JP4209000B2 - インクジェットヘッド用駆動装置及び該駆動装置を備えたインクジェットヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッド用駆動装置及びインクジェットヘッドに係り、特に、圧電素子に電圧を印加することにより、同一のノズルから異なる径のインク滴を吐出させることのできるインクジェットヘッド及びその駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、圧電素子の圧電効果を利用して圧力室を収縮または膨張させ、当該圧力室内のインクをノズルから吐出するようにしたインクジェットヘッドが知られている。この種のインクジェットヘッドでは、圧電素子に対し異なるレベルの電圧を印加することによって、異なる径のインク滴を吐出可能とし、これにより、階調性の高い高品質な印刷を実現している。
【0003】
例えば、特開平10−81012号公報には、図9に示すように、圧電素子に対して電圧値の大きな第1パルス電圧V1と電圧値の小さな第2パルス電圧V2とを選択的に印加することにより、同一のノズルから径の異なるインク滴を吐出させるようにしたインクジェットヘッドが開示されている。
【0004】
しかし、径の大きなインク滴を吐出するためには、比較的高い電圧値のパルス電圧を圧電素子に印加する必要がある。ところが、高電圧領域での電圧値の制御は難しく、また、高電圧用の電気回路や電圧の昇圧装置は高価である。そのため、電圧値の大小に基づいてインク滴の径を調節するインクジェットヘッドの駆動装置は、高価なものになっていた。そこで、特開平10−151770号公報では、図10に示すように、電圧値が一定の1または2以上のパルス電圧を印加することとし、一印刷周期中に印加するパルス電圧の数を変更することにより、径の異なるインク滴を吐出させる方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特開平10−151770号公報に開示されたインクジェットヘッドでは、パルス電圧の数だけ圧電素子が周期的な変位動作を繰り返すため、実際には大径のインク滴を安定して吐出することが困難であった。例えば、一印刷周期中に5つのパルス電圧を印加する場合には、圧電素子は一印刷周期中に5周期の変位動作を行うことになる。しかし、図11に示すように、圧電素子が一周期変位する毎に、ノズルから吐出されたインク滴dは根本部がくびれた状態になる。そのため、5周期の変位動作を完了する以前(例えば3周期目の変位を終了した時点等)に、インク滴の先端部分が慣性力によって飛散してしまい、インク滴が分断されて所定サイズのインク滴を形成することが困難であった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パルス電圧を活用しつつ、異なる径のインク滴を安定して吐出できるインクジェットヘッド及びその駆動装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、圧電素子を備えたアクチュエータを、パルス電圧の印加開始時から遅れて変位させ、上記アクチュエータの固有周期の1/4以下のパルス幅を有するパルス電圧を有効利用することとした。
【0012】
具体的には、第1の発明は、圧電素子に電圧を印加することにより、該圧電素子を具備したアクチュエータを変位させ、該アクチュエータが変位することにより膨張又は収縮する圧力室に設けられたノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッド用駆動装置であって、上記アクチュエータの一周期の変位動作中に、パルス電圧の後縁を、上記アクチュエータの変位を開始させた時からアクチュエータの一次固有周期の1/4を超えた以降の時点とした一のパルス電圧を含む複数のパルス電圧を出力自在なパルス電圧発生手段と、上記アクチュエータの一周期の変位動作によって上記ノズルから吐出されるインク滴の径が所定値になるように、上記アクチュエータの一周期の変位動作中に上記パルス電圧発生手段から出力されるパルス電圧の数を調節し、該パルス電圧を上記圧電素子に印加するパルス電圧印加手段と、を備え、上記パルス電圧印加手段は、大径のインク滴を吐出させるときには、上記アクチュエータが上記圧力室を収縮させる向きに変位している際に、上記一のパルス電圧よりもパルス幅の短い1又は2以上のパルス電圧であって、これらのパルス電圧及び上記一のパルス電圧の時間積分値の合計をインク滴の径にかかわらず一定の目標吐出速度に応じた値とした第一の1又は2以上のパルス電圧を印加し、上記アクチュエータが上記圧力室を膨張させる向きに変位している際に、上記アクチュエータが上記圧力室を収縮させる向きに変位しない程度のパルス幅の短い1又は2以上のパルス電圧であって各パルス電圧の時間積分値の合計をインクのメニスカス振動を抑制するための所定値とした第二の1又は2以上のパルス電圧を印加するものである。
【0013】
上記事項により、パルス電圧発生手段は、アクチュエータの一周期の変位動作中に複数のパルス電圧を出力する。パルス電圧印加手段は、ノズルから吐出するインク滴の径が所定値になるように、パルス電圧発生手段が出力する複数のパルス電圧を圧電素子に印加する。その結果、アクチュエータはパルス数に応じた変位量を伴う一周期の変位動作を行い、所定径のインク滴を吐出する。そして、アクチュエータが圧力室を膨張させる向きに変位している際にも、その変位を緩やかにして、変位速度を調整することができる。
また、ノズルから吐出されるインク滴の吐出速度は所定の一定値になる。従って、インク滴の径の違いによる着弾位置のずれの発生が回避され、高品質の印刷が行われる。
さらに、アクチュエータの変位増加時における複数のパルス電圧の間隔や各パルス幅を変更等して、当該複数のパルス電圧の時間積分値の合計を調節することにより、インク滴の吐出速度が調節されることになる。
加えて、インク滴の吐出直後、すなわちアクチュエータの変位が減少する際に、複数のパルス電圧の各時間積分値の合計が所定値であるようなパルス電圧が印加され、アクチュエータの急激な変位動作が緩和される。従って、インクのメニスカス振動が抑制され、サテライトの発生等が防止される。その結果、高品質の印刷が実行されることになる。
【0014】
第2の発明は、上記第1の発明において、パルス電圧発生手段は、2以上のパルス電圧から成る第1パルス電圧群と、1または2以上のパルス電圧から成る第2パルス電圧群とを少なくとも含む複数種類のパルス電圧群を出力自在に構成され、パルス電圧印加手段は、ノズルから吐出されるインク滴の径が変更されるように、上記パルス電圧発生手段が出力する複数種類のパルス電圧群のいずれか一つを選択して上記アクチュエータの一周期の変位動作中に上記圧電素子に印加するように構成されていることとしたものである。
【0015】
上記事項により、吐出すべきインク滴の吐出量に応じて、パルス電圧発生手段が複数種類のパルス電圧群から所定のパルス電圧群を選択し、当該パルス電圧群を圧電素子に印加する。その結果、アクチュエータは、印加されたパルス電圧群に含まれるパルス電圧の数に応じた変位量を伴う変位動作を行い、当該変位量に応じた径のインク滴を吐出することになる。従って、選択するパルス電圧群を変更することにより、同一のノズルから異なる径のインク滴が吐出されることになる。
【0022】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、パルス電圧発生手段は、電圧値が等しくかつパルス幅の異なる複数のパルス電圧を出力するように構成されていることとしたものである。
【0023】
上記事項により、パルス電圧の電圧値の制御が不要となるので、パルス電圧発生手段が容易かつ安価に構成されることになる。
【0024】
第4の発明は、上記第1又は第2の発明において、パルス電圧発生手段は、電圧値が等しくかつパルス幅が等しい複数のパルス電圧を出力するように構成されていることとしたものである。
【0025】
上記事項により、パルス電圧の電圧値及びパルス幅の制御が不要となるので、パルス電圧発生手段が極めて容易かつ安価に構成されることになる。
【0026】
第5の発明は、上記第2の発明において、アクチュエータの各周期の変位動作における最終の印加パルス電圧の印加終了時が所定の一定周期となるように、パルス電圧発生手段のパルス電圧の出力開始時を調節する開始時調節手段をさらに備えていることとしたものである。
【0027】
上記事項により、パルス電圧発生手段が出力するパルス電圧は一定の周期で終了するため、パルス電圧の種類に拘わらず、パルス電圧の印加終了時に基づいて、その後の処理を進めることができる。
【0028】
第6の発明は、上記第1〜第5のいずれか一の発明において、パルス電圧発生手段は、矩形パルス電圧を出力するように構成されていることとしたものである。
【0029】
上記事項により、パルス電圧発生手段が簡易かつ安価に構成されることになる。
【0030】
第7の発明は、インクジェットヘッドであって、上記第1〜第6のいずれか一の発明に係るインクジェットヘッドの駆動装置と、薄さが0.5μm〜5.0μmの薄膜PZTから成る圧電素子を有するアクチュエータとを備えていることとしたものである。
【0031】
上記事項により、アクチュエータは電圧印加開始時から遅れて変位しやすくなり、上記第1〜第6の発明が容易に実現される。
【0032】
第8の発明は、インクジェットヘッドであって、上記第1〜第6のいずれか一の発明に係るインクジェットヘッドの駆動装置と、一次の固有振動数が50kHz〜500kHzであるアクチュエータとを備えていることとしたものである。
【0033】
上記事項により、アクチュエータは電圧印加開始時から遅れて変位しやすくなり、上記第1〜第6の発明が容易に実現される。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0035】
<第1実施形態>
図1〜図3に示すように、本実施形態に係るインクジェットヘッド1は、いわゆるたわみ振動型の圧電素子13を用いたインクジェットヘッドである。すなわち、インクジェットヘッド1は、圧電素子13に電圧を印加することによって当該圧電素子13にたわみ変形を行わせて圧力室4を収縮または膨張させ、これに伴う圧力室4の圧力変化によって、ノズル開口2からインク滴を吐出するものである。
【0036】
−インクジェットヘッド1の構成−
インクジェットヘッド1は、イエローヘッド、マゼンダヘッド、シアンヘッド、及びブラックヘッドの合計4色のヘッドを備え、各ヘッドからそれぞれの色のインク滴を吐出するように構成されている。図1は、一色分のインクを吐出する一ヘッドの部分平面図である。
【0037】
図1に示すように、インクジェットヘッド1の各ヘッドは、副走査方向(図1に示すY方向)に互いに所定間隔を存して配設された64個のノズル開口2を備えている。インクジェットヘッド1は図示しないキャリッジに取り付けられ、当該キャリッジと共に主走査方向(図1に示すX方向)へ移動しつつ、所定の印刷周期毎に各ノズル開口2から小径または大径のインク滴を吐出して記録を行う。
【0038】
圧力室4は、各ノズル開口2に対し一つづつ設けられ、インクジェットヘッド1の内部に区画形成されている。圧力室4は主走査方向に延びる長溝状に形成され、隣り合う圧力室4と平行に配設されている。各ノズル開口2は、各圧力室4の右端部に形成されている。ヘッド1の内部における圧力室4の左側には、副走査方向にわたって延びるインク供給室3が区画形成されている。インク供給室3と各圧力室4との間にはインク供給路5がそれぞれ形成され、インク供給室3と各圧力室4とは上記インク供給路5を通じて連通している。
【0039】
図2に示すように、インクジェットヘッド1は、ノズル開口2が形成されたノズルプレート6と、圧力室4及びインク供給路5を区画形成する区画壁7と、アクチュエータ10とが順に積層されて構成されている。ノズルプレート6は厚さ20μmのポリイミド板、区画壁7はステンレスのラミネート板(厚さ280μm)によってそれぞれ形成されている。図3及び図4に誇張して示すように、アクチュエータ10は、振動板11、圧電素子13及び個別電極14が順に積層されて構成されている。振動板11は、2μmのクロム(Cr)で形成されており、共通電極としても機能する。圧電素子13は、超薄型の圧電素子であり、具体的には3μmのPZT(ジルコル酸チタン酸鉛)で形成されている。また、圧電素子13が超薄型であることから、アクチュエータ10の全体も、従来に比べて極めて薄く構成されている。具体的には、個別電極14が0.1μmの白金(Pt)電極で形成されていることから、アクチュエータ10の全体の厚さは、約5μm程度になっている。このため、本インクジェットヘッド1のアクチュエータ10は、厚さ9μm以上の従来のアクチュエータに比べて、たわみ剛性が低く、一次の固有振動数が低い。言い換えると、従来のアクチュエータに比べて、一次の固有周期が長い。なお、ここで言うアクチュエータの一次固有振動数とは、厳密に言うと、圧力室4内に存在するインクを含んだ系の一次固有振動数である。
【0040】
なお、アクチュエータ10は、パルス電圧の印加開始時から遅れて変位するように構成されていればよいが、特に、その一次固有振動数が50kHz以上かつ500kHz以下に構成されていることが好ましく、さらには、150kHz以上かつ250kHz以下に構成されていることがより一層好ましい。本実施形態では、アクチュエータ10の一次固有振動数は約200kHzである。
【0041】
また、圧電素子13の薄さは0.5μm以上かつ5μm以下が好ましく、2μm以上かつ4μm以下がより一層好ましい。
【0042】
−駆動装置20の構成−
次に、図5のブロック図を参照しながら、駆動装置20の構成を説明する。駆動装置20は、CPUから成る制御部21と、各種データ処理のためのルーチン等を記憶したROM22と、各種データの記憶等を行うRAM23と、記録用紙の紙送りを行う搬送モータ26やキャリッジモータ28を駆動するためのモータ制御回路24と、印刷データを受信するデータ受信回路29と、駆動信号部30とを備えている。モータ制御回路24と搬送モータ26との間及びモータ制御回路24とキャリッジモータ28との間には、それぞれドライバ25,27が設けられている。
【0043】
駆動信号部30は、大径のインク滴を吐出させるための第1パルス電圧と、小径のインク滴を吐出させるための第2パルス電圧とを発生するように構成された回路である。図6に示すように、第1パルス電圧P1及び第2パルス電圧P2はいずれも矩形パルス電圧であり、互いの電圧値は等しいが、パルス幅は異なっている。具体的には、第2パルス電圧P2のパルス幅W2=tE−t2は、第1パルス電圧P1のパルス幅W1=tE−t1よりも長い。本実施形態では、第1パルス電圧P1は約5plのインク滴を吐出するように設定され、第2パルス電圧P2は約15plのインク滴を吐出するように設定されている。
【0044】
図5に示すように、駆動信号部30は、第1パルス信号開始回路31、第2パルス信号開始回路32、第1パルス信号発生回路33、第2パルス信号発生回路34、選択回路35a,35b,35c,…、及び増幅回路36a,36b,36c,…を備えている。パルス信号開始回路31,32は、本発明で言うところの「開始時調節手段」に対応し、パルス信号発生回路33,34は、本発明で言うところの「パルス電圧発生手段」に対応し、選択回路35a,35b,35c,…及び増幅回路36a,36b,36c,…は、本発明で言うところの「パルス電圧印加手段」に対応する。
【0045】
第1パルス信号開始回路31は、第1パルス電圧の発生開始時間になると所定の第1信号を出力する回路であり、第2パルス信号開始回路32は、第2パルス電圧の発生開始時間になると所定の第2信号を出力する回路である。両パルス電圧P1,P2の発生開始時間は、パルス幅の異なる第1パルス電圧P1及び第2パルス電圧P2の印加終了時tEが共に等しくなるように、第2パルス電圧P2の発生開始時間が第1パルス電圧P1の発生開始時間よりも遅く設定されている。
【0046】
第1パルス信号発生回路33は、第1パルス信号開始回路31から上記第1信号を入力すると第1パルス電圧P1を発生する回路である。同様に、第2パルス信号発生回路34は、第2パルス信号開始回路32から上記第2信号を入力すると第2パルス電圧P2を発生する回路である。
【0047】
選択回路35a,35b,35c,…は、第1パルス信号発生回路33からの第1パルス電圧P1、及び第2パルス信号発生回路34からの第2パルス電圧P2を、選択的に各圧電素子13a,13b,13c,…に印加するための回路であり、各印刷周期毎に、吐出すべきインク滴の大きさに応じて第1パルス電圧P1または第2パルス電圧P2のいずれかを選択するように構成されている。増幅回路36a,36b,36c,…はパルス電圧を増幅して各圧電素子13a,13b,13c,…に供給する回路であり、選択回路35a,35b,35c,…と圧電素子13a,13b,13c,…との間にそれぞれ設けられている。
【0048】
−パルス電圧とアクチュエータ10の変位との関係−
次に、パルス電圧とアクチュエータ10の変位との関係を説明する。上述したように、本インクジェットヘッド1のアクチュエータ10は、従来に比べて極めて薄型であることから、一次の固有振動数が小さい。そのため、従来のアクチュエータは印加パルス電圧に瞬時に追従して変位していたが、本アクチュエータ10は、パルス電圧の印加開始時から遅れて変位することになる。なお、ここでは、圧力室4を収縮させる方向に変位することを「正方向の変位」、圧力室4を膨張させる方向に変位することを「負方向の変位」ということとする。従って、図2において、下方向への変位が正方向の変位に対応し、上方向の変位が負方向の変位に対応する。
【0049】
図6(b)に示すように、パルス電圧のパルス幅W2がアクチュエータ10の一次の固有周期λ(固有振動数の逆数。以下、単に「固有周期」と称する)の1/4以上の場合は、一点鎖線で示すアクチュエータ10の変位は、パルス電圧印加後λ/4の時点で電圧Vに対応した第2変位L2に達し、その後、パルス電圧の印加が終了するまで振動する。一方、図6(a)に示すように、パルス幅W1が固有周期λの1/4未満の場合は、アクチュエータ10は電圧Vに対応した第2変位L2にまでは変位せず、第2変位L2よりも小さな第1変位L1だけ変位することになる。つまり、固有振動数の大きな従来のアクチュエータでは、その変位量は、印加パルス電圧の電圧値によって一義的に定まっていた。そのため、従来は、上記変位量を印加電圧の電圧値を変更することにより調節していた。これに対し、本実施形態では、アクチュエータ10の変位量はパルス電圧の電圧値だけでは定まらず、パルス幅によっても異なってくる。そこで、本実施形態では、パルス電圧の電圧値は一定とし、パルス幅を変更することにより、アクチュエータ10の変位量を調節することとしている。
【0050】
また、本実施形態では、以下の理由により、第1パルス電圧P1の印加終了時tEは、印加開始時t1からλ/4よりも遅い時間に設定されている。すなわち、アクチュエータ10を第2変位L2にまで変位させるのであれば、印加パルス電圧のパルス幅はλ/4で十分である。しかし、本アクチュエータ10は固有振動数が小さいことから、λ/4の時点で電圧の印加を終了すると、圧電素子13は第2変位L2の位置から振動することになり、その振幅が大きくなってしまう。圧電素子13の振幅が大きいと、ノズル開口2におけるインクのメニスカス振動が大きくなる。そこで、本実施形態では、固有周期λの1/4を越えてもパルス信号を印加し続け、圧電素子13の変位が第2変位L2よりも小さくなった時点で印加を終了することにしている。このことにより、パルス信号を印加し続けた分、圧電素子13は変位の小さな時点から振動を始めることになり、圧電素子13の振動が抑制されて、インクのメニスカスは安定することになる。
【0051】
なお、パルス信号の印加終了時点は固有周期λの1/4よりも遅ければよいが、アクチュエータ10の変位曲線の増加率が低下する時点(図6(b)の点B〜点D間)、つまり変位曲線の2階微分の値が正である時点がより好ましい。この場合は、アクチュエータ10の変位自体が相対的に小さく、さらに、変位速度が増加する傾向にあるからである。振動は変位が減少する方向、すなわち負方向の変位から始まるため、変位速度が増加する傾向にあると、振動の初速度は小さくなる。
【0052】
また、変位曲線がいったん減少してから再び増加し始める時点(点C〜点D間)も好ましい。この場合もアクチュエータ10の変位自体が相対的に小さく、さらに、アクチュエータ10は変位が増加する傾向にあるからである。より好適には、アクチュエータ10の変位速度がゼロになる時点(点D)、すなわち、減少した変位が再び増加する直前が望ましい。この場合、アクチュエータ10の変位速度がゼロであることに加え、振動中のアクチュエータ10の変位が最小となるからである。本実施形態の第2パルス電圧P2では、アクチュエータ10の変位速度がゼロになる時点でパルス信号の印加を終了することとしている。
【0053】
−駆動装置20の動作−
次に、図5及び図7を参照しながら、大径のインク滴(以下、「大インク滴」と称する)と小径のインク滴(以下、「小インク滴」と称する)とを適宜選択して吐出することにより、記録用紙に多階調表現を行うインクジェットヘッド1の駆動方法の一例を説明する。
【0054】
図7(a)は第1圧電素子13aに印加されるパルス電圧群、図7(b)は第2圧電素子13bに印加されるパルス電圧群を示す。所定の印刷周期tc毎にインク滴が吐出されるように、パルス電圧群の各パルス電圧は、印刷周期tc毎に印加される。第2パルス電圧P2は、各印刷周期の開始時から印加され始め、所定の終了時tEまで印加される。一方、第1パルス電圧P1は、印刷周期の開始時から所定時間t1経過時に印加され始め、上記終了時tEまで印加される。つまり、第1パルス電圧P1と第2パルス電圧P2とは、パルス幅が異なるが、終了時点は等しい。
【0055】
図5に示すデータ受信回路29が画像データを受信すると、制御部21がROM22に記憶された処理ルーチンを参照しながら、モータ制御回路24を介して搬送モータ26及びキャリッジモータ28を制御する。第1パルス信号発生回路33及び第2パルス信号発生回路34は、それぞれ第1パルス電圧P1及び第2パルス電圧P2を発生する。制御部21は、また、上記画像データに基づいて、各選択回路35a,35b,35c,…に選択すべきパルス電圧の情報を出力する。
【0056】
各選択回路35a,35b,35c,…は、上記情報に基づいて、第1パルス電圧P1または第2パルス電圧P2のいずれか一つを各増幅回路36a,36b,36c,…に出力する。各増幅回路36a,36b,36c,…は、入力されたパルス電圧を増幅して、各圧電素子13a,13b,13c,…に印加する。
【0057】
その結果、図7(a)に示すように、第1圧電素子13aには、第2パルス電圧P2、第2パルス電圧P2、第1パルス電圧P1、…の順にパルス電圧が印加されるので、第1圧電素子13aに対応する第1ノズルからは、大インク滴、大インク滴、小インク滴、…の順にインク滴が吐出される。一方、第2圧電素子13bには、第2パルス電圧P2、第1パルス電圧P1、第1パルス電圧P1、…の順にパルス電圧が印加されるので、第2圧電素子13bに対応する第2ノズルからは、大インク滴、小インク滴、小インク滴、…の順にインク滴が吐出される。
【0058】
−第1実施形態の効果−
以上のように、第1実施形態によれば、異なるパルス幅を有する第1パルス電圧P1と第2パルス電圧P2とを圧電素子13に対し選択的に印加することにより、同一のノズルから大インク滴と小インク滴とを選択的に吐出させることができる。また、印加するパルス電圧のパルス幅を調節することにより、様々な径のインク滴を吐出させることが可能となる。従って、インク滴の大きさに応じて印加電圧の電圧値を調節する必要がないので、電圧値を調節するための複雑な制御が不要である。そのため、駆動装置20は簡易かつ安価に構成されており、多階調の記録を容易に実行することができる。
【0059】
第1パルス電圧P1の開始時と第2パルス電圧P2の印加開始時とをずらすことにより、両パルス電圧P1,P2の終了時間を揃えることとしたので、パルス電圧の印加終了時に基づいてその後の処理を実行することができる。
【0060】
固有振動数が小さいというアクチュエータ10の特性を考慮して、第1パルス電圧P1の印加終了時をアクチュエータ10の固有周期λの1/4よりも遅い時点に設定しているので、アクチュエータ10の変位が第2変位L2(最大の変位)よりも小さな状態で電圧印加を終了することができ、インクのメニスカス振動を抑制することができる。従って、サテライトの発生等を防止することができ、印刷品質を向上させることができる。
【0061】
−変形例−
上記第1実施形態では、大インク滴及び小インク滴の2種類のインク滴を吐出可能なように、2種類のパルス電圧を選択的に印加することとしたが、3種類以上のインク滴を選択的に吐出するように、パルス幅の異なる3種類以上のパルス電圧を発生させ、印加させるように構成してもよいことは勿論である。
【0062】
また、上記第1実施形態では、発生容易な矩形パルス電圧を用いたが、圧電素子13に印加するパルス電圧は矩形パルス電圧に限定されるものではなく、様々な波形のパルス電圧を利用することが可能である。例えば、時間遅れを伴って立ち上がる台形波や、時間遅れを伴って立ち下がる台形波等であってもよい。
【0063】
パルス電圧の電圧値は一定であることが望ましいが、駆動装置20の構成が簡易かつ安価である限り、パルス電圧毎に電圧値が異なっていてもよい。
【0064】
<第2実施形態>
第2実施形態は、パルス電圧の数を調節することにより、アクチュエータ10の変位量だけでなく、変位速度も調節可能にしたものである。
【0065】
インクジェットヘッド1及び駆動装置20の構成は実施形態1と同様である。従って、アクチュエータ10の一次固有振動数は低く、固有周期は長い。これにより、本インクジェットヘッド1は、アクチュエータ10の一周期の変位動作中に、圧電素子13に対し複数の小パルス電圧を印加することが容易な構成となっている。
【0066】
−パルス電圧の数とアクチュエータ10の変位との関係−
アクチュエータ10の固有周期が長いことから、本駆動装置20は、圧電素子13に印加するパルス電圧の数、パルス幅、またはパルス電圧間の間隔等を調節することにより、アクチュエータ10の変位量だけでなく、その変位速度も調節することができる。
【0067】
ここで、アクチュエータ10の変位速度の調節原理を説明する。パルス電圧を印加すると、圧電素子13が正方向に変位する力を受けるため、アクチュエータ10は正方向に変位する。その後、パルス電圧の印加を停止すると、圧電素子13は外力を受けないが、停止直後はアクチュエータ10は慣性力を有しているので、正方向への変位を続けることになる。ただし、パルス電圧の印加を停止した後は、印加中に比べて変位速度は減少している。従って、いったん印加を停止した後、微小時間経過後に再び電圧を印加すると、アクチュエータ10の変位は減少することなく、緩やかに増加していくことになる。
【0068】
このような原理を利用して、本駆動装置20は、アクチュエータ10を急速に正方向に変位させる場合には、パルス幅の大きなパルス電圧を印加するか、あるいはパルス電圧の間隔を短くすることとしている。一方、アクチュエータ10を正方向に緩やかに変位させる場合には、パルス幅の短いパルス電圧を印加するか、あるいはパルス電圧の間隔を長くすることとしている。
【0069】
また、同様にして、アクチュエータ10を急速に負方向に変位させる場合には、アクチュエータ10の変位が減少し始めた後に、パルス電圧の印加は行わないこととしている。一方、アクチュエータ10を負方向に穏やかに変位させる場合には、アクチュエータ10が負方向に変位している際に、アクチュエータ10が正方向に変位しない程度のパルス幅の短いパルス電圧を印加することとしている。
【0070】
具体的には、第2実施形態では、図8(a)及び(b)に示すように、所定間隔で連続する複数(図示の例では5つ)の小パルスP11〜P15から成る第1パルス電圧群P1と、単一の小パルスP21からなる第2パルス電圧群P2とを選択的に印加することとしている。つまり、第2実施形態では、駆動装置20の第1パルス信号発生回路33は、一印刷周期中に5つの小パルスP11〜P15を発生するように構成されており、第2パルス信号発生回路34は単一の小パルスP21を発生するように構成されている。
【0071】
第1パルス電圧群P1は、上記小パルスP11〜P15によってアクチュエータ10を一周期変位させるように設定されている。第1小パルスP11、第2小パルスP12及び第3小パルスP13は、アクチュエータ10を正方向に緩やかに変位させるための矩形パルス電圧である。これに対し、第4小パルスP14及び第5小パルスP15は、アクチュエータ10の負方向への変位の速度を緩やかにするための矩形パルス電圧である。第1パルス電圧群P1は、約15plの大インク滴を吐出するように設定され、第2パルス電圧群P2は、約5plの小インク滴を吐出するように設定されている。
【0072】
第1パルス電圧群P1の各小パルスP11〜P15は、第1パルス電圧群P1による大インク滴と第2パルス電圧群P2による小インク滴とが同一の吐出速度で吐出されるように設定されている。第1パルス電圧群P1の小パルスの数、各小パルスの幅及び高さは、インクジェットヘッド1の仕様やその他の条件により異なり、シミュレーションや実験等により設定することができる。本実施形態では、アクチュエータ10の変位曲線を立ち上げる際、つまりアクチュエータ10の変位の増加時における小パルスP11〜P13は、各小パルスP11〜P13の時間積分値(電圧値×パルス幅)の合計が目標吐出速度に応じた所定値になるように設定されている。具体的には、上記時間積分値の合計は、全小パルスP11〜P15の時間積分値の合計の60%になるように設定されている。
【0073】
また、アクチュエータ10の変位曲線が立ち下がる際、つまりアクチュエータ10の変位の減少時における小パルスP14,P15は、各小パルスP14,P15の時間積分値の合計がメニスカス振動を抑制するための所定値になるように設定されている。具体的には、当該時間積分値の合計は、全小パルスP11〜P15の時間積分値の合計の40%になるように設定されている。
【0074】
なお、第1実施形態と同様、各印刷周期後の処理を行いやすいように、第1パルス電圧群P1の最終の小パルスP15と第2パルス電圧群の小パルスP2とは、同一の終了時刻teにおいて終了するように設定されている。
【0075】
−第2実施形態の効果−
以上のように、第2実施形態によれば、アクチュエータ10の一周期の変位動作中に圧電素子13に対し複数のパルス電圧を印加することとしたので、パルス電圧の数やパルス間の間隔を調節することにより、アクチュエータ10の変位量だけでなく、変位速度も調節することが可能になった。そのため、同一のノズルから異なる径のインク滴を吐出させることができるとともに、インク滴の吐出速度を調節することが可能になった。従って、インク滴の径に拘わらず吐出速度を一定にすることができるので、記録媒体へのインク滴の着弾位置ずれを防止することができる。
【0076】
また、インク滴の吐出後の変位速度を緩やかにすることができるので、インクのメニスカス振動を抑制することができ、サテライトの発生等を防止することが可能となった。
【0077】
実施形態1と同様、印加するパルス電圧はすべて電圧値が等しいため、電圧値を調節するための複雑な制御が不要であり、多階調の記録を容易かつ安価に実現することができる。
【0078】
−変形例−
上記第2実施形態では、大インク滴及び小インク滴の2種類のインク滴を吐出可能なように、2種類のパルス電圧群を選択的に印加することとしたが、3種類以上のインク滴を選択的に吐出するように、3種類以上のパルス電圧群を発生させ、印加させるように構成してもよいことは勿論である。例えば、表1に示すような第1〜第3パルス電圧群を選択的に発生させ、印加させるようにしてもよい。
【0079】
なお、表1において、「立ち上げ時間」とは、パルス電圧を印加してからアクチュエータ10が最大変位に達するまでの時間をいう。「立ち上げパルスの%」とは、変位増加時の小パルス(立ち上げパルス)の時間積分値の合計が、全小パルスの時間積分値の合計に対して占める割合をいう。「立ち下げパルスの%」とは、変位減少時の小パルス(立ち下げパルス)の時間積分値の合計が、全小パルスの時間積分値の合計に対して占める割合をいう。
【0080】
【表1】
【0081】
なお、インク滴の吐出量は、上記表1の関係に基づいて、任意に設定することができる。
【0082】
パルス電圧群を構成する小パルスは矩形パルスに限定されず、他の波形状のパルス電圧であってもよい。
【0083】
パルス電圧の電圧値は一定であることが望ましいが、駆動装置20の構成が簡易かつ安価である限り、パルス電圧毎に電圧値が異なっていてもよい。
【0086】
【発明の効果】
第1の発明によれば、インク滴の径が所定値になるように、一周期の変位動作中にアクチュエータに印加するパルス電圧の数を調節することとしたので、インク滴の径を容易に調節することができる。
また、異なる径のインク滴の吐出速度を一定にすることができ、径の相違に起因するインク滴の着弾位置ずれを防止することができる。従って、印刷品質を向上させることができる。
さらに、アクチュエータの急激な変位動作を緩和することができ、インクのメニスカス振動を抑制することができる。従って、サテライトの発生等を防止することができ、印刷品質を向上させることができる。
【0087】
第2の発明によれば、複数種類のパルス電圧群のいずれか一つを選択的に圧電素子に印加することとしたので、アクチュエータの変位量を容易に変更することが可能となり、同一のノズルから異なる径のインク滴を吐出させることを容易かつ安価に実現することができる。
【0091】
第3の発明によれば、電圧値が等しくかつパルス幅の異なる複数のパルス電圧を出力することとしたので、パルス電圧の電圧制御が不要となり、上記第1又は第2の発明を簡易かつ安価な構成で実現することができる。
【0092】
第4の発明によれば、電圧値が等しくかつパルス幅が等しい複数のパルス電圧を出力することとしたので、パルス電圧の電圧値及びパルス幅の制御が不要となり、上記第1又は第2の発明を一層簡易かつ安価な構成で実現することができる。
【0093】
第5の発明によれば、アクチュエータの各周期の変位動作における最終の印加パルス電圧が所定の一定周期となるように、パルス電圧の出力開始時を調節することとしたので、一印刷周期の電圧印加は常に所定周期で終了することとなり、パルス電圧の種類に拘わらず、パルス電圧の印加終了時に基づいてその後の処理を進めることができる。
【0094】
第6の発明によれば、出力するパルス電圧を矩形パルス電圧で構成することとしたので、パルス電圧を簡易かつ安価に形成することができる。
【0095】
第7の発明によれば、インクジェットヘッドのアクチュエータの圧電素子が、薄さ0.5μm〜5.0μmの薄膜PZTで構成されていることとしたので、第1〜第6の発明を実現することが極めて容易になる。
【0096】
第8の発明によれば、アクチュエータの一次固有振動数が50kHz〜500kHzであることとしたので、第1〜第6の発明を実現することが極めて容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットヘッドの部分平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】アクチュエータ近傍の部分断面図である。
【図4】図1のB−B線断面図である。
【図5】駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態に係るパルス電圧及びアクチュエータの変位を示す図である。
【図7】第1実施形態に係るパルス電圧制御を説明するパルス電圧の波形図である。
【図8】第2実施形態に係るパルス電圧群及びアクチュエータの変位を示す図である。
【図9】従来のパルス電圧制御のパルス電圧の波形図である。
【図10】従来のパルス電圧制御のパルス電圧の波形図である。
【図11】従来のパルス電圧制御によるインク滴の吐出挙動を説明する図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
2 ノズル開口
4 圧力室
10 アクチュエータ
13 圧電素子
20 駆動装置
33,34 パルス信号発生回路(パルス電圧発生手段)
35a パルス信号選択回路(パルス電圧印加手段)
31,32 パルス信号開始回路(開始時調節手段)
P1 第1パルス電圧
P2 第2パルス電圧
Claims (8)
- 圧電素子に電圧を印加することにより、該圧電素子を具備したアクチュエータを変位させ、該アクチュエータが変位することにより膨張又は収縮する圧力室に設けられたノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッド用駆動装置であって、
上記アクチュエータの一周期の変位動作中に、パルス電圧の後縁を、上記アクチュエータの変位を開始させた時からアクチュエータの一次固有周期の1/4を超えた以降の時点とした一のパルス電圧を含む複数のパルス電圧を出力自在なパルス電圧発生手段と、
上記アクチュエータの一周期の変位動作によって上記ノズルから吐出されるインク滴の径が所定値になるように、上記アクチュエータの一周期の変位動作中に上記パルス電圧発生手段から出力されるパルス電圧の数を調節し、該パルス電圧を上記圧電素子に印加するパルス電圧印加手段と、を備え、
上記パルス電圧印加手段は、大径のインク滴を吐出させるときには、上記アクチュエータが上記圧力室を収縮させる向きに変位している際に、上記一のパルス電圧よりもパルス幅の短い1又は2以上のパルス電圧であって、これらのパルス電圧及び上記一のパルス電圧の時間積分値の合計をインク滴の径にかかわらず一定の目標吐出速度に応じた値とした第一の1又は2以上のパルス電圧を印加し、上記アクチュエータが上記圧力室を膨張させる向きに変位している際に、上記アクチュエータが上記圧力室を収縮させる向きに変位しない程度のパルス幅の短い1又は2以上のパルス電圧であって各パルス電圧の時間積分値の合計をインクのメニスカス振動を抑制するための所定値とした第二の1又は2以上のパルス電圧を印加する
ことを特徴とするインクジェットヘッド用駆動装置。 - 請求項1に記載のインクジェットヘッド用駆動装置において、
パルス電圧発生手段は、2以上のパルス電圧から成る第1パルス電圧群と、1または2以上のパルス電圧から成る第2パルス電圧群とを少なくとも含む複数種類のパルス電圧群を出力自在に構成され、
パルス電圧印加手段は、ノズルから吐出されるインク滴の径が変更されるように、上記パルス電圧発生手段が出力する複数種類のパルス電圧群のいずれか一つを選択して上記アクチュエータの一周期の変位動作中に上記圧電素子に印加するように構成されている
ことを特徴とするインクジェットヘッド用駆動装置。 - 請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド用駆動装置において、
パルス電圧発生手段は、電圧値が等しくかつパルス幅の異なる複数のパルス電圧を出力するように構成されている
ことを特徴とするインクジェットヘッド用駆動装置。 - 請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド用駆動装置において、
パルス電圧発生手段は、電圧値が等しくかつパルス幅が等しい複数のパルス電圧を出力するように構成されている
ことを特徴とするインクジェットヘッド用駆動装置。 - 請求項2に記載のインクジェットヘッド用駆動装置において、
アクチュエータの各周期の変位動作における最終の印加パルス電圧の印加終了時が所定の一定周期となるように、パルス電圧発生手段のパルス電圧の出力開始時を調節する開始時調節手段をさらに備えている
ことを特徴とするインクジェットヘッド用駆動装置。 - 請求項1〜5のいずれか一つに記載のインクジェットヘッド用駆動装置において、
パルス電圧発生手段は、矩形パルス電圧を出力するように構成されている
ことを特徴とするインクジェットヘッド用駆動装置。 - 請求項1〜6のいずれか一つに記載のインクジェットヘッド用駆動装置と、
薄さが0.5μm〜5.0μmの薄膜PZTから成る圧電素子を有するアクチュエータと
を備えていることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 請求項1〜6のいずれか一つに記載のインクジェットヘッド用駆動装置と、
一次の固有振動数が50kHz〜500kHzであるアクチュエータと
を備えていることを特徴とするインクジェットヘッド。
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