JP3336574B2 - セラミックグリーンシートの積層体とその製造方法 - Google Patents
セラミックグリーンシートの積層体とその製造方法Info
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Description
ーや積層チップインダクター等の積層電子部品を製造す
るためのセラミックグリーンシートの積層体とそれを製
造する方法に関する。
層セラミックコンデンサーは、内部電極を有する誘電体
セラミック層が多数積み重ねられ、内部電極が積層体の
端面に交互に引き出されている。そして、これらの内部
電極が引き出された積層体の端面に外部電極が形成され
ている。
来の製造方法は、誘電体セラミック粉末を有機バインダ
ーに分散させたセラミックスラリーを、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム等のキャリアフィルム上にロール
コーター等で塗布し、その後塗布したセラミックスラリ
ーを乾燥することにより、薄いセラミック層からなるセ
ラミックグリーンシートを作る。次に、スクリーン印刷
法等により、このセラミックグリーンシートの上に導電
ペーストで内部電極パターンを印刷する。そして、この
内部電極パターンが印刷されたグリーンシートを所定の
大きさに裁断した後、これを所定の順序で積層し、さら
にその両側に内部電極パターンが印刷されてないグリー
ンシートを複数枚積み重ねる。こうして得られた積層体
を内部電極が端面に露出するようにしてチップ状に切断
し、これを焼成する。これにより、焼結された積層体が
得られる。そして、この焼結された積層体の内部電極が
露出した端面に導電ペーストを塗布し、これを焼き付け
て外部電極を形成する。これにより、積層チップコンデ
ンサが完成する。
では、数百〜千センチポイズ程度の粘度に調整されたセ
ラミックスラリーが使用され、これがキャリアフィルム
上に塗布された後乾燥される。この乾燥工程では、全長
が十数mに及ぶトンネル炉が使用され、セラミックスラ
リーを塗布したキャリアフィルムをこのトンネル炉に導
入し、加熱、乾燥する。セラミックグリーンシートにヒ
ビやブリスター(気泡)が発生するのを防止するため、
トンネル炉は内部が複数のゾーンに分けられ、入口から
奥に進むに従って次第に温度が高くなり、最高温度に達
した後、出口付近で降温され、その後引き出される。ま
た、トンネル炉はバインダー中の溶剤の蒸発を促し、乾
燥効率を高めるため絶えず換気されており、溶剤の蒸気
濃度は20%以下に抑えられている。そして、加熱温度
は最高120℃前後に達する。
小型化される中で、前記のような積層セラミックコンデ
ンサや積層セラミックインダクター等の積層電子部品に
ついても、小型化、大容量化が要求されている。このよ
うなコンデンサを歩留り良く製造するためには、前記の
グリーンシートに精度良くパターンを印刷し、これを精
度良く積層する技術が必要である。
ンシートの上に、導電ペースト等の印刷ペーストを使用
して、内部電極等のパターンを印刷すると、印刷ペース
トに含まれる溶剤がセラミックグリーンシートに含まれ
るバインダー成分を溶かし、セラミックグリーンシート
のパターンが印刷された部分が膨潤して延び、皺が出来
たり印刷パターンの変形等が生じる。このような現象
は、いわゆるシートアタックと呼ばれている。
用して積層体を作ると、積層精度が悪くなり、上下のセ
ラミックの印刷パターンがずれて、特性のバラツキが生
じる。例えば、積層セラミックコンデンサーであれば静
電容量のバラツキが起こり、積層セラミックインダクタ
ーであれば、インダクタンスのバラツキが生じる。ま
た、積層体の層間剥離等のデラミネーションも起こりや
すくなる。本発明は従来のセラミックグリーンシートの
積層体における前記のような課題に鑑み、印刷ペースト
によるセラミック層のシートアタックが生じにくいセラ
ミックグリーンシートの積層体とそれを製造する方法を
提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、セラミックグリーンシート
の積層体を構成するセラミック層7の印刷面側のセラミ
ック粉末4のバインダー5中の分散密度が非印刷面側の
セラミック粉末4の分散密度より高くしたものである。
例えば、セラミック層7の印刷面がキャリアフィルム3
に接したのと反対側の面であることが多いが、その場合
はその面側のセラミック粉末4の分散密度を、キャリア
フィルムに接した側のセラミック粉末4の分散密度より
高くする。
層体を製造する方法は、次の通りである。まず、キャリ
アフィルム3の上に、バインダー5にセラミック粉末を
分散させたセラミックスラリーを塗布し、乾燥するに当
り、キャリアフィルム3上にセラミックスラリーを塗布
した後、セラミック層7の印刷面となる側を上にしてバ
インダー5の溶剤の高濃度蒸気雰囲気においてセラミッ
クスラリーの層を加熱処理する。例えば、飽和蒸気濃度
の80%以上の溶剤蒸気雰囲気において、80℃以上の
温度で加熱処理する。その後、前記セラミックグリーン
シートの印刷面に印刷ペーストを用いてパターン8を印
刷し、このセラミックグリーンシートを複数積層し、セ
ラミックグリーンシートの積層体を得る。
積層体の製造方法において、キャリアフィルム3上にセ
ラミックスラリーを塗布した後、バインダー5の溶剤の
高濃度蒸気雰囲気においてセラミックスラリーの層を加
熱処理すると、加熱温度の割にはバインダー5に含まれ
る溶剤が蒸発しにくい。従って、セラミックスラリーの
表面から僅かずつバインダー5の溶剤が蒸発するが、同
時に、高温によりキャリアフィルム上に塗布されたセラ
ミックスラリーの中では対流が起る。この対流により、
セラミックスラリーに均一に分散したセラミック粉末4
がセラミックスラリーの層の中で上昇し、セラミック層
7の印刷面となる上面側に集まる。従って、セラミック
スラリーの層の下側より上側でセラミック粉末4のバイ
ンダー5中への分散密度が高くなる。そして、この状態
でキャリアフィルム3上に塗布されたセラミックスラリ
ーが次第に乾燥され、セラミックグリーンシートを構成
するセラミック層7となる。これにより、セラミック層
7の印刷面側のセラミック粉末4のバインダー5中の分
散密度が非印刷面側のセラミック粉末4の分散密度より
高いセラミックグリーンシートが得られる。
グリーンシートでは、セラミック層7の印刷面側のバイ
ンダー5が非印刷面側より少なくなるので、印刷ペース
トを用いてその印刷面に内部電極等のパターンを印刷し
ても、印刷ペーストの溶剤によるバインダー5の侵食が
少なく、いわゆるシートアタックが起りにくい。このた
め、印刷パターン部分の伸びが起こり難く、印刷パター
ンの変形等が生じ難くなる。他方、セラミック層7の非
印刷面側ではバインダー5の濃度が高くなるため、密着
性が良くなり、積層した時の層間剥離等が起こり難くな
り、いわゆるデラミネーション等の構造欠陥が生じ難く
なる。従って、前記セラミックグリーンシートの印刷面
に印刷ペーストを用いてパターン8を印刷し、このセラ
ミックグリーンシートを複数積層した本発明によるセラ
ミックグリーンシートの積層体は、積層精度がよく、ま
たデラミネーション等の構造欠陥が生じにくい。
について具体的且つ詳細に説明する。図1に示すよう
に、本発明によるセラミックグリーンシートの積層体を
製造するためのセラミックグリーンシートは、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム等のキャリアフィルム3上
に形成された薄いセラミック層7からなる。このセラミ
ック層7は、例えば積層セラミックコンデンサーを製造
するためのものであれば、チタン酸バリウム等の誘電体
からなるセラミック粉末4をバインダー5に分散したも
のであり、また積層セラミックインダクターを製造する
ためのものであれば、フェライト等の磁性体からなるセ
ラミック粉末4をバインダー5に分散したものである。
断時の位置決め等のため、キャリアフィルム3に一定の
間隔で設けた位置決め孔である。このようなセラミック
グリーンシートを構成するセラミック層7の表面には、
印刷ペーストを用い、図2(a)で示すような複数の積
層電子部品の内部電極等のパターン8が縦横に配列され
て同時に印刷される。その後、図2(b)で示すように
このセラミックグリーンシートが所定の形状に裁断さ
れ、さらに図2(c)で示すように積層され、圧着され
る。その後、この積層体が裁断され、個々の積層電子部
品のための積層チップに分割される。この積層チップ
は、焼成された後、例えばその両端等の表面に外部電極
用の導電ペーストが印刷され、焼き付けられる。これに
より積層電子部品が完成する。
る積層セラミックコンデンサは、例えば、図3に示すよ
うな層構造を有する。すなわち、内部電極15、16を
有する誘電体層11、11…が図6で示す順序に積層さ
れ、さらにその両側に内部電極が形成されてない誘電体
層17、18が複数層積み重ねられる。そして、このよ
うな積層体の内部電極15、16が露出した端面に図示
されてない外部電極が形成される。従って、前述のセラ
ミックグリーンシートの積層工程では、このような層構
造となるようにセラミックグリーンシートが積層される
ことは言うまでもない。
層構造を示す概念図である。磁性体層21、21…は、
周回状の内部電極35a、35b、35c、35d、3
5e、35fを有する。磁性体層21、21…の内部電
極35a、35b、35c、35d、35e、35fの
一端部に当たる位置に、スルーホール32、32…が設
けられ、そこににスルーホール導体33、33…が形成
されている。
35a、35b、35c、35dを有する磁性体層2
1、21…を適当な組数だけ順次積層される。さらにこ
れら磁性体層21、21…の両側には、導体35aに代
えて、内部導体引出し部25、26を各々有する内部電
極35e、35fが各々印刷された磁性体層23、24
が積層される。ここで、磁性体層21、21…が積層さ
れた状態では、上下の磁性体層21、21…の内部電極
35a、35b、35c、35dの端部は、前記スルー
ホール32、32…を介して順次接続され、積層体の内
部にコイル状に連なった一連の導体が形成される。さら
にその両側に内部電極を有しない磁性体層27、28が
積層される。
が異なるが、コンデンサーとインダクターとを組み合わ
せたLCフィルターや共振器等の複合部品、或は内部に
回路パターンを形成した多層回路基板からなる混成集積
回路等も同様にして製造される。図1(a)に、このよ
うな積層電子部品を製造するための本発明によるセラミ
ックグリーンシートの内部構造を模式的に示す。既に述
べた通り、セラミックグリーンシートは、キャリアフィ
ルム3の上にバインダー5にセラミック粉末4を分散さ
せたセラミックスラリーを塗布し、乾燥することにより
形成されたセラミック層7からなる。図1(a)に示さ
れたように、このセラミック層7にはバインダー5中に
セラミック粉末4が分散しているが、セラミック層7の
印刷面側のセラミック粉末4のバインダー5中への分散
密度は、非印刷面側のセラミック粉末4の分散密度より
高くなっている。より具体的には、前記セラミック層7
の印刷面がキャリアフィルム3に接したのと反対側の面
であるため、図1(a)において、セラミック層7の上
側のセラミック粉末4のバインダー5中への分散密度
が、キャリアフィルム3に接した下面側のセラミック粉
末4の分散密度より高くなっている。
リーンシートでは、印刷ペーストを用いてセラミック層
7の印刷面に内部電極等のパターンを印刷しても、印刷
ペーストの溶剤によるシートアタックが起りにくい。こ
のため、印刷パターン部分の伸びが起こり難く、印刷パ
ターンの変形等が生じ難くい。また、セラミックグリー
ンシートを積層した時の層間剥離等が起こり難くなり、
いわゆるデラミネーション等の構造欠陥が発生し難くな
る。
次のようにして作られる。まず微細化したセラミック粉
末と有機バインダーとを混練してスラリーを作り、これ
をロールコータ等によってベースフィルム上に均一な厚
さで薄く展開し、乾燥することにより作られる。この場
合に、キャリアフィルム3上にセラミックスラリーを塗
布した後、直ちにセラミックスラリーを乾燥することな
く、セラミック層7の印刷面となる側を上にしてセラミ
ックスラリーの溶剤の高濃度蒸気雰囲気においてセラミ
ックスラリーの層を加熱処理する。これと同時またはそ
の後に、セラミックスラリーの層からバインダーの溶剤
を蒸発させ、乾燥する。
塗布したセラミックスラリーの乾燥は、通常トンネル炉
で行うが、例えば、トンネル炉の最初のゾーンを、飽和
蒸気濃度の80%以上の溶剤蒸気雰囲気において、80
℃以上の温度とし、その後通常の乾燥ゾーン、つまり低
溶剤蒸気雰囲気下での乾燥に移るようにする。或は、ト
ンネル炉の入口と出口の通気を極力抑制することで、そ
の全体のゾーンを、飽和蒸気濃度の80%以上の溶剤蒸
気雰囲気において、80℃以上の温度としてセラミック
グリーンシートの乾燥を行ってもよい。
造方法では、溶剤の高濃度蒸気雰囲気のため、加熱温度
の割にはセラミックスラリー中のバインダー5に含まれ
る溶剤の蒸発は緩慢である。このためセラミックスラリ
ーの表面から僅かずつバインダー5の溶剤が蒸発する程
度となる。同時に、高温によりキャリアフィルム3上に
塗布されたセラミックスラリーの中で対流が起る。この
対流により、セラミックスラリーに均一に分散したセラ
ミック粉末4がセラミックスラリーの層の中で上昇し、
セラミック層7の印刷面となる上面側に集まり、セラミ
ック粉末の濃度勾配が形成される。その後、キャリアフ
ィルム上に塗布されたセラミックスラリーが乾燥され、
セラミックグリーンシートを構成するセラミック層7と
なるので、前記のセラミック粉末の濃度勾配が固定さ
れ、セラミック層7の印刷面側のセラミック粉末4の分
散密度が非印刷面側のセラミック粉末4の分散密度より
高いセラミックグリーンシートが得られる。
剤濃度の80%未満とした場合、キャリアフィルム上に
塗布されたセラミックスラリーからの溶剤の蒸発が速く
なるため、加熱温度によっては前述のようなセラミック
粉末の濃度勾配が生じ難くなる場合もある。また、加熱
温度が80℃未満の場合、キャリアフィルム3上の塗布
されたセラミックスラリー内での対流が起こりにくくな
るため、トンネル炉内の空気中の溶剤濃度によっては、
やはり前述のようなセラミック粉末の濃度勾配が生じ難
くなる場合もある。従って、トンネル炉の少なくとも初
めのゾーンは、飽和蒸気濃度の80%以上の溶剤蒸気雰
囲気とし、加熱温度を80℃以上の温度とすることが望
ましい。
まずロールコーターでポリエチレンテレフタレートフィ
ルムからなるキャリアフィルム上にセラミックスラリー
を均一な厚みで薄く塗布し、その後このキャリアフィル
ムをトンネル炉に導入し、その上に塗布したセラミック
スラリーを乾燥し、セラミックグリーンシートを製作し
た。使用したバインダーの溶剤は、トルエンとアルコー
ルが7:3の割合からなる有機溶剤である。
ンシートの入口と出口部分を絞り、全体のゾーン雰囲気
の溶剤濃度を溶剤飽和濃度の85%とし、加熱温度を8
0℃とした。なお、製作したセラミックグリーンシート
の厚みは70μmであり、これを何れも同じ方法と条件
で10ロット作った。このようにして得られたセラミッ
クグリーンシートを使用し、前述のような既知の方法に
より、ターン数5回、標準縦横寸法2.1mm、長さ
2.5mmの積層セラミックインダクターを製造した。
ターを破断し、その断面を顕微鏡観察したところ、積層
体の各層においてセラミック粉末の密度勾配が見られ
た。また、これらの積層セラミックインダクター500
個について、それらの各層の延び、積層精度、インダク
タンス値L、Q値及びデラミネーション等の構造欠陥の
発生率を測定した。その結果を表1に示す。また、比較
のため、トンネル炉内のセラミックグリーンシートの入
口と出口部分を絞らず、第一ゾーン雰囲気の溶剤濃度を
溶剤飽和濃度の10%以下とし、加熱温度を40℃と
し、最高加熱温度を80℃としてキャリアフィルムに塗
布したセラミックスラリーを乾燥した以外は、前記と同
様にしてセラミックグリーンシートを作り、これから積
層セラミックインダクターを作った。
ターを破断し、その断面を顕微鏡観察したところ、積層
体の各層においてセラミック粉末の密度勾配は見られな
かった。また、これらの積層セラミックインダクター5
00個について、それらの各層の延び、積層精度、イン
ダクタンス値L、Q値及びデラミネーション等の構造欠
陥の発生率を測定し、その結果を表1に示した。この表
1から明かなように、本発明の実施例は、比較例に比べ
て層の伸び及び積層精度が小さく、インダクタンス値L
及びQ値のバラツキが小さくなっていることが分かる。
また、構造欠陥も発生していない。
の製造方法において、トンネル炉の全体のゾーン雰囲気
の溶剤濃度を溶剤飽和濃度の70〜95%と5%の段階
で変え、同時にその加熱温度を70〜120℃と10℃
の段階で変え、セラミックグリーンシートを作り、それ
から同様にして積層セラミックインダクターを製造し
た。この積層セラミックインダクターを断面し、その各
層にセラミック粉末の分散密度勾配が見られるか否かを
調べた。なお、前記ゾーン雰囲気の溶剤濃度は、トンネ
ル炉の入口と出口のダンパーの調整により制御した。こ
の結果、積層セラミックインダクターの断面の各層にセ
ラミック粉末の分散密度勾配が明確に見られるのを○、
セラミック粉末の分散密度勾配が不明確ないしは見られ
ないものを×で表2に示した。
雰囲気濃度が飽和溶剤濃度の75%では、乾燥温度が7
0℃と低くなければ、セラミックグリーンシートのセラ
ミック粉末の分散密度勾配が生じないことが分かる。他
方、加熱温度を70℃とすると、炉の溶剤雰囲気濃度を
飽和溶剤濃度の90%以上と高くしないと、セラミック
グリーンシートのセラミック粉末の分散密度勾配が生じ
ないことが分かる。これらの場合、セラミックスラリー
中に含まれる溶剤の蒸発が緩慢過ぎるため、生産性の低
下をもたらすことになる。換言すると、乾燥時の溶剤蒸
気雰囲気を飽和蒸気濃度の80%以上、加熱温度を80
℃以上とした場合が安定してセラミックグリーンシート
のセラミック粉末の分散密度勾配が生じ、セラミックス
ラリーの溶剤の乾燥の速さも適当であるため、望ましい
ということができる。
を製造する場合の具体例であったが、他の積層電子部
品、例えば積層セラミックコンデンサーを製造する場合
も同様にして効果が見られる。すなわち、積層セラミッ
クコンデンサーの製造に本発明を適用した場合は、静電
容量値のバラツキが少なくなる等の効果が得られる。前
記の溶剤雰囲気濃度や加熱温度の条件は、積層セラミッ
クコンデンサー等の他の積層電子部品の製造の場合も同
様である。
刷ペーストを使用してセラミックグリーンシートに内部
電極等のパターンを印刷するときの、印刷ペーストによ
るシートアタックが生じにくいので、印刷時のシートの
延びがない。このため、高い積層精度を有する積層体が
得られる。しかもこの積層体は、デラミネーション等の
構造欠陥の発生も少ない。これにより、特性が安定し、
不良率の少ない積層電子部品が製造できるという効果が
得られる。
体を得るためのセラミックグリーンシートのセラミック
粉末の分布を示す概念図、同セラミックグリーンシート
の要部断面図及び同セラミックグリーンシートの部分斜
視図である。
して積層電子部品を製造するための積層体を作る過程を
示す平面図と完成した積層体の斜視図である。
して作られる積層セラミックコンデンサーの層構造を示
す分解斜視図である。
して作られる積層セラミックインダクターの層構造を示
す分解斜視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 印刷面側のセラミック粉末(4)のバイ
ンダー(5)中の分散密度が非印刷面側のセラミック粉
末(4)の分散密度より高いセラミックグリーンシート
の印刷面に印刷ペーストを用いてパターン(8)を印刷
し、このセラミックグリーンシートを複数積層したこと
を特徴とするセラミックグリーンシートの積層体。 - 【請求項2】 前記請求項1に記載されたセラミックグ
リーンシートの積層体を製造する方法であって、キャリ
アフィルム(3)の上に、バインダー(5)にセラミッ
ク粉末を分散させたセラミックスラリーを塗布した後、
セラミック層(7)の印刷面となる側を上にしてバイン
ダー(5)の溶剤の高濃度蒸気雰囲気においてセラミッ
クスラリーの層を加熱処理し、その後、前記セラミック
グリーンシートの印刷面に印刷ペーストを用いてパター
ン(8)を印刷し、このセラミックグリーンシートを複
数積層することを特徴とするセラミックグリーンシート
の積層体の製造方法。 - 【請求項3】 バインダーの溶剤の高濃度蒸気雰囲気が
溶剤の飽和蒸気濃度の80%以上であることを特徴とす
る請求項2に記載のセラミックグリーンシートの積層体
の製造方法。 - 【請求項4】 バインダーの溶剤の高濃度蒸気雰囲気に
おけるセラミックスラリーの層の熱処理温度が80℃以
上であることを特徴とする請求項2または3に記載のセ
ラミックグリーンシートの積層体の製造方法。
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JP15538795A JP3336574B2 (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | セラミックグリーンシートの積層体とその製造方法 |
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JPH08325062A JPH08325062A (ja) | 1996-12-10 |
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- 1995-05-29 JP JP15538795A patent/JP3336574B2/ja not_active Expired - Fee Related
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