JPH0557622U - 指針照明装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 指針を発光表示する際、簡単な構造で照明の
均一化を計れる。 【構成】 ＥＬ素子から成る表示板11に面状発光可能な
照明部18を除いて遮光層19を設ける。指針15は、前後に
光透過可能に着色形成された指示部21を設け、後面に受
光部23を設け、前面に発光部24を設ける。そして、指針
15は、照明部18の前方を回動するので、照明部18の面状
光源からの光線が指針15の指示部21を同時に透過する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、走行速度やエンジン回転数を運転者が読み取るために自動車，オー トバイ等の車輌に装備された計器類の計測値表示用の指針、ラジオ，ステレオ等 のオーディオに装備された表示器類の設定値指示用の指針あるいは時計の指針を 発光表示させる指針照明装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の指針を用いた表示装置は、様々な技術が開示されており、例え ば特公昭４２−８６６８号公報に開示され、図５に示す航空機の計器が知られて いる。これは、光透過性の表示板１に目盛，数字等の表示指標２を設け、表示板 １の前面側に輪郭を暗色に縁取った指針３を設け、表示板１の後面側に光源（図 示しない）と指針３の作動用駆動源である計器本体（図示しない）とを設け、夜 間等周囲が暗い状況下で光源を点灯することにより、表示板１を透過照明すると ともに表示指標２及び指針３にて遮光され、運転者は、明るく発光する表示板１ の中に指針３の影を表示指標に対比して表示値を読み取ることとなる。

【０００３】 しかし、人間の目は、暗くて細い指針３の影よりも、明るくて広い表示板１の 明るさに合わせて絞りが調節されるので、指針３の位置を確認するのにどうして も手間取り、場合によっては見間違うことも懸念される。

【０００４】 このような問題を考慮して、例えば実開昭６０−７６２９８号公報に開示され 、図６に示すように、表示板１の前面に黒色の遮光層４を形成し、アクリル樹脂 等の光透過性材料から成る指針３に導光板５を介して光源６の光線を透過させる ことにより、運転者は、暗くて広い表示板１の中に明るくて細い指針３を光透過 性の表示指標２に対比して表示値を読み取ればよく、指針３の明るさに合わせて 目の絞りが調節されるので、幻惑することなく指針３位置を確認可能とした指針 照明装置が知られている。尚、図中一点鎖線矢印は、光源６から放射状に照射す る光線の一例を示している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この従来例では、光源６の光を光源６から指針３の発光面７ま で導光しなければならず、導光体５内での光の減衰のみならず指針３，導光体５ の反射面形状や光源６と指針３との位置に応じて導光効率が低下する場合もあり 、その設計が著しく煩雑となり、しかも、指針３まで導かれた光線も指針３内で の減衰によって、先端側と基端側との輝度が異なってしまい、粗悪な表示状態を 余儀なくされることがある。

【０００６】

【考案の目的】

本考案は、前記従来例の問題点に着目して考えられたものであり、簡単な構造 で指針の輝度ムラを抑えて良好な発光表示状態を得ることのできる指針照明装置 の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、本考案は受光部と発光部とを前後に対向配置する光 透過性材料から成る指針と、前記指針の後方に設けられる面状発光可能な照明部 とを有する指針照明装置である。

【０００８】

【作用】

指針は、後方から受光部に入射した光線をそのまま発光部から前方へ照射する ことにより、発光表示される。

【０００９】

【実施例】

図１，図２は、本考案の一実施例を車輌用表示装置の速度計に適用したもので あり、11は、ＥＬ（エレクトロルミネッセンス）製基板12の前面に目盛，数字， 記号等の表示指標13を設けた表示板であり（例えば、特開昭６２−１７２２２０ 号公報参照）、この表示板11の中央部分に貫通孔14を形成し、この貫通孔14を介 して指針15とこの指針15の駆動源である交差線輪型可動磁石式計器本体16の指針 軸17とを連結することにより、表示板11の前方に指針15を、後方に計器本体16を 配設すると共に、計器本体16の出力を指針軸17を介して指針15に伝達し、表示板 11の前面側に指針15を表示指標13に対比判読可能に回動指示させる。

【００１０】 前記表示板11は、基板12の貫通孔14から放射状に指針15の先端までの長さと略 等しい位置までＥＬ発光面を露出して面状発光源を構成する照明部18を設け、こ の照明部18の周縁にＥＬ発光面を覆って黒色系の遮光層19を設け、この遮光層19 を表示指標13形状に部分的に除去して、表示指標13も発光表示可能に形成してい る。また、前記照明部18は、少なくとも指標15の回動指示範囲に応じて、０km／ h から最高目盛位置までの範囲に形成されている。

【００１１】 前記指針15は、指針軸17を連結する遮光性材料から成る基部20と、この基部20 から延設する青色系，橙色系等の所望の色彩の着色顔料を混合した光透過性合成 樹脂材料から成る指示部21とを二色成型により設け、また、指示部21の周縁部分 にも遮光性材料から成る遮光部22を設け、指示部21の下面側に受光部23を形成し 、上面側に発光部24を形成している。

【００１２】 従って、夜間等周囲が暗い状況下で基板12に通電してＥＬを発光させた場合、 照明部18の面状発光光線（図中、一点鎖線矢印で示す）が指針15の受光部23から 指示部21に入射し、発光部24から前方に透過することにより、運転者（視認者） には、所定の色（ＥＬの発光色）、本実施例では白色系の照明部18中に所望の色 （混入顔料の色）、本実施例では青色系の指針15の発光部24が線状に視認される ので、何ら導光手段を用いることなく指針15を発光表示させることができ、面状 光源なので指針15の先端から後端まで輝度ムラが生じにくく、指針15指示位置が どの表示指標13を指示している時にも略均一の明るさとなる。また、指針15の発 光部24は、照明部18に比べて輝度が低下しているが、色調を変えることにより、 視認者が見にくくならないように輝度差を色差で補償して、視認性を向上してい る。また、本実施例では、遮光部22が影となって現れるので、青色系と白色系と の間に黒色系の境界線が視認され、より一層指針15の指示位置を見やすくしてい る。

【００１３】 また、前記実施例では、指針を合成樹脂材料の二色成型品としているが、複数 部材の組立品であってもよい。すなわち、指針15は、図３に示すように、指針形 状の遮光性カバー25内に、下方開口部から細長い平板状の着色透過板26，細長い 角柱状の透明部材27を順次収納固定し、透明部材27の指示部28に対応するカバー 25の指示部29に、周縁部分に遮光部30を残して光透過性の発光部である窓部31を 形成し、透明部材27の基部32に指針軸17を固着し、指針軸17に連動している間、 どの位置においても照明部18の光線を透明部材27の下面の受光部33から入射して 、着色透過板26を介して窓部31から前方に発光することにより、視認者には着色 透過板26の色にて発光表示しているように視認される。この例であっても、前記 実施例と同様の作用を得る。

【００１４】 また、前記各実施例では、指針の発光部の周縁部分に遮光部を設け、指針の発 光表示と、照明部の発光表示との間に境界線を表示しているが、必ずしも設けな くともよい。すなわち、指針15は、図４に示すように、光透過性材料から成る指 針形状の透明部材34の基部35に遮光性のキャップ36を被嵌して指示部37を露出し 、この指示部37の上面に所望の色に着色された光透過性の着色層38を印刷もしく はホットスタンプにて形成し、指針軸17に連動している間、どの位置においても 照明部18の光線を指示部37の下面の受光部39から入射して、上面の発光部である 着色層38から前方に発光することにより、視認者には、照明部18と指針15とを影 による境界線をもたない表示として視認され、色差によって見分ける。この例で あっても、前記各実施例と略同様の作用を得る。

【００１５】 また、本実施例の表示板11は、例えばアクリル樹脂，ポリカーボネート樹脂等 光透過性材料から成る平板状の基板40の前面に、表示指標13と、少なくとも指針 15の回動範囲に渡って透明な照明部18とを除いて遮光性塗料から成る遮光層19を 印刷形成し、基板40の後面側に光拡散板41を積層配設し、ランプ，ＣＣＴ等の光 源42からの光線を面状発光するために均一化しており、前記表示指標13に、指針 15の着色層38と異なる色の光透過性の着色層43を設けることにより、照明部18， 指針15，表示指標13とをそれぞれ別色での表示を可能とする。図中44は、指針バ ランス用のおもり、45は、導光体である。

【００１６】 なお、照明部は、指針の背後に面状発光可能に設けられていればよく、必ずし も表示板に設けることなく、単に光源としての用途のために、発光体を配置する こともでき、照明部の面積の大きさや形状は、指針の発光表示形態に合わせて適 宜設定すればよく、例えば、車輌用速度計において、低速領域では基部から指示 部長さの半分程度まで発光表示しているが、速度が上がるにしたがって次第に発 光表示長さが長くなり、高速領域では指示部の全長に渡って発光表示させるよう な発光面形状にすることができる。

【００１７】 また、前記各実施例では、車輌用計器を例に本考案の一実施例を説明してきた が、目覚まし時計の時間表示，ラジオのチューニングポジション表示，ステレオ システムの音量レベル表示等、様々な機器に適用可能である。

【００１８】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案は受光部と発光部とを前後に対向配置する光透過 性材料から成る指針と、前記指針の後方に設けられる面状発光可能な照明部とを 有することにより、発光輝度の均一化を計って良好な発光表示状態を得る指針照 明装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の発光表示状態を示す平面図
である。

【図２】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図３】本考案の他の実施例の指針を示す分解斜視図で
ある。

【図４】本考案のさらに他の実施例を示す断面図であ
る。

【図５】従来例の表示状態を示す平面図である。

【図６】他の従来例を示す断面図である。

【符号の説明】

11 表示板 12，36 基板 13 表示指標 15 指針 16 計器本体 17 指針軸 18 照明部 21，28，29，37 指示部 22，30 遮光部 23，33，39 受光部 24 発光部 31 窓部（発光部） 38 着色層（発光部）

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 受光部と発光部とを前後に対向配置する
   光透過性材料から成る指針と、前記指針の後方に設けら
   れる面状発光可能な照明部とを有することを特徴とする
   指針照明装置。
2. 【請求項２】 前記発光部の周縁に遮光部を有すること
   を特徴とする請求項１の指針照明装置。
3. 【請求項３】 前記指針の指示位置を対比判読するため
   の指標部を有する表示板に前記照明部を設けることを特
   徴とする請求項１または２の指針照明装置。