JP2001026590A - テトラヒドロチオピラン−4−オンの製造法 - Google Patents

テトラヒドロチオピラン−4−オンの製造法

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JP2001026590A
JP2001026590A JP11198350A JP19835099A JP2001026590A JP 2001026590 A JP2001026590 A JP 2001026590A JP 11198350 A JP11198350 A JP 11198350A JP 19835099 A JP19835099 A JP 19835099A JP 2001026590 A JP2001026590 A JP 2001026590A
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tetrahydrothiopyran
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acid
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Katsumasa Harada
勝正 原田
Ryoji Sugise
良二 杉瀬
Koichi Kashiwagi
公一 柏木
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、即ち、テトラヒドロチオピラン-4
-オンを製造する際に、低沸点で引火性の高いジエチル
エーテルを反応溶媒及び抽出溶媒として多量に使用する
ことのない、工業的に好適なテトラヒドロチオピラン-4
-オンの製造法を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、3,3'-チオジプロピオ
ン酸ジアルキルエステルを、アルカリ金属アルコキシド
及びアミド化合物又は尿素化合物の存在下、有機溶媒中
で環化反応させて、次いで、この反応で得られた3-カル
ボアルコキシテトラヒドロチオピラン-4-オンを加水分
解処理することを特徴とするテトラヒドロチオピラン-4
-オンの製造法によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テトラヒドロチオ
ピラン-4-オンの製造法に関するものである。テトラヒ
ドロチオピラン-4-オンは、各種ファインケミカルズ合
成原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、テトラヒドロチオピラン-4-オン
を製造する方法としては、3,3'-チオジプロピオン酸ジ
メチルを、ナトリウムメトキシドの存在下、ジエチルエ
ーテル溶媒中で環化反応させて、次いで、この反応で得
られた3-カルボメトキシテトラヒドロチオピラン-4-オ
ンを加水分解処理してテトラヒドロチオピラン-4-オン
を製造する方法が開示されている(J.Org.Chem.,60,166
5(1995))。また、3,3'-チオジプロピオン酸ジメチル
を、ナトリウム及びヘキサメチルホスホニルトリアミド
の存在下、ジエチルエーテル溶媒中で環化反応させて、
テトラヒドロチオピラン-4-オンの前駆体である3-カル
ボメトキシテトラヒドロチオピラン-4-オンを製造する
方法が開示されている(特開昭51-34165号公報)。しか
しながら、いずれの方法においても、低沸点で引火性の
高いジエチルエーテルを反応溶媒及び抽出溶媒として多
量に使用しており、安全性を考慮した工業的製法として
は有利な方法でなかった。また、後者の方法では、毒性
(発癌性)の高いヘキサメチルホスホニルトリアミドを
使用しなければならないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、即
ち、テトラヒドロチオピラン-4-オンを製造する際に、
上記問題点を克服した工業的に好適なテトラヒドロチオ
ピラン-4-オンの製造法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、一般式
(1)
【0005】
【化4】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なっていても良く、
炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0006】で示される3,3'-チオジプロピオン酸ジア
ルキルエステルを、アルカリ金属アルコキシド及び一般
式(2)
【0007】
【化5】 (式中、R3、R4及びR5は、同一又は異なっていても
良く、炭素数1〜5のアルキル基を示す。また、R3
4及びR5はそれぞれ連結して環を形成していても良
い。)
【0008】で示されるアミド化合物又は一般式(3)
【0009】
【化6】 (式中、R6、R7、R8及びR9は、同一又は異なってい
ても良く、炭素数1〜5のアルキル基を示す。また、R
6、R7、R8及びR9はそれぞれ連結して環を形成してい
ても良い。)
【0010】で示される尿素化合物の存在下、有機溶媒
中で環化反応させて、次いで、この反応で得られた3-カ
ルボアルコキシテトラヒドロチオピラン-4-オンを加水
分解処理することを特徴とするテトラヒドロチオピラン
-4-オンの製造法によって解決される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の反応において使用する一
般式(1)で示される3,3'-チオジプロピオン酸ジアル
キルエステル中のR1及びR2は、同一又は異なっていて
も良く、炭素数1〜8のアルキル基を示す。前記アルキ
ル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基(直鎖状又は分枝状)、ブチル基(直鎖状又は分枝
状)、ペンチル基(直鎖状又は分枝状)、ヘキシル基
(直鎖状又は分枝状)、ヘプチル基(直鎖状又は分枝
状)、オクチル基(直鎖状又は分枝状)が挙げられる。
【0012】本発明の反応において使用する一般式
(1)で示される3,3'-チオジプロピオン酸ジアルキル
エステルのとしては、3,3'-チオジプロピオン酸ジメチ
ルエステル、3,3'-チオジプロピオン酸ジエチルエステ
ル、3,3'-チオジプロピオン酸ジプロピルエステル、3,
3'-チオジプロピオン酸ジブチルエステルが好適に使用
される。なお、これらは3,3'-チオジプロピオン酸のエ
ステル化や硫化水素とアクリル酸アルキルエステルとの
反応によって容易に合成することが出来る。
【0013】本発明の反応において使用するアルカリ金
属アルコキシドとしては、リチウムメトキシド、リチウ
ムエトキシド、リチウムプロポキシド、リチウムブトキ
シド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、
ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリ
ウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポ
キシド、カリウムブトキシド等が挙げられるが、好まし
くはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナ
トリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、更に好
ましくはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド
が使用される。これらアルカリ金属アルコキシドの使用
量は、3,3'-チオジプロピオン酸ジアルキルエステル1モ
ルに対して好ましくは0.9〜5モル、更に好ましくは1〜4
モル、特に好ましくは1.2〜3モルである。アルカリ金属
アルコキシドの使用量が前記範囲より少ないと、目的物
のテトラヒドロチオピラン-4-オンの収率が低下し、逆
に多いと製造コストが高くなるために望ましくない。
【0014】本発明の反応で使用する一般式(2)で示
されるアミド化合物の具体例としては、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチル
アセトアミド、1-メチル-2-ピロリドンが挙げられる。
【0015】本発明の反応で使用する一般式(3)で示
される尿素化合物の具体例としては、1,1,3,3-テトラメ
チルウレア、1,1,3,3-テトラエチルウレア、1,3-ジメチ
ル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジエチル-2-イミダゾリジ
ノン、1,3-ジブチル-2-イミダゾリジノンが挙げられ
る。
【0016】前記アミド化合物又は尿素化合物の使用量
は、3,3'-チオジプロピオン酸ジアルキルエステル1モル
に対して好ましくは0.01〜5モル、更に好ましくは0.1〜
3モル、特に好ましくは0.2〜2モルである。アミド化合
物又は尿素化合物の使用量が前記範囲より少ないと、目
的物のテトラヒドロチオピラン-4-オンの収率が低下
し、逆に多いと製造コストが高くなるために望ましくな
い。また、アミド化合物又は尿素化合物は、単独又は二
種以上を混合して使用しても差し支えない。
【0017】本発明の反応において使用する有機溶媒と
しては、常圧での沸点が60℃以上、特に60〜250℃の有
機溶媒が好適に使用される。その具体例としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピル
ベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、テ
トラリン等の芳香族炭化水素溶媒;ジイソプロピルエー
テル、ジブチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、1,2-
ジエトキシエタン、1,2-ジブトキシエタン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒が挙げら
れるが、好ましくは芳香族炭化水素溶媒、更に好ましく
はベンゼン、トルエン、キシレンが使用される。これら
有機溶媒の使用量は、3,3'-チオジプロピオン酸ジアル
キルエステル1モルに対して好ましくは0.1〜5L、更に
好ましくは0.2〜3L、特に好ましくは0.3〜2Lである。
【0018】本発明の反応は、例えば、3,3'-チオジプ
ロピオン酸ジアルキルエステル、アルカリ金属アルコキ
シド、アミド化合物又は尿素化合物及び有機溶媒を混合
し、加熱攪拌する等の方法によって行われるのが好まし
い。
【0019】本発明の反応における反応温度は好ましく
は-20〜100℃、更に好ましくは-10〜70℃、特に好まし
くは0〜60℃である。また、反応圧力は好ましくは0.001
〜2気圧、更に好ましくは0.01〜1.5気圧である。なお、
反応に要する時間は、反応温度等の反応条件によって異
なるが、通常0.1〜24時間である。
【0020】本発明の反応において反応中にアルコール
が副生してくるが、このアルコールは有機溶媒との混合
物として、反応混合物から留去させながら反応を行うの
が好ましい。なお、留去によって除かれるアルコールと
有機溶媒の混合物の合計量は、反応条件によって異なる
が、3,3'-チオジプロピオン酸ジアルキルエステル1モル
に対して好ましくは0.0001〜1L、更に好ましくは0.001
〜0.5Lである。
【0021】本発明の反応の終了後、反応混合物に酸を
加えて中和して、生成物(主として3-カルボアルコキシ
テトラヒドロチオピラン-4-オンを含む)を抽出溶媒に
より抽出する。
【0022】前記酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン
酸、ホウ酸等の無機酸類;酢酸、プロピオン酸、酪酸、
イソ酪酸等の脂肪族カルボン酸類;メタンスルホン酸、
p-トルエンスルホン酸等のスルホン酸類が好適に使用さ
れる。これら酸の使用量は、反応に使用したアルカリ金
属アルコキシド1当量に対して好ましくは0.6〜3当量、
更に好ましくは0.8〜2当量、特に好ましくは0.9〜1.5当
量である。
【0023】前記抽出溶媒としては、水と均一に混合せ
ず、反応によって生成した3-カルボアルコキシテトラヒ
ドロチオピラン-4-オンを抽出出来るものならば特に限
定はされない。その具体例としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼ
ン、ブチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素
類;ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2-
ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、1,2-ジブト
キシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等
のエーテル類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブ
チル等の脂肪族カルボン酸エステル類;メチルエチルケ
トン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン等の
ケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタ
ン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類が挙げられるが、芳
香族炭化水素類が好適に使用される。なお、前記抽出溶
媒は、反応で使用した有機溶媒と同じものを使用するこ
とが望ましい。
【0024】前記の抽出操作によって得られた抽出液
は、必要に応じて、水、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カ
リウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素カ
リウム水溶液等を用いて洗浄したり、無水硫酸ナトリウ
ム、無水硫酸カルシウム、無水硫酸マグネシウム、無水
塩化カルシウム、無水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウ
ム、シリカゲル、モレキュラーシーブ等により乾燥処理
を行っても良い。
【0025】得られた抽出液(主な反応生成物として3-
カルボアルコキシテトラヒドロチオピラン-4-オンを含
む)は、抽出溶媒を留去して濃縮された後に、水及び酸
触媒を添加して、加熱攪拌する等の方法によって加水分
解処理される。
【0026】加水分解処理における水の使用量は、3,3'
-チオジプロピオン酸ジアルキルエステル1モルに対して
好ましくは5〜50モル、更に好ましくは8〜40モルであ
る。
【0027】前記酸触媒としては、硫酸、塩酸、リン
酸、シュウ酸等が好適に使用される。これら酸触媒の使
用量は、3,3'-チオジプロピオン酸ジアルキルエステル1
モルに対して好ましくは0.05〜2モル、更に好ましくは
0.1〜1.5モルである。
【0028】前記加水分解処理における反応温度は、好
ましくは40〜150℃、更に好ましくは50〜130℃である。
また、反応圧力は加圧、常圧又は減圧のいずれの圧力下
で行っても良い。なお、反応に要する時間は、反応温度
等の反応条件によって異なるが、通常0.1〜40時間であ
る。
【0029】なお、前記加水分解処理においては、前記
の環化反応や抽出で使用した有機溶媒やアミド化合物又
は尿素化合物が残存していても良い。また、アセトンや
酢酸等の水に均一に溶解する有機溶媒を添加しても良
い。
【0030】加水分解処理の終了後、その処理液に塩基
性水溶液を加えて中和して、生成物(主としてテトラヒ
ドロチオピラン-4-オンを含む)を抽出溶媒により抽出
する。
【0031】前記塩基性水溶液としては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが好適に使
用される。これら塩基性水溶液の使用量は、加水分解処
理に使用した酸(酸触媒)1当量に対して好ましくは0.3
〜2当量、更に好ましくは0.5〜1.5当量である。
【0032】前記抽出溶媒としては、水と均一に混合せ
ずに、常圧での沸点が60℃以上、特に60〜200℃であ
り、加水分解反応によって生成したテトラヒドロチオピ
ラン-4-オンを抽出出来るものならば特に限定はされな
い。その具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプ
ロピル、酢酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;
メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエ
チルケトン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホル
ム、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類が
挙げられるが、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチ
ルケトン、塩化メチレン、クロロホルムが好適に使用さ
れる。
【0033】前記の抽出操作によって得られた抽出液
は、必要に応じて、水、塩化ナトリウム水溶液、炭酸ナ
トリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液等を用いて洗浄し
たり、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸カルシウム、無水
硫酸マグネシウム、無水塩化カルシウム、無水炭酸ナト
リウム、無水炭酸カリウム、シリカゲル、モレキュラー
シーブ等により乾燥処理を行っても良い。
【0034】得られた抽出液(主な反応生成物としてテ
トラヒドロチオピラン-4-オンを含む)の抽出溶媒を留
去して濃縮することにより、目的物のテトラヒドロチオ
ピラン-4-オンを得ることが出来る。得られたテトラヒ
ドロチオピラン-4-オンは、再結晶、蒸留、昇華又はカ
ラムクロマトグラフィーによって、純度の高いテトラヒ
ドロチオピラン-4-オンに精製することが出来る。
【0035】前記再結晶で精製する場合において使用す
る溶媒としては、水;ジイソプロピルエーテル、ジブチ
ルエーテル等のエーテル類;ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸ブチル等の脂
肪族カルボン酸エステル類;メチルイソブチルケトン等
のケトン類が挙げられるが、エーテル類、特にジイソプ
ロピルエーテルが好適に使用される。また、これら溶媒
は単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0036】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。
【0037】参考例1 還流冷却器、攪拌装置、滴下漏斗及び温度計を備えた内
容積1000mlのガラス製フラスコに、3,3'-チオジプロピ
オン酸250.00g(1.40mol)、メタノール650ml及び96%硫
酸2.50gを加え、窒素雰囲気にて、還流させながら5時間
加熱攪拌した。反応終了後、反応混合物を10〜15℃まで
冷却し、22%炭酸ナトリウム水溶液48.0gを1時間かけて
滴下した。引き続き、減圧下でメタノールを留去し、残
液に5%塩化ナトリウム水溶液50gを加えた。その後、ト
ルエン150mlで抽出した後、100mlで更に抽出した。次い
で、トルエンで抽出された液を全て合わせて、15%塩化
ナトリウム水溶液30gで二回洗浄した。トルエン抽出液
を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下でトルエンを留
去すると、オイル状化合物268.75gが得られた。高速液
体クロマトグラフィーによりオイル状化合物を分析した
ところ、この化合物は純度96.0重量%の3,3'-チオジプ
ロピオン酸ジメチルエステルであった(仕込み3,3'-チオ
ジプロピオン酸に対するモル基準で収率89.0%)。
【0038】実施例1 蒸留装置及び滴下漏斗を備えた2Lのガラス製フラスコ
に、ナトリウムメトキシド111.30g(1.21mol)、N,N-ジメ
チルホルムアミド75.00g(1.05mol)及びトルエン800mlを
加え、攪拌しながら15〜19℃まで冷却した。これに、参
考例1で合成した純度96.0重量%の3,3'-チオジプロピ
オン酸ジメチルエステル260.50g(3,3'-チオジプロピオ
ン酸ジメチルエステルを250.00g含有;1.96mol)及びト
ルエン50mlを1時間かけて滴下した。滴下終了後、室温
まで戻して30分間攪拌した。次いで、31℃まで昇温した
後に減圧下(60〜80mmHg)にて、メタノールとトルエンの
混合物158mlを3時間30分かけて留去した。反応終了後、
反応混合物を10℃まで冷却し、液温を10〜19℃に保ちな
がら、14%塩酸544.5gを1時間かけて滴下した。その
後、窒素を50ml/min.で1時間流通させた。トルエン層を
分離した後、水層をトルエン250mlで抽出した。トルエ
ン層とトルエン抽出液を合わせて、減圧下でトルエンを
留去すると、オイル状化合物172.06gが得られた。この
オイル状化合物に、水600g及び96%硫酸75.0gを加え
て、還流させながら5時間攪拌した。その後、5℃まで冷
却し、30%水酸化ナトリウム水溶液190.0gを30分間かけ
て滴下した。この反応液(水相)を酢酸エチル250mlず
つで二回、150mlで一回抽出し、得られた抽出液を合わ
せて、5%炭酸水素ナトリウム水溶液50ml及び5%塩化ナ
トリウム水溶液50mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。次いで、減圧下で酢酸エチルを留去する
と、オイル状化合物(室温では固化する)113.42gが得ら
れた。このオイル状化合物をジイソプロピルエーテル11
5mlに溶解し、再結晶させた。析出した結晶を濾過して
減圧下で乾燥すると、ガスクロマトグラフィーの面積百
分率での純度が99.9%のテトラヒドロチオピラン-4-オ
ンの結晶76.51gが得られた(仕込み3,3'-チオジプロピオ
ン酸ジメチルエステルに対するモル基準で収率54.3
%)。また、再結晶の母液(ジイソプロピルエーテル溶
液)を濃縮すると、結晶が析出してきたので、濾過して
減圧下で乾燥すると、ガスクロマトグラフィーの面積百
分率での純度が99.9%のテトラヒドロチオピラン-4-オ
ンの結晶7.24gが得られた(仕込み3,3'-チオジプロピオ
ン酸ジメチルエステルに対するモル基準で収率5.1%)。
【0039】参考例2 参考例1で得られた純度96.0重量%の3,3'-チオジプロ
ピオン酸ジメチルエステル100.00gを、減圧蒸留(10mmH
g、148℃)により精製して、純度99.5%の3,3'-チオジプ
ロピオン酸ジメチルエステル85.21gを得た。
【0040】実施例2 蒸留装置及び滴下漏斗を備えた500mlのガラス製フラス
コに、ナトリウムメトキシド22.26g(0.41mol)、N,N-ジ
メチルホルムアミド15.00g(0.21mol)及びトルエン200ml
を加え、攪拌しながら13〜18℃まで冷却した。これに、
参考例2で得られた純度99.5%の3,3'-チオジプロピオ
ン酸ジメチルエステル50.00g(3,3'-チオジメチルプロピ
オン酸ジメチルエステルを49.75g含有;0.24mol)を45分
間かけて滴下した。滴下終了後、室温まで戻して1時間
攪拌した。次いで、40℃まで昇温した後に減圧下(80mmH
g)にて、メタノールとトルエンの混合物63mlを1時間45
分かけて留去した。反応終了後、反応混合物を5℃まで
冷却し、19%塩酸80gを35分間かけて滴下した。トルエ
ン層を分離した後、水層をトルエン50mlで抽出した。ト
ルエン層とトルエン抽出液を合わせて、5%炭酸水素ナ
トリウム水溶液100g及び水200mlで洗浄した後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、減圧下でトルエンを留去する
と、オイル状化合物35.49gが得られた。このオイル状化
合物に、水95.0g及び96%硫酸15.0gを加えて、還流させ
ながら9.5時間攪拌した。その後、5℃まで冷却し、22%
水酸化ナトリウム水溶液53.58gを10分間かけて滴下し
た。この反応液から酢酸エチルを合計130ml使い三回抽
出した。得られた抽出液を合わせて、水10mlずつで二回
洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、
減圧下で酢酸エチルを留去すると、オイル状化合物(室
温では固化する)23.47gが得られた。このオイル状化合
物をジイソプロピルエーテル25mlに溶解し、再結晶させ
た。析出した結晶を濾過して減圧下で乾燥すると、ガス
クロマトグラフィーの面積百分率での純度が99.9%以上
のテトラヒドロチオピラン-4-オンの結晶16.48gが得ら
れた(仕込み3,3'-チオジプロピオン酸ジメチルエステル
に対するモル基準で収率58.5%)。また、再結晶の母液
(ジイソプロピルエーテル溶液)を6.4gまで濃縮すると、
結晶が析出してきたので、濾過して減圧下で乾燥する
と、ガスクロマトグラフィーの面積百分率での純度が9
5.0%のテトラヒドロチオピラン-4-オンの結晶1.13gが
得られた(仕込み3,3'-チオジプロピオン酸ジメチルエス
テルに対するモル基準で収率4.0%)。
【0041】比較例1 実施例2において、N,N-ジメチルホルムアミドを使用せ
ず、且つ反応時間を8.5時間にした以外は、実施例と同
様に反応を行った。その結果、テトラヒドロチオピラン
-4-オンの結晶10.15gが得られた(仕込み3,3'-チオジプ
ロピオン酸ジメチルエステルに対するモル基準で収率3
6.0%)。
【0042】
【発明の効果】本発明により、工業的に好適なテトラヒ
ドロチオピラン-4-オンの製造法を提供することが出来
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なっていても良く、
    炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で示される3,3'-
    チオジプロピオン酸ジアルキルエステルを、アルカリ金
    属アルコキシド及び一般式(2) 【化2】 (式中、R3、R4及びR5は、同一又は異なっていても
    良く、炭素数1〜5のアルキル基を示す。また、R3
    4及びR5はそれぞれ連結して環を形成していても良
    い。)で示されるアミド化合物又は一般式(3) 【化3】 (式中、R6、R7、R8及びR9は、同一又は異なってい
    ても良く、炭素数1〜5のアルキル基を示す。また、R
    6、R7、R8及びR9はそれぞれ連結して環を形成してい
    ても良い。)で示される尿素化合物の存在下、有機溶媒
    中で環化反応させて、次いで、この反応で得られた3-カ
    ルボアルコキシテトラヒドロチオピラン-4-オンを加水
    分解処理することを特徴とするテトラヒドロチオピラン
    -4-オンの製造法。
  2. 【請求項2】有機溶媒の常圧での沸点が60℃以上である
    請求項1記載のテトラヒドロチオピラン-4-オンの製造
    法。
  3. 【請求項3】有機溶媒が芳香族炭化水素溶媒である請求
    項1記載のテトラヒドロチオピラン-4-オンの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005174798A (ja) * 2003-12-12 2005-06-30 Sony Corp 電解質およびそれを用いた電池

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