JP4213441B2 - トナー飛散量検出装置および画像形成装置 - Google Patents
トナー飛散量検出装置および画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成時に飛散するトナーの飛散量を光学的に検出する際に好適に用いられるトナー飛散量検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を採用した画像形成装置は、トナーによるトナー像を用紙に形成する。画像形成装置には、画像形成時に飛散するトナーの飛散量を光学的に検出するトナー飛散量検出装置を備えるものがある。画像形成装置は、トナー飛散量検出装置によって検出されたトナーの飛散量に基づいてトナーの帯電量を調整する。
【0003】
従来の技術の電子写真装置は、粉塵濃度センサによって検出されたトナー飛散濃度を検出する。この画像形成装置は、検出されたトナー飛散濃度に基づいて、現像槽におけるトナー供給動作およびトナー撹拌動作を制御する(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
また他の従来の技術の画像形成装置は、パーティクルカウンタの検出レベルまたは反射板に付着するトナー量からトナーの飛散量を検出する。この画像形成装置は、検出したトナー飛散量に基づいて、トナーの帯電量を調整する。反射板に付着するトナー量からトナー飛散量を検出する場合には、トナー付着による反射板の汚れを光学センサによって検出し、反射板の汚れの変化率または初期値からの累積値に基づいてトナー飛散量を求めている。
【0005】
従来の画像形成装置が備えるトナー飛散量検出装置は、発光素子によって光を出射し、発光素子からの光を受光した受光素子の出力値に基づいて、トナー飛散量を検出する(たとえば特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−320287号公報
【特許文献2】
特開平8−328435号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述する従来のトナー飛散量検出装置は、トナーが飛散する雰囲気中で用いられる。長期間使用されることによって、トナー飛散量検出装置の発光素子および受光素子の表面にトナーが付着する。発光素子および受光素子にトナーが付着すると、発光素子の出射面および受光素子の受光面がトナーによって汚染される。
【0008】
発光素子の出射面にトナーが付着すると、発光素子の発光量が低下する。また受光素子の受光面にトナーが付着すると、受光量に対する受光素子の出力値が低下する。このように長期間使用されるとトナー飛散量検出装置は、トナー飛散量に対する受光素子の検出値が低下する。言換えるとトナー飛散量検出装置は、検出感度が低下する。検出感度が低下した場合には、トナー飛散量検出装置によって検出したトナー飛散量と、実際のトナー飛散量とが異なってしまう。これによって画像形成装置は、画像形成手段を適切に制御することができず、形成する画像の品質が低下するという問題がある。
【0009】
従来のトナー飛散量検出装置では、発光素子および受光素子にトナーが付着した場合には、付着したトナーを取り除く作業または、トナーが付着していない発光素子および受光素子に取替える作業が必要である。
【0010】
したがって本発明の目的は、トナー飛散量を検出する検出感度が低下しても、正確なトナー飛散量を検出するトナー飛散量検出装置を提供することである。
【0011】
また本発明の他の目的は、画像形成時に飛散するトナー飛散量を正確に測定して、形成する画像の品質を維持する画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シート体にトナー像を形成するための画像形成手段によって、トナー像を形成するときに飛散するトナーの飛散量を検出するトナー飛散量検出装置であって、
トナー像を形成するときに飛散するトナーが散乱するトナー散乱領域に向けて光を出射する発光素子と、発光素子から出射された光のうちトナー散乱領域のトナーによって予め定める方向に散乱する光を検出する受光素子とを有する光検出手段と、
トナーの飛散量を演算する飛散量演算手段と、
予め定める初期状態における受光素子による検出値とトナー飛散量との予め設定される関係式および予め定めるトナー飛散量であると推測される基準状態下における受光素子による検出値である基準状態検出値に基づいて、受光素子による検出値を較正するための補正値を算出する較正手段と、
画像形成手段の画像形成動作の開始および終了を検出するとともに、画像形成手段の画像形成動作の開始時および終了時からの経過時間を検出する画像形成動作検出手段と、
画像形成動作検出手段による検出結果に基づいて、画像形成手段が画像形成動作の終了時から予め定める時間以上経過した状態から画像形成動作を開始し、かつその画像形成動作の開始時から予め定める時間経過した状態であるか否かを判定することによって、トナー飛散量検出装置の周囲の環境が基準状態下にあるか否かを判定する環境判定手段と、
光検出手段および較正手段を制御する較正動作制御手段とを含み、
較正動作制御手段は、環境判定手段による基準状態下であるという判定結果に基づいて、基準状態検出値を検出するように光検出手段を制御し、かつ基準状態検出値に基づいて補正値を算出するように較正手段を制御し、
飛散量演算手段は、受光素子による検出値、予め定める初期状態における受光素子による検出値とトナー飛散量との予め設定される関係式、および較正手段によって算出される補正値に基づいて、トナー飛散量を演算することを特徴とするトナー飛散量検出装置である。
【0013】
本発明に従えば、発光素子から出射した光は、トナー散乱領域に存在するトナーによって散乱される。受光素子は、トナーによって散乱した散乱光を受光する。トナー飛散量が多い場合には、トナーによって散乱されて受光素子に入射する光の光量が大きくなり、受光素子の検出値は大きくなる。またトナーの飛散量が少ない場合には、トナーによって散乱されて受光素子に入射する光の光量が小さくなり、受光素子の検出値は小さくなる。このように受光素子が受光する光は、トナー飛散量に応じて光量が変化する。したがって受光素子の検出値を検出することでトナー飛散量を検出することができる。光検出手段は、受光素子が出力した検出値を飛散量演算手段に与える。
【0014】
トナー飛散量検出装置は、長期間使用されることによってトナー飛散量に対する受光素子の検出値、すなわち光検出手段の検出感度が低下する場合がある。予め定めるトナー飛散量であると推測される基準状態下における受光素子による検出値である基準状態検出値の低下は、光検出手段の検出感度の低下によるものである。
【0015】
また較正手段は、基準状態検出値の変化から、光検出手段の検出感度を知ることができる。較正手段は、予め定める初期状態における受光素子による検出値とトナー飛散量との予め設定される関係式および基準状態検出値に基づいて、光検出手段の検出感度に応じて変化する受光素子による検出値を較正するための補正値を算出する。較正手段は、算出した補正値を飛散量演算手段に与える。
画像形成動作検出手段は、画像形成手段の画像形成動作の開始および終了を検出する。このような画像形成動作の開始および終了の検出は、画像形成手段の画像形成動作を指示する制御信号を検出することによって実現することができる。たとえば画像形成動作検出手段が検出する制御信号は、トナーの飛散を発生させる画像形成手段の動作である。電子写真方式が採用される画像形成手段の場合には、たとえば画像形成停止動作、画像形成動作、感光体ドラムの前回転動作または後回転動作、トナー補給動作、トナー撹拌動作、冷却ファン回転または停止動作を指示する制御信号である。この制御信号に基づいて画像形成手段の状態を判定することによって、長期間用いられても正しい検出結果を得ることができる。また制御信号を検出する場合には、制御信号を伝える電気回路によって実現することができ、容易かつ簡単に構成することができる。
画像形成動作検出手段は、画像形成手段の画像形成動作の開始時および終了時からの経過時間も検出する。このような経過時間の検出は、画像形成手段の画像形成動作を指示する制御信号の検出に基づいて、検出することができる。画像形成動作検出手段は、画像形成動作の開始および終了の検出結果ならびに経過時間の検出結果を、環境判定手段に与える。
環境判定手段は、画像形成動作検出手段から前述するような検出結果が与えられるので、画像形成手段が画像形成動作の終了時から予め定める時間以上経過した状態から画像形成動作を開始し、かつその画像形成動作の開始時から予め定める時間経過した状態であるか否かを判定することができる。これにより、トナー飛散量検出装置の周囲の環境が基準状態下にあるか否かを判定することができる。
作業者が、画像形成手段の状態が基準状態であるか否かを判定することは、困難であり正確性に欠ける場合がある。環境判定手段が、画像形成手段の状態が基準状態であるか否かを判定することによって、作業者が基準状態であるか否かを判定する必要がなく、画像形成手段の状態を正確に判定することができる。これによって較正動作を正確に行うことができ較正の精度を向上することができる。環境判定手段は、画像形成手段の状態が基準状態下にあると判定すると、基準状態下にあることを較正動作制御手段に知らせる。
【0016】
較正動作制御手段は、光検出手段および較正手段を制御するように構成されている。したがって、作業者が各手段を操作する必要がなく利便性を向上することができる。較正動作制御手段は、画像形成手段の状態が基準状態であることを環境判定手段から知らされると、基準状態検出値を検出するように光検出手段を制御し、光検出手段によって検出された基準状態検出値に基づいて補正値を算出するように較正手段を制御する。すなわち、画像形成手段が予め定める基準状態に移行した場合、光検出手段は、基準状態に移行した時の受光素子による検出値である基準状態検出値を較正手段に与える。較正手段は与えられた基準状態検出値と、予め設定されている関係式とから検出値を較正するための補正値を算出する。較正手段は算出した補正値を飛散量演算手段に与える。飛散量演算手段は、補正値に基づいて受光素子による検出値を、予め設定される関係式に対応する値に較正し、較正した値に基づいてトナーの飛散量を演算する。
【0017】
このように飛散量演算手段は、光検出手段の検出感度が変化したとしても、補正値に基づいて受光素子の検出値を較正することによって正確なトナー飛散量を演算することができる。
【0018】
ただし、トナーの飛散量が0の状態では、トナーによる散乱光が受光素子まで達せず、暗電流分の出力電圧しか出力しない場合がある。この状態では、光検出手段の検出感度とトナーの飛散量とに一定の関係が成り立たない場合がある。そこで、トナーの飛散量が0でないと推測される状態で較正動作を行い、補正値を算出するように較正動作制御手段によって制御される。これによって、受光素子による検出値とトナーの飛散量とに一定の関連性が成り立つ状態で補正値を算出することができ、トナー飛散量を正確に検出することができる。
【0019】
また、発光素子から出射された光がトナーとは異なる物体によって反射または散乱されて受光素子に受光される迷光が存在する場合がある。この場合において、さらにトナーの飛散量が0の状態のとき、受光素子が、迷光の光量を検出する場合がある。この場合には、トナーの飛散量が0であると推定される状態で較正動作を行い、補正値を算出するように較正動作制御手段によって制御される。受光素子が迷光を検出したときの検出値の変化は、光検出手段の検出感度の変化に対応する。したがって、トナー飛散量が0である場合の受光素子の検出値から、光検出手段の検出感度を求め、補正値を求めることができる。トナー飛散量が0である場合に較正動作を行うので、トナー飛散量の影響を受けることなく、補正値を算出することができる。これによってトナー飛散量を正確に検出することができる。
【0020】
また本発明は、シート体にトナー像を形成するための画像形成手段によって、トナー像を形成するときに飛散するトナーの飛散量を検出するトナー飛散量検出装置であって、
トナー像を形成するときに飛散するトナーが散乱するトナー散乱領域に向けて光を出射する発光素子と、発光素子から出射された光のうちトナー散乱領域を通過する光を検出する受光素子とを有する光検出手段と、
トナーの飛散量を演算する飛散量演算手段と、
予め定める初期状態における受光素子による検出値とトナー飛散量との予め設定される関係式および予め定めるトナー飛散量であると推測される基準状態下における受光素子による検出値である基準状態検出値に基づいて、受光素子による検出値を較正するための補正値を算出する較正手段と、
画像形成手段の画像形成動作の開始および終了を検出するとともに、画像形成手段の画像形成動作の開始時および終了時からの経過時間を検出する画像形成動作検出手段と、
画像形成動作検出手段による検出結果に基づいて、画像形成手段が画像形成動作の終了時から予め定める時間以上経過した状態から画像形成動作を開始し、かつその画像形成動作の開始時から予め定める時間経過した状態であるか否かを判定することによって、トナー飛散量検出装置の周囲の環境が基準状態下にあるか否かを判定する環境判定手段と、
光検出手段および較正手段を制御する較正動作制御手段とを含み、
較正動作制御手段は、環境判定手段による基準状態下であるという判定結果に基づいて、基準状態検出値を検出するように光検出手段を制御し、かつ基準状態検出値に基づいて補正値を算出するように較正手段を制御し、
飛散量演算手段は、受光素子による検出値、予め定める初期状態における受光素子による検出値とトナー飛散量との予め設定される関係式、および較正手段によって算出される補正値に基づいて、トナー飛散量を演算することを特徴とするトナー飛散量検出装置である。
【0021】
本発明に従えば、発光素子から出射した光は、トナー散乱領域に存在するトナーによって一部遮られる。受光素子は、トナーによって遮られた残りの光を受光する。トナー飛散量が多い場合には、トナーによって遮られて受光素子に入射する光の光量が小さくなり、受光素子の検出値は小さくなる。またトナー飛散量が少ない場合には、トナーによって遮られずに、受光素子に入射する光の光量が大きくなり、受光素子の検出値は大きくなる。このように受光素子が受光する光は、トナー飛散量に応じて光量が変化する。したがって受光素子の検出値を検出することでトナー飛散量を検出することができる。光検出手段は、受光素子が出力した検出値を飛散量演算手段に与える。
【0022】
また較正手段は、基準状態検出値の変化から、光検出手段の検出感度を知ることができる。較正手段は、予め定める初期状態における受光素子による検出値とトナー飛散量との予め設定される関係式および基準状態検出値に基づいて、光検出手段の検出感度に応じて変化する受光素子による検出値を較正するための補正値を算出する。較正手段は、算出した補正値を飛散量演算手段に与える。
画像形成動作検出手段は、画像形成手段の画像形成動作の開始および終了を検出する。このような画像形成動作の開始および終了の検出は、画像形成手段の画像形成動作を指示する制御信号を検出することによって実現することができる。たとえば画像形成動作検出手段が検出する制御信号は、トナーの飛散を発生させる画像形成手段の動作である。電子写真方式が採用される画像形成手段の場合には、たとえば画像形成停止動作、画像形成動作、感光体ドラムの前回転動作または後回転動作、トナー補給動作、トナー撹拌動作、冷却ファン回転または停止動作を指示する制御信号である。この制御信号に基づいて画像形成手段の状態を判定することによって、長期間用いられても正しい検出結果を得ることができる。また制御信号を検出する場合には、制御信号を伝える電気回路によって実現することができ、容易かつ簡単に構成することができる。
画像形成動作検出手段は、画像形成手段の画像形成動作の開始時および終了時からの経過時間も検出する。このような経過時間の検出は、画像形成手段の画像形成動作を指示する制御信号の検出に基づいて、検出することができる。画像形成動作検出手段は、画像形成動作の開始および終了の検出結果ならびに経過時間の検出結果を、環境判定手段に与える。
環境判定手段は、画像形成動作検出手段から前述するような検出結果が与えられるので、画像形成手段が画像形成動作の終了時から予め定める時間以上経過した状態から画像形成動作を開始し、かつその画像形成動作の開始時から予め定める時間経過した状態であるか否かを判定することができる。これにより、トナー飛散量検出装置の周囲の環境が基準状態下にあるか否かを判定することができる。
作業者が、画像形成手段の状態が基準状態であるか否かを判定することは、困難であり正確性に欠ける場合がある。環境判定手段が、画像形成手段の状態が基準状態であるか否かを判定することによって、作業者が基準状態であるか否かを判定する必要がなく、画像形成手段の状態を正確に判定することができる。これによって較正動作を正確に行うことができ較正の精度を向上することができる。環境判定手段は、画像形成手段の状態が基準状態下にあると判定すると、基準状態下にあることを較正動作制御手段に知らせる。
【0023】
較正動作制御手段は、光検出手段および較正手段を制御するように構成されている。したがって、作業者が各手段を操作する必要がなく利便性を向上することができる。較正動作制御手段は、画像形成手段の状態が基準状態であることを環境判定手段から知らされると、基準状態検出値を検出するように光検出手段を制御し、光検出手段によって検出された基準状態検出値に基づいて補正値を算出するように較正手段を制御する。すなわち、画像形成手段が予め定める基準状態に移行した場合、光検出手段は、基準状態に移行した時の受光素子による検出値である基準状態検出値を較正手段に与える。較正手段は与えられた基準状態検出値と、予め設定されている関係式とから検出値を較正するための補正値を算出する。較正手段は算出した補正値を飛散量演算手段に与える。飛散量演算手段は、補正値に基づいて受光素子による検出値を、予め設定される関係式に対応する値に較正し、較正した値に基づいてトナーの飛散量を演算する。
【0024】
このように飛散量演算手段は、光検出手段の検出感度が変化したとしても、補正値に基づいて受光素子の検出値を較正することによって正確なトナー飛散量を演算することができる。
【0025】
ただしトナー飛散量が予め定める設定量を超える場合には、トナーによって光が遮られて受光素子に十分な光が到達せず、光検出手段の検出感度とトナー飛散量とに一定の関係が成り立たない場合がある。そこで、トナー飛散量が予め定める設定量以下であると推測される状態で較正動作を行い、受光素子の検出値を較正するための補正値を算出するように較正動作制御手段によって制御される。これによって、受光素子の検出値とトナー飛散量とに一定の関係が成り立つ状態で、補正値を算出することができ、トナー飛散量を正確に検出することができる。
【0036】
また本発明は、光検出手段が配置されかつ飛散するトナーの散乱が防止される検出手段配置領域と、検出手段配置領域に連なり、飛散するトナーが散乱しながら通過するトナー散乱領域とを形成する領域形成手段をさらに含むことを特徴とする。
【0037】
本発明に従えば、飛散するトナーは、トナー散乱領域を通過する。検出手段配置領域に配置される光検出手段は、トナー散乱領域を通過するトナーの飛散量を検出する。トナーは、トナー散乱領域から検出手段配置領域に移動することが防止される。これによってトナーが光検出手段に向かって流れる流れを防止または緩和することができ、光検出手段にトナーが付着することを防止することができる。
【0038】
また本発明は、前記トナー散乱領域は、鉛直方向に沿って延びるように形成されることを特徴とする。
【0039】
本発明に従えば、トナーは自重によってトナー散乱領域を通過し、トナー散乱領域に連なる検出手段配置領域に向かって移動することが防止される。したがって検出手段配置領域に配置される光検出手段にトナーが付着することを防止することができる。
【0040】
また本発明は、領域形成手段は、光検出手段が収納される筐体であって、上部に配置される上壁に上挿通孔が形成されるとともに、下部に配置される下壁に上挿通孔と同軸に下挿通孔が形成されて、上挿通孔から下挿通孔にわたってトナー散乱領域が形成され、上挿通孔に臨む内周面から、下方に向かうにつれて鉛直軸線に対して45度の傾斜角度で拡開する仮想区画面の外側に、検出手段配置領域が形成されることを特徴とする。
【0041】
本発明に従えば、上方からトナー散乱領域に入るトナーは、上挿通孔を通過し、下方に向かうにつれて挿通孔の軸線を中心として半径方向に広がりながら散乱して流れる。言換えると、鉛直方向に垂直な平面においてトナーが散乱する領域は、上挿通孔から下方に向かうにつれて挿通孔の軸線半径方向に広がる。上挿通孔に臨む内周面から、下方に向かうにつれて鉛直軸線に対して45度の傾斜角度で拡開する仮想区画面の外側に検出手段配置領域が形成されるので、トナーが筐体内で広がりながら下方に通過する場合であっても、光検出手段にトナーが付着することを防止することができる。
【0042】
挿通孔に臨む内周面から、下方に向かうにつれて鉛直軸線に対する傾斜角度が45度の傾斜角度で拡開する仮想区画面の内側では、散乱するトナー量が多い。したがって45度の傾斜角度で拡開する仮想区画画面の外側に光検出手段が配置されることによって、トナーが付着することをより確実に防止することができる。
【0043】
また本発明は、光検出手段にトナーが付着することを静電的に防止するトナー付着防止手段をさらに含むことを特徴とする。
【0044】
本発明に従えば、トナー付着防止手段によってトナーが光検出手段に付着することを静電的に防止する。トナーが付着することを静電的に防止することによって、ワイパーなどの可動部材によってトナーを除去する場合に比べて、トナー付着を確実に防止することができる。また可動部分を必要としないので、トナー付着防止手段を小型化するとともにトナー付着防止手段の故障を低減することができる。
【0045】
また本発明は、前記トナー付着防止手段は、光検出手段の表面をトナーに対して同極性に帯電させることを特徴とする。
【0046】
本発明に従えば、光検出手段の周囲をトナーと同極性に帯電させることによって、光検出手段に向かってトナーが移動したとしても、トナーは光検出手段に対して斥力が働く。これによって光検出手段にトナーが付着することを防止することができる。
【0047】
また本発明は、前記トナー付着防止手段は、光検出手段の周囲に交番電界を発生させることを特徴とする。
【0048】
本発明に従えば、光検出手段の周囲に交番電界を発生させることによって、光検出手段の周囲に移動したトナーを電気的に加振する。これによって光検出手段にトナーが付着することを防止することができる。また仮に光検出手段にトナーが付着したとしても、交番電界によってトナーを電気的に加振させてトナーを光検出手段から離脱させることができる。さらに除電作用によりトナーが光検出手段に静電吸着することを防止することができる。
【0049】
また本発明は、光検出手段は、帯電防止処理が施されていることを特徴とする。
【0050】
本発明に従えば、光検出手段の表面に帯電防止処理が施されているので、光検出手段の表面が帯電することが防止される。これによってトナーが光検出手段に静電吸着することを防止することができる。
【0051】
また本発明は、光検出手段の表面部分は、導電性を有する材料を含んで形成されることを特徴とする。
【0052】
本発明に従えば、光検出手段の表面部分に導電性を有する材料を含んで形成されることによって、光検出手段が帯電することを防止する。これによって光検出手段の表面に帯電したトナーが付着することを防止することができる。
【0053】
また本発明は、光検出手段の表面部分は、飛散するトナーが摩擦接触した場合に、トナーに対して同極性に帯電する材料を含んで形成されることを特徴とする。
【0054】
本発明に従えば、光検出手段にトナーが摩擦接触した場合に、光検出手段に電荷が蓄積され、トナーと同極性に帯電する。帯電した光検出手段に向かってトナーが移動したとしても、トナーは光検出手段に対して斥力が働く。これによって光検出手段にトナーが付着することを防止することができる。
【0055】
また本発明は、前記トナー飛散量検出装置と、
シート体にトナー像を形成するための画像形成手段と、
トナー飛散量検出装置によって検出されたトナー飛散量に基づいて、画像形成手段を制御する画像形成動作制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0056】
本発明に従えば、トナー飛散量検出装置が、トナー像を形成するときに飛散するトナーの飛散量を検出し、検出結果を画像形成動作制御手段に与える。画像形成動作制御手段は、トナー飛散量検出装置から与えられた検出結果に基づいて、画像形成手段を制御する。画像形成手段は、画像形成動作制御手段に制御されて、トナー飛散量の変化に応じた動作を行う。
【0057】
トナー飛散量検出装置が、光検出手段の検出感度に応じて受光素子の検出値を較正し、正確なトナーの飛散量を求めることができる。これによって画像形成装置は、光検出手段の検出感度が低下した場合であっても、トナー飛散量を正確に判断することができる。これによって形成する画像の品質を長期間維持することができる。さらに光検出手段の検出感度が低下しても、正しいトナー飛散量を検出することができるので、検出感度が低下する毎にトナー飛散量検出装置を取替える必要がなく、メンテナンス回数を減らすことができる。
【0058】
たとえば画像形成装置が電子写真方式の場合、トナー飛散量に応じて、現像槽でトナーを撹拌する撹拌手段によってトナー帯電量を調整する。これによってトナーの飛散を防止し、ぶれの少ない画像を形成することができる。またトナー飛散を抑制することで、シート体および画像形成装置が汚染することを防止することができる。
【0059】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態であるトナー飛散量検出装置1を示すブロック図である。トナーによってシート体に画像を形成する画像形成装置は、画像形成にあたって装置内でトナーが飛散する場合がある。画像形成装置は、トナー飛散量検出装置1を備え、トナー飛散量検出装置1は、画像形成装置内を飛散するトナーの飛散量を検出する。
【0060】
トナー飛散量検出装置1は、画像形成装置内で飛散するトナー5の飛散量を光学的に検出する。トナー5の飛散量は、たとえば単位体積当たりの空間に飛散するトナー5の総重量で与えられ、その単位は、mg/m3である。
【0061】
トナー飛散量検出装置1は、トナー飛散量に関係する検出値を出力する光検出手段4と、光検出手段4を収容する筐体7と、光検出手段4から出力される検出値に基づいてトナー飛散量を演算する飛散量演算手段8と、光検出手段4の検出値を較正するための補正値を算出する較正手段9とを含んで構成される。
【0062】
光検出手段4は、トナー5が散乱するトナー散乱領域6に向けて出射光R1を出射する発光素子2と、出射光R1のうちトナー5による散乱光R2を受光する受光素子3とを含む。発光素子2は、たとえば発光ダイオード(Light Emitting Diode:略称 LED)によって実現される。発光素子2は、予め定められる光量の出射光R1をトナー散乱領域6に出射する。たとえば発光ダイオードの駆動電流は20mAである。
【0063】
また受光素子3は、フォトトランジスタによって実現される。受光素子3は、出射光R1がトナー散乱領域6に照射されたときのトナー5による散乱光R2を受光する。受光素子3は、受光した散乱光R2の光量に対応する出力電圧を検出値として出力する。
【0064】
散乱光R2は、トナー飛散量に応じて光量が変化する。すなわちトナー飛散量が多い場合には、トナー5による散乱光R2が大きくなり、受光素子3が受光する光量が大きくなる。またトナー飛散量が少ない場合には、トナー5による散乱光R2が小さくなり、受光素子3が受光する光量が小さくなる。したがって散乱光R2を受光する受光素子3の検出値から、光量とトナー飛散量を求めることができる。
【0065】
発光素子2および受光素子3は、筐体7内に収容される。発光素子2は、出射光R1を予め定められる方向に出射する。また受光素子3は、予め定められる方向に出射する散乱光R2を受光する。出射光R1に沿って延びる第1直線と散乱光R2に沿って延びる第2直線とは、同じ仮想平面21上に配置される。たとえばトナー飛散量検出装置1が画像形成装置に設けられた状態で仮想平面21は、水平または略水平に延びる。また第1直線と第2直線との成す角度である素子相対角度D1は、予め定める角度に設定される。
【0066】
たとえば素子相対角度D1は、45度以上でかつ150度以下に形成され、本実施の形態では、120度に形成される。素子相対角度D1が45度未満では、筐体7の内壁で反射した光が受光素子3に到達してS/Nが劣化するという問題がある。また素子相対角度D1が150度を超えると、受光素子3に到達する散乱光が減少してS/Nが劣化するという問題がある。
【0067】
図2は筐体7を示す斜視図であり、図3は筐体7を示す平面図である。筐体7は、上壁16と下壁17と周壁18とを有し、たとえば立方体形状に形成される。上壁16および下壁17は、板状に形成され、互いに平行に配置される。周壁18は、短筒状に形成される。また周壁18は、上壁16によって一端部18aが塞がれ、下壁17によって他端部18bが塞がれる。トナー飛散量検出装置1が画像形成装置に設けられた状態で、上壁16は上側に配置され、下壁17は下側に配置される。
【0068】
筐体7は、発光素子2および受光素子3を収容するための内部空間13と、内部空間13に連なる2つの挿通孔14a,14bが形成される。筐体7は、挿通孔14a,14bによって筐体外と筐体の内部空間13とが連通する。
【0069】
図4は、図2のIV−IV切断面線で切断した断面図である。2つの挿通孔14a,14bは、互いに対向する位置に形成される。2つの挿通孔14a,14bのうち一方は、上壁15を挿通する上挿通孔14aである。また他方は、下壁16を挿通する下挿通孔14aである。各挿通孔14a,14bは、同軸および同径に形成される。トナー飛散量検出装置1が画像形成装置40に設けられた状態で、各挿通孔14a,14bの軸線L1は鉛直方向X1,X2に延びる。
【0070】
筐体7は、上挿通孔14aから下挿通孔14bに向かってトナー5が通過可能に形成され、上挿通孔14aから下挿通孔14bにわたる領域がトナー散乱領域6となる。トナー散乱領域6の中心位置Pは、各挿通孔14a,14bの軸線L1上でかつ、上壁15と下壁16との間の中間位置である。
【0071】
筐体7は、発光素子2および受光素子3が配置される検出手段配置領域19が形成される。検出手段配置領域19は、トナー5の散乱が防止される領域である。検出手段配置領域19は、上挿通孔14aに臨む上壁15の内周面18から、下方X2に向かうにつれて鉛直軸線L2に対して予め定められる傾斜角度D2で拡開する仮想区画面20の外側に形成される。
【0072】
たとえば傾斜角度D2は、30度以上でかつ60度以下に形成され、本実施の形態では、45度に形成される。傾斜角度D2が30度未満では、1点鎖線21で示すX方向中央部で膨らんだトナー錯乱領域6に受光素子7が位置してしまうことによる受光面へのトナーの付着による検出感度劣化、及び、各挿通孔14a,14から入射される外光が受光素子3に迷光として到達してしまいS/Nが劣化するという問題がある。また傾斜角度D2が60度を超えると、筐体7の体積が大きくなるという問題がある。
【0073】
図5は、図4の一部を拡大して示す断面図である。図5には矢符によってトナー5の流れる方向を示す。上挿通孔14aから筐体内に侵入したトナー5は、自重によって下降し、トナー散乱領域6を通過して、下挿通孔14bから筐体外に離脱する。言換えると、トナー5は、上方X1から下方X2に向かって流れ、筐体7を貫通する。
【0074】
筐体7の内部空間13に侵入したトナー5は、上挿通孔14aからトナー散乱領域6の中心位置Pに向かうにつれて挿通孔14a,14bの軸線L1から半径方向E1,E2に広がる。またトナー5は、トナー散乱領域6の中央位置Pから下挿通孔14bに向かうにつれて挿通孔の軸線L1に向かって半径方向に狭まる。
【0075】
トナー5は、上挿通孔14aからトナー散乱領域6の中心位置Pに向かうにつれて挿通孔14a,14bの軸線L1から半径方向E1,E2に広がったとしても、軸線L1から半径方向E1,E2に離れるほど流れが緩やかになる。また軸線L1に半径方向E1,E2に近接した部分を流れるトナー5の量に比べて、軸線L1から半径方向E1,E2に離反した部分を流れるトナー5の量は少なくなる。
【0076】
したがって仮想区画面20の外側まで到達するトナー5の流れは、緩やかであるとともにそのトナー量が少ない。これによってトナー散乱領域を通過するトナー5が、検出手段配置領域19に流れることが防止される。
【0077】
またトナー5は、筐体7を通過するので、筐体内にトナーが蓄積することを防止することができる。またかりにトナー5が筐体内に蓄積した場合には、下挿通孔14b付近の下壁部分16aにトナー5が蓄積する。仮想区画面20は、下挿通孔14b付近の下壁部分16aから離れているので、トナー5内に蓄積したトナー5が仮想区画面20の外側の領域まで移動することが防止される。
【0078】
図1に示す飛散量演算手段8は、散乱光R2を受光した受光素子3から検出値として出力電圧が与えられる。飛散量演算手段8は、受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との関係について予め設定される関係式に基づいて、受光素子3の出力電圧からトナー飛散量を演算する。
【0079】
発光素子2の照射面2aにトナー5が付着することによって、発光素子2から出射される出射光R1自体の光量が低下する。また受光素子3の受光面3aにトナー5が付着することによって、散乱光R2に対する受光素子3の出力電圧が低下する。したがって発光素子2および受光素子3のいずれかにトナー5が付着することで、トナー飛散量に対する受光素子3の検出電圧が低下する。言換えると光検出手段4は、トナー飛散量に対する検出感度が低下する。
【0080】
較正手段9は、受光素子3の出力電圧を、検出感度低下前の受光素子3の出力電圧の値として較正するための補正値を算出する。較正手段9は、算出した補正値を飛散量演算手段8に与える。飛散量演算手段8は、受光素子3から与えられる出力電圧を補正値によって較正した値に基づいて、トナー飛散量を演算する。
【0081】
また図1に示すように、トナー飛散量検出装置1は、画像形成手段30の動作状態を検出する画像形成動作検出手段10と、画像形成動作検出手段10による検出結果に基づいて周囲の環境が予め定められる基準状態下にあるか否かを判定する環境判定手段11と、環境判定手段11による判定結果に基づいて、基準状態下にあるとき、受光素子3の出力電圧の値を較正するための補正値を求めるために、光検出手段4、飛散量演算手段8および較正手段9を制御する較正動作制御手段12とを備える。
【0082】
画像形成動作検出手段10は、トナー5の飛散状態に関係する動作を検出するとともにトナー5の飛散状態に関係する動作の開始時からの経過時間を検出する。たとえば画像形成手段30に電子写真方式が採用される場合、感光体ドラムの回転動作、現像槽におけるトナー撹拌動作、現像槽へのトナー供給動作などの制御信号を検出する。画像形成動作検出手段10は、検出結果を環境判定手段11および飛散量演算手段に与える。
【0083】
環境判定手段11は、画像形成動作検出手段10からの検出結果に基づいて、画像形成手段30の動作状態を知り、トナー飛散量検出装置1の周囲の状態を推定する。環境判定手段11は、周囲の状態が予め定めるトナー飛散量であると推定される基準状態であるか否かを判定し、基準状態であると判定すると、較正動作制御手段12に基準状態であることを知らせる。
【0084】
較正動作制御手段12は、トナー飛散量検出装置1の較正動作を制御する。較正動作制御手段12は、基準状態であることを示す信号が環境判定手段11から与えられると、光検出手段4に指示を与える。環境判定手段11から指示を与えられた光検出手段4は、基準状態下における受光素子3の検出値である基準状態検出値を出力し、較正手段9に与える。
【0085】
また較正手段9は、予め設定される関係式に基づいて算出される基準状態における受光素子3の出力電圧と、実際に受光素子3によって出力された基準状態での出力電圧とに基づいて、実際に受光素子3によって出力された出力電圧の値を較正するための補正値を算出する。較正手段9は、算出した補正値を飛散量演算手段8に与える。飛散量演算手段8は、受光素子3の出力電圧と、予め定められる関係式と、較正手段9が算出した補正値とに基づいて正確なトナー飛散量を検出する。
【0086】
図6は、受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との関係を示すグラフである。図6には、予め定められる初期状態における受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との関係を実線A1によって示す。初期状態における受光素子3の出力電圧とトナー飛散量の関係は、既知の関係であり、予め求められている。検出感度が低下した状態における受光素子3の出力電圧とトナーの飛散量の関係を破線A2によって示す。
【0087】
トナー飛散量がゼロ以外の場合には、受光素子3の出力電圧とトナー飛散量とは、比例関係にある。初期状態では、トナー飛散量に関する変数をx(mg/m3)とし、出力電圧に関する変数をy(V)とすると、トナー飛散量と出力電圧の関係には、次式の関係が成り立つ。
y=a1・x+b1
ただし、x=0のとき y=b1 …(1)
【0088】
上式において、a1は散乱光にかかわる定数,b1は暗電流にかかわる定数であって、本実施の形態では、たとえばa1=0.3、b1=1である。トナー飛散量がゼロの場合には、受光素子3は、散乱光R2を受光することがなく、暗電流分の出力電圧b1を出力する。
【0089】
発光素子2または受光素子3の表面にトナー5が付着することによって、受光素子3が出力する出力電圧は、初期状態に比べて低下する。検出感度が低下した場合であっても、トナー飛散量がゼロ以外の場合には、受光素子3の出力電圧とトナー飛散量とは比例関係にある。検出感度が低下した場合におけるトナー飛散量と出力電圧との関係は、次式の関係が成り立つ。ただし(1)式と同じ変数x,yおよび係数a1,b1については、(1)式と同じ値を示す。また(1)式と同様にトナー飛散量がゼロの場合には、受光素子3には、暗電流分の出力電圧しか出力されない。
y=a1・x・d1+b1
ただし、0≦d1≦1
x=0のとき y=b1・d1 …(2)
【0090】
上式において、d1で表わされる係数である感度係数d1は、光検出手段4の検出感度(トナー付着を考慮した光の透過率)を示し、検出感度が低下するとともに感度係数d1が低下する。たとえば感度係数d1=0.6となる場合を図6に示す。光検出手段4の検出感度が低下した場合、あるトナー飛散量における受光素子3の出力電圧は、そのトナー飛散量における初期状態の受光素子3の出力電圧に感度係数d1を掛けた値となる。たとえばトナー飛散量が100mg/m3の場合において、初期状態の受光素子3の出力電圧V0が4Vである場合、感度係数d1が0.6となる受光素子の出力電圧V1は、V0×d1=4×0.6=2.4Vとなる。
【0091】
したがってトナー飛散量を推定可能な基準状態において、初期状態での受光素子3の出力電圧Va0を、感度低下状態での受光素子3の出力電圧Va1で割った値Va0/Va1を補正係数e1として求め、この補正係数e1を受光素子3の出力電圧yに掛けた値e1yを較正後の出力電圧の値として、(1)式の出力電圧yの値に代入することによって、検出感度の低下を補正し、正しいトナー飛散量xを求めることができる。また補正係数e1は、感度係数d1の逆数である。
【0092】
環境判定手段11は、周囲に飛散するトナー飛散量が100mg/m3となる状態を基準状態とする。たとえば基準状態であるときの初期状態での受光素子3の出力電圧Va0が4Vであり、基準状態と推定されるときの感度低下状態の受光素子3の出力電圧Va1が2.4Vであった場合には、Va0/Va1=4/2.4=1.67を補正係数e1とする。
【0093】
補正係数e1を求め、補正係数e1を感度低下状態の受光素子3の出力電圧に掛けた値を初期状態の出力電圧の値として較正し、較正した値を初期状態の出力電圧とトナー飛散量の関係式に代入することによって、正確なトナー飛散量を求めることができる。
【0094】
また基準状態以外の場合であっても、受光素子3の出力電圧に、算出された補正係数e1を掛けた値を、初期状態の出力電圧の値として較正し、較正した値を初期状態の出力電圧とトナー飛散量の関係式に代入することによって、正確なトナー飛散量を求めることができる。これによって光検出手段4の検出感度が低下した場合であっても、正確なトナー飛散量を求めることができる。
【0095】
画像形成動作検出手段10は、画像形成手段30の画像形成動作の開始および終了を環境判定手段11に伝える。環境判定手段11は、トナー飛散量が100mg/m3となる状態を推定する。環境判定手段11は、少なくともトナー飛散量がゼロ以外の予め定める設定量である状態を推定する。たとえば環境判定手段11は、画像形成装置の画像形成動作を予め定める期間休止した後に画像形成動作を再開したかどうかを判定することによって、基準状態を判定する。
【0096】
たとえば電子写真方式を採用する画像形成手段30の場合、画像形成装置の画像形成終了から1時間以上経過した後に、画像形成動作が再開されて再開時から5秒経過以後でかつ30秒経過以前には、飛散したトナーの飛散量が100mg/m3となる。したがって画像形成装置の画像形成終了から1時間以上経過した後に画像形成が再開され、再開時から10秒経過以後でかつ20秒経過以前の状態を基準状態として判定する。環境判定手段11は、画像形成動作検出手段10が与えられる画像形成動作から、基準状態であると判断すると、較正動作制御手段12に較正動作の開始を指示する。
【0097】
たとえば電子写真方式を採用する画像形成手段30では、感光体ドラムの回転動作と現像ローラの回転動作が開始および終了を判断することによって、画像形成動作の終了および開始したことを判断する。
【0098】
基準状態として推定可能なトナー飛散量範囲は、たとえば50mg/m3を超えてかつ100mg/m3未満の範囲である。また推定可能な範囲よりトナー飛散量が多い場合は計測値がオーバーフローするとともに、汚染の進行が加速され所定寿命を確保困難になる。また、推定可能な範囲よりトナー飛散量が少ない場合にノイズなどになる影響で計測結果のS/Nが確保できないといった問題が生じる。
【0099】
このように画像形成装置の状態が基準状態であることを判断すると、環境判定手段11は、較正動作制御手段12に較正動作の開始を指示する。
【0100】
較正動作制御手段12は、光検出手段4を制御する。具体的には、較正動作制御手段12が光検出手段4を制御し、発光素子2によってトナー散乱領域6に向かって出射光R1を出射させる。また出射光R1のトナー5による散乱光R2を受光素子3によって受光させて、受光素子3の出力電圧を較正手段9に与える。
【0101】
また較正動作制御手段12から較正動作の指示が与えられた較正手段9は、基準状態における、初期状態での受光素子3の出力電圧Va0を、受光素子3の出力電圧Va1で割り、Va0/Va1で示される補正係数e1を算出する。較正手段9は、算出した補正係数e1を飛散量演算手段8に与える。飛散量演算手段8は、較正手段9から与えられた補正係数e1を記憶する。
【0102】
トナー飛散量を検出する場合、飛散量演算手段8は、トナー5による散乱光R2を受光した受光素子3から出力電圧が与えられる。飛散量演算手段8は、記憶する補正係数e1を受光素子3の出力電圧に掛けて、補正後の出力電圧として算出する。飛散量演算手段8は、較正後の出力電圧を、初期状態の受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との予め定められる関係式に代入することによってトナー飛散量を検出する。このように受光素子3の出力電圧を較正することによって、初期状態での受光素子3の出力電圧およびトナー飛散量の関係式とに基づいて、実際のトナー飛散量を検出することができる。
【0103】
以上のように本発明のトナー飛散量検出装置1によれば、発光素子2によってトナー5に出射光R1を出射し、トナ5ーによる散乱光R2を受光素子3が受光する。受光素子3は、受光した散乱光R2の受光量に応じた出力電圧を出力し、出力した出力電圧を飛散量演算手段8に与える。飛散量演算手段8は、予め設定される初期状態での受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との関係式に基づいて、受光素子3から与えられた出力電圧からトナー飛散量を演算する。
【0104】
また較正手段9が、基準状態において、初期状態での受光素子3の出力電圧Va0と、感度低下後の受光素子3の出力電圧Va1とから補正値である補正係数e1を求め、補正係数e1を飛散量演算手段8に記憶させる。飛散量演算手段8は、感度低下後の受光素子3の出力電圧Vに補正係数e1を掛け算して出力電圧の値を較正し、較正した値を較正後の出力電圧として、予め設定される受光素子3の出力電圧とトナー飛散量の関係式に代入して、トナー飛散量を演算する。これによって光検出手段4の検出感度が低下した場合であっても、受光素子3の出力電圧を較正した値を用いてトナー飛散量を演算することができるので、正確なトナー飛散量を演算することができる。
【0105】
したがって発光素子2または受光素子3の各表面のいずれかにトナーが付着して検出感度が低下しても、正確なトナー飛散量を演算することができる。これによってトナー飛散量検出装置1を長期間使用しても、実際のトナー飛散量と求められるトナー飛散量とが同じにすることができる。また受光素子3および発光素子2に付着したトナー除去作業を頻繁に行う必要がなく、メンテナンスの手間を省くことができ、利便性を向上することができる。また検出感度が低下しても使用することができるので、トナー飛散量検出装置1の長寿命化を実現することができ、交換回数を減らすことができる。
【0106】
また環境判定手段11が、周囲のトナー飛散量が予め定められる設定値となる基準状態であると判定すると、受光素子3の出力電圧を較正するための補正係数e1を求める。これによって作業者が、画像形成手段を基準状態であるか否か判断する必要がない。また作業者が較正手段9に較正動作の開始を指示する必要がない。これによって利便性を向上することとができ、受光素子3の較正作業を確実に行うことができる。
【0107】
また環境判定手段11が、少なくともトナー飛散量がゼロ以外の予め定める設定量であると推定する状態で、較正動作制御手段12に較正動作の開始を指示する。トナー飛散量がゼロ以外の場合には、受光素子3はトナーによる散乱光R2を受光することができ、受光素子3の出力電圧とトナー飛散量とが比例関係にある状態で較正動作を行うことができる。またトナー飛散量がゼロの場合に、受光素子の出力電流が暗電流分しか出力されず、較正動作を行った場合には補正係数e1を正確に求めることができない。
【0108】
したがってトナー飛散量がゼロ以外の予め定めるトナー量と推定される状態となる基準状態で較正動作を行うことによって、受光素子3の出力電圧とトナー5の飛散量とに一定の関連性が成り立つ状態で較正動作を行うことができ、受光素子3の較正を行うための補正係数e1を正確に求めることができる。
【0109】
また画像形成手段30が画像形成動作を予め定める時間以上休止した状態から、画像形成動作を再開し、再開時から予め定める時間経過した状態を、環境判定手段11が基準状態と判定する。予め定める時間休止すると画像形成装置内のトナーは沈降し、トナー飛散量はほぼゼロとなる。このトナー飛散量がゼロとなった状態から画像形成再開後を基準状態とすることによって、休止前の画像形成数および再開後の画像形成数に係らず安定してトナー飛散量を推定することができる。
【0110】
また発光素子2および受光素子3は、筐体7の内部空間13に配置され、筐体7によって覆われているので、発光素子2および受光素子3にトナー5が付着することを防止することができる。また飛散するトナー5は、筐体7に形成される上挿通孔14aから筐体7に侵入し、各挿通孔14a,14bの軸線L1に沿って流れ、下挿通孔14bから筐体7の外に脱出する。トナー5は、トナー散乱領域6を一方向に流れるので、トナー散乱領域6から離れた受光素子3および発光素子2に向かうトナー5の流れを緩和することができる。またトナー散乱領域6から離れた受光素子3および発光素子2に向かうトナー量を少なくすることができる。これによってトナー5が受光素子3および発光素子2に付着することを防止することができる。
【0111】
さらにトナー5は、自重によって上方から下方に流れ、トナー散乱領域6から水平方向に離れた受光素子3および発光素子2に向かって流れることが防止される。これによってトナー散乱領域6を流れるトナー5が受光素子3および発光素子2に付着することをさらに防止することができる。
【0112】
また上挿通孔14aに臨む内周面18から、下方に向かうにつれて鉛直軸線に対して45度の傾斜角度D2で拡開する仮想区画面の外側に受光素子3および発光素子2が配置されるので、トナー5が筐体内で広がりながら下方に通過する場合であっても、受光素子3および発光素子2にトナー5が付着することを防止することができる。また筐体内にトナー5が蓄積しても受光素子3および発光素子2に蓄積したトナー5が受光素子3および発光素子2に付着することが防止される。
【0113】
このようにトナー散乱領域6を流れるトナー5が受光素子3および発光素子2に付着することを防止することができるので、光検出手段4の検出感度が著しく低下することを防止でき、光検出手段4の検出感度を較正可能範囲に保つことができる。これによってトナー飛散量検出装置1の寿命を延ばすことができる。
【0114】
また発光素子2がトナー散乱領域6に向けて出射光R1を出射するとともに、受光素子3がトナー散乱領域6に散乱するトナー5による散乱光R2を受光する。受光素子3は、トナー散乱領域6を流れるトナーによる散乱光R2を受光することによって、トナー散乱領域以外を飛散するトナーによって生じる散乱光R2の影響を受けることがない。これによって散乱光R2とトナー飛散量との関係が不安定になることを防ぎ、正確なトナー飛散量を求めることができる。
【0115】
また上述するトナー飛散量検出装置1の構成は発明の例示に過ぎず、上述する構成に限定されない。発明の範囲内においてトナー飛散量検出装置1の構成を変更することができる。
【0116】
図7は、迷光を受光素子3が受光する場合の受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との関係を示すグラフである。図1に示すトナー飛散量検出装置1は、トナー飛散量がゼロの状態において、受光素子3がトナー5による散乱光R2を受光せず、暗電流分の出力電圧しか出力しない構成としたが、トナー飛散量がゼロの状態において、発光素子2から出射された出射光R1の迷光を受光素子3が受光する構成であってもよい。迷光は、発光素子2から出射された出射光R1がトナーとは異なる物体、たとえば筐体内周面によって反射される光である。
【0117】
図7には、予め定められる初期状態における受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との関係を実線B1によって示す。トナー飛散量がゼロのときに、発光素子2から出射光R2が出射されると、受光素子3は迷光を受光する。受光素子3は、またトナー飛散量がゼロ以外の場合には、図6に示すグラフと同様の関係を示し、トナー飛散量がゼロの場合には、迷光の光量に対応する出力電圧を出力する。また検出感度が低下した状態における受光素子3の出力電圧とトナーの飛散量の関係を破線B2によって示す。
【0118】
初期状態における受光素子3の出力電圧とトナー飛散量の関係は、予め求められており、既知の関係である。初期状態では、トナー飛散量の変数をx(mg/m3)とし、出力電圧の変数をy(V)とすると、トナー飛散量と出力電圧の関係は、次式の関係が成り立つ。
y=a2・x+C2+b2 …(3)
【0119】
上式において、a2は散乱光にかかわる定数、b2は暗電流にかかわる定数、C2は迷光にかかわる定数であって、本実施の形態では、たとえばa2=0.3、b2=0.2、C2=0.8である。
【0120】
検出感度が低下した場合であっても、受光素子3の出力電圧とトナー飛散量とは、比例関係にある。検出感度が低下した場合におけるトナー飛散量と出力電圧との関係は、次式の関係が成り立つ。ただし(3)式と同じ変数x,yおよび係数a2,b2、C2については、(3)式と同じ値を示す。
y=(a2・x+C2)d2+b2
ただし、0≦d2≦1 …(4)
【0121】
(4)式において、d2で表わされる係数である感度係数d2は、光検出手段4にトナーが付着するほど低下する。たとえば感度係数d2=0.6となる場合を図7に示す。
【0122】
トナー飛散量がゼロの状態において、初期状態での受光素子3の出力電圧Vb0を、感度低下状態での受光素子3の出力電圧Vb1で割った値Vb0/Vb1を補正係数e2として求め、この補正係数e2を受光素子3の出力電圧yに掛けた値e2yを較正後の出力電圧として、(3)式に代入することによって、検出感度の低下を簡略的に補正したトナー飛散量xを求めることができる。また補正係数e2は、感度係数d2の逆数である。
【0123】
たとえばトナー飛散量がゼロ、すなわち0mg/m3と推定される状態において、初期状態での受光素子3の出力電圧Vb0が1Vであり、基準状態と推定されるときの感度低下状態の受光素子3の出力電圧Vb1が0.6Vであった場合、Vb0/Vb1=1/0.6=1.67を補正係数e2とする。
【0124】
このように補正係数e2を感度低下状態の受光素子3の出力電圧Vb1に掛け算することによって、初期状態の出力電圧Vb0の値として補正することができる。この補正後の出力電圧Vb0を、初期状態の受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との関係式に代入することによって、基準状態以外であっても、検出感度の低下した受光素子3を用いて正確なトナー飛散量を求めることができる。
【0125】
画像形成が終了すると、トナー飛散量検出装置1の周囲を飛散するトナーは、自重によって沈降する。したがって画像形成動作から予め定める時間が経過すると、トナー飛散量がゼロになる。環境判定手段11は、画像形成動作検出手段10から画像形成動作が終了したことを示す信号を受けてから、60秒以上経過すると飛散しているトナーが沈降し、トナー飛散量がゼロになった状態であると判断する。トナー飛散量がゼロになった状態であると判断すると、較正動作制御手段12に較正動作を行うように指示する。
【0126】
たとえば電子写真方式を採用する画像形成手段30では、感光体ドラムおよび現像ローラの回転の動作が停止したことを判断することによって、画像形成動作が終了したことを判断する。
【0127】
以上のような本発明の他の実施の形態であって、受光素子3が迷光を受光するトナー飛散量検出装置であっても、図1に示すトナー飛散量検出装置1と同様にトナー5の飛散量を検出することができる。またトナー飛散がゼロの状態において、光検出手段4の較正を行うことによって、トナー飛散量に係らず、補正係数e2を算出することができ、正確なトナー飛散量を検出することができる。
【0128】
図8は、本発明のさらに他の実施の形態であるトナー飛散量検出装置60の一部を省略して示す断面図である。トナー飛散量検出装置60は、図1に示すトナー飛散量検出装置1と同様な構成を有し、同様の構成については、説明を省略するとともに同一の符号を付す。トナー飛散量検出装置60は、発光素子2および受光素子3の周囲をトナーに対して同極性に帯電させるトナー付着防止手段61をさらに含む。トナー付着防止手段61は、2つのリング電極62と、各リング電極62に電圧を印加する電圧供給手段63とを含んで構成される。2つのリング電極62は、それぞれ受光素子3と発光素子2の周囲に配置される。電圧供給手段63は、2つのリング電極62に電圧を与える。たとえば電圧供給手段63は、トナーが−20μC/gに帯電している場合には、−600Vをリング電極62に印加する。これによって発光素子2および受光素子3の表面をトナー5に対して同極性に帯電させることができる。
【0129】
以上のようにトナー飛散量検出装置60は、上述するトナー飛散量検出装置1と同様の構成を有するので同様の効果を得ることができる。またトナー飛散量検出装置60は、トナー付着防止手段61によって、発光素子2および受光素子3の表面をトナー5と同極性に帯電させる。これによって帯電したトナー5は、発光素子2および受光素子3に近づくと、発光素子2および受光素子3から遠ざかる方向に斥力が働く。これによって発光素子2および受光素子3へのトナー5の付着を防止することができる。
【0130】
発光素子2および受光素子3にトナー5が付着すること防止することによって、光検出手段4の検出感度が低下することを防止することができ、光検出手段4の検出感度を較正可能範囲内に保つことができる。またトナー付着手段61が光検出手段4にトナー5が付着することを静電的に防止することによって、ワイパーなどの可動部材を用いることなく光検出手段4に付着したトナー5を除去することができる。これによってトナー付着防止手段61を小型化することができるとともに、トナー付着防止手段61の故障を低減することができる。
【0131】
図9は、本発明のさらに他の実施の形態であるトナー飛散量検出装置70の一部を省略して示す断面図である。トナー飛散量検出装置70は、図1に示すトナー飛散量検出装置1と同様な構成を有し、同様の構成については、説明を省略するとともに同一の符号を付す。トナー飛散量検出装置70は、発光素子2および受光素子3の周囲に交番電界を発生させるトナー付着防止手段71をさらに含む。トナー付着防止手段71は、2つのリング電極72と、各リング電極72に電圧を与える電圧供給手段73とを含んで構成される。2つのリング電極72は、それぞれの受光素子3と発光素子2の周囲に配意される。電圧供給手段73は、2つのリング電極72に交番電圧を与える。たとえば電圧供給手段73は、トナーが−20μC/gに帯電している場合には、+1000Vと−1000Vとの電圧を1kHzの周波数で交互にリング電極72に与える。
【0132】
以上のようにトナー飛散量検出装置70は、上述するトナー飛散量検出装置1と同様の構成を有するので同様の効果を得ることができる。またトナー飛散量検出装置70は、トナー付着防止手段71によって、発光素子2および受光素子3の表面に交番電界を発生させる。これによって受光素子3および発光素子2にトナー5が付着することを防止することができる。また仮に受光素子3および発光素子2にトナー5が付着したとしても、交番電界によって付着したトナー5を電気的に加振させることができる。これによってトナー5を発光素子2および受光素子3から離脱させて、トナー5による光検出手段4の汚染を回復することができる。さらにAC除電作用によって、トナー5が発光素子2および受光素子3に付着することを防止することができる。
【0133】
これによって光検出手段4の検出感度が低下することを防止することができ、光検出手段4の検出感度を較正可能範囲内に保つことができる。また光検出手段4にトナー5が付着することを静電的に防止することによって、ワイパーなどの可動部材を用いることなく光検出手段4に付着したトナー5を除去することができる。これによってトナー付着防止手段71を小型化することができるとともに、トナー飛散量検出装置70の故障を低減することができる。
【0134】
図10は、本発明のさらに他の実施の形態であるトナー飛散量検出装置80の一部を省略して示す断面図である。トナー飛散量検出装置80は、図1に示すトナー飛散量検出装置1と同様な構成を有し、同様の構成については、説明を省略するとともに同一の符号を付す。トナー飛散量検出装置80が備える発光素子2および受光素子3は、表面部分81に帯電防止処理が施される。たとえば発光素子2および受光素子3の表面部分81には、導電性を有する材料を含んで形成される。たとえば導電性を有する材料は、1011Ω以下のものが用いられる。たとえば導電性を有する材料は、4級アンモニウム塩など界面活性剤(イオン導電化剤)、透明ITO(Indium-Tin Oxide)などの透明電極材料によって実現される。また表面部分81は、導電性を有する導線82によってアースされている。これによって発光素子2および受光素子3の表面が帯電することが防止される。
【0135】
以上のようにトナー飛散量検出装置80は、上述するトナー飛散量検出装置1と同様の構成を有するので同様の効果を得ることができる。さらにトナー飛散量検出装置80は、発光素子2および受光素子3が帯電することが防止されるので、トナー5が電気的に付着することを防止することができる。
【0136】
このように発光素子2および受光素子3にトナー5が付着すること防止できることによって、光検出手段4の検出感度が低下することを防止することができ、光検出手段4の検出感度を較正可能範囲内に保つことができる。またトナー付着手段71が光検出手段4にトナー5が付着することを静電的に防止することによって、ワイパーなどの可動部材を用いることなく光検出手段4に付着したトナー5を除去することができる。これによってトナー飛散量検出装置80の故障を低減することができる。
【0137】
また表面部分に飛散するトナー5が摩擦接触した場合に、トナー5に対して同極性に帯電する材料を含んで形成されてもよい。これによって帯電したトナー5は、発光素子2および受光素子3に近づいても、発光素子2および受光素子3が同極性に帯電されるので、発光素子2および受光素子3から遠ざかる斥力が働く。これによっても発光素子2および受光素子3にトナー5が付着すること防止できる。
【0138】
たとえばトナー5が、メインレジンのスチレンアクリル樹脂とワックス、カーボンブラック,帯電制御剤などから成る負帯電スチレントナーである場合、発光素子2および受光素子3の表面には、エポキシ樹脂によって発光素子2および受光素子3にレンズが形成される。表面にトナー5が摩擦接触すると、発光素子2および受光素子3はマイナスに帯電し、トナー5と同極性に帯電する。
【0139】
図11は、本発明のさらに他の実施の形態であるトナー飛散量検出装置90を示す断面図である。トナー飛散量検出装置90は、光透過方式によって、トナー飛散量を検出し、他の構成については、図1に示すトナー飛散量検出装置1と同様の構成を示す。同様の構成については、説明を省略し同一の符号を付す。
【0140】
発光素子2と受光素子3とは、トナー散乱領域6を挟んで配置される。発光素子2は、受光素子3に向けて出射光R1を出射する。受光素子3は、トナー散乱領域6を通過した出射光R3を受光する。受光素子3は、トナー散乱領域6を通過した出射光R3の光量を検出値として出力する。またトナー飛散量検出装置90は、トナー5によって散乱した散乱光が受光素子3に入射することを防止するスリット91を備える。
【0141】
発光素子2からの出射光R1は、トナー散乱領域6を通過するトナーによって遮られ、光量が低下する。したがってトナー散乱領域6のトナー飛散量が多い場合には、トナー散乱領域を通過した出射光R3が小さくなり、受光素子3が受光する光量が小さくなる。またトナー飛散量が少ない場合には、トナー散乱領域を通過した出射光R3が大きくなり、受光素子3が受光する光量が小さくなる。これによって受光素子3が受光する光量によってトナー散乱領域を散乱するトナー飛散量を求めることができる。またトナー5による散乱光R1がスリット91によって遮られるので、受光素子3は、発光素子2からの出射光を受光することができる。
【0142】
発光素子2および受光素子3の相対的な配置位置は、予め設定される。具体的には、発光素子2の光軸および受光素子3の光軸が各々、トナー散乱領域6の中心位置Pを通過し、かつ同軸となるように仮想平面21に配置される。また発光素子2から出射される出射光R1の光軸とトナー散乱領域を通過した出射光R3の光軸とがなす素子相対角度D3は、予め定める角度以内に設定される。
【0143】
たとえば互いの素子の光軸のなす立体角D3は、20度以下に形成され、本実施の形態では、同軸に形成される。素子相対角度D3が20度を超えると、照射光が有効にされずS/Nが劣化するという問題がある。
【0144】
またこの他の発光素子2および受光素子3と筐体7との配置関係は、図1に示すトナー飛散量検出装置1と同一である。すなわち発光素子2および受光素子3は、筐体7の内部空間13に配置され、検出手段配置領域19に配置される。また図1に示す各手段と同様の手段を備える。すなわちトナー飛散量検出装置80は、飛散量演算手段8、較正手段9、画像形成動作手段10、環境判定手段11、較正動作制御手段12を備える。
【0145】
図12は、受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との関係を示すグラフである。図12には、予め定められる初期状態における受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との関係を実線C1によって示す。受光素子3の検出値は、たとえば出力電圧である。初期状態における受光素子3の出力電圧とトナー飛散量の関係は、予め求められており、既知の関係である。また検出感度が低下した状態における受光素子3の出力電圧とトナーの飛散量の関係を破線C2によって示す。
【0146】
受光素子3の出力電圧とトナー飛散量とは、比例関係にある。初期状態では、トナー飛散量に関する変数をx(mg/m3)とし、出力電圧に関する変数をy(V)とすると、トナー飛散量と出力電圧の関係は、次式の関係が成り立つ。
y=−a3・x+b3 …(5)
【0147】
上式において、a3は透過光がトナーにより遮蔽されることにかかわる定数、b3はトナーによる遮蔽がない状態での透過光と暗電流の和にかかわる定数であって、本実施の形態では、たとえばa3=0.005、b3=5である。
【0148】
検出感度が低下した場合であっても、受光素子3の出力電圧とトナー飛散量とは、比例関係にある。検出感度が低下した場合におけるトナー飛散量と出力電圧との関係は、暗電流の影響は小さいので簡略式として次式を得る。ただし(5)式と同じ変数x,yおよび係数a3,b3については、(5)式と同じ値を示す。
y=(a3x+b3)d3 …(6)
【0149】
上式において、d3で表わされる係数である感度係数d3は、光検出手段4にトナーが付着するほど低下する。たとえば感度係数d3=0.6となる場合を図12に示す。この関係は、トナー飛散量がゼロの状態であっても成り立つ。トナーの飛散量がゼロの場合における受光素子3の出力電圧の変化は、光検出手段4の光量変動に連動した変化である。
【0150】
したがってトナー飛散量が予め定める量となる状態において、初期状態での受光素子3の出力電圧Vc0を、感度低下状態での受光素子3の出力電圧Vc1で割った値Vc0/Vc1を補正係数e3として求め、この補正係数e3を受光素子3の出力電圧yに掛けた値e3yを較正後の出力電圧として、(5)式に代入することによって、検出感度の低下を補正した正しいトナー飛散量xが求められる。また補正係数e3は、感度係数d3の逆数である。
【0151】
このような透過光方式によってトナー飛散量を検出する場合には、予め定めるトナー量を超える場合には、発光素子からの出射光R1がトナーによって散乱されて、受光素子3に出射光R3がほとんど達しない場合がある。したがって較正動作は、予め定めるトナー量よりも少ない状態で行われる。たとえばトナー飛散量がゼロ、すなわち0mg/m3と推定される状態を基準状態に設定される。たとえば基準状態において、初期状態での受光素子3の出力電圧Vc0が5Vであり、トナー飛散量がゼロと推定される時の感度低下状態の受光素子3の出力電圧Ve1が3.0であった場合、Vc0/Vc1=5/3=1.67を補正係数e3とする。
【0152】
このように補正係数e3を感度低下状態の受光素子3の出力電圧に積算することによって、初期状態の出力電圧の値として補正することができる。この補正後の出力電圧を、初期状態の受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との関係式に代入することによって、基準状態以外であっても、感度の低下した受光素子3を用いて正確なトナー飛散量を求めることができる。
【0153】
基準状態は、トナー飛散量が予め定める量、たとえば5mg/m3以下と推定される状態である。トナー飛散量が5mg/m3を超える場合には、トナー5によって発光素子2からの出射光R1が遮られて受光素子3まで十分な出射光が到達せず、受光素子3の出力電圧とトナー飛散量とに一定の関係が成り立たない場合がある。
【0154】
したがってトナー飛散量が5mg/m3以下であると推定される状態で較正動作が行われ、受光素子3の出力電圧を較正するための補正係数を求めることによって、受光素子の基準状態検出値とトナー飛散量とに一定の関係が成り立つ状態で、補正係数を求めることができる。これによってトナー飛散量を正確に求めることができる。
【0155】
以上のように本発明の他の実施の形態であって、透過光方式を採用してトナー飛散を検出するトナー量検出装置90であっても、図1に示すトナー飛散量検出装置と同様にトナーの飛散量を検出することができる。またトナー飛散がゼロの状態において、光検出手段4の較正を行うことによって、トナー飛散量に係らず、正しい補正係数を求めることができる。
【0156】
図13は、本発明の実施の形態のトナー飛散量検出装置を備える画像形成装置40を簡略化して示す図である。画像形成装置40は、シート体41にトナー像を形成する装置であって、上述するトナー飛散量検出装置1,60,70,80,90のうちのいずれかと、シート体41にトナー像を形成するための各手段から成る画像形成手段30と、画像形成手段30を制御する画像形成動作制御手段31とを備える。画像形成装置40は、帯電したトナー5をシート体41に定着する。画像形成装置40は、たとえば複写機として用いられる。
【0157】
画像形成装置40は、たとえば電子写真方式が採用され、画像形成を行うための画像形成手段30を備える。画像形成手段30は、感光体ドラム42、帯電器43、露光装置44、現像装置45、転写器47、剥離装置48、クリーニングユニット49、除電器50が設けられる。帯電器43、露光装置44、現像装置45、転写器47、剥離装置48、クリーニングユニット49、除電器50は、感光体ドラム42を中心に、感光体ドラム42の周方向に、感光体ドラム回転方向上流側から下流側に順に配置される。
【0158】
感光体ドラム42は、円筒状に形成される。感光体ドラム42の表面部分は、暗中において絶縁性を有し、光が照射された部分が導電性を有する材料によって形成される。感光体ドラム42は、図示しない回転駆動手段によって軸線まわりに回転される。感光体ドラム42は、コロナ放電によってその表面部分が帯電される。また帯電された部分に光が部分的に照射されることによって、光が照射された照射部分が導電性を有して照射部分の電荷が除去される。
【0159】
帯電器43は、感光体ドラム2を帯電させる手段である。たとえば帯電器3は、コロナ放電によって感光体ドラム2の表面を均一に帯電する。露光装置4は、帯電された感光体ドラム42に静電潜像を形成するための手段であって、静電潜像を形成するようにレーザを感光体ドラム表面に照射する。露光装置44は、後述する画像形成動作制御手段31から静電潜像を形成するための情報が与えられる。露光装置44は、この情報に基づいて、感光体ドラム42にレーザを照射する。
【0160】
現像装置45は、トナー5を収容するトナー収容部52と、予め定める濃度に保たれたトナー5を収容する現像槽53と、トナー収容部52のトナー5を撹拌する撹拌手段である撹拌棒54と、現像槽53内に設けられて感光体ドラム42にトナー5を供給する円筒状の現像ローラ56と、現像槽53内に設けられ、現像ローラ56に供給する供給ローラ55とを含む。
【0161】
トナー収容部52は、現像槽53に補給用のトナー5を収容する収容槽となる。撹拌棒54は、トナー収容部52内に設けられ、図示しない駆動手段によって駆動されることによってトナー収容部52に収容されるトナー5を撹拌する。また撹拌棒54は、トナー5を撹拌することによって、撹拌したトナー同士を接触させて、互いのトナー5を帯電させる。これによってトナー5は、静電潜像の帯電部分と反対の極性に帯電される。
【0162】
さらに撹拌棒54は、トナー収容部52から現像槽53にトナー5を供給する供給手段となる。撹拌棒54が動作することによって、トナー収容部52のトナーを掻出し、掻出したトナーを現像槽53に供給する。撹拌棒54は、後述する画像形成動作制御手段31によって現像槽内のトナー濃度が予め定める値になるように、後述する画像形成動作制御手段31によって制御される。
【0163】
供給ローラ55および現像ローラ56は、それぞれ軸線まわりに回転する。供給ローラ55は、その外周面にトナーを付着させて、付着させたトナー5を現像ローラ56に向かって搬送する。現像ローラ56は、その外周面に供給ローラ55に付着したトナー5を付着させる。現像ローラ56は、感光体ドラム42と対向し、感光体ドラム42に付着したトナー5を供給する。現像ローラ56が、帯電したトナー5を感光体ドラム42に供給することによって、静電潜像の帯電部分にトナー5が付着し、感光体ドラム42に形成される静電潜像が現像される。感光体ドラム42は、トナー5を担持した状態で、トナー5を転写器47に向かって搬送する。
【0164】
転写器47は、感光体ドラム42と協働してシート体41を挟持し、感光体ドラム42に付着したトナー5をシート体41に転写する。この転写後のシート体41と感光体ドラム42との間には、吸引力が生じている。剥離装置48は、ACコロナ放電によって、シート体41の電荷を感光体ドラム42と同電位に低下させる。これによってシート体41と感光体ドラム42との間に働く吸引力が解消されて、シート体41が感光体ドラム42から剥離する。画像形成装置40は、さらに図示しない定着手段を有する。定着手段は、感光体ドラム42から剥離したシート体41を加熱および加圧して、シート体41にトナー5を定着する。
【0165】
クリーニングユニット49は、剥離装置48の感光体ドラム回転方向下流側に配置される。クリーニングユニット49は、シート体41にトナー5を転写した後の感光体ドラム42に残留したトナー5を除去する。除電器50は、感光体ドラム42に光を照射し、感光体ドラム42の残留電位を除去する。
【0166】
またこれらの各手段、すなわち感光体ドラム42、帯電器43、露光装置44、現像装置45、転写器47、剥離装置48、クリーニングユニット49、除電気50が設けられる。帯電器43、露光装置44、現像装置45、転写器47、剥離装置48、クリーニングユニット49、除電気50の動作は、画像形成動作制御手段31によって制御される。
【0167】
また画像形成装置40は、上述するトナー飛散量検出装置1,60,70,80,90のいずれかを備える。画像形成装置40は、たとえば感光体ドラム42と現像装置45との近傍付近にトナー飛散量検出装置1が設置される。具体的には、トナー飛散量検出装置1は、感光体ドラム42の周方向に配置され、現像装置45よりも感光体ドラム42回転方向下流側に設けられる。トナー飛散量検出装置1は、2つの挿通孔14a,14bの軸線L1が鉛直方向に延びて配置される。また2つのそう通行14a,14bの軸線L1が感光体ドラム42の周方向に沿って延びて位置される。
【0168】
トナー飛散量検出装置の画像形成動作手段10は、画像形成動作制御手段31が画像形成手段30を構成する各手段42〜50に与える信号に基づいて、画像形成手段30の動作状態を判定する。
【0169】
画像形成動作にあたって、感光体ドラム42に付着したトナー5は、感光体ドラムまたはトナー自体の帯電量が低下していると、感光体ドラム42から飛散する場合がある。またトナー5の帯電量が十分でないと、現像ローラ56から感光体ドラム42にトナー5が付着するときに、感光体ドラム42から剥離する場合がある。この場合飛散したトナー5は、感光体ドラム42の周方向で下方に向かって落下する。
【0170】
トナー飛散量検出装置が現像装置45より下流側でかつ下方に設けられるので、感光体ドラム42から飛散したトナー5および静電潜像現像時に剥離したトナー5は、トナー飛散量検出装置のトナー散乱領域を通過する。トナー散乱領域は、トナー散乱領域を通過するトナーの飛散量を検出し、検出結果を画像形成動作制御手段31に与える。画像形成動作制御手段31は、トナー飛散量検出装置からの検出結果を与えられ、トナー飛散量が多いことを判断すると、トナー5の帯電量が多くなるように現像装置45を制御する。たとえば画像形成動作制御手段31は、トナー5を撹拌する撹拌棒54を制御し、トナー飛散量が大きいと撹拌量を増やす。
【0171】
また画像形成動作制御手段31は、トナー飛散量が多いことを判断すると、感光体ドラムの帯電量が多くなるように感光体ドラム42および帯電器43を制御してもよい。
【0172】
たとえば、トナーの飛散量が規定値30mg/m3を超えた場合は、画像形成装置40は、画像形成動作を禁止し、トナー帯電量を回復させる予備帯電動作に入る。
【0173】
トナーの帯電量を増加させるために、帯電器43をONし、且つ、露光装置44はOFFで感光体ドラム42、撹拌棒54、供給ローラ55、現像ローラ56を回転させ現像装置に予備帯電動作をさせる。
【0174】
帯電量が回復し、飛散量が所定値30mg/m3以下に回復すると予備帯電動作を終了して、正規の画像形成動作に復帰する。
【0175】
本実施の形態におけるトナーは、たとえばスチレンアクリル樹脂、ワックス、カーボンブラック、帯電制御剤などから成る。またトナーの平均粒径は、8μmであり、トナーの比重は約1である。帯電時のトナーの帯電量は−20μC/gである。
【0176】
以上のように画像形成装置40は、トナー飛散量検出装置によってトナー飛散量を検出し、トナー飛散量に応じてトナー5の帯電量および感光体ドラム42の帯電量を制御することによって、トナー5の帯電量および感光体ドラム42の帯電量を最適に保つことができ、シート体41に形成される画像の品質を向上することができる。特に複数枚のシート体41に連続して画像形成が行われる場合であっても、トナー5の飛散が少なくなるようにトナー5の帯電量になるように制御することができ、形成される画像の品質が低下することを防止することができる。
【0177】
たとえばトナー5の帯電量を調整して、トナー5の飛散量が抑制された状態で感光体ドラム42がトナー5を担持することによって、感光体ドラム42に付着するトナー5がずれることを防止することができ、ぶれの少ない画像を形成することができる。またトナー飛散を抑制することで、シート体41および画像形成装置40が汚染することを防止することができる。
【0178】
画像形成装置40には、上述するトナー飛散量検出装置1,60,70,80,90のいずれかが設けられることによって、トナー飛散量の検出感度が低下した場合であっても、検出感度を較正して使用することができる。これによって実際のトナー飛散量と演算されるトナー飛散量とが異なることが防止される。したがって画像形成装置40は、画像形成動作を繰り返しても、トナー飛散量を正確に判断することができ、形成する画像の品質を長期間維持することができる。さらに検出感度が低下してもトナー飛散量を検出することができるので、検出感度が低下する毎にトナー飛散量検出装置を取替える必要がなく、メンテナンス回数を減らすことができる。またトナー飛散量検出装置を長寿命化することができる。
【0179】
以上のような画像形成装置の構成は、本発明の例示に過ぎず発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえばトナー5が含まれる現像剤は、1成分系現像剤だけでなく、2成分系現像剤であってもよい。また画像形成装置には、各手段42〜50を冷却するために各手段42〜50に風を送る送風手段を有してもよい。トナー飛散量検出装置によってトナー飛散量を検出することによってトナー飛散量を抑えることができるので、送風手段が稼動しても飛散したトナーが各手段42〜50に付着することが防止することができる。
【0180】
また現像装置45の撹拌棒54によってトナー5の帯電量を調整したが、他にトナー5の帯電量を調整するために電圧を印加するトナー帯電手段を有していてもよく、トナー飛散量に応じてトナー帯電手段を動作してトナーを帯電してもよい。また現像槽53に供給されるトナー量を調整することによってトナーの帯電量を調整してもよい。またトナー飛散量検出装置は、現像装置45の外に設けたが、現像装置内に設けてもよい。現像装置内におけるトナー飛散量とトナー帯電量とは、比例関係にあるので、トナー飛散量を求めることによって、現像槽内のトナーの帯電量を求めることができる。また画像形成装置は、トナーによって画像を形成すればよく、電子写真方式以外の方式が採用されてもよい。
【0181】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、受光素子の検出感度の変化に応じて、受光素子の検出値を較正した値に基づいてトナー飛散量を演算する。したがってトナーが受光素子に付着して検出感度が低下した場合であっても、正確なトナー飛散量を求めることができる。また長期間使用しても、実際のトナー飛散量とトナー飛散量検出装置が求めるトナー飛散量とが異なることを防止することができる。
【0182】
また検出感度を一定にするために受光素子に付着したトナーの除去作業を行う必要がなく、メンテナンスの手間を省くことができる。また検出感度が低下しても使用することができるので、長寿命化を実現することができる。
【0183】
また作業者が、基準状態に移行したか否かを判断する必要が無く、利便性を向上できるとともに較正作業を確実に行うことができる。また較正動作制御手段によって、光検出手段および較正手段が制御されるので、作業者が較正作業を行う必要がない。
【0184】
また、画像形成手段の動作状態から基準状態を判定することによって、長期間用いられても正しい検出結果を得ることができる。また画像形成手段の動作を指示する制御信号を伝える電気回路によって画像形成動作検出手段を実現することによって、容易かつ簡単に画像形成動作検出手段を構成することができる。
【0188】
また本発明によれば、光検出手段が検出手段配置領域に配置されるので、トナーが光検出手段に達することが妨げられ、光検出手段にトナーが付着することを防止することができる。これによって光検出手段の検出感度が著しく低下することを防止でき、光検出手段の検出感度を較正可能範囲に保つことができ、長寿命化を図ることができる。
【0189】
また本発明によれば、トナーは、自重によってトナー散乱領域を下方に流れる。これによってトナー散乱領域に連なる検出手段配置領域に向かってトナーが流れることが防止される。したがって検出手段配置領域に配置される光検出手段にトナーが付着することをより確実に防止することができる。また検出手段配置領域にトナーが蓄積することが防止される。
【0190】
また本発明によれば上挿通孔に臨む内周面から、下方に向かうにつれて鉛直軸線に対して45度の傾斜角度で拡開する仮想区画面の外側に形成される。これによってトナーが筐体内で広がりながら下方に通過する場合であっても、光検出手段にトナーが付着することを防止することができる。
【0191】
また本発明によれば、トナー付着防止手段によってトナーが光検出手段に付着することを静電的に防止する。トナーが付着することを静電的に防止することによって、トナーが光検出手段に付着することを確実に防止することができる。またトナー付着防止手段を小型化するとともに故障を防止することができる。
【0192】
また本発明は、光検出手段の周囲をトナーと同極性に帯電させることによって、光検出手段に向かってトナーが移動したとしても、トナーが光検出手段に対して反発する。これによって光検出手段にトナーが付着することを防止することができる。
【0193】
また本発明によれば、光検出手段の周囲に交番電界を発生させることによって、光検出手段の周囲に移動したトナーを電気的に加振し、光検出手段にトナーが付着することを防止することができる。また仮に光検出手段にトナーが付着したとしても、トナーを光検出手段から離脱させて、トナーによる光検出手段の汚染を回復することができる。
【0194】
また本発明によれば、光検出手段の表面に帯電防止処理が施されているので、光検出手段の表面に電荷が溜まることがなく、トナーが光検出手段に付着することを防止することができる。
【0195】
また本発明によれば、光検出手段の表面部分に導電性を有する材料を含んで形成されることによって、光検出手段が帯電することを防止する。これによって光検出手段の表面に帯電したトナーが付着することを防止することができる。
【0196】
また本発明によれば、光検出手段の表面部分に導電性を有する材料を含んで形成されることによって、光検出手段が帯電することを防止する。これによって光検出手段の表面にトナーが付着することを防止することができる。
【0197】
また本発明によれば、受光素子の検出感度が低下した場合であっても、正確なトナー飛散量を演算することができるので、画像形成を繰り返しても画像の品質を維持することができる。またトナー飛散量検出装置のメンテナンス回数を減らすことができ、利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるトナー飛散量検出装置1を示すブロック図である。
【図2】筐体7を示す斜視図である。
【図3】筐体7を示す平面図である。
【図4】図2のIV−IV切断面線で切断した断面図である。
【図5】図4の一部を拡大して示す断面図である。
【図6】受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との関係を示すグラフである。
【図7】迷光を受光素子3が受光する場合の受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との関係を示すグラフである。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態であるトナー飛散量検出装置60の一部を省略して示す断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態であるトナー飛散量検出装置70の一部を省略して示す断面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態であるトナー飛散量検出装置80の一部を省略して示す断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態であるトナー飛散量検出装置90を示す断面図である。
【図12】受光素子3の出力電圧とトナー飛散量との関係を示すグラフである。
【図13】本発明の実施の形態のトナー飛散量検出装置を備える画像形成装置40を簡略化して示す図である。
【符号の説明】
1,60,70,80,90 トナー飛散量検出装置
2 発光素子
3 受光素子
4 光検出手段
5 トナー
6 トナー散乱領域
7 筐体
8 飛散量演算手段
9 較正手段
10 画像形成動作検出手段
11 環境判定手段
12 較正動作制御手段
13 収容空間
14a 上挿通孔
14b 下挿通孔
15 上壁
16 下壁
19 検出手段配置領域
20 仮想区画面
30 画像形成手段
31 画像形成動作制御手段
40 画像形成装置
Claims (12)
- シート体にトナー像を形成するための画像形成手段によって、トナー像を形成するときに飛散するトナーの飛散量を検出するトナー飛散量検出装置であって、
トナー像を形成するときに飛散するトナーが散乱するトナー散乱領域に向けて光を出射する発光素子と、発光素子から出射された光のうちトナー散乱領域のトナーによって予め定める方向に散乱する光を検出する受光素子とを有する光検出手段と、
トナーの飛散量を演算する飛散量演算手段と、
予め定める初期状態における受光素子による検出値とトナー飛散量との予め設定される関係式および予め定めるトナー飛散量であると推測される基準状態下における受光素子による検出値である基準状態検出値に基づいて、受光素子による検出値を較正するための補正値を算出する較正手段と、
画像形成手段の画像形成動作の開始および終了を検出するとともに、画像形成手段の画像形成動作の開始時および終了時からの経過時間を検出する画像形成動作検出手段と、
画像形成動作検出手段による検出結果に基づいて、画像形成手段が画像形成動作の終了時から予め定める時間以上経過した状態から画像形成動作を開始し、かつその画像形成動作の開始時から予め定める時間経過した状態であるか否かを判定することによって、トナー飛散量検出装置の周囲の環境が基準状態下にあるか否かを判定する環境判定手段と、
光検出手段および較正手段を制御する較正動作制御手段とを含み、
較正動作制御手段は、環境判定手段による基準状態下であるという判定結果に基づいて、基準状態検出値を検出するように光検出手段を制御し、かつ基準状態検出値に基づいて補正値を算出するように較正手段を制御し、
飛散量演算手段は、受光素子による検出値、予め定める初期状態における受光素子による検出値とトナー飛散量との予め設定される関係式、および較正手段によって算出される補正値に基づいて、トナー飛散量を演算することを特徴とするトナー飛散量検出装置。 - シート体にトナー像を形成するための画像形成手段によって、トナー像を形成するときに飛散するトナーの飛散量を検出するトナー飛散量検出装置であって、
トナー像を形成するときに飛散するトナーが散乱するトナー散乱領域に向けて光を出射する発光素子と、発光素子から出射された光のうちトナー散乱領域を通過する光を検出する受光素子とを有する光検出手段と、
トナーの飛散量を演算する飛散量演算手段と、
予め定める初期状態における受光素子による検出値とトナー飛散量との予め設定される関係式および予め定めるトナー飛散量であると推測される基準状態下における受光素子による検出値である基準状態検出値に基づいて、受光素子による検出値を較正するための補正値を算出する較正手段と、
画像形成手段の画像形成動作の開始および終了を検出するとともに、画像形成手段の画像形成動作の開始時および終了時からの経過時間を検出する画像形成動作検出手段と、
画像形成動作検出手段による検出結果に基づいて、画像形成手段が画像形成動作の終了時から予め定める時間以上経過した状態から画像形成動作を開始し、かつその画像形成動作の開始時から予め定める時間経過した状態であるか否かを判定することによって、トナー飛散量検出装置の周囲の環境が基準状態下にあるか否かを判定する環境判定手段と、
光検出手段および較正手段を制御する較正動作制御手段とを含み、
較正動作制御手段は、環境判定手段による基準状態下であるという判定結果に基づいて、基準状態検出値を検出するように光検出手段を制御し、かつ基準状態検出値に基づいて補正値を算出するように較正手段を制御し、
飛散量演算手段は、受光素子による検出値、予め定める初期状態における受光素子による検出値とトナー飛散量との予め設定される関係式、および較正手段によって算出される補正値に基づいて、トナー飛散量を演算することを特徴とするトナー飛散量検出装置。 - 光検出手段が配置されかつ飛散するトナーの散乱が防止される検出手段配置領域と、検出手段配置領域に連なり、飛散するトナーが散乱しながら通過するトナー散乱領域とを形成する領域形成手段をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載のトナー飛散量検出装置。
- 前記トナー散乱領域は、鉛直方向に沿って延びるように形成されることを特徴とする請求項3記載のトナー飛散量検出装置。
- 領域形成手段は、光検出手段が収納される筐体であって、上部に配置される上壁に上挿通孔が形成されるとともに、下部に配置される下壁に上挿通孔と同軸に下挿通孔が形成されて、上挿通孔から下挿通孔にわたってトナー散乱領域が形成され、上挿通孔に臨む内周面から、下方に向かうにつれて鉛直軸線に対して45度の傾斜角度で拡開する仮想区画面の外側に、検出手段配置領域が形成されることを特徴とする請求項3または4記載のトナー飛散量検出装置。
- 光検出手段にトナーが付着することを静電的に防止するトナー付着防止手段をさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトナー飛散量検出装置。
- 前記トナー付着防止手段は、光検出手段の表面をトナーに対して同極性に帯電させることを特徴とする請求項6記載のトナー飛散量検出装置。
- 前記トナー付着防止手段は、光検出手段の周囲に交番電界を発生させることを特徴とする請求項6記載のトナー飛散量検出装置。
- 光検出手段は、帯電防止処理が施されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトナー飛散量検出装置。
- 光検出手段の表面部分は、導電性を有する材料を含んで形成されることを特徴とする請求項9記載のトナー飛散量検出装置。
- 光検出手段の表面部分は、飛散するトナーが摩擦接触した場合に、トナーに対して同極性に帯電する材料を含んで形成されることを特徴とする請求項9記載のトナー飛散量検出装置。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のトナー飛散量検出装置と、
シート体にトナー像を形成するための画像形成手段と、
トナー飛散量検出装置によって検出されたトナー飛散量に基づいて、画像形成手段を制御する画像形成動作制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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