JP4217530B2 - セルフポンピング式のハイドロニューマチック・スプリングストラット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部のレベル調整装置(車高調整装置)と、減衰媒体で満たされていてガスクッションによる圧力下にある作動シリンダと、この作動シリンダ内に移動可能に配設されているピストンとを有する、セルフポンピング式のハイドロニューマチック・スプリングストラット(液気圧併用式バネ支柱)に関する。この際、前記作動シリンダを2つの作動空間に分割するピストンはピストンロッドの端部に配設されていて、この際、前記ピストンロッドの中空空間は、ポンプを形成するために、前記作動シリンダに固定されているポンプロッドのポンプシリンダとして用いられ、且つ、車両ボディをレベル(車高)上に保持するために、スプリング運動によって減衰媒体を低圧室から高圧室内へと送る。
【0002】
【従来の技術】
内部のレベル調整装置を備えたセルフポンピング式のハイドロニューマチック・スプリングストラットは既に知られていて(例えば下記の特許文献1)、これらのスプリングストラットはPkw(乗用車)使用のために想定されている。この種のPkwは、通常は支持スプリング(懸架バネ)及び衝撃ダンパ(ショックアブソーバ)から構成される走行機構(サスペンション)を有する。セルフポンピング式のハイドロニューマチック・スプリングストラットが使用されるべき場合、支持スプリングは比較的弱い支持スプリングと置き換えられ、その理由は、Pkwにおける積荷の大部分がセルフポンピング式のハイドロニューマチック・スプリングストラットにより支持されて調整されるためである。この種のスプリングストラットは、中空のピストンロッド内に配設されているポンプロッドを介し、入口弁及び出口弁に対し、車両のボディと車両の軸との間の相対運動により、低圧空間から高圧空間内へと減衰媒体がポンピングされるというように作動する。それらの両方の空間は、一部はオイルとガスで満たされていて、この際、拡散の原因から、高圧側では分割要素がオイルとガスを分割している。このポンプが路面の凹凸によって稼動中である場合、高圧空間内の圧力は上昇し、低圧空間内では圧力が降下し、その結果、ピストンロッドは外方への運動を行う。車両ボディのレベルに到達することにより、バイパスを介し、車両の更なる外方への運動が行われないことが達成される。
【0003】
【特許文献1】
ドイツ特許出願公開第19836487号明細書(DE19836487A1)
【0004】
この際、短所として、この種のスプリングストラットが、大きな積荷量が要求されるリーフスプリングのつけられた商用車両(小型ライトバンなど)のためには設計されていないということが挙げられる。リーフスプリングは軸案内の課題を担うだけではなくトルクの支持をも担い、その結果、これらのリーフスプリングの減力は不可能である。しかし、セルフポンピング式でハイドロニューマチック式の内部のレベル調整装置を備えたスプリングストラットの使用は、リーフスプリングが未変更の場合、空状態における高上が極端に大きなために不可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、車両に設けられているスプリングサスペンションの基本構想を変更することなく、大きな積荷量を有するリーフスプリングのつけられた商用車両も、予め設定された所定のレベルに調整され得る、内部のレベル調整装置を備えたセルフポンピング式のハイドロニューマチック・スプリングストラットを創作することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明に従い、ポンプによって発生された、ピストンロッドを外方へと運動させる力に対し、スプリング力反対方向に向けられていて、このスプリング力を発生させる装置がスプリングストラット内に組み込まれていて、このスプリング力がピストン運動に依存せずに持続的にピストンロッドに作用していることが考慮されている。
【0007】
この解決策において、車両に設けられているリーフスプリングの構成が維持され得て、それにより走行機構(サスペンション)が問題を伴うことなくレベル調整装置に装備変更可能であることは長所である。リーフスプリングは車両を空状態において極端に広くリバウンドさせるので、ピストンロッド繰出力とは反対に作用する他のスプリング力が設けられていて、このスプリング力は車両ボディを対応するレベル上に引き下ろす。
【0008】
他の本質的な特徴により、スプリング力として圧縮スプリングが設けられている、又は、スプリング力としてニューマチック・スプリング(気圧式スプリング)及び/又はハイドロニューマチック・スプリング(液気圧併用式スプリング)が設けられていることが考慮されている。この際、圧縮スプリングがスプリングストラットに組み込まれ得るか、又は、ガスと減衰媒体で満たされている他の空間によりニューマチック・スプリングが格納されていることは有利である。この際、伸び減衰は弁を介して確立され、これらの弁は、ニューマチック・スプリングと下側の作動空間との間の流れ接続部内に配設されている。
【0009】
圧縮スプリングが一方ではスプリングストラットで且つ他方では直接的に又は間接的にピストンロッドで支持されている場合には、構成的及び製造技術的に簡単な解決策が提供されている。この際、有利には、このスプリングが次のようにスプリングストラットの外側で同軸に配設される、即ちスプリングストラットの方向における対応的なピストンロッドの円筒状の延長部により室が作り出され、この室が、圧縮スプリングを、外側の環境条件が影響を及ぼさないように受容するようにである。
【0010】
他の構成では、スプリング力として、弁を介して制御可能なガスクッションが配設されていることが考慮されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
図面には、好ましい実施形態が図示されている。
【0012】
図1に描かれている、内部のレベル調整装置(車高調整装置)を備えたセルフポンピング式のハイドロニューマチック・スプリングストラット(液気圧併用式バネ支柱)1は、主としてスプリングストラット1の作動シリンダ16から成り、この作動シリンダ16内で、ピストンロッド2の端部におけるピストン11がスライドする。作動シリンダ16は、一方のサイドでは底部により、他方のサイドではカバーにより閉鎖されていて、このカバーを通じ、ピストンロッド2が密閉式で外側に向かって出てゆく。前記の底部とピストンロッド2は、固定要素を有し、図示されてないが車両のボディ或いは車両の軸に固定されている。作動シリンダ16は、一部はオイルで一部はガスで満たされている低圧室6或いは高圧室7と接続されている。作動シリンダ16は、ピストン11によって2つの作動空間17及び18に分割されている。ピストン11自体は、伸び段階及び縮み段階のために減衰弁を有する。
【0013】
セルフポンピング式のハイドロニューマチック・スプリングストラット1の実際のレベル調整(車高調整)はポンプロッド3を介して行われ、このポンプロッド3は、ピストンロッド2の中空空間と共にポンプ12を形成する。入口弁4及び出口弁5を介し、走行稼動中、ピストンロッド2に対するポンプロッド3の相対運動により、減衰媒体が、低圧室6から、入口弁4及び出口弁5を通り過ぎ、下側の作動空間18内に送られる。この際、ピストン11は、バイパス9がポンプ12の室と下側の作動空間18との間の接続を確立するまでの間、外方へと動かされる。このレベル(車高)以降、動的レベルが達成されていて、その理由は、ポンプ作用が妨げられているためである。ピストン2の更なる押し出しは、引き続き、制限調整穴10の到達時に最終的に回避される。
【0014】
高圧室7は、膜(ダイヤフラム)8によりガスクッション19から分割されている。
【0015】
車両の負荷解除時、ピストン2は、高圧室7内のガスプリロードにより、先ずは更に外方へと移動され、この移動は、その後に開く制限調整穴10を介してスプリングストラット1内で圧力調整が成されるまで行われ、この負荷解除時、引き続き、ピストンロッド2はピストン11と共に内方へと動かされる。
【0016】
スプリングストラット1の外側には同軸に圧縮スプリング13が配設されていて、この圧縮スプリング13は、その一方の端部を用い、スプリングストラット1の上側領域内で、その下側領域を用い、ピストンロッド2の軸方向の延長部の突出部で支持されている。従って、圧縮スプリング13は、ピストンロッド2を内方へと移動させようとする力を発生し、それに対し、スプリングストラット1のポンプ12は、路面に凹凸のある場合、即ち路面が平坦ではない場合、下側の作動空間18及び上側の作動空間17内の力を準備して保ち、この力はスプリングストラット1のピストン11を外方へと移動させようとするものである。
【0017】
図2には、原則的には図1によるスプリングストラット1が描かれているが、スプリングとしてハイドロニューマチック・スプリング14が設けられていて、このハイドロニューマチック・スプリング14がピストン11におけるピストンロッド側の環状面を圧力付勢するということで異なっている。ピストン11のリバウンド時(伸び段階減衰時)、減衰媒体は低圧室6からポンプ12内に送られ、この際、弁15dが開き、減衰媒体が高圧室7から上側の作動空間17内に流入し得る。同様に、リバウンド運動は弁15aを介して減衰される。ピストン11がバウンドする場合(縮み段階減衰時)、ポンプ12内にある減衰媒体は上側の作動空間17内に押しやられ、この際、弁15bが開き、圧力減衰を弁15cが担うことになる。ピストン11の運動に依存せず、ニューマチック・スプリング14は弁15a/15bを介して下側の作動空間18と持続的に接続状態にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮スプリングを有するスプリングストラットの断面を示す図である。
【図2】ハイドロニューマチック・スプリングを有するスプリングストラットの断面を示す図である。
【符号の説明】
1 スプリングストラット
2 ピストンロッド
3 ポンプロッド
4 入口弁
5 出口弁
6 低圧室
7 高圧室
8 膜
9 バイパス
10 制限調整穴
11 ピストン
12 ポンプ
13 圧縮スプリング
14 ニューマチック・スプリング
15 弁
16 作動シリンダ
17 作動空間
18 作動空間
19 ガスクッション

Claims (6)

  1. 内部のレベル調整装置と、減衰媒体で満たされていてガスクッションによる圧力下にある作動シリンダと、この作動シリンダ内に移動可能に配設されているピストンとを有する、セルフポンピング式のハイドロニューマチック・スプリングストラットであって、前記作動シリンダを2つの作動空間に分割するピストンがピストンロッドの端部に配設されていて、更には、前記ピストンロッドの中空空間が、ポンプを形成するために、前記作動シリンダに固定されているポンプロッドのポンプシリンダとして用いられ、且つ、車両ボディをレベル上に保持するために、スプリング運動によって減衰媒体を低圧室から高圧室内へと送る、前記スプリングストラットにおいて、
    前記ポンプ(12)によって発生された、前記ピストンロッド(2)を外方へと運動させる力に対し、スプリング力反対方向に向けられていて、このスプリング力を発生させる装置がスプリングストラット(1)内に組み込まれていて、このスプリング力がピストン運動に依存せずに持続的にピストンロッド(2)に作用していることを特徴とするスプリングストラット。
  2. 前記スプリング力として圧縮スプリング(13)が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のスプリングストラット。
  3. 前記スプリング力としてニューマチック・スプリング及び/又はハイドロニューマチック・スプリング(14)が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のスプリングストラット。
  4. 前記圧縮スプリング(13)が一方では当該スプリングストラット(1)で且つ他方では直接的に又は間接的に前記ピストンロッド(2)で支持されるように配設されていることを特徴とする、請求項2に記載のスプリングストラット。
  5. 前記圧縮スプリング(13)が、当該スプリングストラット(1)の外側で同軸に配設されていることを特徴とする、請求項4に記載のスプリングストラット。
  6. 前記スプリング力として、弁(15)を介して制御可能なガスクッション(14)が配設されていることを特徴とする、請求項3に記載のスプリングストラット。
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