JP4218797B2 - 簡易塗布容器及び該容器の液の充填方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は簡易塗布容器に関し、詳しくは、マスカラ,アイライナー,マニキュア,口紅,ファンデーション等の液状化粧品を収納して塗布することのできる簡易塗布容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
マスカラやアイライナー等の化粧料を収納し、塗布するための容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記容器は、有底筒状の容器本体と、その上端部に嵌着され内部に扱き栓を具備した口筒と、該口筒に螺着され先端に塗布具が取り付けられた塗布棒が扱き栓を貫通して垂設された有頭筒状の螺子蓋とを有し、上記口部の下端部には弾性と可撓性を有する長方形の二枚のフィルムがあわされて底部と両側部とが溶着された自己復元性を有するシート状の袋体が液密に取り付けられて構成され、袋体内の化粧料は減少するに従い袋体の中心軸線に位置する塗布具に寄り集まるようにしている。
【0004】
また、マニキュアを収納し、塗布するための容器も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この容器は、容器口部に着脱自在に螺合するネジ蓋に、該ネジ蓋を貫通して上方に長く突出する把持軸を設け、そして上記ネジ蓋の下方に垂下する筆の軸を把持軸に連結したものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−103322号公報(第2−3頁,図1)
【特許文献2】
特開平10−179242号公報(第2頁,図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した如く、この種の液状化粧料の容器は何度も使用することを目的として形成されているのが一般的であり、そのため、構造も比較的複雑であり、しかも一端開封した後の塗布具を再度装着した際の密閉性、或いは容器の載置安定性等に考慮が払われている。
【0007】
本発明は、開封前は充分な密閉性を維持しての持ち運びに便利であり、また、簡単な操作により開封することができるとともに、開封後目的に応じて収納液を輪郭のはっきりしたライン状に塗布することができ、しかも、簡易容器として必須である簡単な構造と低コストでの製造が可能な簡易塗布容器を提案するものである。また、少回数の分割使用のために再び蓋を装着して保管しておくことも可能な簡易塗布容器を提案するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明の簡易塗布容器は、上記課題を解決するため、下端部をシールした筒状胴部5上方に上端部をシールした筒状口部6を延設するとともに、上記口部6に破断可能な環状薄肉部10を形成してなる合成樹脂製の容器体2と、上記上端部のシール部分に上端部を固定して垂設した棒栓3と、上記口部6内に嵌着固定するとともに、上記棒栓3下端部を嵌合して閉塞した注出口12を有し、且つ、注出口12上方の棒栓3周囲に塗布部13を有する栓部材4とを備え、上記環状薄肉部10を破断してその上方の口部部分6aを除去することにより上記塗布部13が露出する如く構成したことを特徴とする簡易塗布容器として構成した。
【0009】
また、請求項2発明の簡易塗布容器は、上記栓部材4が、上記口部6に嵌着固定した嵌合筒14の上端縁より内方へ頂板15を延設するとともに、頂板15中央に下端を開口して立設した筒部16内に上記注出口12を開口し、且つ、頂板15上面周縁部より上記各毛状片13a を立設して上記塗布部13を形成してなる請求項1記載の簡易塗布容器として構成した。
【0010】
また、請求項3発明の簡易塗布容器は、上記容器体2の上端部のシールが、上記注出口12に下端部を嵌着させた上記棒栓3を装着した栓部材4を口部6所定位置へ嵌着後、上記棒栓3の上端部を口部6上端部の筒壁間に融着挟持して固定したシール部である請求項1記載の簡易塗布容器として構成した。
【0011】
また、請求項4発明の簡易塗布容器は、上記環状薄肉部10の破断後に、環状薄肉部10上方の口部部分6aと環状薄肉部10下方の口部部分6bとの着脱自在な嵌合が可能に構成してなる請求項1記載の簡易塗布容器として構成した。
【0012】
また、請求項5発明の簡易塗布容器の充填方法は、筒状胴部5上方に筒状口部6を延設した容器体2の上記口部6内に、下端部を注出口12に嵌着した棒栓3の周囲に塗布部13を有する栓部材4を嵌着し、上記棒栓3の上端部を口部6の上端部の筒壁間に融着挟持してシールし、しかる後上記胴部5下端開口より収納液を注入後下端を融着シールして液の充填を行うことを特徴とする簡易塗布容器の液の充填方法として構成した。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図面に示す如く本発明簡易塗布容器1は、容器体2と、棒栓3と、栓部材4とを備えている。
【0015】
容器体2は合成樹脂により形成されたもので、下端をシールした筒状胴部5の上方へ、上端をシールした筒状の口部6を延設して構成している。胴部5と口部6とは同径であっても図示例の如く口部6を小径に構成しても良い。また、胴部5の形態は筒状であれば、図示例の如く楕円筒状であっても、円筒状であっても、或いは他の筒状であっても良く、口部6も同様である。
【0016】
図示例に於いて容器体2は、楕円筒状の胴部5を有し、胴部5の下端を偏平状に融着シールして下部シール部8を形成している。また、胴部5の上方に肩部7を介して円筒状の口部6を延設している。口部6の上端部は同様に偏平状に融着シールして上部シール部9を形成している。各シール部の形態は、図示例の如く、筒壁を偏平状に変形させて対向面を融着することにより容易にシールすることができるが、これに限られず、筒壁端部を折り畳んだ状態で融着シールすることも可能である。
【0017】
また、上記口部6には破断可能な環状薄肉部10を形成している。この環状薄肉部10を破断してその上方の口部部分6aを除去することにより後述する塗布部が露出する如く構成している。
【0018】
容器体2は、その液充填前には図2及び図3に示す如く、上下端を開口した筒状の形態で射出成形等の適宜成形方法により形成される。図2及び3に於いて、容器体2は下端を開口した楕円筒状の胴部5上端縁より肩部7を介して上端を開口した円筒状の口部6を上方へ延設しており、口部6の上下方向中間部所定位置に環状薄肉部10を形成している。また、この環状薄肉部10の下方の口部6内周には、栓部材の抜け出しを防止するための係合手段を構成する係止突条11を間隔をあけて突設している。
【0019】
棒栓3は合成樹脂等により形成されたもので、容器体2上端部のシール部分に上端部を固定して垂設させるとともに、下端部を後述する栓部材の注出口に嵌合して閉塞させる如く構成している。
【0020】
栓部材4は合成樹脂等により形成されたもので、上記口部6内に嵌着固定するとともに、上記棒栓3下端部を嵌合して閉塞した注出口12を有し、且つ、注出口12上方の棒栓3周囲に各先端部を延設して環状に配置した多数の毛状片13a よりなる塗布部13を有する。図示例では、図4及び図5に示す如く、上記口部6内に嵌合させる円筒状の嵌合筒14の上端より内方へ頂板15を延設するとともに、頂板15中央に下端を開口して立設した筒部16内に注出口12を開口し、また、頂板15上面周縁部より内方へ傾斜上昇する毛状片13a を周方向多数立設して塗布部13を形成している。更に、嵌合筒14の外周所定位置には、容器体2との上記した係合手段を構成する係合突条17を一対突周設している。そして、各係合突条17を容器体2の各係止突条11下面に係合させて嵌合筒14を口部6内に嵌着固定する。
【0021】
上記の如き簡易塗布容器1へ液を充填する場合の一例として、まず、図7(a) に示す如く、容器体2に栓部材4を嵌着固定させる。この際、栓部材4には棒栓3を嵌着させておく。棒栓3は下端部を注出口12に嵌着し、栓部材4を容器体口部6の所定位置に嵌着させた際に上端部が容器体口部6上端部のシール該当部分に位置する状態で装着している。次いで、図7(b)に示す如く、口部6の上端部を融着シールして上部シール部9を形成するが、この際、棒栓3の上端部を挟持した状態で融着固定してシールする。従って、棒栓3の上端部が上部シール部9内に埋設された状態となる。次いで、図7(c) に示す如く、胴部5下端から液を注入後、胴部5下端部を融着シールして下部シール部8を形成し充填を完了する。
【0022】
使用する際には、環状薄肉部10上方の口部部分6aを折り曲げる等して環状薄肉部10を破断し、その上方の口部部分6aを取り除く。この際、当然棒栓3は除いた口部部分6aと一体で取り除かれ、注出口12が開口する。そして、胴部5を圧搾する等して収納液を注出口12より注出しつつ塗布部13により適当に引き延ばしながら塗布する如く構成している。
【0023】
また、収納液を何回かに分けて使用するのに便利なように、環状薄肉部10の破断後に、環状薄肉部10上方の口部部分6aと環状薄肉部10下方の口部部分6bとの着脱自在な嵌合が可能に構成しても良い。
【0024】
図9及び図10に示す実施例では、図1に示す実施例に於いて、上記環状薄肉部10を上端として、その下方の口部6外周に、上方より下方へ順次大径となるテーパ部18を設けている。このテーパ部18を設けることにより、図10に示す如く、開封後再び環状薄肉部上方の口部部分6aを容易に装着することができる如く構成している。その他の構成は図1の実施例と同様であるため説明を省略する。尚、上方の口部部分6aと下方の口部部分6bとの着脱自在な嵌合が可能な構成として、上記構成に代えて、環状薄肉部10下方の口部外周に突条を周設し、一方、環状薄肉部10上方の口部部分内周に凹溝を周設しても良い。
【0025】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明の簡易塗布容器は、既述構成としたことにより、開封前は充分な密閉性が得られ、その持ち運びにも便利である。また、開封操作も簡単に行えるとともに、開封後目的に応じて収納液を輪郭のハッキリしたライン状に塗布することができ、しかも、構造が簡単で安価に製造できる利点を備えている。
【0026】
また、請求項2発明の簡易塗布容器は、嵌合筒の存在で栓部材が安定して容器体に固定され、また、注出口を形成する筒部の突出幅を選択すれば、毛状片の先端部が形成する塗布部先端の必要位置に注出口を配置できるので、塗布幅の細い塗布を行える容器から比較的塗布幅の太い塗布を行える容器への変更が容易に行える利点がある。
【0027】
また、請求項3発明の簡易塗布容器は、液充填をより効率的に行える利点を兼ね備えている。
【0028】
また、請求項4発明の簡易塗布容器は、取り外した上方の口部部分を再び簡単に装着することができ、収納液の少数回の分割使用に便利である。
【0029】
また、請求項5発明の液充填方法は、棒栓の容器体への取り付けを容器体のシールと同時にできるため、効率の良いシール及び液充填を行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明簡易塗布容器の一実施例を示す半断面図である。
【図2】同実施例のシール前の容器体の半断面図である。
【図3】同実施例のシール前の容器体の平面図である。
【図4】同実施例の棒栓の拡大側面図である。
【図5】同実施例の栓部材の拡大半断面図である。
【図6】同実施例の栓部材の拡大平面図である。
【図7】同実施例の液充填を説明する説明図である。
【図8】同実施例の使用時を説明する説明図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す要部半断面図である。
【図10】同実施例の開封後再び栓をした状態の要部半断面図である。
【符号の説明】
2…容器体,3…棒栓,4…栓部材,5…胴部,6…口部,
6a…上部の口部部分,10…環状薄肉部,12…注出口,13…塗布部,
13a …毛状片,14…嵌合筒,15…頂板,16…筒部,18…テーパ部
Claims (5)
- 下端部をシールした筒状胴部5上方に上端部をシールした筒状口部6を延設するとともに、上記口部6に破断可能な環状薄肉部10を形成してなる合成樹脂製の容器体2と、上記上端部のシール部分に上端部を固定して垂設した棒栓3と、上記口部6内に嵌着固定するとともに、上記棒栓3下端部を嵌合して閉塞した注出口12を有し、且つ、注出口12上方の棒栓3周囲に塗布部13を有する栓部材4とを備え、上記環状薄肉部10を破断してその上方の口部部分6aを除去することにより上記塗布部13が露出する如く構成したことを特徴とする簡易塗布容器。
- 上記栓部材4が、上記口部6に嵌着固定した嵌合筒14の上端縁より内方へ頂板15を延設するとともに、頂板15中央に下端を開口して立設した筒部16内に上記注出口12を開口し、且つ、頂板15上面周縁部より上記各毛状片13a を立設して上記塗布部13を形成してなる請求項1記載の簡易塗布容器。
- 上記容器体2の上端部のシールが、上記注出口12に下端部を嵌着させた上記棒栓3を装着した栓部材4を口部6所定位置へ嵌着後、上記棒栓3の上端部を口部6上端部の筒壁間に融着挟持して固定したシール部である請求項1記載の簡易塗布容器。
- 上記環状薄肉部10の破断後に、環状薄肉部10上方の口部部分6aと環状薄肉部10下方の口部部分6bとの着脱自在な嵌合が可能に構成してなる請求項1記載の簡易塗布容器。
- 筒状胴部5上方に筒状口部6を延設した容器体2の上記口部6内に、下端部を注出口12に嵌着した棒栓3の周囲に塗布部13を有する栓部材4を嵌着し、上記棒栓3の上端部を口部6の上端部の筒壁間に融着挟持してシールし、しかる後上記胴部5下端開口より収納液を注入後下端を融着シールして液の充填を行うことを特徴とする簡易塗布容器の液の充填方法。
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