JP4216575B2 - シート収納用ケースおよび前記ケースを用いたシートパッケージ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙製、不織布あるいは樹脂フィルムまたはこれらの複合体であるシートを収納するシート収納用ケース、および前記シート収納用ケースに、シート積層体が収納されたシートパッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭内などで、紙、不織布、樹脂フィルムで形成されたシート、あるいはこれらが複合されたシートが清掃、食器拭き、体拭きなどの各種用途に使用されている。この種のシートは紙製のケースに収納されているが、その収納形態は、所定面積となるように予めカットされたものが折り畳まれて、この折り畳まれたシートが積層された状態で前記ケース内に収納されるもの、あるいは長尺状の1枚のシートが折り畳まれるとともに、ミシン目が形成されて、このミシン目により必要な面積ごとに切断できる状態で前記ケースに収納されているものなどがある。
【0003】
また、予めカットされたシートが折り畳まれて積層されたものでは、折り畳まれた個々のシートが単純に重ねられ、ケースの開口部からシートが1枚ずつ独立して取り出されるもの、あるいは下に位置するシートと上に位置するシートとが関連して折り畳まれ、上側のシートがケースの開口部から取り出されると、その下に位置する次のシートの一部が持ち上げられて前記開口部から突出するいわゆるポップアップ方式の積層構造などが有り得る。
【0004】
前記シートは、紙製のケース内に収納されており、前記ケースの一部を破り取ることにより、前記ケースに開口部が形成されるのが一般的である。また、従来のこの種のケースは六面体の箱であり、長方形の上面に前記開口部が形成され、あるいは前記上面から長方形の前側面にかけて開口部が形成されるのが通常である。これらケースは、前記上面が上向きとなるいわゆる横置きに設置して、前記シートを開口部から上向きに取り出すことを想定している。
【0005】
また、以下の特許文献1に記載のケースでは、長方形の上面と長方形の側面にかけて開口部が形成されているが、この開口部は、箱体の長手方向に向けて台形状に形成されている。このケースは、長方形の上面および長方形の側面のそれぞれの長辺を垂直な向きとしたいわゆる縦置き設置することを想定しているものである。前記縦置き状態において、前記開口部を逆台形状の向きとすることにより、シートを水平な向きに取り出しやすくするというものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−16949号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の横置きを想定したシートパッケージのケースは、長方形の上面に開口部が形成され、または長方形の上面から長方形の前側面にかけて開口部が形成されており、ケース内のシートを上向きに引き出すようにしている。しかし、前記開口部の面積は、ケース内のシートの面積よりも狭いため、開口部から取り出すときにケースに与える抵抗力が大きく、シートと一緒にケースが持ち上がってしまうことが多く、特に前記のポップアップ方式のものは前記抵抗が大きくなる。
【0008】
また、前記の横置きを想定したものは、開口部が主に長方形の上面に形成されているため、六面体の箱体のうちの最も面積の小さい端面を使用者に向けて設置すると、シートを開口部から上方へ引き出しにくくなって不便である。したがって、例えばシートパッケージを食器棚の中に設置するときは、常に長方形の前側面が前記食器棚内において前方に向けられていないとシートをうまく引き出すことができず、棚での設置の向きが限定されて、棚のスペースを有効に利用することができなくなる。またシートパッケージの長方形の前側面を棚の前方に位置させて設置しておくことが必要であるため、シートを取り出すときに、シートパッケージが棚から脱落しやすい。
【0009】
また前記シートパッケージを引き出しの中に収納した場合には、箱体全体が露出するまで引き出しを長く引き出さないと、ケース内からシートを上に向けて取り出すことができなくなる。この場合も、前記ケースを引き出し内に配置する向きが限定されてしまう。
【0010】
また、前記特許文献1に記載のものは、長方形の上面および側面の長辺が垂直となるような縦置き配置を前提としているものであるが、このような縦置きでは、ケースの設置が不安定である。また開口部がケース内のシートの面積よりも狭いために開口部からシートを引き出すときにケースに与える抵抗が大きい。よって縦向きに設置したケースが、シートの取り出し方向へ倒れやすくなり、実用的とはいえない。また、特許文献1に記載のケースを、その長方形の側面が手前に向くように横置きに設置して使用することもできるが、この場合もシートを取り出すときにケースに与える抵抗力が大きく、ケースがシートと一緒に持ち上がることがある。また、食器棚や引出しの中に設置したときの不便さは、前記横置きを想定した従来のケースと同様である。
【0011】
さらに、前記紙製のケースは、上面または上面と前側面を構成している紙材に、開口部を区画するミシン目が設けられ、このミシン目で紙材を切断することにより、前記開口部が現れるようになっている。しかし、上面または前側面において、前記ミシン目の部分を切断するのは容易ではなく、例えば上面または前側面において、切断線の近傍を強く押して、切断のきっかけを作ることが必要であるが、前記近傍をよほど強く押さないと切断のきっかけを作ることが難しい。
【0012】
本発明は上記従来の課題を解決したものであり、六面体の箱体で形成されたものにおいて、シート積層体のシートを取り出しやすくし、また面積が最も小さい端面を手前に向けた状態での使用も可能であり、さらに開封操作が容易なシートパッケージを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、互いに対向する長方形の上面および長方形の底面と、前記上面の長辺と前記底面の長辺とを繋ぐ一対の長方形の側面と、前記上面と底面のそれぞれの短辺および前記一対の側面のそれぞれの短辺を繋ぐ一対の端面とを有して、六面体の箱体とされた紙製のシート収納用ケースにおいて、
前記上面には、一方の短辺と他方の短辺との間に折り部が設けられて、前記上面は前記折り部と前記短辺との間が蓋上面とされ、前記端面は、前記蓋上面に繋がる蓋端面と前記底面に繋がる本体端面とに区分されて、前記蓋端面に、上面側から底面側に延びる折り癖部が設けられ、それぞれの側面は、前記蓋上面に繋がる蓋側面と前記蓋側面を除く本体側面とに区分されており、
前記端面には、前記蓋端面を分離するための所定幅の開封片が除去可能に設けられ、それぞれの前記側面には、前記蓋側面と前記本体側面とを区分する切り込みが間欠的に並ぶ切断線が形成されており、
前記開封片を除去し且つ前記切断線の部分で箱体を切断することにより、前記蓋上面と蓋端面および蓋側面とで形成された蓋体が形成され、この蓋体が前記折り部を介して上方へ折り曲げられたときに、前記本体端面の開口縁部と前記本体側面の開口縁部および前記折り部とで囲まれた開口部が現れることを特徴とするものである。
【0014】
このシート収納ケースでは、六面体の箱体の上面と端面および側面の一部が一緒に蓋体となって開くことができ、蓋体が開いたときに、ケースの内部に収納されるシート積層体の一部が前記開口部から完全に露出する。したがって、ケースに大きな抵抗力を与えることなくシートをケース内から容易に引き出すことができる。
【0015】
また、六面体の箱体の最も面積の小さい端面を手前に向けた設置状態においても、前記蓋体を上方へ持ち上げて、シートを確実に取り出すことが可能である。ケースを前記向きに設置することにより、狭い設置スペースや保管スペースにケースを設置することが可能になる。
【0016】
さらに、端面に設けられた開封片を除去することで、端面から蓋端面を容易に分離でき、その後に側面の切断線を容易に切断できるようになって、前記蓋体を本体部から容易に分離できる。
【0017】
また、本発明は、前記側面に形成された切断線の始端は、前記側面と前記端面との境界部側に位置し、前記切断線の終端は前記側面と前記上面との境界部側に位置し、前記切断線の一部が、前記始端よりも前記底面に向かう突状線を形成しており、前記突状線で囲まれた部分が、前記蓋側面と蓋本体との分離を開始するための押圧分離部となっている。
【0018】
前記突状線で囲まれた押圧分離部を押圧することにより、切断線を分離でき、この分離をきっかけとして、切断線に容易に切断を進行させることができる。
【0019】
また本発明は、前記側面に形成された切断線の始端は、前記側面と前記端面との境界部側に位置し、前記切断線の終端は前記側面と前記上面との境界部側に位置しており、切断線の前記始端から所定の範囲での前記切れ目の長さが、前記切断線の切れ目の長さの平均値よりも長く形成されているものである。
【0020】
前記始端から所定の範囲で切れ目を長くしておくことにより、この長い切れ目の近傍において蓋側面を押圧することにより切断線を容易に分離でき、この分離部分をきっかけとして切断線に沿って切断を進行させることができる。
【0022】
本発明では、両側面を押圧したときに蓋側面の一部が前方へ膨らむように変形する。この変形により側面の切断線で容易に分離できるようになる。
【0023】
本発明では、前記折り癖部は2箇所に設けられており、前記折り癖部は上面側で間隔が広く前記底面側で間隔が狭くなるように形成されていることが好ましい。
【0024】
折り癖を前記のように2箇所に形成することにより、蓋端面を変形させやすくなる。
【0025】
また、本発明のシートパッケージは、前記いずれかに記載のシート収納ケースと、このシート収納ケースの中に収納されたシート積層体を有し、
前記蓋体が上方へ持上げられたときに、前記シート積層体の一部が、前記開口部から突出するすることを特徴とするものである。
【0026】
シート積層体の一部が前記開口縁部から突出しているため、シートを順番に取り出すのが容易である。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の基本構造であるシート収納ケースを用いたシートパッケージの開封前を示す斜視図、図2はシート収納ケースの展開平面図、図3は図2の部分拡大図、図4はシート収納ケースの組立工程を示す部分斜視図、図5はシート収納ケースに収納されるシート積層体の斜視図、図6ないし図8はシート収納ケースの開封動作を説明する斜視図である。
【0028】
図1と図8に示すように、シートパッケージ1は、シート収納ケース10と、このシート収納ケース10に収納されたシート積層体2とを有している。
【0029】
前記シート収納ケース10は、厚紙で形成されている。あるいはシート収納ケース10が、厚紙と樹脂フィルムとの積層体、あるいは厚紙と金属箔との積層体であって、例えばケースの内面に前記樹脂フィルムや前記金属箔が向けられているものであってもよい。この明細書では、これら積層体を含めて厚紙と呼び、これら各種素材で形成されたものを全て紙製のシート収納ケースと呼ぶ。この場合の厚紙の坪量は200〜500g/m2程度である。
【0030】
また、シート積層体2を構成するシートが台所で使用される清掃用のキッチンシートあるいは揚げ物の油切りなどとして用いられるクッキングシートの場合、シート収納ケース10の外面にはニスなどの樹脂コート膜が形成される。これにより、紙製のシート収納ケースの外面に食用油や水が付着しても、ケースの劣化を防ぐことができる。
【0031】
図1に示すように、立体形状に組み立てられたシート収納ケース10は、六面体の箱体である。また、図2に示す展開図に示される各部分は、厚紙により連続して一体に形成されている。
【0032】
シート収納ケース10の上面11は、一対の長辺12,12および、前方短辺13と後方短辺14とで囲まれた長方形である。前記上面11に対向する底面21を図2の展開図で説明すると、この底面21は、長辺22と前記長辺22に対向する長辺縁部25および、前方短辺23と後方短辺24とで囲まれた長方形状である。この底面21と前記上面11は同じ大きさであり、図1に示す立体の状態で、前記上面11と底面21とが平行に対向している。
【0033】
右側面31は、前記上面11と連続して形成されており、前記長辺12とこの長辺12に対向する長辺32、および前方短辺33と後方短辺34とで囲まれた長方形である。左側面41は、前記上面11と前記底面21との間に連続して形成されており、前記長辺12と前記長辺22、および前方短辺43と後方短辺44とで囲まれた長方形である。右側面31と左側面41は、同じ大きさであり、図1に示す立体の状態で、右側面31と左側面41は平行に対向している。
【0034】
前記右側面31の長辺32から側部接合片35が一体に延びている。厚紙で形成されたシート収納ケース10は、図2に示す展開状態において、長辺12,12と長辺22および長辺32に沿う折り癖が予め圧痕成形により付されている。前記各長辺において厚紙が直角に折り曲げられ、前記側部接合片35が、底面21の内側に重ねられて長辺32と長辺縁部25とが一致した状態で、前記側部接合片35と底面21とが接着などの手段で接合される。これにより、上面11と底面21とが平行に対向し、右側面31と左側面41とが平行に対向する。
【0035】
前記上面11には前方短辺13を介して前方端面51が連続して形成されている。この前方端面51は、前記前方短辺13と、これに対向する下縁54および、前記前方短辺13および下縁54に直交する側縁52と53を有する長方形あるいは正方形である。前記上面11には、後方短辺14を介して後方上部端面61が連続して形成されている。また前記底面21には、後方短辺24を介して後方下部端面62が一体に形成されている。前記後方上部端面61および後方下部端面62は、長方形または正方形である。
【0036】
図1の立体状態では、前記後方上部端面61と後方下部端面62とが重ねられて、後方端面60が形成される。この後方端面60と前記前方端面51は、互いに同じ形状で同じ大きさ、互いに平行に対向している。
【0037】
前記底面21には、前方短辺23から連続する本体端面26が一体に形成されている。この本体端面26は、前記前方短辺23に対向する開口縁部27および、前記前方短辺23に直交する縁部28,29を有している。前記開口縁部27は、前記縁部28と縁部29との中点が前方短辺23に最も近づく凹曲面形状である。
【0038】
前記右側面31には、前方短辺33から連続して突出する端部接合片36と、後方短辺34から連続して突出する端部接合片37が一体に形成され、前記左側面41には、前方短辺43から連続して突出する端部接合片46と、後方短辺44から連続して突出する端部接合片47が一体に形成されている。
【0039】
前記端部接合片36は、切込みまたは切欠部で形成された分割部38によって、蓋側接合片36aと本体側接合片36bとに区分されている。同様に、前記端部接合片46は、分割部48によって、蓋側接合片46aと本体側接合片46bとに区分されている。
【0040】
図2に示す展開状態において、前記前方短辺13,23,33,43、および前記後方短辺14,24,34,44において厚紙に折り癖が圧痕成形などで付されている。前記前方短辺と後方短辺で厚紙が直角に折られて立方体形状に組み立てられる。
【0041】
図4には前方端面での組み立て手順を示している。まず第1の工程(i)において、右側面31と左側面41に対して端部接合片36と端部接合片46とがほぼ直角に折り曲げられる。
【0042】
第2の工程(ii)では、底面21に対して本体端面26が直角に折り曲げられて、この本体端面26が、本体側接合片36b,46bの外面に重ねられ、本体端面26の内面と、本体側接合片36b,46bとが接着されて接合される。ここで、前記分割部38によって分割されている本体側接合片36bの上縁36cと、分割部48によって分割されている本体側接合片46bの上縁46cが、本体端面26の開口縁部27の凹曲線形状とほぼ一致する。そのため、蓋側接合片36aおよび46aは、本体端面26の内面に接着されないようになっている。
【0043】
第3の工程(iii)では、前方端面51が上面11に対して直角に折り曲げられて、前方端面51が、前記本体端面26および前記蓋側接合片36a,46aに重ねられる。そして前方端面51の内面と本体端面26の外面との間が接着剤で接着されて接合され、前方端面51の内面とそれぞれの蓋側接合片36a,46aの外面とが接着されて接合される。
【0044】
その結果、前方端面51の下縁54が、底面21の前方短辺23と一致し、前方端面51の縁部52,53が、本体端面26の縁部28,29および右側面31と左側面41の前方短辺33,43に一致する。これにより、前記前方端面51によって、上面11の前方短辺13と底面21の前方短辺23、および右側面31の前方短辺33と、左側面41の前方短辺43とが繋がれる。
【0045】
同様にして、端部接合片37,47が直角に折り曲げられ、後方下部端面62が直角に折り曲げられて、前記端部接合片37,47の外面に接着される。さらに後方上部端面61が直角に折り曲げられて、この後方上部端面61が、前記端部接合片37,47の外面、および前記後方下部端面62の外面に接着される。前記後方上部端面61および後方下部端面62とで形成される後方端面60によって、上面11の後方短辺14と底面21の後方短辺24、および右側面31の後方短辺34と、左側面41の後方短辺44とが繋がれる。この状態で、前方端面51と後方端面60とが平行に対向して六面体の箱体が形成される。なお、この箱体の組み立て過程の途中で、前記シート収納ケース10内に、シート積層体2が納められる。
【0046】
前記上面11では、前方短辺13と後方短辺14との中間に折り部71が設定されている。この折り部71は、前記各短辺13および14と平行に延びる線状の圧痕成形を施すことにより形成できるが、この基本構造では、前記折り部71において、短い直線状の切れ目71aが非切断部71bを介して間欠的に並ぶミシン目(パーフォレーション)が形成されており、このミシン目は、前記各短辺13および14に対して平行に延びている。そして、前記上面11は、折り部71と前方短辺13とで挟まれた部分が蓋上面11Aで、前記折り部71と後方短辺14とで挟まれた部分が本体上面11Bとなっている。
【0047】
前記前方端面51には、一方の側縁53から他方の側縁52に向けて切断線72と切断線73が形成されている。切断線72と73は、切れ目が間欠的に並ぶミシン目(パーフォレーション)により形成されている。一方の切断線72は、下縁54に近い位置で前記下縁54と平行に延びている。他方の切断線73は、前記切断線72と前方短辺13との間に位置しているが、この切断線73は、側縁52と側縁53の部分で上面11に最も近くなり、側縁52と側縁53との中点において下縁54に接近する曲線形状である。この切断線73の曲線形状は、前方端面51の内側に重ねられている前記本体端面26の開口縁部27の凹曲線形状と一致している。
【0048】
また、前方端面51では、前記切断線73の途中に、下縁54に向けて突状に形成された切込み線74が形成されている。
【0049】
前記前方端面51では、前記切断線72と切断線73とで挟まれた部分が、帯状の開封片55となっている。前記前方端面51の側縁53では、前記開封片55の部分が少し突出する摘み部55aとなっている。図6に示すように、この摘み部55aを掴んで、側縁52に向けて剥がすことにより、開封片55を破り取って除去できる。
【0050】
前記切断線73と前方短辺13とで囲まれた部分が、蓋上面11Aに繋がる蓋端面51Aとなっており、この蓋端面51Aの内面は、前記蓋側接合片36a,46aの外面と接着されている。前記開封片55を除去したときに、前記切込み線74で囲まれた部分が、前記蓋端面51Aと一体の摘み部56となる。前記切断線72と下縁54とで挟まれた下端部分51Bは、前記本体端面26の前面に接着されており、前記開封片55が除去されたときに、この下端部分51Bが本体端面26の一部となる。
【0051】
図3に詳しく示すように、前記右側面31には、ミシン目(パーフォレーション)で形成された切断線75が形成されている。この切断線75の始端75Aは、前方端面51と右側面31との境界である前方短辺33に位置し、または前方短辺33の近傍まで延びている。前記始端75Aは、本体側接合片36bの上縁36cと一致している。あるいは前記始端75Aが、前記上縁36cよりも上面11側に位置していてもよい。ただし、この場合に、前記始端75Aは、前記分割部38の内部、すなわち本体側接合片36bの上縁36cと蓋側接合片36aの下縁との間に位置していることが好ましい。
【0052】
前記切断線75の終端75Bは、右側面31と上面11との境界の長辺12に位置し、あるいは前記長辺12の近傍まで延びている。そして、前記終端75Bは、前記折り部71と連続しまたはほぼ連続している。
【0053】
右側面31では、切断線75と長辺12と前方短辺33(側縁52)とで囲まれた領域が蓋側面31Aであり、前記蓋側面31Aを除いた部分、すなわち前記切断線75と長辺12と長辺32および前方短辺33(側縁52)と後方短辺34とで囲まれた領域が本体側面31Bとなっている。
【0054】
図3に示すように、切断線75の始端75Aから底面21と平行に延びる仮想水平線Lhを想定したときに、前記切断線75は、前記始端75Aから所定の範囲において、前記仮想水平線Lhよりも底面21側に接近する突状線75Dを有している。そして、前記蓋側面31Aには、前記突状線75Dに囲まれた領域を含む押圧分離部31Dが形成されている。
【0055】
前記切断線75は、切れ目75aと非切断部75bとが交互に配列して、前記切れ目75aが間欠的に配列している。ここで、前記切れ目75aと、前記折り部71での切れ目71aは、箱体を形成する厚紙を貫通して形成されたものであってもよいし、または厚紙の厚みの途中まで切込まれたものであってもよい。これは前記切断線72と73においても同じである。
【0056】
ここで、切断線75での切れ目75aの長さ、および折り部71での切れ目71aの長さ寸法を共にCaとし、前記切れ目75aに隣接する非切断部75bの長さ、および前記切れ目71aに隣接する非切断部71bの長さ寸法を共にCbとする。切断線75は、始端75Aから所定の範囲において、すなわち前記突状線75Dの部分、言い換えると押圧分離部31Dを囲む範囲において、長さ寸法Caの大きい切れ目75aが存在し、前記押圧分離部31Dを囲む範囲を除く切断線75は、前記押圧分離部31Dを囲む範囲よりも長さ寸法Caの短い切れ目75aを主体としている。また、前記折り部71での切れ目71aの長さ寸法Caは、前記切断線75での切れ目75aよりも短くなっている。
【0057】
すなわち、前記切れ目の長さ寸法Caの平均値は、前記押圧分離部31Dを囲む部分で最も大きく、前記切断線75での前記押圧分離部31Dを除く部分で次に小さく、折り部71において最も小さくなっている。また、切れ目と非切断部との長さの比(Ca/Cb)も、前記押圧分離部31Dを囲む部分で最も大きく、切断線75での前記押圧分離部31Dを囲む範囲を除く部分が次に小さく、折り部71で最も小さくなっている。
【0058】
これにより、シート収納ケース10は、前記押圧分離部31Dの部分での切断線75が最も切断しやすく、押圧分離部31Dを除く切断線75が次に切断しやすく、折り部71が最も切断されにくくなっている。
【0059】
なお、前記蓋側面31Aでの押圧分離部31Dには、目印31Eが設けられている。この目印31Eは、前記蓋側面31Aを形成している厚紙を、外側に向けて突状にエンボス加工することにより形成されている。
【0060】
図2の展開図に示すように、左側面41には、右側面31と同様に切断線75が形成されており、この切断線75を境界として、蓋側面41Aと本体側面41Bが形成されている。また蓋側面41Aには押圧分離部41Dが形成され、さらに目印41Eが形成されている。前記左側面41での切断線75の形状および構造は、前記右側面31に形成された切断線75と同じである。また押圧分離部41Dと目印41Eの形状および構造は、前記押圧分離部31Dおよび目印31Eと同じである。
【0061】
図5および図8に示すように、前記シート収納ケース10に収納されるシート積層体2は、互いに独立したシート単体3が折り畳まれた状態で複数枚積層されたものである。シート単体3は、展開すると長方形または正方形であり、長い折り部3aで折られて、一方の縁部3bが下側に向けられ、前記折り部3aと平行な折り部3cで折られて、他方の縁部3dが上側に向けられている。そして前記縁部3dは、前記折り部3aと折り部3cとの中間に位置している。
【0062】
前記シート単体3が折り畳まれた状態で積層されたシート積層体2は、前記折り部3aで個々のシート単体3が揃えられた側面2aと、折り部3cで個々のシート単体3が揃えられた側面2b、および端面2cを有している。このシート積層体2は、前記六面体のシート収納ケース10よりも一回り小さい六面体構造となる。そして、最上部のシート単体3が取り出されると、次に最上部に現れるシート単体3は、常に縁部3dがシート積層体2の側面2aと側面2bとの中間に位置し、この縁部3dを摘んでシート単体3を引き出せるようになる。
【0063】
前記シート単体3は、紙、不織布、樹脂フィルム、あるいはこれらいずれかの材料を組み合わせてラミネートした複合シートである。このシート単体3は、台所などで使用するキッチンシート、または台所以外で使用する清掃シート、台所において揚げ物の油切りなどに使用されるクッキングシート、またはシート単体3が樹脂フィルムで袋状に形成された食品包装袋などである。またはシート単体3がティッシュペーパーであってもよい。シート積層体2は、前記シート単体3が前記のように折り畳まれて、20〜100枚程度積み重ねられたものである。
【0064】
図2に示す展開状態の厚紙を折り畳んで図1に示す立体形状のシート収納ケース10に組み立てる過程で、シート収納ケース10の内部に前記シート積層体2が収納される。例えば、上面11、底面21、右側面31および左側面41が互いに直角となるように折られて、側部接合片35と底面21とが接着されて角筒が形成された後に、前記シート積層体2が前記角筒の内部に挿入され、その後に前方端面51と、後方上部端面61および後方下部端面62とで前記角筒の開口が閉じられて図1に示すように内部が密閉したシートパッケージ1が得られる。
【0065】
このシートパッケージ1を開封する際は、まず図6に示すように、前方端面51に設けられた開封片55を側縁53側から側縁52に向けて引き剥がす。開封片55は、切断線72と切断線73で挟まれているため、容易に剥がすことができる。前記開封片55が除去されると、前方端面51において、蓋端面51Aと下端部分51Bとが分離され、開封片55を除去した部分に、本体端面26が現れる。前述のように、前記下端部分51Bは本体端面26の前面に接着されている。
【0066】
次に、切断線75,75の部分で厚紙を切断することにより、右側面31において蓋側面31Aと本体側面31Bとを分離でき、左側面41において蓋側面41Aと本体側面41Bとを分離できる。ここで、前記切断線75は突状線75Dを含み、蓋側面31Aと41Aには、前記突状線75Dで囲まれた部分を含む押圧分離部31D,41Dが、切断線75の始端75Aから底面21に向けて突状に形成されている。よって、図7に示すように、押圧分離部31D,41Dを指でケース内方へ押し込むと、始端75Aから突状線75Dにかけて切断線75を容易に分離することができる。
【0067】
特に、この基本構造では、前記始端75Aを始点とした所定範囲において、切断線75の切れ目75aの長さ寸法Caが、同じ切断線75の他の部分よりも長くなっており、またこの部分では非切断部75bの長さ寸法Cbが短く、Ca/Cbの比が大きくなっている。よって、前記押圧分離部31D,41Dにおいて切断線75を容易に切断できるようになっている。
【0068】
すなわち、始端75Aに近い部分で切断線75を容易に破れるようにするためには、始端75Aを起点としあるいはその近傍を起点として底面21に向けられる突状線75Dを形成すること、または前記始端75Aを起点としあるいはその近傍を起点として所定の範囲で前記切れ目75aを長くしておくことのいずれか一方を実施すればよく、本基本構造のようにその双方を実施することがさらに好ましい。
【0069】
また、蓋側面31Aの押圧分離部31Dに突状の目印31Eを形成し、蓋側面41Aの押圧分離部41Dに突状の目印41Eを形成しておくと、指で押圧する箇所を認識しやすくなる。また目印31E,41Eを、突状にエンボス加工しておくと、指で前記目印31E,41Eの部分に押圧力を集中させることができ、その直近に位置する突状線75Dにおいて切断線75を分離しやすくなる。
【0070】
前記のように、押圧分離部31Dと41Dを指で押して、始端75A,75Aを含む所定範囲で、切断線75,75を切り離した後に、押圧分離部31D,41Dを保持したまま上に持ち上げる。
【0071】
図4に示すように、右側面31では切断線75で区分される蓋側面31Aに連続する蓋側接合片36aが蓋端面51Aに接着され、しかも前記蓋側接合片36aは、本体側接合片36bと分離している。同様に、左側面41の蓋側面41Aに連続する蓋側接合片46aが蓋端面51Aに接着され、この蓋側接合片46aは本体側接合片46bと分離している。よって開封片55を除去した後に、前記押圧分離部31D,41Dを押圧して、その部分を上に持ち上げると、蓋上面11Aと蓋端面51Aおよび蓋側面31A,41Aが一体となって持ち上げられるようになり、この持ち上げ操作により、切断線75,75は終端75B,75Bまで破れるようになる。
【0072】
その結果、右側面31では蓋側面31Aと本体側面31Bとを分離でき、左側面41では蓋側面41Aと本体側面41Bとを分離できる。
【0073】
この時点で、シート収納ケース10は、本体部80と蓋体81とに区分される。図8に示すように、前記蓋体81は、蓋上面11Aと、これに繋がる蓋端面51Aおよび蓋側面31A,41Aとで形成される。また本体部80は、本体上面11Bと底面21、本体側面31Bと41B、本体端面26および後方端面60とで形成される。
【0074】
蓋体81は、折り部71の部分をヒンジとして回動でき、図8に示すように蓋体81を持上げたときに、本体部80に開口部82が形成される。この開口部82は、本体端面26の上縁である凹曲線形状の開口縁部27と、本体側面31Bに形成される開口縁部84および本体側面41Bに形成される開口縁部85と、前記折り部71とで囲まれた範囲に形成される。
【0075】
前記蓋体81が本体部80から分離された状態で、本体部80は六面体ではなくなり、開口縁部27と開口縁部84および85よりも上の部分が除去された形状となる。一方、内部に収納されているシート積層体2は図1に示す密封状態のシート収納ケース10よりもひとまわり小さい六面体である。よって、蓋体81が分離されると、シート積層体2の端面2cの一部が本体端面26の開口縁部27よりも上方に現れ、またシート積層体2の側面2aと側面2bのそれぞれの一部が、本体側面31Bの開口縁部84および本体側面41Bの開口縁部85よりも上方へ現れる。
【0076】
斜めに開口している開口部82から、シート積層体2の端面2cおよび側面2a,2bの一部が完全に露出しているため、最上部のシート単体3を開口部82から取り出すときにこのシート単体3からシート収納ケース10へほとんど抵抗力が作用しない。よって片手でシート単体3を取り出す際に、ケースが不用意に動くのを防止できる。この基本構造では、シート単体3が折り畳まれて、その縁部3dが、折り部3aと3cとの中間、すなわちシート積層体2の側面2aと側面2bとの中間に位置している。よって、シート積層体2の最上部に現れているシート単体3は、前記縁部3dをつまみ代として用い、この縁部3dを摘むことにより開口部82から容易に引き出すことができる。また前記縁部3dをつまみ代としてシート単体3を取り出すことにより、ケースの底部に数少なく残ったシート単体3も確実に引き上げることができる。
【0077】
前記開口部82は、シート収納ケース10の前方端面51から右側面31および左側面41にかけて開口し、さらに上面11も開口した状態になるため、シート積層体2の最上部に位置するシート単体3を底面21と平行な向きで水平に引き出すこともできるし、または底面21と垂直な上向きに引き出すこともできる。
【0078】
また、このシートパッケージ1は、前方端面51が使用者に対して手前に向くように設置した状態で、開口部82からシート単体3を容易に取り出すことができる。よって、シートパッケージ1を台所などの壁際において前方端面51が手前に向くように設置することができる。また棚の上に設置したときに、前方端面51を手前に向けて設置でき、このとき底面21の長辺22が棚の奥側に向くようになる。この状態で、開口部82からシート単体3を取り出すときに、前記長辺22が棚の奥行き方向に向いているため、シートパッケージ1が棚から落下しにくい。
【0079】
なお、シートパッケージ1は、右側面31または左側面41が手前に向くように設置しても、開口部82からシート単体3を取り出すことは容易である。また前方端面51が上を向くように縦向きに設置して使用することも可能である。
【0080】
また、蓋体81は、蓋上面11Aと蓋端面51Aと、蓋側面31A,41Aとが立体的に繋がって構成されているため、蓋体81の剛性が高くなり歪みにくい構造となっている。したがって、蓋体81を閉じたときに、この蓋体81で開口部82を確実に塞ぐことができ、埃やゴミなどがシート積層体2に付着するのを防止できる。
【0081】
また、蓋上面11Aと蓋端面51Aと、蓋側面31A,41Aとで形成された蓋体81は、比較的重量が大きいため、図8に示す開封状態において、蓋体81を、蓋上面11Aが本体上面11Bに重なった状態で安定させることができる。よって片手で蓋体81を上向きに押し上げて、そのまま片手でシート単体3を取り出すときに、蓋体81が不用意に開口部82に向けて閉じることがない。また、蓋体81を閉じたときも、その自重で閉鎖状態で安定しやすい。
【0082】
なお、蓋体81の蓋端面51Aの端部には、摘み部56が突出して形成されているため、蓋体81を上向きに持ち上げるときに、摘み部56を掴んで蓋体81を容易に持上げることができる。また、蓋体81を閉じているときに、前記摘み部56を、本体端面26の開口縁部27よりも内面側へ差し込むことにより、閉鎖状態の蓋体81が不用意に上方へ移動するのを防止できる。
【0083】
なお、この基本構造では、上面11の折り部71がミシン目状に配列する切れ目71aを有しているため、この部分で蓋上面11Aと本体上面11Bを分離することにより、蓋体81を取り外すことができる。蓋体81を取り外した状態では、シートパッケージ1を、前方端面51を手前にして引き出しの中に配置することができる。この場合、底面21の長辺22を引き出しの奥側に向けて設置できるので、引き出しの収納スペースを有効利用できる。しかも引き出しを、開口部82が現れるまで引き出せばよく、シートパッケージ1の全体が現れるまで引き出す必要がなくなる。
【0084】
なお、前記折り部71では切れ目71aの長さ寸法Caが短く、Ca/Cbの比が小さくなっているため、開封操作において切断線75,75を終端75B,75Bまで進行させたときに、折り部71まで切断が進行しにくく、不用意に蓋体81が本体部80から分離されるのを防止できる。
【0085】
図2において、上面11の長辺12の全長寸法をL0とし、蓋上面11Aの同方向の長さ寸法をL1としたときに、L1/L0は、0.25〜0.75の範囲が好ましい。0.25未満であると、上面での開口部82の開口面積が狭くなり、シート単体3を取り出しにくくなる。また0.75を超えると、蓋体81を開閉させにくくなる。さらに好ましくは、L1/L0は、0.3〜0.7の範囲である。
【0086】
また、前方端面51の高さ寸法、すなわち底面21から上面11までの高さ寸法をH0とし、本体端面26の最小高さ寸法をH1としたときに、H1/H0は、0.2〜0.7の範囲が好ましい。0.7以下であれば、シート単体3を最後の1枚まで確実に取り出すことができ、また0.2以上であれば、下端部分51Bの高さを確保でき、本体部80の剛性が低くならずに、本体部80に歪みが生じるのを防止できる。また本体部80の剛性を維持するためには、前記H1は30mm以上であることが好ましい。
【0087】
図9は本発明のシート収納ケース10の展開図である。
このシート収納ケース10Aでは、前方端面51の蓋端面51Aにおいて、上面11から底面21に向けて延びる一対の折り癖部91,91が設けられている。この折り癖部91,91は、上面11側で互いの間隔が広く、底面21に向うにしたがって対向間隔が狭くなるように斜めに形成されている。さらに好ましくは、各折り癖部91,91の上端は、前方短辺13と長辺12,12との交叉部まで延び、あるいはその近傍まで延び、折り癖部91,91の下端は、前記摘み部56の両側部あるいはその近傍まで延びている。
【0088】
前記折り癖部91,91は、前方端面51を形成している厚紙に圧痕成型を施すことにより形成され、この折り癖部91,91は、ケースの外方へ膨出するような折りが発生しやすいように、ケース内側から外側へ向けて加圧されて形成されている。
【0089】
なお、本発明は、前記折り癖部91,91以外の形状および構成は、前記図1以下に示した基本構造と全く同じである。
【0090】
本発明では、図10に示すように、開封片55を除去した後に、押圧分離部31D,41Dに対して指でケース内方へ向く押圧力F1,F1を与えると、この押圧力F1,F1によって右側面31と左側面41とが互いに接近しようとする。このとき、蓋端面51Aでは、前記折り癖部91,91がF2,F2へ突出する向きに折れ曲がろうとし、折り癖部91,91で挟まれた部分が力F3を受けてケースの外方に向けて変形しようとする。
【0091】
ここで、前記蓋端面51Aは、蓋側接合片36a,46aとの接着により蓋側面31A,41Aと一体となっているが、蓋端面51Aは、本体側接合片36b,46bとは分離されている。そのため、蓋端面51Aの前記変形により、右側面31の蓋側面31Aと、左側面41の蓋側面41Aが互いに接近しようとするが、蓋端面51Aの変形は、本体側面31Bと41Bに直接の影響を与えない。したがって、押圧変形部31D,41Dに前記押圧力F1,F1が与えられると、蓋端面51Aが変形して蓋側面31Aと41Aとがケース内に入り込もうとするが、この力は本体側面31B,41Bには大きく作用せず、よって、蓋側面31Aと本体側面31Bとの間、および蓋側面41Aと本体側面41Bとの間に剪断力が作用し、この部分で切断線75,75を簡単に切断できるようになる。
【0092】
押圧分離部31D,41Dにおいて切断線75,75を容易に切断できるため、蓋体81を本体部80から容易に分離できるようになる。
【0093】
なお、本発明では、前記本体端面26の上縁の開口縁部27が凹曲線形状であるが、この開口縁部は、水平線や直線状の斜め線であってもよい。なお、この場合も、切断線73の形状が、前記開口縁部27の形状に一致していることが好ましい。
【0094】
また、シート積層体2は、連続する帯状のシートが折り畳まれて、このシートがミシン目を介して所定面積のシート単体に分離できるものであってもよい。
【0095】
【発明の効果】
以上のように本発明では、六面体のシート収納ケースにおいて面積の小さい端面から上面にかけて開口部が形成されるため、開口部からシート積層体が突出するようになり、開口部からシートを取り出しやすくなる。さらに、開封片を除去し、側面の切断線を切ることにより、蓋体と本体部とを容易に分離できるようになる。また、端面を手前に向けた設置状態でシートを取り出すことができ、シートパッケージの配置スペースの有効利用ができる。また蓋体は、蓋上面と蓋端面および蓋側面を有する立体形状になるため、蓋体は形状を維持した状態で開閉できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本構造であるシート収納ケースおよびシートパッケージを示す斜視図
【図2】前記シート収納ケースの展開図、
【図3】図2に示す展開図の部分拡大図、
【図4】前記シート収納ケースの前方端面の組立工程を示す部分斜視図、
【図5】シート積層体の部分斜視図、
【図6】開封片を除去する工程を示すシート収納ケースの部分斜視図、
【図7】押圧分離部を押圧して切断線を切る工程を示すシート収納ケースの部分斜視図、
【図8】シートパッケージが開封された状態を示す斜視図、
【図9】 本発明のシート収納ケースの展開図、
【図10】 本発明のシート収納ケースの開封操作を示す斜視図、
【符号の説明】
1 シートパッケージ
2 シート積層体
3 シート単体
3d 縁部
10 シート収納ケース
11 上面
11A 蓋上面
11B 本体上面
12 長辺
13 前方短辺
14 後方短辺
21 底面
22 長辺
23 前方短辺
24 後方短辺
26 本体端面
27 開口縁部
31 右側面
31A 蓋側面
31B 本体側面
31D 押圧押圧部
41 左側面
41A 蓋側面
41B 本体側面
41D 押圧分離部
51 前方端面
51A 蓋端面
55 開封片
71 折り部
72,73,75 切断線
75D 突状線
80 本体部
81 蓋体
82 開口部
Claims (5)
- 互いに対向する長方形の上面および長方形の底面と、前記上面の長辺と前記底面の長辺とを繋ぐ一対の長方形の側面と、前記上面と底面のそれぞれの短辺および前記一対の側面のそれぞれの短辺を繋ぐ一対の端面とを有して、六面体の箱体とされた紙製のシート収納用ケースにおいて、
前記上面には、一方の短辺と他方の短辺との間に折り部が設けられて、前記上面は前記折り部と前記短辺との間が蓋上面とされ、前記端面は、前記蓋上面に繋がる蓋端面と前記底面に繋がる本体端面とに区分されて、前記蓋端面に、上面側から底面側に延びる折り癖部が設けられ、それぞれの側面は、前記蓋上面に繋がる蓋側面と前記蓋側面を除く本体側面とに区分されており、
前記端面には、前記蓋端面を分離するための所定幅の開封片が除去可能に設けられ、それぞれの前記側面には、前記蓋側面と前記本体側面とを区分する切り込みが間欠的に並ぶ切断線が形成されており、
前記開封片を除去し且つ前記切断線の部分で箱体を切断することにより、前記蓋上面と蓋端面および蓋側面とで形成された蓋体が形成され、この蓋体が前記折り部を介して上方へ折り曲げられたときに、前記本体端面の開口縁部と前記本体側面の開口縁部および前記折り部とで囲まれた開口部が現れることを特徴とするシート収納ケース。 - 前記側面に形成された切断線の始端は、前記側面と前記端面との境界部側に位置し、前記切断線の終端は前記側面と前記上面との境界部側に位置し、前記切断線の一部が、前記始端よりも前記底面に向かう突状線を形成しており、前記突状線で囲まれた部分が、前記蓋側面と蓋本体との分離を開始するための押圧分離部となっている請求項1記載のシート収納ケース。
- 前記側面に形成された切断線の始端は、前記側面と前記端面との境界部側に位置し、前記切断線の終端は前記側面と前記上面との境界部側に位置しており、切断線の前記始端から所定の範囲での前記切れ目の長さが、前記切断線の切れ目の長さの平均値よりも長く形成されている請求項1または2記載のシート収納ケース。
- 前記折り癖部は2箇所に設けられており、前記折り癖部は上面側で間隔が広く前記底面側で間隔が狭くなるように形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のシート収納ケース。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載のシート収納ケースと、このシート収納ケースの中に収納されたシート積層体を有し、
前記蓋体が上方へ持上げられたときに、前記シート積層体の一部が、前記開口部から突出することを特徴とするシートパッケージ。
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