JP4218229B2 - 撮像装置及び露出制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置及び、撮像装置の露出制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、銀塩カメラや、電子スチルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置においては、撮影条件に適した露出を決定し、シャッタースピードや絞り等を制御するAE(自動露出制御)機能が設けられている。かかるAEには多様の方式が存在しており、近年においては、撮影(又は撮像)する画面内の複数箇所に測光領域(明るさの検出領域)を設定するとともに、主となる被写体に相当すると考えられる1又は複数の測光領域での測光結果に基づき適正な露出を決定し、より撮影シーンに応じた露出制御を可能とするマルチ測光方式を採用するものが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のマルチ測光方式においても、完全に最適な露出を決定することは不可能であり、特に主となる被写体とその他の部分との明るさの兼ね合いを調整することが難しかった。このため、全体的に明るい雰囲気を備えた被写体が暗い画像となったり、イメージ通りの明るさの画像となっているものの、主となる被写体に白とびが生じたりする場合が依然として多いという問題があった。
【0004】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、全体の雰囲気を維持したまま、主たる被写体に最適な露出が確保できる、バランスのよい露出制御を行うことが可能となる撮像装置及び露出制御方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1の発明にあっては、被写体を撮像する撮像手段と、この撮像手段による被写体の撮影時の露出を制御する露出制御手段と、前記撮像手段により正規の撮像の直前に撮像された基準画像の全領域の輝度情報に基づき、適正露出を示す適正露出情報を取得する第1の取得手段と、前記基準画像における所定の領域の輝度分布を示すヒストグラム情報に基づき当該領域に許容する露出上限を示す露出上限情報を取得する第2の取得手段と、前記露出制御手段に、前記第2の取得手段により取得された露出上限情報により示される露出上限を超えない範囲で、前記第1の取得手段により取得された適正露出情報により示される適正露出へ向けた露出制御を行わせる制御手段とを備えたものとした。
【0006】
かかる構成においては、撮像時には、基準画像全体の輝度情報に応じた露出制御が行われると同時に、露出の上限が基準画像の重要領域に許容される露出上限に制限される。しかも、重要領域に許容される露出上限は、重要領域の輝度分布を示すヒストグラム情報に基づき取得されるため、それを自在に設定することが可能である。したがって、重要領域に白とびを生じさせない範囲内で、画像全体の明るさに応じた露出制御を行うことができる。
【0007】
また、請求項2の発明にあっては、前記第1の取得手段が取得する適正露出情報は、前記基準画像の撮像時に前記露出制御手段が制御した基準露出に対する第1の補正量であり、前記第2の取得手段が取得する露出上限情報は、前記基準画像の撮像時に前記露出制御手段が制御した基準露出に対する第2の補正量であるとともに、前記制御手段は、第1の補正量と第2の補正量とのいずれか一方に基づき前記露出制御手段に露出制御を行わせるものとした。
【0008】
また、請求項3の発明にあっては、前記第2の補正量は、前記ヒストグラム情報により示される輝度分布における高輝度側の累積度数の割合が所定比率に達する輝度位置を、予め決められた最大許容輝度値に移動させるために必要な露出の補正量であるものとした。
【0009】
また、請求項4の発明にあっては、前記第1の取得手段は、前記基準画像の全領域の輝度分布を示すヒストグラム情報に基づき前記適正露出情報を取得するものとした。
【0010】
かかる構成においては、画像全体の明るさに応じた露出制御をより正確に行うことができる。
【0011】
また、請求項5の発明にあっては、被写体を撮像する撮像手段を備えた撮像装置における露出制御方法において、前記撮像手段により正規の撮像の直前に基準画像を撮像する工程と、前記基準画像の全領域の輝度情報に基づき適正露出を示す適正露出情報を取得するとともに、基準画像における所定の領域の輝度分布を示すヒストグラム情報に基づき当該領域に許容する露出上限を示す露出上限情報を取得する工程と、前記露出上限情報により示される露出上限を超えない範囲で前記適正露出情報により示される適正露出へ向けた露出制御を行う工程とからなるものとした。
【0012】
したがって、かかる方法によれば、重要領域に白とびを生じさせない範囲内で、画像全体の明るさに応じた露出制御を行うことができる。
【0013】
また、請求項6の発明にあっては、被写体を撮像する撮像手段と、この撮像手段による撮像時の露出を制御する露出制御手段とを備えた撮像装置が有するコンピュータを、前記撮像手段により正規の撮像の直前に撮像された基準画像の全領域の輝度情報に基づき、適正露出を示す適正露出情報を取得する第1の取得手段と、前記基準画像における所定の領域の輝度分布を示すヒストグラム情報に基づき当該領域に許容する露出上限を示す露出上限情報を取得する第2の取得手段と、前記露出制御手段に、前記第2の取得手段により取得された露出上限情報により示される露出上限を超えない範囲で、前記第1の取得手段により取得された適正露出情報により示される適正露出へ向けた露出制御を行わせる制御手段として機能させるためのプログラムとした。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。図1は、本発明に係る電子スチルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【0015】
この電子スチルカメラはAE(自動露出)機能を備えたものであって、固定レンズ1、絞り2を介して結像された被写体像を撮像する撮像手段であるCCD3と、絞り2の開口量を変化させる絞り駆動部4、CCD3を駆動するためのTG5及びVドライバー6と、CCD3から出力された撮像信号を保持するCDS、その撮像信号を増幅するゲイン調整アンプ(AGC)、増幅後の撮像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(AD)からなるユニット回路7とを有している。
【0016】
CCD3は、TG5が発生したタイミング信号に基づきVドライバー6によって駆動され、被写体像の輝度に応じたアナログの撮像信号をユニット回路7へ出力するとともに、MPU8からTG5へ送られるシャッターパルスに基づき電荷蓄積時間を制御されて電子シャッターとして機能する。また、絞り3は、MPU8から絞り駆動部4に送られる制御信号に応じて開口量を制御される。
【0017】
MPU8は、CCD3から出力されユニット回路7を経てデジタル信号に変換された撮像信号に対して色信号処理等の各種の信号処理、及び画像処理を行うとともにビデオ信号を生成し、撮像した被写体像をスルー画像としてTFT液晶モニター9に表示させる。また、撮影時には、撮像信号を圧縮して所定のフォーマットの画像ファイルを生成し、それをフラッシュメモリ10に記憶させ、再生時には圧縮した画像ファイルを伸張してTFT液晶モニター9に表示させる。
【0018】
さらに、MPU8には、電池等の電源を含む電源回路11、シャッターキー等の各種のスイッチを含む操作キー部12、DRAM13、MROM14が接続されている。DRAM13は、MPU8の作業用のメモリであるとともに、撮影時には、ユニット回路7を経てデジタル信号に変換された1フレーム分の撮像信号を蓄積する画像メモリとしても機能する。
【0019】
MROM14は、MPU8による各部の制御及び各種データ処理に必要な動作プログラムが記録されたプログラムROMであり、特にMPU8を本発明の露出制御手段、第1及び第2の取得手段、制御手段として機能させるためのプログラムが記憶されている。また、AE制御を行うためのデータとして、撮影時の適正な露出値(EV)に対応する、絞り値(F)とシャッタースピードとの組み合わせを示すプログラム線図を構成するプログラムAEデータ、前記ユニット回路7のゲイン調整アンプ(AGC)に設定するゲインの値等が記憶されている。
【0020】
なお、MROM14は、プログラム等の記憶データを必要に応じて書き換え可能なメモリであってもよい。また、電子スチルカメラにおいては、上記プログラムやデータの一部、又は全部がフラッシュメモリ10に記録されていたり、カメラ本体に着脱自在な記録媒体やパソコン等の他の機器を介して外部から供給される構成であってもよい。
【0021】
次に、上記構成からなる電子スチルカメラにおける自動露出制御に関する動作を図2のフローチャートに従って説明する。このフローチャートは、TFT液晶モニター9にスルー画像を表示するキャプチャーモード(撮影モード)が選択されて撮影待機状態となった後の動作を示すものである。
【0022】
キャプチャーモードにおいて、電子スチルカメラはCCD3により被写体を逐次撮像するとともに、撮像画像をTFT液晶モニター9にスルー画像として表示している。その間にハーフシャッターが押されると(ステップSA1でYES)、まず露光量の調整を行う(ステップSA2)。かかる調整では、その時点で撮像した撮像画像Gの全領域100(図5参照)の画素の平均輝度が、電子スチルカメラの機種毎に予め設定されている装置に固有の基準輝度(YREF)、例えば、撮像画像を所定の反射率のグレーとする輝度となるように、絞り値、シャッタースピード、ユニット回路7のAGCアンプのゲインを制御する。
【0023】
そして、撮像画像の平均輝度(Y)が上記基準輝度となったら(ステップSA3でYES)、その状態の撮像画像を基準画像として以下の処理を行う。まず、撮像画像における重要領域(本発明の所定の領域)を設定する(ステップSA4)。この重要領域は、全画面領域100内で主たる被写体が存在すると想定される範囲であって、本実施の形態では、図6に示した予め決められている第1〜第3の注目領域100a〜100cのうちからカメラの向きに応じたものが自動的に設定される。すなわち、カメラの向きが通常の場合には同図(a)の第1の注目領域100aが、右側が上となる縦向きの場合には同図(b)の第2の注目領域100bが、左側が上となる縦向きの場合には同図(c)の第3の注目領域100cがそれぞれ重要領域として設定される。なお、カメラの向きは画像認識技術による所定の方式によって判定するものとしたが、傾斜センサ等を設けハード的に検出するようにしてもよい。
【0024】
引き続き、基準画像において前記重要領域を構成する各画素の輝度データに基づき、重要領域における輝度分布を示すヒストグラムデータを生成し、それをDRAM13に格納する(ステップSA5)。なお、本実施の形態おけるヒストグラムは、図7に示すように8bit(「0」〜「255」)で表現されるデータであり、また、見た目において白とびを感じさせないような許容最大輝度(Ymax)の輝度位置(許容最大輝度ポイント)として「247」が予め設定されている。
【0025】
次に、かかるヒストグラムに基づき重要領域における露出補正可能量を取得する(ステップSA6)。図3は、その処理手順を示すフローチャートである。かかる処理では、まず、前記ヒストグラムにおいて最高輝度から低輝度側へ画素数を積分していき(ステップSB1)、全画素数に対する積分量の比率を順次算出するとともに(ステップSB2)、算出結果が予め設定されている第1の規定比率となるまで処理を繰り返す(ステップSB3でNO)。ここで、第1の規定比率は、重要領域において白とびが生じても違和感がない(気にならない)と考えられる比率であって、本実施の形態では3%である。
【0026】
そして、算出した比率が第1の規定比率に達したら(ステップSB3でYES)、そのときの輝度値(Y1)を重要領域における処理上の最大輝度とし(ステップSB4)、露出調整により、図8の上半分に示したように、かかる最大輝度(Y1)の位置(最大輝度出現ポイント:図では「191」)を前述した許容最大輝度(Y1max:「247」)の輝度位置(許容最大輝度ポイント)に移動させるようにヒストグラムを変化させるとき、それに要する露出の補正量を演算し、それを露出補正可能量Aとして一時記憶する(ステップSB5)。この露出補正可能量Aが、本発明の露出上限情報でかつ第2の補正量である。なお、露出補正可能量Aの演算に際しては、撮像用のγカーブを考慮した演算を行う。
【0027】
また、露出補正可能量Aを取得した後には、図2でステップSA7へ進み、今度は、前記基準画像において、全領域100における輝度の度数分布を示すヒストグラムのデータを生成し、それをDRAM13に格納した後、そのヒストグラムに基づき必要露出補正量を取得する(ステップSA8)。この必要露出補正量は、基準画像の全領域100における輝度の度数分布を、体的な明るさに適した輝度分布とするための露出補正量、換言すると、基準画像の全体的な明るさのみを基準として適正露出を得るために必要となる基本的な露出補正量であって、その取得は、先に図3で説明した露出補正可能量の場合と同様に以下の手順によって行う。
【0028】
すなわち、全領域100のヒストグラムにおいて最高輝度から低輝度側へ画素数を順に積分していき、全画素数に対する積分量の比率が、予め設定されている第2の規定比率に達したときの輝度値(Y2)を取得する。第2の規定比率は、全領域100において白とびの発生を許容する画素の割合であるとともに、前記重要領域における第1の規定比率(3%)よりも大きな比率であり、本実施の形態では6%である。そして、前記比率が第2の規定比率に達したら、そのときの輝度値(Y2)を全領域100における処理上の最大輝度とした後、露出調整により、図8の下半分に示したように、最大輝度(Y2)の位置(最大輝度出現ポイント:図では「136」)を所定の目標輝度(Y2max)の輝度位置に移動させるようにヒストグラムを変化させるとき、それに要する露出の補正量を演算し、それを必要露出補正量Bとして一時記憶する(ステップSB5)。この必要露出補正量Bが、本発明の適正露出情報でかつ第1の補正量である。
【0029】
ここで、前記目標輝度(Y2max)は、ステップSA2の調整に際して設定した絞り値、シャッタースピード、AGCアンプのゲインに基づき設定される、被写体の明るさに対応する輝度であって、その輝度位置(EV別目標ポイント)は、暗い被写体の場合には小さな輝度位置であり、明るい被写体の場合には大きな輝度位置である。なお、必要露出補正量Bの演算に際しても、撮像用のγカーブを考慮した演算を行う。
【0030】
引き続き、上記必要露出補正量Bを取得した後には、ステップSA6で取得した露出補正可能量Aと必要露出補正量Bとに基づき、実際の露出補正量を設定する(ステップSA9)。図4は、その処理手順を示すフローチャートであって、露出補正可能量Aが必要露出補正量Bよりも大きいときには(ステップSC1,SC3が共にNO)、重要領域(第1の注目領域100a等)に白とびが発生しないと判断し、必要露出補正量Bを実際の露出補正量として設定する(ステップSC5)。また、露出補正可能量Aが必要露出補正量Bよりも小さいときには(ステップSC1がNO,SC3がYES)、基準画像の全領域100の明るさに基づく補正を行うと重要領域に白とびが発生すると判断し、露出補正可能量Aを実際の露出補正量として設定する(ステップSC4)。また、露出補正可能量Aがマイナス側の補正量であったとき(ステップSC1でYES)、つまり、重要領域に許容最大輝度(Y1max)を超えた輝度の画素が既に3%以上存在しており、重要領域では既に白とびが生じているようなときには、必要露出補正量Bと関係なく、露出補正可能量Aを実際の露出補正量として設定する(ステップSC2)。
【0031】
しかる後、図2でステップSA10において、シャッターが押されたか否かを判断し、シャッターが押されていなければ(ステップSA10でNO)、ステップSA1へ戻って前述した処理を繰り返す。シャッターが押されたら(ステップSA10でYES)、ステップSA2で調整した露光量、すなわち撮像画像の全領域100の画素の平均輝度を基準輝度に合わせたときの露光量に対して、ステップSA9で設定した露出補正量に応じ、プログラム線図に基づく絞り値、シャッタースピード、AGCゲインの制御を行い撮影光量を制御する(ステップSA11)。
【0032】
以上のように、本実施の形態における露出制御によれば、重要領域(第1〜第3の注目領域100a〜100c)に白とびが生じない範囲内で、画像全体の明るさに基づく露出制御を行うことから、例えば直射日光の当たる人物撮影などでは、人物を重要領域に配置させることにより、人物部分に白とびが生じることのない適切な露出が可能となる。また、海やスキー場のような全体的に明るいシーンでは、重要領域における被写体に白とびを発生させない範囲で、被写体の明るさを反映されたイメージ通りの明るい画像が撮影できる。また、白壁が連続するような、一様な明るさ被写体を撮影する場合でも、EV値に応じた適正な露出を得ることができる。つまり、全体の雰囲気を維持したまま主たる被写体に最適な露出が確保できる、バランスのよい露出制御を行うことが可能である。
【0033】
しかも、画像全体の明るさに基づく露出制御についても、重要領域と同様に輝度分布を示すヒストグラムに基づき行うため、画像全体の明るさに応じた露出制御をより正確に行うことができることから、より最適な露出制御を行うことが可能である。なお、画像全体の明るさに基づく露出制御は、必ずしもヒストグラムに基づき行う必要はなく、前述した基準画像における輝度情報に基づく方法であれば、他の方法によって前述した必要露出補正量Bを取得するようにしてもよい。その場合であっても、先に説明したと同様の効果を得ることができる。
【0034】
また、本実施の形態においては、前述した基準画像を撮像したとき、正確には前述したステップSA2の調整が終了した時点の露出を、露出補正可能量Aまたは必要露出補正量Bの一方を用いて補正する場合について説明したが、ステップSA6で撮影時に確保すべきEV値を直接取得し、かつステップSA8で上限とするEV値を直接取得したのち、ステップSA9では前述と同様の判断基準によりいずれか一方のEV値を選択的に最終的に制御すべきEV値として設定するようにしても構わない。
【0035】
また、本実施の形態では、ハーフシャッターが押されている間に逐次、露出補正可能量A、必要露出補正量Bを取得して露出補正量を設定する処理(ステップSA2〜SA10)を行うものを示したが、これとは別に、シャッターが押された時点で基準画像を取得した後、上記と同様の処理を行わせるようにしても構わない。
【0036】
また、前述した重要領域の設定については、例えば、カメラの向きに関係なく、撮像画像の中央部分に固定的に設定してもよい。また、撮影者に、図示した第1〜第3の領域100a〜100c等の予め用意した複数の領域のうちのから1又は複数の領域を撮影時において選択させるようにすれば、使い勝手が向上する。さらには、任意の方法により被写体の違いに応じて自動的に設定させるようにしてもよい。
【0037】
また、以上の説明においては、本発明を電子スチルカメラに採用した場合について説明したが、言うまでもなく、CCD型やCMOS型の固体撮像素子が設けられるとともに、撮像装置として機能するのに必要な所定のプログラムを記憶する記録媒体を備えた情報機器、例えばパーソナルコンピュータや各種の携帯情報端末にも本発明を採用することができる。また、イメージスキャナー等の他の撮像装置にも本発明を採用してもよく、その場合においても、撮像画像の重要領域における白とびを回避しつつ、バランスのよい露出制御を行うことが可能となる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、基準画像における所定の領域に白とびを生じさせない範囲内で、画像全体の明るさに応じた露出制御を行うことができるようにしたことから、全体の雰囲気を維持したまま主たる被写体に最適な露出が確保できる、バランスのよい露出制御を行うことが可能となる。
【0039】
また、適正露出情報を基準画像の全領域の輝度分布を示すヒストグラム情報に基づき取得するものでは、画像全体の明るさに応じた露出制御をより正確に行うことができることから、より最適な露出制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す電子スチルカメラのブロック図である。
【図2】同実施の形態における自動露出制御に関する動作を示すフローチャートである。
【図3】露出補正可能量の取得手順を示すフローチャートである。
【図4】最終補正量の取得手順を示すフローチャートである。
【図5】撮像画像の全領域を示す図である。
【図6】撮像画像にカメラの向きに応じ重要領域として選択的に設定される第1〜第3の注目領域を示す図である。
【図7】重要領域での許容最大輝度を示す説明図である。
【図8】露出補正可能量と必要露出補正量の取得方法を示す説明図である。
【符号の説明】
2 絞り
3 CCD
4 絞り駆動部
5 TG
6 Vドライバー
7 ユニット回路
8 MPU
13 DRAM
14 MROM
Claims (6)
- 被写体を撮像する撮像手段と、
この撮像手段による被写体の撮影時の露出を制御する露出制御手段と、
前記撮像手段により正規の撮像の直前に撮像された基準画像の全領域の輝度情報に基づき、適正露出を示す適正露出情報を取得する第1の取得手段と、
前記基準画像における所定の領域の輝度分布を示すヒストグラム情報に基づき当該領域に許容する露出上限を示す露出上限情報を取得する第2の取得手段と、
前記露出制御手段に、前記第2の取得手段により取得された露出上限情報により示される露出上限を超えない範囲で、前記第1の取得手段により取得された適正露出情報により示される適正露出へ向けた露出制御を行わせる制御手段と
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 前記第1の取得手段が取得する適正露出情報は、前記基準画像の撮像時に前記露出制御手段が制御した基準露出に対する第1の補正量であり、前記第2の取得手段が取得する露出上限情報は、前記基準画像の撮像時に前記露出制御手段が制御した基準露出に対する第2の補正量であるとともに、前記制御手段は、第1の補正量と第2の補正量とのいずれか一方に基づき前記露出制御手段に露出制御を行わせることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記第2の補正量は、前記ヒストグラム情報により示される輝度分布における高輝度側の累積度数の割合が所定比率に達する輝度位置を、予め決められた最大許容輝度値に移動させるために必要な露出の補正量であることを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
- 前記第1の取得手段は、前記基準画像の全領域の輝度分布を示すヒストグラム情報に基づき前記適正露出情報を取得することを特徴とする請求項1,2又は3記載の撮像装置。
- 被写体を撮像する撮像手段を備えた撮像装置における露出制御方法において、
前記撮像手段により正規の撮像の直前に基準画像を撮像する工程と、
前記基準画像の全領域の輝度情報に基づき適正露出を示す適正露出情報を取得するとともに、基準画像における所定の領域の輝度分布を示すヒストグラム情報に基づき当該領域に許容する露出上限を示す露出上限情報を取得する工程と、
前記露出上限情報により示される露出上限を超えない範囲で前記適正露出情報により示される適正露出へ向けた露出制御を行う工程と
からなることを特徴とする露出制御方法。 - 被写体を撮像する撮像手段と、この撮像手段による撮像時の露出を制御する露出制御手段とを備えた撮像装置が有するコンピュータを、
前記撮像手段により正規の撮像の直前に撮像された基準画像の全領域の輝度情報に基づき、適正露出を示す適正露出情報を取得する第1の取得手段と、
前記基準画像における所定の領域の輝度分布を示すヒストグラム情報に基づき当該領域に許容する露出上限を示す露出上限情報を取得する第2の取得手段と、
前記露出制御手段に、前記第2の取得手段により取得された露出上限情報により示される露出上限を超えない範囲で、前記第1の取得手段により取得された適正露出情報により示される適正露出へ向けた露出制御を行わせる制御手段と
して機能させるためのプログラム。
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