JPH11125549A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JPH11125549A
JPH11125549A JP9289309A JP28930997A JPH11125549A JP H11125549 A JPH11125549 A JP H11125549A JP 9289309 A JP9289309 A JP 9289309A JP 28930997 A JP28930997 A JP 28930997A JP H11125549 A JPH11125549 A JP H11125549A
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JP
Japan
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image
speckle
signal
diagnostic apparatus
flow
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JP9289309A
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English (en)
Inventor
Hironori Suzaki
寛則 須崎
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Furuno Electric Co Ltd
Original Assignee
Furuno Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血管内の血流や心臓壁のような組織の動きを
表現する画像を、組織状態を空間的な位置に表現する基
本画像に対して、動きが前記空間的な位置に正確に対応
するものにして形成することができる超音波診断装置を
提供する。 【解決手段】 被検体内の測定対象から反射されるエコ
ー信号のうち、運動物体により散乱されて形成されるス
ペックルパターンの信号部分を強調するスペックル強調
手段22と、前記エコー信号に基づいて被検体内の状態
を二次元的に表示すると共に、前記スペックルパターン
を表示する表示手段1とを備える構成にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の微小球を含
む血流等の流れのような被検体内の測定対象の運動を超
音波を用いて診断する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】密閉通路を微小球体を含んで流れる流
体、例えば、血管中を流れる血液の超音波を用いた観測
は、主に以下のようにして行われていた。血流を測定し
ようとする人体の特定の部位に向けて超音波を照射し、
照射部位の組織に応じた強さに反射される超音波のエコ
ー信号を受信し、このエコー信号に対する各種の信号処
理を施すことによって、血管を含む人体の各部位との対
応付けが可能に色彩表現される画像や、血液の流速や方
向に対応して色彩表現される画像を得る。そして、これ
らの画像により、血管中の特定部位における血液の流速
や方向を判別することが行われていた。ここで、前記血
液の流速等を判別するための画像を形成する処理の具体
例について、その概略を以下に説明する。
【0003】超音波が照射された各部位に対する前記エ
コー信号の強さの二次元的即ち空間的な分布が求めら
れ、一般にBモード画像と呼ばれるエコー信号の強さの
空間分布に応じて変化する白黒の濃淡からなる基本色画
像が形成される。このBモード画像における白黒の濃淡
は、エコー信号の強さが超音波の照射された部位の組織
状態を反映して得られることから、血管中の各部位の位
置関係を視覚的に把握することが可能なものに形成され
ることになる。
【0004】また、観測されるエコー信号の周波数につ
いて、照射された超音波の周波数に対する変移であるド
ップラーシフトが求められる。そして、求められた血液
中の各部位のドップラーシフトに基づいて、血管中の各
部位の血液の流速と方向とが求められ、一般にカラーフ
ロー画像と呼ばれる血管中の各部位の血液の流速や方向
に応じて変化する色彩や濃淡からなる画像が形成され
る。そして、前記Bモード画像とカラーフロー画像を重
畳して表示することにより、血管中の各部位の血液の流
速と方向とを視覚的に確認することが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記カラー
フロー画像により表現される血液の流速等は、上記で説
明したように、前記エコー信号のドップラーシフトに基
づいて求められるものである。そのため、血液の流れる
方向と照射される超音波の伝搬方向とが直角をなす場合
には、前記ドップラーシフトを得ることができないの
で、血液の流速等を求めることができない。また、前記
Bモード画像がエコー信号の強さの空間分布のみによっ
て形成され得るのに対して、カラーフロー画像は、観測
されたエコー信号より前記ドップラーシフトを求める演
算処理と、該ドップラーシフトより流速と流れの方向を
求める演算処理とが行われた後に形成されるものであ
る。そのため、Bモード画像用のエコー信号とカラーフ
ロー画像用のエコー信号は別個のものになり、時間をず
らして受送信する。通常一回のBモード用の送信、次に
通常複数回例えば8回の送信を連続して行うカラーフロ
ー用の送信というように繰り返す。Bモード用の送信と
カラーフロー用の送信の回数が異なるということは、B
モード画像とカラーフロー画像との間に時間的なズレを
発生させる。人体は常に運動しているため、時間のズレ
により人体構造の位置が微妙に変化する。また、特にカ
ラーフロー用の送信は、前のBモード送信のエコーの影
響を受けないように異なる方向に送信する。これによっ
て、時間のズレに加えて位置のズレも発生して加算され
る。従って、前記Bモード画像とカラーフロー画像を重
畳して表示される画像において、血液の流速等と血管中
の各部位とが時間と位置に関して正確に対応していると
限らず、血管中の各部位における血液の流速等に関する
正確な情報を得ることができない。
【0006】また、前記Bモード画像はエコー信号が受
信されると比較的に速やかに形成されるので、血液の流
速等の情報を表す画像についても、できるだけ速やかに
形成されるのが、血液の流れを観測する観点から望まし
い。
【0007】そこで、本発明は、血液等の流体の流速等
に関する組織情報を表現する画像を、形状に関する空間
的な位置を表現する基本色画像に対して、動きに関する
空間的な位置が正確に対応するものに形成することがで
き、かつ、速やかに形成することのできる超音波診断装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明にかかる請求項1記載の発明は、所定の密閉
通路内を流れ多数の小球を含んでなる流体と前記密閉通
路とからなる測定対象に超音波を放射する超音波放射手
段と、前記測定対象から反射された超音波の反射信号を
受信する受信手段と、前記測定対象の時間とともに変化
する状態を前記超音波の反射信号に基づく色分布として
表した色画像を表示する画像表示手段とを備える超音波
診断装置であって、前記反射信号のうち前記小球により
散乱されて形成されるスペックルパターンの信号部分を
強調するスペックル強調手段を備え、前記画像表示手段
は、前記反射信号の強さをそのまま色分布として表した
基本色画像と、前記スペックル強調手段により強調され
たスペックルパターンをそのまま色分布として表したス
ペックル画像とを重畳させて表示できるように構成され
る超音波診断装置である。
【0009】前記受信手段により受信される超音波の反
射信号はエコー信号と一般に呼ばれるが、このエコー信
号には、流体中に存在する小球により散乱される超音波
の干渉模様として形成されるスペックルパターンが含ま
れる。従来においては、エコー信号に対する演算処理に
より流体の各種の物理量を視覚的に把握できるように流
体の流速等を表す色画像を形成する場合に、このスペッ
クルパターンは、画像により本来表現したい情報に対す
るノイズ成分として除去するように処理されていた。
【0010】ところが、このスッペクルパターンを形成
する前記小球は流体中に介在して流体とともに移動する
ので、スペックルパターンの動きを鮮明に表示できる
と、時間とともに変化する流体の流れの状況を視覚的に
把握することができ、流体に関する流速等の情報の把握
に寄与しうることが判った。一方、流体の流速等を表す
画像を形成するにあたり、照射した超音波の周波数に対
する前記エコー信号の周波数の変移であるドップラーシ
フトを求め、該ドップラーシフトに基づく自己相関演算
等により求められた流速値や流れの方向に応じて、色彩
やその濃淡を変化させた画像を形成することが従来より
行われている。
【0011】しかし、ドップラーシフトの観測に基づい
て流速等を表す画像を形成しようとすると、流体の流れ
の方向と超音波が照射される方向とが直角をなす場合に
は、前記エコー信号中にドップラーシフトを生成させる
ことができず、流速等の情報を欠落する部分を生じると
いう制約がある。また、前記ドップラーシフトから流速
等を求めるためのエコー信号に対する演算処理は、複数
回の送受信を要する。そのため、流速等を表す画像の形
成を事象に応じてリアルタイムに実行することができな
い。また、プローブが相対的に移動する手振れ等による
カラーフラッシュが発生する。更に、ドップラーシフト
に基づいて形成された画像における流速の表現によって
は、測定対象の位置と流速との関係を正確に把握するこ
とができない。これは、以下の理由による。
【0012】エコー信号の強度がそのまま色分布として
表わされる前記基本色画像は、一般にBモード画像と呼
ばれ、該画像により測定対象の空間的な位置関係を把握
できるので、流速等の位置関係を視覚的に把握できるよ
うに、流速等を表す画像をBモード画像に重畳して表示
することが従来より行われる。そして、流速等を表す画
像を形成するためのエコー信号と、Bモード画像を形成
するためのエコー信号とを時間的、空間的に一致させる
ことができないので、前記Bモード画像と流速等を表す
画像とを重畳して表示される画像において、Bモード画
像より特定される位置と、流速等を表す画像における位
置とが正確に対応していると限らず、測定対象における
各位置の流れに関する情報を正確に得ることができな
い。
【0013】一方、前記のスペックルパターンは、前記
Bモード画像の形成に用いられるエコー信号にそのまま
含まれるので、Bモード画像により表される測定対象の
位置関係にそのまま正確に対応するのであり、また、ド
ップラーシフトに基づいて流速等を表す画像を形成する
がごとき複数の送受信データを基に演算を行うための計
測時間を要するということがなく、その画像を速やかに
形成することができる。従って、Bモード画像に含まれ
るスペックルパターンを強調して表示することにより、
時間とともに変化する流れの情報を、空間的に正確な位
置関係により、また、実時間で得ることができる。
【0014】また、エコー信号のドップラーシフトに基
づく自己相関演算等により流速等を求めて画像を形成す
る場合には、計測された個々のエコー信号のパルスの間
での演算が必要となることがあり、かかる場合には、エ
コー信号の各パルス単位の観測が必要となる乱流の発生
状況等を表現する画像を生成することができない。しか
し、スペックルパターンに基づき画像を形成する場合に
は、前記自己相関等の演算処理が不要であり、計測され
た個々のエコー信号の各パルス単位に流れの状況を表す
画像を生成することが可能であるので、乱流の発生状況
のごとき短時間内の観測と信号処理とが要求される流れ
の現象をも表現することが可能である。さらに、ドップ
ラーシフトに基づいて流速を計測する場合等と異なり、
測定対象に送信する超音波の波数を多くしなくとも、有
為なエコー信号を得ることができ、計測における空間分
解能を高めることができる。これにより、スペックルパ
ターンを表示する画像についても、空間分解能の高いも
のを形成することができる。
【0015】請求項2記載の発明は、前記画像表示手段
による基本色画像に対するスペックル画像の重畳が、ス
ペックル画像のうちのー部のみを選択して重畳するよう
に構成される請求項1記載の超音波診断装置である。こ
れにより、空間的に広がりを持って運動している流体の
うち、特に観察する必要のある部位のみを抽出して表示
することができる。
【0016】請求項3記載の発明は、前記スペックル強
調手段は、前記スペックルパターンの信号部分に所定の
利得を付与するように構成される請求項1又は請求項2
記載の超音波診断装置である。これにより、前記受信手
段を前記基本色画像の形成に適するように設定しつつ、
スペックル画像を形成することができる。また、受信手
段の煩雑な調整を要せずして、基本色画像とスペックル
画像とを得ることができる。
【0017】請求項4記載の発明は、記密閉通路が血管
であり、前記流体が血液であり、前記小球が赤血球であ
ることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のいずれ
かの超音波診断装置である。これにより、血管の各部位
における血液の流れに関する情報を、ドップラーシフト
の観測等に基づいて血液の流れに関する情報を得ていた
従来の診断装置に比べると、極めて正確かつ迅速に把握
することができる。従って、血管の各部位における血液
の流れに関する正確な情報に基づくことが不可欠とさ
れ、従来の診断装置によっては限界があるとされた癌の
予知の診断等にも貢献することができる。
【0018】請求項5記載の発明は、被検体内に音波信
号を送信する送信手段と、被検体内の測定対象から反射
されたエコー信号を受信する受信手段と、前記測定対象
の時間とともに変化する状態を前記エコー信号に基づい
て表示する表示手段とを具備する超音波診断装置であっ
て、前記反射信号のうち運動物体により散乱されて形成
されるスペックルパターンの信号部分を強調するスペッ
クル強調手段とを備え、前記表示手段は、前記エコー信
号に基づいて被検体内の状態を二次元的に表示すると共
に、前記スペックルパターンを表示することを特徴とす
る超音波診断装置である。請求項6記載の発明は、前記
スペックル強調手段が、血管内の赤血球より散乱されて
形成されるスペックルパターンの信号部分を強調するこ
とを特徴とする請求項5記載の超音波診断装置であり、
請求項7記載の発明は、前記スペックル強調手段が、心
臓壁等の組織により散乱されて形成されるスペックルパ
ターンの信号部分を強調することを特徴とする請求項5
記載の超音波診断装置である。
【0019】請求項8記載の発明は、被検体内に音波信
号を送信する送信手段と、被検体内の測定対象から反射
されたエコー信号を受信する受信手段と、前記測定対象
の時間とともに変化する状態を前記エコー信号に基づい
て表示する表示手段とを具備する超音波診断装置であっ
て、前記反射信号のうち運動物体により散乱されて形成
されるスペックルパターンの信号部分を強調するスペッ
クル強調手段と、前記エコー信号に基づいて被検体内の
状態を二次元的に表示する画像と、前記スペックルパタ
ーンに基づくスペックル画像とに半透明処理を施して合
成画像とする半透明化処理手段とを備え、前記表示手段
は、前記半透明化処理手段が施された前記合成画像を表
示することを特徴とする。ここで、被検体内の状態を二
次元的に表示する前記画像としては、Bモード画像のみ
ならず、カラーフロー画像、スペクトルドプラ画像又は
これらの組み合わせ画像がある。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1乃至図3に基づいて説明する。図1は、流体の例とし
ての血液の流れである血流を超音波により計測し、その
計測結果に基づいて色画像を形成して、血流を視覚的に
把握できるようにした超音波診断装置について、その信
号処理系のブロック構成を示している。本発明にかかる
超音波診断装置は、画像表示部1と画像生成部2と超音
波送受信部3とを備えて構成される。
【0021】超音波送受信部3は、被検体内の測定対象
である血管5に対して超音波を送信し、被検体内の測定
対象である血管5中の血管壁や血液によって反射された
超音波の信号であるエコー信号を受信するための送信手
段や受信手段を構成する。このエコー信号には、移動す
る血液等により反射されることによって、その周波数が
送信された超音波の周波数に対してドップラーシフトを
生じている成分が含まれており、また、エコー信号のう
ち赤血球により形成される超音波の干渉模様であるスペ
ックルパターンも含まれている。なお、測定の対象であ
る血管5は、その径が、μ単位〜数cmである。また、
血流中においてエコー信号にスペックルパターンを形成
させる赤血球は、粒径が5〜10μm程度であり、血流
とともに数mm/s〜数m/sの速度で移動している。
【0022】送受信器11はー方向に列設される多数の
振動子を備えており、この振動子により血管5に対して
超音波が送信され、また、血管5からのエコー信号が受
信される。ここに示す例においては、送受信器11は、
振動子が曲線状に配列されて構成される、一般にカーブ
ドアレイと称されるものを用いている。このカーブドア
レイ式の送受信器を用いると、送受信器の大きさに対し
て広範囲に測定を行えるという利点がある。
【0023】送受信器11より超音波を送信する場合に
あっては、発振器12より送出される所定の発振周波数
0 からなる基本信号が、ディレイユニット13により
各振動子毎に時間的に遅延して伝送され、各振動子毎に
順次に異なる位相で入力されることになる。このディレ
イユニット13による各振動子に対する時間的な遅延の
与え方により、各振動子より送信される超音波間の干渉
が強く形成される方向、即ち、測定対象4に対する超音
波の送信伝送線が決まる。パルサー15は、ディレイユ
ニット13より出力された信号を、所定の波数からなる
パルスとして切り出し、送受信器11の各振動子へと伝
送する。
【0024】送受信器11により超音波を受信する場合
にあっては、送受信器11の各振動子毎に受信されたエ
コー信号は、各振動子毎にプリアンプ14により増幅さ
れ、ディレイユニット13へと入力される。そして、デ
ィレイユニット13により各振動子の信号毎に時間的な
遅延が与えられ、各振動子の信号毎に順次に異なる位相
で加算器16へと出力され、かかる遅延を受けた各振動
子の信号が加算器16で加え合わされて合成されること
によりエコー信号からなる受信信号が形成される。この
ディレイユニット13による各振動子に対する時間的な
遅延の与え方により、送受信器11により受信される超
音波の径路、即ち、受信されるエコー信号が血管5より
伝送される径路である受信伝送線が決まる。
【0025】画像表示部1は、周知のCRT(Cath
ode Ray Tube)により構成され、測定対象
を時間とともに変化する状態をエコー信号に基づいて表
示する表示手段を構成している。そして、画像生成部2
より出力される色画像データーに基づいてCRTの走査
線の動きが制御され、前記エコー信号に基づいて被検体
内の状態を二次元的に表示する。具体的には、以下に説
明する各種の画像が表示されるようになっている。画像
表示部1には、以下に順番に定義されるような、Bモー
ド画像31と、Mモードドプラー画像32と、スペクト
ルドプラー画像33と、カラーフロー画像34と、血流
をスペックルを用いて表示するスペックルフロー画像3
5とが表示されるようになっている。
【0026】Bモード画像31は、前記受信信号の強度
が白黒の濃淡からなる色画像として形成されるものであ
り、血管5からのエコー信号の強度の空間的な分布を表
現するものである。血管5の各部位より生ずるエコー信
号の強度はそれら各部位の物質密度により決まるので、
Bモード画像31中の白黒の濃淡により表現されている
各部位と、血管5中の各部位との対応関係を明白に求め
ることができる。
【0027】Mモードドプラー画像32は、血管5中の
前記受信伝送線上における特定の部位についてのエコー
信号の強度が時間的に変化する状況を表示している。こ
のエコー信号を観測する血管5中の特定の部位の設定
は、受信されたエコー信号のうち、血管5中の特定の部
位より生じたエコー信号のみを信号処理することにより
行われる。この血管5中の特定の部位より生じたエコー
信号の選別は、エコー信号を受信するまでに超音波が送
信されてから経過した時間を求めることにより、該時間
と血管5中のエコー信号を生じた部位までの距離との対
応に基づき選別することができる。
【0028】スペクトルドプラー画像33は、血管5中
の特定の部位より生じたエコー信号のドプラーシフトの
シフト周波数のスペクトル分布を表す画像が表示され
る。ここで、シフト周波数のスペクトル分布の観測が行
われる血管5中の特定の部位の設定は、観測したい部位
に対応する前記受信伝送線上の位置にゲートを設けるこ
とに相当する操作を、受信されたエコー信号に施すこと
により行われる。そのため、このスペクトルドプラー画
像33にあっては、血管5中の着目している特定の部位
のドップラーシフトのシフト周波数のスペクトル分布を
極めて高い精度で表示することができる。
【0029】カラーフロー画像34は、血管5中の各部
位の血流の流速値と方向とを表す色画像が表示されてい
る。そして、流速値や方向を表現するにあたって、送受
信器11に近づく方向の流れが例えば赤色で表現され、
送受信器11より遠ざかる方向の流れが例えば青色で表
示される。また、これらの色彩の濃淡により流速の大小
が表現される。
【0030】スペックルフロー画像35は、時間ととも
に移動するスペックルパターンの空間的な分布が表示さ
れている。ここに表示されるスペックルパターンは、血
管5中に分布しつつ血流とともに移動する赤血球により
反射されたエコー信号の干渉模様として形成されるもの
である。従って、該スペックルパターンを動的に表示す
ることにより、血管5中の各部位における血流の状態を
視覚的に把握することができる。
【0031】このスペックルフロー画像35は、加算器
16に得られる受信信号に基づいて、その信号の強度を
白黒の色彩からなる濃淡により表す処理のみによって形
成される。そのため、スペックルフロー画像35は、カ
ラーフロー画像34を形成する場合のようにエコー信号
のドップラーシフトに基づく自己相関等の演算処理を行
う必要がなく、受信信号の強度から速やかに血流の流速
を表現する画像を形成することができる。また、スペッ
クルフロー画像35によると、乱流の発生状況等を表示
することも可能である。
【0032】ここで、画像表示部1に表示させ得る上記
の各画像のうち、Bモード画像31と、流速等を表現す
るスペックルフロー画像35やカラーフロー画像34を
重畳して表示することにより、Bモード画像31に表現
されている血管5中の各部位とスペックルフロー画像3
5等に表現されている血液の流速等の分布とを対応付け
ることができるので、血管5中の各部位における流速や
方向等を把握することができる。ここで、上記の複数の
種類の画像のうち、いずれの画像を重畳して表示するか
は、操作部4の操作により、重畳して表示する画像の種
類を選択できるようになっている。
【0033】画像生成部2は、超音波送受信部3に形成
された受信信号に基づいて、前記画像表示部1に表示さ
れる各画像の形成に必要な色画像データーの生成を行
う。画像生成部2は、B画像検波部21と、スペックル
強調回路22と、カラーフロー部23と、スペクトルド
プラー部26とを備えて構成される。B画像検波部21
は、Bモード画像31を形成するために必要な受信信号
の強度を加算器16より検出する。スペックル強調回路
22は、加算器16に形成される受信信号のうち、スペ
ックルパターンの部分のみを選択的に強調することを行
うスペックル強調手段を構成している。エコー信号全体
の強度に対してスペックルパターンに相当する部分の強
度は小さいので、スペックルパターンの部分を選択的に
強調することにより、スペックルフロー画像35におけ
るスペックルパターンの表示を視覚的に鮮明にすること
ができる。
【0034】図2は、このスペックル強調回路22の内
部の構成のー例を示している。図2に示されるスペック
ル強調回路22にあっては、加算器16に形成された受
信信号が出力される二つのディジタルフィルタ41、4
2と、ディジタルフィルタ41、42の出力が加算され
る加算器43と、階調補正部44とを備えて構成されて
いる。ディジタルフィルタ41、42は、加算器16に
形成される受信信号のうち、スペックルフロー画像35
として表示しようとするスペックルパターンの部分の選
別を行う。即ち、血管5より反射されたエコー信号のう
ち、スペックルパターンに相当する部分の抽出を行うの
である。この例におけるディジタルフィルタ41、42
にあっては、さらに、スペックルパターンを構成する個
々の模様の粒径による選別が行われるように構成されて
おり、ディジタルフィルタ41により大粒径からなる部
分が選別され、ディジタルフィルタ42により小粒径か
らなる部分が選別される。
【0035】ディジタルフィルタ41、42によるスペ
ックルパターンの粒径の選別は、プロセッサ45による
演算結果に基づいてディジタルフィルタ41、42を制
御することによって行われるようになっている。ディジ
タルフィルタ41、42は、プロセッサ45により、そ
れぞれ中心周波数や信号帯域幅が制御される。プロセッ
サ45は、例えば、スペックルパターンの強度が変化す
る空間的な周期の長さに基づいて選別する演算を行う。
この空間的な周期の長さは、スペックルの粒径により異
なっている。プロセッサ45による演算結果に基づいて
ディジタルフィルタ41、42を制御する。また、ディ
ジタルフィルタ41、42において、該フィルタに選別
されたスペックルパターンに相当する信号の部分に所定
の利得を付与することが行われ、これにより、スペック
ルフロー画像35として表示しようとするスペックルパ
ターンの部分を強調することができる。この選別された
スペックルパターンの信号に利得を付与するために必要
な演算についても、プロセッサ45により行われるよう
になっている。
【0036】そして、ディジタルフィルタ41、42に
より選別されたスペックルパターンに相当する信号の部
分は、加算器43により加え合わされ、スペックルフロ
ー画面35を生成するための画像データとして合成され
る。階調補正部44は、加算器43に得られた画像デー
タについて、これに基づき生成されるスペックルフロー
画像35の視認性を高めるように、白黒の濃淡に対応す
る階調の補正を行う。なお、かかる画像データーの階調
を補正するために必要な演算についても、プロセッサ4
5により行われる。なお、階調補正部44による階調の
補正は、画像を強調するために行うものである。これの
代わりに、公知のヒストグラム平坦化の技術を使って
も、画像を強調することができる。
【0037】なお、ここに示される例においては、ディ
ジタルフィルタを41、42のように二つ備える構成と
しているが、スペックルフロー画像35におけるスペッ
クルパターンの表示を鮮明にすることができればよく、
他の方法、構成を使うこともできる。従って、大粒径か
らなる部分のみを表示することにより、スペックルパタ
ーンを鮮明に表示できるのであれば、ディジタルフィル
タを一つ備える構成とするのであってもよい。また、ス
ペックルパターンの表示の鮮明さに応じて三つ以上備え
る構成とするのであっても構わない。
【0038】判定回路71は、スペックルフロー画像3
5について、血管5中の特定の部位の血流を表すスペッ
クルパターンを選択的に表示したい場合に、該特定の部
位を選択するための判定を行う。図3は、Bモード画像
31とスペックルフロー画像35の生成にかかるエコー
信号の強度が時間とともに変化する状況を示している。
血流の状況を反映するエコー信号の強度には、図3に示
されるように組織領域と血流領域との間には遷移域72
が存在する。画像を組織領域と血流領域に分離する方法
のうち、最も単純で高速処理ができるのは2値化であ
る。単純に、画像の組織領域は1、血流領域は0に分解
する方式である。一枚の大きな画像を、小さなセグメン
トに分割し、その各々について判別分析法を実行する。
セグメントが大きくなると、骨等がセグメントの中に入
り込み、2値化では血流領域のみを分離できなくなるた
め、この場合には多値化処理になる。例えば、血流、血
管壁、組織、骨などをそれぞれ分離する。前記判別分析
法にはモード法や最小二乗基準に基づく自動しきい値選
択法が使える。モード法は、画像のヒストグラフを求め
るとき、白い画素に対応するクラスタと黒い画素に対応
するクラスタの山が二つ現れ、二つのクラスタを分割す
るしきい値として双峰形のヒストグラフ分布の谷にあた
る濃度Tを設定するものである。最小二乗基準に基づく
自動しきい値選択法は、濃度ヒストグラフをあるしきい
値kによって二つのクラスに分割するとき、各クラスタ
間の分散が最大となるk′を見つけ、これを2値化のし
きい値とするものである。また、この判定回路71にお
いては、2値化以外に、ファジーや、ニューラルネット
ワーク、遺伝的アルゴリズム等に基づく判定アルゴリズ
ムにより、エコー信号の強度についての判定を行い、血
流を表したい特定の部位を選択するようにすることもで
きる。なお、判定回路71の動作を介してスペックルフ
ロー画像35を生成するか否かは、操作部4の設定に基
づいて決めるようになっている。
【0039】図1に示されるカラーフロー部23、スペ
クトルドプラー部26は、血管5より生じたエコー信号
のドップラーシフトに基づいて、カラーフロー画像34
やスペクトルドプラー画像33を形成するための画像デ
ータの生成を行う。これらの画像データを生成するにあ
たっては、エコー信号に含まれるドップラーシフトのシ
フト周波数を検出することが必要である。図1に示され
る画像生成部2にあっては、ドップラーシフトのシフト
周波数を含む信号を、加算器16に形成される受信信号
と発振器12より出力される基本信号とから、位相シフ
タ17と乗算器18、19と低域通過フィルタ24、2
5とによって、以下の信号処理を介して得るようになっ
ている。
【0040】加算器16に形成された受信信号と、発振
器12より出力される基本信号との積が乗算器18に形
成される。また、加算器16に形成された受信信号と、
基本信号についてその位相が位相シフタ17により90
°移相された信号との積が乗算器19に形成される。こ
の位相シフタ17は、位相情報を得るための直交検波の
ために、同相、直交成分に分離し、実数成分と虚数成分
の複素数とするためのものである。この乗算器18、1
9に形成される信号には、基本信号の周波数f0 とエコ
ー信号の周波数f1 との和からなる成分と、周波数f0
とエコー信号の周波数f1との差からなる成分とが含ま
れる。そして、低域通過フィルタ24、25により、前
記乗算器18、19に形成される信号のうち、基本信号
の周波数f0 とエコー信号の周波数f1 との差からなる
成分のみが選別される。そして、低域通過フィルタ2
4、25からエコー信号のドップラーシフトのシフト周
波数を含む信号がカラーフロー部23とスペクトルドプ
ラ部26へと出力されることになる。
【0041】カラーフロー部23は、前記低域通過フィ
ルタ24、25より入力されるドップラーシフトのシフ
ト周波数の信号に基づいて、カラーフロー画像34の生
成に必要な血管5中の各部位の血流の流速値やその方向
を求める。このカラーフローは二次元的に血流などの動
きを検出するが、FFTでは1点又は数点の情報しか計
算できないため、自己相関関数の計算によってリアルタ
イムでビーム方向に決められた各点の平均速度、分散、
パワーを計算する。そのため、カラーフロー部23は、
低域通過フィルタ24、25より出力されるアナログ信
号をディジタル信号に変換するためのA/D変換器5
1、52と、移動する血流に相当する部分のみを入力さ
れた信号より選別するためのMTI(Moving T
arget Indicator)フィルタ53、54
と、カラーフロー処理演算部55とを備えて構成され
る。
【0042】このカラーフロー部23は特に図示してい
ない記憶装置を備えており、A/D変換器51、52に
よりディジタル信号とされた入力信号は、送受信器11
による超音波の一つのパルスの送信に対応して記憶装置
に記憶されるようになっている。そして、最も簡単な構
成のMTIフィルタ53、54は、一つのパルス送信に
より得られる入力信号を、その次の一つのパルス送信に
より得られる入力信号より差し引く操作を行う。かかる
MTIフィルタ53、54の操作により、最も新しく入
力される入力信号において、移動する血流に相当する部
分のみを選別することができ、血管5中の比較的に運動
の少ない血管壁等の部位からのエコー信号に相当する部
分を除去することができる。上記のMTIフィルタ5
3、54により選別された信号についても、超音波の一
つのパルスの送信に対応して、前記記憶装置に記憶され
るようになっている。
【0043】そして、MTIフィルタ53、54により
選別されたドップラーシフトのシフト量を含む信号に対
して、カラーフロー演算処理部55によって自己相関や
時間領域相関等の演算処理が行われる。かかる演算によ
り、信号の強度を表すパワーと、血流の具体的な流速値
と、ドップラーシフトの周波数のばらつきを表す分散と
が求められる。これらの演算は、MTIフィルタ53、
54より出力される信号について、複数回の超音波のパ
ルスの送信にわたって記憶されたものを対象として行わ
れ、超音波のパルスの送信毎に得られるエコー信号間で
の自己相関等が演算されることになる。
【0044】スペクトルドプラ部26は、スペクトルド
プラ画像33を形成するために必要な血流中の観測した
い部位より生じたエコー信号の部分に相当する信号の選
別を行い、また、かかる選別された信号の部分のドプラ
シフトの周波数解析を行う。このスペクトルドプラは、
一点のスペクトル情報をFFTを用いて検出するもので
あるため、スペクトルドプラ部26は、サンプルホール
ド(S/H)部61、62と帯域通過フィルタ63、6
4と、周波数解析部(FFT)67とを備えて構成され
ている。
【0045】サンプルホールド部61、62は、受信さ
れたエコー信号に対して血管5中の観測したい部位より
生じたエコー信号の部分に対する所謂ゲートとして作用
する。受信されたエコー信号に対するゲートの具体的な
設け方としては、ここでは、時間を設定することにより
行うこととしている。即ち、送受信器11より超音波パ
ルスを送信してからエコー信号を受信するまでの時間
は、エコー信号を生じた血管5中の部位と送受信器11
との間の前記受信伝送線に沿う距離によって決まる。従
って、サンプルホールド部61、62に設定する時間を
血管5中の観測したい部位に対応させることにより、該
観測したい部位から生じたエコー信号のみをサンプルホ
ールド部61、62を通過させるようにすることができ
る。
【0046】帯域通過フィルタ63、64は、前記サン
プルホールド部61、62を通過した信号のうち、血流
を反映する信号に相当する部分のみを選別する。前記サ
ンプルホールド部61、62を通過した信号には、血流
を反映する信号の他、血管壁等の比較的に運動の少ない
部位を反映する信号が強い強度で含まれている。ここ
で、目的とする血流を反映する信号は、血管壁等を反映
する信号に比べてドップラーシフトのシフト量は相当に
高い。従って、帯域通過フィルタ63、64を高帯域に
設定することによって、血流を反映する信号に相当する
部分のみを選別することができる。
【0047】帯域通過フィルタ63、64より出力され
た信号は、ディジタル処理が可能なように、A/D変換
器65、66によりディジタル信号に変換される。そし
て、A/D変換器65、66よりディジタル信号として
出力された信号は、周波数解析部67へ入力される。周
波数解析部67は、ここに入力される信号のドップラー
シフトのシフト周波数のスペクトル分布を求める演算を
行う。周波数解析部67は高速フーリエ変換(FFT)
ユニットを備えて構成されており、該FFTユニットに
よるフーリエ変換に基づく演算により、入力された信号
のシフト周波数のスペクトル分布が求められる。
【0048】また、スペクトルドプラー部26は、オー
ディオ処理部68を備えている。オーディオ処理部68
は、前記帯域通過フィルタ63、64より出力された血
流を反映する信号を、スピーカ69に出力できるように
音響信号に変換する処理を行う。オーディオ処理部68
には、左右に各一つ設けられる二つのスピーカー69が
接続されており、血流の状況を音として把握できるよう
になっている。なお、ここでは、音による血流の状況の
表現について、送受信器11に近づく流れを左のスピー
カに出力させ、遠ざかる流れを右のスピーカに出力させ
るようにしており、また、血流の流速を音量により表現
している。なお、二つのスピーカによる出力の仕方は自
由に切換可能な構成にすることができる。
【0049】ディジタルスキャンコンバータ28は、上
記で説明した画像生成部2の各部に得られた血管5のエ
コー信号に基づく各計測データを、該計測データに基づ
いて生成される各画像を画像表示部1に表示できるよう
な画像データーに変換する処理を行う。また、前記エコ
ー信号に基づく前記計測データのうち、後に説明する操
作部4により画像表示部1に表示させるべく選択された
種類の画像に対応する計測データのみを残存させる処理
も行う。さらに、画像表示部1に重畳して表示する画像
として操作部4により選択された各画像に対応する計測
データを画像データーとして合成する処理も行う。
【0050】ここで、エコー信号に基づいて生成される
各画像を画像表示部1に表示できるような画像データー
に変換する処理は、送受信器11に受信されるエコー信
号が血管5より伝送される受信伝送線の方向と、画像表
示部1を構成するCRT(Cathode Ray T
ube)に画像を表示させる際の走査線の方向とを整合
させるため、エコー信号に基づく計測データーを走査線
の方向と一致する方向に順次に読み出し得るデーター配
列に変換することを一つの処理の内容としている。ま
た、CRTの走査線と一致する方向に沿った計測データ
ーが不足する場合には、得られた計測データより補間的
なデーターの生成を行い、視覚的な滑らかさを損なわな
い画像を画像表示部1に表示できるようにしている。
【0051】カラープロセッサ29は、ディジタルスキ
ャンコンバータ28に形成された画像データを、その流
速値や方向等に応じて異なる色彩や濃淡によって表現し
た色画像データに変換する部分である。そして、カラー
プロセッサ29に形成された前記色画像データーは、画
像表示部1を構成するCRTを制御し、画像としてCR
T上に再生させ得るように、D/A変換器30によりア
ナログ信号に変換された上で、画像表示部1へと出力さ
れる。
【0052】操作部4は、上記各構成部材を動作させる
ための各条件の設定を行う部分である。具体的には、以
下の条件を設定することができる。 1.超音波発振器12より出力される基本信号の超音波
の発振周波数f0 。 2.ディレイユニット13の遅延時間。 3.パルサ15の送信パルスとして切り出す超音波の波
数。 4.スペックル強調回路22におけるディジタルフィル
タ41、42の周期の設定と、エコー信号のうちスペッ
クルパターンの部分の信号の強度に付与する利得の設
定。 5.階調補正部44における白黒の濃度に対する最大階
調数の設定や各階調に対する濃度の割り当て。 6.判定回路71を動作させるか否かに関する設定と、
判定回路71を動作させる場合のエコー信号の強度に関
する条件と、判定アルゴリズムの選択。 7.低域通過フィルタ24、25に対して、該フィルタ
を通過する信号の周波数の範囲の設定。 8.画像表示部1に表示する画像の選択と、重畳して表
示させる画像の種類の選択。 9.帯域通過フィルタ63、64に対して、該フィルタ
を通過する周波数の範囲の設定。 10.サンプルホールド部61、62における、エコー
信号に対するサンプリング時間の設定。
【0053】以上で説明した実施形態では、図1のディ
ジタルスキャンコンバータ28で各種画像にスペックル
画像を重畳処理する場合を説明したが、ディジタルスキ
ャンコンバータ28の前段に、半透明化処理手段を設け
ると、Bモード画像、カラーフロー画像、スペクトルド
プラ画像又はこれらの組み合わせ画像を基本画像し、ス
ペックルパターン画像を透かして前記基本画像を透視で
きる半透明化処理された合成画像で表示することができ
る。
【0054】まず、半透明化処理の原理を図4により説
明する。典型例としてBモード画像をカラーフロー画像
に対して半透明表示する場合を説明する。Bモード信号
が中間の灰色に相当する場合、その出力f(i,j)は
0.51となる。一方カラーフロー画像が青色の場合、
カラーフロー画像信号ベクトルC2 (153,126)
は数1のようになる。
【0055】
【数1】
【0056】半透明化法による重ね合わせで合成された
画像の色ベクトルC3 (153,126)は数2のよう
になる。
【0057】
【数2】
【0058】以上の演算の状態を図4の色座標系で説明
する。出力f(i,j)は0.51であって中間の灰色
で表示されるBモード画像はベクトルC1 (153,1
26)で表すことができ、その位置はブラックとホワイ
トの対角線上の点にある。一方青色のカラーフローモ
ードモード画像信号ベクトルC2 (153,126)は
ブルーの点にある。そして合成画像ベクトルC3 (1
53,126)はブラックとブルーとの間の点に位置
する。すなわち、カラーフロー画像信号ベクトルC
2 (153,126)の色相が変わらず、明度が低くな
るだけで、下地となるBモード画像ベクトルC1 (15
3,126)の明度に応じて明度を変化させており、B
モード画像を透かしてカラーフロー画像を見ることが出
来る。
【0059】半透明化法によらず単に重ね合わせる混合
表示法の場合、混合比率αを半々の0.5にすると、数
3のようになる。
【0060】
【数3】
【0061】この混合表示によると数3の重ね合わせ画
像の位置は、図4の色座標系で点の位置になり、立体
の内部に存在するため濁ってしまう。
【0062】図5はBモード画像を透かしてスペックル
画像を見ることが出来る半透明化処理手段100の具体
例を示す。B画像検波部21からのBモード画像のベク
トルf(i,j)は、乗算部101で係数CB が乗算さ
れ、さらに加算部102で係数AB が加算され、CB
f(i,j)+AB になる。スペックル強調回路22か
らのスペックル画像のベトクルS(i,j)は、乗算部
103で係数CS が乗算され、さらに加算部104で係
数AS が加算され、CS ・S(i,j)+ASになる。
加算部102と加算部104からの信号は、乗算部10
5で乗算され、〔CB ・f(i,j)+AB 〕・〔CS
・S(i,j)+AS 〕になり、さらに加算部106で
係数AT が加算され、〔CB ・f(i,j)+AB 〕・
〔CS ・S(i,j)+AS 〕+AT となる。ここで、
各係数CB,B,S,S,T は、半透明法による重ね合
わせ部分を明るく表示し、透き通った表示が見やすくな
るように選定される。
【0063】Bモード画像におけるスペックル画像の半
透明表示は、Bモード画像上の全領域又は特定領域で可
能である。また、Bモード画像に代わりカラーフロー画
像を用い、スペックル画像を半透明表示する場合、カラ
ーフロー画像は通常R,G,Bの3信号になるため、各
信号に対して前記係数を選定することになる。
【0064】なお、前述の実施形態では、スペックル強
調手段の対象として、血管内の赤血球より散乱されて形
成されるスペックルパターンの信号部分を強調する場合
を説明したが、スペックル強調手段の対象として、心臓
壁等の組織により散乱されて形成されるスペックルパタ
ーンの信号部分を強調する場合にも適用される。
【0065】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明は、
時間とともに流体に伴って移動するスペックルパターン
を含んだスペックル画像の形成により、流体の運動を視
覚的に容易に把握できるという効果を奏する。また、ス
ペックル画像により表現される測定対象は、基本色画像
により表現される測定対象と時間的、空間的に一致して
いるので、測定対象の各部位に対して正確に流体の運動
を把握することができるという効果を奏する。さらに、
スペックル画像を形成するにあたり、自己相関計算等の
煩雑な演算処理が不要であり、スペックルパターンの受
信に基づきリアルタイムに流れの状況を画像として表示
することができ、また、乱流の発生状況のごとき短時間
の観測と信号処理とが要求される流れの現象をも表現す
ることが可能であるという効果を奏する。また、測定対
象に送信する超音波の波数を多くする必要がないため、
計測における空間分解能を高めることができ、形成され
るスペックル画像についても、空間分解能の高いものを
形成することができるという効果を奏する。
【0066】請求項2記載の発明は、空間的に広がりを
持って運動している流体のうち、特に観測する必要のあ
る部位のみを抽出して表示することができるという効果
を奏する。
【0067】請求項3記載の発明は、前記受信手段を前
記基本色画像の形成に適するように設定しつつ、スペッ
クル画像を形成することができるという効果を奏する。
これにより、受信手段の煩雑な調整を要せずして、基本
色画像とスペックル画像とを形成することができるとい
う効果を奏する。
【0068】請求項4記載の発明は、血管の各部位にお
ける血液の流れに関する情報を、従来の診断装置により
得られるものに比べ、極めて正確かつ迅速に把握するこ
とができるという効果を奏する。これにより、血管の各
部位における血液の流れに関する正確な情報に基づくこ
とが不可欠とされ、従来の診断装置によっては限界があ
るとされた癌の予知の診断等にも貢献できるという効果
を奏する。
【0069】請求項5記載の発明は、請求項1と同様の
効果を奏する。請求項6の発明は、請求項4と同様の効
果を奏する。請求項7は、心臓の動きに関する情報を、
従来の診断装置により得られるものに比べ、極めて正確
かつ迅速に把握することができるという効果を奏する。
【0070】請求項8記載の発明は、被検体内の状態を
二次元的に表示する画像と、前記スペックルパターンに
基づくスペックル画像とに半透明処理を施して合成画像
とする半透明処理手段とを備えるため、スペックル画像
を重ね合わせても画像が濁らずに表示され、重ね合わせ
部分の画像を透かして見ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる超音波診断装置の信号処理系の
ブロック構成を示す図である。
【図2】スペックル強調回路の構成例を示す図である。
【図3】エコー信号の強度が時間とともに変化する状況
を示す図である。
【図4】半透明化処理の原理を示すRBG直交図であ
る。
【図5】半透明化処理手段のフローを示す図である。
【符号の説明】
1 画像表示部(表示手段) 2 画像生成部 3 超音波送受信部(送信手段及び受信手段) 4 操作部 11 送受信器 12 超音波発振器 13 ディレイユニット 14 プリアンプ 15 パルサ 16 加算器 17 位相シフタ 18、19 乗算器 21 B画像検波部 22 スペックル強調回路(スペックル強調手段) 23 カラーフロー部 24、25 低域通過フィルタ 26 スペクトルドプラ部 28 ディジタルスキャンコンバータ 29 カラープロセッサ 30 D/A変換器 31 Bモード画像 32 Mモードドプラ画像 33 スペクトルドプラ画像 34 カラーフロー画像 35 スペックルフロー画像 41、42 ディジタルフィルタ 43 加算器 44 階調補正部 45 プロセッサ 51、52 A/D変換器 53、54 MTIフィルタ 55 演算処理部 61、62 サンプルホールド部 63、64 帯域通過フィルタ 65、66 A/D変換器 67 周波数解析部 68 オーディオ処理部 69 スピーカー 71 判定回路 72 遷移域 100 半透明化処理

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の密閉通路内を流れ多数の小球を含
    んでなる流体と前記密閉通路とからなる測定対象に超音
    波を送信する送信手段と、 前記測定対象から反射された超音波の反射信号を受信す
    る受信手段と、 前記測定対象の時間とともに変化する状態を前記超音波
    の反射信号に基づく色分布として表した色画像を表示す
    る画像表示手段とを備える超音波診断装置であって、 前記反射信号のうち前記小球により散乱されて形成され
    るスペックルパターンの信号部分を強調するスペックル
    強調手段を備え、 前記画像表示手段は、前記反射信号の強さをそのまま色
    分布として表した基本色画像と、前記スペックル強調手
    段により強調されたスペックルパターンをそのまま色分
    布として表したスペックル画像とを重畳させて表示でき
    るように構成される超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 前記画像表示手段による基本色画像に対
    するスペックル画像の重畳が、スペックル画像のうちの
    ー部のみを選択して重畳するように構成される請求項1
    記載の超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 前記スペックル強調手段は、前記スペッ
    クルパターンの信号部分に所定の利得を付与するように
    構成される請求項1又は請求項2記載の超音波診断装
    置。
  4. 【請求項4】 前記密閉通路が血管であり、前記流体が
    血液であり、前記小球が赤血球であることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3記載のいずれかの超音波診断装
    置。
  5. 【請求項5】 被検体内に音波信号を送信する送信手段
    と、 被検体内の測定対象から反射されたエコー信号を受信す
    る受信手段と、 前記測定対象の時間とともに変化する状態を前記エコー
    信号に基づいて表示する表示手段とを具備する超音波診
    断装置であって、 前記反射信号のうち運動物体により散乱されて形成され
    るスペックルパターンの信号部分を強調するスペックル
    強調手段とを備え、 前記表示手段は、前記エコー信号に基づいて被検体内の
    状態を二次元的に表示すると共に、前記スペックルパタ
    ーンを表示することを特徴とする超音波診断装置。
  6. 【請求項6】 前記スペックル強調手段が、血管内の赤
    血球より散乱されて形成されるスペックルパターンの信
    号部分を強調することを特徴とする請求項5記載の超音
    波診断装置。
  7. 【請求項7】 前記スペックル強調手段が、心臓壁等の
    組織により散乱されて形成されるスペックルパターンの
    信号部分を強調することを特徴とする請求項5記載の超
    音波診断装置。
  8. 【請求項8】 被検体内に音波信号を送信する送信手段
    と、 被検体内の測定対象から反射されたエコー信号を受信す
    る受信手段と、 前記測定対象の時間とともに変化する状態を前記エコー
    信号に基づいて表示する表示手段とを具備する超音波診
    断装置であって、 前記反射信号のうち運動物体により散乱されて形成され
    るスペックルパターンの信号部分を強調するスペックル
    強調手段と、 前記エコー信号に基づいて被検体内の状態を二次元的に
    表示する画像と、前記スペックルパターンに基づくスペ
    ックル画像とに半透明処理を施して合成画像とする半透
    明化処理手段とを備え、 前記表示手段は、前記半透明化処理手段が施された前記
    合成画像を表示することを特徴とする超音波診断装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9251611B2 (en) 2012-10-11 2016-02-02 Samsung Medison Co., Ltd. Method and apparatus for medical image display, and user interface screen generating method
KR20190040994A (ko) * 2016-09-02 2019-04-19 노르웨이전 유니버시티 오브 사이언스 앤드 테크놀러지(엔티엔유) 유체 경로의 증강된 해상도 초음파 이미징

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