JP4211138B2 - 高周波切替装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波の送信・受信技術の一端を担う高周波切替装置に係り、特に双方向又は単方向の高周波スイッチとして具体化される高周波切替装置を好適に実現するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の高周波切替装置としては例えば、伝送線路に設けたスタブにドレイン端子を接続し且つソース端子を接地した電界効果トランジスタを用い、該トランジスタをon又はoffすることより高周波信号を通過又は遮断する高周波双方向スイッチがある。また、入・出力側を高周波伝送線路とスタブによって整合させ、電界効果トランジスタをonすることにより入力信号を増幅して通過させる又は、電界効果トランジスタをoffすることにより入力信号を遮断する高周波単方向スイッチがある。ところが、これら高周波切替装置では、利用する周波数が高くなるほど、入力信号を損失無く出力させるように伝送線路やスタブの整合を取るのが困難になってくる。これは波長が短くなると、線路長の加工ばらつきや、特にトランジスタのSパラメータのばらつきの影響が大きくなるからである。
【0003】
例えば、図11のような多入力1出力の高周波切替装置において、複数個ある入力ポート51,52,53のうち、ある一つの入力ポート52からの信号を出力ポート58に取り出すことを考える。このとき、電界効果トランジスタからなる高周波スイッチ54,55,56のうち、スイッチ55だけをon状態にし、残りのスイッチ54,56をoff状態にすることによりポート52から入力した高周波信号のみを分岐点57に入力する。分岐点57に入力した高周波信号は、出力ポート58へ向かう信号とスイッチ54及び56の出力側へ向かう信号とに別れる。
【0004】
ところがこの場合、入力信号が高周波であると、出力ポート58に出力される信号強度を最大にするには、スイッチ54や56の出力側で反射する信号の位相回転や、分岐点57に至るまでの線路内位相を考慮してスイッチを設計しなければならない。つまり、スイッチ54,56での反射信号の位相回転の大きさを誤差なく把握していないと、出力ポート58に出力される信号強度はスイッチ54,56の出力側での反射信号と打ち消し合うおそれがある。従って、各スイッチの出力側の位相回転を表すトランジスタの出力側の反射係数S22の位相ばらつきが大きいと、性能の良い高周波切替装置が構築できないことになる。
【0005】
従来はこのようなトランジスタの特性ばらつきを低減させるために、物理的な形状のばらつきを低減させるような、半導体製造装置の膜厚制御技術の向上(特開平10−140349号公報)や、トランジスタを製造するためのエッチングばらつきの低減(特開平10−112455号公報)を狙った研究がなされてきた。しかしながら、こうした試みによってトランジスタの形状ばらつきは改善されるものの、完全にばらつきをなくすことは不可能である。また、トランジスタの構造自体の工夫においても、ソース抵抗の低減(特開平10−98180号公報や特開平10−154806号公報)といったトランジスタ性能の向上に的を絞っているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、トランジスタの物理的な形状ばらつきをある程度考慮した上で、特性ばらつきを抑えるトランジスタ構造を構築し、そのトランジスタを用いることにより高周波切替装置の性能を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の高周波切替装置は、高周波双方向スイッチとして具体化されるものであり、伝送線路より分岐して設けられるスタブと、該スタブにドレイン端子を接続し且つソース端子を接地した電界効果トランジスタとを備える。そしてその特徴として、電界効果トランジスタの出力側の反射係数S22の位相ばらつきを抑制し得る態様にて同電界効果トランジスタのゲート電極をソース電極側にオフセットし、それにより、ゲート電極とドレイン電極との間の距離を長くしており、電界効果トランジスタにはメサが設けられるとともに、同メサ上にゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極が配置され、前記メサの幅と前記スタブの幅とが揃えられている。
【0008】
電界効果トランジスタのゲート電極とドレイン電極との間の容量であるCgdは、トランジスタの出力側の反射係数S22への影響が大きいが、請求項1の発明によれば、このCgdのばらつきが低減でき、S22の位相ばらつきが小さくなる。従って、電界効果トランジスタのon時の挿入損失が低減でき、また、off時のアイソレーションが向上する。その結果、トランジスタの加工精度のばらつき、すなわち物理的な形状ばらつきをある程度考慮した上で、特性ばらつきを抑えたトランジスタ構造が構築でき、そのトランジスタを用いることにより高周波切替装置の性能が向上する。
【0009】
請求項2に記載の高周波切替装置は、高周波双方向スイッチとして具体化されるものであり、複数の入・出力兼用ポートと、該複数の入・出力兼用ポートが入力ポートとなるとき出力ポートなり、同複数の入・出力兼用ポートが出力ポートとなるとき入力ポートとなる一つの入・出力兼用ポートと、複数並列に設けられる電界効果トランジスタとを備え、多入力1出力の機能と1入力多出力の機能とを併せ持つ。そしてその特徴として、電界効果トランジスタの出力側の反射係数S22の位相ばらつきを抑制し得る態様にて同電界効果トランジスタのゲート電極をソース電極側にオフセットし、それにより、ゲート電極とドレイン電極との間の距離を長くしており、電界効果トランジスタにはメサが設けられるとともに、同メサ上にゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極が配置され、前記メサの幅と前記スタブの幅とが揃えられている。
【0010】
請求項2の発明によれば請求項1と同様に、電界効果トランジスタのゲート電極とドレイン電極との間の容量であるCgdのばらつきが低減でき、S22(トランジスタの出力側の反射係数)の位相ばらつきが小さくなる。従って、個々の電界効果トランジスタのon時の挿入損失が低減でき、また、off時のアイソレーションが向上する。その結果、トランジスタの加工精度のばらつき、すなわち物理的な形状ばらつきをある程度考慮した上で、特性ばらつきを抑えたトランジスタ構造が構築でき、そのトランジスタを用いることにより高周波切替装置の性能が向上する。
【0011】
また、複数の伝送線路のうち何れかの伝送線路を通過した入力信号が、他の伝送線路にスタブを介して接続されたトランジスタの出力側に回り込む時、位相の回転がばらつかないために、スタブが設計通りに機能する。従って、回り込んだ入力信号が入力ポート側へ洩れることがなく、出力ポート側へ損失無く反射される。それ故、この反射信号が出力ポートに向かう入力信号と合成される際、入力信号の損失が小さい状態で同入力信号が出力される。
【0012】
請求項3に記載の高周波切替装置は、多入力1出力の高周波単方向スイッチとして具体化されるものであり、複数並列に設けられる電界効果トランジスタを備える。そしてその特徴として、電界効果トランジスタの出力側の反射係数S22の位相ばらつきを抑制し得る態様にて同電界効果トランジスタのゲート電極をソース電極側にオフセットし、それにより、ゲート電極とドレイン電極との間の距離を長くしており、電界効果トランジスタにはメサが設けられるとともに、同メサ上にゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極が配置され、前記メサの幅と前記スタブの幅とが揃えられている。
【0013】
請求項3の発明によれば請求項1,2と同様に、電界効果トランジスタのゲート電極とドレイン電極との間の容量であるCgdのばらつきが低減でき、S22(トランジスタの出力側の反射係数)の位相ばらつきが小さくなる。従って、複数の伝送線路のうち何れかの伝送線路を通過した入力信号が他の伝送線路(遮断された伝送線路)のトランジスタの出力側に回り込む時、すなわち、onしたトランジスタを通過した入力信号がoffしたトランジスタの出力側に回り込む時、トランジスタの出力側での位相の回転がばらつかないため、この出力側での反射信号がトランジスタを通過した入力信号と合成される際に位相がずれるといった不都合が解消される。それ故、入力信号の損失が小さい状態で同入力信号が出力される。その結果、トランジスタの加工精度のばらつき、すなわち物理的な形状ばらつきをある程度考慮した上で、特性ばらつきを抑えたトランジスタ構造が構築でき、そのトランジスタを用いることにより高周波切替装置の性能が向上する。
【0014】
請求項4に記載したように請求項3の発明においては、電界効果トランジスタのドレイン電極に印加する直流バイアスを切り替えることにより、電界効果トランジスタのon又はoffを行う。そのため、請求項3の効果に加え、電界効果トランジスタのoff時のアイソレーションが大きくなるとともに、消費電力が低減できる。
【0015】
請求項5に記載の発明では、電界効果トランジスタをゲートリセス構造とすることにより、トランジスタの高耐圧化を図ることができ、高周波切替装置の信頼性が向上する。
【0016】
請求項6に記載の発明では、電界効果トランジスタのゲート電極がゲートリセス内部でソース側にオフセットされる。それ故、より一層トランジスタの高耐圧化を図ることができ、高周波切替装置の信頼性がより一層向上する。
【0017】
請求項7に記載の発明では、電界効果トランジスタのゲート幅を100μm以上とするので、電界効果トランジスタのon抵抗を低くすることができ、トランジスタに接続されたスタブが理想的に作用する。
【0019】
請求項8に記載の発明では、電界効果トランジスタのソース電極とドレイン電極との距離を1.5μm以上、2μm以下とする。この場合、ソース−ドレイン間距離を2μm以下とすることで、電界効果トランジスタのon抵抗を低くすることができ、トランジスタに接続されたスタブが理想的に作用する。また、ソース−ドレイン間距離を1.5μm以上とすることで、ゲート電極がソース電極に接触することがなくトランジスタが安定動作する。
【0020】
請求項9に記載の発明では、電界効果トランジスタのソース電極、ゲート電極及びドレイン電極が同一材料で且つ、同一のフォトマスクを用いて形成されるので、フォト精度が上がる。それ故、ソース−ドレイン間距離がある寸法で要求されるような場合にも、その寸法要求を満たしつつゲート電極をソース電極側により近づけることができる。つまり、ゲート電極とドレイン電極との距離を確保し且つ、ソース電極とドレイン電極との距離を短縮することが可能となる。その結果、トランジスタのon抵抗を低くすることができ、トランジスタに接続されたスタブが理想的に作用する。
【0021】
請求項10に記載の発明では、電界効果トランジスタが高電子移動度トランジスタ(HEMT)であるため、高周波双方向スイッチにおいてはスイッチング速度を高くすることが可能となり、高周波単方向スイッチにおいては高い周波数での使用が可能となる。
【0022】
ここで、高電子移動度トランジスタ(HEMT)のチャネル層としてInGaAs層を用ることで電子移動度が高くなり、また、電子供給層としてδドーブ層を用いることでゲート電極とチャネル層との距離が短縮されて電界の効果が大きくなる。そのため、請求項11,12の発明によれば、より高速なスイッチング又は、より高周波での使用が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態における高周波切替装置を示す回路図である。図1の高周波切替装置は、1入力1出力の高周波双方向スイッチとして構成され、入・出力兼用の単ポート10と、入・出力兼用の単ポート13とを備える。例えば、単ポート10を入力ポート、単ポート13を出力ポートとして用いるとき、入力ポート10に入力した高周波信号は、高周波伝送線路11を通ってその長さを入力信号の線路内波長の1/4とした高周波スタブ14との分岐部に入力される。
【0025】
電界効果トランジスタ(以下、単にトランジスタという)15は、ドレイン端子Dがスタブ14に接続され、ソース端子Sが接地されている。ゲート端子Gは電圧端子16に接続されており、ゲート端子Gに印加する直流電圧を変化させることによりトランジスタ15がon又はoffする。このトランジスタ15のon又はoffによりスタブ14の短絡条件が変化し、入力した高周波信号が透過又は遮断される。遮断され、反射した高周波信号は、伝送線路11を通って入力ポート10に戻る。一方、入力ポート10に入力した信号で本スイッチを透過する信号は、伝送線路12を経て出力ポート13から出力される。
【0026】
ここで、本高周波双方向スイッチのトランジスタ15としては、その断面の概略が図2となる高電子移動度トランジスタ(HEMT)を用いている。つまり、図2に示されるように、半絶縁性のInP基板101上には、i型In0.52Al0.48Asバッファ層102が膜厚100nmで形成されている。このバッファ層102は上層からの電流がInP基板101へ流れるのを防止する役割を持つ。このバッファ層102上には、膜厚が20nmのi型In0.53Ga0.47Asチャネル層103が形成されている。このチャネル層103は、動作時に励起される2次元電子ガスが走行する領域である。
【0027】
チャネル層103の上には、膜厚が5nmのi型In0.52Al0.48Asスペーサ層104が形成され、その上に膜厚が10nmで不純物濃度が1×1019cm-3程度となるようにシリコン(Si)がドープされたn型In0.52Al0.48Asキャリア供給層105が形成されている。電子供給層としてのキャリア供給層105はチャネル層103に2次元電子ガスを誘起させるため、チャネル層103のIn0.53Ga0.47Asよりも電子親和力が小さくなるようにn型不純物を含有するIn0.52Al0.48Asで構成されている。
【0028】
キャリア供給層105の上には、i型In0.52Al0.48Asゲートコンタクト層106が形成されている。ゲートコンタクト層106の膜厚は20nmとなっている。更に、このゲートコンタクト層106の上には、膜厚が20nmで不純物濃度が1×1019cm-3程度となるようにシリコン(Si)がドープされたn型In0.53Ga0.47Asオーミックコンタクト層107が形成されている。この積層体(各層102〜107)はInP基板101の上にエピタキシャル成長にてヘテロ接合されている。
【0029】
この積層体の上面、即ち、n型In0.53Ga0.47Asオーミックコンタクト層107にはリセス(凹部)108が形成され、このリセス108の底面はn型In0.53Ga0.47Asオーミックコンタクト層107を貫通し、i型In0.52Al0.48Asゲートコンタクト層106に達している。リセス108内にはゲート電極109が形成され、同ゲート電極109はゲートコンタクト層106とショットキ接触している。また、オーミックコンタクト層107の上面にはソース電極110とドレイン電極111とが形成され、同ソース・ドレイン電極110,111はオーミックコンタクト層107とオーミック接触している。
【0030】
また、図2に示すHEMTの特徴的な構成として、ゲート電極109はソース電極110側にオフセットされており、ゲート電極109とドレイン電極111との距離bがゲート電極109とソース電極110との距離aよりも大きくなっている(a<b)。より具体的には、ソース電極110とドレイ電極111との距離は例えば2μmであり、ゲート電極109はソース電極110側に0.15μmオフセットされている。なおここで、ゲート電極がソース−ドレイン間の中央に位置する構造と比べて図2の構造では、ゲート電極109とドレイン電極111との距離のみを長くしてゲート電極109をオフセットさせ、ゲート電極109とソース電極110との距離を小さくしている(ソース−ドレイン間は同距離のままとする)。
【0031】
ゲート電極109、ソース電極110及びドレイン電極111は何れも同一材料(Ti/Pt/Au)、同一構造であり、各電極を形成する際に同一のフォトマスクを用いて形成される。従って、フォト精度が上がり、ゲート電極109をソース電極110により近づけることが可能となる。それ故、ゲート電極109とドレイン電極111との距離を確保しつつも、ソース電極110とドレイン電極111との距離が短縮でき、トランジスタのon抵抗を低くすることができる。
【0032】
ここで、HEMTのゲート−ドレイン間の容量であるCgdは、主にi層であるInAlAsゲートコンタクト層やパッシベーション膜であるSiN膜に発生する容量であるが、これらの容量はゲート電極とドレイン電極との距離(図2のb)に反比例する。従って、ゲート電極とドレイン電極との距離(図2のb)を大きくすることによりCgdのばらつきが低減され、ひいてはHEMTの出力側の反射係数であるS22の位相ばらつきが低減される。
【0033】
図3は、図2に示すゲートオフセット構造のHEMTと、ゲート電極とソース電極又はドレイン電極との距離が同じであるセンターゲートHEMTとについて、S22の位相ばらつきを比較したものである。なお、何れのHEMT構造においてもソース−ドレイン間は2μmであるものとする。図3によれば、トランジスタ(HEMT)をゲートオフセット構造とすることで、S22の位相ばらつきが約半分に低減されることが分かる。
【0034】
以上詳述した本実施の形態の高周波双方向スイッチによれば、以下に示す効果が得られる。
・トランジスタ15として、ゲート電極をソース電極側にオフセットしてゲート電極とドレイン電極との間の距離を長くし、S22の位相ばらつきを小さくしたHEMTを用いたので、高周波スタブ14の整合条件が設計仕様からずれることがなく、トランジスタのon時の挿入損失が小さく、またoff時のアイソレーションが良好となる。その結果、トランジスタの加工精度のばらつき、すなわち物理的な形状ばらつきをある程度考慮した上で、特性ばらつきを抑えたトランジスタ構造が構築でき、そのトランジスタを用いることにより高周波切替装置の性能が向上する。
・トランジスタのソース電極、ゲート電極及びドレイン電極が同一材料で且つ、同一のフォトマスクを用いて形成されるので、フォト精度が上がり、ソース電極とドレイン電極との距離を短縮することが可能となる。その結果、トランジスタのon抵抗を低くすることができ、高周波スタブ14が理想的に作用する。
・トランジスタ15をHEMT構造としチャネル層としてInGaAs層を用いることで電子移動度が高くなり、より高速なスイッチングが可能となる。また、同トランジスタ15がゲートリセス構造を有することにより、トランジスタの高耐圧化を図ることができ、高周波切替装置の信頼性が向上する。
【0035】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態における高周波切替装置を第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0036】
図4は、本実施の形態における高周波切替装置を示す回路図である。図4の高周波切替装置は、多入力1出力の機能と1入力多出力の機能とを併せ持つ高周波双方向スイッチとして構成され、入・出力兼用の複数ポート20a,20b…と、入・出力兼用の単ポート28とを備える。例えば、複数ポート20a,20b…を入力ポート、単ポート28を出力ポートとして用いるとき、入力ポート20a及び20bに入力した高周波信号は、高周波伝送線路21a,21bを通ってその長さを入力信号の線路内波長の1/4とした高周波スタブ22a,22bとの分岐部に入力される。
【0037】
伝送線路21a,21bとスタブ22a,22bとの分岐部にはそれぞれ、伝送線路23a,23bが接続されている。また、伝送線路23aと出力ポート28との分岐点27には伝送線路24a,24bが接続されている。
【0038】
電界効果トランジスタ(以下、単にトランジスタという)25a,25bは各々、ドレイン端子Dがスタブ22a,22bに接続され、ソース端子Sが接地されている。ゲート端子Gは各々電圧端子26a,26bに接続されており、ゲート端子Gに印加する直流電圧を変化させることによりトランジスタ25a,25bがon又はoffする。このトランジスタ25a,25bのon又はoffによりスタブ22a,22bの短絡条件が変化し、入力した高周波信号が透過又は遮断される。遮断され、反射した高周波信号は、伝送線路21a,21bを通って入力ポート20a,20bに戻る。一方、入力ポート20a,20bに入力した信号で本スイッチを透過する信号は、伝送線路23a,23b,24bを経て出力ポート28から出力される。
【0039】
ここで、入力ポート20aからの入力信号のみを出力ポート28に出力する場合、入力ポート20bからの入力信号は伝送線路21bを通って入力ポート20bに戻り、入力ポート20aの入力信号で本スイッチを透過する信号は伝送線路23aを経て分岐点27に入力される。一方、入力ポート20bからの入力信号のみを出力ポート28に出力する場合には、入力ポート20bの入力信号で本スイッチを透過する信号は伝送線路23b及び24bを経て分岐点27に入力される。
【0040】
分岐点27には、入力信号を遮断した本スイッチの出力側における反射波も入力され、分岐点27での信号の重ね合わせが出力ポート28に出力される。本実施の形態の装置では、分岐点27における高周波信号の振幅が最大になるように高周波伝送線路23a,23b,24bの長さの調節を行っている。
【0041】
本実施の形態におけるトランジスタ25a,25bとしては、上記第1の実施の形態と同様、その断面の概略が図2となる高電子移動度トランジスタ(HEMT)を用いている。つまり、図2において、ゲート電極109はソース電極110側にオフセットされており、ゲート電極109とドレイン電極111との距離bがゲート電極109とソース電極110との距離aよりも大きくなっている(a<b)。
【0042】
また図4の装置では、複数の伝送線路のうち何れかの伝送線路を通過した入力信号が、他の伝送線路にスタブを介して接続されたトランジスタの出力側に回り込む時、位相の回転がばらつかないために、スタブが設計通りに機能する。従って、回り込んだ入力信号が入力ポート側へ洩れることがなく、出力ポート側へ損失無く反射される。それ故、この反射信号が出力ポート28に向かう入力信号と合成される際、入力信号の損失が小さい状態で同入力信号が出力される(出力ポート28に出力する高周波信号の強度が大きくなる)。
【0043】
以上第2の実施の形態の高周波双方向スイッチによれば、トランジスタ25a,25bとして、ゲート電極をソース電極側にオフセットしてゲート電極とドレイン電極との間の距離を長くし、S22の位相ばらつきを小さくしたHEMTを用いたので、高周波スタブ22a,22bの整合条件が設計仕様からずれることがなく、トランジスタのon時の挿入損失が小さく、またoff時のアイソレーションが良好となる。その結果、トランジスタの加工精度のばらつき、すなわち物理的な形状ばらつきをある程度考慮した上で、特性ばらつきを抑えたトランジスタ構造が構築でき、そのトランジスタを用いることにより高周波切替装置の性能が向上する。またその他に、トランジスタが高耐圧化される等の優れた効果も併せて得られる。
【0044】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態における高周波切替装置を第1,第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0045】
図5は、本実施の形態における高周波切替装置を示す回路図である。図5の高周波切替装置は、多入力1出力の高周波単方向スイッチとして構成され、複数の入力ポート30a,30b…と、唯一の出力ポート41とを備える。電界効果トランジスタ(以下、単にトランジスタという)33a,33bのゲート端子Gには各々、入力側スタブ31a,31b及び入力側伝送線路32a,32bからなる入力整合回路が接続され、ソース端子Sは接地されている。ドレイン端子Dには各々、出力側伝送線路34a,34b、出力側スタブ35a,35b及びコンデンサ36a,36bからなる出力整合回路が接続されている。また、分岐点40には、高周波伝送線路38b,39a,39bが接続されている。
【0046】
この場合、入力ポート30a及び30bに入力した高周波信号は、上記入力整合回路により反射されることなくトランジスタ33a,33bに入力される。そして、ドレインバイアス端子37a,37bに電圧をバイアスすることにより入力した高周波信号を透過し、ドレインバイアス端子37a,37bに電圧をバイアスしないことにより入力した高周波信号を遮断する。つまり、ドレイン端子Dに印加する直流バイアスを切り替えることによりトランジスタ33a,33bがon又はoffされる。こうしたドレインバイアスの切り替えにより、トランジスタ33a,33bのoff時のアイソレーションが大きくなるとともに、消費電力が低減できる。
【0047】
ここで、入力ポート30aから入力した信号のみを出力ポート41に出力する場合、トランジスタ33bがoffしているために、入力ポート30bの入力信号は分岐点40に到達しないのに対し、トランジスタ33aがonしているために、入力ポート30aの入力信号は上記出力整合回路により反射されることなく分岐点40に入力される。また、分岐点40に入力した信号は出力ポート41に向かう信号と、offされたトランジスタ33bに向かう信号とに分かれる。そして、トランジスタ33bに向かった信号は、トランジスタ33bの出力側で反射されて再び分岐点40に向かい、入力ポート30aからの入力信号と合成され、出力ポート41に出力される。このため、本実施の形態の装置では、分岐点40における高周波信号の振幅が最大になるように伝送線路38a,38b,39a,39bの長さの調節を行っている。
【0048】
本実施の形態におけるトランジスタ33a,33bとしては、その断面の概略が図6となるゲートオフセット構造の高電子移動度トランジスタ(HEMT)を用いている。図6では、ゲート電極109、ソース電極110及びドレイン電極111の各電極間において、図中の距離a,b,c,dが、a<b、c<dの関係を有するよう構成される。つまり、前記図2と同様に、ゲート電極のオフセット構造によりゲート電極とドレイン電極との間の距離が長くなり、S22の位相ばらつきが小さいトランジスタ構造となっている。
【0049】
但し、前記図2の構成と比較すれば、図2では相対向するオーミックコンタクト層107間においてリセス108内の略中央にゲート電極109位置していたのに対し、図6では、リセス108内でもソース電極110側にゲート電極109がオフセットされている点(c<dとなる点)が相違する。この場合、より一層トランジスタの高耐圧化を図ることができ、高周波切替装置の信頼性がより一層向上する。
【0050】
また図5の装置では、複数並列の伝送線路のうち何れかの伝送線路を通過した入力信号が他の伝送線路(遮断された伝送線路)のトランジスタの出力側に回り込む時、すなわち、複数個あるトランジスタ33a,33bのうちonしたトランジスタを通過した入力信号がoffしたトランジスタの出力側に回り込む時、トランジスタの出力側での位相の回転がばらつかない。そのため、この出力側での反射信号がトランジスタを通過した入力信号と合成される際に位相がずれるといった不都合が解消され、入力信号の損失が小さい状態で同入力信号が出力される(出力ポート41に出力する高周波信号の強度が大きくなる)。
【0051】
以上第3の実施の形態の高周波単方向スイッチによれば、上記第1,第2の実施の形態と同様に、トランジスタの加工精度のばらつき、すなわち物理的な形状ばらつきをある程度考慮した上で、特性ばらつきを抑えたトランジスタ構造が構築でき、そのトランジスタを用いることにより高周波切替装置の性能が向上する。またその他に、トランジスタが高耐圧化される等の優れた効果も併せて得られる。更に、ゲート電極とドレイン電極との距離のみを長くしてゲート電極をオフセットさせ、ゲート電極とソース電極との距離を小さくしたことにより、トランジスタの利得に利くソース抵抗の増加を引き起こすことはない。
【0052】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態における高周波切替装置を第1〜第3の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0053】
本実施の形態では、上記第2の実施の形態で説明した図2の高周波双方向スイッチの回路構成を用いることとし、第2の実施の形態との相違点として、トランジスタ(HEMT)25a,25bのゲート幅(図2におけるL)を100μm以上で規定している。なお本実施の形態では、ゲート幅L=100μmとする。
【0054】
図7は、トランジスタ(HEMT)のゲート幅とon抵抗との関係を示した図であり、同図7によれば、ゲート幅が大きいほどon抵抗が下がることが分かる。また、図8は、4チャンネルの高周波双方向スイッチにおいて、ゲート幅を50μmとした場合と100μmとした場合の通過利得を計算した結果である。同図8において、周波数77GHzでの結果を比較すれば、ゲート幅を100μmとした場合(実線の結果)の方がon時の挿入損失が低くなり且つ、off時のアイソレーションが大きくなることが分かる。
【0055】
このように本実施の形態では、トランジスタ(HEMT)のゲート幅Lを100μmとしているため、トランジスタのon抵抗を低くすることができ、トランジスタに接続されたスタブが理想的に作用する。その結果、高周波切替装置(高周波双方向スイッチ)の性能が向上する。
【0056】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態における高周波切替装置を第1〜第4の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0057】
本実施の形態では、上記第2の実施の形態で説明した図2の高周波双方向スイッチの回路構成を用いることとし、第4の実施の形態と同様、トランジスタ(HEMT)25a,25bのゲート幅を100μmとしている。
【0058】
また、トランジスタ(HEMT)の構造を示す図9において、ゲート電極109の平面形状を図示のようなくし歯型としている。より詳しくは、上下の配線を空間を介して隔てるためのエアブリッジ115を用い、くし歯状をなす個々のゲート電極109に隣り合うようにソース電極110が配置されている。また、ゲート電極109、ソース電極110及びドレイン電極111は、メサ116上にて互いに対向配置されている。
【0059】
以上第5の実施の形態によれば、ゲート電極形状をくし歯型にしたので、T型やπ型のゲート電極形状に比べてトランジスタのメサ116の幅が短くなり、ゲート幅を長くしていってもスタブ22a,22bの幅と揃えることが可能となる。それ故、スタブ22a,22bを設計通りに作用させることができる。また、くし歯状に分割されたゲート電極109の先端から給電パッドまでの距離を短くできるため、ゲート電極109の各ポイントにおいてスイッチングさせる信号の位相ばらつきが小さく、安定したスイッチングが可能となる。すなわち、スイッチング速度を上げていった際にも、ゲート電極先端への信号の位相遅れが小さくなり、良好なスイッチングが可能となる。
【0060】
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態における高周波切替装置を第1〜第5の実施の形態との相違点を中心に説明する。本実施の形態では第4,第5の実施の形態と同様に、上記第2の実施の形態で説明した図2の高周波双方向スイッチの回路構成を用いることとする。
【0061】
図10は、本実施の形態における高周波切替装置の平面構造の要部を示し、同切替装置では、トランジスタ(HEMT)25a,25bのソース電極110とドレイン電極111との距離を2μm以下で規定している。この場合、一方のトランジスタ25aをon又はoffすることを考えると、トランジスタ25aとスタブ22aとを合わせた長さが実際のスタブ長となる。
【0062】
すなわち、トランジスタ25aをonした時は、スタブ22aと伝送線路21a,23aとの分岐点からトランジスタ25aのソース電極110の端までの距離(図10におけるA)がショートスタブの長さとなる。また、トランジスタ25aをoffした時は、スタブ22aと伝送線路21a,23aとの分岐点からトランジスタ25aのドレイン電極111のゲート寄りの端部までの距離(図10におけるB)がオープンスタブの長さとなる。なお、符号116はメサである。
【0063】
本実施の形態の装置では、ソース−ドレイン間の距離を2μm以下としているためon抵抗が低くなるとともに、トランジスタ25aがon又はoffした時の実質的なスタブ長の差が小さいため、スタブ長の設計値を両者の中間に設定しても、両者と設計スタブ長の差が小さく高周波スイッチが良好に動作する。因みに、ソース電極110とドレイン電極111との距離が短いほど効果が大きくなるが、ソース電極110とゲート電極109との接触を考えると1.5μm以上が良い。
【0064】
なおこの発明は、上記以外に次の形態にて実現できる。
トランジスタ(HEMT)の電子供給層として、1原子層に不純物を集中してドーピングする、いわゆるδドーブ層を用いる。これにより、ゲート電極とチャネル層との距離が短縮されて電界の効果が大きくなり、高周波双方向スイッチ(図1,4の高周波切替装置)においてはより高速なスイッチングが可能となり、高周波単方向スイッチ(図5の高周波切替装置)においてはより高周波での使用が可能となる。
【0065】
高周波双方向スイッチに限らず高周波単方向スイッチにおいても、上記第4〜第6の実施の形態で述べたように、
・トランジスタ(HEMT)のゲート幅を100μm以上とする。
・トランジスタ(HEMT)のゲート電極形状をくし歯型にする。
・トランジスタ(HEMT)のソース−ドレイン間の距離を1.5μ以上、2μm以下とする。
等の構成を適宜採用しても良い。
【0066】
既述の通り高周波双方向スイッチでは図2のHEMT構造を適用し、高周波単方向スイッチでは図6のHEMT構造を適用したが、これとは逆に、高周波双方向スイッチで図6のHEMT構造を適用し、高周波単方向スイッチで図2のHEMT構造を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における高周波切替装置を示す回路図。
【図2】HEMTの構造を示す斜視図。
【図3】トランジスタのS22の位相ばらつきを示す図。
【図4】第2の実施の形態における高周波切替装置を示す回路図。
【図5】第3の実施の形態における高周波切替装置を示す回路図。
【図6】HEMTの構造を示す断面図。
【図7】ゲート幅とon抵抗との関係を示す図。
【図8】高周波切替装置の通過利得の計算結果を示す図。
【図9】HEMT構造を示す平面図。
【図10】高周波切替装置の平面構造を示す図。
【図11】従来技術における高周波切替装置を示す図。
【符号の説明】
10,13…入・出力兼用の単ポート、11,12…伝送線路、14…スタブ、15…電界効果トランジスタ(HEMT)、20a,20b,28…入出力兼用ポート、21a,21b,23a,23b…伝送線路、22a,22b…スタブ、25a,25b…電界効果トランジスタ(HEMT)、30a,30b…入力ポート、31a,31b,35a,35b…スタブ、32a,32b、34a,34b…伝送線路、33a,33b…電界効果トランジスタ(HEMT)、41…出力ポート、103…InGaAsチャネル層、105…InAlAsキャリア供給層、108…リセス、109…ゲート電極、110…ソース電極、111…ドレイン電極。
Claims (12)
- 伝送線路より分岐して設けられるスタブと、該スタブにドレイン端子を接続し且つソース端子を接地した電界効果トランジスタとを備え、該電界効果トランジスタをon又はoffすることにより伝送線路を介して高周波信号を通過させる、又は遮断する高周波切替装置において、
電界効果トランジスタの出力側の反射係数S22の位相ばらつきを抑制し得る態様にて同電界効果トランジスタのゲート電極がソース電極側にオフセットされており、
電界効果トランジスタにはメサが設けられるとともに、同メサ上にゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極が配置され、前記メサの幅と前記スタブの幅とが揃えられていることを特徴とする高周波切替装置。 - 複数の入・出力兼用ポートと、該複数の入・出力兼用ポートが入力ポートとなるとき出力ポートなり、同複数の入・出力兼用ポートが出力ポートとなるとき入力ポートとなる一つの入・出力兼用ポートと、前記複数の入・出力兼用ポート毎に接続される伝送線路と、各伝送線路より分岐して設けられるスタブと、該スタブにドレイン端子を接続し且つソース端子を接地した複数の電界効果トランジスタとを備え、該電界効果トランジスタをon又はoffすることにより伝送線路を介して高周波信号を通過させる、又は遮断する高周波切替装置において、
電界効果トランジスタの出力側の反射係数S22の位相ばらつきを抑制し得る態様にて同電界効果トランジスタのゲート電極がソース電極側にオフセットされており、
電界効果トランジスタにはメサが設けられるとともに、同メサ上にゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極が配置され、前記メサの幅と前記スタブの幅とが揃えられていることを特徴とする高周波切替装置。 - 複数の入力ポートと、該複数の入力ポートから入力した高周波信号のうち所望の入力ポートから入力した信号のみを取り出す一つの出力ポートと、前記複数の入力ポートから各々延びる伝送線路に設けられ、入・出力側を伝送線路とスタブとによって整合した電界効果トランジスタとを備え、該電界効果トランジスタをonすることにより入力した高周波信号を増幅して通過させる、又は電界効果トランジスタをoffすることにより入力した高周波信号を遮断する高周波切替装置において、
電界効果トランジスタの出力側の反射係数S22の位相ばらつきを抑制し得る態様にて同電界効果トランジスタのゲート電極がソース電極側にオフセットされており、
電界効果トランジスタにはメサが設けられるとともに、同メサ上にゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極が配置され、前記メサの幅と前記スタブの幅とが揃えられていることを特徴とする高周波切替装置。 - 電界効果トランジスタのドレイン電極に印加する直流バイアスを切り替えることにより、該電界効果トランジスタのon又はoffを行う請求項3に記載の高周波切替装置。
- 電界効果トランジスタがゲートリセス構造を有する請求項1〜4の何れかに記載の高周波切替装置。
- 電界効果トランジスタのゲート電極がゲートリセス内部でソース側にオフセットされている請求項5に記載の高周波切替装置。
- 電界効果トランジスタのゲート幅が100μm以上である請求項1〜6の何れかに記載の高周波切替装置。
- 電界効果トランジスタのソース電極とドレイン電極との距離が1.5μm以上、2μm以下である請求項1〜7の何れかに記載の高周波切替装置。
- 電界効果トランジスタのソース電極、ゲート電極及びドレイン電極が同一材料で且つ、同一のフォトマスクを用いて形成されたものである請求項1〜8の何れかに記載の高周波切替装置。
- 電界効果トランジスタは、電子を供給する電子供給層と電子が走行するチャネル層とを有した高電子移動度トランジスタである請求項1〜9の何れかに記載の高周波切替装置。
- 電界効果トランジスタの電子供給層がInAlAs層からなり、且つチャネル層がInGaAs層からなる請求項10に記載の高周波切替装置。
- 電界効果トランジスタの電子供給層がδドープ層からなり、且つチャネル層がInGaAs層からなる請求項10に記載の高周波切替装置。
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