JP4219206B2 - 案内表示具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば図書館内の書籍配架案内,博物館等の館内案内表示として供せられる表示内容の変更が可能である偏平の案内表示具に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の案内表示具としては、縁部材で4辺を構成した矩形収容枠に表示板と透明板とを嵌挿する例がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−156909号公報
【0004】
特許文献1には、偏平な矩形箱状をした収容枠に表示基板を嵌挿し、その上に透明カバーをその左右端の凸部を左右縦縁部材の凹部に係合するようにして嵌め込む例と、収容枠の上側横縁部材または左右縦縁部材の少なくとも1箇所に設けた開口から表示基板と透明シートを挿し込む例が開示されている。
【0005】
上記いずれの例も、表示基板を交換することが容易で、異なる表示内容の表示基板に交換することで、案内表示内容を簡単に変えることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前者の嵌め込む例では、透明カバーが小さいと、小さい透明カバーを歪めて外すのは難しく、また逆に透明カバーが大きいと温度変化などでサイズが変化して嵌め込みがきつくなったりして表示基板の交換作業が困難となったりすることがある。
【0007】
また、後者の挿し込む例では、表示基板と透明カバーを出し入れするスペースを収容枠の上方または左右に確保しておかなければならず、スペースがない場合には表示内容を変更するときに収容枠全体を外す必要がある。
【0008】
一方で、案内表示具自体に案内表示とは別の情報を持たせることがある。
例えば、案内表示がグループ分けできるような場合に案内表示具自体を色分けするとか、案内表示に順番がある場合に案内表示具自体に番号を付するとかいうように、案内表示の内容とは別の情報を案内表示具に表示させる場合である。
【0009】
案内表示具がこのような使われ方をする場合、案内表示具自体の表示を変更するとなると、前記特許文献1の例では収容枠全体を取り替えなければならず、一旦壁面などにねじ等で固着したものを取り外して別の収容枠を再度ねじ止めして取り付けなければならず作業が極めて面倒である。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、簡単な作業で案内表示の変更はもちろん案内表示具自体の表示の変更も容易にできる案内表示具を供する点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本発明は、矩形に形成された背板と、前記背板の前面に添接される案内表示シートと、該案内表示シートの前面に全面に亘り添接される透明板と、前記矩形の背板の左右端面から裏面に沿って上下を前記背板より延長して固着された左右一対の縦縁部材と、前記左右縦縁部材の上下延長部にそれぞれ設けられた係止手段と、前記左右縦縁部材の上側延長部間および下側延長部間にそれぞれ前記係止手段により係脱自在に係止されて前記案内表示シートと透明板の上端縁と下端縁とを保持しながら架設される上下一対の横縁部材とを備えた案内表示具とした。
【0012】
背板に案内表示シートと透明板を順次重ね、縁部材を相対向する2辺に設けられた係止手段に係止すれば透明板の外周辺を縁取り、簡単に案内表示具が組み立てられる。
【0013】
透明板の大小に関係なく、係脱自在の縁部材を外せば案内表示シートを簡単に交換でき、案内表示シートの交換は背板の前方で行われるので背板の周囲に案内表示シートの交換作業用のスペースを必要としない。
【0014】
また、係止手段を備えた背板に対して縁部材は、係脱自在であるので、この縁部材を交換すれば案内表示具自在の表示を変更することができる。
すなわち、背板が壁面等に取り付けられている場合でも、背板を取り外すことなく係脱自在の縁部材だけを係脱して交換する簡単な作業で案内表示具自体の表示を容易に変更することができる。
【0020】
左右に縦縁部材を備えた矩形の背板に対して、案内表示シートと透明板を順次重ねてその上下に横縁部材を係止手段に係止させて架設すれば透明板とともに案内表示シートが保持されて簡単に案内表示具が組み立てられる。
【0021】
背板が壁面等に取り付けられている場合でも、背板を外すことなく着脱自在の横縁部材だけを交換する簡単な作業で案内表示具自体の表示を容易に変更することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図16に基づき説明する。本実施の形態に係る案内表示具1の全体外観図を図1に示し、その分解斜視図を図2に示す。
【0023】
偏平矩形の基板10における横長長方形状の背板11に案内表示シート2と透明板3を重ね、その上下に左右方向に長尺の横縁部材4,5が組み合わされて案内表示具1が構成される。
【0024】
上下の横縁部材4,5と基板10を構成している左右の縦縁部材12,13により矩形の枠体が形成され、その枠体内に透明板3を透かして案内表示シート2の案内表示を見ることができる。
【0025】
案内表示シート2は、標準のOA印刷用紙であり、表面に案内表示が印刷されたもので、パーソナルコンピュータによりデザインしてプリンタにより簡単に印刷することができる。
【0026】
なお、案内表示シート2はOA印刷用紙に限らず、どのような種類のシートでもよく、サイズも背板11と同じか小さければよく、形も矩形に限定されない不定形でもよく、新聞の切り抜き,写真,手書き掲示物等でもよい。
【0027】
透明板3は、矩形の透明アクリル板であり、表面に微細な凹凸を付けるマット処理が施されて、外方からの光を乱反射させて案内表示シート2の表示の視認性を良くしている。
なお、透明板3の前面の上下辺に切欠き3a,3bが形成されている(図4参照)。
【0028】
基板10は、図7に分解斜視図で示すように長方形の背板11の左右端面から裏面に沿って左右一対の縦縁部材12,13を固着し、背板11の縦幅より長い左右の縦縁部材12,13の上下端部にそれぞれ係止部材15が取り付けられる。
背板11は、前記透明板3と同じ矩形サイズを有している。
左右の縦縁部材12,13は補強のため矩形板状の連結板14により連結される。
【0029】
左右の縦縁部材12,13は、アルミ引き抜き材または樹脂成型品で同じ形状をしており、上下を互いに入れ替えて左右対称にして使用している。
縦縁部材12についてその形状を図8および図9に基づいて説明する。
【0030】
縦縁部材12は、背板11の左端面に沿う上面視前後に長い長方形状(図9参照)をして上下に長尺の縦縁部12aとその内面の後縁近傍から内側へ直角に延出した背板11の裏面に沿う支持部12bとからなる。
縦縁部12aは、支持部12bより若干上下にはみ出して僅かに長尺である。
【0031】
支持部12bは、上下方向に指向した底の浅い前方に向いた開口を狭めた偏平蟻溝形状の溝条部12b1が縦縁部12a寄りに形成され、溝条部12b1からさらに内側に取付片12b2が延出している。
【0032】
取付片12b2には、上下にねじ挿入孔12b3,12b3が穿孔されている。
もう一方の縦縁部材13も同じ形状をしている。
【0033】
また連結板14は、アルミ合金製の矩形板であり、4隅にはねじ挿入孔14a,14aが穿孔されている。
【0034】
この連結板14の前面の左右端部に、左右の縦縁部材12,13の内側の取付片12a2,13a2が接着剤によりそれぞれ接着され、左右の縦縁部材12,13が連結板14により連結される。
【0035】
なお左右縦縁部材12,13の取付片12a2,13a2のねじ挿入孔12b3,12b3は、連結板14の4隅のねじ挿入孔14a,14aに一致する。
【0036】
そして左右縦縁部材12,13の支持部12b,13bの前面に背板11の裏面左右両側部が接着剤により接着される。
背板11は、白色のアクリル板であり、横幅は左右の縦縁部材12,13の前方へ突出した縦縁部12a,13a間の幅長に等しく、縦幅は縦縁部材12,13の上下長さより短く縦縁部材12,13に接着したとき縦縁部材12,13は背板11より上下に延出している。
【0037】
この上下に延出する縦縁部材12,13の溝条部12b1,13b1に、それぞれ係止部材15が挿し込まれ、接着剤で固着される。
係止部材15は、弾性を有する樹脂製であり、図10ないし図12に図示するように、矩形板部15aの表面から板状の係止片15bが4片互いに平行に突出形成されている。
【0038】
係止部材15は、係止片15bが左右水平方向に指向する姿勢で縦縁部材12,13の溝条部12b1,13b1に取付けられる。
係止片15bは矩形板部15aより幅狭で、各係止片15bには先端に爪15cが形成されていて、今回有効に作用する最上位置の係止片15bの爪15cは上方へ突出し、最下位置の係止片15bの爪15は下方へ突出している。
【0039】
係止部材15の矩形板部15aは、横幅が縦縁部材12,13の溝条部12b1,13b1の溝の最大幅に等しく、厚さが溝条部12b1,13b1の溝の左右の前後空隙幅に等しい。
したがって4個の係止部材15が、その矩形板部15aを縦縁部材12,13の溝条部12b1,13b1に上下の開口から挿し込んで、接着剤で固着される。
【0040】
このようにして図5および図6に図示するような基板10が構成される(図13,図14参照)。
図5に示すように正面視で基板10は、横長長方形の背板11の左右両側縁に縦縁部材12,13の縦縁部12a,13aが沿っており、背板11より上下にはみ出した左右の縦縁部材12,13の4隅の支持部12b,13bにそれぞれ係止部材15が係止片15bを前方へ突出させて設けられている。
【0041】
この基板10は、4隅の係止部材15の内側隣りに形成された取付片12b2,13b2のねじ挿入孔12b,13bおよび連結板14のねじ挿入孔14aに、ねじ16を挿入して(図14参照)、壁面等に取り付けることができる。
【0042】
こうして壁面等に取り付けられた基板10に対して、図2に示すように案内表示シート2を背板11に添接し、さらに案内表示シート2の上に透明板3を添接し、その上下に左右方向に長尺の横縁部材4,5が係止される。
【0043】
上下の横縁部材4,5は、アルミ引き抜き材または樹脂成型品で同じ形状をしており、左右を互いに入れ替えて上下対称にして使用している。
横縁部材4についてその形状を図15および図16に基づいて説明する。
【0044】
横縁部材4は、図16に示すように側面視でL字に屈曲する鉛直壁4aと水平壁4bにより概ね構成され、鉛直壁4aの裏面に端縁近傍より被係止片4cが水平壁4bに平行に突出しており、被係止片4cの先端は水平壁4bに向かって直角に屈曲している。
【0045】
また水平壁4bの裏面に端縁近傍より被係止片4dが鉛直壁4aに平行に突出しており、同被係止片4dと前記被係止片4cの屈曲した先端は同一平面上にある。
【0046】
すなわち被係止片4dと被係止片4cの屈曲した先端は、鉛直壁4aより後方へ同じ所定深さ位置にあり、被係止片4dと被係止片4cの屈曲した先端の間は所定幅長を有する。
【0047】
このような横縁部材4,5を、図4に示す位置関係で基板10の上下の係止部材15に係止される。
上側の横縁部材4は、鉛直壁4aを前側に水平壁4bを上側にした姿勢で、背板11より上方にはみ出した左右の縦縁部材12,13の支持部12b,13bに設けられた係止部材15,15に対して、前方から押圧することにより、横縁部材4の被係止片4c,4dが係止部材15,15の係止片15b,15bの弾性変形により先端の爪15c,15cを乗り越えて係止され(図3参照)、横縁部材4は左右の係止部材15,15に架設される。
【0048】
図3に示すように横縁部材4は、その鉛直壁4aの被係止片4cより下方へ若干突出した部分が、透明板3の前面上辺の切欠き3aに嵌り、被係止片4cが背板11,案内表示シート2,透明板3の上端面に沿い、水平壁4bの被係止片4dより後方へ若干突出した部分が、縦縁部材12,13の支持部12b,13bおよび連結板14の上端面の上を覆う。
【0049】
同様に下側の横縁部材5は、鉛直壁4aを前側に水平壁4bを下側にした姿勢で、左右の下側係止部材15,15に架設され、その鉛直壁5aの被係止片5cより下方へ若干突出した部分が、透明板3の前面下辺の切欠き3bに嵌り、被係止片5cが背板11,案内表示シート2,透明板3の下端面に沿い背板11,案内表示シート2を支持し、水平壁5bの被係止片5dより後方へ若干突出した部分が、縦縁部材12,13の支持部12b,13bおよび連結板14の下端面の下を覆う。
【0050】
以上のように基板10の背板11に案内表示シート2を挟んで透明板3を添接し、その上下に横縁部材4,5を係止させる簡単な作業により案内表示具1は、組み立てられる。
【0051】
案内表示面の左右辺は、縦縁部材12,13の縦縁部12a,13aに縁取られ、上下辺は、横縁部材4,5により縁取られて矩形枠に囲まれた薄型の好ましい外観を構成している。
【0052】
横縁部材4,5は、その被係止片4c,4d,5c,5dが係止部材15の係止片15bに係脱自在に係止されており、横縁部材4,5の水平壁4b,5bの後端縁に指または工具を引っ掛けて手前に引けば、係止状態が解除されて横縁部材4,5を簡単に取り外すことができる。
【0053】
なお、案内表示の内容を変更する場合は、上側の横縁部材4のみを取り外せば透明板3および案内表示シート2を前方へ取り出すことができ、所要の案内表示が印刷された新しい案内表示シート2を背板11に当てがい、透明板3の下端縁を下側の横縁部材5に掛け止めて透明板3を案内表示シート2に押し当て上側の横縁部材5を係止して透明板3の上端縁を押え、新しい案内表示シート2を透明板3とともに保持することができる。
【0054】
このように案内表示シート2の交換は極めて簡単な作業で行うことができ、その作業も、案内表示具1の前方空間を利用してでき、案内表示具1の上方または左右に案内表示シート2の交換のためのスペースを必要としない。
【0055】
また矩形枠体を構成する上下の横縁部材4,5を交換することも簡単にできる。
基板10が壁面等に取り付けられている場合でも、基板10を壁面等から取り外すことなく、横縁部材4,5のみを交換することができ、作業は極めて簡単である。
【0056】
したがって案内表示がグループ分けできるような場合に横縁部材4,5を色分けしたり、案内表示に順番がある場合に横縁部材4,5に番号を付したり、あるいは文字や記号等を付したりできるので、これらの表示の変更を横縁部材4,5を交換する簡単な作業で行うことができる。
【0057】
本案内表示具1の場合、背板11と連結板14および透明板3を所定の大きさに裁断し、対応して縦縁部材12,13と横縁部材4,5を適切な長さに切断して組み立てれば、種々のサイズの案内表示具が簡単に製作でき、低コストでかつ短納期の納品が可能である。
【0058】
本実施の形態に係る案内表示具1は、背板11とともに矩形状をしていたが、矩形に限らず種々の形状のものに適用可能である。
【0059】
例えば図17に図示する案内表示具30は、8角形をして対向する上下辺が長尺で横縁部材31,32で構成されるもので、背板,案内表示シート,透明板は同じ8角形をしている。
なお8角形に限らず偶数多角形に同じように適用できる。
【0060】
また図18に図示する案内表示具50は、左右辺が円弧をなし対向する上下辺が直線状の横縁部材51,52で構成される。
【0061】
図17および図18の実施の形態における横縁部材31,32,51,52は、いずれも係脱自在に係止され透明板を案内表示シートとともに背板に保持する構造である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る案内表示具の全体外観図である。
【図2】同分解斜視図である。
【図3】組立状態の同案内表示具の縦断面図である。
【図4】同分解縦断面図である。
【図5】基板の正面図である。
【図6】同上面図である。
【図7】基板の分解斜視図である。
【図8】縦縁部材の正面図である。
【図9】同上面図(図8のIX矢視図)である。
【図10】係止部材の正面図である。
【図11】同上面図である。
【図12】同側面図である。
【図13】基板の角部拡大正面図である。
【図14】同上面図である。
【図15】横縁部材の裏面図である。
【図16】同側面図(図15のXVI矢視図)である。
【図17】別の実施の形態に係る案内表示具の正面図である。
【図18】また別の実施の形態に係る案内表示具の正面図である。
【符号の説明】
1…案内表示具、2…案内表示シート、3…透明板、4,5…横縁部材、
10…基板、11…背板、12,13…縦縁部材、14…連結板、15…係止部材、16…ねじ、
30…案内表示具、31,32…横縁部材、
50…案内表示具、51,52…横縁部材。
Claims (1)
- 矩形に形成された背板と、
前記背板の前面に添接される案内表示シートと、
該案内表示シートの前面に全面に亘り添接される透明板と、
前記矩形の背板の左右端面から裏面に沿って上下を前記背板より延長して固着された左右一対の縦縁部材と、
前記左右縦縁部材の上下延長部にそれぞれ設けられた係止手段と、
前記左右縦縁部材の上側延長部間および下側延長部間にそれぞれ前記係止手段により係脱自在に係止されて前記案内表示シートと透明板の上端縁と下端縁とを保持しながら架設される上下一対の横縁部材と、
を備えたことを特徴とする案内表示具。
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Family Applications (1)
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