JP4208523B2 - ルーパ電動機制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続圧延機のスタンド間に配設され鋼板等の圧延材の張力を調節するルーパのルーパ角度を可変するルーパ電動機に対して速度制御を行うルーパ電動機制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は圧延システムの一部の構成を示す説明図である。この図において、圧延材1は圧延スタンド2A,2Bを通過するようになっている。これら圧延スタンド2A,2Bは、一対のワークロール3及びバックアップロール4により構成されている。圧延スタンド2A,2Bの中間部分には、ロール5a及びアーム5bにより形成されるルーパ5が配設されており、圧延材1はこのルーパ5により与えられる「たわみ」により張力を可変されるようになっている。
【0003】
ルーパ5のアーム5bはルーパ電動機6により回転されるようになっており、このときアーム5bが水平面となす角度θをルーパ角度と呼ぶ。このルーパ角度θを可変することにより圧延材1の張力が変化することになる。速度センサ7は、ルーパ電動機6の速度を検出し、その検出信号をルーパ電動機制御装置8に出力するようになっている。そして、ルーパ電動機制御装置8は速度センサ7からの速度検出信号に基づきルーパ電動機6に対する制御を行うようになっている。
【0004】
ルーパ電動機制御装置8は、外部のコントローラ9からの指令によりルーパ電動機6に対する制御を行うと共に、その制御内容についてのデータをコントローラ9に出力するようになっている。コントローラ9は、このデータを参照しつつ圧延スタンド2A,2Bに対する制御を行うようになっている。
【0005】
図7及び図8は従来のルーパ電動機制御装置の構成を示すブロック図であり、図7はルーパ電動機制御装置8が速度制御を行う場合、図8はルーパ電動機制御装置8が電流制御を行う場合を示している。なお、ルーパ電動機6に対する制御を速度制御又は電流制御のいずれにするかは、圧延材1の材料、形状、寸法、あるいはその他の条件等により決まるようになっている。
【0006】
図7において、ルーパ電動機制御装置8は、減算器10、速度検出系回路11、速度制御回路12、及び電流制御回路13を備えている。電流制御回路13の出力信号は電動機・機械系回路14に送られ、電動機・機械系回路14の出力信号は積分器15に送られると共に速度検出系回路11にも送られるようになっている。そして、積分器15は出力信号であるルーパ角度θをコントローラ9に送るようになっている。なお、各回路のブロック内に記載されている文字又は式はその回路の伝達関数を表しており、各文字は下記の事項を示している。
【0007】
S:ラプラス演算子
KP:比例ゲイン
Ti:積分時定数
J:モーメント
Tc:電流制御系時定数
Ki:電流変換係数
KΦ:磁束
Ks1:速度フィードバックゲイン
次に、図7の作用につき説明する。減算器10は、コントローラ9からの電動機速度基準信号ωrをプラス入力端子に入力すると共に、速度検出系回路11からの電動機速度フィードバック信号ωfをマイナス入力端子に入力し、これらの信号の偏差を速度制御回路12に出力する。速度制御回路12は、この偏差がゼロとなるように電流基準信号を電流制御回路13に出力し、電流制御回路13はこの電流基準信号の入力に基づきトルク基準信号を電動機・機械系回路14に出力する。電動機・機械系回路14は、このトルク基準信号の入力に基づきルーパ5を駆動制御する。電動機・機械系回路14からの駆動制御信号は積分器15に送られ、積分器15はこの信号を積分することによりルーパ角度θをコントローラ9に出力する。コントローラ9は、このルーパ角度θをルーパ電動機制御以外の他の制御に用いるようにする。そして、電動機・機械系回路14からの駆動制御信号は速度検出系回路11にも送られ、速度検出系回路11は前記の電動機速度フィードバック信号ωfを減算器10のマイナス入力端子に出力する。
【0008】
また、図8において、ルーパ電動機制御装置8は、減算器16、電流制御回路13、及び電流検出系回路17を備えており、電流制御回路13はPI制御回路18及びトルク係数演算回路19を有している。電流制御回路13を構成するトルク係数演算回路19の出力信号は電動機・機械系回路14に送られると共に電流検出系回路17にも送られるようになっている。そして、電動機・機械系回路14の出力信号は積分器15に送られ、積分器15は出力信号であるルーパ角度θをコントローラ9に送るようになっている。なお、各回路のブロック内に記載されている文字又は式はその回路の伝達関数を表しており、各文字は下記の事項を示している。
【0009】
S:ラプラス演算子
KPa:比例ゲイン
Tia:積分時定数
J:モーメント
L,R:電動機定数
Kcg:変換器ゲイン
KΦ:磁束
Ks2:電流フィードバックゲイン
次に、図8の作用につき説明する。減算器16は、コントローラ9からの電動機電流基準信号Irefexをプラス入力端子に入力すると共に、電流検出系回路17からの電動機電流フィードバック信号Ifをマイナス入力端子に入力し、これらの信号の偏差をPI制御回路18に出力する。PI制御回路18は、この偏差がゼロとなるようにPI制御信号をトルク係数演算回路19に出力し、電動機・機械系回路14は、このPI制御信号の入力に基づきトルク基準信号を電動機・機械系回路14に出力する。電動機・機械系回路14は、このトルク基準信号の入力に基づきルーパ5を駆動制御する。電動機・機械系回路14からの駆動制御信号は積分器15に送られ、積分器15はこの信号を積分することによりルーパ角度θをコントローラ9に出力する。コントローラ9は、このルーパ角度θをルーパ電動機制御以外の他の制御に用いるようにする。そして、電動機・機械系回路14からの駆動制御信号は電流検出系回路17にも送られ、電流検出系回路17は前記の電動機電流フィードバック信号Ifを減算器16のマイナス入力端子に出力する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなルーパ電動機制御装置8のルーパ電動機6に対する速度制御又は電流制御によりルーパ角度θが可変され、圧延材1の張力制御が行われる。ところで、図9は、ルーパ5におけるルーパ角度θとモーメント比との間の対応関係を示す特性図であり(但し、実際にはルーパ角度θがゼロになることはあり得ない)、この特性図からも明らかなように、ルーパ角度θが可変されることによりアーム5bに加わるモーメントは変化する。したがって、このルーパ角度θを正確且つ迅速に可変するためのルーパ電動機6の発生トルクはθの値によって変化するので、図7及び図8に示した各伝達関数における定数もルーパ角度θの変化を取り込んだ値とすることが、ルーパ電動機6の制御の安定性の面からは好ましい。しかし、従来は上記したように、ルーパ角度θの変化を取り入れたルーパ電動機6の制御は全く行われておらず、ルーパ電動機6の制御について安定性を一定レベル以上向上させることはできなかった(例えば、特開平9−192716号公報では、ルーパ角度がフィードバックされているが、これは圧延材張力の制御に圧延主電動機とルーパ電動機とを協調して動作させるためのもので、ルーパにおけるルーパ角度とモーメント比との対応関係については認識されていない)。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ルーパ角度θの変化を取り入れることにより、ルーパ電動機の制御について安定性を向上させることが可能なルーパ電動機制御装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、圧延材の張力制御のためにルーパ角度を可変するルーパ電動機の速度制御を、電動機速度基準信号と電動機速度フィードバック信号との偏差に基づき行うルーパ電動機制御装置において、前記ルーパ角度の演算値の入力に基づき、前記速度制御を行う際のゲイン定数を補正するゲイン定数補正回路を備えた、ことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記電動機速度フィードバック信号の入力、及び前記ルーパ角度の余弦値の入力に基づき、前記ルーパ電動機の加減速トルクを演算する加減速トルク演算回路を備えた、ことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記圧延材の張力制御に寄与しないルーパ電動機の電力損失分を前記ルーパ角度の余弦値の入力に基づき補正する電力損失分補正回路を備えた、ことを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記電力損失分補正回路により補正された電力損失分を入力すると共に、ルーパ電動機の電動機電流フィードバック信号を検出し、この電力損失分と電動機電流フィードバック信号との間の誤差演算に基づき、ルーパ又は速度センサの取り付けに異常が有るか否かを判別する取付異常判別回路を備えた、ことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図1乃至図5に基づき説明する。但し、図7及び図8と同様の構成要素には同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るルーパ電動機制御装置8Aの構成を示すブロック図である。この図のルーパ電動機制御装置8Aが図7におけるルーパ電動機制御装置8と異なる点は、積分器15からのルーパ角度θの入力に基づき基準比例ゲインKp(固定値)を補正して補正後比例ゲインKpxを出力するゲイン定数補正回路20が付加されており、更に、速度制御回路12がこの補正された補正後比例ゲインKpxを用いて電流基準信号を演算出力するようになっている点である。
【0019】
そして、ゲイン定数補正回路20は、ルーパ角度θの入力に基づきその余弦値COSθを出力する余弦関数器21と、固定値である基準比例ゲインKpを出力する定数設定器22と、Kp及びCOSθの乗算値を演算する乗算器23と、乗算器23の演算結果にリミットを設けるリミット回路24とを有している。このリミット回路24は、ルーパ角度θが90°に達したときにCOSθの値がゼロとなり、乗算器23の乗算値がゼロになろうとするのを防止するためのものである。
【0020】
次に、図1の作用につき説明する。余弦関数器21は、積分器15が出力するルーパ角度θを入力し、その余弦値COSθを乗算器23に出力する。乗算器23は、定数設定器22からの比例ゲインKpとこの余弦値COSθとの乗算値をリミット回路24に出力し、リミット回路24はこの入力に基づき補正後比例ゲインKpxを速度制御回路12に出力する。そして、速度制御回路12はこの補正された補正後比例ゲインKpxを用いて演算した電流基準信号を電流制御回路13に出力する。
【0021】
このように、この実施形態におけるルーパ電動機制御装置8Aでは、ゲイン定数補正回路20がルーパ角度θの変化に応じて比例ゲインKpを補正し、その補正後比例ゲインKpxを速度制御回路12に出力しているので、速度制御回路12の出力はルーパ角度θの変化を取り込んだ適切な出力となり、電流制御回路13及び電動機・機械系回路14の出力も適切なものとなる。したがって、従来よりもルーパ電動機6の制御について安定性を向上させることが可能になる。
【0022】
図2は、本発明の第2の実施形態に係るルーパ電動機制御装置8Bの構成を示すブロック図である。この図のルーパ電動機制御装置8Bが図1におけるルーパ電動機制御装置8Aと異なる点は、余弦関数器21からの余弦値COSθと速度検出系回路11からの電動機速度フィードバック信号ωfの入力に基づき加減速トルクTqaccを演算し、これをコントローラ9に出力する加減速トルク演算回路25が付加されている点である。
【0023】
そして、加減速トルク演算回路25は、速度検出系回路11からの電動機速度フィードバック信号ωfの微分演算を行う微分器26と、ルーパ電動機及び機械の慣性モーメントGD2(GDの2乗)を出力する慣性モーメント設定器27と、微分器26からの微分値と慣性モーメント設定器27からの慣性モーメント値との乗算値を演算し、これをトルク信号Tとして出力する乗算器28と、乗算器28からのトルク信号TにゲインGをかけて基準トルク信号Tqxを出力するゲイン回路29と、ゲイン回路29からの基準トルクTqxと余弦関数器21からの余弦値COSθとの乗算値を演算し、これを加減速トルクTqaccとしてコントローラ9に出力する乗算器30とを有している。
【0024】
次に、図2の作用につき説明する。ゲイン定数補正回路20がルーパ角度θの変化に応じて比例ゲインKpを補正し、これを速度制御回路12に出力することによりルーパ電動機6の安定な制御を行っている点は図1の構成と同様である。しかし、図2の構成ではこれと同時に、速度検出系回路11からの電動機速度フィードバック信号ωfに基づき微分器26、慣性モーメント設定器27、乗算器28、及びゲイン回路29により基準トルクTqxを生成し、乗算器30がこの基準トルクTqxに余弦関数器21からの余弦値COSθを乗算することにより加減速トルクTqaccを生成してコントローラ9に出力している。すなわち、コントローラ9はルーパ電動機制御装置8Bからルーパ角度θの変化を取り込んだ加減速トルクTqaccを得ることができ、圧延スタンド2A,2Bに対してより精度の高い制御を行うことが可能になる。
【0025】
図3は、本発明の第3の実施形態に係るルーパ電動機制御装置8Cの構成を示すブロック図である。この図のルーパ電動機制御装置8Cが図1におけるルーパ電動機制御装置8Aと異なる点は、余弦関数器21からの余弦値COSθに基づき電力損失分(メカロスデータともいう)を演算し、これをコントローラ9に出力する電力損失分補正回路31が付加されている点である。ここで、電力損失分とはルーパ電動機6がルーパ5のアーム5bを支持するためにのみ費やされ張力制御に寄与しない電力分のことを指している。したがって、コントローラ9が圧延材1に対する張力制御を精度良く行うためには、この電力損失分を正確に求めることが必要である。
【0026】
そして、電力損失分補正回路31は、固定値であるメカロスデータIlossを出力する電力損失分設定器32と、電力損失分設定器32からのメカロスデータIlossに余弦関数器21からの余弦値COSθを乗算することによりメカロスデータIlossxを演算し、これをコントローラ9に出力する乗算器33とを有している。
【0027】
次に、図3の作用につき説明する。ゲイン定数補正回路20がルーパ角度θの変化に応じて比例ゲインKpを補正し、これを速度制御回路12に出力することによりルーパ電動機6の安定な制御を行っている点は図1の構成と同様である。しかし、図3の構成ではこれと同時に、乗算器33が電力損失分設定器32からのメカロスデータIlossに余弦関数器21からの余弦値COSθを乗算することによりメカロスデータIlossxを演算し、これをコントローラ9に出力している。したがって、コントローラ9はルーパ電動機制御装置8Cからルーパ角度θの変化を取り込んだ正確なメカロスデータIlossxを得ることができ、精度の高い張力制御を行うことが可能になる。
【0028】
図4は、本発明の第4の実施形態に係るルーパ電動機制御装置8Dの構成を示すブロック図である。この図のルーパ電動機制御装置8Dが図3におけるルーパ電動機制御装置8Cと異なる点は、乗算器33からのメカロスデータIlossxと電流制御回路13からのトルク基準との入力に基づき異常信号Errxをコントローラ9に出力する取付異常判別回路34が付加されている点である。
【0029】
圧延ラインの現場では、所定個所に設置されているルーパ5を一旦ロール5aとアーム5bとの各部材に分解し、その後にこれらの部材を組み立てて再度ルーパ5の設置を行う場合があるが、この場合に部材の取り付けを誤ることがある。例えば、アーム5bの当初の取り付け方向が水平方向であったが、再度の設置作業において誤って垂直方向に取り付けてしまうことがある。このような誤りに気が付かず、そのまま圧延ラインの運転を開始したのでは、不適切な張力制御によって圧延不良が発生することになる。この実施形態では、このようなアーム5bの取り付けミスが発生した場合には直ちに異常を知らせることが可能である。
【0030】
取付異常判別回路34は、電流制御回路13の出力に基づき電動機電流フィードバック信号Ifを検出する電流検出系回路35と、この電流検出系回路35が検出した電動機電流フィードバック信号Ifと乗算器33からのメカロスデータIlossxとを入力し両者の誤差を演算する誤差演算回路36と、この誤差演算回路36からの誤差とエラー判定値設定器37からの判定値とを入力し、両者の比較に基づき異常信号Errを出力する比較器38と、この比較器38からの異常信号Errをコントローラ9からの計測開始信号に同期させ任意のタイミングで最終的な異常信号Errxとしてコントローラ9に出力するAND回路39とを有している。
【0031】
次に、図4の作用につき説明する。現場の作業員が当初は水平方向であったルーパ5のアーム5bを誤って垂直方向に取り付けてしまったとすると、余弦関数器21が出力する余弦値COSθは本来の正しい値とは大きく異なる値となる。したがって、乗算器33から出力されるメカロスデータIlossxも本来の正しい値と大きく異なることになる。それ故、誤差演算回路36が出力する誤差も大きなものとなり、比較器38は異常信号Errを出力する。そして、コントローラ9が計測開始信号を出力した場合に、これと同期した異常信号Errxがコントローラ9に出力され、コントローラ9は直ちに運転を停止させることになる。
【0032】
図5は、本発明の参考例に係るルーパ電動機制御装置8Eの構成を示すブロック図である。この図のルーパ電動機制御装置8Eが図8におけるルーパ電動機制御装置8と異なる点は、積分器15からのルーパ角度θの入力に基づきコントローラ9からの電動機電流基準Irefex(固定値)を補正して補正後電流基準Irefを出力する電動機電流基準補正回路40が付加されており、この補正後電流基準Irefが減算器16のプラス入力端子に入力されるようになっている点である。
【0033】
そして、電動機電流基準補正回路40は、ルーパ角度θの入力に基づきその余弦値COSθを出力する余弦関数器41と、コントローラ9からの電動機電流基準IrefexとCOSθとの乗算値を演算する乗算器42と、乗算器42の演算結果にリミットを設けるリミット回路43とを有している。このリミット回路43は、ルーパ角度θが90°に達したときにCOSθの値がゼロとなり、乗算器42の乗算値がゼロになろうとするのを防止するためのものである。
【0034】
次に、図5の作用につき説明する。余弦関数器41は、積分器15が出力するルーパ角度θを入力し、その余弦値COSθを乗算器42に出力する。乗算器42は、コントローラ9からの電動機電流基準Irefexとこの余弦値COSθとの乗算値をリミット回路43に出力し、リミット回路43はこの入力に基づき補正後電流基準Irefを減算器16のプラス入力端子に出力する。そして、減算器16は、この補正後電流基準Irefと電流検出系回路17からの電動機電流フィードバック信号Ifとの偏差を電流制御回路13のPI制御回路18に出力する。以降の動作は図8で既述した場合と同様である。
【0035】
このように、この参考例におけるルーパ電動機制御装置8Eでは、電動機電流基準補正回路40がルーパ角度θの変化に応じてコントローラ9からの電動機電流基準I refex 補正し、その補正後電流基準Irefを減算器16のプラス入力端子に出力しているので、電流制御回路13の出力はルーパ角度θの変化を取り込んだ適切な出力となり、電動機・機械系回路14の出力も適切なものとなる。したがって、従来よりもルーパ電動機6の制御について安定性を向上させることが可能になる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ルーパ角度の演算値の入力に基づき速度制御又は電流制御を行う際のゲイン定数を補正するゲイン定数補正回路を備えた構成としたので、ルーパ角度θの変化を取り入れることによりルーパ電動機の制御について安定性を向上させることが可能なルーパ電動機制御装置を実現することができる。そして、加減速トルク演算回路や電力損失分補正回路を備えた構成とすることでコントローラの高精度の制御に寄与することもでき、また、取付異常判別回路を備えた構成とすることでルーパの部材の取付ミスを直ちに報知することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係るルーパ電動機制御装置8Aの構成を示すブロック図。
【図2】 本発明の第2の実施形態に係るルーパ電動機制御装置8Bの構成を示すブロック図。
【図3】 本発明の第3の実施形態に係るルーパ電動機制御装置8Cの構成を示すブロック図。
【図4】 本発明の第4の実施形態に係るルーパ電動機制御装置8Dの構成を示すブロック図。
【図5】 本発明の参考例に係るルーパ電動機制御装置8Eの構成を示すブロック図。
【図6】 圧延システムの一部の構成を示す説明図。
【図7】 速度制御を行う従来のルーパ電動機制御装置の構成を示すブロック図。
【図8】 電流制御を行う従来のルーパ電動機制御装置の構成を示すブロック図。
【図9】 図6のルーパ5におけるルーパ角度θとモーメント比との間の対応関係を示す特性図。
【符号の説明】
1 圧延材
2A,2B 圧延スタンド
3 ワークロール
4 バックアップロール
5 ルーパ
5a ロール
5b アーム
6 ルーパ電動機
7 速度センサ
8,8A〜8E ルーパ電動機制御装置
9 コントローラ
10 減算器
11 速度検出系回路
12 速度制御回路
13 電流制御回路
14 電動機・機械系回路
15 積分器
16 減算器
17 電流検出系回路
18 PI制御回路
19 トルク係数演算回路
20 ゲイン定数補正回路
21 余弦関数器
22 定数設定器
23 乗算器
24 リミット回路
25 加減速トルク演算回路
26 微分器
27 慣性モーメント設定器
28 乗算器
29 ゲイン回路
30 乗算器
31 電力損失分補正回路
32 電力損失分設定器
33 乗算器
34 取付異常判別回路
35 電流検出系回路
36 誤差演算回路
37 エラー判定値設定器
38 比較器
39 AND回路
40 電動機電流基準補正回路
41 余弦関数器
42 乗算器
43 リミット回路
θ ルーパ角度
ωr 電動機速度基準信号
ωf 電動機速度フィードバック信号
Irefex 電動機電流基準信号
If 電動機電流フィードバック信号
Kpx 補正後比例ゲイン
Tqacc 加減速トルク
Ilossx メカロスデータ(電力損失分)
Errx 異常信号
Iref 補正後電流基準信号

Claims (4)

  1. 圧延材の張力制御のためにルーパ角度を可変するルーパ電動機の速度制御を、電動機速度基準信号と電動機速度フィードバック信号との偏差に基づき行うルーパ電動機制御装置において、
    前記ルーパ角度の演算値の入力に基づき、前記速度制御を行う際のゲイン定数を補正するゲイン定数補正回路を備えた、
    ことを特徴とするルーパ電動機制御装置。
  2. 前記電動機速度フィードバック信号の入力、及び前記ルーパ角度の余弦値の入力に基づき、前記ルーパ電動機の加減速トルクを演算する加減速トルク演算回路を備えた、
    ことを特徴とする請求項1記載のルーパ電動機制御装置。
  3. 前記圧延材の張力制御に寄与しないルーパ電動機の電力損失分を前記ルーパ角度の余弦値の入力に基づき補正する電力損失分補正回路を備えた、
    ことを特徴とする請求項1記載のルーパ電動機制御装置。
  4. 前記電力損失分補正回路により補正された電力損失分を入力すると共に、ルーパ電動機の電動機電流フィードバック信号を検出し、この電力損失分と電動機電流フィードバック信号との間の誤差演算に基づき、ルーパ又は速度センサの取り付けに異常が有るか否かを判別する取付異常判別回路を備えた、
    ことを特徴とする請求項3記載のルーパ電動機制御装置。
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