JP4209120B2 - 切断機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば卓上の丸鋸盤等の切断機であって、切断機本体を僅かな角度だけ傾斜させて例えば床材の切り口の逃がし切断をする際に好適な切断機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、丸鋸盤を用いて切断作業をする場合、切断刃を傾けて切断材の切り口を板厚方向に傾斜させたい場合がある。例えば、図9および図10に示すように化粧面Woを上面側にして多数の床材W〜Wを壁k側に向かって順次面一に貼り付けていく作業において、壁際の幅木hに隣接する床材Wであって最後に貼り付ける床材Weは、幅木hとの間に隙間が発生しないよう貼り付ける必要があり、このために、最後に貼り付ける床材Weについてはその幅木h側の端面tに僅かな角度θだけ傾斜をつけて下側(化粧面とは反対面側)を逃がしておくことが一般的に行われている。最後に貼り付ける床材Weの幅木h側の端面tを傾斜させて下側を逃がしておくことにより、この床材Weを直前に貼り付けた床材Wと幅木hとの間に隙間なく、かつ容易に嵌め込むことができる。
このように切断材(床材W)の切り口を傾斜させる切断作業を卓上丸鋸盤を用いて行う場合、卓上丸鋸盤のテーブル上に切断材を僅かに傾けて固定したり、切断後切り口をヤスリで削る等することが考えられるがこれでは手間が掛かって作業効率が悪い。一方で従来から、卓上丸鋸盤には切断機本体をテーブルに対して左方または右方または双方へ傾斜可能に支持したもの(傾斜丸鋸盤)が提供されていた。この傾斜丸鋸盤に関する技術が、例えば特開平5−318402号公報、特許第2563866号公報等に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の傾斜丸鋸盤は、主として45゜の傾斜切りを想定したものであったので、切断機本体を45゜に傾斜させる場合はストッパ機構によりワンタッチで位置決めすることができるが、例えば上記のように5゜程度の小角度だけ傾斜させる場合には、固定レバーを緩めた状態で角度目盛りを確認しながら作業者が切断機本体を傾動させて、目的の傾斜角度に切断機を保持しつつ固定レバーを締めて切断機本体をこの傾斜角度に固定する必要があり、この点で特に小角度(ストッパ機構によりワンタッチで位置決めされない傾斜角度)の傾斜切りを行う場合に、目的の傾斜角度への切断機本体の位置決めを角度目盛りを確認しながら行わなければならなかったので手間が掛かるばかりでなく、位置決めした傾斜角度にバラツキが生ずる問題があった。
そこで、本発明では、前記床材の切り口を例えば5゜程度以下の僅かな角度(小角度)だけ傾斜させる場合に、切断機本体の傾斜位置を従来のように角度目盛りをいちいち確認することなくワンタッチで位置決めすることができ、これにより小角度の傾斜切り作業を効率良く行うことができる切断機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、前記各請求項に記載した構成の切断機とした。
請求項1記載の切断機によれば、切断機本体を直角切り位置から小角度傾斜切り位置に向けて傾動させると、切断機本体が小角度傾斜切り位置で位置決めされるので、従来のように作業者は角度目盛りを確認することなく切断機本体を小角度傾斜切り位置に位置決めすることができ、これにより約5゜程度あるいはそれ以下の小角度の傾斜切り作業を迅速かつ正確に行うことができる。
この明細書において、小角度とは概ね10゜以下の角度であって、例えば前記床材の幅木側端面に逃がしを付ける際の傾斜角度に相当する角度をいう。この床材端面の傾斜切りを考慮すれば小角度は2゜〜5゜程度に設定される。
また、請求項1記載の切断機によれば、付勢力によりストッパ角度切り換え部材を小角度ストッパ面に整合するストッパ位置に移動させた状態で、切断機本体を傾動させるとストッパ部材がストッパ角度切り換え部材に当接して切断機本体が直角切り位置に位置決めされ、ストッパ角度切り換え部材をその付勢力に抗して上記小角度ストッパ位置から退避させた状態で、切断機本体を傾動させるとストッパ部材が上記ストッパ角度切り換え部材ではなく小角度ストッパ面に当接して切断機本体が小角度傾斜切り位置に位置決めされる。
このことから、従来のように作業者は角度目盛りを確認することなく切断機本体を小角度傾斜切り位置に迅速かつ正確に位置決めすることができるので小角度の傾斜切り作業を効率よく行うことができる。
【0005】
請求項2記載の切断機によれば、切断機本体の直角切り位置と小角度傾斜切り位置との間の角度(すなわち小角度)は、ストッパ部材がストッパ角度切り換え部材に当接する位置と小角度ストッパ面に当接する位置との距離差すなわちストッパ角度切り換え部材の板厚に相当する。このため、ストッパ角度切り換え部材に板厚に小さな薄板材を用いることにより、小角度として5゜程度あるいはそれ以下の小さな角度を確保しつつ、当該ストッパ角度切り換え部材を傾動ベースの回転中心すなわち切断機本体の左右傾動中心に近い位置に配置することができる。また、ストッパ角度切り換え部材を傾動中心に接近させることにより、小角度ストッパ面およびストッパ部材を同じく傾動中心に近い部位に配置することができ、これによりストッパ角度切り換え部材、小角度ストッパ面およびストッパ部材を有する小角度ストッパ機構を傾動支持ベースと傾動ベースとの間にコンパクトに組み込むことができる。
ここで、ストッパ角度切り換え部材に板厚の薄い板材を用い、これにより当該ストッパ角度切り換え部材自体の面剛性が小さなものであって、そのストッパ機能はなんら損なわれない。すなわち、ストッパ角度切り換え部材にストッパ部材が当接する段階(直角切り位置への位置決め時)では、該ストッパ角度切り換え部材が小角度ストッパ面に整合する状態(重ね合わせられた状態)となるため、ストッパ部材が当接することにより付加されるストッパ角度切り換え部材を変形させる外力は、小角度ストッパ面により受けられることとなる。このことから、ストッパ部材のストッパ角度切り換え部材に当接する位置(すなわち、直角切り位置)がばらつくことはなく常時一定した位置に位置決めすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1および図2は、第1実施形態の切断機1を示している。この切断機1は、ベース2と、ベース2上に回転可能に支持されたテーブル3と、テーブル3の上方に位置する切断機本体50を備えている。テーブル3の上面側に切断材Wが載置される。切断材Wは、図示省略したクランプ装置により一定位置に固定される。また、図2に示すようにベース2の、テーブル3の左右側部に位置する台座部2a,2aには切断材位置決め用のフェンス4がテーブル3の上方を跨って取り付けられている。テーブル3の上面とベース2の台座部2a,2aの上面は相互に面一に設定されている。
テーブル3の後部(図1において左端部)には、相互に平行な2本の下側スライドバー5,5を介して傾動支持部10が取り付けられている。下側スライドバー5,5はそれぞれ軸受け6を介して図示左右方向にスライド可能に支持されている。両下側スライドバー5,5のスライド位置は、テーブル3の後部に設けた固定ねじ7を締め込むことにより固定される。
次に、傾動支持部10の内部構造が図3に示されている。この傾動支持部10は、下側スライドバー5,5に固定された傾動支持ベース11とこの傾動支持ベース11に対して回動可能に支持された傾動ベース12を備えている。傾動支持ベース11と傾動ベース12との間には傾動軸13が貫通して取り付けられている。この傾動軸13を中心にして傾動ベース12が傾動支持ベース11に対して回動する。また、図示するように傾動支持ベース11と傾動ベース12は、それぞれ椀形を有しており、それぞれの口元11g,12aが傾動軸13を中心とする円形に形成されて相互に嵌め合わされている。
この傾動軸13の後端部(図3において右端部)にはロックナット14を介して傾斜位置固定レバー15が取り付けられている。この傾斜位置固定レバー15を緩み方向に回転させると、ロックナット14が傾動軸13のねじ部13aに対して緩められて傾動ベース12が傾動支持ベース11に対して回動可能となる。傾斜位置固定レバー15を固定方向に回転させると、ロックナット14が傾動軸13のねじ部13aに対して締め付けられ、これにより傾動ベース12が傾動支持ベース11に対して回転不能に固定される。
【0007】
傾動ベース12の上部にはスライド支持部16が一体に設けられている。このスライド支持部16には軸受け17、17を介して相互に平行な2本の上側スライドバー18,18がその軸方向にスライド可能に支持されている。図2に示すようにスライド支持部16の側部に固定ねじ19が取り付けられている。この固定ねじ19を締め込むと両上側スライドバー18,18がスライド不能に固定される。この2本の上側スライドバー18,18の先端側に切断機本体50が上下に傾動可能に取り付けられている。
切断機本体50は、円形の切断刃51とこれを回転させるための駆動モータ52と、作業者が当該切断機本体50を移動操作する際に把持するためのハンドル部53を備えている。切断刃51の上側ほぼ半分はブレードケース54内に収容されている。切断刃51の下側ほぼ半分に対してセーフティカバー55が開閉可能に設けられている。このセーフティカバー55は、当該切断機本体1の傾動動作に連動して開閉される。
【0008】
このように構成された切断機1の傾動支持部10において、傾動支持ベース11に対して傾動ベース12を回動させることにより切断機本体50を左右(図2において左右方向)に傾動させることができ、これにより切断材Wの切り口を傾斜させることができる。本実施形態の切断機1では、図2において左側へ45゜、右側(駆動モータ52側)へ5゜の範囲で切断機本体50を傾斜させることができるようになっている。図2において、左側へ45゜傾斜した切断機本体50が符号50に添字L45を付して二点鎖線で示され、右側へ5゜傾斜した切断機本体50が符号50に添字R5を付して同じく二点鎖線で示されている。右側へ5゜傾斜した位置が、特許請求の範囲に記載した小角度傾斜切り位置に相当する。従って、本実施形態において小角度は5゜で例示されている。また、図2中実線で示す切断機本体50は、切断刃51をテーブル3に対して直交させる位置に位置しており、この位置が特許請求の範囲に記載した直角切り位置に相当する。前記したように傾斜位置固定レバー15を緩み方向に回転操作して傾動支持ベース11に対して傾動ベース12を回転可能な状態とすることにより、切断機本体50をテーブル3に対して左側へ45゜、右側へ5゜の範囲で傾動させることができる。しかも、本実施形態の傾動支持部10には、切断機本体50を左側へ45゜傾斜した位置(45゜傾斜位置)に位置決めするための45゜ストッパ機構20と、右側へ5゜傾斜させた位置(小角度傾斜切り位置)に位置決めするための小角度ストッパ機構30を備えている。
【0009】
以下、この両ストッパ機構20,30について説明する。傾動ベース12の側部であって、傾動軸13に対して上下対称の2箇所にはストッパ部材40,41が取り付けられている。両ストッパ部材40,41は、傾動ベース12の外側から内側に貫通して取り付けられている。図4〜図6に示すように本実施形態ではこのストッパ部材40,41に六角ボルトが用いられている。このため、ストッパ部材40,41は、それぞれ傾動ベース12に対してねじ込むことにより傾動ベース12の内側への突き出し量を大きくすることができ、緩み方向に回転させることによりその突き出し量を小さくすることができる。
一方、図4〜図6に示すように傾動支持ベース11の内部には6枚のリブ11a〜11fが傾動軸13を中心とする放射状に設けられている。6枚のリブ11a〜11fのうち、図示右側のリブ11a〜11cの高さは他のリブ11d,11e,11fよりも高く形成され、かつリブ11a,11cの肉厚は他のリブ11b,11d,11e,11fよりも厚く形成されている。これにより、傾動支持ベース11に対して傾動ベース12が回転した際における、上記ストッパ部材40,41の他のリブ11d,11e,11fに対する干渉が回避される一方、リブ11a,11cにはストッパ部材40,41が当接することに対する十分な強度が確保されている。
【0010】
図5に示すように切断機本体50の左側への傾動に伴って上側のストッパ部材40がリブ11aの右側面(図4〜図6では左側面)に当接することにより、切断機本体50が左側へ45゜だけ傾斜した位置(図2において添字L45を付した位置)に位置決めされる。この上側のストッパ部材40とリブ11aが上記45゜ストッパ機構20を構成している。
一方、上記リブ11cの右側面(図4〜図6では左側面、すなわち小角度ストッパ面11ca)には、比較的板厚の薄い平板を素材として形成されたストッパ角度切り換え部材31が回動軸32を中心にして該リブ11cの右側面に沿って重ね合わせ状態で回動可能に取り付けられている。このストッパ角度切り換え部材31は、捩りばね33により図3において反時計回り方向に付勢されている。ストッパ角度切り換え部材31の反時計回り方向の位置は、リブ11cに設けた段差部11cbに規制部31aが当接することにより規制される。
図4に示すように下側のストッパ部材41がストッパ角度切り換え部材31に当接することにより切断機本体50が直角切り位置に位置決めされる。切断機本体50が直角切り位置に位置決めされると、切断刃51がテーブル3ひいては切断材Wに対して直角に位置され、これによりいわゆる直角切りを行うことができる。直角切りされた切断材Wの切り口(端面)は、その下面(テーブル3上面に当接する面)に対して直角になる。
また、図6に示すようにストッパ角度切り換え部材31が下側のストッパ部材41に当接しないストッパ退避位置に退避され、この状態で切断機本体50が使用者から見て右側(駆動モータ52側)へ5゜だけ傾動されると、下側ストッパ部材41がリブ11cの右側面(小角度ストッパ面11ca)に直接当接され、これにより切断機本体50が右側へ5゜だけ傾斜した小角度傾斜切り位置に位置決めされる。このことから、下側のストッパ部材41とリブ11cが小角度ストッパ機構30を構成している。また、ストッパ角度切り換え部材31の回動位置に関して、捩りばね33により移動して下側のストッパ部材41が当接される位置(図3において実線で示した位置)が特許請求の範囲に記載したストッパ位置に相当する。
切断機本体50の直角切り位置と左側45゜傾斜位置と右側5゜傾斜位置は、それぞれストッパ部材40,41の傾動ベース12に対するねじ込み量を調整することにより微調整することができる。
【0011】
次に、図3に示すように傾動ベース12の裏面側下部(傾動軸13の下側)には、ストッパ角度切り換え部材31をストッパ退避位置に移動させ、これにより切断機本体50の小角度傾斜切り位置への傾動操作を可能とするための操作ロッド45が設けられている。この操作ロッド45は、軸形状を有するもので、傾動ベース12の裏面側から内部に貫通して軸方向に移動可能に支持されている。また、この操作ロッド45は、傾動軸13と平行に配置されている。この操作ロッド45の後端には、その軸方向への移動操作を行う際に使用者が把持するためのツマミ部45aが設けられている。
一方、この操作ロッド45の先端(傾動ベース12の内部側の端部)には、係合板47が取り付けられている。この係合板47は、傾動軸13を中心とする約50゜の範囲の円弧形状を有している。このため、切断機本体50を直角切り位置に位置させた状態、直角切り位置から左側へ45゜傾斜させた状態または右側へ5゜傾斜させた状態のいずれの状態であっても常時、この係合板47にはストッパ角度切り換え部材31の係合部31bが当接されるようになっている。前記したようにストッパ角度切り換え部材31は捩りばね33により図3において反時計回り方向に付勢されている。このため、係合板47に対する係合部31bの当接状態を経て操作ロッド45には上記捩りばね33の間接作用により傾動ベース12から抜き出される方向(図3において右方)の付勢力が作用している。捩りばね33の間接作用に抗して操作ロッド45を図3において左方へ押し込み操作すると、係合板47に対する係合部31bの当接状態を経てストッパ角度切り換え部材31が図示時計回り方向に回動して図3において二点鎖線で示すストッパ退避位置まで移動する。
【0012】
このように構成した操作ロッド45の押し込み操作によって、ストッパ角度切り換え部材31がストッパ退避位置に移動した状態では、ストッパ角度切り換え部材31のストッパ部31cが、ストッパ部材41が当接する位置から当接しない位置に退避され、これによりストッパ部材41を小角度ストッパ面11caに当接させて切断機本体50を使用者から見て右側(図では左側)へ5゜だけ傾動させた小角度傾斜切り位置に位置決めすることができる。
切断機本体50を小角度傾斜切り位置に位置決めした状態で、前記傾斜位置固定レバー15を締め付けることにより切断機本体50が小角度傾斜切り位置に固定され、これにより前記切断材W(床材W)の端面逃がし加工等を効率よく行うことができる。
上記したように下側のストッパ部材41が小角度ストッパ面11caに当接して切断機本体50が小角度傾斜切り位置に位置決めされたならば、操作ロッド45の押し込み操作を解除することができる。操作ロッド45の押し込み操作を解除した状態で、切断機本体50を小角度傾斜切り位置から一旦直角切り位置を通過して、使用者から見て左側へ僅かに傾動させると、この段階でストッパ角度切り換え部材31が捩りばね33によりストッパ位置に戻される。このため、その後、切断機本体50を左側へ僅かに傾動した位置から直角切り位置に戻すと、下側のストッパ部材41がストッパ角度切り換え部材31のストッパ部31cに当接して、切断機本体50が直角切り位置に位置決めされる。
【0013】
以上のように構成した第1実施形態の切断機1によれば、傾斜位置固定レバー15を緩めると、傾動支持部10を介して切断機本体50を直角切り位置から左右に傾動させることができ、使用者から見て左側へ45゜傾斜させると、45゜ストッパ機構20により切断機本体50が左側へ45゜傾斜した位置に位置決めされ、この状態で傾斜位置固定レバー15を締め付ければ切断機本体50ひいては切断刃51をテーブル3に対して45゜傾斜させた位置に固定することができ、これによりいわゆる45゜傾斜切りを行うことができる。
45゜傾斜位置から傾斜位置固定レバー15を再度緩めて切断機本体50を直角切り位置に戻すと、傾動支持部10の下側ストッパ部材41がストッパ角度切り換え部材31のストッパ部31cに当接し、これにより切断機本体50が直角切り位置に位置決めされ、この状態で傾斜位置固定レバー15を締め付ければ切断機本体50ひいては切断刃51がテーブル3に直交する直角切り位置に固定されていわゆる直角切りを行うことができる。
一方、この直角切り位置または前記45゜傾斜位置において、傾斜位置固定レバー15を緩め、かつ操作ロッド45を押し込み操作した状態で、切断機本体50を直角切り位置または45゜傾斜位置から右側(駆動モータ52側)へ傾動させると、切断刃51がテーブル3に対して右側へ5゜だけ傾斜した位置(小角度傾斜切り位置)で、傾動支持部10の下側ストッパ部材41が小角度ストッパ面11caに当接し、これにより当該切断機本体50が5゜傾斜位置に位置決めされる。この位置決め状態で傾斜位置固定レバー15を締め込めば、当該切断機本体50が駆動モータ52側へ5゜だけ傾斜した位置に固定され、これにより前記床材W等の端面逃がし加工を行うことができる。
【0014】
このことから、例えば前記床材Wの端面tの傾斜切りを行うために、僅かな角度だけ切断機本体50を傾斜させる場合に、操作ロッド45を押し込み操作しつつ切断機本体50を右側へ傾斜させれば、小角度ストッパ機構30により切断機本体50を小角度傾斜切り位置に簡単に位置決めすることができ、従来のように角度目盛りを確認しながら切断機本体の傾斜角度を調整する必要がない。このように、切断機本体50を小角度傾斜切り位置に向けて傾動させると切断機本体50が自動的に小角度傾斜切り位置で位置決めされるので、この種の傾斜切りを手間を掛けることなく迅速かつ正確に行うことができる。
また、小角度ストッパ機構30のストッパ角度切り換え部材31が板厚の小さな平板を素材として形成されており、その板厚をストッパ部材41の当接位置の距離差として利用することにより小角度傾斜切り位置を実現する構成であるので、このストッパ角度切り換え部材31を傾動中心(傾動軸13)の近傍に配置することができ、これにより小角度ストッパ機構30および45゜ストッパ機構20を傾動支持ベース11と傾動ベース12との間、すなわち傾動支持部10内にコンパクトに組み込むことができる。また、45゜ストッパ機構20および小角度ストッパ機構30を、それぞれ椀型をなす傾動支持ベース11と傾動ベース12との間に組み込むことができるので、これら両ストッパ機構20,30の防塵機能を高めることができる。
さらに、ストッパ角度切り換え部材31として比較的板厚の薄い平板を用いる構成であっても、このストッパ角度切り換え部材31が傾動ベース11の補強用リブとして機能するリブ11cに対して重ね合わせ状態に支持されているので、直角切り位置の位置決め時において、このストッパ角度切り換え部材31にストッパ部材41が当接することにより当該ストッパ角度切り換え部材31に付加される外力はリブ11cにより受けられる構成となっている。このことから、ストッパ角度切り換え部材31自体は面剛性の低い薄板であっても、ストッパ部材41の当接により変形等の問題を発生することがない。
【0015】
以上説明した第1実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、操作ロッド45の先端に円弧形状の係合板47を取り付けて、この係合板47にストッパ角度切り換え部材31の係合部31bが切断機本体50の傾斜位置に関係なく常時当接する構成を例示したが、この円弧形状の長い係合板47に代えてより円弧方向に関して小さな係合板を用い、これにより切断機本体50が直角切り位置と小角度傾斜切り位置との間に位置する時にのみ係合部31bが当接する構成としてもよい。この場合、捩りばね33の間接作用を利用して操作ロッド45を抜き出し方向(図3において右方)へばね付勢するのではなく、例えば傾動ベース12の外面と操作ロッド45のツマミ部45aとの間に圧縮ばねを介装して操作ロッド45を抜き出し方向に直接付勢する構成とすることにより、切断機本体50を例えば45゜傾斜位置に移動させることによりストッパ角度切り換え部材31の後方から係合板が外れた状態となっても、操作ロッド45が独自のばね付勢力により確実に抜き出し方向に戻されるので、その後切断機本体50を直角切り位置に戻す際に係合板がストッパ角度切り換え部材31の係合部31bに対して板厚方向から干渉することを確実に回避できる。
【0016】
また、図7および図8には、第2実施形態の切断機60の傾動支持部61が示されている。この傾動支持部61も、切断機本体50を直角切り位置と、右側(駆動モータ52側)へ小角度(約5゜)だけ傾斜させた小角度傾斜切り位置とに位置決めするための小角度ストッパ機構66と、切断機本体50を左側へ45゜傾斜させた45゜傾斜切り位置に位置決めするための45゜ストッパ機構20を備えている。第2実施形態における小角度ストッパ機構66の構成が前記第1実施形態とは異なっている。45゜ストッパ機構20は、リブ11fに上側のストッパ部材40が当接することにより切断機本体50を位置決めする構成となっており、前記第1実施形態と同じ構成を備えている。
第2実施形態の小角度ストッパ機構66は、ストッパ角度切り換え部材62の位置を切り換えるための操作ロッド64の位置が第1実施形態とは大きく異なっている。ストッパ角度切り換え部材62は、帯板材の両端部をクランク形状に折り曲げて形成したもので、その長手方向ほぼ中央において支軸63を介して前後方向(図7において左右方向)に傾動可能に支持されている。図8に示すように支軸63は、傾動支持ベース11に設けた支持凹部11h,11iにその端部を嵌め込んで取り付けられている。
このストッパ角度切り換え部材62の支軸63よりも下側と傾動支持ベース11との間には圧縮ばね65が介装されている。このため、ストッパ角度切り換え部材62は、支軸63を中心にして図示反時計回り方向に付勢されている。
【0017】
ストッパ角度切り換え部材62の後部側端部(支軸63に対して下側端部)にはストッパ部62aが設けられている。このストッパ部62aは、傾動支持ベース11のリブ11cの右側面(図8では左側面、すなわち小角度ストッパ面11ca)に重ね合わせ状態に配置されている。一方、ストッパ角度切り換え部材62の前部(支軸63に対して上部)は傾動ベース11の上部前側に延びており、その先端側の係合部62bには操作ロッド64の先端が突き当てられている。
操作ロッド64は、傾動支持ベース11の使用者から見て前面上部において、傾動支持ベース11の外部から内部に貫通した状態で軸方向移動可能に支持されている。この操作ロッド64には、その先端がストッパ角度切り換え部材の係合部62bに突き当てられていることにより圧縮ばね65の付勢力が間接的に作用している。このため、操作ロッド64は、図7において左方へ移動する方向に付勢されている。第1実施形態と同様、この操作ロッド64の、傾動支持ベース11から突き出された側の端部にも、使用者が把持するためのツマミ部64aが設けられている。
【0018】
このように構成された第2実施形態の小角度ストッパ機構66によれば、操作ロッド64を押し込み操作しない状態では、ストッパ角度切り換え部材62が圧縮ばね65により図7において実線で示すストッパ位置に保持される。このため、傾斜位置固定レバー15を緩めて切断機本体50を例えば45゜傾斜切り位置から直角切り位置に向けて傾動させると、ストッパ部62aに下側のストッパ部材41が当接して切断機本体50が自動的に直角切り位置に位置決めされる。
これに対して、操作ロッド64を圧縮ばね65の間接作用に抗して押し込み操作すると、この操作ロッド64が図7において二点鎖線で示す位置に移動し、これによりストッパ角度切り換え部材62が支軸63を中心にして図示時計回り方向に回動して図7において実線で示すストッパ位置から図中二点鎖線で示すストッパ退避位置に移動する。ストッパ角度切り換え部材62がストッパ退避位置に移動させた状態で、傾斜角度固定レバー15を緩めて切断機本体50を例えば45゜傾斜位置から小角度傾斜切り位置に向けて傾動させると、下側のストッパ部材41はストッパ角度切り換え部材62のストッパ部62aには当接せず、リブ11cの右側面(小角度ストッパ面11ca)に直接当接し、これにより切断機本体50が使用者から見て右側(駆動モータ52側)へ小角度(約5゜)だけ傾斜した小角度傾斜切り位置に位置決めされる。然る後、傾斜角度固定レバー15を締め付けることにより切断機本体50が小角度傾斜切り位置に固定され、これにより前記床材Wの端面傾斜切りを迅速かつ正確に行うことができる。
下側のストッパ部材41がリブ11cの小角度ストッパ面11caに当接して切断機本体50の小角度傾斜切り位置への位置決めがなされたならば、操作ロッド64の押し込み操作を止めることができる。
【0019】
切断機本体50を上記小角度傾斜切り位置から例えば直角切り位置に戻すには、傾斜位置固定レバー15を緩めて使用者から見て左方へ傾動させ、切断機本体50を一旦直角切り位置を通過した位置まで傾動させる。これにより下側のストッパ部材41とリブ11cの小角度ストッパ面11caとの間に、ストッパ角度切り換え部材62のストッパ部62aが入り込むための隙間が発生し、この隙間に、図7において反時計回り方向にばね付勢されたストッパ角度切り換え部材62のストッパ部62aが進入する。このため、一旦直角切り位置を通過させた後切断機本体50を再び直角切り位置に向けて傾動させると、下側のストッパ部材41がストッパ角度切り換え部材62のストッパ部62aに当接し、これにより切断機本体50が直角切り位置に位置決めされる。
以上説明したように、第2実施形態の小角度ストッパ機構66によっても、切断機本体50を直角切り位置から僅かに傾斜させた小角度傾斜切り位置への位置決めをワンタッチで行うことができるので、従来のように角度目盛りを確認することなく、切断機本体50を小角度傾斜切り位置に迅速かつ正確に位置決めすることができ、従って例えば前記した床材Wの端面tの小角度傾斜切りを効率よく行うことができる。
また、第2実施形態においても、ストッパ角度切り換え部材62のストッパ部62aがリブ11cに重ね合わせ状態で配置されているので、当該ストッパ部62aにストッパ部材41が当接することにより付加される外力がリブ11cにより受けられる、このため、ストッパ角度切り換え部材62の板厚を薄くしても切断機本体50の直角切り位置への位置決めが常時安定して正確になされる。ストッパ角度切り換え部材62の板厚を薄くすることができるので、当該ストッパ角度切り換え部材62を傾動軸13の近傍に配置して小角度の位置決めを実現することができ、これにより小角度位置決め機構20を傾動支持ベース11と傾動ベース12との間にコンパクトに組み込むことができる。
さらに、第2実施形態の小角度ストッパ機構66によれば、ストッパ角度切り換え部材62をストッパ退避位置へ移動させるための操作ロッド64が使用者から見て傾動支持部61の手前側(傾動支持ベース11の前面側)に配置されている。これに対して前記第1実施形態の小角度ストッパ機構30によれば、操作ロッド45が傾動支持部10の背面側(傾動ベース12の後面側)に配置されている。このため、第2実施形態によれば、第1実施形態よりも操作ロッド64の操作性をよくすることができる。
【0020】
以上説明した第1および第2実施形態では、小角度として5゜に設定した場合を例示した必要に応じて2゜、3゜等の小角度に設定することもできる。例示した構成から明らかなように、ストッパ角度切り換え部材のストッパ部の板厚寸法に相当する傾動角度が小角度となる構成であるので、ストッパ部の板厚を適切に増減することにより小角度を任意に設定することができる。ストッパ角度切り換え部材のストッパ部の板厚を薄くするほど、小角度を小さく設定することができる。
また、ストッパ部材41の傾動軸13からの距離を変更することによっても傾斜角度を変更することができる。
また、使用者から見て右側(駆動モータ52側)へ小角度(5゜)傾斜させる構成を例示したが、必要に応じて左側へ小角度傾斜させる構成、あるいは双方へ小角度傾斜可能な構成としてもよい。さらに、45゜傾斜機能は省略してもよい。
また、持ち運び可能な携帯形の丸鋸盤を例示したが、大型のテーブルに切断機本体を支持した据え付け形の切断機にも同様に適用することができる。
さらに、切断刃を回転させて切断する丸鋸盤を例示した、切断刃を往復動させて切断する形態の切断機(いわゆるジグソー)に適用することもできる。また、鋸刃ではなく砥石を備えたグラインダ等の切断機に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図であり、スライド式の卓上丸鋸盤の全体側面図である。
【図2】図1のスライド式卓上丸鋸盤を矢印(2)方向から見た全体正面図である。本図では、直角切り位置に位置する切断機本体が実線で示され、向かって左側へ45゜傾斜させた切断機本体が二点鎖線で示されるとともに符号50(L45)が付され、向かって右側へ約5゜の小角度で傾斜させた切断機本体が二点鎖線で示されるとともに符号50(R5)が付されて相互に区別されている。
【図3】第1実施形態の傾動支持部を図2中矢印(3)方向から見た縦断面図である。
【図4】図3中(4)−(4)線矢視図であって、第1実施形態の傾動支持部の内部構造を後方から見た図である。本図は、切断機本体が直角切り位置に位置決めされた段階を示している。
【図5】図3中(4)−(4)線矢視図であって、第1実施形態の傾動支持部の内部構造を後方から見た図である。本図は、切断機本体が使用者から見て左側へ45゜傾斜した位置に位置決めされた段階を示している。
【図6】図3中(4)−(4)線矢視図であって、第1実施形態の傾動支持部の内部構造を後方から見た図である。本図は、切断機本体が使用者から見て右側へ小角度だけ傾斜した位置に位置決めされた段階を示している。
【図7】第2実施形態の傾動支持部の縦断面図である。
【図8】図7の(8)−(8)線矢視図であって、第2実施形態の傾動支持部の内部構造を後方から見た図である。本図は、切断機本体が直角切り位置に位置決めされた段階を示している。
【図9】切り口が化粧面側から僅かな角度で逃がされた切断材の側面図である。
【図10】複数の床材を幅木に向かって順次貼り付けていく様子を示す図である。
【符号の説明】
1…切断機
5…スライドバー
10…傾動支持部
11…傾動支持ベース、11a〜11f…リブ
11ca…小角度ストッパ面
12…傾動ベース
13…傾動軸
15…傾斜位置固定レバー
20…45゜ストッパ機構
30…小角度ストッパ機構
31…ストッパ角度切り換え部材、31c…ストッパ部
40…上側のストッパ部材
41…下側のストッパ部材
45…操作ロッド、47…係合板
50…切断機本体
52…駆動モータ
61…傾動支持部(第2実施形態)
62…ストッパ角度切り換え部材、62a…ストッパ部
64…操作ロッド
66…小角度ストッパ機構(第2実施形態)
W…切断材(床材)
t…床材の端面(切り口)
Claims (2)
- 切断材を載置するテーブル側に設けた傾動支持ベースに対して、切断刃を備えた切断機本体側に設けた傾動ベースを回転可能に設けて、前記切断機本体が前記テーブルに対して、前記切断刃が前記テーブルに対して直交する直角切り位置と、前記切断刃が前記テーブルに対して僅かな角度だけ傾斜する小角度傾斜切り位置との間を傾動可能に支持された切断機であって、
前記切断機本体を前記小角度傾斜切り位置で位置決めする小角度ストッパ機構を備え、
該小角度ストッパ機構は、前記傾動支持ベースに設けた小角度傾斜切り用の小角度ストッパ面と、前記傾動支持ベースに設けられ、該小角度ストッパ面に対して進退可能かつ該小角度ストッパ面に整合するストッパ位置側に付勢されたストッパ角度切り換え部材と、前記傾動ベースに設けたストッパ部材を備え、
前記ストッパ角度切り換え部材を前記小角度ストッパ面に整合するストッパ位置に移動させて、該ストッパ角度切り換え部材に前記ストッパ部材を当接させることにより前記切断機本体を前記直角切り位置に位置決めし、
前記ストッパ角度切り換え部材を使用者の操作により前記ストッパ位置から退避させて、前記小角度ストッパ面に前記ストッパ部材を当接させることにより前記切断機本体を前記小角度傾斜切り位置に位置決めする構成とし、前記僅かな角度を前記ストッパ角度切り換え部材の板厚に相当する角度とした切断機。 - 請求項1記載の切断機であって、ストッパ角度切り換え部材に板材を用いて該ストッパ角度切り換え部材を傾動ベースの回転中心近傍に配置するとともに、小角度ストッパ面とストッパ部材を前記傾動ベースと傾動支持ベースとの間に組み込んだ構成とした切断機。
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