JP4212314B2 - ガラスフィラー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス強化樹脂組成物に使用されるガラスフィラー及びその製造方法に関するものであり、特に樹脂との接着性のよいガラスフィラー、または、着色したガラスフィラーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
民生用途、産業用途を問わず、ガラス繊維で補強されたガラス強化樹脂組成物が様々な分野で使用されている。特に、電子・電気分野で使用されるプリント配線板にはガラス繊維から構成される布(以下、ガラスクロスともいう。)が補強材として使用されている。また、樹脂の増量を目的として、または加工性向上、高剛性化、難燃化等の基板の特性改良を目的として、タルク、水酸化アルミニウム、シリカ粉末、ガラスフィラー等がフィラーとして使用されている。
上記のガラスフィラーの製法としては、純度・サイズの均一性が求められる特殊なグレードを除き、固体のガラスを粉砕することによって得るのが一般的である。粉砕するガラスとしては、板ガラス、ガラス繊維等が使用される。粉砕機としては、微細粉砕にはローラーミル・ボールミル・回転粉砕機等が用いられている。
一方、プリント配線板の特性向上を目的としたフィラーに対しては、補強材であるガラスクロスと同等の特性(誘電特性、熱膨張特性等)を持つものが好ましいため、安価なガラスフィラーに対するニーズが高くなってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
板ガラスのような塊状のガラスからガラスフィラーを製造するにあたっては、まず粗粉砕の後に微細粉砕を行う必要があり、設備と時間を要するという課題があった。また、得られたガラスフィラーの表面に処理剤を塗布するためには、微細粉砕後に処理剤を塗布して乾燥させる必要があるばかりでなく、フィラー同士が固着しないよう特殊な乾燥法を選択する必要があった。
【0004】
それに対して、ガラス繊維からガラスフィラーを製造する場合は、適当な大きさに切断すれば粗粉砕する必要はなく微細粉砕のみでよい。また、ガラス繊維の形状で粉砕前に処理剤を塗布しておけばよく、微細粉砕後に処理剤を塗布して乾燥させる必要もない。しかしながら、微細粉砕によって繊維から細かいガラスフィラーを得るには多大の時間を要するため、実用的な粉砕時間では繊維長さが30〜300μm程度の粗いガラスフィラーしか得ることができないという課題があった。そしてそのような粗いガラスフィラーは、流動により配向して異方性が発現しやすいため、用途が限定されるものであった。
本発明は、ガラスフィラーを容易に得ることができる脆化処理法を含むガラスフィラーの製造方法を提供するとともに、樹脂との接着性がよい、または着色したガラスフィラーを提供することを第1の目的とする。また、ガラスフィラーを製造する時の原料として、プリント基板から回収したガラス繊維を利用することを第2の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
樹脂組成物の補強材として一般に使用されるEガラス繊維は軟化点が約850℃のガラスであり、180〜300℃雰囲気下で2時間程度の熱処理、または、300〜600℃雰囲気下で10分程度の熱処理を行うことによって脆化することが知られている。これは、ガラス表面にもともと存在するグリフィスの傷と言われる微細な傷が、加熱により成長するためと言われている。
しかしながら、後述の比較例で明らかになるように、本発明者の検討した結果では、単にガラスクロスに加熱処理を行っただけでは脆化の程度が十分ではなく、ボールミルによって粉砕しようとしてもガラスフィラーを得ることは容易ではなかった。
【0006】
そこで、本発明者は、さらにガラス繊維を脆化させるために、ガラス繊維表面にケイ素または金属の酸化物層を形成させることでガラスにストレスを与えることを着想した。そして、実際にテトラアルコキシシラン化合物または金属化合物を含む溶液を塗布し、加熱によりケイ素または金属の酸化物層を形成させることでガラスフィラーを得るという目的に対して十分な脆化が達成できることを見出し、本発明をなすにいたった。
【0007】
即ち、本発明は;
(1) ガラスからなる材料の表面に、金属化合物を含む溶液を塗布し、180℃以上かつ該ガラスの軟化点以下の温度で加熱後、粉砕することによって得られたAg、Co、Fe、Mn、Niからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の金属酸化物層を形成したガラスフィラー、
(2) 上記のガラスからなる材料が、ガラス繊維またはガラス繊維から構成される布であることを特徴とする(1) 記載のガラスフィラー、
(3) 上記のガラス繊維またはガラス繊維から構成される布が、プリント配線板から回収されたガラス繊維またはガラス繊維から構成される布をヒートクリーニングしたものであることを特徴とする(2) 記載のガラスフィラー、
(4) 平均直径3〜13μm、かつ平均長さが平均直径の1〜100倍である円柱状のガラスフィラーであって、円柱の側面にケイ素酸化物層または金属酸化物層が付着していることを特徴とする(1) 〜(3) のいずれかに記載のガラスフィラー、
(5) ガラス繊維またはガラス繊維から構成される布の表面に、Ag、Co、Fe、Mn、Niからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の金属化合物を含む溶液を塗布し、180℃以上かつ該ガラスの軟化点以下の温度で加熱した後に粉砕することを特徴とする(1) 〜(4) のいずれかに記載のガラスフィラーの製造方法、
である。
なお、該金属酸化物層の形成がガラス繊維の脆化に十分な効果を示す理由は定かではないが、ガラス表面に塗布された金属化合物が加熱により、酸化・縮合し、その時発生する体積収縮によるストレスが前述のグリフィスの傷を成長させガラス繊維の脆化につながったものと考えている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明におけるガラスからなる材料とは、後述するヒートクリーニングにより除去される成分を除き、少なくとも90重量%以上がガラスである材料をいう。ガラスフィラーにした後の均一性を考慮すると、ヒートクリーニングにより除去される成分を除き、実質上ガラスのみからなる材料であることがより好ましい。
また、使用するガラス種によって本発明の効果が大きく損なわれることはなく、いずれのガラス種も使用可能であるが、一般にプリント配線板の補強材として使用されるEガラス(無アルカリガラス)に加え、低誘電率ガラスであるDガラス、高誘電率ガラスであるHガラスが好適に使用できるが、その中でもEガラスが特に好適に使用できる。
本発明におけるガラスからなる材料は、テトラアルコキシシラン化合物又は金属化合物を含む溶液を塗布して脆化させるために、塊状のものより表面積の大きいものが好ましい。そのため、ガラス繊維、又はガラスクロスが好適に使用できるが、取り扱いやすいガラスクロスがより好ましい。また、ガラス繊維の単糸径は一般に使用されている3〜13μmのガラス繊維が可能であるが、最終的に必要とされるフィラーの大きさに準じて適宜選択すればよい。
【0009】
本発明におけるガラス繊維またはガラスクロスにおいては、表面に有機物が付着していない状態で上述の溶液を塗布することが、ガラス表面にケイ素酸化物層または金属酸化物層を形成し、化学的に固着するためには効果的である。そのため、上記の溶液を塗布する前に、ヒートクリーニングすることが好ましい。後述の実施例で示すように、本発明においてはプリント配線板から回収したガラスクロスを使用することが可能であるが、この場合には残留しているマトリックス樹脂等を除去するためにも、ヒートクリーニングすることが必要である。該ヒートクリーニングは有機物が除去できる条件であればよく、通常400℃で2時間以上行えば十分である。
【0010】
上記のケイ素酸化物層または金属酸化物層を構成するケイ素酸化物または金属酸化物としてはガラス表面と化学的に結合するものが好ましい。従って、該ケイ素酸化物または金属酸化物としてはガラスの主たる構成成分でありガラスとの結合が強固であることから二酸化ケイ素が最も好ましい。また、紫外線遮蔽等の目的のために着色したガラスフィラーの要求がある場合は、Ag、Co、Fe、Mn、Ni等の金属酸化物で、黒褐色に着色したものが好ましい。もちろん、これらのケイ素酸化物または金属酸化物は1種で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本発明において、金属化合物を含む溶液としては、上記の金属酸化物層を形成するために、アルコキシド、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等の有機酸塩、各種キレート化合物等の水溶液または有機溶媒溶液が好適に用いられる。しかしながら、樹脂補強材として使用する場合の耐熱性、電気特性を考慮し、加熱処理後にアニオン残留物が存在しない塩、例えば、アルコキシド、硝酸塩、有機酸塩がより好ましい。
【0011】
上記のテトラアルコキシシラン化合物または金属化合物を含む溶液は、前述のガラスからなる材料の表面に塗布される。塗布方法は含浸、スプレー、はけやロールによる塗布など周知の方法が使用できる。
上記のテトラアルコキシシラン化合物または金属化合物を含む溶液が塗布されたガラスからなる材料は、乾燥後、加熱処理により脆化される。加熱温度は180℃以上かつ該ガラスの軟化点以下であり、300〜700℃が好ましく、400〜600℃がより好ましい。加熱温度が180℃未満では脆化効果は無く、ガラスの軟化点以上ではガラス繊維の変形等が発生することがある。また最低必要な加熱時間は5分〜24時間が好ましいが、加熱温度が高いほど短い時間でよい。400℃では1時間以上が好適である。
【0012】
上記の脆化処理されたガラスからなる材料はボールミル等の通常の粉体形成装置により粉砕できる。該ガラスからなる材料としてガラス繊維またはガラスクロスを用いた場合は、粉砕後のガラスフィラーの形状は円柱になる。該円柱の平均直径は使用したガラス繊維の単糸径で定まり、平均長さは、脆化処理条件、粉砕条件によっても変化するが、平均直径の1〜100倍になる。用途によってはフィラーの平均長さが平均直径に対して10倍以上のものでもよいが、流動配向を抑制して異方性を少なくするという観点からは、フィラーの平均長さが平均直径の5倍以内であることが好ましく、2.5倍以内であることがより好ましい。また、粉砕して得たガラスフィラーは、必要に応じて分級して使用することもできる。
【0013】
上述のように本発明のガラスフィラーの製造方法によると、異方性が少ないガラスフィラーであって、しかも、基板に配合して成形したときに低吸湿性、または紫外線遮蔽効果を示すガラスフィラーを、ガラス繊維またはガラスクロスより容易に得ることができる。
また、本発明のガラスフィラーを、必要に応じてシランカップリング剤等で表面処理をすることにより、マトリックス樹脂との接着性、吸水特性が改善され、好適に使用される。特に使用される基板がプリント配線板のようにガラスクロスにより補強されている場合、該ガラスクロスと同じ表面処理液または主成分が同一、もしく濃度が異なるだけ等、同等の構成からなる表面処理液でガラスフィラーを処理することにより、ガラスクロスとマトリックス樹脂界面に発現される吸湿性、接着性等の良好な特性が、該ガラスフィラーと樹脂界面にも形成され、基板全体の特性が向上する。
【0014】
本発明のガラスフィラーを配合した成形樹脂をマトリックス樹脂として使用した基板を作成する際、成形樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはその混合物が適用される。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、PPO樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フッ素樹脂等が使用され、加熱した樹脂と押し出し混練機等を用いて、該ガラスフィラーを配合できる。また、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、BT樹脂、シアネート樹脂等が使用される。この場合、ガラスフィラーを樹脂ワニス中に添加し、攪拌することにより、該ガラスフィラーを配合した樹脂が得られる。
これらのマトリックス樹脂に対するガラスフィラーの配合量は目的に応じて適宜選択されるが、マトリックス樹脂100重量部に対して、ガラスフィラー5〜150重量部が目安としてあげられる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。
Figure 0004212314
2.基板の作成方法
マトリックス樹脂として、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂5046(油化シェルエポキシ(株)製)85重量部(固形)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂180(油化シェルエポキシ(株)製)15重量部(固形)、N,N−ジメチルホルムアミド12重量部、メトキシエタノール12重量部、ジシアンジアミド2.5重量部、2エチル4メチルイミダゾール0.2重量部を配合してエポキシ樹脂を調合した。該エポキシ樹脂にフィラーを混合して、175℃、40kgf/cm2で圧縮成形し、厚み0.13mmの基板を得た。
【0016】
3.基板の吸水率測定試験方法
基板を50mm角に切断し、飽和蒸気121℃、1kgf/cm2 加圧条件下で3時間吸湿させた後、吸水率を測定した。
4.基板の紫外線遮蔽率測定方法
基板に露光機((株)オーク製作所製JP2000)、紫外線照度計(同社製UV−MO2)を用いて照度を測定し、下記の式により遮蔽率を求めた。
遮蔽率(%)=(1−(基板透過後の照度/ブランク照度))×100
【0017】
参考例1】
スタイル2116ガラスクロス(旭シュエーベル(株)製、単糸径は7μm)を、400℃で2時間ヒートクリーニングを行い、テトラエトキシシラン(4g/l)水溶液並びにシランカップリング剤SZ6032(東レ・ダウコーニング(株)製)に浸漬し、170℃で1時間乾燥後、再度400℃で2時間加熱した。このガラスクロスを15cm角に切断し3枚重ねにして巻いたものをボールミル粉砕機により粉砕し平均直径7μm、長さ15μmのガラスフィラーを得た。
このフィラーを充填率30重量%(充填率は、フィラーの重量をフィラーとマトリックス樹脂の重量の和で割ったものに100をかけることで計算する。)となるようにエポキシ樹脂に混入し、基板の作成方法により基板を作成した。基板の吸水率は0.75重量%、紫外線遮蔽率は82%であった。
【0018】
【実施例
スタイル2116ガラスクロスを400℃で2時間ヒートクリーニングを行い、硝酸コバルト(100g/l)水溶液に浸漬し、170℃で1時間乾燥後、再度400℃で2時間加熱した。このガラスクロスを15cm角に切断し3枚重ねにして巻いたものをボールミル粉砕機により粉砕し平均直径7μm、長さ15μmの表面が黒色に着色したガラスフィラーを得た。
このフィラーを充填率30重量%となるようにエポキシ樹脂に混入し、基板の作成方法により基板を作成した。基板の吸水率は0.78重量%、紫外線遮蔽率は97%であった。
【0019】
参考例2
廃棄プリント配線板より回収したスタイル2116ガラスクロスを400℃で2時間ヒートクリーニングを行い、テトラエトキシシラン(4g/l)水溶液に浸漬し、170℃で1時間乾燥後、再度400℃で2時間加熱後した。このガラスクロスをボールミル粉砕機により粉砕し平均直径7μm、長さ15μmのガラスフィラーを得た。
このフィラーを充填率30重量%となるようにエポキシ樹脂に混入し、基板の作成方法により基板を作成した。基板の吸水率は0.75重量%、紫外線遮蔽率は82%であった。
【0020】
【比較例1】
スタイル2116ガラスクロスを400℃で2時間ヒートクリーニングした。このガラスクロスを15cm角に切断し3枚重ねにして巻いたものをボールミル粉砕機にかけたが、ガラスクロスの粉砕ができずフィラーを得ることができなかった。
【比較例2】
スタイル2116ガラスクロスを400℃で2時間ヒートクリーニングを行い、テトラエトキシシラン(4g/l)溶液並びにシランカップリング剤SZ6032で処理し170℃で1時間乾燥した。このガラスクロスを15cm角に切断し3枚重ねにして巻いたものをボールミル粉砕機にかけたが、ガラスクロスの粉砕ができずフィラーを得ることができなかった。
【0021】
【比較例3】
SiO2フィラー(平均粒径1.3〜2.0μm)を充填率30重量%となるようにエポキシ樹脂に混入し、基板の作成方法により基板を作成した。基板の吸水率は0.85重量%、紫外線遮蔽率は80%であった。
これらの実施例よりわかるように、ガラスクロスにテトラアルコキシシラン化合物あるいは金属化合物の水溶液を塗布し、400℃2時間加熱して脆化することにより、ボールミルを用いて容易に径7μm、長さ15μmのガラスフィラーを得ることができた。また、プリント配線板より回収したガラスクロスを用いても、同様にガラスフィラーを得ることができた。
【0022】
本発明のガラスフィラーを用いた基板の特性においては、特にテトラアルコキシシラン化合物を含む溶液で処理したガラスフィラーを用いた基板は、処理のないSiO2フィラーに比較して吸湿率が低くなった。この原因は定かではないが、本発明のガラスフィラーの表面には、塗布・加熱処理により表面積が大きくアンカー効果の高い酸化物層が形成されるためガラスフィラーとマトリックス樹脂の密着性がよく、その結果ガラスフィラーとマトリックス樹脂の界面を通した水分の透過が抑制されるためと考えられる。
また硝酸コバルト等の黒褐色を示す金属酸化物を形成する金属化合物を含む溶液で処理することによって得た着色したガラスフィラーにおいては、処理のないSiO2フィラーに比較して紫外線遮蔽性に優れた基板を得ることができた。
【0023】
【発明の効果】
本発明によって、ガラスフィラーを容易に得ることができる脆化処理法を含むガラスフィラーの製造方法が提供できるとともに、樹脂との接着性がよい、または着色したガラスフィラーを提供することができる。また、ガラスフィラーを製造する時の原料として、プリント基板から回収したガラス繊維を利用することができる。

Claims (5)

  1. ガラスからなる材料の表面に、金属化合物を含む溶液を塗布し、180℃以上かつ該ガラスの軟化点以下の温度で加熱後、粉砕することによって得られたAg、Co、Fe、Mn、Niからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の金属酸化物層を形成したガラスフィラー。
  2. ガラスからなる材料が、ガラス繊維またはガラス繊維から構成される布であることを特徴とする請求項1記載のガラスフィラー。
  3. ガラス繊維またはガラス繊維から構成される布が、プリント配線板から回収されたガラス繊維またはガラス繊維から構成される布をヒートクリーニングしたものであることを特徴とする請求項2記載のガラスフィラー。
  4. 平均直径3〜13μm、かつ平均長さが平均直径の1〜100倍である円柱状のガラスフィラーであって、円柱の側面に金属酸化物層が付着していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラスフィラー。
  5. ガラス繊維またはガラス繊維から構成される布の表面に、Ag、Co、Fe、Mn、Niからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の金属化合物を含む溶液を塗布し、180℃以上かつ該ガラスの軟化点以下の温度で加熱した後に粉砕することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラスフィラーの製造方法。
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