JP4212032B2 - 複合材料および電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は単結晶セラミックス粉末およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘電体粉末や磁性フェライト粉末等のセラミックス粉末が多くの分野で使用されている。例えば誘電体粉末として、チタン酸バリウムや酸化チタン等は誘電性、圧電性および焦電性に優れ、磁器コンデンサやフィルタ、センサ等の材料として用いられている。
セラミックス粉末を磁器コンデンサ用の材料として使用する場合、誘電率が高く、損失の小さいものが望まれる。また磁性フェライト材料として使用する場合は、損失が小さく、透磁率がフラットに高周波域まで伸びているものが望まれる。これら特性はセラミックス粉末の形状、粒径、純度、反応性等の物性に依存する。例えば、セラミックス粉末が多結晶や不定形の粉末であると、局部的異常粒成長を起こしたり、組成の不均一を生じやすくなり、磁気的特性や電気的特性の劣化を招くことになる。したがってセラミックス粉末は結晶粒界や不純物を有せず、単相であり、また単結晶であることが好ましい。また、さらに優れた特性を得るため、セラミックス粉末は2種類以上の金属と酸素の化合物であることが好ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、優れた特性を有するセラミックス粉末は製造することが難しい。例えば固相反応法では、最終生成物の組成に対応した金属酸化物の混合粉末を空気中や不活性ガス中で焼成することにより、2種類以上の金属と酸素の化合物である金属酸化物の誘電体を得ることができるが、単相の粉末を得ることが難しい。また、共沈法等の液相法では、金属塩の水溶液或いは有機溶媒溶液から水和物などの金属酸化物の前駆体(1次粒子)を製造し、この前駆体を空気中や不活性ガス中で焼成してセラミックス粉末を得る。しかし、結晶性に優れた誘電体粉末を得ることは難しく、また金属酸化物の前駆体の結合が強く最終的に大きな塊として得られるため、誘電体粉末を得るためには焼成後の誘電体を粉砕しなければならない。このようにして得られる粉末では、個々の粒子の形状が不定形であり、また粒度分布も広いものとなり、さらに不純物が混入する可能性も高い。
【0004】
そこで、粉末における粒子の形状や粒度分布を改良した水熱合成法や気相反応法等も提案されているが、いずれも生産性やコストの点で工業的に効率的に製造することは困難である。また特開平7−33579号公報には、溶液に原料を溶解させたものを加水分解や共沈法等により酸化物の微粉末を形成し、微粉末を熱処理して結晶化および粒子の成長をさせ、さらに得られたものに含まれるガラスを溶解除去し、粒径の揃った単結晶粉末を得る方法が開示されている。しかし、この方法では工程が複雑であり、工業的に量産するのが困難である。
【0005】
また特開平9−263496号公報には、平均粒子径が10μm以下のチタン酸バリウムを1618℃未満1200℃以上で焼結させて、単結晶のチタン酸バリウムを得る方法が開示されている。この方法では、チタン酸バリウムの融点より低い温度で、焼結時に温度勾配を付けて異常粒成長をさせ、単結晶のチタン酸バリウムを形成している。しかし、この方法では、得られるチタン酸バリウムの径が500μm程度と大きく、微粒子を得るものではない。また単結晶は多結晶体中に含有された状態で得られるので、単結晶を取り出すには多結晶体を濃塩酸中に浸漬させて多結晶部分を破壊する工程が必要である。
【0006】
ところで、セラミックス粉末は、粉末のみを単体として利用する場合もあるが、樹脂材料に分散した複合材料として利用することもある。複合材料として用いられるセラミックス粉末には、樹脂材料に対する分散性、充填性が要求される。樹脂材料に対する分散性、充填性を確保するための一つの要素として、粉末を構成する微粒子の粒径がある。
しかし、前記した共沈法で得られるセラミックス粉末は粒径が微細すぎて樹脂材料に対する分散性、充填性を確保することができない。また、前記した液相法により得られたセラミックス粉末は、粉砕により得られるものであるため粉末の形態が不定形となり、樹脂材料に対する分散性、充填性を確保することができない。また前記特開平9−263496号公報に記載の単結晶のチタン酸バリウムは粒径が大きいので、高い充填性を得ることが難しい。
【0007】
本発明は、優れた特性を有する球状の単結晶セラミックス粉末を用いた複合材料および電子部品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、誘電体材料からなる単結晶球状酸化物粉末と、この単結晶球状酸化物粉末を分散、保持する結合材と、からなる複合材料であって、単結晶球状酸化物粉末は、平均粒径が1〜30μm、0.9以上の球形度を備えることを特徴とする。球形度の高い微細な粉末を用いることにより、樹脂材料との複合材中への充填性が向上して粉末の有する特性を有効に発揮することができる。以上の複合材料において、結合材としては樹脂を用いることができる。このとき、単結晶球状酸化物粉末は、30〜98wt%の範囲で含有することが望ましい。また、本発明では、単結晶球状酸化物粉末を構成する誘電体材料よりも低融点の誘電体材料によって結合材を構成することができる。このとき、単結晶球状酸化物粉末を30〜70体積%の範囲で含有せしめることが望ましい。
本発明は、以上の複合材料を用いた電子部品を提供する。この電子部品は、誘電体層中に内部金属電極が配設された電子部品であって、誘電体層が、誘電体材料からなる単結晶球状酸化物粉末と、この単結晶球状酸化物粉末を分散、保持する結合材と、からなる複合材料からなり、単結晶球状酸化物粉末は、平均粒径が1〜30μm、0.9以上の球形度を備えることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を説明する。
本発明による単結晶セラミックス粉末の製造工程概略の一例を図1に基づき説明する。図1に示すように、本発明の製造方法は、原料を粉砕して1次粒子を得る1次粒子形成工程、1次粒子から顆粒を形成する顆粒形成工程、顆粒からなる粉体を供給する粉体供給工程、供給された粉体を所定温度に加熱する加熱処理工程、加熱処理によって得られた生成物を冷却する冷却工程および後処理工程から構成される。
【0015】
まず、1次粒子形成工程において、セラミックス成分からなる原料より1次粒子を形成する。1次粒子形成工程では、セラミックス成分からなる原料を粉砕し、好ましくは平均粒径が1μm以下となるように調整する。この粒径は、最終的に得られる単結晶セラミックス粉末の粒径を左右するだけではなく、このような粒径の1次粒子を用いることにより、単結晶セラミックス粉末の品質を優れたものとすることができる。粉砕方法は特に限定されないが、例えばボールミル等を使用することができる。
【0016】
本発明におけるセラミックス成分とは、セラミックスとして認識される酸化物、窒化物、炭化物等の化合物を包含している。また、単一のセラミックスのみならず、複数のセラミックスの混合体、複合酸化物、複合窒化物等の複合化合物をも包含している。セラミックス成分の具体例として、誘電体材料がある。
【0017】
誘電体材料としては、例えば、チタン酸−バリウム−ネオジウム系セラミックス、チタン酸−バリウム−錫系セラミックス、鉛−カルシウム系セラミックス、二酸化チタンセラミックス、チタン酸バリウム系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックス、チタン酸カルシウム系セラミックス、チタン酸ビスマス系セラミックス、チタン酸マグネシウム系セラミックス等や、CaWO4系セラミックス、Ba(Mg,Nb)O3系セラミックス、Ba(Mg,Ta)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,Nb)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,Ta)O3系セラミックス等を挙げることができる。これらは単独または2種類以上を混合して使用できる。なお、二酸化チタン系セラミックスとは、組成的には二酸化チタンのみを含む系、または二酸化チタンに他の少量の添加物を含む系であり、主成分として二酸化チタンの結晶構造が保持されているものを意味する。他の系のセラミックスについても同様である。また、二酸化チタンはTiO2で示される物質で種々の結晶構造を有するものであるが、誘電体セラミックスとして使用されているのはルチル構造のものである。
【0019】
なお、これらセラミックス成分は市販のセラミックスを使用することもでき、その他、セラミックス成分を形成するための組成物や材料を焼成することによってセラミックス成分を得ることができる。例えば、酸化バリウムとチタン酸を混合して顆粒状の複合酸化物を得て、この複合酸化物を適当な大きさに粉砕したものを焼成して反応させることによりチタン酸バリウム等のセラミックス成分を得ることができる。
【0020】
次に、顆粒形成工程において上記のようにして得られた1次粒子から顆粒を形成する。具体的には、1次粒子をスプレー・ノズルから噴霧するためのスラリーを作成する。スラリーは、1次粒子を溶媒に適量添加した後に、ボールミル等の混合機を用いて混合することにより得ることができる。溶媒としては水やエタノールを用いることができるが、1次粒子の分散性を向上するために、分散剤を添加することが推奨される。分散剤の添加量は、例えば1次粒子の重量に対して約1%程度である。1次粒子同士を機械的に結合するための結合剤、例えばPVA(ポリビニルアルコール)を添加することもできる。得られたスラリーをスプレー・ノズルにより噴霧して液滴を形成する。
【0021】
ここで、スプレー・ノズルは、上記のスラリーと圧縮気体とを噴霧するためのものであり、2流体ノズル、あるいは4流体ノズル等を用いることができる。圧縮気体(例えば、空気、窒素ガス等)とともにスプレー・ノズルから吐出されたスラリーは微粒化されて噴霧を形成する。噴霧中の液滴の粒径は、スラリーと圧縮気体との比率によりコントロールすることができる。液滴の粒径をコントロールすることにより、最終的に得られる単結晶セラミックス粉末の粒径を制御することができる。スプレー・ノズルによる噴霧の工程は、所定のチャンバー内で行われる。なお、加熱下で乾燥をかねた噴霧乾燥法によって顆粒を得ても良い。噴霧乾燥法を用いると、粉砕粉末のように巨大な粉末が混入することがほとんどないため、最終的に得られる製品の品質の信頼性を確保することができる。
【0022】
このようにしてスプレー・ノズルを用いると、本発明において使用するのに適した粒径の小さな顆粒粉を得ることができ、例えば1〜20μm程度の微細な顆粒粉を得ることができる。この粒径は、最終的に得られる単結晶セラミックス粉末の粒径を左右する。粒径は、前述のように、スラリーと圧縮気体との比率によってコントロールすることができ、またスラリー同士を衝突させることにより小さな液滴を作成することもできる。したがって、このようにして得られた顆粒は粉体供給工程へと送られる。
【0023】
粉体供給工程では、顆粒形成工程で得られた顆粒を、セラミックス成分から成る粉体として、キャリアガスとともに加熱領域に供給する。粉体供給工程を実施する具体的な構成として、図1にはキャリアガスと顆粒とを別途用意し、ノズルNを介してキャリアガスとともに顆粒を加熱処理工程に供給する形態を記載している。キャリアガスとしては、各種ガスが使用でき、例えば、空気、窒素ガス、ArガスおよびNeガス等を用いることができる。1300℃以上の加熱が必要な材料については、加熱処理工程におけるNOxの発生を考慮すると、ArガスやNeガスを用いることが望ましい。
【0024】
粉体供給工程における、セラミックス成分から成る粉体を加熱処理工程に供給する手法は、図1に記載された方式に限定されない。例えば、セラミックス成分から成る粉体に対してキャリアガスを含む圧縮ガスを吹き付けることにより加熱処理工程に供給する方式を採用することができる。また、分散機を利用した供給、分級機や粉砕機の出力を利用し供給、つまり分級または粉砕することで出力側から得られる粉末を加熱処理工程に送り込むことも可能である。
本実施の形態おいては、セラミックス成分から成る粉体の噴霧は乾燥状態であっても、水分等を含んだ湿潤状態であってもよい。
【0025】
次に、加熱処理工程において、粉体供給工程からスプレー・ノズルを用いて供給されたセラミックス成分から成る粉体を加熱領域にて焼結処理することにより、単結晶のセラミックス粉末を得る。
加熱処理工程は、加熱炉で実現される。加熱方式としては、電気による加熱、ガスの燃焼熱による加熱および高周波加熱等の公知の方式を採用することができる。特に電気管状炉を用いると、燃焼ガスによる方法に比べて、炉内の雰囲気の制御が容易である。セラミックス成分から成る粉体は炉内で気流を生成するキャリアガスとともに加熱炉内を浮遊した状態で単結晶化および球状化される。セラミックス成分から成る粉体の流速は、捕集効率、熱分解温度に応じて適宜定めることになるが、概ね0.05〜10m/sの範囲、とりわけ1〜5m/sで選択するのが望ましい。粉末の流速は、キャリアガスの流速を制御することにより変えることができる。このとき、加熱炉内にセラミックス成分の粉体が1〜10秒程度滞留するように制御することが好ましい。ただし、少なくともセラミックス粉末が非晶質とならない臨界冷却速度より遅いことが好ましい。臨界冷却速度は物質によって異なり、例えばチタン酸バリウムの場合には、臨界冷却速度は1.3×106(k/sec)である。この速度より速いと、得られるセラミックス粉末はガラス(非晶質)となる。なお、単結晶化に必要な時間は粒径に依存し、小さいほどその時間は短くなる。
【0026】
加熱の条件、特に温度および時間はセラミックスの組成によって適宜定められる。加熱の条件として、加熱炉内の雰囲気は、誘電体材料からなる最終生成物である単結晶セラミックス粉末の種類に応じて酸化性雰囲気、還元性雰囲気または不活性雰囲気が選択される。なお選択された雰囲気に応じて、キャリアガスを選択することができ、または必要なガスを加熱炉内へ供給する。
加熱温度としては、セラミックス成分からなる粉体が単結晶化する温度に設定すればよい。具体的には、セラミックス成分からなる粉体の融点以上に設定する。融点以上に加熱することにより、セラミックス成分の粉体が溶融し、単結晶が得られる。また、セラミックス成分の粉末は一旦溶融するため、表面張力によって得られるセラミックス粉末の形状がより真球に近くなる。
【0027】
本実施の形態のように、固相のセラミックス成分の粉体を乾燥状態で加熱炉に供給すると、固相のセラミックス成分の粉体を液体に分散させて供給する噴霧熱分解法と比較して、液体の存在による減熱がなくなるため、より少ないエネルギーで製造することができる。この場合、例えば顆粒形成工程において形成された顆粒を、一旦保持・保管されることなく、直接キャリアガスと共に加熱処理工程の加熱炉に供給することができる。
【0028】
加熱処理工程で得られた生成物は冷却工程に移行される。具体的には、加熱炉中に冷却ゾーンを設けるか、または加熱炉からキャリアガスとともに大気中に排出されることにより生成物を冷却する。この冷却は、放冷でもよいが冷却媒体を用いて強制的に冷却することもできる。この冷却工程を経ることにより所望する単結晶セラミックス粉末を得る。生成物を比較的急激に冷却することにより、生成物の球体の形状が保たれる。また、冷却工程では、加熱された粉体がそのまま冷却されるため、得られる単結晶セラミックス粉末は粒径が0.1〜30μm程度と小さな粒径のものを得ることができる。さらに好ましくは1〜20μm程度のものを得る。
冷却工程後には、例えばサイクロンやバグフィルタによって粉末を捕集する一方、キャリアガスについては適切な排ガス処理を行った後に排気される。
【0029】
得られる単結晶セラミックス粉末は、単結晶であり、かつ球状である。ここで「球状」とは、表面が平滑な完全な球状のほか、極めて真球に近い多面体を含む。具体的には、Wulffモデルで表されるような安定な結晶面で囲まれた等方的な対称性を有し、かつ球形度が1に近い多面体粒子も含まれる。ここで「球形度」とは、Wadellの実用球形度、すなわち粒子の投射面積に等しい円の直径の粒子の投射像に外接する最小円の直径の比である。本実施の形態では、球形度は0.9〜1であることが好ましく、さらに好ましくは0.95〜1である。球形度が0.9以上であると、単結晶セラミックス粉末を樹脂材料に分散した複合材料として利用するとき、単結晶セラミックス粉末が樹脂材料に対して均一に分散しやすくなり、さらに焼成される場合において不均一性に起因したクラックを発生しづらい。
【0030】
このように、本実施の形態で得られる単結晶セラミックス粉末は結晶粒界や不純物を有さず、単相で、且つ単結晶である。そのため、この単結晶セラミックス粉末は、誘電体材料として使用する場合に、誘電特性の向上に寄与できる、優れた特性を示す。
また本実施の形態に記載の方法で単結晶セラミックス粉末を形成すると、従来の方法で使用されている酸や有機溶媒を使用しないので、有害ガス等の発生もなく、また比較的安価な設備によって製造することができる。さらに本実施の形態において、粉体供給工程において供給されるセラミックス成分からなる粉体とは、粉末、顆粒粉、粉砕粉等、その形態に拘わらず粒子から構成される種々の形態を包含している。したがって、粉体供給工程において供給される粉体は、上記実施の形態のような顆粒に限られず、例えばセラミックス成分を粉砕した粉体であってもよい。この場合、比較的大きな粒径を有する粉体を用いることにより、比較的大きな単結晶セラミックス粉末を形成することも可能である。具体的には、50μm以下の粒子を用いることで、30μm以下の単結晶セラミックス粉末を形成することができる。
【0031】
さらに、本実施の形態では粒径が小さく、且つ球状である単結晶セラミックス粉末を得ることができる。このような単結晶セラミックス粉末は凝集性が低く、分散性と充填性に優れたものとなる。したがって、得られた単結晶セラミックス粉末を、この単結晶セラミックス粉末を分散、保持する結合材と混合して複合材料を形成することができる。
結合材として樹脂を用いることができる。このとき、複合材料中に単結晶セラミックス粉末を30〜98wt%の範囲で含有することが好ましい。また、この樹脂として、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の双方が利用可能であり、具体的にはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、メラミン樹脂、シアネートエステル系樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリビニルベンジルエーテル化合物樹脂、液晶ポリマー、フッ素系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、アクリル樹脂のうち少なくとも一種類以上含んだ樹脂等を挙げることができる。
単結晶セラミックス粉末が、誘電体材料から構成される場合、結合材として前記誘電体材料よりも低融点な誘電体材料を用いることができる。
より低温での焼結による複合誘電体材料の製造を可能とする一方、そのような低温での焼結によって、本来は高い温度の焼結でなければ得られなかった特性を得ることが可能となる。なお、結合材を構成する低融点な誘電体材料は、単結晶セラミックス粉末よりも粒径の小さい粉末を用いて焼結に供することが望ましい。単結晶セラミックス粉末の隙間を、小径な粉末で埋めることにより、単結晶セラミックス粉末を均一に分散させるためである。
【0032】
本発明では、以上の複合材料を種々の電子部品に適用することができる。その一例が図11に示されている。図11は、電子部品の一例である高周波モジュールを示す斜視図である。この高周波モジュールは、複合誘電体層5の表面に、ダイオード6、トランジスタ7およびチップ抵抗8が実装されている。また、高周波モジュールは、複合誘電体層5の裏面および内部にグランド電極1を配設している。さらに、高周波モジュールは、その内部に、スルーホール導体2、コンデンサ形成電極3が配設されている。そして、この複合誘電体層5に、以上説明した複合誘電体材料を適用する。
【0033】
【実施例】
以下本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
酸化バリウム(BaO)粉末および酸化チタン(TiO2)粉末をモル比で1:1に秤量したものに水を加えてボールミルにて12時間混合することにより、スラリー(以下、第1のスラリー)を得た。なお、混合に先立って、分散剤(東亞合成社製A−30SL)を粉末の重量に対して1%の割合で添加した。
第1のスラリーを噴霧乾燥機にて乾燥、顆粒化を行った。この際の噴霧、乾燥条件は特に限定されるものではないが、顆粒粉の粒径が200μm以下となるような条件を設定するのがよい。
得られた顆粒粉を1250℃の温度で1時間焼成することにより、複合酸化物焼結体としてチタン酸バリウムを得た。この焼結体に水を加えかつ分散剤(東亞合成社製A−30SL)を焼結体の重量に対して1%の割合で添加した後ボールミルにて48時間粉砕することにより、1次粒子として平均粒径0.3μmの粉末を含むスラリー(第2のスラリー)を作成した。この第2のスラリーに対して、10wt%濃度に希釈されたPVA(ポリビニルアルコール)溶液を粉末の総重量に対して2wt%添加し、さらに第2のスラリー中の粉末が40wt%になるように調整を行った。
【0034】
第2のスラリーに噴霧乾燥法を適用して顆粒粉を作成した。使用した噴霧乾燥機は藤崎電機(株)製のMDL−050であり、4流体方式のノズルを用い、送液量を40cc/min、ノズルエア量を160NL/min、給気温度を190℃の条件とした。得られた顆粒粉の平均粒径は9.7μmである。
なお、1次粒子の作成時にボールミルの条件を変えて平均粒径が1.5μmの粉末を1次粒子として用いた点を除いて上記と同様にして顆粒粉を得たところ、顆粒粉の平均粒径は58μmとなり、平均粒径を30μm以下にすることが困難であることが確認された。
【0035】
窒素をキャリアガスとして、得られた顆粒粉をセラミックス管からなり加熱源を電気とする加熱炉中へ供給した。炉内温度(加熱処理温度)は1650℃である。また、キャリアガスの流量を1l/minとして、セラミックス管中における顆粒粉の滞留時間を1〜10秒程度となるように調節した。
【0036】
セラミックス管を通過した粉末について、蛍光X線分析装置を用いたX線回折により組織を観察した。X線回折の結果を図2に示す。図2に示すように、チタン酸バリウム(BaTiO3)のピークのみが観察されたことから、得られた粉末はチタン酸バリウム(BaTiO3)の単相から構成されるセラミックス粉末であることが確認された。なお、チタン酸バリウム(BaTiO3)の融点は1637℃である。
また、得られたチタン酸バリウム粉末をSEM(走査電子顕微鏡)により観察した。その結果、粒径0.1〜10μm程度の極めて真球状に近い粉末であること、およびこれら粉末に凝集がないことが確認された。さらに平均粒径を測定したところ約2.5μmであり、また球形度は約1であることが判明した。さらに図3にSEMによる粉末の拡大写真を示すが、個々の粒子を詳細に観察すると、粒子表面全体にわたって対象性を持った結晶面のファセットが見られ、粒子内に粒界を含まない単結晶粒子であることがわかった。
【0037】
また、得られた粉末をTEM(透過電子顕微鏡)により観察した。電子線回折像を図4に示すが、粉末単結晶特有の規則性がある構造を有していることが確認された。
【0038】
(比較例1)
加熱温度を1400℃にした以外は実施例1と同様にしてチタン酸バリウム粉末を得た。得られた粉末のSEMによる粉末の拡大写真を図5に示す。図5より、チタン酸バリウム粒子の表面に粒界の存在が観察された。さらに、電子線回折像を図6に示すが、この電子線解析像の結果からも単結晶ではないことが確認された。
【0039】
(実施例2)
酸化バリウム(BaO)粉末、酸化チタン(TiO2)粉末、酸化ネオジウム(Nd2O3)粉末および酸化マンガン(MnO)粉末を、13.8:54.7:31.4:0.1のモル比にて秤量したものを使用した点以外は、実施例1と同様にしてセラミックス粉末を得た。
得られた粉末を構成する粒子の平均粒径は2.5μmであり、その形状は極めて真球状に近い微粒子であった。また粒子表面全体にわたって、対称性を持った結晶面のファセットが観察され、粒子内に粒界を含まない単結晶粒子であることが確認された。
【0040】
(実施例3)
顆粒粉の形成時に、できるだけ小さな形状の顆粒粉となるようにスプレー方式の噴霧による顆粒粉を形成した点以外は、実施例2と同様にしてセラミックス粉末を得た。なお、顆粒粉の平均粒径は9.1μmであった。
得られた粒子を観察したところ、実施例2とほぼ同じ単結晶粒子が生成されていることが確認された。
【0041】
(参考例1)
酸化鉄(Fe2O3)粉末、酸化ニッケル(NiO2)粉末および酸化亜鉛(ZnO)粉末を、45.3:47.1:7.6のモル比にて秤量したものに水を加えてボールミルにて12時間混合することにより、スラリー(以下、第1のスラリー)を得た。なお、混合に先立って、分散剤(東亞合成社製A−30SL)を粉末の重量に対して1%の割合で添加した。
第1のスラリーを噴霧乾燥機にて乾燥、顆粒化を行った。この際の噴霧、乾燥条件は特に限定されるものではないが、顆粒粉の粒径が200μm以下となるような条件を設定するのがよい。
【0042】
得られた顆粒粉を1000℃の温度で1時間焼成することにより、複合酸化物焼結体を得た。この焼結体に水を加えかつ分散剤(東亞合成社製A−30SL)を焼結体の重量に対して1%の割合で添加した後、ボールミルにて48時間粉砕することにより、1次粒子として平均粒径0.3μmの粉末を含むスラリー(第2のスラリー)を作成した。この第2のスラリーに対して、10wt%濃度に希釈されたPVA(ポリビニルアルコール)溶液を粉末の総重量に対して2wt%添加し、さらに第2のスラリー中の粉末が60wt%になるように調整を行った。
【0043】
第2のスラリーに噴霧乾燥法を適用して顆粒粉を作成した。使用した噴霧乾燥機は藤崎電機(株)製のMDL−050であり、4流体方式のノズルを用い、送液量を40cc/min、ノズルエア量を160NL/min、給気温度を190℃の条件とした。得られた顆粒粉の平均粒径は8.9μmである。
【0044】
窒素をキャリアガスとして、得られた顆粒粉をセラミックス管からなり加熱源を電気とする加熱炉中へ供給した。炉内温度(加熱処理温度)は1500℃である。また、キャリアガスの流量は0.8l/minとして顆粒粉のセラミックス管中における滞留時間を1〜10秒程度となるように調節した。このようにして顆粒粉から、セラミックス粉末(磁性フェライト材料)を得た。
【0045】
得られたセラミックス粉末について、蛍光X線分析装置を用いたX線回折により組織を観察した。その結果、Fe2O3、Fe3O4、FeO、NiFe2O4、ZnFe2O4、CuFe2O4のピークが観察されず、Ni−Cu−Znフェライトの単相から構成された粉末であることが確認された。
また、得られたNi−Cu−Znフェライト粉末をSEMにより観察した。その結果、粒径0.1〜10μm程度の極めて真球状に近い粉末であること、およびこれら粉末に凝集がないことが確認された。さらに平均粒径を測定したところ約2.5μmであり、球形度は約1であった。さらに図7にSEMによる粉末の拡大写真を示すが、個々の粒子を詳細に観察すると、粒子表面全体にわたって対称性を持った結晶面のファセットが見られ、粒子内に粒界を含まない単結晶粒子であることがわかった。
さらに、振動磁力計を用いて単結晶セラミックス粉末の磁気特性を測定した。結果を表1および図8に示す。なお、この磁気特性については後述する。
【0046】
さらに、得られた単結晶セラミックス粉末をエポキシ樹脂に対して含有率が40体積%となるように混合し、スラリー(以下、第3のスラリー)を作成した。この際、エポキシ樹脂として、多官能エポキシ樹脂としてエピビス型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコート1001およびエピコート1007)をそれぞれ26.9wt%ずつ含有させ、またビスフェノールA型高分子エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコート1225)を23.1wt%、特殊骨格を有するエポキシ樹脂としてテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコート1031S)を23.1wt%含むものを主成分とし、硬化剤としてビスフェノールA型のボラック樹脂(油化シェルエポキシ社製YLH129B65)と、硬化促進剤としてイミダゾール化合物(四国化成工業社製2E4MZ)と、を加えたものをトルエンおよびメチルエチルケトンへ溶解させた。これにフェライト単結晶粒子を添加し、ボールミルより分散、混合した。
【0047】
このようにして得られた第3のスラリーをガラスクロスへ塗布し、半硬化状態のプリプレグを作製し、基板の原材料とした。プリプレグを半硬化状態にするまでの熱処理条件として、100℃で2時間加熱した。またガラスクロスは、Hガラス、Eガラス、Dガラス等、特に限定されず、要求特性によって使い分ければよいが、今回はEガラスを使用した。また、ガラスの厚みについても要求に応じて適宜所望する厚みのものを使用すればよく、今回は厚み100μmのものを使用した。得られた半硬化状態のプリプレグを所定枚数重ね、加圧、加熱により約0.4mmの厚みの複合磁性材料とした。この複合磁性材料をトロイダル状に加工して基板を得た。この基板の透磁率の周波数特性を測定した。結果を図10に示す。
【0048】
(参考例2)
酸化鉄(Fe2O3)粉末、酸化ニッケル(NiO2)粉末および酸化亜鉛(ZnO)粉末を、45.3:47.1:7.6のモル比にて秤量したものに水を加えてボールミルにて12時間混合することにより、スラリー(以下、第1のスラリー)を得た。なお、混合に先立って、分散剤(東亞合成社製A−30SL)を粉末の重量に対して1%の割合で添加した。
第1のスラリーを噴霧乾燥機にて乾燥、顆粒化を行った。
【0049】
得られた顆粒粉を1000℃の温度で1時間焼成することにより、複合酸化物焼結体を得た。この焼結体をボールミルにて12時間粉砕することにより、平均粒径3μmの粉末を得た。この粉末について参考例1と同様に磁気特性を測定した。その結果を表1(参考例1を実施例4と、参考例2を比較例2と表記)および図9に示す。
得られた粉末を用いた点を除いて参考例1と同様にして複合磁性材料を作製して透磁率の周波数特性を測定した。結果を図10に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
(参考例1および参考例2において測定した磁気特性)
表1に示すように、参考例1で得られたフェライト粉末は参考例2で得られた粉末よりも飽和磁束密度が向上していることがわかる。また、図8および図9は参考例1および参考例2で得られた粉末のヒステリシス曲線を示すが、参考例1と参考例2の結果を比較すると、参考例1ではヒステリシス損失が低減され、磁性フェライト材料として低損失のものであることが確認された。さらに、図10に示すように、参考例1(図10には実施例4と表記)と参考例2(図10には比較例2と表記)における透磁率の周波数特性を比較すると、参考例1による複合磁性材料の方が1000MHzを超える領域まで20%ほど高い値を示していることが確認された。
【0052】
(実施例5)
まず、酸化マグネシウム(MgO)粉末、酸化チタン(TiO2)粉末をそれぞれ1:1のモル比にて秤量したものに水を加えてボールミルにて12時間混合することにより、スラリー(第1のスラリー)を得た。なお、混合の際、分散剤(東亞合成社製A−30SL)を粉末の総重量に対して1%の割合にて添加した。
この第1のスラリーを噴霧乾燥機にて乾燥、顆粒化を行い、複合酸化物顆粒を得た。この際の噴霧乾燥条件は、特に限定されるものではないが、顆粒径がおおよそ200μm以下となるような条件を設定することがよい。
この顆粒を1250℃の温度で1時間焼成することにより、複合酸化物を反応・焼結させた。その後、この複合酸化物に水および分散剤(東亞合成社製A−30SL)を加え、再度ボールミルにて48時間粉砕し、平均粒径0.5μmの微粉末で構成されるスラリー(第2のスラリー)を作製した。この第2のスラリーに、10wt%濃度に希釈されたPVA(ポリビニルアルコール)溶液を粉末の総重量に対して2wt%濃度で添加し、さらに第2のスラリー中の粉末が重量比で40wt%になるように調整を行った。
第2のスラリーに噴霧乾燥法を適用して顆粒粉を作成した。使用した噴霧乾燥機は藤崎電機(株)製のMDL−050であり、4流体方式のノズルを用い、送液量を40cc/min、ノズルエア量を160NL/min、給気温度を190℃の条件とした。得られた顆粒粉の平均粒径は9.7μmである。
【0053】
次に、上記により得られた顆粒粉を、窒素と酸素の混合ガスをキャリアガスとして、1600℃に加熱されたセラミックス管中に供給した。なお、キャリアガス流量により、生成粉末の滞留時間が1〜10秒程度となるように調節した。
セラミックス管を通過した粉末について、蛍光X線分析装置を用いたX線回折の結果から、チタン酸マグネシウムの単相であることが確認された。また、得られたチタン酸マグネシウム粉末をSEMで観察を行ったところ、この粉末には凝集がないことを確認した。また、各粉末は粒径0.1〜10μm程度で極めて真球状に近い微粒子からなっており、平均粒径は約1.5μm、球形度は約1であることを確認した。個々の粒子を詳細に観察すると、粒子表面全体にわたって対称性を持った結晶面のファセットがみられ、粒子内に粒界を含まない単結晶粒子であることがわかった。
【0054】
上記単結晶粉末と焼成温度の離れたガラス材料(日本電気硝子製MgO・B2O3・SiO2系ガラスGA−60、平均粒径:0.15μm)を、上記単結晶粉末が65体積%となるように秤量し、トルエンとエタノールの混合溶媒中にポリビニルブチラール(積水化学エスレックBH−3)を溶かしたスラリーに混合し、誘電体スラリーを作製した。
混合の際にはボールミルを用い、均質な混合分散ができるようにした。これをドクターブレード法にて約200μm厚のグリーンシートに成型した。その後厚み約1300μmになるようにグリーンシートを積層し、900℃で2時間保持する条件で焼成を行い、焼結体を得た。さらに、この焼結体から、長さ8mm、幅1mm、厚み1mmのスティック状の試料を作成して誘電率および品質係数Q(=1/tanδ)を測定した。なお、比較例3として、前記ガラス材料のみを900℃で2時間保持する条件で焼成した焼結体の特性を測定した。結果を表2に示す。
実施例5は、900℃という低温焼成においても、ガラス単体に比べてQの大きな複合材料が得られることを示唆している。また、実施例5は、単結晶のチタン酸マグネシウム粉末を用いるため、焼成過程において、チタン酸マグネシウム粉末とガラスとの反応が表面だけに抑制され、チタン酸マグネシウムの有するQの低減を最小限にすることができるものと解される。その結果として、Qの高い複合材料が実現される。
【0055】
【表2】
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、球状かつ単結晶のセラミックス粉末を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 セラミックス粉末の製造工程概略の一例を示す説明図である。
【図2】 実施例1により得られたセラミックス粉末のX線回折結果を示すチャートである。
【図3】 実施例1により得られたセラミックス粉末のSEM像を示す写真である。
【図4】 実施例1により得られたセラミックス粉末の電子線回折像を示す写真である。
【図5】 比較例1により得られたセラミックス粉末のSEM像を示す写真である。
【図6】 比較例1により得られたセラミックス粉末の電子線回折像を示す写真である。
【図7】 参考例1により得られたセラミックス粉末のSEM像を示す写真である。
【図8】 参考例1により得られたセラミックス粉末の磁気特性を示すグラフである。
【図9】 参考例2により得られたセラミックス粉末の磁気特性を示すグラフである。
【図10】 参考例1および参考例2により得られたセラミックス粉末を用いて形成された基板の透磁率を示すグラフである。
【図11】 本発明が適用される高周波モジュールを示す透視斜視図である。
【符号の説明】
1…グランド電極、2…スルーホール電極、3…コンデンサ形成電極、5…複合誘電体層、6…ダイオード、7…トランジスタ、8…チップ抵抗
Claims (6)
- 誘電体材料からなる単結晶球状酸化物粉末と、前記単結晶球状酸化物粉末を分散、保持する結合材と、からなる複合材料であって、
前記単結晶球状酸化物粉末は、平均粒径が1〜30μmであり、かつ0.9以上の球形度を備えることを特徴とする複合材料。 - 前記単結晶球状酸化物粉末の平均粒径が1〜20μmであることを特徴とする請求項1記載の複合材料。
- 前記単結晶球状酸化物粉末は、30〜98wt%の範囲で含有することを特徴とする請求項1記載の複合材料。
- 前記結合材が前記単結晶球状酸化物粉末を構成する誘導体材料よりも低融点の誘電体材料から構成されることを特徴とする請求項1記載の複合材料。
- 前記単結晶球状酸化物粉末の量が30〜70体積%であることを特徴とする請求項4記載の複合材料。
- 誘電体層中に内部金属電極が配設された電子部品であって、
前記誘電体層が、
誘電体材料からなる単結晶球状酸化物粉末と、前記単結晶球状酸化物粉末を分散、保持する結合材と、からなる複合材料からなり、前記単結晶球状酸化物粉末は、平均粒径が1〜30μm、0.9以上の球形度を備えることを特徴とする電子部品。
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