JP4215874B2 - リフロー装置とリフロー方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品をプリント基板上に実装半田付けするリフロー装置において外部の駆動系によって基板を任意の速度と任意の移動範囲で搬送する基板搬送方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品をプリント基板上に実装半田付けするリフロー装置の場合、稼働中の炉内温度は、約270〜300℃程度の高温に達する。そのために、炉内を通過させるプリント基板の搬送手段は、炉内の入口から出口までわたした金属製のレール上に金属製のチェーンコンベアを配設するとともに炉外の駆動モータにて駆動し、そのチェーンコンベア上にプリント基板を載せてチェーンの移動速度で入口から出口まで一定速度で搬送するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の構成では、チェーンコンベアの駆動を制御することによって搬送速度を変えることは可能であるが、基板やその上の搭載部品の温度変化である温度プロファイルは、炉体の長さとチェーンコンベアの移動速度のみによって決定され、任意の温度プロファイルを得ることができないという問題があった。
【0004】
もちろん、チェーンコンベアの搬送速度を基板搬送中に変えることができる機構であれば、炉内の1枚の基板が完全に通過してしまうまで次の基板をリフロー炉内に投入しないようにすれば、任意の温度プロファイルを得ることができるが、1枚の基板がリフロー炉内を通過する約4〜5分の時間がこの場合の基板の生産タクトになってしまう。
【0005】
また、任意の温度プロファイルを得るために基板をそれぞれ個別に搬送しようとする場合、駆動系を有する搬送機構を別に設ける必要があるが、高温の炉内での使用に耐えうる駆動系の設置は非常に困難である。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、リフロー炉において、外部からの駆動にて基板の移動速度及び移動範囲を任意に設定できる方法並びに装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のリフロー方法は、リフロー炉内に配設された搬送コンベアで基板を搬送する工程と、搬送コンベアと平行に配設されたガイドレールに沿って配設され、かつレバーユニットが固定された無端の動力伝達媒体を、リフロー炉外に位置する駆動手段で駆動して、前記レバーユニットを基板送り方向に移動させ、その移動開始時にレバーユニットに設けた基板送りレバーを、これに前記動力伝達媒体の移動する部分からの動力を伝達することにより起立させ、この起立状態の基板送りレバーを前記基板に係合させることにより、前記基板を基板送り方向に後押し搬送させる工程と、前記動力伝達媒体を、前記駆動手段で駆動して、基板送り方向とは逆方向に移動させ、その移動開始時に前記基板送りレバーを、これに前記動力伝達媒体の移動する部分からの動力を伝達することにより倒伏させて、レバーユニットを元の位置に復帰させる工程とを有することを特徴とする。この構成により、レバーユニットを任意の速度で任意の移動範囲で駆動することにより、基板を任意の速度で任意の移動範囲で搬送することができる。
【0008】
また、本発明のリフロー装置は、リフロー炉と、リフロー炉内に配設された基板を搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアと平行に配設されたガイドレールと、ガイドレールに沿って配設されかつレバーユニットが固定された無端の動力伝達媒体と、リフロー炉外に位置して前記動力伝達媒体を駆動する手段とを備え、前記レバーユニットには、基板送りレバーと、動力伝達媒体の移動開始時に動力伝達媒体の移動する部分から動力を受けて前記基板送りレバーを起立・倒伏させる機構とを設け、搬送コンベア上の基板に、起立姿勢の基板送りレバーを係合させ、レバーユニットをガイドレールに沿って移動させることにより、前記基板を基板搬送方向に後押し搬送させるように構成したことを特徴とする。この構成により、上記リフロー方法を実施してその作用効果が得られる。
【0010】
また、動力伝達媒体の移動速度、移動範囲を制御する手段を設けると、制御手段の設定により簡単に任意の速度・任意の移動範囲で基板を搬送することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の基板搬送装置を適用したリフロー装置の一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
【0014】
リフロー装置の全体構成を示す図1及び要部構成を示す図2において、1はリフロー炉、1a、1bは予熱領域、1cはリフロー領域であり、入口から出口に向かって基板搬送方向に順に配設されるとともに、各領域毎に所定の設定温度に温度制御されている。2はリフロー炉1内にその入口から出口にわたって配設された基板搬送用の搬送コンベアであり、一定の搬送速度で基板を搬送するように構成されている。
【0015】
3は搬送コンベア2の若干下方位置に平行にかつ予熱領域1bとリフロー領域1cにわたって配設されるとともにさらにリフロー炉1の外部に向けて延設されたガイドレール4に沿って移動自在なレバーユニットである。5はガイドレール4に沿ってその略全長にわたって無端状に配設されたチェーン5であり、ガイドレール4の両端部に配設されたスプロケット6に巻回されるとともに、その両端5aを下側のチェーン移動経路に位置させるとともにレバーユニット3に固定されている。また、ガイドレール4の外側端部のスプロケット6とそれから適当間隔あけた位置の下部に配設されたアイドルスプロケット6aの間の下部に外部駆動手段7の駆動モータ8が配設され、その出力軸に固定された駆動スプロケット8aにチェーン5が巻回されている。駆動モータ8は制御ユニット9にて回転速度(移動速度)及び回転数(移動範囲と位置)を任意に制御できるように構成されている。
【0016】
次に、レバーユニット3の構成と作用について、図2〜図4を参照して説明する。レバーユニット3には、図3に示すように倒伏姿勢と、矢印の方向に起立した起立姿勢との間で回動可能で、起立姿勢では搬送コンベア2上の基板10の後端に係合してレバーユニット3の移動によって基板10を搬送する基板送りレバー11が設けられており、この基板送りレバー11の基端が回動自在なシャフト12の一端に固定されている。このシャフト12の他端には揺動ブロック13が固定されている。揺動ブロック13の揺動方向両側部にはそれぞれカムフォロア14が配設され、かつその中間部とシャフト12の直下位置との間にスプリング15が介装され、揺動ブロック13が図4(a)と図4(c)の何れかの位置に向けて付勢するように構成されている。
【0017】
また、レバーユニット3には、シャフト12軸芯の上方位置に支軸16aが回転自在に設けられ、この支軸16aに中間レバー16が固定されている。この中間レバー16の揺動によっていずれかのカムフォロア14と係合し、揺動ブロック13を中間レバー16とは反対方向に揺動駆動するように構成されている。また、支軸16aには、上方の移動経路を移動するチェーン5に係合可能な部分歯輪17が固定されており、下方の移動経路を移動するチェーン5にて移動駆動されるレバーユニット3とは反対方向に上方の移動経路を移動するチェーン5と部分歯輪17との係合により、中間レバー16を揺動させ、揺動ブロック13をレバーユニット3の移動方向に揺動するように構成されている。これらシャフト12、揺動ブロック13、カムフォロア14、スプリング15、中間レバー16、部分歯輪17にて、チェーン5の往復移動開始時に基板送りレバー11を起立・倒伏させるレバー起立・倒伏機構18が構成されている。
【0018】
かくして、図4(a)に示すように、チェーン5が矢印A方向に移動を開始すると、図4(b)に示すように、部分歯輪17及び中間レバー16が矢印B方向に揺動し、揺動ブロック13がスプリング15の付勢力に抗して矢印C方向に中間点を越える位置まで揺動駆動され、その後図4(c)に示すように、揺動ブロック13はスプリング15の付勢力で初期状態から90°揺動した他方の揺動端まで揺動し、シャフト12を介して基板送りレバー11が起立姿勢に向けて揺動される。
【0019】
また、チェーン5を逆方向に移動を開始すると、図4(c)の状態から図4(b)の状態を介して図4(a)の状態に復帰し、基板送りレバー11が倒伏姿勢に向けて揺動される。
【0020】
以上の構成により、図5に示すように、(a)のようにチェーン5の正回転を開始すると、基板送りレバー11が起立して搬送コンベア2上の基板10を後押し搬送する状態となり、次いで(b)のようにそのままチェーン5を正回転することによって基板10を任意の位置まで任意の速度で搬送することができ、次に(c)のように所望位置まで搬送するとチェーン5を停止し、その後次の基板10を同様に搬送するために初期位置に復帰させるべく(d)に示すようにチェーン5の逆回転を開始すると、基板送りレバー11が倒伏して後続する基板10に前方から干渉しない姿勢となり、次いで(e)のようにそのままチェーン5を逆回転することによって基板送りレバー11を初期位置に復帰させることができ、以降再び(a)〜(e)を動作を繰り返すことにより基板10を順次任意の移動速度で、任意の移動範囲で搬送することができる。
【0021】
かくして、搬送コンベア2の搬送速度によらずに、基板10を予熱領域1b及びリフロー領域1cを任意の速度で移動させることができ、リフロー炉1の各領域1a〜1cの長さによらずに、外部駆動手段7の制御ユニット9における制御設定によって自由な温度プロファイルを実現することができる。
【0022】
なお、上記実施形態では、無端の動力伝達媒体としてチェーン5を用い、レバー起立・倒伏機構18にチェーン5に噛合可能な部分歯輪17を用いた例を示したが、チェーン5に代えてベルト(歯付きベルトが好適)を用い、レバー起立・倒伏機構18にベルトに係合可能な部分プーリを用いてもよい。
【0023】
また、上記実施形態ではレバー起立・倒伏機構18として、無端のチェーン5におけるレバーユニット3とは逆方向に移動する部分から動力を受けて基板送りレバー11を起立・倒伏させる機構を例示したが、動力伝達媒体からレバーユニット3に作用する駆動力を利用して基板送りレバー11を起立・倒伏させるようにした機構を採用してもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明のリフロー方法によれば、レバーユニットを任意の速度で任意の移動範囲で駆動することにより、基板を任意の速度で任意の移動範囲で搬送することができる。
【0025】
また、本発明のリフロー装置によれば、上記リフロー方法を実施してその作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板搬送装置を適用したリフロー装置の一実施形態の全体概略構成図である。
【図2】同実施形態の要部である外部駆動手段とレバーユニットの正面図である。
【図3】同実施形態の基板と基板送りレバーの関係を示す斜視図である。
【図4】同実施形態における基板送りレバーを起立・倒伏させる機構の動作説明図である。
【図5】同実施形態における基板搬送動作の説明図である。
【符号の説明】
1 リフロー炉
2 搬送コンベア
3 レバーユニット
4 ガイドレール
5 チェーン
7 外部駆動手段
9 制御ユニット
10 基板
11 基板送りレバー
17 部分歯輪
18 レバー起立・倒伏機構
Claims (3)
- リフロー炉と、
リフロー炉内に配設された基板を搬送する搬送コンベアと、
前記搬送コンベアと平行に配設されたガイドレールと、
ガイドレールに沿って配設されかつレバーユニットが固定された無端の動力伝達媒体と、
リフロー炉外に位置して前記動力伝達媒体を駆動する手段とを備え、
前記レバーユニットには、基板送りレバーと、動力伝達媒体の移動開始時に動力伝達媒体の移動する部分から動力を受けて前記基板送りレバーを起立・倒伏させる機構とを設け、
搬送コンベア上の基板に、起立姿勢の基板送りレバーを係合させ、レバーユニットをガイドレールに沿って移動させることにより、前記基板を基板搬送方向に後押し搬送させるように構成したことを特徴とするリフロー装置。 - 動力伝達媒体の移動速度、移動範囲を制御する手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のリフロー装置。
- リフロー炉内に配設された搬送コンベアで基板を搬送する工程と、
搬送コンベアと平行に配設されたガイドレールに沿って配設され、かつレバーユニットが固定された無端の動力伝達媒体を、リフロー炉外に位置する駆動手段で駆動して、前記レバーユニットを基板送り方向に移動させ、その移動開始時にレバーユニットに設けた基板送りレバーを、これに前記動力伝達媒体の移動する部分からの動力を伝達することにより起立させ、この起立状態の基板送りレバーを前記基板に係合させることにより、前記基板を基板送り方向に後押し搬送させる工程と、
前記動力伝達媒体を、前記駆動手段で駆動して、基板送り方向とは逆方向に移動させ、その移動開始時に前記基板送りレバーを、これに前記動力伝達媒体の移動する部分からの動力を伝達することにより倒伏させて、レバーユニットを元の位置に復帰させる工程とを有することを特徴とするリフロー方法。
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