エコーに比べ微弱なので、この受信時に感度を上げる。反射エコーに時差が生じる理由は、組織エコーが血管壁からの反射、血流エコーが血管内の主に赤血球からの散乱によるためである。また、エンコーダ20、デコーダ21を用いるのは微弱な反射エコーを識別し、重ね合わせるためである。つまりエンコードしたパターンにあわせて、受信時に”1”の場合のタイミングの信号を加算し、これを受信エコーとみなす。なお、図16において、組織160の厚みに基づく反射エコーは、正確には組織表面と血流の境界面との2つであるが、簡単のため後者のみを示した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成では、血流エコーと組織エコーの時差により両者を識別しているので、これらが隣接する場合には分離できない。つまり血管壁付近の血流、あるいは細い血管での血流の表示が困難である。また血流エコーと組織エコーが隣接しているので、増幅度の調整が難しい。例えば、血流にあわせて増幅度を上げれば、全体が明るくなりすぎて、白っぽい画像になる可能性がある。
【0007】
要するに、従来の超音波断層画像の表示においては、Bモードで被験体全体の断層画像を生成しようとすると、血流の鮮明な画像を得ることができない。
【0008】
一方、ドップラー効果を用いて、受信した超音波信号から、組織の反射波と血流反射波との位相差を取り出し、これに基づいて血流部分の速度情報、すなわち流れの方向、強さの情報を算出し、流れの速度に応じたカラー画像を生成して、これをBモードにて得られた画像に重畳して表示することにて対応していた。この技術はカラーフローと呼ばれ、例えば基礎超音波医学(医師薬出版株式会社)P55-P57や、米国特許4,622,977に開示されている。
【0009】
しかしながら、このカラーフローには、自己相関演算、高速フーリエ変換などの複雑かつ、多大な演算量を要する専用の画像処理手段が必要となり、装置全体の複雑化、高コスト化を招くものとなっていた。また、カラーフローは、血流そのものを表示するわけでないので、得られた画像は臨場感に乏しい。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑み、簡易かつ安価な構成により、被験体の組織と血流とを確実に判別可能となるよう鮮明にBモード表示できる超音波断層画像表示装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の本発明は、超音波を被験体に送信する超音波送信手段と、
前記被験体から反射した超音波を受信して超音波信号とする超音波受信手段と、
前記超音波信号を、少なくとも3つの異なる周波数帯域毎に成分抽出するフィルタ手段と、
前記抽出された第1周波数帯域の超音波信号成分と、前記抽出された複数の第2周波数帯域の超音波信号成分とに基づき、前記被験体のBモード表示による超音波断層画像を生成する画像生成手段とを備え、
前記被験体は人体であり、
前記第1周波数帯域は、前記人体の組織のエコーの周波数帯域であって、前記送信時の周波数帯域を中心とするものであり、
前記第2周波数帯域は、前記人体内の血流のエコーの周波数帯域であって、前記第1周波数帯域より高い周波数帯域と、前記第1周波数帯域より低い周波数帯域とを有するものである、超音波断層画像生成装置である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(実施の形態1)
以下本発明の実施の形態1の血流画像生成方法について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1における血流画像生成方法の動作を模式的に説明するための図、図2は同実施の形態における帯域通過フィルタ手段の特性図、図3は同実施の形態におけるB(断層像表示)モードの表示イメージ図、図4はこの生成方法を実現する超音波診断装置の構成図である。
【0028】
これらの図において1は送信手段、2は人体、3a,3bは帯域通過フィルタ手段、4はBモード表示画面、5は血流、6は血管壁である。また10は超音波を送出・受信する送受信部、11はAD変換部、12は帯域通過フィルタ(BPF)部、13は検波部、14は増幅部、15は低域通過フィルタ(LPF)部、16は画像生成部、17は画像生成部16が生成した画像をフレーム単位で蓄積するフレームメモリ(FM)部、18は表示部である。
【0029】
図1により、本実施の形態による血流画像生成方法を説明する。まず送信手段1から中心周波数Fsの超音波ビームを発信する。これは人体2の内部の音響インピーダンスの変わる部分で反射する。人体2において、内臓や血管、骨格等の組織は静止物なので、ここからの反射波(組織エコーと呼ぶ)の中心周波数はFsのままである。
【0030】
一方、人体2内にて、血流は血管内を動いているので、ここからの反射波(血流エコーと呼ぶ)はドップラー偏移を受け、その中心周波数は送信波の中心周波数Fsとは異なるFbとなる。反射は主に赤血球からの散乱による。送信点より遠ざかる場合はFb<Fs,近づく場合はFb>Fsとなる。またFsとFbの差はドップラー偏移周波数と呼ばれる。
【0031】
反射波は組織エコーと血流エコーが混じった状態なので、次に帯域通過フィルタ手段3a,3bでこれらを分離する。図2は帯域通過フィルタ手段3a,3bの周波数特性である。帯域通過フィルタ手段3aはFs、帯域通過フィルタ手段3bはFbを中心とした周波数帯域のみ通過させる。これにより組織エコーと血流エコーが別々に取り出せるので、これらを合成してBモードで表示する。
【0032】
デジタル技術の進展により、帯域通過フィルタ手段3a,3bとして優れたカットオフ特性を有するフィルタが実現できるので、図3に示すようにBモード表示画面4上に組織である血管壁6と、血管壁6内を流れる血流5とが同時に表示される。
【0033】
このとき、反射波は組織エコーの中心周波数Fsおよび血流エコーの中心周波数Fbをそれぞれ中心とした帯域のみを通過しており、ノイズの原因となる他の周波数成分はカットされている。これにより、組織と血流とそれぞれを鮮明に表示することができる。
【0034】
次に図4により、前記血流画像生成方法を実現する超音波診断装置について説明する。
【0035】
送受信部10から超音波ビームを周波数Fsで発信し、図示しない人体からの組織エコーおよび血流エコーを受信する。組織エコーの中心周波数はFs、血流エコーの中心周波数はFbである。これら2種類のエコーを含むエコーをAD変換部11でデジタル信号に変換する。ここまでをフロントエンド部と呼ぶ。
【0036】
次に帯域通過フィルタ(BPF)部12で特定の周波数帯域のみを通過させる。ここで、帯域通過フィルタ(BPF)部12は帯域通過フィルタ手段3aおよび帯域通過フィルタ手段3bの二つのフィルタ手段を有し、帯域通過フィルタ手段3aは入力したエコーからFsを、また帯域通過フィルタ手段3bはFbを中心とした周波数帯域のみをそれぞれ通過させ、組織エコーと血流エコーとを独立して抽出する。
【0037】
帯域通過フィルタ手段3aを通過して得られた組織エコーと帯域通過フィルタ手段3bを通過して得られた血流エコーとは再び重ね合わせられて、検波部13に送り込み、ここで検波が行われる。エコーは振幅変調されたものとみなせるので、直交検波などにより包絡線を取り出す。
【0038】
次に増幅部14で、検波された信号を増幅する。超音波エコーのダイナミックレンジは極めて広いので、入出力関係がリニアでなく、対数になるような増幅を行い、特定の範囲に信号強度を収める。さらに低域通過フィルタ(LPF)部15により高周波成分を取り除く。ここではAD変換時のサンプリング周波数の1/2倍以下を通過させる。このBPF部12からLPF部15までを中間処理部と呼ぶ。
【0039】
続いて画像生成部16でモニタに表示可能な画像を生成する。中間処理部から受けたデータが極座標系の場合は直交座標への変換を行う。また画素が疎な部分では補間処理などを行う。生成後のデータをフレームメモリ(FM)部17に一時蓄積した後、表示部18にBモードで動画表示する。
【0040】
ここで、帯域通過フィルタ手段3bの中心周波数Fbの設定について説明を行う。設定は、マニュアルまたは自動にて行う。ドップラー偏移周波数を与える中心周波数Fbは、測定開始時では不明であるから、まず、帯域通過フィルタ手段の通過帯域をあらかじめ広めに設定して、全周波数帯域において超音波ビームの反射エコーの受信を行い、送信時の超音波ビームの中心周波数Fsを含む所定幅の周波数帯域において、所定のレベル以上の信号成分をスキャンする。このスキャン動作は、Bモード表示画面を見ながら行われ、上記信号成分を見つけたら、その信号成分がある周波数を中心周波数Fbとして定める。あるいはBモード表示画面を見ながら中心周波数Fbを動かし、血流が鮮明に表示されるように調整する。このスキャン動作は、利用者が直接Bモード表示画面をみることでマニュアル的に行ってもよいし、所定の解析手段を用いて、自動的に行わせるようにしてもよい。
【0041】
一方、自動の場合はドップラー偏移を自動的に計測して中心周波数Fbを設定する方法などが考えられる。すなわち、入力したエコーをフーリエ変換等の手法で周波数解析することにより、中心周波数Fsおよび中心周波数Fbに対応する超音波ビームの波形のピークを含むパワースペクトルを得ることができる。このパワースペクトルと既知である中心周波数Fsとに基づき、中心周波数Fbを算出することができる。
【0042】
いずれの場合もデジタル技術の進展により、フィルタの中心周波数、通過帯域を可変にすることは比較的容易に実現可能である。
【0043】
以上のように本実施の形態によれば、組織エコーと血流エコーを周波数領域で分離するため、これらを同時にBモードでリアルタイム表示する場合、組織と血流が物理的に近い位置にある場合でも識別可能となり、また鮮明に表示することができる。
【0044】
また、ドップラー効果を使用して血流部分の流れの方向、強さを算出し、流れの速度に応じたカラー画像を生成して、Bモードの画像に重畳する従来の方法は、カラー画像を得るのに自己相関演算、高速フーリエ変換などの複雑な処理が必要で、多大な演算量を要するが、これに比べ本実施の形態はドップラー効果を利用するが、Bモードのみを用いて組織、血流両方の画像を生成するので、計算量も少なくてすみ、低コストで実現できる。
【0045】
上記の実施の形態は、BPF部12において、帯域通過フィルタ手段3aおよび帯域通過フィルタ手段3bの二つのフィルタ手段でそれぞれ取り出した組織エコーおよび血流エコーを合波させ、検波部13にて合成波を検波したのち、バックエンド部にて組織、血流両方の動画像を得るようにしたものである。
【0046】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2の血流画像生成方法について、図面を参照しながら説明する。実施の形態1との差異を中心に説明する。図6は本発明の実施の形態2における血流画像生成方法の動作説明図、図7は同実施の形態における帯域通過フィルタ手段の特性図である。
【0047】
以上のような本実施の形態の動作は、次のようなものである。実施の形態1同様、まず送信手段1から中心周波数Fsの超音波ビームを発信し、中心周波数Fsの組織エコーと、中心周波数Fbの血流エコーが返ってくる。これら組織エコーと血流エコーは混じった状態なので、帯域通過フィルタ手段3cでこれらを分離する。図7に示す様に帯域通過フィルタ手段3cは、入力した信号から、本発明の第1通過帯域に相当する中心周波数Fsを中心とする帯域と、本発明の第2通過帯域に相当する中心周波数Fbを中心とする帯域の2つの帯域のみを通過させる。これにより組織エコーと血流エコーが独立して取り出せるので、これらを合成してBモードで表示する。
【0048】
帯域通過フィルタ手段3cは、第1通過帯域と第2通過帯域の2つの通過帯域を有する一個のフィルタであって、そのカットオフの特性は、一つの通過帯域を有する二つの帯域通過フィルタ手段3a、3bをBPF部12として用いた実施の形態1のものに比べ劣化するが、帯域通過フィルタ手段が1個で済むため、実現時の構成が簡易となる利点がある。
【0049】
ここで、図13に、本実施の形態の血流画像生成方法を用いた超音波診断装置の構成図を示す。図13において図4と同一部または相当部には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。また、BPF部12’は一個の帯域通過フィルタ手段3cを備えた点が異なる。この超音波診断装置は、上述した動作を行う帯域通過フィルタ手段3cを有するBPF部12’を除けば、実施の形態1と同様の動作を行う。
【0050】
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3の血流画像生成方法について、図面を参照しながら説明する。実施の形態1,2との差異を中心に説明する。図8は本発明の実施の形態3における帯域通過フィルタ手段の特性図、図9(a)(b)(c)はそれぞれ同実施の形態におけるタイミングチャート図である。また、図14は本発明の実施の形態2における血流画像生成方法の動作説明図である。
【0051】
血流画像生成方法の動作を、図14を参照して説明する。実施の形態2同様、まず送信手段1から中心周波数Fsの超音波ビームを人体2に発信すると、人体2からは、中心周波数Fsの組織エコーと、中心周波数Fbの血流エコーが返ってくる。これら組織エコーと血流エコーは混合波となった状態なので、2つの通過帯域を有する一個のフィルタである帯域通過フィルタ手段3dでこれらを時間的に分離する。すなわち、各エコーを同時ではなく、時間差をおいて抽出する。
【0052】
図8に示すように、帯域通過フィルタ手段3dは2種類のフィルタ特性a、bを有し、それらを時間により切り替えて、一度の動作においては、2種類のフィルタ特性のうち、いずれか一方だけを用いるようにする。フィルタ特性aは中心周波数Fsを中心とする帯域を、またフィルタ特性bは中心周波数Fbを中心とする帯域を通過させるもので、それぞれ組織エコー、血流エコーを通過させるために用いられる。
【0053】
フィルタ特性の切り替えは図9(a)(b)(c)に示す様に行う。図9(a)に示すように、送信手段1からは、一定時間毎に超音波信号(短い波)を送出する。すると人体2からは一定間隔でエコーが返ってくる。これは図9(b)に示すように、組織エコーと血流エコーが混在した混合波となる。
【0054】
これに対して順次フィルタ特性を特性a、特性b、特性b、特性bと、特性aと特性bとで1:3の比で切り替えて、前記の混合波を通過させる。特性aに切り替えられている時は組織エコー、特性bに切り替えられている時は血流エコーがそれぞれ選択的に通過されるので、上記の切り替え順序によって、入力された混合波からは、組織エコー、血流エコー、血流エコー、血流エコーの順に抽出が行われ、図9(c)に示すようなフィルタ通過後の波形が得られる。
【0055】
結局、組織エコーと血流エコーが時分割で取り出せるので、これらを合成してBモードで表示する。
【0056】
本実施の形態によれば、帯域通過フィルタ手段3dのカットオフの特性は実施の形態1と同様のものが得られる上、一個の帯域通過フィルタによって実現できるという利点もある。動画像を得る場合、組織エコーについては間欠的に受信することになるので、この部分のフレームレートが低下することになるが、組織は静止部なので得られた画像への悪影響は少ない。
【0057】
ここで図15に、本実施の形態の血流画像生成方法を用いた超音波診断装置の構成図を示す。図15において図4と同一部または相当部には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。また、BPF部12″は、上記の帯域通過フィルタ手段3dを有する。この超音波診断装置は、上述した動作を行う帯域通過フィルタ手段3cを有するBPF部12″を除けば、実施の形態1と同様の動作を行う。
【0058】
なお、上記の説明においては、フィルタ特性aとフィルタ特性bとの選択比率は1:3であるとして説明を行ったが、選択比率はこの数値に限定されるものではない。また、同率でもよい。ただし、動画表示の点からは、フィルタ特性bの選択回数のほうが多くなるような比であることが望ましい。
【0059】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4による超音波診断装置は、フロントエンド部は実施の形態1と同様であるが、中間処理部およびバックエンド部が2重化されており、血流エコーの画像と、組織エコーの画像とをそれぞれ独立して生成できるようにしたものである。
【0060】
図11は、本実施の形態の血流画像生成方法を実現する超音波診断装置の構成図である。図11において、図4と同一部または相当部には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。また、30は受信波から血流エコーと組織エコーとをそれぞれ抽出するBPF部、13aは組織エコーの検波を行う第1検波部、14aは検波された信号の増幅を行う第1増幅部、15aは高周波成分を取り除く低域通過フィルタ(LPF)部であって、さらに13bは血流エコーの検波を行う第2検波部、14bは検波された信号の増幅を行う第2増幅部、15bは高周波成分を取り除く低域通過フィルタ(LPF)部である。
【0061】
さらにBPF部30は、帯域通過フィルタ手段30aおよび帯域通過フィルタ手段30bの二つのフィルタ手段を有し、帯域通過フィルタ手段30aは入力したエコーからFs、また帯域通過フィルタ手段30bはFbを中心とした周波数帯域のみをそれぞれ通過させ、組織エコーと血流エコーとを独立してそれぞれ抽出する。ただし実施の形態1とは、帯域通過フィルタ手段30aが抽出した組織エコーはそのまま第1検波部13aへ出力され、帯域通過フィルタ手段30bが抽出した血流エコーはそのまま第2検波部13bへ出力される点が異なる。以上が本実施の形態の中間処理部を構成する。
【0062】
次に、16aは第1LPF部15aから出力された信号から画像を生成する第1画像生成部で、18aは第1画像生成部が生成した画像を表示する第1表示部である。また、16bは第2LPF部15bから出力された信号から画像を生成する第2画像生成部で、18bは第2画像生成部が生成した画像を表示する第2表示部である。以上が本実施の形態のバックエンド部を構成する。
【0063】
また、図5は同超音波診断装置の増幅部14a、14bの特性図である。
【0064】
以上のような構成を有する、本実施の形態による超音波診断装置の動作は、次のようなものである。送受信部10およびAD変換部11の動作は実施の形態1と同様である。
【0065】
次に帯域通過フィルタ(BPF)部30において、帯域通過フィルタ手段30aは入力したエコーからFsを中心とした周波数帯域のみを通過させ、組織エコーとして第1検波部13aへ出力する。また帯域通過フィルタ手段30bはFbを中心とした周波数帯域のみを通過させ、血流エコーとして第2検波部13aへ出力する。
【0066】
以下、組織エコー側を中心に説明を行う。帯域通過フィルタ手段30aにて抽出された組織検波部13aに送り込み、ここで検波が行われる。エコーは振幅変調されたものとみなせるので、直交検波などにより包絡線を取り出す。
【0067】
次に増幅部14aで、検波された信号を増幅する。超音波エコーのダイナミックレンジは極めて広いので、入出力関係がリニアでなく、対数になるような増幅を行い、特定の範囲に信号強度を収める。さらに低域通過フィルタ(LPF)部15aにより高周波成分を取り除く。ここではAD変換時のサンプリング周波数の1/2倍以下を通過させる。
【0068】
続いて第1画像生成部16aでモニタに表示可能な画像を生成する。中間処理部から受けたデータが極座標系の場合は直交座標への変換を行う。また画素が疎な部分では補間処理などを行う。最後に、第1表示部18aに生成した画像を表示する。
【0069】
以上の動作により、人体の組織部だけの超音波断層画像を得ることができる。
【0070】
また、血流エコー側については、第2検波部13bが第1検波部13aに、第2増幅部14bが第1増幅部14aに、第2LPF部15bが第1LPF部15aに、第2画像生成部16bが第1画像生成部16aに、第2表示部18bが第1表示部18aにそれぞれ対応した動作を行うことにより、人体の血流の超音波断層画像を得ることができる。ここで増幅部14aと14bとは同じ特性でもよいが、図5に示す特性のほうがより望ましい。すなわち、血流エコーの場合、入力が小さな範囲では、組織エコーより増幅度を上げるようにする。血流エコーのほうが組織エコーより弱いので、血流エコー側の増幅度を上げることにより、血流エコーが強調された画像を得ることができる。
【0071】
上記の動作においては、組織部の超音波断層画像と血流の超音波断層画像とが独立した静止画として得ることができ、血流と組織との識別が容易になる。
【0072】
なお、本実施の形態は、図12に示すような構成として実現してもよい。図12に示す構成例は、第1画像生成部16aが生成した人体の組織部の超音波断層画像と、第2画像生成部16bが生成した人体の血流の超音波断層画像とを画像合成部31にて合成し、一枚の合成画像として得るようにしたものである。得られた合成画像は、実施の形態1と同様に、フレームメモリ(FM)部17に一時蓄積した後、表示部18にBモードで動画表示する。
【0073】
この構成例では、実施の形態1のように、組織と血流とを同時にリアルタイム表示できるが、第1画像生成部16a、第1画像生成部16bにおいて、組織と血流の各画像を独立して生成するようにした点が異なる。これにより、各画像において、輪郭強調、輝度強調等の画像処理を行い、合成して得られた動画像において、人体における組織と血流との際をより明確にして表示できるという効果がある。このとき、第1画像生成部16aにて生成した組織の画像を画像処理して、第2画像生成部16bにて生成した血流の画像は画像処理しないようにしてもよいし、その逆でもよい。また、第1画像生成部16aが生成した画像と第2画像生成部16bで生成した画像の両方を画像処理するようにしてもよい。
【0074】
なお、図12に示す構成例は、フレームメモリ17を備え、動画表示を行うものとして説明を行ったが、フレームメモリ17は省略し、合成画像を静止画として得るようにしてもよい。
【0075】
また、本実施の形態においては、図11,図12に示す構成例のいずれにおいても、BPF部30は実施の形態1と同様、帯域通過フィルタ手段30aと帯域通過フィルタ手段30bの2つの帯域通過フィルタ手段を備えたものとして説明を行ったが、BPF部30は、実施の形態2の帯域通過フィルタ手段3cや実施の形態3の帯域通過フィルタ手段3dと同様の構成にて実現してもよい。
【0076】
なお、上記の各実施の形態において、送受信部1は本発明の超音波送信手段および超音波受信手段に相当する。また、BPF部12,12’、12″、30は本発明のフィルタ手段に相当する。また、中間処理部および画像生成部16,第1画像生成部16a、第2画像生成部16bは本発明の画像生成手段に相当する。また、画像合成部31は本発明の画像処理手段および画像合成手段に相当する。また、帯域通過フィルタ手段3aは本発明の第1サブフィルタに相当し、帯域通過フィルタ手段3bは本発明の第2サブフィルタに相当する。また、帯域通過フィルタ手段3cおよび3dは本発明のフィルタ手段に相当する。また、組織エコーを通過させる帯域は本発明の第1周波数帯域に相当し、血流エコーを通過させる帯域は本発明の第2周波数帯域に相当する。
【0077】
また、人体2、人体内の組織および血流は本発明の被験体に相当し、血流は本発明のドップラー偏移を与える動きを有する被験体に相当する。
【0078】
また、上記の各実施の形態においては、帯域通過フィルタ手段は、第1のサブフィルタに相当する帯域通過フィルタ手段3aおよび第2のサブフィルタに相当する帯域通過フィルタ手段3bの2つであるとして説明を行ったが、本発明の第2サブフィルタは、2つ以上であってもよく、これら複数の第2フィルタが、第2周波数帯域として、第1の周波数帯域より高い周波数帯域および第1の周波数帯域より低い周波数帯域のそれぞれにおいて、エコーを通過させるようにしてもよい。この場合、人体内の組織から遠ざかる血流と近づく血流とをそれぞれ同時に表示することができ、被験体における乱流、逆流の観察が可能となる。なお、複数の第2周波数帯域は、第1の周波数帯域より高い周波数帯域のみから構成されていてもよいし、第1の周波数帯域より低い周波数帯域のみから構成されていてもよいことは言うまでもない。
【0079】
また、帯域通過手段フィルタ3cが、上記の第2のサブフィルタと同様、複数の第2周波数帯域を備えた構成としてもよく、帯域通過手段フィルタ3dのフィルタ特性が、上記の第2のサブフィルタと同様、複数の第2周波数帯域に対応した備えた構成としてもよい。
【0080】
また、本発明のドップラー偏移を与える動きを有する被験体は血流に限定するものではなく、人体内に存在する、リンパ球などの体液の流れであってもよい。また、被験体は人体に限定するものではなく、配管部を有する機械と、その配管内を通過する流体などであってもよい。したがって、本発明は人体の血流表示や超音波診断に限定されるものではなく、製品検査等に用いるようにしてもよい。
【0081】
【発明の効果】
以上のように本発明は、Bモードを用いた超音波断層画像において、被験体の静止部分と動きを有する部分とを同時にかつ鮮明に動画表示することができる。
【0082】
また、本発明は、Bモードを用いた超音波断層画像において、被験体の静止部分と動きを有する部分とを容易に識別して示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における血流画像生成方法の動作説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1における帯域通過フィルタ手段の特性図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるB(断層像表示)モードの表示イメージ図である。
【図4】本発明の実施の形態1の血流画像生成方法を実現する超音波診断装置の構成図である。
【図5】本発明の実施の形態4における増幅部14a、14bの特性図である。
【図6】本発明の実施の形態2における血流画像生成方法の動作説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2における帯域通過フィルタ手段3cの特性図である。
【図8】本発明の実施の形態3における帯域通過フィルタ手段3dの特性図である。
【図9】(a)本発明の実施の形態3における帯域通過フィルタ手段3dのフィルタ特性の選択切り替えを示すタイミングチャート(送波側)図である。
(b)本発明の実施の形態3における帯域通過フィルタ手段3dのフィルタ特性の選択切り替えを示すタイミングチャート(受波側)図である。
(c)本発明の実施の形態3における帯域通過フィルタ手段3dのフィルタ特性の選択切り替えを示すタイミングチャート(フィルタ通過後)図である。
【図10】従来の技術による超音波診断装置の血流表示方法を示す動作説明図である。
【図11】本発明の実施の形態4における超音波診断装置の構成図である。
【図12】本発明の実施の形態4における超音波診断装置の他の構成例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態2における超音波診断装置の構成図である。
【図14】本発明の実施の形態3における血流画像生成方法の動作説明図である。
【図15】本発明の実施の形態3における超音波診断装置の構成図である。
【図16】従来の技術による超音波診断装置の血流表示方法を示すための説明図である。
【符号の説明】
1 送信手段
2 人体
3a,3b 帯域通過フィルタ手段
4 Bモード表示画面
5 血流
6 血管壁
10 送受信部
11 AD変換部
12 帯域通過フィルタ(BPF)部
13 検波部
14 増幅部
15 低域通過フィルタ(LPF)部
16 画像生成部
17 フレームメモリ(FM)部
18 表示部
20 エンコーダ
21 デコーダ
Claims (1)
- 超音波を被験体に送信する超音波送信手段と、
前記被験体から反射した超音波を受信して超音波信号とする超音波受信手段と、
前記超音波信号を、少なくとも3つの異なる周波数帯域毎に成分抽出するフィルタ手段と、
前記抽出された第1周波数帯域の超音波信号成分と、前記抽出された複数の第2周波数帯域の超音波信号成分とに基づき、前記被験体のBモード表示による超音波断層画像を生成する画像生成手段とを備え、
前記被験体は人体であり、
前記第1周波数帯域は、前記人体の組織のエコーの周波数帯域であって、前記送信時の周波数帯域を中心とするものであり、
前記第2周波数帯域は、前記人体内の血流のエコーの周波数帯域であって、前記第1周波数帯域より高い周波数帯域と、前記第1周波数帯域より低い周波数帯域とを有するものである、超音波断層画像生成装置。
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