JPH04250148A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JPH04250148A
JPH04250148A JP3008706A JP870691A JPH04250148A JP H04250148 A JPH04250148 A JP H04250148A JP 3008706 A JP3008706 A JP 3008706A JP 870691 A JP870691 A JP 870691A JP H04250148 A JPH04250148 A JP H04250148A
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JP
Japan
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ultrasonic
blood flow
raster
image information
ultrasound
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JP3008706A
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English (en)
Inventor
Nozomi Satake
望 佐竹
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波探触子から被検
体に対して超音波を送受波し、これにより得られる信号
からBモード像情報及び血流像情報を求め、これらの情
報を表示する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波ドプラ法は、超音波が移動物体に
より反射されると反射波の周波数が上記物体の移動速度
に比例して偏移する超音波ドプラ効果を利用したもので
ある。具体的には超音波レートパルスを生体に送波し、
その反射波エコーの位相変化よりドプラ効果による周波
数偏移を得ると、そのエコーを得た深さ位置における移
動物体の運動情報を得ることができる。この超音波ドプ
ラ方法によれば、生体内における位置での血流の流れの
向き、乱れているか整っているかの流れの状態を知るこ
とができる。
【0003】次にこの超音波診断装置について説明する
。まず送受波回路を駆動して超音波探触子から被検体の
生体内の血流に対して超音波パルスを所定回数繰り返し
送波する。そうすると、送信超音波ビームの中心周波数
fcは流動する血球により散乱され、ドプラ偏移を受け
て周波数fdだけ変化し、前記送受波回路は受信周波数
f=fc+fdを受波する。なお周波数fc,fdは次
式のようになる。
【0004】fd=2vcos θ・fc/Cここで、
V:血流速度 θ:超音波ビームと血管とのなす角度 c:音速である。 ドプラ偏移周波数fdを検出しこれを処理すれば、血流
速度Vを得ることができる。
【0005】すなわち送受波回路に受波された超音波エ
コーを位相検波回路により検波して位相情報すなわちド
プラ信号とクラッタ成分とからなるドプラ偏移周波数f
dを得る。この信号をA/D変換器でディジタル信号化
し、フィルタによりクラッタ成分を除去する。
【0006】そして血流によるドプラ偏移信号fdは自
己相関方式などの高速の周波数分析器により周波数分析
し、ドプラ偏移の平均値,ドプラ偏移の分散値,ドプラ
偏移の平均強度などを得る。
【0007】ここで超音波ビームをセクタスキャンの画
面に対応させて一方側から他方側にスキャンしながら前
述の一連の処理を行なうことにより、2次元に分布する
血流の情報を検出することができる。そして前述の血流
の方向及び速度を示した2次元血流速度画像等の血流像
情報(カラーフローマッピングCFM像)とBモード像
とをDSC(ディジタル・スキャン・コンバータ)にて
重畳合成し、モニタに表示する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の超音波診断
装置においては、カラーフローマッピングで生体の断層
像を表示し、血流の流れを観察する場合、単純な方法で
は、カラーフレーム数と速度分解能,空間分解能とは、
トレードオフの関係にある。つまり Nf =PRF/(m・n) の関係がある。ここで、Nf はフレーム数であり、P
RFは超音波繰り返し周波数である。nは速度解析デー
タ数であり、mは超音波送受信ラスタ数である。すなわ
ちカラードプラでは同一超音波ラスタを複数回駆動する
ため、フレーム数が低下する。このフレーム数を増加さ
せようとするためには、ラスタ本数を減らすことにより
ラスタ密度を粗くしたり、視野幅,視野深度,低流速検
出能を犠牲にしなければならなかった。そこで本発明の
目的は、フレーム数を向上することによりリアルタイム
性を向上することのできる超音波診断装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決し目的を達成する為に次のような手段を講じた。本発
明は、超音波探触子を駆動して1つの超音波ラスタを得
るために超音波を同一方向に複数回送受信して得た受信
信号に基づきBモード像情報と演算部を用いて血流像情
報とを求め、被検体のBモード像情報及び血流像情報を
画面上に表示する超音波診断装置において、画面上に表
示される各超音波ラスタについて演算部から出力される
血流像情報を所定値と比較することにより血流信号の有
無を検出する検出手段と、該検出手段の結果により血流
信号が存在しない領域では、複数回超音波送受信よりも
少ない超音波送受信を行なうことにより各超音波ラスタ
を得る手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】また画面上に表示される各超音波ラスタに
ついて演算部から出力される血流像情報に基づき血流の
折り返りが発生しないように各超音波ラスタごとに超音
波繰り返し周波数を設定する手段とを具備したことを特
徴とする。
【0011】また画面上に表示される各超音波ラスタに
ついて演算部から出力される血流像情報を所定値と比較
して血流信号の有無を検出する検出手段と、該検出手段
の結果により血流信号が存在する領域では、複数回超音
波送受信に代えて微小角度ずつずらした複数方向に1回
ずつ超音波を送受信して超音波ラスタを得、複数方向の
うち幾つかの方向の超音波送受信を用いて次の超音波ラ
スタを得る手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】
【作用】このような手段を講じたことにより、次のよう
な作用を呈する。検出手段により演算部から出力される
血流像情報が所定値と比較され、検出手段の結果により
血流信号が存在しない領域では、複数回超音波送受信よ
りも少ない超音波送受信が行なわれるので、無駄な超音
波送信受信を減少できるから、フレーム数を向上できる
【0013】また各超音波ラスタについて検出手段によ
り演算部から出力される血流像情報に基づき血流の折り
返りが発生しないように各超音波ラスタごとに、超音波
繰り返し周波数が設定されるので、血流の方向に応じて
最適な超音波繰り返し周波数を設定できる。
【0014】また検出手段により演算部から出力される
血流像情報が所定値と比較され、この検出手段の結果に
より血流信号が存在する領域では、複数方向からの超音
波送信受信により各超音波ラスタが得られ、また複数方
向のうちの幾つかの方向の超音波送受信を用いて超音波
ラスタが得られるので、1つの超音波ラスタにつき幾つ
かの方向の超音波送受信を減少できるから、フレーム数
を向上できる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明する
【0016】図1、図2は本発明をセクタ電子走査型超
音波診断装置に適用した第1の実施例を示す概略ブロッ
ク図、図3は画面上に血流信号が存在する領域において
同一超音波ラスタを得るための超音波繰り返し周波数の
複数回送受信を説明するための図、図4は血流信号領域
とBモード像領域とに応じたラスタ制御を説明するため
の図、図5はカラー信号検出器の構成を示す図、図6は
PRF制御を説明するための図、図7は本発明の作用を
説明するための図、図8は従来の超音波診断装置の作用
を説明するための図、図9は動脈及び静脈が平行して存
在する例を示す図である。
【0017】図1に示すように、超音波診断装置は、超
音波探触子1,送受波回路2,位相検波回路3a,Bモ
ード処理部3b,MTI演算部4,DSC6(ディジタ
ル・スキャン・コンバータ),カラー処理部7,D/A
8(ディジタル・アナログ・コンバータ),カラーモニ
タ9を有する。また装置は、カラー信号検出器11,折
り返り検出器12,ラスタ条件設定回路14,PRF条
件設定回路16,スキャン制御部18を有している。
【0018】図2に示すように、MTI演算部4は、A
/D21(アナログ・ディジタル・コンバータ),入力
バッファ回路22,MTIフィルタ(ムービング・ター
ゲット・インディケーター)23,自己相関器24,平
均演算部25,分散演算部26,パワー演算部27を有
する。
【0019】カラー信号検出器11は、画面上に表示さ
れる各超音波ラスタについて、パワー演算部27から出
力されるパワー情報を所定値と比較することにより血流
信号の有無を検出するものである。カラー信号検出器1
1は、図5に示すように、同一の超音波ラスタを得るた
めの超音波繰り返しパルスの回数を表すサンプルデータ
を取り込みこれに基づき基準値信号を発生する基準値発
生器31と、この基準値発生器31から基準値信号を取
り込むと共に、パワー演算部27からサンプルデータご
とに累積されたパワーデータを取り込み、この累積され
たパワーデータと基準値信号との大小を比較するコンパ
レータ32とからなっている。
【0020】ラスタ条件設定回路14は、カラー信号検
出器11からの出力結果により血流信号が存在する超音
波ラスタ夫々を血流像情報のための複数回超音波送受信
を行なうべくラスタ条件を設定し、血流信号が存在しな
い超音波ラスタ夫々を前記複数回超音波送受信よりも少
ない超音波送受信を行なうべくラスタ条件を設定するも
のである。
【0021】折り返り検出器12は、画面上に表示され
る各超音波ラスタについて、平均演算部25から出力さ
れる平均血流速度に基づき血流の折り返りの有無を検出
するものである。
【0022】PRF条件設定回路16は、血流の折り返
りが発生しないように各超音波ラスタごとに、超音波繰
り返し周波数(以下、レートパルスという。)を設定す
るものである。
【0023】スキャン制御部18は、ラスタ条件設定回
路14からのラスタ条件,PRF条件設定回路16から
のレートパルスに応じたセクタスキャンを行なうための
情報を送受波回路2に与える。
【0024】次にこのように構成された実施例に作用に
ついて図面を参照して説明する。まず、例えば図4(a
)(c)に示す如く画面上全体AにBモード像が存在し
、図4(b)(c)に示す如く領域BにCFM画像が存
在するものとする。したがって、領域Bにおいては、C
FM画像のための超音波複数回送受信を行ない、領域C
1 ,C2 においては、前記複数回超音波送受信より
も少ない超音波送受信を行なう。
【0025】まず、ラスタ条件設定回路14により例え
ば同一超音波ラスタを得るための超音波送受信の繰り返
し回数を2回または3回に設定し、その設定信号がスキ
ャン制御部18に与えられる。なおラスタ条件設定回路
14によりラスタ密度を粗く設定したり、あるいはスキ
ャン幅(フレームごとに数ラスタずつスキャンする)を
設定するようにしても良い。
【0026】そしてスキャン制御部18により送受波回
路2にスキャン情報が与えられ、このスキャン情報に基
づき送受波回路2により超音波探触子1が送信駆動され
る。そうすると、図3(a)に示すようにセクタ上の右
側の同一超音波ラスタにレートパルスが2回送波される
。そして被検体からの反射超音波は、超音波探触子1を
介して送受波回路2に受波される。またこのような同一
超音波ラスタへの超音波送受信はスキャン方向(例えば
同一超音波ラスタl,l+1…)に沿って順次行なわれ
ていく。送受波回路2からの受信信号は、Bモード処理
部3bにより包絡線検波されてBモード像データ(断層
像データ)がDSC6に出力される。一方、送信受信波
回路2からの受信信号は、位相検波回路3aにより位相
検波され、血流によるドプラ偏移信号が得られる。
【0027】位相検波回路3aからのドプラ偏移信号は
、MTI演算部4に取り込まれ、A/D21によりディ
ジタルのドプラ偏移信号に変換される。A/D21から
のディジタルのドプラ偏移信号は、入力バッファ回路2
2を介してディジタル・フィルターからなるMTIフィ
ルタ23に取り込まれ、これによりディジタルのドプラ
偏移信号から固定物体などのクラッタ成分が除去される
。図7に示すように、1レート目のサンプルデータから
1レート目のフィルタデータが得られ、1レート目と2
レート目とのサンプルデータから2レート目のフィルタ
データが得られる。
【0028】さらに2レートのフィルタデータは、自己
相関器24によりリアルタイムで周波数分析され、1レ
ート目のフィルタデータから1レート目の自己相関デー
タが得られ、1レート目のフィルタデータと2レート目
のフィルタデータとから2レート目の自己相関データが
得られる。
【0029】次にパワー演算部27により自己相関器2
4からのデータは、(1)式により二乗加算されながら
サンプルナンバーデータごとに累積されることによりパ
ワーデータが求められる。
【0030】Σ{x(i)}2 …(1)一方、パワー
演算部27からのパワーデータはカラー信号検出器11
に取り込まれる。すなわち、カラー信号検出器11では
、基準値発生器31にサンプルデータが取り込まれると
、これに基づき基準値信号が発生する。コンパレータ3
2に基準値発生器31から基準値信号が取り込まれ且つ
パワー演算部27からサンプルデータごとに累積された
パワーデータが取り込まれると、累積されたパワーデー
タと基準値信号との大小が比較される。
【0031】ここで、領域C1 (例えば超音波ラスタ
l)では、パワーデータが極端に小さいから、このパワ
ーデータは基準値信号に至らず、コンパレータ32によ
りカラー信号成分がないと判断され、カラー信号検出器
11からラスタアドレスをインクリメントするための情
報がラスタ条件設定回路14に与えられる。そして次の
超音波ラスタ(超音波ラスタl+1)では上述したよう
な同一超音波ラスタにレートパルスが2回送受信され、
次の超音波ラスタ(超音波ラスタl+2)では同一超音
波ラスタにレートパルスが3回送受信される。
【0032】次に領域B(例えば超音波ラスタl+3,
l+4)では、カラー信号が存在するので、2レートの
パワーデータが基準値信号よりも大きくなる。よってカ
ラー信号検出器11によりカラー信号が存在すると判断
され、カラー信号検出器11から同一超音波ラスタへの
レートパルスの回数を5回に増加するための情報がラス
タ条件設定回路14に与えられる。
【0033】したがって、その超音波ラスタ(超音波ラ
スタl+3,l+4)では同一超音波ラスタにレートパ
ルスが5回送受信される。このとき前述したパワーデー
タ以外に、平均演算部25により血流の平均速度が求め
られ、分散演算部26により血流の分散が求められる。 なお領域C2 では、カラー信号は存在しないから、前
述した領域C1 と同様な超音波送受信が行なわれる。
【0034】そしてDSC6からのデータは、カラー処
理部7によりカラー情報に変換され、カラーモニタ9に
は、領域Bがカラーで表示され、領域C1 ,C2 が
白黒で表示される。
【0035】このようにパワーデータと基準値信号との
比較を各々サンプルデータごとに行なえば、全てのパワ
ーデータ、例えば5データだけサンプルしなくても、最
低2データに基づき判断すればよい。なおカラー信号は
2回程度のパワーデータがあれば、判断できるが、血流
情報としての速度,分散,パワーなどは少なくとも5回
以上のパワーデータが必要である。
【0036】したがって、図8に示すように超音波ラス
タ夫々に全て5回ずつ超音波レートパルスを送受信を行
なう従来のラスタ制御に比較して、本実施例では無駄な
サンプルをなくすことができ、よってラスタアドレスを
インクリメントすることで次のラスタをサンプルできる
。これによりフレーム数を向上することができる。ただ
し、サンプルデータは、深さ方向分全てをみているので
、1つの深さからでも、カラー信号が検出できている限
り、無駄なラスタとはならない。
【0037】次にPRF制御について図1及び図6を参
照して説明する。図6(a)は弓状動脈Kを示す図、図
6(b)は順流領域K1 ,逆流領域K2 ,低流速領
域K3 を示す図である。図6(c)に示すようにカラ
ー信号の速度範囲が広い場合にPRF条件設定回路16
,折り返り検出器12を用いて領域K1 〜K3 に応
じたPRF制御を行なうものである。折り返り検出器1
2は、平均演算部25からの平均速度データを時間的変
化または空間的変化によって折り返りを検出するもので
ある。時間的変化はPRF,フレーム数などにより検出
能力が変化するため、FFT(1ポイントドプラ)を併
用することにより行なう。空間的変化は、逆流成分が存
在した場合に隣接して順流最大成分が存在したときかあ
るいは順流成分が存在した場合に隣接して逆流最大成分
が存在したときには、折り返りと判断するものである。
【0038】PRF条件設定回路16によりまずPRF
が比較的高い周波数に設定され、カラー信号が検出され
ない領域Eでは、超音波ラスタをインクリメントしない
でPRFが低くされる。そしてPRFが低くなり過ぎた
ときには、折り返り検出器12により折り返りが検出さ
れるので、折り返りが発生する直前の低いPRFがPR
F条件設定回路16により設定されるから、低流速検出
能を向上することができる。
【0039】一方、カラー信号が検出される領域D,F
においては、血流の速度が速いから、これらの領域では
PRF条件設定回路16によりPRFが前述した比較的
高い周波数に設定される。
【0040】このようにPRF条件設定回路16により
血流の折り返りが発生しないように各超音波ラスタごと
に、適切な超音波レートパルスを設定できるから、流速
範囲を拡大し、速度分解能を向上することができる。な
お色付け時には、各々超音波ラスタのPRFがわかって
いるので、これらを補正することにより定量的に表示す
る。さらにはPRFを下げる代わりに、公知の技術を用
いて超音波ラスタを数本おきに交互にスキャンさせて、
サンプリング周波数を下げるようにしても良い。
【0041】さらには図9に示すように動脈29と静脈
28とが並行している場合には、流速が異なるため、夫
々の深さごとにサンプリング周波数を変えるようにして
も良い。この場合には、PRFを一定に保ち、サンプリ
ング時にデータを間引くことによりサンプリング周波数
を変えることができる。
【0042】次に本発明の第2の実施例を説明する。第
2の実施例は第1の実施例に示す構成と類似しており、
スキャン制御部18をランニングスキャン制御部に代え
た点が異なる。まず、前述した第1の実施例では、腹部
などの細い血管が対象となるときには、血流信号が存在
しない超音波ラスタでは少ない送信受信回数でスキャン
することでフレーム数を向上できた。しかしながら、例
えば図10に示すように心腔内30(あるいは大血管な
ど)では、血流信号をが存在する血流領域32がほとん
ど視野幅の半分以上を占める。このため、前述した第1
の実施例によるスキャン制御ではフレーム数を向上する
ことができない。
【0043】そこで、前述したランニングスキャン制御
部により、カラー検出器11の結果により血流信号が存
在する領域では、同一超音波ラスタへのレートパルスの
複数回送受信を行なう代わりに、超音波を微小角度ずら
した複数方向に1回ずつ送受信して超音波ラスタを得、
複数方向のうちの幾つかの超音波送受信を用いて次の超
音波ラスタを得るように制御する。
【0044】例えば図11に示すような場合であれば、
カラー信号検出器11により血流領域32aに対して領
域F(血流が存在しない)と領域Gとに領域分けが行な
われ、第12図に示すような場合であれば、血流領域3
2bに対して領域K,J(血流の存在しない)と領域H
とに領域分けが行なわれる。
【0045】そして図13に示すように従来の各超音波
ラスタl−1,l,l+1の間を順次微小角度ごとに超
音波を送受信する。図14はこの様子を詳細に示す図で
ある。例えば図16(a)、(b)に示すように微小角
度ごとの超音波ラスタl−1(1),l−1(2),l
−1(0),l(1),l(2)を用いて超音波ラスタ
lを得、次に微小角度ごとの超音波ラスタl(1),l
(2),l+1(0),l+1(1),l+1(2)を
用いて超音波ラスタl+1を得、さらに微小角度ごとの
超音波ラスタl+1(1),l+1(2),l+2(0
),l+2(1),l+2(2)を用いて超音波ラスタ
l+2を得る。
【0046】このように1つの超音波ラスタを得るため
に、2つの超音波送受信を重複させながら、すなわちラ
ンニングスキャンを行なうことにより、各超音波ラスタ
が得られ、また5つの超音波送受信のうちの2つの超音
波送受信を用いて1つの超音波ラスタが得られる。した
がって、図15に示すような従来方法では、同一方向に
5回ずつ超音波を送受信していたが、本実施例では1つ
の超音波ラスタにつき2つの超音波ラスタを減少できる
から、フレーム数を大幅に向上できる。
【0047】また図15に示すような従来のスキャン方
法では、超音波ラスタ間が粗いため、血流信号も粗くな
っていたが、本実施例では図13に示すように超音波ラ
スタlの両側に存在する超音波ラスタ(点線で示す)を
超音波ラスタl上のデータとして取り扱うので、検出精
度を向上できる。さらにMTI演算を行なった後には、
図14に示すように実線上のデータが求まるので、点線
で示す超音波ラスタを補間によって繋ぐことにより画素
の細かい表示を行なうことができる。このほか本発明の
要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿
論である。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、検出手段により演算部
から出力される血流像情報が所定値と比較され、検出手
段の結果により血流信号が存在しない領域では、複数回
超音波送受信よりも少ない超音波送受信が行なわれるの
で、無駄な超音波送信受信を減少できるから、フレーム
数を向上できる。
【0049】また血流の折り返りが発生しないように各
超音波ラスタごとに、超音波繰り返し周波数が設定され
るので、血流の方向に応じて最適な超音波繰り返し周波
数を設定できる。
【0050】また検出手段により演算部から出力される
血流像情報が所定値と比較され、この検出手段の結果に
より血流信号が存在する領域では、複数方向からの超音
波送信受信により各超音波ラスタが得られ、また複数方
向のうちの幾つかの方向の超音波送受信を用いて超音波
ラスタが得られるので、1つの超音波ラスタにつき幾つ
かの方向の超音波送受信を減少できるから、フレーム数
を向上できる超音波診断装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をセクタ電子走査型超音波診断装置に適
用した第1の実施例を示す概略ブロック図。
【図2】図1のMTI演算部の詳細を示すブロック図。
【図3】画面上に血流信号が存在する領域において同一
超音波ラスタを得るための超音波繰り返し周波数の複数
回送受信を説明するための図。
【図4】血流信号領域とBモード像領域とに応じたラス
タ制御を説明するための図。
【図5】カラー信号検出器の構成を示す図。
【図6】PRF制御を説明するための図。
【図7】本発明の作用を説明するための図。
【図8】従来の超音波診断装置の作用を説明するための
図。
【図9】動脈及び静脈が平行して存在する例を示す図。
【図10】血流領域がセクタ画面上で広範囲に亙る場合
を示す図。
【図11】血流が存在する領域と血流が存在しない領域
とが混在する一例を示す図。
【図12】血流が存在する領域と血流が存在しない領域
とが混在する他の例を示す図。
【図13】ラスタの走査を説明するための図。
【図14】図13を詳細に示す図。
【図15】従来のラスタ制御及びPRF制御を説明する
ための図。
【図16】本発明によるラスタ制御及びPRF制御を説
明するための図。
【符号の説明】
1…超音波探触子、2…送受波回路、3a…位相検波回
路、3b…Bモード処理部、4…MTI演算部、6…D
/A,7…カラー処理部、8…D/A、9…カラーモニ
タ、11…カラー信号検出器、12…折り返り検出器、
14…ラスタ条件設定回路、16…PRF条件設定回路
、18…スキャン制御部、21…A/D、22…入力バ
ッファ回路、23…MTIフィルタ、24…自己相関器
、25…平均流速演算部、26…分散演算部、27…パ
ワー演算部、31…基準値発生器、32…コンパレータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  超音波探触子を駆動して1つの超音波
    ラスタを得るために超音波を同一方向に複数回送受信し
    て得た受信信号に基づきBモード像情報と演算部を用い
    て血流像情報とを求め、被検体のBモード像情報及び血
    流像情報を画面上に表示する超音波診断装置において、
    前記画面上に表示される各超音波ラスタについて前記演
    算部から出力される血流像情報を所定値と比較すること
    により血流信号の有無を検出する検出手段と、該検出手
    段の結果により前記血流信号が存在しない領域では、前
    記複数回超音波送受信よりも少ない超音波送受信を行な
    うことにより各超音波ラスタを得る手段とを具備したこ
    とを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】  超音波探触子を駆動して1つの超音波
    ラスタを得るために超音波を同一方向に複数回送受信し
    て得た受信信号に基づきBモード像情報と演算部を用い
    て血流像情報とを求め、被検体のBモード像情報及び血
    流像情報を画面上に表示する超音波診断装置において、
    前記画面上に表示される各超音波ラスタについて前記演
    算部から出力される血流像情報に基づき血流の折り返り
    が発生しないように前記各超音波ラスタごとに超音波繰
    り返し周波数を設定する手段とを具備したことを特徴と
    する超音波診断装置。
  3. 【請求項3】  超音波探触子を駆動して1つの超音波
    ラスタを得るために超音波を同一方向に複数回送受信し
    て得た受信信号に基づきBモード像情報と演算部を用い
    て血流像情報とを求め、被検体のBモード像情報及び血
    流像情報を画面上に表示する超音波診断装置において、
    前記画面上に表示される各超音波ラスタについて前記演
    算部から出力される血流像情報を所定値と比較して血流
    信号の有無を検出する検出手段と、該検出手段の結果に
    より前記血流信号が存在する領域では、前記複数回超音
    波送受信に代えて微小角度ずつずらした複数方向に1回
    ずつ超音波を送受信して超音波ラスタを得、前記複数方
    向のうちの幾つかの超音波送受信を用いて次の超音波ラ
    スタを得る手段とを具備したことを特徴とする超音波診
    断装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005312632A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Toshiba Corp 超音波診断装置及びパルスドプラ計測装置
JP2009005737A (ja) * 2007-06-26 2009-01-15 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc 超音波撮像装置
JP2013027454A (ja) * 2011-07-27 2013-02-07 Hitachi Aloka Medical Ltd 超音波診断装置

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