JP4215235B2 - Sn合金に対する表面処理剤及び表面処理方法 - Google Patents

Sn合金に対する表面処理剤及び表面処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Sn合金に対する表面処理剤、及びそれを用いた表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
はんだ付けは、融点が比較的低い物質を用いて物体同士を接合する技術であり、現代産業において、電子機器の接合、組み立て等に幅広く用いられている。一般的に用いられているはんだはSn−Pb合金であり、その共晶組成(63%Sn−残部Pb)の融点が183℃と低いものであることから、そのはんだ付けは220〜230℃で行われるため、電子部品や基板に対しほとんど熱損傷を与えない。しかも、Sn−Pb合金は、はんだ付け性が良好であるとともに、はんだ付け時にすぐに凝固して、はんだ付け部に振動が加わっても割れや剥離を起こし難いという優れた特徴も有している。
【0003】
一般に電子機器は、外枠や基板等の合成樹脂と導体部やフレーム等の金属により形成されており、廃棄処分された場合は、焼却処分されず、ほとんどが地中に埋め立てられる。近年、地上に降る雨は酸性を示す傾向にあり(酸性雨)、地中に埋められた電子機器のはんだを溶出させて、地下水を汚染することが問題化している。このため、特に電子機器業界において、鉛を含まないはんだ(鉛フリーはんだ)への代替の動きが急速に進んでいる。
【0004】
電子部品の外部リード端子には、そのはんだ濡れ性と耐食性を向上させるため、主にはんだめっき(90%Sn−残部Pb)が施されており、その鉛フリー化への対応が望まれている。鉛フリーはんだめっきに用いられる合金としては、Sn−Ag(Cu)系、Sn−Zn系、Sn−Bi系に大別されるが、それぞれ一長一短がありSn−Pb合金を完全に代替するには未だ至っていない。
【0005】
Sn−Zn系合金は、従来のSn−Pb系合金と融点が近いことから、現在の設備や工程を変える必要がないという点で有利である。また、めっき被膜の機械的強度に優れコスト的にも優れている。しかし、Znは活性な金属種であることから酸化し易く、Sn−Zn系合金のはんだ濡れ性が非常に悪いため、現時点では、実用化される可能性は最も低いと考えられている。
【0006】
はんだペーストは、電子部品を基板に表面実装するために用いられ、近年その使用量が増大している。はんだペーストは一般には、はんだ合金粉末を主体とし、粘着剤、活性剤、チクソトロピック剤、界面活性剤、溶剤等を含むフラックスを加えたものである。はんだペーストの鉛フリー化として、Sn−Ag(Cu)系合金、Sn−Zn系合金、Sn−Bi系合金が検討されているが、Sn−Zn系合金は前述した通り、従来のSn−Pb系はんだの共晶温度に近いことから、代替の有力な候補として考えられている。しかし、前述の通りZnの酸化されやすさから、Sn−Zn系合金をはんだ粉末として用いたはんだペーストはフラックスに含まれる活性剤と酸化反応を起こし、はんだ濡れ性、保存安定性が著しく悪く、またリフロー時に不活性ガス雰囲気が必要という欠点がある。
【0007】
一般に、はんだ粉末の酸化を防止する提案は多数なされている。例えば特許公報1では粉末の表面にポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリプロピレン共重合体、アルキルエーテル系非イオン性界面活性剤、ジカルボン酸金属塩等の皮膜を設けることにより酸化を防止している。また、特許公報2では、はんだ粉末とPOEアルキルエーテルリン酸N−アシルアミノ酸塩を含むフラックスとを混和することにより、得られるはんだペーストの酸化を防止している。
【0008】
ボールグリッドアレイ(BGA)は、外部端子がはんだボールで形成され、2次元的に配置された表面実装型パッケージであり、BGAに用いるはんだボールとしては、例えば、電子部品と実装基板との接触不良を防止するために、はんだボールを、弾性部材にSnメッキを施したものとすることが提案されている(特許文献3)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−294901号公報
【特許文献2】
特開2000−271781号公報
【特許文献3】
特開平11−284029号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記実情に鑑みて、本発明はSn合金のはんだ濡れ性、及び耐酸化性を良好にする表面処理剤を提供することを目的とする。さらには、保存安定性がよいはんだペースト、ウィスカー発生が抑制されたSn合金めっきを得ることができる表面処理剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、Sn合金表面の酸化抑制に対し、鋭意研究を重ねた結果、一つもしくは二つの、飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステルを含む処理剤で、Sn合金を表面処理することにより、耐酸化性を付与し、はんだ濡れ性を改善することを見出した。また、この表面処理を施したSn合金粉を含むはんだペーストは、その保存安定性に顕著な改善効果が見られた。更に、この表面処理を施したSn合金めっきからは、ウィスカーの発生が大幅に抑制されることを確認した。
【0012】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1) 一つもしくは二つの、炭素数10〜26の飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステル、及び/又はその塩を含む、水酸基を持った溶媒、炭化水素類、又はケトン類から選ばれた有機溶媒溶液であることを特徴とするSn合金に対する表面処理剤。
(2) 前記Sn合金がSnにZn、Bi、Cu、Ag、Sbのいずれか一つもしくは二つ以上を含むはんだ合金であることを特徴とする前記(1)に記載の表面処理剤。
(3) 前記Sn合金がSn−Zn系合金であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の表面処理剤。
(4) 前記(1)〜(3)のいずれかに記載の表面処理剤によるSn合金の表面処理方法。
(5) 電子部品もしくは基板の接続端子部の導体表面にSn合金めっきを施した後、前記(4)記載の表面処理方法により表面処理を行った電子部品もしくは基板。
(6) 前記(4)記載の表面処理方法により表面処理を行ったSn合金はんだボール。
(7) 前記(6)記載のSn合金はんだボールを電気的接続部材として用いたことを特徴とするBGA(ボールグリッドアレイ)。
(8) 前記(6)記載のSn合金はんだボールを電子部品に配置し、これを回路基板に接続したことを特徴とする実装品。
(9) 前記(4)記載の表面処理方法により表面処理を行ったSn合金はんだ粉末。
(10) 前記(9)記載のSn合金はんだ粉末を用いたことを特徴とするはんだペースト。
(11) 前記(10)記載のはんだペーストを用いたことを特徴とする実装品。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるSn合金としては、環境汚染等の問題から鉛を含まないSn合金が好ましく、SnにZn、Bi、Cu、In、Ag、Sbのいずれか一つもしくは二つ以上を含むはんだ合金等が挙げられる。また、Sn−Zn系合金は従来のSn−Pb系合金と融点が近いので好ましく用いることができる。
【0017】
本発明で用いる一つもしくは二つの、飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステルとしては、下記一般式(1)で示されるものであり、一般式(1)中、R、R、Rは飽和もしくは不飽和アルキル基又は水素であり、かつR、R、Rのうちいずれか一つは飽和もしくは不飽和アルキル基であり、水素である。
【0018】
【化1】
Figure 0004215235
【0019】
上記の飽和もしくは不飽和アルキル基としては、炭素数10〜26の飽和もしくは不飽和アルキル基が好ましく、より好ましくは、炭素数12〜24の飽和アルキルもしくは不飽和アルキルである。一つもしくは二つの、飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステルとしては、例えばモノドデシルリン酸エステル、ジドデシルリン酸エステル、モノテトラデシルリン酸エステル、ジテトラデシルリン酸エステル、モノヘキサデシルリン酸エステル、ジヘキサデシルリン酸エステル、モノオクタデシルリン酸エステル、ジオクタデシルリン酸エステル、モノエイコシルリン酸エステル、ジエイコシルリン酸エステル、モノドコシルリン酸エステル、ジドコシルリン酸エステル、モノテトラコシルリン酸エステル、ジテトラコシルリン酸エステル、モノドデシニルリン酸エステル、ジドデシニルリン酸エステル、モノテトラデシニルリン酸エステル、ジテトラデシニルリン酸エステル、モノヘキサデシニルリン酸エステル、ジヘキサデシニルリン酸エステル、モノオクタデシニルリン酸エステル、ジオクタデシニルリン酸エステル、モノエイコシニルリン酸エステル、ジエイコシニルリン酸エステル、モノドコシニルリン酸エステル、ジドコシニルリン酸エステル、モノテトラコシニルリン酸エステル、ジテトラコシニルリン酸エステル等が挙げられる。
【0020】
一つもしくは二つの、飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステルの塩としては、上記一つもしくは二つの、飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステルと、水に溶解するとアルカリ性を示す物質との塩であればよく、アミン塩が好ましい。
【0021】
また、一つもしくは二つの、飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステルが、製造上、一つの飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステルと二つの飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステルの混合物として得られるときは、分離する必要はなく、混合物のまま用いることができる。さらに、酸性リン酸エステル混合物中にリン酸トリエステルが少量含まれていてもよい。
【0022】
本発明の表面処理剤は、一つもしくは二つの、飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステル、及び/又はその塩を溶剤に溶解して用いることができ、使用される溶剤としては、可溶であれば特に制限されるわけではないが、溶解度、乾燥の容易さ、コストからイソプロパノールやセロソルブ等の水酸基を持った溶媒、トルエンやn−ヘキサン等の炭化水素類、又はアセトン等のケトン類が好ましい。
【0023】
また、本発明の表面処理剤は、所望の性能を付与させる目的で本来の性質を損なわない範囲の量の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、防腐剤、界面活性剤等が挙げられる。
【0024】
本発明の表面処理剤を用いてSn合金を表面処理するには、Sn合金の表面に被覆を形成する方法であればよく、例えば、Sn合金を単に表面処理剤に浸漬させる方法、表面処理剤を、シャワー、又はエアードコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、グラビアコータ、リバースコータ、キャストコータなどの装置を用いて塗布する方法が挙げられる。
【0025】
塗布膜を乾燥する方法としては、熱風乾燥、ロール加熱乾燥、赤外線乾燥、遠赤外線乾燥等の装置を用いる方法が挙げられ、実施にあたってはこれらの装置を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
表面処理層の膜厚は、特に限定されるものではないが、コストの点で5μm以下が好ましい。
【0027】
本発明の表面処理剤で表面処理をするSn合金の形状は、線状、板・帯・箔状、粒状(Snはんだボール)、粉末状(Snはんだ粉末)等いずれの形状であってもよい。
【0028】
また、Sn合金粉末を本発明の表面処理剤を用いて処理し、これに粘着剤、活性剤、チクソトロピック剤、界面活性剤、溶剤等を含むフラックスを加えてはんだペーストとして用いることもできる。
上記粘着剤、活性剤、チクソトロピック剤、界面活性剤、溶剤としては従来公知のものを用いることができる。
【0029】
【実施例】
以下本発明の実施例を説明する。
<実施例1>
実施例1ではSn−Zn合金めっきに対し、本発明の表面処理剤で表面処理したもののはんだ濡れ性が、表面処理しなかったものと比べて、著しく改善された結果を示す。
下記表1に示す飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステルを有効成分とする1wt%イソプロパノール溶液を14種類調製した。尚、用いた上記酸性リン酸エステルは、モノ体とジ体のほぼ等モル化合物である。
他方、燐青銅フープ材(18×100mm)に対し、以下の前処理を行った。
アルカリ電解脱脂(常温、15A/dm、約30秒程度処理)→水洗
→酸浸漬(10%硫酸、常温、5秒)→水洗→化学研磨(CPB−40、
常温、1分浸漬)→水洗→酸浸漬(10%硫酸、常温、5秒)→水洗
この基材に対し、膜厚約5μmのSn−Znめっきを行った(めっき浴:Sn−10Zn(Zn含有率10%)、めっき条件:陰極電流密度3A/dm、温度35℃、pH4.0、液流動及びカソード揺動めっき)。
このSn−Znめっきを施した基材(以下Sn−Zn基材)を、上記の飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステルのイソプロパノール溶液に1分間浸漬した。その後、ドライヤーにて乾燥させたものを試験基板とし、以下のはんだ濡れ性評価試験に供した。
【0030】
後処理直後及びPCT処理(温度105℃、湿度100%の密閉釜内にて16時間放置)後の鉛フリーはんだ(すず:銀:銅=96.5:3:0.5、浴温245℃)とのはんだ付け性をメニスコグラフ法で評価した。尚、フラックスとしては、NA−200(タムラ化研製)を用いた。表1に試験結果を示す。
尚、比較例として、上記Sn−Zn基材に表面処理を行わないものを試験基板とし、同様に評価した結果もあわせて表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004215235
以上のように、本発明の表面処理方法はSn−Zn合金に対し、はんだ濡れ性の向上に顕著な効果があることが判ったが、本発明の表面処理方法は他のSn合金に関してもはんだ濡れ性の向上に効果があることを確認している。
【0032】
<実施例2>
実施例2ではSn−Zn合金めっきに対し表面処理したもののウィスカー発生が、表面処理しなかったものと比べて、著しく抑制された結果を示す。
実施例1と同等の処理をしたSn−Zn合金めっき基板14種類と、表面処理をしなかった基板を、温度85℃、湿度85%の恒温恒湿雰囲気下において、24時間放置した。その後、基板を充分に乾燥した後、走査型電子顕微鏡(SEM)にて表面観察したところ、表面処理をしなかったものは、ウィスカーが多く観察されたのに対し、表面処理をしたものからは、その有効成分によらず、ウィスカーが全く観察されなかった。
【0033】
<実施例3>
実施例3では、表面処理したSn−Zn合金粉を用いたペーストのはんだ濡れ性が、表面処理しなかったものと比べて、著しく改善された結果を示す。
実施例1と同様に、飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステルを有効成分とする1wt%イソプロパノール溶液を14種類調製し、その溶液にSn−8Zn−3Bi粉を1分間浸漬した後、ガラスフィルターでろ過し、乾燥した。
この表面処理を施したはんだ粉末とフラックス(ロジン60wt%、ブチルカルビトール30wt%、水添ひまし油9wt%)を重量比で9:1でよく混合し、はんだペーストとした。このはんだペーストを銅板上に、冶具を用いて7mmφ×1mmtの円柱状に塗布した。
この銅板を、230℃に設定されたホットプレート上に置いて加熱し、はんだペーストが溶け始めてから10秒後に銅板をホットプレートから下ろした。加熱は大気中で行った。はんだが固まった後、写真撮影してはんだの濡れ広がった面積を測定した。表2に試験結果を示す。
尚、比較例として、表面処理を行わないこと以外は実施例3と同様にしてはんだペーストを作製し、評価した結果もあわせて表2に示す。
【0034】
【表2】
Figure 0004215235
【0035】
<実施例4>
実施例4では、表面処理したSn−Zn合金粉を用いたペーストの保存安定性が、表面処理しなかったものと比べて、著しく改善された結果を示す。
実施例3で示した、はんだペーストを5℃で冷蔵保存し、保存安定性の評価を行なった。表3に、はんだペーストの濡れ広がり面積が初期の半分以下になるまでの期間を示す。
【0036】
【表3】
Figure 0004215235
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、一つもしくは二つの、飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステル、及び/又はその塩を含む表面処理剤でSn合金を表面処理することにより、耐酸化性を付与し、はんだ濡れ性を改善することができる。
また、本発明の表面処理剤で処理されたSn合金粉を含むはんだペーストは、保存安定性が極めて向上し、この表面処理を施したSn合金めっきは、ウィスカーの発生を大幅に抑制することができる。

Claims (11)

  1. 一つもしくは二つの、炭素数10〜26の飽和もしくは不飽和アルキル基をもつ酸性リン酸エステル、及び/又はその塩を含む、水酸基を持った溶媒、炭化水素類、又はケトン類から選ばれた有機溶媒溶液であることを特徴とするSn合金に対する表面処理剤。
  2. 前記Sn合金がSnにZn、Bi、Cu、Ag、Sbのいずれか一つもしくは二つ以上を含むはんだ合金であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理剤。
  3. 前記Sn合金がSn−Zn系合金であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理剤によるSn合金の表面処理方法。
  5. 電子部品もしくは基板の接続端子部の導体表面にSn合金めっきを施した後、請求項4に記載の表面処理方法により表面処理を行った電子部品もしくは基板。
  6. 請求項4に記載の表面処理方法により表面処理を行ったSn合金はんだボール。
  7. 請求項6に記載のSn合金はんだボールを電気的接続部材として用いたことを特徴とするボールグリッドアレイ。
  8. 請求項6に記載のSn合金はんだボールを電子部品に配置し、これを回路基板に接続したことを特徴とする実装品。
  9. 請求項4に記載の表面処理方法により表面処理を行ったSn合金はんだ粉末。
  10. 請求項9に記載のSn合金はんだ粉末を用いたことを特徴とするはんだペースト。
  11. 請求項10に記載のはんだペーストを用いたことを特徴とする実装品。
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