しかしながら、負荷に対して搬送路の特定の区間で給電する区間給電を行なう場合、給電線を搬送路の略全経路にわたって敷設する従来の非接触給電システムでは、敷設された給電線及び給電線の敷設工程に無駄が生じるという問題があった。
この問題を解決するために、給電線を搬送路の所定区間にのみ敷設してある非接触給電システムが考えられる。しかしながら、非接触受電装置はコイルが巻装されたコアを1又は複数備えるため重量が大きく、また、非接触給電システムが備える非接触受電装置の個数に比例してコアの個数も増加するという問題があった。
また、搬送路に沿って搬送される負荷に対して連続的に給電する場合、又は負荷に対して搬送路の任意の位置で給電する場合でも、非接触受電装置はコイルが巻装されたコアを1又は複数備えるため重量が大きく、また、非接触給電システムが備える非接触受電装置の個数に比例してコアの個数も増加するという問題があった。
本発明は斯かる問題を解決するためになされたものであり、コイル及びコアを設置してある給電区間と設置していない非給電区間とを搬送路に設け、非接触受電装置が空芯コイルを備えることにより、給電線を搬送路の略全経路にわたって敷設する必要がなく、非接触受電装置を軽量化することができ、更に、非接触受電装置の個数の増加に伴うコアの個数の増加を防止することができる非接触給電システムを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、夫々コイルが巻装された複数個のコアが非接触受電装置の搬送方向に離隔して給電区間内に並置してあることにより、個々のコイル及びコアを小型化することができる非接触給電システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、コイル及びコアを搬送路に設置してあり、非接触受電装置が空芯コイルを備えることにより、非接触受電装置を軽量化することができ、また、非接触受電装置の個数の増加に伴うコアの個数の増加を防止することができる非接触給電システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、夫々コイルが巻装された複数個のコアが非接触受電装置の搬送方向に離隔して搬送路に並置してあることにより、個々のコイル及びコアを小型化することができる非接触給電システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、複数個の空芯コイルが非接触受電装置の搬送方向に離隔並置してあることにより、個々の空芯コイルを小型化することができる非接触給電システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、空芯コイルに接続された共振コンデンサを備えることにより、非接触受電装置の受電効率を向上させることができる非接触給電システムを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、コイルに接続されたコンデンサを備えることにより、コイルのインダクタンスを所定値以下に維持することができる非接触給電システムを提供することにある。
第1発明に係る非接触給電システムは、交流電流が供給され、搬送路に沿って搬送される非接触受電装置に給電する非接触給電部を備える非接触給電システムにおいて、前記非接触給電部は、コイルが巻装されたコアを有し、前記非接触受電装置は、前記コイルに誘導結合する空芯コイルを有し、前記コアが設置されており、前記交流電流が流れるコイルの周囲に生じる磁束が、搬送されてきた前記非接触受電装置の空芯コイルに鎖交する給電区間と、前記コアが設置されておらず、前記磁束が前記空芯コイルに鎖交しない非給電区間とが前記搬送路に設けてあることを特徴とする。
第2発明に係る非接触給電システムは、複数個の前記コアが、前記給電区間内に、前記非接触受電装置の搬送方向に離隔並置してあることを特徴とする。
第3発明に係る非接触給電システムは、交流電流が供給され、搬送路に沿って搬送される非接触受電装置に給電する非接触給電部を備える非接触給電システムにおいて、前記非接触給電部は、コイルが巻装されたコアを有し、該コアは前記搬送路に設置されており、前記非接触受電装置は、前記コイルに誘導結合する空芯コイルを有することを特徴とする。
第4発明に係る非接触給電システムは、複数個の前記コアが、前記非接触受電装置の搬送方向に離隔並置してあることを特徴とする。
第5発明に係る非接触給電システムは、複数個の前記空芯コイルが前記非接触受電装置の搬送方向に離隔並置してあることを特徴とする。
第6発明に係る非接触給電システムは、前記非接触受電装置は、前記空芯コイルに接続された共振コンデンサを有することを特徴とする。
第7発明に係る非接触給電システムは、前記非接触給電部は、前記コイルに接続されたコンデンサを有することを特徴とする。
第1発明にあっては、空芯コイル、つまりコアに巻装されていないコイルを有する非接触受電装置が、例えば搬送される搬送体又は自走する移動体に設置されて、搬送路に沿って搬送される。交流電流が供給される非接触給電部はコイルが巻装されたコアを有し、搬送路には、コイルが巻装されたコアが設置されている給電区間と設置されていない非給電区間とが設けてある。給電区間は単数でも複数でも良く、給電区間内に設置されているコアは単数でも複数でも良い。
また、交流電流が流れるコイルと空芯コイルとが誘導結合することによって、非接触給電部が非接触受電装置に給電する。このため、非接触給電装置は給電区間に沿って搬送される場合に非接触給電部から受電し、非給電区間に沿って搬送される場合は非接触給電部から受電しない。
第2発明にあっては、夫々コイルが巻装された複数個のコアが、給電区間において非接触受電装置の搬送方向に離隔並置してあり、各コアに巻装されたコイル同士は、直列に接続されている。給電区間に沿って搬送されている非接触受電装置の空芯コイルは、離隔並置してある各コイルに順次的に誘導結合する。つまり、各コアに巻装されているコイルの周囲に生じる磁束が、搬送されている非接触受電装置の空芯コイルに順次的に鎖交する。
第3発明にあっては、空芯コイル、つまりコアに巻装されていないコイルを有する非接触受電装置が搬送路に沿って搬送される。交流電流が供給される非接触給電部はコイルが巻装されたコアを有し、搬送路には、夫々コイルが巻装された1個又は複数個のコアが設置してある。また、交流電流が流れるコイルと空芯コイルとが誘導結合することによって、非接触給電部が非接触受電装置に給電する。
第4発明にあっては、夫々コイルが巻装された複数個のコアが、搬送路において非接触受電装置の搬送方向に離隔並置してあり、各コアに巻装されたコイル同士は、直列に接続されている。搬送路に沿って搬送されている非接触受電装置の空芯コイルは、離隔並置してある各コイルに順次的に誘導結合する。つまり、各コアに巻装されているコイルの周囲に生じる磁束が、搬送されている非接触受電装置の空芯コイルに順次的に鎖交する。
第5発明にあっては、複数個の空芯コイルが非接触受電装置の搬送方向に離隔並置してあり、各空芯コイル同士は直列に接続されている。非接触受電装置が搬送路に沿って搬送されている場合、コアに巻装されているコイルは、離隔並置してある各空芯コイルに順次的に誘導結合する。つまり、コイルの周囲に生じる磁束が、搬送されている非接触受電装置の各空芯コイルに順次的に鎖交する。
第6発明にあっては、空芯コイルと該空芯コイルに直列又は並列に接続された共振コンデンサとを有する非接触受電装置が搬送路に沿って搬送される。
第7発明にあっては、交流電流が供給される非接触給電部は、コイルが巻装されたコアと、コイルに直列に接続されたコンデンサとを有する。
第1発明の非接触給電システムによれば、給電区間にコイル及びコアを設置してあるため、搬送路の略全経路にわたって給電線を敷設する必要がない。このため、敷設された給電線及び給電線の敷設工程に無駄が生じることを防止できる。また、給電区間以外、即ち非給電区間にはコア及びコイルを設置していないため、搬送路の略全経路にわたってコア及びコイルを設置する必要がなく、コアの個数が増加することを防止できる。
また、非接触受電装置は、非接触給電部のコイルに誘導結合する空芯コイルを備え、この空芯コイルは磁性体製のコアに巻装されない。このため、非接触受電装置を軽量化することができ、更に、非接触受電装置の個数の増加に伴うコアの個数の増加を防止することができる。
第2発明の非接触給電システムによれば、非接触給電部を、夫々コイルが巻装された複数個のコアで構成する。仮に、1個のコアを用いる場合、非接触給電部が非接触受電装置へ必要な電力を供給するためには、一般に大型のコア及びコイルを用いる必要がある。また、給電すべき電力、給電区間の長さ等に応じて、異なる大きさのコア及びコイルを用意する必要がある。このため、コア及びコイルの量産及び量産による低コスト化が不可能である。
一方、非接触給電部を、夫々コイルが巻装された複数個のコアで構成する場合、コイルが巻装されたコアを、給電すべき電力、給電区間の長さ等に応じた個数用いて、非接触受電装置の搬送方向に離隔並置することができる。このとき、個々のコイル及びコアを小型化することができ、また、コイル及びコアの大きさを統一することができる。この結果、コア及びコイルの量産及び量産による低コスト化が可能となる。
第3発明の非接触給電システムによれば、非接触受電装置が、非接触給電部のコイルに誘導結合する空芯コイルを備え、この空芯コイルは磁性体製のコアに巻装されない。このため、非接触受電装置を軽量化することができ、更に、非接触受電装置の個数の増加に伴うコアの個数の増加を防止することができる。
第4発明の非接触給電システムによれば、非接触給電部が、夫々コイルが巻装された複数個のコアを備える。この場合、コイルが巻装されたコアを、給電すべき電力、搬送路の長さ等に応じた個数用いて、非接触受電装置の搬送方向に離隔並置することができる。このとき、個々のコイル及びコアを小型化することができ、また、コイル及びコアの大きさを統一することができる。この結果、コア及びコイルの量産及び量産による低コスト化が可能となる。
第5発明の非接触給電システムによれば、非接触受電装置に複数個の空芯コイルを備える。仮に、1個の空芯コイルを備える場合、非接触受電装置が非接触給電部から必要な電力を供給されるためには、一般に大型の空芯コイルを備える必要がある。また、受電すべき電力、非接触受電装置の大きさ、更には非接触受電装置が設置される搬送体の大きさ等に応じて、異なる大きさの空芯コイルを用意する必要がある。このため、空芯コイルの量産及び量産による低コスト化が不可能である。
一方、非接触受電装置に複数個の空芯コイルを備える場合、空芯コイルを、受電すべき電力、非接触受電装置の大きさ、更には非接触受電装置が設置される搬送体の大きさ等に応じた個数用いて、非接触受電装置の搬送方向に離隔並置することができる。このとき、個々の空芯コイルを小型化することができ、また、空芯コイルの大きさを統一することができる。この結果、空芯コイルの量産及び量産による低コスト化が可能となる。
第6発明の非接触給電システムによれば、非接触受電装置の空芯コイルに直列又は並列に接続された共振コンデンサによって、空芯コイルの受電効率、更には非接触受電装置の受電効率を向上させることができる。
第7発明の非接触給電システムによれば、非接触給電部のコイルに直列に接続されたコンデンサによって、コイルのインダクタンスを所定値以下に維持することができ、コイルのインダクタンスが所定値を超過することによる非接触受電装置の受電効率の低下を防止することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態 1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る非接触給電システム6の構成を示す説明図であり、図2及び図3は、非接触給電システム6に用いられている搬送体3の構成を示す正面図及び側面図である。以下では、自動車製造システムに非接触給電システム6が備えられている場合を例示する。この自動車製造システムは複数の自動車を流れ作業的に製造する製造ラインであり、車体(以下、ワークという)を複数、一方向に搬送しつつ、部品の取り付け、検査等の作業を行なう。
非接触給電システム6は、複数(例えば15台)の搬送体3,3,…、非接触受電装置1,1,…、及び昇降機器5,5,…を夫々同数備え、所定の搬送路に沿って各搬送体3を搬送させるための搬送装置4を備える。また、非接触給電システム6は、搬送路の一部に給電区間S,S,…を、他部に非給電区間N,N,…を設けてあり、更に、給電区間S,S,…の個数と同数の非接触給電部2,2,…を備える。非接触受電装置1は空芯コイル11,11,…と共振コンデンサ121,121,…(図5参照)とを備え、非接触給電部2はコイル21,21,…とコア22,22,…とを備える。以下では、搬送体3の搬送方向を前後方向(長さ方向)といい、搬送方向に略直交する水平方向を左右方向(幅方向)という。
搬送体3は、4個の車輪32,32,…を前後左右に有する全長約6mの台車31を備え、ワークが載置される昇降台35を台車31上に備える。また、搬送体3には、昇降台35を昇降させる昇降機器5が設置してあり、更に、昇降機器5に給電する非接触受電装置1が設置してある。即ち、搬送体3が搬送路を搬送されることによって、非接触受電装置1が搬送路に沿って搬送される。
搬送装置4はレール41,46を備え、レール41は、底部41bと、底部41bの左右両端部に並置された凸条部41a,41aとを有し、凸条部41a,41aに各搬送体3左右の車輪32,32,…が転接している。レール46は、レール41と略同様の構成である。レール41,46は搬送体3の搬送路であり、夫々全長約130mを有する。レール41上を搬送される搬送体3の昇降台35には不図示のワークが載置され、レール46上を搬送される搬送体3にはワークが載置されない。つまり、レール41は各搬送体3の往路(作業用搬送路)、レール46は復路(返送用搬送路)である。レール46は例えば床面に敷設され、レール41はレール46の上側に離隔して設置されている。
更に搬送装置4は、駆動ローラ42、従動ローラ43、モータ44及びチェーン45を備える。駆動ローラ42及び従動ローラ43はレール41の前後方向両端部に、ローラ42,43の軸方向を左右方向に略一致させて配置されている。チェーン45は無端状に設けられ、レール41の上側及び下側を通って、ローラ42,43に懸吊されている。モータ44は駆動ローラ42を略一定の所定速度で回転させる。このような搬送装置4は、例えば商用電源から電線を介してモータ44駆動用の電力を得る。搬送体3,3,…は互いに適長離隔してレール41上部側のチェーン45に着脱自在に掛止されている。
モータ44によって駆動ローラ42が回転した場合、チェーン45を介して従動ローラ43も回転し、チェーン45が図1中白抜矢符方向に略一定速度で回転する。搬送体3,3,…は、チェーン45の回転によって車輪32,32,…が転動して、レール41の一端側から他端側へ図1中白抜矢符方向に略一定速度(例えば時速4km)でレール41上を搬送される。つまり搬送体3,3,…は自走せず、互いに数珠状につながれた状態でチェーン45に牽引されて移動する。また、搬送装置4は、レール41に係る構成と同様に、レール46に沿って図1中矢符方向に搬送体3を搬送するための駆動ローラ、従動ローラ、モータ及びチェーン(各不図示)を備える。
本実施の形態における搬送路には、昇降機器5に対して給電するための給電区間Sが離散的に複数(例えば6箇所)設けてあり、給電区間S以外の搬送路は、昇降機器5に給電しない非給電区間Nである。作業者は、給電区間S,S,…の何れかに搬送体3が位置している場合に、つまり搬送体3が給電区間Sを通過している間に、昇降台35上のワークに対して所定の作業を行なう。このとき作業者は、作業内容、作業の利便性等に応じて、昇降機器5を用いて昇降台35を昇降させ、ワークの上下方向の位置を調整する。ここで、作業者は搬送体3に乗り込んで作業を行なっても良く、レール41の左右外側に設けられた図示しない作業台上にて作業を行なっても良い。
搬送体3が給電区間Sを通過した後、次の給電区間Sに到達するまで、ワークに対する作業は行なわれない。つまり、本実施の形態における各昇降機器5には、各昇降機器5、更には搬送体3が給電区間Sに位置している間だけ給電すれば良く、非給電区間Nに位置しているときは給電する必要がない。なお、搬送体3が非給電区間Nに位置する場合に、ワークに対して昇降機器5を用いない作業を行なっても良い。
このように、給電区間S,S,…は、昇降台35に載置されたワークに対して作業者が所定の作業を行なうべき作業区間でもあるため、給電区間S,S,…は、往路であるレール41に関して設けられており、復路であるレール46に関しては設けられていない。このため、各搬送体3のレール46上における搬送速度はレール41上における搬送速度より高速であることが望ましい。また、各給電区間Sの全長は約6mであり、搬送体3は、少なくとも給電区間S内で停止することはない。このため、各ワークに対する作業が効率良く行なわれる。
各搬送体3は、レール41の一端側にて昇降台35にワークが載置され、更に、各搬送体3自身がチェーン45に取り付けられる。この後、各搬送体3はレール41上を搬送され、給電区間S,S,…を通過する。レール41の他端側に到着した場合、各搬送体3は、昇降台35からワークが取り外され、更に各搬送体3自身がチェーン45から取り外されて、図示しない昇降装置で下段のレール46へ移送される。ワークが載置されていない各搬送体3は、レール46の一端側から他端側へレール46上を搬送され、他端側に到着した場合に、上段のレール41の一端側へ移送される。レール41へ移送された各搬送体3は、昇降台35に新たなワークが載置され、チェーン45に取り付けられて、再びレール41上を搬送される。
各非接触受電装置1は、導線又は導体製のパイプを用いて約5cm四方のロ字状に形成された空芯コイル11を複数(例えば10個)備える。搬送体3の台車31底面には、台車31底面からレール41の底部41b側へ突出するI字状のコイル取付部33が台車31の最前部から最後部にわたって設けてあり、各空芯コイル11はコイル固定具34でコイル取付部33に固定されることによって、レール41の底部41bに対向して台車31底面に吊設されている。なお、各空芯コイル11をコイル取付部33に固定する構成ではなく、非磁性体製のコイル取付部に巻装する構成でも良い。
空芯コイル11,11,…は、搬送体3の側面側から見た各空芯コイル11の形状(以下、側面視の形状という)がロ字状になるような向きで、前後方向に約2mの範囲内に、互いに適長離隔されて略一直線に並置されている。つまり、離隔並置された空芯コイル11,11,…全体の長さは約2mであり、搬送体3の正面/背面側から見た各空芯コイル11の形状(以下、正面視の形状という)がI字状になるよう配置されている。また、空芯コイル11,11,…は隣り合う空芯コイル11,11同士が直列に接続されており、コイル21,21,…に誘導結合する。このような空芯コイル11,11,…は、例えば高さ約5cm、長さ約2mのロ字状の空芯コイルよりも入手又は製造が容易である。
コイル取付部33はアルミニウムで形成されており、台車31と空芯コイル11,11,…との間に介在して空芯コイル11,11,…に係る漏れ磁束を遮蔽し、漏れ磁束の外部(例えば搬送体3に搭載された電気機器)への悪影響を低減する磁界遮蔽部としても機能する。なお、コイル取付部33で磁界を遮蔽する構成ではなく、台車31と空芯コイル11,11,…との間に介在するようにして、例えば、非磁性体であり、導電性の非鉄金属を用いてなる磁界遮蔽板を設けておく構成でも良い。
各給電区間Sには非接触給電部2が備える複数(例えば7個)のコア22,22,…と、コア22,22,…夫々に巻装されたコイル21,21,…とが設置されているが、非給電区間N,N,…にはコア22もコイル21も設置されていない。各コア22は正面視がコ字状に形成されたフェライト製であり、基部22a及び2本の脚部22b,22bを有し、コイル21は脚部22b,22bに巻装されている。コア22の長さは約10cm、基部22aの幅及び各脚部22bの高さは夫々約5cmであり、このようなコア22及びコア22に巻装されるコイル21は、例えば給電区間Sの長さと略同じ長さ(約6m)のコア及びこのコアに巻装されるコイルよりも入手又は製造が容易である。
図4は、本発明の実施の形態1に係る非接触給電システム6が備える非接触給電部2及び非接触受電装置1の構成を示す斜視図である。図4では、空芯コイル11,11,…と非接触給電部2との位置関係を明示するため搬送体3の図示を省略している。
給電区間Sにおけるレール41の底部41b上面には、約6mの長さを有する細長矩形のコア取付板40が、コア取付板40の長手方向が前後方向に略一致するようにして敷設してある。各コア22は、正面視の形状がU字状になるような向きで、基部22aがコア取付板40に固定され、脚部22b,22bを上にして、各コア取付板40の最前部から最後部までの間に、前後方向に夫々適長離隔されて略一直線に配置されている。この場合、離隔並置されたコア22,22,…全体の長さはコア取付板40の長さ、更には給電区間Sの長さ(約6m)に略等しい。
空芯コイル11,11,…は、搬送体3が搬送されている場合に各コア22の脚部22b,22bの間を搬送方向(図4中白抜矢符方向)へ移動し、この場合、空芯コイル11,11,…とコイル21,21,…及びコア22,22,…とは適長離隔しており互いに接触しない。なお、空芯コイル11,11,…を樹脂モールドしたり空芯コイル11,11,…に対して合成樹脂製のカバーを設けたりして空芯コイル11,11,…を保護し、空芯コイル11,11,…とコイル21,21,…、コア22,22,…等との直接的な当接を防止する構成でも良い。
各コア22の長さ、コア22に対するコイル21の巻き数、コア22,22,…の個数及び離隔距離、各空芯コイル11の巻き数、長さ、空芯コイル11,11,…の個数及び離隔距離等は、昇降機器5が必要とする電力(例えば最大1.5kW〜2kW)、給電区間Sの長さ、台車31の長さ等の仕様に応じて決定される。昇降機器5が大きな電力を必要とする場合、例えば、コア22,22,…間の離隔距離を低減するか、空芯コイル11,11,…間の離隔距離を低減する。
図5は、非接触給電部2及び非接触受電装置1の構成を示すブロック図である。非接触給電部2はコイル21,21,…の他に複数の補償コンデンサ23,23,…及び高周波電源装置24を備える。コイル21,21,…は互いに直列に接続され、また、高周波電源装置24に接続されており、更に、補償コンデンサ23,23,…が直列に接続されている。
高周波電源装置24は商用電源に接続され、AC200V、60Hzの商用電源の入力を整流し、平滑化して直流とし、該直流をインバータ(DC−AC変換器)に入力して高周波交流に変換して、変換した高周波交流をイミタンス変換回路により高周波(例えば20KHz)の定電流としてコイル21,21,…へ出力する。つまりコイル21,21,…には高周波電源装置24から供給された交流電流が流れる。
高周波電源装置24によって非接触給電部2のコイル21,21,…に高周波交流が通電された場合、各コイル21の周囲に、時間的に変化する磁束が形成される。コイル21,21,…は前後方向に離隔並置してあるため、搬送体3が搬送されているとき、各空芯コイル11は、コイル21,21,…夫々の周囲に生じる磁束に対して搬送方向に順次的に鎖交する。また、空芯コイル11,11,…は前後方向に離隔配置しあるため、各コイル21の周囲に生じる磁束は、空芯コイル11,11,…に搬送方向に順次的に鎖交する。非接触受電装置1は、コイル21,21,…の周囲に生じた磁束が空芯コイル11,11,…に鎖交することによって空芯コイル11,11,…に発生した誘導起電力を受電する。
非接触受電装置1は、空芯コイル11,11,…の他に受電部12と出力端子10とを備え、また、昇降機器5は、直流を交流に変換するインバータ機能を有するモータドライバ51と、交流モータであるモータ52とを備え、非接触受電装置1の出力端子10に、DCバスDBを介してモータドライバ51が接続してあり、モータドライバ51は、負荷としてのモータ52を駆動する。モータ52は、昇降台35を昇降させる。
受電部12は、空芯コイル11,11,…と同数の共振コンデンサ121,121,…を備え、空芯コイル11,11,…と共振コンデンサ121,121,…とは、夫々直列に接続されて直列共振回路120を構成している。更に受電部12は、直列共振回路120の出力側に接続され、交流を全波整流するダイオードブリッジを用いた整流回路122と、整流回路122の出力側に接続され、電圧を平滑化する平滑コンデンサを用いた平滑部123とを備え、平滑部123の出力側が非接触受電装置1の出力端子10に接続されている。
直列共振回路120は、空芯コイル11,11,…がコイル21,21,…に誘導結合するために、空芯コイル11,11,…のインダクタンスと共振コンデンサ121,121,…のキャパシタンスとがコイル21,21,…を流れる高周波交流の周波数と共振状態になるよう構成されている。この場合、直列共振回路120は、空芯コイル11,11,…に誘起された電力を受けて、高周波交流の定電圧源として機能する。なお、空芯コイル11,11,…のインダクタンスと共振コンデンサ121,121,…のキャパシタンスとを完全に共振させる必要はない。
直列共振回路120の出力(定電圧の交流)は、整流回路122で全波整流され、整流回路122から出力された直流は、平滑部123で平滑化される。非接触受電装置1は、平滑部123で平滑化された直流を、出力端子10を介し、DCバスDBを経て、モータドライバ51へ供給する。モータドライバ51は、供給された直流を交流に変換して、モータ52へ供給する。
ここで、コア22,22,…間の離隔距離は、交流電流が流れるコア22,22,…の周囲に生じる磁束が、給電区間Sへ搬送されてきた搬送体3に設置してある非接触受電装置1の空芯コイル11,11,…に鎖交する長さを有する。つまり、搬送体3が給電区間Sに位置している間は、非接触給電部2から非接触受電装置1への給電が行なわれる。また、非給電区間Nを介して隣り合うコア22,22間の離隔距離、即ち非給電区間Nの長さは、磁束が空芯コイル11,11,…に鎖交しない長さを有する。つまり、搬送体3が非給電区間Nに位置している間は、非接触給電部2から非接触受電装置1への給電が行なわれない。
ところで、非接触給電部2が補償コンデンサ23,23,…を備えない場合、コイル21,21,…をコア22,22,…に巻装してあるので、コイル21,21,…のインダクタンスが高周波電源装置24内の共振回路(イミタンス変換回路)の定数より大きくなるため、共振状態が維持できなくなり、非接触受電装置1の受電効率が低下する。つまり、補償コンデンサ23,23,…は非接触給電部2のインダクタンスを所定値以下に維持して非接触受電装置1の受電効率の低下を防止するために備えられている。
なお、補償コンデンサ23は1個だけ備えられている構成でも良いが、この場合、1個の補償コンデンサ23の静電容量が小さく、補償コンデンサ23及びコイル21,21,…の夫々に発生する両端電圧が大きくなる。このため、本実施の形態の非接触給電部2のように、複数の補償コンデンサ23,23,…を用いて各補償コンデンサ23の静電容量を大きくし、補償コンデンサ23,23,…及びコイル21,21,…の夫々に発生する両端電圧を小さくする構成が好ましい。
また、本実施の形態における非接触給電部2は、非接触給電部2毎に高周波電源装置24を備えるが、複数の非接触給電部2,2,…が1個の高周波電源装置24を共有する構成でも良い。
以上のような非接触給電システム6においては、搬送体3が給電区間Sに位置している場合に、非接触受電装置1が、非接触給電部2から給電され(受電し)て、負荷である昇降機器5へ給電する。また、昇降機器5への給電時に搬送体3が停止する必要がなく、移動中に給電可能である。このため自動車製造システムの自動車製造効率が向上される。
更に、非接触受電装置1は空芯コイル11,11,…を備え、コイルが巻装されたコアを備えていないため、非接触受電装置1、更には非接触受電装置1が設置されている搬送体3が軽量化されている。更にまた、空芯コイル11,11,…はコアに巻装されたコイルよりも部品点数が少ないため信頼性が向上する。
また、コア22,22,…は各給電区間Sに設置されており、多数の搬送体3,3,…夫々に設置されていない。更に、各給電区間Sにおける区間給電であるため搬送路全域にコア22,22,…を設置する必要がない。以上の結果、非接触給電システム6全体に備えられるコアの個数が低減される。
更にまた、各コア22はコ字状であるため、例えばE字状のコアを備える場合と比べて左右方向の幅が低減される。また、コイル21がコア22の脚部22b,22bに巻装してあるため、例えば基部22aのみにコイル21を巻装した場合と比べて、漏れ磁束が低減し、更に、例えば作業者が搬送体3に搭乗した際に搬送体3に加わる外力によって搬送体3が上下に動揺し、空芯コイル11,11,…の上下位置が移動したときであっても、コイル21,21,…から空芯コイル11,11,…への受給電能力の低減が抑制される。
なお、非接触受電装置1は空芯コイル11を1個だけ、又は共振コンデンサ121を1個だけ備える構成でも良い。また、受電部12は共振コンデンサ121,121,…を備えない構成でも良いが、この場合、受電部12は平滑部123の出力側と出力端子10との間にトランジスタを用いてなる定電圧回路を備えることが望ましい。
また、非接触給電部2はコイル21が巻装されたコア22を1個だけ備える構成でも良い。更に、コイル21はコア22の基部22aに、又は基部22a及び脚部22b,22bに巻装しても良い。
更にまた、空芯コイル11,11,…の列とコイル21及びコア22の列との組を左右方向に複数組備える構成でも良い。
実施の形態 2.
本実施の形態の非接触給電システム6は、実施の形態1の非接触給電システム6と略同様の構成であるが、各非接触受電装置1は空芯コイル11,11,…の代わりに空芯コイル14を備え、受電部12の代わりに受電部13を備える。また、各非接触給電部2はコア22,22,…の代わりにコア25,25,…を備える。その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態2に係る非接触給電システム6が備える非接触給電部2及び非接触受電装置1の構成を示す斜視図である。図6では、空芯コイル14と非接触給電部2との位置関係を明示するため搬送体3の図示を省略している。空芯コイル14は、約2mの長さを有する略直線状の中央部14a,14aと中央部14a,14aの両端に立ち上げられた立ち上がり部14b,14bとを有する。このような空芯コイル14は、導線又は導体製のパイプを用いて長円状に形成された空芯コイルを用い、この空芯コイルの長円状の両端部を同一方向に略直角に立ち上げて形成してある。
空芯コイル14は、立ち上がり部14b,14bがコイル固定具34でコイル取付部33に固定されることによって、レール41の底部41bに対向して台車31底面に吊設されている。この場合、空芯コイル14は、立ち上がり部14b,14bが上側に突出するように、また側面視の形状がU字状になるような向きで、中央部14a,14aの長手方向が前後方向に略一致するようにして配置されている。つまり、空芯コイル14は正面視が逆U字状になるよう配置されている。非接触受電装置1は空芯コイル14を1個だけ備えるため、非接触受電装置1の構成が簡易であり、更に、空芯コイル14の搬送体3に対する取り付けが容易である。
非接触給電部2の各コア25は正面視がE字状に形成されたフェライト製であり、基部25a及び3本の脚部25b,25b,25cを有し、コイル21は中央の脚部25cに巻装されている。コア25の長さは約10cm、基部25aの幅は約10cm、脚部25b,25b,25cの高さは夫々約5cmであり、このようなコア25及びコア25に巻装されるコイル21は、例えば給電区間Sの長さと略同じ長さ(約6m)のコア及びこのコアに巻装されるコイルよりも入手又は製造が容易である。
空芯コイル14は、中央部14a,14aが脚部25cを挟むようにして脚部25b,25bの間を搬送方向(図6中白抜矢符方向)へ移動する。中央部14a,14aとコイル21,21,…及びコア25,25,…とは適長離隔しており、また、空芯コイル14の立ち上がり部14b,14bは逆U字上に配置されているため、空芯コイル14とコイル21,21,…及びコア25,25,…とは互いに接触しない。
図7は、非接触給電部2及び非接触受電装置1の構成を示すブロック図である。高周波電源装置24によって非接触給電部2のコイル21,21,…に高周波交流が通電された場合、各コイル21の周囲に、時間的に変化する磁束が形成される。コイル21,21,…は前後方向に離隔並置してあるため、搬送体3が搬送されているとき、空芯コイル14は、コイル21,21,…夫々の周囲に生じる磁束に対して搬送方向に順次的に鎖交する。非接触受電装置1は、コイル21,21,…の周囲に生じた磁束が空芯コイル14に鎖交することによって空芯コイル14に発生した誘導起電力を受電する。
受電部13は共振コンデンサ131を備え、空芯コイル14と共振コンデンサ131とは並列に接続されて並列共振回路130を構成している。更に受電部13は、並列共振回路130の出力側に接続され、定電流を定電圧に変換する電力変換部であるイミタンス変換回路132と、交流を全波整流するダイオードブリッジを用いた整流回路133と、整流回路133の出力側に接続され、電圧を平滑化する平滑コンデンサを用いた平滑部134とを備え、平滑部134の出力側が非接触受電装置1の出力端子10に接続されている。
イミタンス変換回路132は、インダクタ13a及びキャパシタ13b,13bをπ型に配置し、インダクタ13aのインダクタンスとキャパシタ13b,13bのキャパシタンスとが共振状態になるよう構成されている。なお、イミタンス変換回路132を、1個のインダクタ及び2個のキャパシタをπ型に配置するのみならず、T型に配置しても良い。また、イミタンス変換回路132を、π型又はT型に配置された2つのインダクタ及び1つのキャパシタを用いて構成しても良い。
並列共振回路130は、空芯コイル14がコイル21,21,…に誘導結合するために、空芯コイル14のインダクタンスと共振コンデンサ131のキャパシタンスとがコイル21,21,…を流れる高周波交流の周波数と共振状態になるよう構成されている。この場合、並列共振回路130は、空芯コイル14に誘起された電力を受けて、高周波交流の定電流源として機能する。なお、空芯コイル14のインダクタンスと共振コンデンサ131のキャパシタンスとを完全に共振させる必要はない。
並列共振回路130の出力(定電流の交流)は、イミタンス変換回路132で定電圧に変換され、変換された定電圧の交流が、整流回路133で全波整流され、整流回路133から出力された直流は、平滑部134で平滑化される。非接触受電装置1は、平滑部134で平滑化された直流を、出力端子10を介し、DCバスDBを経て、モータドライバ51へ供給する。モータドライバ51は、供給された直流を交流に変換して、モータ52へ供給する。
以上のような非接触給電システム6においては、実施の形態1の非接触給電システム6と同様に、搬送体3が給電区間Sに位置している場合に、非接触受電装置1が、非接触給電部2から給電され(受電し)て、負荷である昇降機器5へ給電する。また、昇降機器5への給電時に搬送体3が停止する必要がなく、移動中に給電可能である。
更に、非接触受電装置1は空芯コイル14を備え、コイルが巻装されたコアを備えていないため、非接触受電装置1、更には非接触受電装置1が設置されている搬送体3が軽量化されている。更にまた、空芯コイル14はコアに巻装されたコイルよりも部品点数が少ないため信頼性が向上する。
また、コア25,25,…は各給電区間Sに設置されており、多数の搬送体3,3,…夫々に設置されていない。更に、各給電区間Sにおける区間給電であるため搬送路全域にコア25,25,…を設置する必要がない。以上の結果、非接触給電システム6全体に備えられるコアの個数が低減される。
更にまた、コイル21がコア25の脚部25cに巻装してあるため、例えば基部25aのみにコイル21を巻装した場合と比べて、漏れ磁束が低減し、また、例えば搬送体3が動揺して空芯コイル14の上下位置が移動したときでも、コイル21,21,…から空芯コイル14への受給電能力の低減が抑制される。
なお、受電部13はイミタンス変換回路132を備えない構成でも良い。この場合、受電部13は平滑部134の出力側と出力端子10との間にトランジスタを用いてなる定電圧回路を備えることが望ましい。
また、非接触給電部2はコイル21が巻装されたコア25を1個だけ備える構成でも良い。更に、コイル21はコア25の基部25a、脚部25b,25b、又は脚部25b,25b,25cに巻装しても良い。
本実施の形態1,2の移動体3はチェーン45に牽引されることによって搬送される構成であるが、これに限らず、一方向に回転する複数の摩擦ローラが転接することによって搬送される構成でも良い。
また、本実施の形態1,2における非接触受電装置1は搬送体3に設置されているが、これに限らず、非接触受電装置1以外の装置から動力を供給されて自走する移動体に非接触受電装置1を設置する構成でも良い。
なお、非接触給電システム6は、本実施の形態1,2のような自動車製造システムに備えられるのみならず、搬送体3,3,…を搬送して各搬送体3に設置されている負荷(この場合、昇降機器5)に区間給電を行なうシステムであれば良い。また、コアの形状はコ字状及びE字状に限らず、I字状、H字状、C字状、矩形環状等でも良い。
実施の形態 3.
本実施の形態の非接触給電システム6は、実施の形態1,2の非接触給電システム6と略同様の構成であるが、搬送路に非給電区間Nが設けられていない。つまり、本実施の形態の非接触給電システム6は、搬送路の略全体が給電区間Sに相当する。その他、実施の形態1,2に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
本実施の形態においては、図4に示すような細長矩形のコア取付板40が複数枚、長手方向に隣接並置されて、コア取付板40,40,…の長手方向が前後方向に略一致するようにして、レール41の底部41b上面(及びレール46の底部上面)に敷設してある。各コア22又は各コア25は、実施の形態1,2の各コア22又は各コア25と同様に、前後方向に夫々適長離隔されて略一直線に配置されてコア取付板40,40,…に固定されている。この場合、コア22,22,…全体又はコア25,25,…の長さはコア取付板40,40,…全体の長さ、更には搬送路の長さに略等しい。
なお、非接触給電部2は単数でも複数でも良い。つまり、全てのコイル21,21,…に対して給電する単数の高周波電源装置24を備える構成でも良く、コイル21の1個又は複数個に対して給電する高周波電源装置24を複数備える構成でも良い。
以上のような非接触給電システム6においては、非接触受電装置1が、非接触給電部2から給電され(受電し)て、搬送路の任意の位置で、又は搬送中に連続的に、負荷である昇降機器5へ給電する。また、昇降機器5への給電時に搬送体3が停止する必要がなく、移動中に給電可能である。
更に、非接触受電装置1は空芯コイル11,11,…又は空芯コイル14を備え、コイルが巻装されたコアを備えていないため、非接触受電装置1、更には非接触受電装置1を設置してある搬送体3が軽量化されている。更にまた、空芯コイル11,11,…又は空芯コイル14はコアに巻装されたコイルよりも部品点数が少ないため信頼性が向上する。
また、コア22,22,…又はコア25,25,…は搬送路に設置されており、多数の搬送体3,3,…夫々に設置されていない。この結果、非接触給電システム6全体に備えられるコアの個数が低減される。このような非接触給電システム6は、特に搬送路の長さが実施の形態1,2の給電区間S並みに短い場合に好適である。この場合、コアの個数を更に低減することができる。
また、本実施の形態3における非接触受電装置1は搬送体3に設置されているが、これに限らず、自走する移動体に非接触受電装置1を設置する構成でも良い。この場合、移動体に動力を供給する装置は非接触受電装置1でも非接触受電装置1以外の装置でも良い。
なお、搬送路にコアを1個だけ備える構成でも良い。この場合、コアの長さは搬送路の長さと略同じでも良く、搬送路の長さより短くても良い。コアの長さが搬送路の長さより短いとき、搬送体の搬送距離は、空芯コイルの長さ(複数の空芯コイルを備える場合は空芯コイル全体の長さ)からコアの長さを減算した長さとなる。