JP4219553B2 - 1,3−ジヒドロキシ−20,20−ジアルキル−ビタミンd3類似体 - Google Patents

1,3−ジヒドロキシ−20,20−ジアルキル−ビタミンd3類似体 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、1,3−ジヒドロキシ−20,20−ジアルキル−ビタミンD3類似体、該類似体を含む組成物、並びにそのような類似体を用いて、骨粗しょう症、二次上皮小体機能亢進症、癌及び自己免疫病を治療する方法に関する。
【0002】
骨粗しょう症は、最も一般的な形態の代謝性骨疾患であり、骨損失(骨減少症)の症候上の骨折期と考えてよい。骨粗しょう症は、その根底にある多くの疾患に副次的に発生し得るが、全症例の90%は、特発性であるように思われる。閉経後の女子は、特発性骨粗しょう症(閉経後又はI型骨粗しょう症)の危険性があり;特発性骨粗しょう症に関するもう一つの特に高い危険度の群は、両性の高齢者である(老年性又はII型骨粗しょう症)。骨粗しょう症は、コルチコステロイドの使用、固定又は長期床上安静、アルコール中毒、糖尿病、性腺毒性化学療法、高プロラクチン血症、神経性食欲不振、原発性及び続発性無月経、移植片免疫抑制、並びに卵巣摘出にも関係付けられている。閉経後骨粗しょう症は、脊椎の骨折を特徴とするが、大腿骨頚骨折は、老年性骨粗しょう症の支配的特徴である。
【0003】
骨粗しょう症患者で骨が損失する機序は、骨格がそれ自体を更新する過程での不均衡が関与すると考えられる。この過程は、骨再建とよばれている。それは、活性の一連の不連続な落ち込みの際に発生する。これらの落ち込みは、骨吸収の部位としての、与えられた骨表面の骨基質内で自発的に出現する。破骨細胞(骨溶解又は吸収細胞)は、概して一定である寸法の骨の一部の吸収の原因となる。この吸収過程の後に、造骨細胞(骨形成細胞)が出現し、次いで、これが、破骨細胞が残した空洞に新たな骨を再充填する。
【0004】
健康な成人の対象者では、造骨細胞及び破骨細胞は、骨形成と骨吸収とが均衡するように機能する。しかし、骨粗しょう症患者では、骨再建過程に不均衡が発生し、失われるより遅い速度で骨が置き換えられるのを招く。この不均衡は、ある程度は、大部分の個人で加齢につれて発生するが、閉経後骨粗しょう症患者でか、又は卵巣摘出後にか、あるいはコルチコステロイド療法、又は臓器移植の際に実施される免疫抑制から生じるそれのような医原性状況では、はるかに重篤であり、比較的若年で発生する。
【0005】
骨粗しょう症に苦しむヒトの骨質量を増加させるために、男性ホルモン、フッ化物塩類、並びに副甲状腺ホルモン、及び副甲状腺ホルモンの改良形の投与を包含する、様々な取組み方が示唆されている。単独でか、又は併用での、ビスホスホン酸塩、カルシトニン、カルシウム、1,25−ジヒドロキシビタミンD3、及びその類似体のいくつか、並びに/若しくは女性ホルモンが、既存の骨質量を保つのに役立ち得ることも示唆されている。
【0006】
ビタミンD3は、カルシウムの代謝に決定的に重要な要素であって、カルシウム及びリンの腸内吸収を促進し、カルシウム及びリンの適切な血清レベルを維持し、骨内外へのカルシウムの流束を刺激する。D群ビタミンは、in vivoでヒドロキシル化されて、生じる1α,25−ジヒドロキシ代謝物が、活性物質となる。1,25−(OH)2ビタミンD3による動物研究は、骨の同化活性を示唆している。Aerssensらは、Calcif. Tissue Int., 55: 443-450 (1994)で、コルチコステロイド投与あり又はなしの成長中のラットでの、骨の強度及び組成に対する1α−ヒドロキシビタミンD3の効果について報告した。しかし、ヒトでの使用は、治療比が良くない(高カルシウム尿症及び高カルシウム血症、並びに腎毒性)ために吸収防止に限定されている。
【0007】
Dechant及びGoaは、「Calcitriol. A review of its use in the treatment of postmenopausal osteoporosis and its potential in corticosteroid-induced osteoporosis」、Drugs Aging〔NEW ZEALANDS 5(4): 300-17 (1994)〕で、閉経後骨粗しょう症の女子622名での臨床試験に基づいて、1,25−ジヒドロキシビタミンD3(カルシトリオール)が、閉経後骨粗しょう症の治療に薬効(及びコルチコステロイド誘発骨粗しょう症に見込み)を有することを報告した。カルシトリオール(毎日2回の0.25μg)を摂取した、軽症ないし中程度の疾患の(しかし、より重い疾患のない)患者は、1,000mg/日の元素状カルシウムを摂取する患者に比して、治療3年後の新たな脊椎骨折の率が有意に3倍も低かった。プレドニゾン又はプレドニゾロンの長期投与を開始した患者では、400IU/日の鼻内カルシトニンの投与あり又はなしでの、0.5〜1.0μg/日のカルシトリオール+1,000mg/日のカルシウムは、ステロイド誘発骨損失を防止した。全体として、カルシトリオールは、十分に容認された。推奨された投与量で、高カルシウム血症は、概してカルシウム摂取及び/又はカルシトリオール投与量の削減に応じて、低頻度かつ軽症であった。カルシトリオールの狭い治療ウィンドーから、その使用を適切に管理して、血清カルシウム及びクレアチニンレベルを周期的に監視することが必要とされた。この研究は、治療的用量及び有毒用量が極めて接近しているとしての、カルシトリオール療法の重大な限度を明確に特定した。
【0008】
本発明は、より好都合な治療的用量を有する新規ビタミンD3誘導体を提供する。
【0009】
疫学的研究は、日光又はUV光の露光と、胸部、結腸及び前立腺の癌を包含する様々な悪性疾患の比較的低い発生率とを相関させた。受容体研究からの証拠は、古典的な標的器官、例えば腸、腎臓及び骨に加え、ビタミンD受容体(VDR)が、ヒトの非常に多様な正常及び癌細胞系や新鮮組織に存在することを立証した。ビタミンD又は1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロールによる成長阻害は、in vivoでは必ずしも潜在的治療薬効へと直進しない。初期のin vivo研究は、マウス白血病モデル系での1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール及びその類似体の抗増殖効果に集中したが、この系では、1,25−ジヒドロキシコレカルシフェフェロールは、抗増殖効果ばかりでなく、分化促進効果も誘発することが示されている。in vivoでの治療薬効は、親1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロールの高用量投与によって観察される高カルシウム血症のため、限度がある。その結果、高カルシウム血症なしに有意な抗腫瘍効果を生じる、多数の類似体が開発されている。
【0010】
Steinmeyerらは、米国特許第5,585,368号明細書で、皮膚の過増殖疾患、白血病のような悪性腫瘍、結腸及び乳癌、糖尿病のような自己免疫病の治療、並びに汗腺疾患の治療のための1α,25−ジヒドロキシ−20−ジ置換ビタミンD3類似体を開示している。Danielsson, Cらは、J. Cell Biochem., 63, No.2, 199-206 (1996)中で、過増殖疾患の治療のための、1α,25−ジヒドロキシ−20−メチル−23(E)−エンコレカルシフェロールを包含する1,25−ジヒドロキシビタミンD3の20−メチル類似体を開示している。この発明は、皮膚の過増殖疾患、白血病のような悪性腫瘍、結腸及び乳癌、糖尿病のような自己免疫病の治療、並びにより好都合な治療比又はマージンを有する、汗腺疾患の治療のための新規ビタミンD3誘導体を提供する。
【0011】
二次上皮小体機能亢進症は、慢性腎不全の患者では通常である。腎の1,25−(OH)2ビタミンD3(カルシトリオール)合成の低下は、これらの患者における二次上皮小体機能亢進症へと導く主要な機序の一つであることが確定されており、カルシトリオールは、PTH合成に対して直接的抑制作用を有することが示されている。したがって、カルシトリオールの投与は、これらの患者における二次上皮小体機能亢進症の治療に推奨されている。しかし、上記のとおり、カルシトリオールは、強力な高カルシウム血症効果を有して、狭い治療ウィンドーを与え、それが、特に高用量での、その使用を限定している。そのため、上皮小体機能亢進症を治療し、これらの望ましくない高カルシウム血症効果を招くことなしに、循環ビタミンD3活性を補充する代替手段を有することが望ましいと思われる。
【0012】
本発明は、より好都合な治療用量を有する新規ビタミンD3誘導体を提供する。
【0013】
本発明の一態様は、式(I):
【0014】
【化5】
Figure 0004219553
【0015】
〔式中、
Xは、水素又は=CH2であり;
1及びR2は、互いに独立して、(C1〜C4)アルキル又は(C1〜C4)フルオロアルキルであるか、あるいは
1とR2は、C20と一緒になって、(C3〜C6)シクロアルキル又は(C3〜C6)シクロフルオロアルキルを形成するか、あるいは
1とR2は、一緒になって、=CH2を形成し;
3及びR4は、互いに独立して、(C1〜C4)アルキル又は(C1〜C4)フルオロアルキルであるか、あるいは
3とR4は、C25と一緒になって、(C3〜C9)シクロアルキル又は(C3〜C9)シクロフルオロアルキルを形成し;
Aは、単結合又は二重結合であり;そして
Bは、単結合、二重結合又は三重結合であるが、但し
(i)R1及びR2が(C1〜C4)アルキルであるか、又はR1とR2がC20と一緒になって、シクロプロピル基若しくは=CH2を形成し、R3及びR4が(C1〜C4)アルキル、トリフルオロメチルであるか、又はR3とR4がC25と一緒になって(C3〜C6)シクロアルキルを形成し、そしてAが単結合であるとき、そのときBは、トランス二重結合ではなく;
(ii)Bが単結合であるとき、そのときR1及びR2は、C20と一緒になって、(C3〜C6)シクロアルキル又は(C3〜C6)シクロフルオロアルキル基を形成し;そして
(iii)R1及びR2が(C1〜C4)アルキルであり、R3及びR4が(C1〜C4)アルキルであり、Xが=CH2であり、そしてAが単結合であるとき、そのときBは、二重結合ではない〕で示されるビタミンD3類似体、及びそのプロドラッグに関する。
【0016】
本発明の第二の態様は、高カルシウム尿症、高カルシウム血症又は腎毒性を誘発することなしに、骨密度を症候的レベルまで回復するのに治療上効果的である量の式(I)の化合物〔式中、Xは、水素又は=CH2であり;
1及びR2は、互いに独立して、(C1〜C4)アルキル又は(C1〜C4)フルオロアルキルであるか、あるいはR1とR2は、C20と一緒になって、(C3〜C6)シクロアルキル又は(C3〜C6)シクロフルオロアルキルを形成するか、あるいはR1とR2は、一緒になって、=CH2を形成し;
3及びR4は、互いに独立して、(C1〜C4)アルキル又は(C1〜C4)フルオロアルキルであるか、あるいはR3とR4は、C25と一緒になって、(C3〜C9)シクロアルキル又は(C3〜C9)シクロフルオロアルキルを形成し;
Aは、単結合又は二重結合であり;そして
Bは、単結合、二重結合又は三重結合である〕
及びそのプロドラッグの投与による、骨粗しょう症又は二次上皮小体機能亢進症を治療する方法に関する。
【0017】
本発明の第三の態様は、高カルシウム尿症、高カルシウム血症又は腎毒性を誘発することなしに、治療上効果的である量の式(I)の化合物〔式中、Xは、水素又は=CH2であり;
1及びR2は、互いに独立して、(C1〜C4)アルキル又は(C1〜C4)フルオロアルキルであるか、あるいはR1とR2は、C20と一緒になって、(C3〜C6)シクロアルキル又は(C3〜C6)シクロフルオロアルキルを形成するか、あるいはR1及びR2は、一緒になって、=CH2を形成し;
3及びR4は、互いに独立して、(C1〜C4)アルキル又は(C1〜C4)フルオロアルキルであるか、あるいはR3とR4は、C25と一緒になって、(C3〜C9)シクロアルキル又は(C3〜C9)シクロフルオロアルキルを形成し;
Aは、単結合又は二重結合であり;そして
Bは、単結合、二重結合又は三重結合であるが、但し
(i)R1及びR2が(C1〜C4)アルキルであるか、又はR1とR2が、C20と一緒になって、シクロプロピル基若しくは=CH2を形成し、R3及びR4が、(C1〜C4)アルキル、トリフルオロメチルであるか、又はR3とR4が、C25と一緒になって、(C3〜C6)シクロアルキルを形成し、そしてAが単結合であるとき、そのときBは、トランス二重結合ではなく;
(ii)Bが単結合であるとき、そのときR1とR2は、C20と一緒になって、(C3〜C6)シクロアルキル又は(C3〜C6)シクロフルオロアルキル基を形成し;そして
(iii)R1及びR2が(C1〜C4)アルキルであり、R3及びR4が(C1〜C4)アルキルであり、Xが=CH2であり、そしてAが単結合であるとき、そのときBは、二重結合ではない〕の化合物及びそのプロドラッグの投与による癌を治療する方法に関する。
【0018】
本発明の第四の態様は、製薬上許容し得る担体と、式(I)のビタミンD3類似体とを含む製剤組成物に関する。
【0019】
本明細書に用いられる限りで、用語(C1〜C4)アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する完全に飽和された炭化水素の基を意味し;(C1〜C4)フルオロアルキルは、炭素骨格に結合した1個又はそれ以上の水素原子が、1個又はそれ以上のフッ素原子で置換されている、上記に定義されたとおりのアルキル基である。(C3〜C6)シクロアルキルは、3〜6個の環炭素原子を有する環状の飽和炭化水素の基であり;(C3〜C6)シクロフルオロアルキルは、炭素骨格に結合した1個又はそれ以上の水素原子が、1個又はそれ以上のフッ素原子で置換されている、上記に定義されたとおりのシクロアルキル基である。(C3〜C9)シクロアルキルは、3〜9個の環炭素原子を有する環状の飽和炭化水素の基である。(C3〜C9)シクロフルオロアルキルは、炭素骨格に結合した1個又はそれ以上の水素原子が、1個又はそれ以上のフッ素原子で置換されている、3〜9個の環炭素原子を有する環状の飽和炭化水素の基である。
【0020】
更に本明細書に用いられる限りで、二重結合とは、2対の電子が等しく共有される2個の隣接炭素原子間の不飽和結合であって、各炭素原子が、二つの単結合された置換基を、該二重結合に関してシス(Z)又はトランス(E)のいずれかの立体配置で有する結合を意味する。
【0021】
「プロドラッグ」は、そのようなプロドラッグを哺乳動物の対象に投与したとき、式(I)による活性親薬物をin vivoで放出するいかなる化合物をも意味する。式(I)の化合物のプロドラッグは、式(I)の化合物に存在する官能基を、修飾物がin vivoで切断されて、親化合物を放出するように修飾することによって調製される。プロドラッグは、化合物(I)のヒドロキシル基が、in vivoで切断されて、遊離のヒドロキシル基を再生し得る何らかの基に結合された、式(I)の化合物を包含する。プロドラッグの例は、式(I)の化合物のヒドロキシル官能基のエステル(例えば、酢酸エステル、ギ酸エステル及び安息香酸エステル誘導体)、カーバマート(例えば、N,N−ジメチルアミノカルボニル)、及びエーテルなどを包含するが、これらに限定されない。そのような化合物は、当業者によって、親分子のヒドロキシル基をアシル化又はエーテル化することによって常套的に製造される。
【0022】
「治療上有効量」は、疾病を治療又は予防するために哺乳動物に投与したとき、該疾病に対してそのような治療又は予防を達成するのに十分である、化合物の量を意味する。この「治療上有効量」は、化合物、疾病及びその重篤度、並びに治療しようとする哺乳動物の年齢、体重等々に応じて変動することになる。
【0023】
本発明の化合物は、一般的には、ビタミンD3の1α,25−ジヒドロキシ20,20−ジアルキル及び1α,25−ジヒドロキシ−20,20−ジアルキル−19−ノル類似体として記載し得る。
【0024】
本発明の化合物は、下記のFig.(1)に示される記数体系を用いて命名される:
【0025】
【化6】
Figure 0004219553
【0026】
例えば、Xが=CH2であり、R1とR2が、一緒になって、シクロアルキル基を形成し、Aが単結合であり、そしてBが三重結合である本発明の化合物は、1α,25−ジヒドロキシ−23−イン−20,21,28−シクロプロピルコレカルシフェロールと命名される。
【0027】
下記の表Iは、本発明の化合物のいくつかの代表的な例を与え、
【0028】
【表1】
Figure 0004219553
【0029】
下記のように命名される:
1. 1,25−ジヒドロキシ−23−イン−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロール、
2. 1,25−ジヒドロキシ−23−イン−20,21,28−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール、
3. 1,25−ジヒドロキシ−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロール、
4. 1,25−ジヒドロキシ−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロール、
5. 1,25−ジヒドロキシ−23−(Z)−エン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロール、
6. 1,25−ジヒドロキシ−23−(Z)−エン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール。
【0030】
化合物の好適な群は、
Aが、単結合又は二重結合、好ましくは単結合であり;そして
Bが、三重結合である
ものである。
【0031】
化合物のもう一つの好適な群は、
Aが、単結合であり;そして
Bが、二重結合である
ものである。
【0032】
化合物の更にもう一つの好適な群は、
Aが、単結合又は二重結合、好ましくは単結合であり;そして
Bが、シス二重結合である
ものである。
【0033】
化合物のこれらの好適な群内で、より好ましい群は、
1及びR2が、C20と一緒になって、(C3〜C6)シクロアルキル、好ましくはシクロプロピルを形成し、そして
3及びR4が、互いに独立して、(C1〜C4)アルキル又は(C1〜C4)フルオロアルキル、好ましくはメチル、エチル、トリフルオロメチル、1,1−ジフルオロエチル又は2,2,2−トリフルオロエチル、より好ましくはメチル又はトリフルオロメチルである
ものである。
【0034】
本発明の類似体は、一般的には、ビタミンD3分子の断片の反応及び結合によって製造してよい〔例えば、Shiuey et al., J. Org. Chem., 55: 243 (1990); Wovkulich, P. M. et al., Tetrahedron, 40, 2283 (1984); Bagiolini, E.B. et al., J. Org. Chem., 51, 3098-3108 (1986)、及びSteinmeyerら、米国特許第5,585,368号明細書を参照されたい〕。
【0035】
これらの化合物を製造する際に用いられる、出発材料及び試薬は、Aldrich Chemical Co.、(Milwaukee, WI)若しくはSigma(St. Louis, MO)のような商業的供給者から入手できるか、又は当業者に既知の方法により、Fieser及びFieserのReagents for Organic Synthesis, Vol. 1-15(John Wiley and Sons, 1991);MarchのAdvanced Organic Chemistry(John Wiley and Sons第4版)並びにLarockのComprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc., 1989)のような参考文献に記載された手順を追って製造できるかのいずれかである。
【0036】
反応の出発材料及び中間体は、所望ならば、濾過、蒸留、晶出、クロマトグラフィーなどを包含するが、これらに限定されない慣用の手法を用いて、単離かつ精製してよい。そのような材料は、物理的定数及び分光データを包含する慣用の手段を用いて、特徴付け得る。
【0037】
式(I)の化合物、及びその製造に用いられる中間体の製造を、下記の反応スキームに例示する。
【0038】
一般的には、式(I)の化合物は、R1、R2、R3、R4、A及びBが発明の要約に記載されたとおりであり、下記のスキームIに示したとおり、R5が水素又はヒドロキシル保護基(例えばトリアルキルシリル、好ましくはトリメチルシリル)である、式(II)の4H−インデン−4−オン誘導体を、Xが水素又は=CH2である、式(III)の化合物のジフェニルホスフィンオキシド誘導体とカップリングさせることによって製造される。
【0039】
【化7】
Figure 0004219553
【0040】
カップリング反応は、n−ブチルリチウムなどのアルキルリチウムのような強塩基の存在下、ヘキサンとテトラヒドロフランとの混合物中で−78℃で実施して、式(I)の化合物のトリシリル誘導体を得る。テトラヒドロフランのような適切な極性有機溶媒中での、フッ化テトラブチルアンモニウムによるシリル保護基の除去が、式(I)の化合物を与える。
【0041】
留意すべきことに、示された中間体は、代表的にはシリルエーテルとして保護された、ヒドロキシル基を有するが、本発明の範囲は、T. W. Greene「Protective Groups in Organic Synthesis」Wiley New York (1991)及びJ. F. McOmie「Protective Groups in Organic Chemistry」Plenum Press, London (1973)に記載されたとおりの、当技術に既知の代替的ヒドロキシル保護基を、脱保護の代替的方法とともに用いることを包含する。
【0042】
式(III)の化合物の合成は、当技術に既知かつ慣用的である。例えば、Steinmeyerらへの米国特許第5,585,368号、Doranらへの同第5,384,314号、Doranらへの同第5,428,029号、Baggioliniらへの同第5,451,574号明細書;係属中の米国特許願第60/018,219号明細書;Shiuey et al., J. Org. Chem., 55: 243-247 (1990)、Kiegel, J. et al., Tetr. Lett., 32: 6057-6060 (1991)、Perlman, K.L. et al., Tetr. Lett., 32: 7663-7666 (1991)を参照されたい。
【0043】
式(II)の化合物の合成は、下記のスキームIIに説明されている。
【0044】
1及びR2がC20と一緒になってシクロプロピル環を形成し、Xが=CH2又はH2であり、Aが単結合であり、Bが三重結合であり、R3及びR4がメチル又はトリフルオロメチルである、式(I)の化合物の合成の詳しい説明は、実施例2、3、5及び6に述べられている。
【0045】
1とR2が一緒になってシクロプロピル環を形成し、Xが=CH2又はH2であり、Aが単結合であり、Bがシス二重結合であり、R3及びR4がメチル又はトリフルオロメチルである、式(I)の化合物の合成の詳しい説明は、実施例8及び9に述べられている。
【0046】
【化8】
Figure 0004219553
【0047】
上記のとおり、式(I)の化合物の製造は、それぞれ方法(a)又は方法(b)に従うことによって、共通の中間体1−〔(5−ヒドロキシ)−3−アルキニル〕インデン−4−オール誘導体(VII)を製造し、次いで、Bが二重又は三重の結合のいずれかである式(II)の化合物へと転化することを要する。
【0048】
化合物(VII)は、1−(3−アルキニル)−4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−7a−メチルインデン誘導体(IV)から誘導されるリチウムアセチリドと、R3及びR4が発明の要約に定義されたとおりである、式(V)のケトンとを縮合させて、1−〔(5−ヒドロキシ)−3−アルキニル〕−4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−7a−メチルインデン誘導体(VI)を得ることによって製造される。この縮合反応は、n−ブチルリチウムのような強塩基の存在下、テトラヒドロフランのような非プロトン性有機溶媒中、かつ−50〜−100℃にわたる低温で実施される。テトラヒドロフランのような適切な有機溶媒中での、フッ化テトラブチルアンモニウムによるシリル保護基の除去が、1−〔(5−ヒドロキシ)−3−アルキニル〕インデン−4−オール誘導体(VII)を与える。
【0049】
1及びR2が、一緒になって、シクロプロピル環を形成し、Aが単結合である、式(IV)の化合物の合成の詳しい説明は、実施例1に述べられる。その他の式(IV)の化合物の合成、及び式(VII)の化合物製造の代替的方法は、係属中の米国特許願第08/857,569号明細書(ヨーロッパ特許第0 808,832号公報として公開)に記載されており、その開示を、参考として本明細書に援用する。
【0050】
Bが三重結合であり、R5が水素である、式(II)の化合物は、方法(a)に示したとおり、化合物(VII)の4位のヒドロキシル基をケト基へと、二クロム酸ピリジニウムのような適切な酸化剤によって室温で酸化することによって製造される。この酸化反応は、塩化メチレン、クロロホルムなどのような塩素化炭化水素溶媒中で実施される。R5が水素である式(II)の化合物は、R5がトリアルキルシリル、好ましくはトリメチルシリルである、対応する式(II)の化合物へと、テトラヒドロフラン、塩化メチレン(好ましくは塩化メチレン)などのような非アルコール系有機溶媒中で、1−トリメチルシリルイミダゾールのような適切なシリル化剤と反応させることによって転化する。
【0051】
Aが単結合であり、Bが三重結合であり、R1及びR2が、一緒になって、シクロプロピル環を形成し、R5がトリメチルシリル又は水素であり、R3及びR4がメチル又はトリフルオロメチルである、式(II)の化合物の合成は、実施例1及び4に記載されている。
【0052】
代替的には、Bが二重結合である式(II)の化合物は、方法(b)に示したとおり、化合物(VII)中の三重結合を適切な還元剤で部分的に還元して、式(VIII)の3−アルケン−4H−インデン−4−オールを得ることによって製造される。還元剤の選択は、二重結合の周囲の立体配置に依存する。Eの立体配置が望みならば、アルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシドの存在下、かつエーテル、より好ましくはテトラヒドロフランのような非プロトン性有機溶媒中で、水素化アルミニウムリチウムで還元を実施する。Zの立体配置が望みならば、リンドラー触媒で還元を実施する。そうして、化合物(VIII)を、上記のとおりの酸化及びシリル化工程を実施することによって、Bが二重結合であり、R5が水素又はシリル基である、式(II)の化合物へと転化する。Aが単結合であり、Bがシス二重結合であり、R1及びR2が、一体となって、シクロプロピル環を形成し、R5がトリメチルシリルであり、R3及びR4がトリフルオロメチルである、式(II)の化合物の合成は、実施例7に記載されている。
【0053】
Aが単結合であり、Bが単結合であり、R1及びR2がシクロプロピル環を形成し、Xが=CH2である、式(I)の化合物の製造を示す反応スキームは、下記のスキームIIIに示され、実施例10で更に説明されている。
【0054】
【化9】
Figure 0004219553
【0055】
本発明の化合物は、骨質量の損失によって表われる、哺乳動物の様々な状態の予防及び治療に有用である。特に、本発明の化合物は、同化作用剤であり、哺乳動物における骨粗しょう症及び骨減少症の、高カルシウム尿症、高カルシウム血症又は腎毒性を誘発することのない予防かつ治療的な投与のために指示される。本明細書に用いられる限りで、「高カルシウム尿症」は、約4mg/kg/日より多い排出に相当する、尿中の過剰なカルシウムである。これは、しばしば、腎結石症(腎臓の結石)を招く。「高カルシウム血症」は、血清中のカルシウムの過剰な濃度であり;ヒト(及びラット)では、これは、約10.5mg/dlより多くに相当する。「容認され得ない高カルシウム血症」は、通常、約12mg/dlより高い血清カルシウム濃度で発生し、情緒不安定、錯乱、譫妄、精神病、意識混濁及び昏睡に関連する。
【0056】
本発明の化合物は、臓器移植に用いられる免疫抑制薬物に関連するそれを包含する、I型(閉経後の)、II型(老年性の)及びIII型(医原性の)骨粗しょう症の治療はもとより、腎透析及び二次上皮小体機能亢進症による骨ジストロフィーの治療にも役立つと期待される。
【0057】
本発明の化合物は、副甲状腺ホルモンのレベル上昇によって生じる疾病を治療するのにも有用である。一態様においては、本発明の化合物は、腎不全に関連する二次上皮小体機能亢進症を、特に腎機能不全に関連する骨損失を逆転又は軽減することで治療する際に有用である。その他の態様は、後期二次上皮小体機能亢進症に関連する腎性骨ジストロフィーの治療を包含する。その他の態様は、原発性上皮小体機能亢進症の治療を包含する。
【0058】
式(I)の化合物は、白血病、結腸癌、乳癌及び前立腺癌のような新生物性疾患を治療するのにも有用である。
【0059】
式(I)の化合物は、免疫抑制性病及び自己免疫疾患を治療するのにも有用である。そのような疾患は、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、糖尿病、甲状腺炎及び同種移植片拒絶を包含するが、これらに限定されない。特に、式(I)の化合物は、ビタミンD3受容体(VDR)の活性の変調による疾患を治療するのに有用である。これらの化合物の効用は、当技術に周知のとおり、これらの疾患のためのマウスモデルを用いて、in vivoで立証されている。例えば、Lemire et al., Autoimmunity, 12: 143-148 (1992); Lemire et al., J. Clin. Invest., 87: 1103-1107 (1991); Lemire et al., Endocrinology, 135: 2818 (1994)及びLemire et al., J. Cellular Biochem., 49: 26-31 (1992)を参照されたい。
【0060】
本発明の化合物の骨同化活性は、実施例10に詳述されるとおり、卵巣摘出ラットのモデルでin vivoで立証された。本発明の化合物の抗細胞増殖活性は、実施例12及び13に詳述されるとおり、in vivoで立証された。本発明の化合物の副甲状腺ホルモン抑制活性は、実施例14に詳述されるとおり、in vivoで立証された。
【0061】
一般的には、本発明の化合物は、1日あたり約0.0002〜5μg、好ましくは1日あたり約0.001〜約2μg、最も好ましくは1日あたり約0.002〜約1μgの量で投与してよい。50kgのヒトである対象者に対しては、活性成分の日次用量は、1日あたり約0.01〜約250μg、好ましくは約0.05〜約100μg、最も好ましくは約0.1〜約50μgであってよい。他の哺乳動物、例えばウマ、イヌ及びウシでは、他の用量が必要であり得る。この投与量は、慣用の製剤組成物として、最も効果的な結果を達成する必要に応じて、一回投与若しくは複数回投与によってか、又は制御下放出によって、好ましくは経口的に1日1若しくは2回送達してよい。一定の状況では、隔日投与が、望みの治療的応答を達成するのに適切であると証明し得る。
【0062】
厳密な用量及び組成の選択、並びに最も適切な送達方式は、とりわけ、配合物の薬理学的特性、治療しようとする病状の性質及び重篤度、並びに受容者の肉体的条件及び精神的鋭敏度によって影響されることになる。コルチコステロイド誘発骨減少症の治療においては、所要用量は、コルチコステロイドの比較的高い用量に対しては、より多くなることになる。
【0063】
代表的な送達方式は、経口、非経口(皮下、筋内及び静脈内を包含)、経直腸、口内(舌下を包含)、肺内、経皮及び鼻内、最も好ましくは経口投与を包含する。
【0064】
本発明の別の一つの態様は、活性成分として、本発明の化合物を、製薬上許容し得る無害の担体との混合物中に含む製剤組成物に関する。上記のとおり、そのような組成物は、非経口(皮下、筋内又は静脈内)投与のために、特に液体溶液若しくは懸濁液の形態で;経口又は口内投与のために、特に錠剤若しくはカプセル剤の形態で;肺内又は鼻内投与のために、特に散剤、点鼻剤若しくはエアゾルの形態で;また経直腸又は経皮投与のために調製してよい。
【0065】
該組成物は、好都合には、単位投与量形態として投与してよく、製薬業界に周知の方法のいずれによっても、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, (1985)に記載のとおり、調製してよい。非経口投与のための配合物は、賦形剤として、無菌水又は生理食塩水、プロピレングリコールのようなアルキレングリコール、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール、植物起源の油、水素化されたナフタレンなどを含有してよい。経鼻投与のための配合物は、固体であってよく、賦形剤、例えば乳糖若しくはデキストランを含有してよいか、又は点鼻剤若しくは計量噴霧剤の形態での使用のための、水性若しくは油性溶液であってよい。口内投与のためには、代表的な賦形剤は、ショ糖、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、あらかじめゼランチン化された澱粉などを包含する。
【0066】
経口投与できる組成物は、生理学的に適合し得る一種類若しくはそれ以上の担体及び/又は賦形剤を含んでよく、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、トローチ剤、水性若しくは油性懸濁液、溶液、エマルション、エリキシル剤、及び使用前に水その他の適切な液体担体で再構成するのに適した散剤を包含する、固体又は液体形態であってよい。錠剤及びカプセル剤は、結合剤、例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント又はポリビニルピロリドン;充填剤、例えば乳糖、ショ糖、トウモロコシ澱粉、リン酸化し、ソルビトール又はグリシン;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール又はシリカ;及び界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムとともに調製してよい。液体組成物は、懸濁剤、例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、ショ糖シロップ、ゼラリン、カルボキシメチルセルロース又は食用脂肪;乳化剤、例えばレシチン又はアラビアゴム;植物油、例えばアーモンド油、ココナツ油、冷肝油又はラッカセイ油;防腐剤、例えばブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)のような慣用の添加物を含有してよい。液体組成物は、例えばゼラチン内に封入して、単位投与量形態を与えてよい。
【0067】
好適な固体の経口投与量形態は、錠剤、二片硬殻カプセル剤、及び軟ゼラチン(SEG)カプセル剤を包含する。SEGカプセル剤は、他の2形態に優る明確な利点を与えるため、特に興味深い〔例えば、Seager, H.「Soft gelatin capusules: a solution to many tableting problems」; Pharmaceutical Technology, 9 (1985)を参照されたい〕。SEGカプセル剤を用いる利点のうちいくつかは、(a)SEGカプセル剤では、カプセル内に正確に投薬できる液体に薬物を溶解又は分散するため、用量内容均一性が最適化される;(b)SEGカプセル剤として配合された薬物は、水混和性若しくは油状の液体に溶解又は分散され、そのため、体内で放出されたとき、高い表面積の薬物の分散を生じるため、優れた生体利用能を示す;(c)長期の保存中の酸化に敏感である薬物の分解は、軟ゼラチンの乾燥した外殻が酸素の拡散に対する障壁を与えるため、防止される:ことである。
【0068】
乾燥した外殻の配合物は、代表的には、約40〜60%の濃度のゼラチン、約20〜30%の濃度の(グリセリン、ソルビトール又はプロピレングリコールのような)可塑剤、及び約30〜40%の濃度の水を含む。防腐剤、染料、乳白剤及び香味剤のようなその他の材料も、存在してよい。液体充填材料は、溶解、可溶化若しくは(蜜ろう、水素化ヒマシ油又はポリエチレングリコール4000のような懸濁剤で)分散された固体の薬物、又は鉱油、植物油、トリグリセリド、グリコール、ポリオール及び界面活性剤のような担体、若しくは担体の組合せ中の液体の薬物を含む。
【0069】
【実施例】
以下の実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施することができるように提供されるものである。それらは、発明の範囲を制限するものとみなされるべきではなく、単にその例示及び代表例であるものとみなされるべきである。
【0070】
実施例1
〔1R−(1α,3aβ,7aα)〕−オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔4−メチル−4−〔トリメチルシリルオキシ〕−2−ペンチニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン
【0071】
【化10】
Figure 0004219553
【0072】
工程1
冷却したジメチルアルミニウム塩化物(34.5ml、34.5mmol、ヘキサン中の1M溶液)を、ジクロロメタン(90ml)中の〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕(1,1−ジメチルエチル)ジメチル−〔〔(オクタヒドロ−7a−メチル−1−(1−メチルエテニル)−1H−インデン−4−イル〕オキシ〕シラン(9.25g、30mmol)及びパラホルムアルデヒド(1.03g、34.5mmol)の懸濁物に、−20℃にて滴下添加した。該反応混合物を10℃にて1時間攪拌し、次いで氷上に注ぎ、0.1N塩酸(100ml)にて酸性化した。15分後、該反応混合物をヘキサン中に抽出し、抽出物を食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させ、真空下で濃縮して9.67gの無色ゴム状物を与えた。25%酢酸エチル/ヘキサンを溶出液として用いるシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーは、8.93gの無色ゴム状物を与えた。1.0gのこの物質をHPLCにより精製して、〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕−4−〔〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕オクタヒドロ−7a−メチル−γ−メチレン−1H−インデン−1−プロパノール(0.93g)を与えた:融点 38〜40℃;[α]25 D=+26.7°;IR(CHCl3) 3630及び1635cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.01 (3 H, s), 0.011 (3 H, s), 0.80 (3 H, s), 0.88 (9 H, s), 1.15 (1 H, m), 1.3-1.63 (5 H, m), 1.65-1.76 (6 H, m), 2.0 (1 H, m), 2.27 (2 H, m), 3.68 (2 H, t, J = 6.0 Hz), 4.01 (1 H, s), 4.91 (1 H, s), 4.95 (1 H, s); MS m/z 339(M++H,40).C20382Siの分析計算値:C, 70.94;H, 11.31;Si, 8.29.実測値:C, 70.95;H, 11.62,Si, 8.30.
【0073】
工程2
−10℃のジクロロメタン(45ml)中の〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕−4−〔〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕オクタヒドロ−7a−メチル−γ−メチレン−1H−インデン−1−プロパノール(5.07g、15mmol)〔上記工程1に記述したように調製〕及びジアイオドメタン(13.39g、50mmol)の混合物に、冷却した(−1℃)ジエチル亜鉛溶液(45ml、45mmol、トルエン中の1M溶液)を添加した。該反応混合物を5−7℃にて4.25時間攪拌し、次いでヘキサン(25ml)及び0.1N硫酸(150ml)の混合物に注入した。生成物をヘキサン中に抽出し、硫酸マグネシウムにて乾燥させ、真空下で蒸発させて5.34gの淡黄色ゴム状物を与えた。30%酢酸エチル/ヘキサンを溶出液として用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーは、4.91gの粗生成物を与え、これをヘキサン中の20%酢酸エチルを溶出液として用いるHPLC(15〜30μmメッシュシリカ、50×50mmカラム、70ml/分、流速)により更に精製して、純粋な〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕−1−〔4−〔〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕オクタヒドロ−7a−メチル−1H−インデン−1−イル〕シクロプロパンエタノール(4.13g)を与えた:融点 65〜66℃;[α]25 D=+69.17°(CHCl3,c=1.33);IR(CHCl3) 3620cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.04 (3 H, s), 0.06 (3 H, s), 0.80 (1 H, m), 0.22 (2 H, m), 0.69 (1 H, m), 0.88 (9 H, s), 0.92 (2 H, m), 0.94 (3 H, s). 1.20-1.55 (8 H, m), 1.64 (1 H, br d), 1.78-1.92 (2 H, m), 2.02 (1 H, d, J = 12 Hz), 2.30 (1 H, m), 3.76 (2 H, br, t of t), 3.97 (1 H, s); MS m/z 353(M++H,70).C21402Siの分析計算値:C, 71.53;H, 11.43;Si, 7.96.実測値:C, 71.48;H, 11.67,Si, 7.93.
【0074】
工程3
〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕−1−〔4−〔〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕オクタヒドロ−7a−メチル−1H−インデン−1−イル〕シクロプロパンエタノール(1.056g、3.0mmol)〔上記工程2に記述したように調製〕を、ジクロロメタン(15ml)中のピリジニウムクロロホルメート(1.132g、5.246mmol)及び無水酢酸ナトリウム(0.430g、5.244mmol)の懸濁物に添加し、該反応混合物を室温にて攪拌した。2時間後、該反応混合物をエーテル(35ml)にて希釈し、更に15分間攪拌し、次いでフロリシル(Florisil)パッドを通して濾過した。フロリシルパッドをエーテルにて洗浄し、合わせた濾液を真空下で濃縮して0.93gの固体を与えた。固体の、ヘキサン中の10%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィーは、〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕−1−〔4−〔〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕オクタヒドロ−7a−メチル−1H−インデン−1−イル〕シクロプロパンアセトアルデヒド(0.86g)を与えた:融点 74〜75℃;[α]25 D=93.73°(CHCl3,c=1.18);IR(CHCl3) 1720cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.00 (3 H, s), 0.01 (3 H, s), 0.27 (1 H, m), 0.32 (1 H, m), 0.50 (1 H, m), 0.80 (1 H, m), 0.88 (9 H, s), 0.97 (3 H, s), 1.03 (1 H, m), 1.15 (1 H, m), 1.20-1.55 (6 H, m), 1.60-1.75 (2 H, m), 1.80 (1 H, d, J = 16 Hz), 1.95 (1 H, d, J = 12 Hz), 2.89 (1 H, d, J = 16 Hz), 3.97 (1 H, s), 9.81 (1 H, d, J = 3 Hz); MS m/z 351(M++H,20).C21382Siの分析計算値:C, 71.94;H, 10.92;Si, 8.01.実測値:C, 71.71;H, 11.15,Si, 8.23.
【0075】
工程4
無水テトラヒドロフラン(6ml)中のジエチルジアゾメチルホスホネート(1.78g、10mmol)の溶液を、無水テトラヒドロフラン(20ml)中のカリウムt−ブトキシド(1.234g、10.9mmol)の溶液に−70℃にて添加した。25分後に、テトラヒドロフラン(6.0ml)中の〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕−1−〔4−〔〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕オクタヒドロ−7a−メチル−1H−インデン−1−イル〕シクロプロパンアセトアルデヒド(2.103g、6.0mmol)〔上記工程3に記述したように調製〕を添加した。1時間後に冷却浴を除き、攪拌を更に1.5時間継続した。飽和塩化アンモニウム溶液(10ml)を添加した。15分後、反応混合物をエーテル(100ml)及び飽和塩化ナトリウム(60ml)の混合物中に注入した。有機層を分離し、食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させ、真空下で蒸発させて2.18gにゴム状物を与えた。ヘキサン中の2.5%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、結晶性固体を与え、これをメタノール中にスラリー化し、濾過して〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチル〔〔オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−(2−プロピニル)−シクロプロピル〕−1H−インデン−4−イル〕オキシ〕シラン(1.77g)を与えた:融点 49〜50℃;[α]25 D=58.64°(CHCl3,c=1.03);IR(CHCl3) 3307cm-11H NMR(CDCl3) δ -0.01 (3 H, s), 0.00 (3 H, s), 0.22 (2 H, m), 0.38 (1 H, m), 0.69 (1 H, m), 0.87 (9 H, s), 0.94 (3 H, s), 0.96 (1 H, m), 1.25-1.55 (7 H, m), 1.64 (1 H, br d, J = 12 Hz), 1.75-1.90 (3 H, m), 1.95 (1 H, d, J = 16 Hz), 1.96 (1 H, s), 2.69 (1 H, d, J = 16 Hz), 3.98 (1 H, s); MS m/z 346(M+,20).C2138OSiの分析計算値:C, 76.23;H, 11.05;Si, 8.10.実測値:C, 76.03;H, 10.84;Si, 8.12.
【0076】
工程5
n−ブチルリチウム(5.5ml、8.8mmol、ヘキサン中の1.6M溶液)を、無水テトラヒドロフラン(18ml)中の〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチル〔〔オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−(2−プロピニル)−シクロプロピル〕−1H−インデン−4−イル〕オキシ〕シラン(1.73g、5.0mmol)〔上記工程4に記述したように調製〕の溶液に−78℃にて添加した。30分後、アセトン(5.8g、100mmol)を添加し、攪拌を更に30分間継続した。冷却浴を除き、3時間後に追加量のアセトン(2.9g、50mmol)を添加した。1.5時間後に、該反応混合物を飽和塩化アンモニウム(15ml)により反応停止させ、次いでエーテル(100ml)及び飽和塩化アンモニウム(60ml)の混合物に注入した。有機層を分離し、食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥させ、真空下で蒸発させて2.12gの無色ゴム状物を与えた。ヘキサン中の15%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕−5−〔1−〔4−〔〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕オクタヒドロ−7a−メチル−1H−インデン−1−イル〕シクロプロピル〕−2−メチル−3−ペンチン−2−オールを無色ゴム状物(1.67g)として与えた:[α]25 D=+39.09°(EtOH,c=1.036);IR(CHCl3) 3602cm-11H NMR(CDCl3) δ -0.01 (3 H, s), 0.00 (3 H, s), 0.20 (2 H, m), 0.40 (1 H, m), 0.62 (1 H, m), 0.87 (9 H, s), 0.93 (3 H, s), 1.00 (1 H, m), 1.2-1.4 (13 H, m), 1.49 (6 H, s), 1.62-1.95 (5 H, m), 2.03 (1 H, d, J = 17 Hz), 2.62 (1 H, d, J = 17 Hz), 3.97 (1 H, s); MS m/z 404(M+,18).C25442Siの分析計算値:C, 74.28;H, 10.96;Si, 6.94.実測値:C, 73.92;H, 11.22;Si, 6.87.
【0077】
工程6
フルオロケイ酸(3.75ml、Pilcher, A.S.及びDeShong, P.,J. Org. Chem.,58, 5130 (1993)に記述されるように調製された30%水溶液)を、アセトニトリル(12ml)中の〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕−5−〔1−〔4−〔〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕オクタヒドロ−7a−メチル−1H−インデン−1−イル〕シクロプロピル〕−2−メチル−3−ペンチン−2−オール(0.8g、2.0mmol)〔上記工程5に記述したように調製〕の溶液に0℃にて添加し、該反応混合物を15℃まで昇温させた。3.5時間後、反応混合物を水(10ml)及び酢酸エチル(10ml)にて希釈し、次いで酢酸エチル(50ml)及び水(50ml)の混合物に注入した。有機層を分離し、食塩水、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、真空下で蒸発させてゴム状物を与えた。ヘキサン中の25%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕オクタヒドロ−1−〔1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチニル)シクロプロピル〕−7a−メチル−4H−インデン−4−オールを結晶性固体(0.5g)として与えた:融点 97〜98℃;[α]25 D=36°(MeOH,c=1.03);IR(CHCl3) 3604,2230cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.22 (2 H, m), 0.39 (1 H, m), 0.63 (1 H, m), 0.97 (3 H, s), 1.07 (1 H, m), 1.2-1.45 (8 H, m), 1.50 (6 H, s), 1.79-1.90 (3 H, m), 2.01 (1 H, m), 2.03 (1 H, d, J = 17 Hz), 2.62 (1 H, d, J = 17 Hz), 4.06 (1 H, s); MS m/z 581(2xM++H).C19302:の分析計算値C, 78.57;H, 10.41.実測値:C, 78.54;H, 10.54.
【0078】
工程7
ピリジニウムジクロメート(3.30g、8.77mmol)を、ジクロロメタン(16ml)中の〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕オクタヒドロ−1−〔1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチニル)シクロプロピル〕−7a−メチル−4H−インデン−4−オール(0.8g、2.75mmol)〔上記工程6に記述されるように調製〕の溶液に添加し、該反応混合物を室温にて攪拌した。3.5時間後、追加量のジクロロメタン(2.5ml)及びピリジニウムジクロメート(2.0g、5.3mmol)を添加し、攪拌を更に2.5時間継続した。該反応混合物をエーテル(25ml)にて希釈し、30分間攪拌し、次いでセライト(Celite)パッドを通して濾過した。セライトパッドをエーテルにより洗浄し、濾液を真空下で濃縮して0.75gの淡黄色ゴム状物を与えた。ヘキサン中の50%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、〔1R−(1α,3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−1−〔1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチニル)シクロプロピル〕−7a−メチル−4H−インデン−4−オン(0.70g)を無色ゴム状物として与えた:[α]25 D=−5.5°(MeOH,c=1.2);IR(CHCl3) 3602,2232,1706cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.31 (2 H, m), 0.44 (1 H, m), 0.62 (1 H, m), 0.68 (3 H, s), 1.14 (1 H, m), 1.53 (6 H, s), 1.73 (2 H, m), 1.83 (1 H, s, OH), 1.96 (1 H, m), 2.04 (1 H, m), 2.05 (1 H, d, J = 17 Hz), 2.16-2.29 (4 H, m), 2.50 (1 H, dd, J = 7.6 Hz), 2.62 (1 H, d, J = 17 Hz); MS(E/I) m/z 288.2092.C19282の分析計算値:C, 79.12;H, 9.78.実測値:C, 78.93;H, 9.80.
【0079】
工程8
メチレンクロライド(15ml)中の〔1R−(1α,3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−1−〔1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチニル)シクロプロピル〕−7a−メチル−4H−インデン−4−オン(0.7g、2.426mmol)〔上記工程7に記述したように調製〕及び1−(トリメチルシリル)イミダゾール(2.6ml、17.7mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下、室温にて18時間攪拌し、次いで水(10ml)にて反応停止させた。25分間後、該反応混合物をエーテル(100ml)及び水(50ml)の混合物に注入した。有機相を集め、水性相をエーテルにて再抽出した。合わせた有機抽出物を食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥させ、蒸発させて0.82gの無色油状物を与えた。ヘキサン中の20%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、〔1R−(1α,3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔4−メチル−4−〔トリメチルシリルオキシ〕−2−ペンチニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン(0.79g、90%)を油状物として与えた:[α]25 D=−10.69°(EtOH,c=0.8151);IR(CHCl3) 2250及び1706cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.18 (9 H, s), 0.28 (2 H, m), 0.32 (1 H, m), 0.62 (1 H, m), 0.69 (3 H, s), 1.13 (1 H, m), 1.47 (3 H, s), 1.48 (3 H, s) 1.50-1.58 (2 H, m), 1.70-1.76 (2 H, m), 1.92-1.99 (1 H, m), 2.00 (1 H, d, J = 17 Hz), 2.05 (1 H, m), 2.51 (1 H, m), 2.64 (1 H, d, J = 17 Hz); MS m/z 361(11).C22362Siの分析計算値:C, 73.28;H, 10.06;Si, 7.79.実測値:C, 73.28;H, 10.10;Si, 7.79.
【0080】
実施例2
1,25−ジヒドロキシ−23−イン−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロール
【0081】
【化11】
Figure 0004219553
【0082】
工程1
n−ブチルリチウム(0.5ml、0.8mmol、ヘキサン中の1.6M溶液)を、無水テトラヒドロフラン(5.0ml)中の〔3S−(1Z,3α,5β)〕−〔2−〔3,5−ビス〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕−2−メチレン−シクロヘキシリデン〕エチル〕ジフェニルホスフィンオキシド(1.73g、5.0mmol)(Kiegel, J.ら、Tetr. Lett., 32: 6057-6060 (1991)参照)の溶液に−78℃にて添加した。得られた深紅の溶液を−72℃にて7分間攪拌し、次いで無水テトラヒドロフラン(4.0ml)中の〔1R−(1α,3aβ,7aβ)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔4−メチル−4−〔(トリメチルシリル)オキシ〕−2−ペンチニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン(0.18g、0.5mmol)〔実施例1に記述したように調製〕の溶液により処理した。3時間後、該反応混合物を、2Nロッシェル塩溶液及び2N重炭酸カリウム溶液の1:1混合物(10ml)により反応停止させた。該反応混合物を室温まで昇温させ、次いで酢酸エチル(100ml)及びロッシェル塩溶液及び2N重炭酸カリウム溶液の1:1混合物(50ml)に注入した。有機相を分離し、水性相を酢酸エチルにて抽出した。合わせた有機抽出物を食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥させ、蒸発させて0.89gの残渣を与えた。5%酢酸エチル−ヘキサンを溶出液として用いるシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、トリシリル中間体(0.34g)を与え、これを次の工程に直接に使用した。
【0083】
工程2
無水テトラヒドロフラン(3.3ml)中のトリシリル中間体(0.33g、0.455mmol)〔上記工程1に記述したように調製〕及びテトラブチルアンモニウムフルオライド(3.3ml、3.3mmol、テトラヒドロフラン中の1.0M溶液)の溶液を、室温にてアルゴン雰囲気下で攪拌した。17時間後、該反応混合物を水(10ml)にて希釈した。10分間後、該反応混合物を食塩水及び水の1:1混合物に注ぎ、有機相を集めた。水性相を酢酸エチルにて再抽出し、合わせた有機抽出物を食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥させ、蒸発させて0.19gのゴム状物を与えた。酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーは、0.144gの無色残渣を与え、これを無水メチルホルメート(5ml)に溶解し、0.45μmフィルターを通して濾過した。濾液を40℃にて蒸発させ、残渣を高真空下(0.2mmHg)に4時間保持して、1,25−ジヒドロキシ−23−イン−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロール(0.13g)を無色泡状物として与えた:[α]D 23=−10.23°(EtOH,c=0.38);λmax(MeOH) 264(ε=16859),248(sh,15198),212(ε=15127); 1H NMR(CDCl3) δ 0.26 (2 H, m), 0.41 (1 H, m), 0.56 (1 H, m), 0.59 (3 H, s), 1.1 (1 H, m), 1.40-1.49 (8 H, m), 1.50 (6 H, s), 1.70 (2 H, m), 1.84 (1 H, s, OH), 1.96 (1 H, m), 2.0 (4 H, m), 2.05 (1 H, d, J = 17 Hz), 2.31 (1 H, m), 2.60 (1 H, d, J = 17 Hz), 2.61 (1 H, m), 2.80 (1 H, m), 4.23 (1 H, br s), 4.42 (1 H, br s), 4.99 (1 H, s), 5.33 (1H, s), 5.98 (1 H,d, J = 11 Hz), 6.37 (1 H, d, J = 11 Hz); MS(FAB) m/z 424(M+ 52).
【0084】
実施例3
1,25−ジヒドロキシ−23−イン−20,21,28−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール
【0085】
【化12】
Figure 0004219553
【0086】
工程1
n−ブチルリチウム(0.55ml、0.81mmol、ヘキサン中の1.6M溶液)を、無水テトラヒドロフラン(5ml)中の〔3R−(3α,5β,Z)−3,5−ビス〔〔1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕シクロヘキシリデン〕エチル〕ジフェニルホスフィンオキシド(0.51g、0.79mmol)(Perlman, K. L.ら、Tetr. Lett., 32: 7663-7666 (1991)参照)の溶液に、−78℃にてアルゴン雰囲気下で添加した。得られた深紅の溶液を−68℃にて10分間攪拌し、次いで無水テトラヒドロフラン(4.0ml)中の〔1R−(1α,3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔4−メチル−4−〔トリメチルシリル−オキシ〕−2−ペンチニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン(0.18g、0.5mmol)〔実施例1に記述したように調製〕の溶液により処理した。該反応混合物を−78℃にて4時間攪拌し、次いで20℃まで昇温させ、1Nロッシェル塩溶液及び2N重炭酸カリウム溶液の1:1混合物(10ml)により反応停止させた。10分間後、該反応混合物を酢酸エチル(100ml)及びロッシェル塩溶液及び1N重炭酸カリウム溶液の1:1混合物(50ml)に注入した。有機相を集め、水性相を酢酸エチルにて抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムにて乾燥させ、蒸発させて0.59gのゴム状物を与えた。5%酢酸エチル−ヘキサンを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、トリシリル中間体(0.31g)を与え、これを次の工程に更に精製することなく使用した。
【0087】
工程2
トリシリル中間体(0.30g、0.42mmol)〔上記工程1に記述したように調製〕を無水テトラヒドロフラン(3.0ml)中に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオライド(3.5ml、3.5mmol、テトラヒドロフラン中の1M溶液)にて処理した。該反応混合物を、室温にてアルゴン雰囲気下で48時間攪拌し、次いで水(10ml)にて希釈し、更に10分間攪拌した。該反応混合物を酢酸エチル(75ml)及び食塩水/水の1:1混合物(50ml)に注入した。有機相を集め、水性相を酢酸エチルにて再抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムにて乾燥させ、蒸発させて0.24gの残渣を与えた。酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上での、残渣のフラッシュクロマトグラフィーは、粗生成物を与え、これをメチルホルメート(5.0ml)に溶解し、0.45μmフィルターを通して濾過した。有機物質を40℃にて蒸発させ、残渣を室温にて高真空下(0.2トリチェリ)で5時間乾燥させ、1,25−ジヒドロキシ−23−イン−20,21,28−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール(0.15g)を無色泡状物として与えた:[α]D 23=+52.3°(EtOH,c=0.45);λmax(MeOH) 261(ε=25929),251(ε=38263),243(ε=22011),227(sh,ε=13396); 1H NMR(CDCl3) δ 0.28 (2 H, m), 0.40 (1 H, m), 0.55 (1 H, m), 0.58 (3 H, s), 1.11 (1 H, m), 1.40-1.48 (2 H, m), 1.50 (6 H, s), 1.55-1.60 (5 H, m), 1.68 (2 H, m), 1.80 (2 H, m), 1.90-2.05 (4 H, m), 2.10 (1 H, d, J = 17 Hz), 2.20 (2 H, m), 2.50 (1 H,d, J = 16 Hz), 2.60 (1 H,d, J = 17 Hz), 4.06 (1 H, br s), 4.11 (1 H, br s), 5.82 (1 H,d, J = 11 Hz), 6.30 (1 H,d, J = 11 Hz); MS(FAB) m/z 412(M+).
【0088】
実施例4
〔(1R−(1α,3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンチニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン
【0089】
【化13】
Figure 0004219553
【0090】
工程1
n−ブチルリチウム(7.5ml、12mmol、ヘキサン中の1.6M溶液)を、無水テトラヒドロフラン(25ml)中の〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチル〔〔オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−(2−プロピル)シクロプロピル〕−1H−インデン−4−イル〕オキシ〕シラン(2.36g、6.25mmol)〔上記実施例1、工程4に記述したように調製〕の溶液に−70℃にて添加した。45分後、ドライアイス凝縮器を被せた添加ロート中に凝縮されたヘキサフルオロアセトン(5.8ml、100mmol)を添加し、攪拌を継続した。1.5時間後に、該反応混合物を2Nロッシェル塩溶液(20ml)により反応停止させ、該反応混合物を室温まで昇温させ、次いでエーテル(125ml)及び50%食塩水(75ml)の混合物に注入した。有機層を分離し、食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥させ、真空下で蒸発させて5.8gの無色ゴム状物を与えた。ヘキサン中の15%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕−5−〔1−〔4−〔〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕オクタヒドロ−7a−メチル−1H−インデン−1−イル〕シクロプロピル〕−1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−3−ペンチン−2−オールを無色油状物(3.6g)として与えた:[α]25 D=+7.69°(EtOH,c=4.0);IR(CHCl3) 3588,2241cm-11H NMR(CDCl3) δ -0.04 (6 H, s), 0.19 (1 H, m), 0.28 (1 H, m), 0.36 (1 H, m), 0.70 (1 H, m), 0.86 (9 H, s), 0.93 (3 H, s), 1.00 (1 H, q, J = 11 Hz), 1.2-1.59 (7 H, m), 1.64-1.92 (4 H, m), 2.06 (1 H, d, J = 17 Hz), 2.75 (1 H, d, J = 17 Hz), 3.13 (1 H, s, OH), 3.96 (1 H, s); MS m/z 512(M+,18).C253862Siの分析計算値:C, 58.57;H, 7.47;F, 22.24,Si, 5.48.実測値:C, 58.39;H, 7.57,F, 22.34,Si, 5.41.
【0091】
工程2
フルオロケイ酸(6.0ml、Pilcher, A. S. 及びDeShong, P., J. Org. Chem.,58, 5130 (1993)に記述されるように調製された30%水溶液)を、アセトニトリル(18ml)中の〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕−5−〔1−〔4−〔〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕オクタヒドロ−7a−メチル−1H−インデン−1−イル〕シクロプロピル〕−1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−3−ペンチン−2−オール(1.24g、2.4mmol)〔上記工程1に記述したように調製〕の溶液に添加し、該反応混合物を室温にてアルゴン雰囲気下で攪拌した。2.5時間後、反応混合物を酢酸エチル(100ml)及び飽和重炭酸ナトリウム(50ml)の混合物に注入した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、真空下で蒸発させて0.9gの部分的に結晶性の固体を与えた。ヘキサン中の25%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンチニル)シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オールを結晶性固体(0.65g)として与えた:融点 96〜97℃;[α]25 D=25.39°(EtOH,c=0.957);IR(CHCl3) 3590,2266,2241cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.22 (1 H, m), 0.32 (1 H, m), 0.42 (1 H, m), 0.71 (1 H, m), 0.98 (3 H, s), 1.04 (1 H, m), 1.26-1.33 (2 H, m), 1.40-1.60 (6 H, m), 1.84-1.98 (4 H, m), 2.01 (1 H, d, J = 17 Hz), 2.76 (1 H, d, J = 17 Hz), 3.86 (1 H, s, OH), 4.08 (1 H, s); MS m/z 397(M+−H).C192462の分析計算値:C, 57.28;H, 6.07;F, 28.61.実測値:C, 57.34;H, 5.97;F, 28.66.
【0092】
工程3
ジクロロメタン(14ml)中の〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンチニル)シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オール(0.66g、1.65mmol)〔上記工程2に記述されるように調製〕の攪拌される溶液に、ピリジニウムジクロメート(4.0g、10.63mmol)を添加し、該反応混合物を室温にて4時間攪拌した。追加量のピリジニウムジクロメート(0.5g、1.32mmol)を添加し、攪拌を更に30分間継続した。ジエチルエーテル(25ml)を添加し、該反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、次いでセライトパッドをジエチルエーテルにより洗浄した。合わせた濾液及び洗浄液を1N重炭酸ナトリウム(100ml)、続いて食塩水/水1:1混合物により洗浄した。水性洗浄液を酢酸エチルにより逆抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムにより乾燥させ、蒸発させて0.64gの部分的結晶性物質を与えた。ヘキサン中の25%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、〔1R−(1α,3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンチニル)シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン(0.56g、86%)を無色結晶として与えた。65mgの生成物の、ヘキサン中の50%エーテルからの結晶化は、〔1R−(1α,3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンチニル)シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン(51mg)を無色針状晶として与えた:融点 145〜146℃;[α]26 D=−8.52°(EtOH,c=0.704);IR(CHCl3) 3588,2268,2242及び1707cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.30 (1 H, m), 0.38 (1 H, m), 0.45 (1 H, m), 0.68 (3 H, s), 1.13 (1 H, q, J = 14 Hz), 1.55 (2 H, m), 1.73 (2 H, m), 1.95 (1 H, m), 2.11-2.31 (4 H, m), 2.13 (1 H, d, J = 17 Hz), 2.50 (1 H, m), 2.75 (1 H, d, J = 17 Hz), 3.88 (1 H, s, OH); MS m/z 396.C192262の分析計算値:C, 57.47;H, 5.59;F, 28.76.実測値:C, 57.60,H, 5.65;F, 28.66.
【0093】
実施例5
1,25−ジヒドロキシ−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロール
【0094】
【化14】
Figure 0004219553
【0095】
工程1
n−ブチルリチウム(0.52ml、0.81mmol、ヘキサン中の1.6M溶液)を、無水テトラヒドロフラン(5.0ml)中の〔3S−(1Z,3α,5β)〕−〔2−〔3,5−ビス〔〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕−2−メチレン−シクロヘキシリデン〕エチル〕ジフェニルホスフィンオキシド(0.475g、0.81mmol)の溶液に、−78℃にて添加した。得られた深紅の溶液を−78℃にて8分間攪拌し、次いで無水テトラヒドロフラン(4.0ml)中の〔1R−(1α,3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンチニル)シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン(0.16g、0.4mmol)〔実施例4に記述したように調製〕の溶液により処理した。3時間後、該反応混合物を10℃まで昇温させ、次いで1Nロッシェル塩溶液及び1N重炭酸カリウム溶液の1:1混合物(10ml)により反応停止させた。10分間後、反応混合物を酢酸エチル(100ml)及びロッシェル塩溶液及び1N重炭酸カリウム溶液の1:1混合物(50ml)に注入した。有機相を集め、水性相を酢酸エチルにて再抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムにて乾燥させ、蒸発させて0.55gのゴム状物を与えた。ヘキサン中の20%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、0.15gのトリシリル中間体を無色ゴム状物として与え、これを次の工程に更に精製することなく使用した。
【0096】
工程2
テトラブチルアンモニウムフルオライド(2.5ml、2.5mmol、テトラヒドロフラン中の1M溶液)を、無水テトラヒドロフラン(3.0ml)中のトリシリル中間体(0.145g、0.19mmol)の溶液に添加し、該反応混合物を室温にてアルゴン雰囲気下で攪拌した。19時間後、反応混合物を水(10ml)にて希釈し、更に10分間攪拌し、次いで酢酸エチル(75ml)及び食塩水/水の1:1混合物(50ml)に注入した。有機相を集め、水性相を酢酸エチルにて再抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムにて乾燥させ、蒸発させて0.16gの残渣を与えた。酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーは、固体を与え、これをメチルホルメート(2.0ml)に溶解し、0.45μmフィルターを通して濾過した。濾液を40℃にて蒸発させ、残渣を室温にて高真空下に6時間維持して、1,25−ジヒドロキシ−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロール(93mg)を無色泡状物として与えた:[α]D 25=−1.12(EtOH,c=0.50);λmax(MeOH) 264(ε=16762),247(sh,ε=14746),213(ε=13727); 1H NMR(CDCl3) δ 0.28 (1 H, m), 0.35 (1 H, m), 0.41 (1 H, m), 0.59 (3 H, s), 0.64 (1 H, m), 1.09 (1 H, m), 1.40-1.60 (7 H, m), 1.65-1.78 (2 H, m), 1.90-2.05 (5 H, m), 2.18 (2 H, d, J = 17 Hz), 2.31 (1 H, dd, J = 14, 7 Hz), 2.63 (1 H, d, J = 14 Hz), 2.73 (1 H, d, J = 17 Hz), 2.85 (1 H, m), 3.45 (1 H, s, OH), 4.23 (1 H, br s), 4.43 (1 H, br s), 5.00 (1 H, s), 5.32 (1 H, s), 6.00 (1 H, d, J = 11 Hz), 6.37 (1 H, d, J = 11 Hz); MS(FAB) m/z 532(M+ 50).
【0097】
実施例6
1,25−ジヒドロキシ−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール
【0098】
【化15】
Figure 0004219553
【0099】
工程1
n−ブチルリチウム(0.5ml、0.80mmol、ヘキサン中の1.6M溶液)を、無水テトラヒドロフラン(5.0ml)中の〔3R−(3α,5β,Z)−3,5−ビス〔〔1,1−(ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕シクロヘキシリデン〕エチル〕ジフェニルホスフィンオキシド(0.45g、0.79mmol)の溶液に、−78℃にて添加した。得られた深紅の溶液を−78℃にてアルゴン下で8分間攪拌し、次いで無水テトラヒドロフラン(3.0ml)中の〔1R−(1α,3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンチニル)シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン(0.16g、0.40mmol)〔実施例4に記述したように調製〕の溶液により処理した。該反応混合物を−78℃にて3時間攪拌し、次いで10℃まで昇温させ、1Nロッシェル塩溶液及び1N重炭酸カリウム溶液の1:1混合物(10ml)により反応停止させた。10分間後、該反応混合物を酢酸エチル(100ml)及びロッシェル塩溶液及び1N重炭酸カリウム溶液の1:1混合物(50ml)に注入した。有機相を集め、水性相を酢酸エチルにて再抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムにて乾燥させ、蒸発させて0.54gの残渣を与えた。ヘキサン中の20%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、0.15gのトリシリル中間体を無色ゴム状物として与え、これを次の工程に更に精製することなく使用した。
【0100】
工程2
テトラブチルアンモニウムフルオライド(2.5ml、2.5mmol、テトラヒドロフラン中の1M溶液)を、無水テトラヒドロフラン(3.0ml)中の上記トリシリル中間体(0.15g、0.20mmol)の溶液に添加した。該反応混合物を室温にてアルゴン雰囲気下で40時間攪拌し、次いで、水(10ml)にて希釈し、酢酸エチル(75ml)及び食塩水/水の1:1混合物(50ml)に注入した。有機相を集め、水性相を酢酸エチルにて再抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムにて乾燥させ、蒸発させて0.10gの粗生成物を与えた。酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーは、残渣を与え、これをメチルホルメート(5.0ml)に溶解し、0.45μmフィルターを通して濾過した。濾液を40℃にて蒸発させ、室温にて高真空下(0.2トール)にて6時間乾燥させて、1,25−ジヒドロキシ−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール(95mg)を無色泡状物として与えた:[α]D 23=+36.20°(EtOH,c=0.32);λmax(MeOH) 243(ε=31322),251(ε=37316),260(ε=25430)nm;IR(CHCl3) 3603,2242cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.28 (1 H, m), 0.35 (1 H, m), 0.42 (1 H, m), 0.60 (3 H, s), 0.65 (1 H, m), 1.10 (1 H, m), 1.40-1.72 (9 H, m), 1.80 (1 H, m), 1.97 (4 H, m), 2.19 (1 H, d, J = 17 Hz), 2.49 (1 H, m), 2.72 (1 H, d, J = 17 Hz), 2.75 (2 H, m), 3.40 (1 H, br s, OH), 4.05 (1 H, br, s), 4.12 (1 H, br s), 5.82 (1 H, d, J = 11 Hz), 6.30 (1 H, d, J = 11 Hz); MS(FAB) m/z 520(M+ 80).
【0101】
実施例7
〔(1R−(1α(Z),3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−4−〔(トリメチルシリル)オキシ〕−2−ペンテニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン
【0102】
【化16】
Figure 0004219553
【0103】
工程1
酢酸エチル(12ml)、ヘキサン(30.0ml)、無水エタノール(1.2ml)及びキノリン(60ml)中の〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンチニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オール(1.195g)の溶液を、リンドラー(Lindlar)触媒(240mg)により大気圧下、室温にて水素添加した。2.0時間後、反応混合物をセライトのパッドを通して濾過した。セライトパッドを酢酸エチルにて洗浄し、合わせた濾液を1.0N塩酸(50ml)、食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させ、蒸発させて1.16gの無色ゴム状残渣を与えた。該残渣をヘキサン中の40%酢酸エチルを溶出液に用いるシリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、1.09gの無色ゴム状物を与え、これをヘキサンにて破砕して〔(1R−(1α(Z),3aβ,4α,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オール(84mg)を与えた:融点 99〜100℃;[α]D 25=+24.49°(MeOH,c=1.03);IR(CHCl3) 3619,3569,1659cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.09 (1 H, m), 0.23 (1 H, m), 0.34 (1 H, m), 0.67 (1 H, m), 1.00 (3 H, s), 1.11 (1 H, m), 1.19-1.30 (2 H, m), 1.37-1.56 (6 H, m), 1.76 - 1.88 (3 H, m), 2.03 (1 H, d, J = 16 Hz), 2.17 (1 H, ddd, J = 16,7,6 Hz), 2.95 (1 H, ddd, J = 16,7,6), 3.13 (1 H, s, OH), 4.06 (1 H, s), 5.40 (1H, d, J = 12 Hz), 6.10 (1H, ddd, J = 12, 7, 6 Hz); MS m/z 400(M+,10).C192662の分析計算値:C, 56.99;H, 6.55;F, 28.47.実測値:C, 57.10;H, 6.57;F, 28.31.
【0104】
工程2
ピリジニウムジクロメート(3.3g、8.7mmol)を、ジクロロメタン(25ml)中の〔1R−(1α(Z),3aβ,4α,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オール(1.00g、2.5mmol)の攪拌される溶液に添加し、得られた不均質混合物を室温にて攪拌した。5時間後、該反応混合物をジイソプロピルエーテル(30ml)にて希釈し、更に15分間攪拌し、次いでセライトパッドを通して濾過した。濾液を蒸発させて0.984gの淡黄色固体を得た。ヘキサン中の30%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、0.84gの無色固体を与えた。固体をジクロロメタン(4ml)に溶解し、0.45mmフィルター(Millex-HV)を通して濾過した。濾液をヘキサン(7.0ml)にて希釈し、次いで約6mlまで濃縮し、−2℃にて一夜静置した。固体を濾別して〔1R−(1α(Z),3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン(0.8g)を無色結晶として与えた:融点 124〜125℃;[α]D 25 −2.6°(EtOH,c=1.00);IR(CHCl3)3568,1706cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.15 (1 H, m), 0.36 (2 H, m), 0.60 (1 H, m), 0.65 (3 H, s), 1.15 (1 H, m), 1.50 - 1.80 (4 H, m), 1.85-2.3 (4 H, m), 2.45 (1 H, dd, J = 7.6, 6.8 Hz), 2.91 (1 H, ddd, J = 16,7.6, 5.9 Hz), 2.98 (1 H, s, OH), 5.42 (1 H, d, J = 12 Hz), 6.10 (1 H, ddd, J = 12, 7.6, 6.8 Hz). MS m/z 398(M+,22).C192462の分析計算値:C, 57.28;H, 6.07;F, 28.61.実測値:C, 57.39;H, 6.01;F, 28.75.
【0105】
工程3
ジクロロメタン(20ml)中の〔1R−(1α(Z),3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン(0.75g、1.88mmol)及び1−(トリメチルシリル)イミダゾール(2.6ml、17.75mmol)の溶液をアルゴン下で7時間攪拌し、次いで水(10ml)にて希釈した。15分間攪拌後、該反応混合物をジクロロメタン(69ml)及び水(50ml)に注入した。有機相を集め、水性相をジクロロメタンにより再抽出した。合わせた有機抽出物を水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、蒸発させて0.87gの部分的結晶性固体を与えた。ヘキサン中の20%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、0.83gの無色結晶を与えた。結晶をエーテル(5ml)に溶解し、0.45mmフィルター(Millex-HV)を通して濾過し、濾液をヘキサン(5ml)にて希釈した。エーテルを蒸発させ、溶液を−1℃にて一夜静置した。固体を濾別して〔1R−(1α(Z),3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−4−〔(トリメチルシリル)オキシ〕−2−ペンテニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン(0.80g)を無色結晶として与えた:融点 70〜71℃;[α]D 25 +0.9°(MeOH,c=1.00);IR(CHCl3)1706cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.11 (1 H, m); 0.22 (9 H, s), 0.32 (2 H, m), 0.65 (1 H, m), 0.69 (3 H, s), 1.12 (1 H, m), 1.50-1.73 (4 H, m), (1.90 -2.30 (7 H m), 2.47 (1 H, dd, J = 17, 7 Hz), 2.94 (1 H, ddd, J = 12, 7, 6 Hz), 5.41 (1H, d, J = 12 Hz), 6.05 (1 H, ddd, J = 12,7, 6 Hz). MS m/z 471(M++H,100).C223262Siの分析計算値:C, 56.15;H, 6.85;F, 24.22;Si, 5.97.実測値:C, 56.26;H, 6.72;F, 24.29;Si, 5.80.
【0106】
実施例8
1,25−ジヒドロキシ−23−(Z)−エン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロール
【0107】
【化17】
Figure 0004219553
【0108】
工程1
n−ブチルリチウム(0.5ml、0.8mmol、ヘキサン中の1.6M溶液)を、無水テトラヒドロフラン(4ml)中の〔3S−(1Z,3α,5β)〕−2−〔3,5−ビス〔〔1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ−2−メチレン−シクロヘキシリデン〕エチル〕ジフェニルホスフィンオキシド(0.47g、0.8mmol)の溶液に、−78℃にて添加した。得られた深紅の溶液を−78℃にて7分間攪拌し、次いで無水テトラヒドロフラン(3ml)中の〔1R−(1α(Z),3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−4−〔(トリメチルシリル)オキシ〕−2−ペンテニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン(0.19g、0.4mmol)の溶液により処理した。2時間後、該反応混合物を−10℃まで昇温させ、次いで2Nロッシェル塩溶液及び2N重炭酸カリウム溶液の1:1混合物(10ml)により反応停止させた。20分間後、該反応混合物を、酢酸エチル(60ml)及び2Nロッシェル塩溶液と2N重炭酸カリウム溶液の1:1混合物(50ml)に注入した。有機相を集め、水性相を酢酸エチルにて再抽出した。合わせた有機抽出物を50%食塩水(100ml)にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥させ、蒸発させてゴム状物を与えた。ヘキサン中の20%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、0.11gのトリシリル中間体を無色ゴム状物として与え、これを次の工程に更に精製することなく使用した。
【0109】
工程2
テトラブチルアンモニウムフルオライド(3.0ml、3.0mmol、テトラヒドロフラン中の1.0M溶液)を、テトラヒドロフラン(3ml)中のトリシリル中間体(0.11g)の溶液に添加し、該反応混合物を室温にて攪拌した。17時間後、反応混合物を水(5ml)にて希釈し、更に15分間攪拌し、次いで酢酸エチル(75ml)及び50%食塩水(40ml)の混合物に注入した。有機相を集め、水性相を酢酸エチルにて再抽出した。合わせた有機抽出物を水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥させ、蒸発させて86mgのゴム状物を与えた。酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーは、ゴム状物を与え、これを無水メチルホルメート(7ml)に溶解し、0.4μmフィルターを通して濾過し、蒸発させて、1,25−ジヒドロキシ−23(Z)−エン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロール(69mg)を無色泡状物として与えた:[α]D 25=−4.0°(MeOH,c=0.35);λmax(MeOH) 265(ε 15837),211(ε=14458)nm;IR(CHCl3) 3598,1651cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.11 (1 H, m), 0.29 (2 H, m), 0.60 (3H, s), 0.61 (1 H, m), 1.10 (1 H, m), 1.21-1.35 (1H, m), 1.50 (6 H m), 1.70 (2 H, m), 1.90 (2 H, m), 2.00 (3 H, m), 2.30 (2 H, m), 2.60 (1 H, d, J = 12 Hz), 2.85 (2 H, m), 2.90 (1 H, s, OH), 4.22 (1 H, s), 4.42 (1 H, s), 4.99 (1 H, s), 5.32 (1 H, s), 5.42 (1 H, d, J = 12 Hz), 5.99 (1 H, d = 11 Hz), 6.10 (1 H, ddd, J = 12,7,6), 6.36 (1 H, d, J = 11 Hz); MS(FAB) m/z 535(M++H).
【0110】
実施例9
1,25−ジヒドロキシ−23−(Z)−エン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール
【0111】
【化18】
Figure 0004219553
【0112】
工程1
n−ブチルリチウム(0.32ml、0.5mmol、ヘキサン中の1.6M溶液)を、無水テトラヒドロフラン(3ml)中の〔3R−(3α,5β,Z)〕−3,5−ビス〔〔1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ〕シクロヘキシリデン〕エチル〕ジフェニルホスフィンオキシド(0.285g、0.5mmol)の溶液に、−78℃にて添加した。得られた深紅の溶液を−78℃にて6分間攪拌し、次いで無水テトラヒドロフラン(2ml)中の〔1R−(1α(Z),3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5,5,5−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−4−〔(トリメチルシリル)オキシ〕−2−ペンテニル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン(0.12g、0.25mmol)の溶液により処理した。3.0時間後、該反応混合物を15℃まで昇温させ、2Nロッシェル塩溶液及び2N重炭酸カリウム溶液の1:1混合物(5ml)により反応停止させた。20分間後、該反応混合物を、酢酸エチル(15ml)にて希釈し、酢酸エチル(50ml)及び2Nロッシェル塩溶液と2N重炭酸カリウム溶液の1:1混合物(50ml)の混合物中に注入した。有機相を集め、水性相を酢酸エチルにて再抽出した。合わせた有機抽出物を50%食塩水(100ml)にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥させ、蒸発させて0.58gのゴム状物を与えた。ヘキサン中の20%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、0.18gのトリシリル中間体を無色ゴム状物として与え、これを次の工程に更に精製することなく使用した。
【0113】
工程2
テトラブチルアンモニウムフルオライド(3.0ml、3.0mmol、テトラヒドロフラン中の1.0M溶液)を、テトラヒドロフラン(3ml)中のトリシリル中間体(0.11g)の溶液に添加し、該反応混合物を室温にて攪拌した。42時間後、反応混合物を水(5ml)にて希釈し、更に15分間攪拌し、次いで酢酸エチル(50ml)及び50%食塩水(40ml)の混合物に注入した。有機相を集め、水性相を酢酸エチルにて再抽出した。合わせた有機抽出物を水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥させ、蒸発させて0.12gのゴム状物を与えた。酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーは、ゴム状物を与え、これを無水メチルホルメート(8ml)に溶解し、0.4μmフィルターを通して濾過し、蒸発させて、1,25−ジヒドロキシ−23(Z)−エン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール(98mg)を無色泡状物として与えた:[α]D 25 +47.4°[MeOH,c=0.35);λmax(MeOH) 260(ε=28200),251(ε=41760),243(ε=34747),235(sh,ε=23594)nm;IR(CHCl3) 3603cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.12 (1 H, m), 0.32 (2 H, m), 0.60 (3 H, s), 0.62 (1 H, m), 1.14 (1 H, m), 1.35 (1H, m), 1.41 (2 H m), 1.52 (4 H, m), 1.70 (2 H, m), 1.82 (1 H, m), 1.88 - 2.00 (2 H, m), 2.04 (2 H, m), 2.23 (3 H, m), 2.47 (1 H, d, J = 12 Hz), 2.82 (3 H, m), 2.96 (1 H, s, OH), 4.04 (1 H, s), 4.12 (1 H, s), 5.42 (1 H, d, J = 12 Hz), 5.82 (1 H, d = 11 Hz), 6.12 (1 H, ddd, J = 12,7,6), 6.30 (1 H, d, J = 11 Hz); MS(EI) m/z 522(M+,60).
【0114】
実施例10
1,25−ジヒドロキシ−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロール
【0115】
工程1
〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕−オクタヒドロ−1−〔1−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)シクロプロピル〕−7a−メチル−4H−インデン−4−オール
【0116】
4.0mLの酢酸エチル、10mLのヘキサン、0.5mLのエタノール、及び20μLのキノリン中の250mg(0.86mmol)の〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕−オクタヒドロ−1−〔1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチニル)−シクロプロピル〕−7a−メチル−4H−インデン−4−オールの溶液を、75mgのリンドラー触媒(5%Pd+CaCO3上の3.5%Pd)により室温及び大気圧にて2.5時間水素添加した。該混合物を50mLの酢酸エチルにより希釈し、セライトパッドにより濾過し、これを3×20mLの酢酸エチルにより洗浄した。合わせた濾液及び洗浄液を50mLの0.1N HCl、次いで50mLの水にて洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させて244mgの無色ゴム状物を与えた。50%酢酸エチルを用いる50gのシリカゲル(40−65μm;直径3.5cmカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーは、12mLの分画を取って分画10−18の蒸発後に、230mgの無色ゴム状物を与えた。1H NMR(CDCl3)は、標記化合物と23,24(Z)−エン生成物の混合物であることを示した。該混合物を、25mLのCH2Cl2に溶解し、40mgの〔1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン〕(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(1)テトラフルオロボレートを触媒として用い、1滴の水銀の存在下でパール(Parr)水素添加装置内にて、室温、及び50psiで3時間水素添加した。30mLのCH2Cl2にて希釈後、該混合物をセライトパッドにて濾過し、これを3×40mLの酢酸エチルにより洗浄した。濾液及び洗浄液を蒸発させ、オレンジ色ゴム状物を与え、これをヘキサン中の50%酢酸エチルを溶出液として用いる45gのシリカゲル(40−65μm;直径3.5cmカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーにより、12mLの分画を取って精製した。分画13−17を合わせ、蒸発させて部分的結晶性固体を与え、これをヘキサンにて破砕して204mgの標記化合物を無色結晶として与えた:融点 126〜128℃;[α]D 25=+42.6°(MeOH,c=0.3);IR 3611cm-11H NMR(CDCl3) δ -0.06 (1 H, m) 0.18 (2 H, m), 0.54 (1 H, m), 0.59 (1 H, m), 0.98 (3 H, m), 1.21 (6 H, s), 1.2-1.6 (15 H, m), 1.75-2.10 (5 H, m), 4.06 (1 H, s); MS(+FAB) m/z(295,M++1,10).C19342の分析計算値:C, 77.50;H, 11.64.実測値 C:77.40;H, 11.89.
【0117】
工程2
〔1R−(1α,3aβ,7aα)〕−オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5−メチル−5−〔(トリメチルシリル)オキシ〕ペンチル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オン
【0118】
8.0mLのCH2Cl2中の190mg(0.64mmol)の〔1R−(1α,3aβ,4α,7aα)〕−オクタヒドロ−1−〔1−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)シクロプロピル〕−7a−メチル−4H−インデン−4−オールの攪拌される溶液に、2.0g(5.3mmol)のピリジニウムジクロメートを添加し、該混合物を室温にて5.0時間攪拌した。それを20mLのジイソプロピルエーテルにより希釈し、15分間攪拌し、セライトパッドにて濾過し、これを4×25mLのジイソプロピルエーテルにより洗浄した。濾液及び洗浄液の蒸発は、184mgの淡黄色ゴム状物を与え、これをヘキサン中の45%酢酸エチルを溶出液として用いる45gのシリカゲル(40〜65μm;直径3.5cmカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーにより、12mLの分画を取って精製した。分画19−25を合わせ、蒸発させて158mgの無色ゴム状物を与えた。後者をCH2Cl2に溶解し、1.0mL(6.8mmol)の1−トリメチルシリルイミダゾールにより処理し、該混合物を室温にて2.0時間攪拌した。それを15mLの水及び15mLのCH2Cl2にて希釈し、更に15分間攪拌し、40mLのCH2Cl2及び20mLの10%食塩水の混合物中に注入した。有機相を分離し、水性相を3×50mLのCH2Cl2にて再抽出した。合わせた有機抽出物を3×60mLの10%食塩水にて洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させて180mgの無色ゴム状物を与え、これをヘキサン中の15%酢酸エチルを溶出液として用いる45gのシリカゲル(40〜65μm;直径3.5cmカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーにより、12mLの分画を取って精製した。分画10−14を合わせ、蒸発させて137mgの無色ゴム状物を与え、これをヘキサン中の7.5%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲル(15=30μm;50mm×50cmカラム;70mL/分)でのHPLCにより更に精製した。18.5分に溶出する物質を集め、蒸発させて114mgの標記化合物をゴム状物として与え、これは0℃にて一夜維持することにより固化した:[α]D 25 +7.8°(CHCl3,c=0.41);IR1707cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.00 (1 H, m), 0.11 (9 H, s), 0.20 (2 H, m), 0.63 (2 H, m), 0.68 (3 H, s), 1.01 (1 H m), 1.21 (6 H, s), 1.30-1.72 (7 H, m), 1.90-2.10 (3 H, m), 2.15-2.3 (5 H, m), 2.5 (1 H, m); MS(+FAB) m/z 349.252(M+−15,48).
【0119】
工程3
1,25−ジヒドロキシ−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロール
【0120】
4.0mL中の無水THF中の335mg(0.57mmol)の〔3S−(1Z,3α,5β)〕−〔2−〔3,5−ビス〔(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル〕オキシ−2−メチレンシクロヘキシリデン〕エチル〕ジフェニルホスフィンオキシドの冷却され(−78℃)攪拌される溶液に、ヘキサン中のn−ブチルリチウムの1.6M溶液、0.35mL(0.56mmol)を添加し、得られた深紅の溶液を−78℃にて7分間攪拌した。1.5mLの無水THF中の、105mg(0.28mmol)の〔1R−(1α,3aβ,7aα)〕オクタヒドロ−7a−メチル−1−〔1−〔5−メチル−5−〔(トリメチルシリル)オキシ〕ペンチル〕シクロプロピル〕−4H−インデン−4−オンの溶液を添加し、該混合物を−78℃にて3時間、次いで室温にて15分間攪拌した。該混合物に、1.0Mロッシェル塩溶液と1.0N KHCO3溶液の1:1混合物を5mL添加した。15分間後、該混合物を、50mLの酢酸エチル及び40mLの1.0Mロッシェル塩溶液と1.0N KHCO3溶液の1:1混合物に注入した。有機相を分離し、水性相を3×50mLの酢酸エチルにて再抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させて440mgのゴム状物を与え、これをヘキサン中の5%酢酸エチルを溶出液として用いる40gのシリカゲル(40〜65μm;直径3.5cmカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーにかけ、12mLの分画を取った。分画5−8を合わせ、蒸発させて131mgの無色ゴム状物を与えた。後者を3.0mLのTHFに溶解し、THF中のテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドの1.0M溶液、1.5mL(1.5mmol)により処理し、室温にて17時間攪拌した。該混合物を10mLの水にて希釈し、15分間攪拌し、60mLの酢酸エチル及び40mLの10%食塩水の混合物に注入した。有機相を分離し、水性相を3×60mLの酢酸エチルにて再抽出した。合わせた有機抽出物を4×100mLの水にて洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させて78mgの無色ゴム状物を与え、これを酢酸エチルを溶出液として用いる40gのシリカゲル(40〜65μm;直径3.2cmカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーにより、10mLの分画を取って精製した。分画10−12を合わせ、蒸発させてゴム状物を与え、これを10mLの無水メチルホルメートに溶解した。溶液を0.4μmフィルターを通して濾過し、濾液を蒸発させて64mgの標記化合物を無色ゴム状物として与えた:[α]D 25 +18.3°(MeOH,c=0.18);IR(CHCl3) 3608cm-11H NMR(CDCl3) δ 0.00 (2 H, m), 0.20 (2 H, m), 0.59 (3 H, s), 0.63 (2 H, m), 0.90 (2 H, m), 1.22 (6 H, s), 1.30-1.70 (20 H, m), 1.90-2.12 (5 H, m), 2.60 (1 H, d), 2.81 (1 H, d), 4.22 (1 H, br s), 4.43 (1 H, br s), 4.99 (1 H, s), 5.32 (1 H, s), 5.99 (1 H, d, J = 11 Hz) 6.37 (1 H, d, J = 11 Hz); MS(EI) C28443の計算値:m/z 428.3290.実測値 m/z 428.3297.
【0121】
実施例11
ラットにおける骨同化作用
本発明の化合物は、骨増加(骨付着)において1,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3より有効であり、高カルシウム尿症、腎細胞毒性又は高カルシウム血症を治療的有効量においては誘発しない。このことは以下のように例示される:
3月齢のラットを、卵巣摘出(Ovx)し、1,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3(表中のvitD)又は本発明の化合物の一つのいずれかを、卵巣摘出後3週間から開始し、卵巣摘出後6週にて最終的に犠牲にするまで継続して投与した。擬似(卵巣摘出されないラット)及びOvxの両者の対照群は、ベヒクルのみを投与された。血液及び尿試料を、卵巣摘出後4週、及び6週水準に再度採取し、血清及び尿カルシウム量を決定した。最終大腿カルシウムを、卵巣摘出後6週の犠牲時に測定した。
【0122】
右大腿の骨無機質密度を、QDR-1000W骨密度計(QDR-1000W Bone DensitometerTM)(Hologic, Walthan, MA)にて高分解能ソフトウエアパッケージを使用して測定した。動物を、右脚部が胴体に直角となり、頸骨が大腿に直角となるように背臥位において走査ブロック上に置き、走査した。
【0123】
このアッセイにおける本発明の化合物のいくつかについての骨無機質密度の増加、並びに尿及び血清中カルシウム量を下記表に示す:
【0124】
【表2】
Figure 0004219553
【0125】
実施例12
MCF−7乳癌細胞における細胞増殖アッセイ
MCF−7細胞は、エストロゲン受容体について陽性のヒト乳房腫瘍細胞である。乳癌に対するビタミンD3類似体の潜在的活性を、培養物中のMDF−7細胞の増殖阻害から評価した。
【0126】
MCF−7細胞を24ウエルプレートに9000細胞/ウエルを以て蒔き、37℃において5%CO2/95%空気中で、10%ウシ胎児血清、700nMインシュリン、2mMグルタミン、0.1mM MEM非必須アミノ酸及び1mMピルビン酸ナトリウムを含むダルベッコ修飾イーグル培地中で培養した。ビタミンD3類似体の保存溶液を、無水エタノール中に10mMの濃度で調製し、アルゴン下で−20℃にて保存した。播種後4日目に、8個のウエルの培地を除去し、細胞をCa/Mgを含まない0.5mlPBSにてすすぎ、次いで細胞を0.3mlのトリプシン−EDTAにて培養することにより、MCF−7の個数を計数した。15分後に、トリプシン分解を0.3mlの培地添加により停止させた。0.2mlの分別量を各ウエルから、10mlのアイソトン(isoton)を含む希釈バイアルに移し、細胞数をクールターカウンタ(Coulter CounterTM、Coulter, Miami, FI)にて計数した。
【0127】
残るウエル中のMCF−7細胞に、対照培地又はビタミンD3類似体を種々の濃度で含む培地のいずれかを再度与えた。更に7日間の培養後、各ウエルのMCF−7の個数を、培地を除去し、細胞をCa/Mgを含まない0.5mlPBSにてすすぎ、次いで細胞を0.5mlのトリプシン−EDTAにて15分間培養することにより評価した。トリプシン分解を0.5mlの培地添加により停止させ、各ウエルからの0.1mlの分別量を、10mlのアイソトンを含む希釈バイアルに移し、細胞数をクールターカウンタTMにて計数した。
【0128】
本発明のいくつかの化合物及び比較対照としての1,25−ジヒドロキシ−コレカルシフェロールの抗細胞増殖活性(培養物中のMCF−7細胞成長を50%低減させる濃度であるIC50として表される)は次のとおり:
【0129】
【表3】
Figure 0004219553
【0130】
上記試験結果は、本発明の化合物が、培養物中のMCF−7乳癌細胞の成長阻害において、1,25−ジヒドロキシ−コレカルシフェロールより能力を有することを示している。
【0131】
実施例13
ZR−75乳癌細胞における細胞増殖アッセイ
ZR−75細胞は、エストロゲン受容体について陽性のヒト乳房腫瘍細胞である。乳癌に対するビタミンD3類似体の潜在的活性を、培養物中のZR−75細胞の増殖阻害から評価した。
【0132】
ZR−75細胞を24ウエルプレートに12,500細胞/ウエルを以て蒔き、37℃において5%CO2/95%空気中で、10%ウシ胎児血清及び2mM L−グルタミンを含むRPMI培地中で培養した。ビタミンD3類似体の保存溶液を、無水エタノール中に10mMの濃度で調製し、アルゴン下で−20℃にて保存した。播種後1日目に、ZR−75細胞に対照培地又はビタミンD3類似体を種々の濃度で含む培地のいずれかを再度与えた。更に10日間の培養後、各ウエルのZR−75の個数を、F. Denizot及びR. Lang, J. Immunological Methods, Vol. 89: 271-277 (1986)に記述されるように染料MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド)の還元から評価した。MTTを各ウエルに最終濃度1mg/mlまで添加し、該細胞を3時間培養し、その後、還元されたMTTを95%エタノールを用いて抽出し、光学密度を570nmの波長にて測定した。
【0133】
各ビタミンD3類似体について、IC50値を使用される濃度に対する570nmの光学密度に関するグラフから決定した。
【0134】
本発明のいくつかの化合物及び比較対照としての1,25−ジヒドロキシ−コレカルシフェロールの抗細胞増殖活性(570nm吸光度における最大低減の半値に対応するビタミンD3類似体濃度であるIC50として表される)は次のとおり:
【0135】
【表4】
Figure 0004219553
【0136】
上記試験結果は、本発明の化合物が、培養物中のZR−75乳癌細胞の成長阻害において、1,25−ジヒドロキシ−コレカルシフェロールより能力を有することを示している。
【0137】
実施例14
ラット腎不全モデルにおける二次上皮小体亢進症へのビタミンD 3 類似体の効果
本発明のビタミンD3類似体の副甲状腺ホルモン抑制活性が、ラットにおいて腎不全の7/8腎摘出誘導マウスモデルを使用して、腎不全による続発正上皮小体亢進症により例示された(Kidney International, M. Fukugawaら, 39: 874-881 (1991))。
【0138】
試験物質:
式(I)の化合物
1,25(OH)2ビタミンD3(対照)
ベヒクル−ミグリオール(Miglyol)812
【0139】
雌スプラグドウリーラットを麻酔し、それらの右腎臓を除去し、左腎臓動脈の2〜3枝を結紮し、7/8腎摘出を達成した。それらを高亜リン酸食事療法(0.6%Ca及び0.8亜リン酸)に付した。術後約3〜6週において、血清PTH濃度をスクリーニングするためにラットから採血し、100〜500pg/mlの間のPTH濃度を持ったラットを研究のために選択した。
【0140】
あらかじめの採血(T=0)があり、各群は式(I)の化合物(0.1μg/kg/日)、ベヒクル対照又は1,25−(OH)2ビタミンD3正対照のいずれかを、経口洗浄により、7日間、毎日投与された。化合物はエタノール中にあらかじめ溶解され、ベヒクル(ミグリオール812)にて希釈され、次いでエタノールを蒸発させた。
【0141】
投与の最終日の後、動物は再度採血され(T=1)、犠牲にされた。血清PTHアッセイは、ニコルス・インスティチュート・ダイアグノスティク・キット#40−2240を用いて行った。血清カルシウムアッセイは、o−クレソフタレインを用いてシグマ・ダイアグノスティク・キット#587により行った。血清クレアチニンアッセイは、モリブデン酸アンモニウムを用いてシグマ・ダイアグノスティク・キット#1600−320により行った。
【0142】
【表5】
Figure 0004219553
【0143】
結果は、式(I)の化合物が、副甲状腺ホルモンの上昇した濃度の抑制において、1,25(OH)2ビタミンD3より有効であることを示している。
【0144】
実施例15
経口投与形態軟ゼラチンカプセル
経口投与のためのカプセルは、軟ゼラチンカプセルに充填される150mgの分別ココナツ油中の0.01〜25.0mgの本発明の化合物の一つから、0.015mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及び0.015mgのブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)を伴って、窒素下にて暗室灯下で製剤化された。
【0145】
上記本発明は、明確化及び理解を目的として例示及び実施例により有る程度詳細に記述された。当業者には、変更及び修飾が、添付される請求項の範囲内において、実施され得ることは明らかであろう。したがって、先の記述は例示的であって限定的ではないことを意図するものと理解されるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記記述を参照して決定されるべきものではなく、以下に添付される請求項を参照して、このような請求項に与えられる均等の全範囲と共に決定されるべきである。
【0146】
この出願において引用される特許、特許出願及び刊行物は、個々の特許、特許出願及び刊行物が全く別個に示された場合と同程度に、すべての目的についてそれらの全体を参考としてここに取り入れる。

Claims (8)

  1. 式(I):
    Figure 0004219553
    (式中、
    Xは、水素又は=CH2であり;
    1とR2は、C20と一緒になって、(C3−C6)シクロアルキル又は(C3−C6)シクロフルオロアルキルを形成し;
    3及びR4は、互いに独立して、(C1−C4)アルキル又は(C1−C4)フルオロアルキルであるか、あるいはR3とR4は、C25と一緒になって、(C3−C9)シクロアルキル又は(C3−C9)シクロフルオロアルキルを形成し;
    Aは、単結合であり;そして
    Bは、三重結合である)
    で示される化合物の群から選択される化合物。
  2. 1及びR2が、C20と一緒になって、(C3−C6)シクロアルキルを形成し;
    3及びR4が、互いに独立して、(C1−C4)アルキル又は(C1−C4)フルオロアルキルであり;
    Xが、=CH2である、請求項記載の化合物。
  3. 1,25−ジヒドロキシ−23−イン−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロール及び1,25−ジヒドロキシ−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−コレカルシフェロールから選択される、請求項記載の化合物。
  4. 1及びR2が、C20と一緒になって、(C3−C6)シクロアルキルを形成し;
    3及びR4が、互いに独立して、(C1−C4)アルキル又は(C1−C4)フルオロアルキルであり;
    Xが、水素である、請求項記載の化合物。
  5. 1,25−ジヒドロキシ−23−イン−20,21,28−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール及び1,25−ジヒドロキシ−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−20,21,28−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロールから選択される、請求項4記載の化合物。
  6. 骨粗しょう症を治療するための医薬の製造のための、請求項1記載の式(I)で示される化合物の使用。
  7. 二次上皮小体機能亢進症を治療するための医薬の製造のための、請求項1記載の式(I)で示される化合物の使用。
  8. 請求項1〜のいずれか1項記載の化合物を含む、医薬組成物。
JP2000510706A 1997-09-08 1998-09-02 1,3−ジヒドロキシ−20,20−ジアルキル−ビタミンd3類似体 Expired - Fee Related JP4219553B2 (ja)

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