JP4216042B2 - シクロプロピルアセトニトリルの製造方法 - Google Patents

シクロプロピルアセトニトリルの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シクロプロピルアセトニトリルの製造方法に関する。本発明により得られるシクロプロピルアセトニトリルは、種々の医薬の合成中間体として有用である[ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(J.Med.Chem.)、第34巻、2468頁(1991年);ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(J.Med.Chem.)、第39巻、3070頁(1996年);ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(J.Med.Chem.)、第41巻、3515頁(1998年)など参照]。
【0002】
【従来の技術】
従来、シクロプロピルアセトニトリルの製造方法として、例えば、(1)シクロプロピルメチルブロマイドに相関移動触媒を用いて水溶媒中でアルカリ金属のシアン化物を作用させる方法(特許文献1参照)、(2)シクロプロピルメチルブロマイドをジメチルスルホキシド中でアルカリ金属のシアン化物を作用させる方法(非特許文献1参照)、(3)シクロプロピルメチルブロマイドをエタノール溶剤中でアルカリ金属のシアン化物を作用させる方法(非特許文献2参照)などが知られている。また、シクロプロパンカルボニトリルの製造方法として、(4)シクロプロパンカルボアルデヒドオキシムをギ酸を用いて脱水する方法(特許文献2参照)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
WO00/63163公報(第12頁)
【特許文献2】
特表平11−510487公報(第2頁、第12頁)
【非特許文献1】
ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(J.Med.Chem.)、1970年、第13巻、第879頁
【非特許文献2】
ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1963年、第85巻、第936頁
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法(1)、方法(2)および方法(3)は、いずれも有毒なアルカリ金属のシアン化物を用いており、シクロプロピルアセトニトリルの工業的に有利な製造方法ではない。また、方法(4)では、脱水反応後に得られる反応混合物をアルカリ金属化合物で中和しており、副生するギ酸アルカリ金属塩を多量に含む排水の処理が必要になる。したがって、この方法をシクロプロピルアセトニトリルの製造に適用したとしても、工業的に有利な方法とはならない。
【0005】
本発明の目的は、シクロプロピルアセトニトリルを工業的に有利に製造し得る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステル(3−シクロプロピル−2−オキシランカルボン酸エステル)を塩基の存在下に加溶媒分解し、その生成物を酸処理することによりシクロプロピルアセトアルデヒドを得、得られたシクロプロピルアセトアルデヒドをヒドロキシルアミンまたはその塩と反応させることによりシクロプロピルアセトアルデヒドオキシムを得、得られたシクロプロピルアセトアルデヒドオキシムを無水酢酸と反応させることを特徴とするシクロプロピルアセトニトリルの製造方法である。
【0007】
また、本発明は、3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステルを塩基の存在下に加溶媒分解し、その生成物を酸処理することによりシクロプロピルアセトアルデヒドを得、得られたシクロプロピルアセトアルデヒドをヒドロキシルアミンまたはその塩と反応させることを特徴とするシクロプロピルアセトアルデヒドオキシムの製造方法であり、3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステルを塩基の存在下に加溶媒分解し、その生成物をヒドロキシルアミン塩と反応させることを特徴とするシクロプロピルアセトアルデヒドオキシムの製造方法であり、シクロプロピルアセトアルデヒドオキシムを無水酢酸と反応させることを特徴とするシクロプロピルアセトニトリルの製造方法である。
【0008】
本発明は、前記のシクロプロピルアセトニトリルの重要な合成中間体であるシクロプロピルアセトアルデヒドオキシムを含む。
【0009】
【発明の実施の形態】
3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステルを塩基の存在下に加溶媒分解し、その生成物を酸処理することによりシクロプロピルアセトアルデヒドを得る工程(A)について説明する。
【0010】
3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステルとしては、そのエステル基が加溶媒分解を受け得るものであれば特に制限はなく、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステルなどが挙げられる。
【0011】
溶媒としては、例えば水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール;ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテルなどが使用される。溶媒の使用量は、特に制限されないが、3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステルに対して1〜100倍重量の範囲であるのが好ましく、1〜10倍重量の範囲であるのがより好ましい。
【0012】
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩などが使用される。塩基の使用量は、3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステル1モルに対して0.5〜10モルの範囲であるのが好ましく、0.5〜1.5モルの範囲であるのがより好ましい。
【0013】
加溶媒分解により得られる生成物を含む系に酸を加えることにより、シクロプロピルアセトアルデヒドが得られる。酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、燐酸などの無機酸;酢酸、クロロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ギ酸、シュウ酸、マロン酸などの有機酸;酸性イオン交換樹脂などが挙げられる。酸の使用量は、3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステル1モルに対して1〜10モルの範囲であるのが好ましく、1〜1.5モルの範囲であるのがより好ましい。
【0014】
加溶媒分解反応の温度は、−20℃〜150℃の範囲であるのが好ましく、0〜70℃の範囲であるのがより好ましい。加溶媒分解反応の時間は、塩基および溶媒の種類や使用量などにより異なるが、通常10分間〜24時間の範囲であるのが好ましい。酸処理温度は、−20℃〜100℃の範囲であるのが好ましく、0〜50℃の範囲であるのがより好ましい。酸処理に要する時間は、酸および溶媒の種類や使用量などにより異なるが、通常10分間〜24時間の範囲であるのが好ましい。
【0015】
上記の反応は、例えば3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステル、塩基および溶媒を混合し、減圧下または常圧下で所定温度で攪拌し、次いで、その反応系に酸を添加することにより行う。
【0016】
このようにして得られたシクロプロピルアセトアルデヒドを含む反応混合物をそのまま次のヒドロキシルアミンまたはその塩との反応に供してもよいが、反応混合物からシクロプロピルアセトアルデヒドを単離・精製して次の反応に供することもできる。シクロプロピルアセトアルデヒドの反応混合物からの単離・精製は、有機化合物の単離・精製に一般に用いられる方法により行うことができる。例えば、反応混合物を水にあけ、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;トルエンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテルなどで抽出し、得られた抽出液を濃縮した後、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどにより精製する。
【0017】
次に、シクロプロピルアセトアルデヒドをヒドロキシルアミンまたはその塩と反応させることによりシクロプロピルアセトアルデヒドオキシムを得る工程(B)について説明する。
【0018】
ヒドロキシルアミンの塩は市販品を使用することができる。ヒドロキシルアミンの塩としては、例えばヒドロキシルアミン硫酸塩、ヒドロキシルアミン塩酸塩、ヒドロキシルアミン燐酸塩などが挙げられる。遊離のヒドロキシルアミンは、ヒドロキシルアミンの塩を塩基で処理することにより容易に調製される。したがって、ヒドロキシルアミンの塩を使用する場合には、塩基の存在下に反応を行う。塩基としては、ヒドロキシルアミンの塩を遊離のヒドロキシルアミンに変換し得るものであれば使用可能であり、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。これらの中でも水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムを使用するのが好ましい。塩基の使用量は、ヒドロキシルアミンの塩1モルに対して1〜5モルの範囲であるのが好ましく、1〜1.5モルの範囲であるのがより好ましい。ヒドロキシルアミンまたはその塩の使用量は特に制限されないが、シクロプロピルアセトアルデヒド1モルに対して0.5〜2モルの範囲であるのが好ましい。
【0019】
反応は溶媒の存在下に行うのが好ましい。溶媒としては、例えば水;メタノール、エタノールなどのアルコールなどが使用される。中でも水を使用するのが好ましい。溶媒の使用量は特に限定されないが、反応の操作性および容積効率を損なわないような量とすることが望ましく、シクロプロピルアセトアルデヒドに対して1〜10倍重量の範囲であるのが好ましい。
【0020】
上記の反応は、例えば、ヒドロキシルアミンまたはその塩、溶媒および所望により塩基を予め投入した攪拌機付きの反応容器中に、シクロプロピルアセトアルデヒドを添加することによって行う。
【0021】
反応温度は、約0〜100℃の範囲であるのが好ましく、10〜60℃の範囲であるのがより好ましい。また、反応時間は、反応条件により異なるが、0.5〜10時間の範囲であるのが好ましい。
【0022】
このようにして得られたシクロプロピルアセトアルデヒドオキシムの反応混合物からの単離・精製は、有機化合物の単離・精製に一般に用いられる方法により行うことができる。例えば、反応混合物を水にあけ、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;トルエンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテルなどで抽出し、得られた抽出液を濃縮した後、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどにより精製することができる。また、抽出液をそのまま次の無水酢酸との反応に供することもできる。
【0023】
次に、3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステルを加溶媒分解し、その生成物をヒドロキシルアミン塩と反応させることによりシクロプロピルアセトアルデヒドオキシムを得る工程(C)について説明する。
【0024】
3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステルの加溶媒分解反応は、工程(A)における加溶媒分解反応と同様にして行うことができる。
【0025】
加溶媒分解により得られる生成物とヒドロキシルアミン塩との反応は、塩基の存在下に行う。塩基としては、ヒドロキシルアミン塩を遊離のヒドロキシルアミンに変換し得るものであれば使用可能であり、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。これらの中でも水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムを使用するのが好ましい。塩基の使用量は、ヒドロキシルアミン塩1モルに対して1〜5モルの範囲であるのが好ましく、1〜1.5モルの範囲であるのがより好ましい。ヒドロキシルアミン塩の使用量は特に制限されないが、3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステル1モルに対して0.5〜2モルの範囲であるのが好ましい。
【0026】
反応は溶媒の存在下に行うのが好ましい。溶媒としては、例えば水;メタノール、エタノールなどのアルコールなどが使用される。中でも水を使用するのが好ましい。溶媒の使用量は特に限定されないが、反応の操作性および容積効率を損なわないような量とすることが望ましく、3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステルに対して1〜10倍重量の範囲であるのが好ましい。
【0027】
反応温度は、約0〜100℃の範囲であるのが好ましく、10〜60℃の範囲であるのがより好ましい。また、反応時間は、反応条件により異なるが、0.5〜10時間の範囲であるのが好ましい。
【0028】
上記の反応は、例えば、3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステル、塩基および必要に応じて溶媒を混合し、減圧下または常圧下で所定温度で攪拌し、次いで、その反応系にヒドロキシルアミン塩またはその水溶液を添加することにより行う。
【0029】
このようにして得られたシクロプロピルアセトアルデヒドオキシムの反応混合物からの単離・精製は、有機化合物の単離・精製に一般に用いられる方法により行うことができる。例えば、反応混合物を水にあけ、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;トルエンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテルなどで抽出し、得られた抽出液を濃縮した後、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどにより精製することができる。また、抽出液ををそのまま次の無水酢酸との反応に供することもできる。
【0030】
次に、シクロプロピルアセトアルデヒドオキシムを無水酢酸と反応させることによりシクロプロピルアセトニトリルを得る工程について説明する。
【0031】
無水酢酸の使用量は、シクロプロピルアセトアルデヒドオキシム1モルに対して1〜20モルの範囲であるのが好ましく、1〜5モルの範囲であるのがより好ましい。
【0032】
反応は、溶媒の存在下または不存在下に行うことができる。溶媒としては、例えばジイソプロピルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステルなどを使用するのが好ましい。反応は、溶液状態またはスラリ状態で行われる。溶媒の使用量は特に制限されないが、シクロプロピルアセトアルデヒドオキシムに対して1〜100倍重量の範囲であるのが好ましく、1〜10倍重量の範囲であるのがより好ましい。
【0033】
反応温度は、25〜150℃の範囲であるのが好ましく、50〜100℃の範囲であるのがより好ましい。反応時間は、溶媒の種類や使用量などにより異なるが、10分間〜24時間の範囲であるのが好ましい。
【0034】
反応は、例えば、シクロプロピルアセトアルデヒドオキシムおよび溶媒を混合し、所定温度で攪拌し、次いで、その混合物に無水酢酸を添加することにより行う。
【0035】
このようにして得られたシクロプロピルアセトニトリルは、有機化合物の単離・精製に一般に用いられる方法により単離・精製することができる。例えば、反応混合物を水にあけ、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;トルエンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテルなどで抽出し、得られた抽出液を濃縮した後、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどにより精製する。また、反応混合物をそのまま蒸留することにより精製することもできる。
【0036】
本発明において使用される3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステルは、例えば、シクロプロパンカルバルデヒドとα−ハロ酢酸エステルを塩基の存在下で反応させることにより調製することができる(特開平11−228559号公報参照)。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
【0038】
参考例1
3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸メチルの合成
温度計および攪拌機を備えた内容積300mlの三ツ口フラスコに、28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液87g(0.45mol)およびシクロプロパンカルバルデヒド21g(0.30mol)を入れ、−10℃まで冷却した後、反応液にクロロ酢酸メチル48.9g(0.45mol)を3時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を室温まで昇温し、室温で5時間攪拌した。酢酸12g(0.20mol)を加え、残存するナトリウムメトキシドを中和した後、反応液を水140g中に注いだ。得られた反応混合物を酢酸エチル50mlを用いて3回抽出し、抽出液を飽和食塩水50mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を減圧下に蒸留し、70〜73℃[6mmHg(8.0hPa)]の留分として下記の物性を有する3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸メチル29.8g(0.21mol、収率70.0%)を得た。
【0039】
H−NMR(270MHz、CDCl 、TMS、ppm)δ:3.78(3H,s)、3.30(1H,d,J=2.0Hz)、2.97(1H,dd,J=2.0,5.7Hz)、1.00−0.80(1H,m)、0.63−0.56(2H,m)、0.46−0.41(2H,m)
【0040】
実施例1
シクロプロピルアセトアルデヒドの合成
冷却器、温度計および攪拌機を備えた内容積200mlの三ツ口フラスコに、5Nの水酸化ナトリウム水溶液48ml(0.24mol)を入れ、参考例1と同様にして得られた3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸メチル28.4g(0.2mol)を25℃で2時間かけて滴下し、滴下終了後、25℃で1時間攪拌した。次いで、1.86Nの塩酸48ml(0.24mol)を25℃で1時間かけて滴下し、滴下終了後、25℃で30分間攪拌した。得られた反応混合物をジエチルエーテル50mlを用いて3回抽出し、抽出液を飽和食塩水50mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記の物性を有するシクロプロピルアセトアルデヒド13.5g(0.16mol、収率80.5%)を得た。
【0041】
H−NMR(270MHz、CDCl 、TMS、ppm)δ:9.90−9.70(1H,m)、2.33−2.25(2H,m)、1.15−0.95(1H,m)、0.65−0.58(2H,m)、0.21−0.15(2H,m)
【0042】
実施例2
シクロプロピルアセトアルデヒドオキシムの合成
冷却器、温度計および攪拌機を備えた内容積50mlの三ツ口フラスコに、硫酸ヒドロキシルアミン4.1g(25.0mmol)および水50gを加え、次いで、水酸化ナトリウム2.0g(50.0mmol)で中和した。室温で30分間攪拌した後、実施例1と同様にして得られたシクロプロピルアセトアルデヒド4.2g(50.0mmol)を15分間かけて添加し、添加終了後、25℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物をイソプロピルエーテル15mlを用いて3回抽出し、抽出液を飽和食塩水15mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記の物性を有するシクロプロピルアセトアルデヒドオキシム4.7g(47.5mmol、収率95%)を得た。
【0043】
H−NMR(270MHz、CDCl 、TMS、ppm)δ:7.80−6.90(1H,m)、7.20−6.60(1H,m)、2.20−1.75(2H,m)、0.80−0.60(1H,m)、0.50−0.33(2H,m)、0.13−0.03(2H,m)
【0044】
実施例3
シクロプロピルアセトアルデヒドオキシムの合成
冷却器、温度計および攪拌機を備えた内容積200mlの三ツ口フラスコに、5Nの水酸化ナトリウム水溶液48ml(0.24mol)を入れ、参考例1と同様にして得られた3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸メチル28.4g(0.2mol)を25℃で2時間かけて滴下し、滴下終了後、25℃で1時間攪拌した。次いで、ヒドロキシルアミン硫酸塩18g(0.11mol)を25℃で30分間かけて添加し、添加終了後、25℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物をイソプロピルエーテル50mlを用いて3回抽出し、抽出液を飽和食塩水50mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記の物性を有するシクロプロピルアセトアルデヒドオキシム13.9g(0.14mol、収率70.3%)を得た。
【0045】
H−NMR(270MHz、CDCl 、TMS、ppm)δ:7.80−6.90(1H,m)、7.20−6.60(1H,m)、2.20−1.75(2H,m)、0.80−0.60(1H,m)、0.50−0.33(2H,m)、0.13−0.03(2H,m)
【0046】
実施例4
シクロプロピルアセトニトリルの合成
冷却器、温度計および攪拌機を備えた内容積50mlの三ツ口フラスコに、実施例2と同様にして得られたシクロプロピルアセトアルデヒドオキシム16.8g(0.17mol)および溶媒として酢酸エチル20mlを入れ、次いで、無水酢酸18.2g(0.18mol)を25℃で30分間かけて滴下し、滴下終了後、還流下で3時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を蒸留[75℃、110mmHg(14.7kPa)]により精製し、下記の物性を有するシクロプロピルアセトニトリル10.5g(0.13mol、収率76.7%)を得た。
【0047】
H−NMR(270MHz、CDCl 、TMS、ppm)δ:2.41−2.33(2H,d,J=6.92Hz)、1.15−1.00(1H,m)、0.79−0.70(2H,m)、0.35−0.30(2H,m)
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、シクロプロピルアセトニトリルを工業的に有利に製造することができる。

Claims (5)

  1. 3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステルを塩基の存在下に加溶媒分解し、その生成物を酸処理することによりシクロプロピルアセトアルデヒドを得、得られたシクロプロピルアセトアルデヒドをヒドロキシルアミンまたはその塩と反応させることによりシクロプロピルアセトアルデヒドオキシムを得、得られたシクロプロピルアセトアルデヒドオキシムを無水酢酸と反応させることを特徴とするシクロプロピルアセトニトリルの製造方法。
  2. 3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステルを塩基の存在下に加溶媒分解し、その生成物を酸処理することによりシクロプロピルアセトアルデヒドを得、得られたシクロプロピルアセトアルデヒドをヒドロキシルアミンまたはその塩と反応させることを特徴とするシクロプロピルアセトアルデヒドオキシムの製造方法。
  3. 3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステルを塩基の存在下に加溶媒分解し、その生成物をヒドロキシルアミン塩と反応させることを特徴とするシクロプロピルアセトアルデヒドオキシムの製造方法。
  4. シクロプロピルアセトアルデヒドオキシムを無水酢酸と反応させることを特徴とするシクロプロピルアセトニトリルの製造方法。
  5. シクロプロピルアセトアルデヒドオキシム。
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