JP4208316B2 - メータ装置の照明構造 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用速度計等のメータ装置に適用され、計器の文字盤を背面側から、光源と導光板を用いて照明するメータ装置の照明構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、車両用速度計等のメータ装置の照明構造として、計器の文字盤の背面に導光板を重ね合わせて配置し、導光板の下側に光源を配設し、その光源からの光を導光板内に導入し、導光板からの光を、文字盤の背面側から透光性の文字、目盛り等の部分に通して照明すると共に、文字盤の上方に位置する導光体製の指針に、その光源からの光を導入して指針を照明する照明構造が、特開平９−２１６５５号公報等で知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
この照明構造は、複数の光源が指針軸の周囲近傍に配置され、導光板は指針軸を通すための孔部を有し、その孔部の周縁部から光を導光板内に入射させるようにして文字盤の照明を行なうようにしている。しかしながら、導光板の孔部の周縁部が単なる平坦形状であるため、光源からの光を導光板に入光させる際の入射効率が悪く、特に、光源として、ランプに比べ小形で光を照射する部分が狭い発光ダイオードを用いる場合、導光板への入射光量を増すために、周縁入光部に複数の光源を配置する必要があり、光源の部品点数が多くなり、製造コストが高くなる問題があった。
【０００４】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、文字盤の背面側に配置した導光板に光源からの光を効率よく入射させ、より少ない光源で良好に照明することができるメータ装置の照明構造を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項１の照明構造は、文字盤の背面側に配設された導光板と、導光板の一部に設けた入光部に対向して配設された光源と、を具備し、光源の光を入光部から導光板内に入射させ、文字盤を背面側から照明するメータ装置の照明構造において、導光板にメータ装置の内機の指針軸を挿通させるための指針軸用孔部が形成され、指針軸用孔部の近傍に入光部が背面側に山形に突出して形成され、入光部の前面側に山形凹部が形成され、入光部は指針の元部の前面に被せられたカバーに対向する位置に配置されると共に、入光部は円錐山形に形成されており、導光板の平面部から山形の入光部にかけて、なだらかな曲面が形成され、入光部に対向して１個の光源が配置されたことを特徴とする。
【０００６】
ここで、請求項２の照明構造のように、入光部は導光板の指針軸用孔部から文字盤の主要文字表示側に偏位した位置の一箇所に配置することができる。
【０００７】
また、請求項３の照明構造のように、導光板の指針軸用孔部の周囲に、導光体の指針本体の元部に光を入射させるための指針用出射部を形成し、光源からの光を指針本体内に入射させることもできる。
【０００９】
また、請求項４の照明構造のように、光源としては発光ダイオードを使用することができる。
【００１０】
更に、請求項５の照明構造のように、導光板の一部に、文字盤内の一部に配置される液晶表示部に背面照明光を入射させるための背面照明用出射部を形成することができる。
【００１１】
【発明の作用・効果】
このような構成のメータ装置の照明構造では、光源を点灯すると、光源から出射された光は、入光部から導光板内に入る。導光板の入光部は、光源側に山形に突出して形成されるため、光源から放射された光を、十分に広い放射範囲角度にわたり入射させることができ、光源が小形の発光ダイオード１個であっても、十分な光量の光が導光板内に導入される。
【００１２】
導光板の入光部から入射した光は、導光板内を放射状に広がり、上面に位置する文字盤の文字及び目盛りの透光部から、光がメータの正面側に放射され、文字、目盛りが背面側から照明されることにより、浮き上がるように表示される。
【００１３】
更に、導光板内の光は、指針軸の周囲の指針用出射部から導光体製の指針内にその元部の入射部を通して導入され、指針本体の前方に光が放射されることにより、指針の照明・表示が行われる。更に、導光板内の光は、その一部に設けた背面照明用出射部から液晶表示部にその背面照明光として入射され、液晶表示部が背面から照明される。
【００１４】
このように、内機の指針軸を挿通させるために導光板上に設けた指針軸用孔部の近傍に、入光部が背面側に山形に突出して形成され、入光部の前面側に山形凹部が形成され、入光部は円錐山形に形成されており、導光板の平面部から山形の入光部にかけて、なだらかな曲面が形成され、対向して配置された光源からこの入光部を通して導光板に光を導入するため、光源が１個の小形の発光ダイオードであっても、十分な光量の光を導光板内に入射させ、透光性の文字や目盛り、指針、或は背面照明用出射部にまで光を十分に導光することができ、文字盤上の文字や目盛り、指針、液晶表示部を良好に照明・表示することができる。したがって、従来は複数個必要としていた光源を１個のみとすることができ、製造コストを低減することができる。
【００１５】
また、入光部を導光板の指針軸用孔部から文字盤の主要文字表示側に偏位した位置の一箇所に配置すれば、文字盤上の文字や目盛りを１個の光源で効率よく均一に照明・表示することができる。更に、導光板の入光部の前面側に山形凹部を設けることにより、入光部から入射した光をより効率よく導光板全体に導光することができる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１は自動車用の速度計及び回転計を設けたメータ装置の正面図を示し、図２その拡大断面図を示している。図２において、１はメータケースであり、メータケース１内の略中央に速度計の内機５が取り付けられている。
【００１７】
内機５を収容したメータケースの前面に、文字盤２が取り付けられ、文字盤２の背面側に導光板３が重ね合わせて配置され、導光板３の背面側には背面カバー６が覆うように取り付けられる。文字盤２の周縁部には、見返し板４がそれらの周縁を前面から覆うようにメータケース１に取り付けられ、見返し板４の前面には透明カバー８が取り付けられる。
【００１８】
文字盤２は、薄い透明合成樹脂板の上に、文字及び目盛りを透光部とし、文字、目盛り以外の部分を遮光塗料で印刷して形成され、文字盤２の下部には液晶表示部用開口部２ａが開口する。導光板３は、アクリル、ポリカーボネート等の透明合成樹脂を用いて、図３、図４に示すように、略円形（円盤状）に形成され、導光板３の略中央に、内機５の指針軸７を通すための指針軸用孔部３１が形成される。
【００１９】
更に、導光板３の指針軸用孔部３１の近傍における少し上側に入光部３２が形成される。この入光部３２は、光源１１からの光を入射させるための部分で、背面側に山形（略円錐形）に突出して形成され、導光板３の平面部から山形の入光部３２にかけて、なだらかな曲面を形成している。その入光部３２の背面側に対向して発光ダイオードを用いた光源１１が基板１２上に固定される。入光部３２の前面側（内側）には、円錐形の山形凹部３３が形成され、この山形凹部３３の側部は指針軸用孔部３１の側部に連通している。
【００２０】
このように、導光板３の入光部３２を、なだらかな山形に形成し、内側にも山形凹部３３を形成することにより、光源１１が発光ダイオードで照射部分が小形の光源であっても、そこからの光を、高い入射効率で入射させ、導光板３全体に導光できるようにしている。
【００２１】
更に、導光板３の略中央つまり指針軸用孔部３１の周囲には指針用出射部３４が形成される。この指針用出射部３４は指針９の元部に向けて光を出射するもので、前面側に略円筒形に突出して形成される。また、導光板３の指針軸用孔部３１の下側には、トリップメータとなる液晶表示部１０を設置するための凹部３５が形成され、その背面側に板状でしぼ面を有する背面照明用出射部３６が、液晶表示部１０に背面照明を行なうように設けられ、更に、背面照明用出射部３６の下側に、液晶表示部１０の端子に接続されるリード線挿通部３７が多数の孔を並設して形成される。
【００２２】
速度計の内機５は、例えば交差コイル式内機から構成され、指針軸７を有し、指針軸７の先端には、文字盤２の中央孔と導光板３の指針軸用孔部３１から、指針９の元部が挿入され、嵌着される。指針９の指針本体は、導光体により形成され、その元部背面側に導光板３側からの光を入射させる入射部９ｃを有し、指針用出射部３４から入射した光を前方に放射して自らを照明・表示する構造である。指針９の元部の前面にカバー９ｂが被せられる。
【００２３】
このように構成されたメータ装置の照明構造では、光源１１が点灯すると、光源１１から放射された光は、入光部３２から導光板３内に入る。このとき、導光板３の入光部３２は、図７に示すように、円錐山形に形成され、且つ背面側に山形凹部３３が形成されるため、光源１１から放射された光を、十分に広い放射範囲角（例えば１２０°以上）にわたり入射させることができ、光源１１が小形の発光ダイオードであっても、十分な光量の光を導光板３内に導入することができる。
【００２４】
導光板３の入光部３２から入射した光は、導光板３内を放射状に広がり、前面に位置する文字盤２の文字及び目盛りの透光部から、光がメータの正面側に放射され、文字、目盛りが背面側から照明されることにより、浮き上がるように表示される。
【００２５】
更に、導光板３内の光は、指針軸７の周囲の指針用出射部３４から導光体製の指針９内にその元部の入射部９ｃを通して導入され、指針本体９ａの前方に光が放射されることにより、指針９の照明・表示が行われる。更に、導光板３内の光は、その下部に設けた背面照明用出射部３６から液晶表示部１０にその背面照明光として入射され、液晶表示部１０のトリップメータが背面から照明される。
【００２６】
このように、光源１１からの光を入射させる入光部３２が、山形に突設されると共に背面側に山形凹部３３を有し、且つ文字盤２と導光板３の中心位置近傍に位置することから、光源１１が１個の小形の発光ダイオードであっても、十分な光量の光を導光板３内に入射させ、その光を導光板全体に導光することができる。
【００２７】
従って、導光板３を通して文字盤２上の透光性の文字や目盛り、指針９、及び背面照明用出射部３６に光を導光し、文字盤２上の文字や目盛り、指針９、液晶表示部１０を良好に照明・表示することができる。よって、従来は複数個必要としていた光源を１個のみとすることができ、部品点数や製造コストを低減することができる。
【００２８】
なお、上記実施例では、導光板３の入光部３２が指針軸用孔部３１の真上付近に設けられたが、文字盤上の照明を必要とする主要文字部が右側或は左側に位置する場合には、その位置に応じて導光板３の入光部３２の位置を指針軸用孔部３１の近傍の右側或は左側に変更すればよく、入光部は文字盤の主要文字表示側に偏位した位置に配置すれば、１個の光源で効率良く照明することができる。また、液晶表示部１０はトリップメータの他に時間や温度等他の情報を表示するものであってもよい。また、指針は、その元部に光源を搭載した構造にすることもでき、その場合、文字盤側からの光の入射は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態を示す自動車用のメータ装置の正面図である。
【図２】図１のII-II 拡大断面図である。
【図３】導光板３の拡大正面図である。
【図４】導光板３の拡大背面図である。
【図５】図３のV-V 拡大断面図である。
【図６】図３のVI-VI 拡大断面図である。
【図７】光源から入光部への光の入射を示す説明図である。
【符号の説明】
２−文字盤
３−導光板
３１−指針軸用孔部
３２−入光部
３４−指針用出射部
３６−背面照明用出射部
４−見返し板
５−内機
７−指針軸
１０−液晶表示器
１１−光源

Claims (5)

1. 文字盤の背面側に配設された導光板と、該導光板の一部に設けた入光部に対向して配設された光源と、を具備し、該光源の光を該入光部から導光板内に入射させ、該文字盤を背面側から照明するメータ装置の照明構造において、
   該導光板に該メータ装置の内機の指針軸を挿通させるための指針軸用孔部が形成され、該指針軸用孔部の近傍に入光部が背面側に山形に突出して形成され、該入光部の前面側に山形凹部が形成され、該入光部は前記指針の元部の前面に被せられたカバーに対向する位置に配置されると共に、該入光部は円錐山形に形成されており、前記導光板の平面部から該山形の入光部にかけて、なだらかな曲面が形成され、該入光部に対向して１個の光源が配置されたことを特徴とするメータ装置の照明構造。
2. 前記入光部が該導光板の指針軸用孔部から前記文字盤の主要文字表示側に偏位した位置の一箇所に配置されていることを特徴とする請求項１記載のメータ装置の照明構造。
3. 前記導光板の指針軸用孔部の周囲に、指針の元部に光を入射させるための指針用出射部が形成されていることを特徴とする請求項１記載のメータ装置の照明構造。
4. 前記光源として発光ダイオードが使用されている請求項１記載のメータ装置の照明構造。
5. 前記導光板の一部に、前記文字盤内の一部に配置される液晶表示部に背面照明光を入射させるための背面照明用出射部が形成されていることを特徴とする請求項１記載のメータ装置の照明構造。

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