JP4207373B2 - 情報コード読取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バーコード等の一次元コードや、QRコード等の二次元コードといった情報コードを読取る情報コード読取装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
この種の情報コード読取装置として、例えばハンディタイプのバーコードリーダの基本的構成を、図14に概略的に示す。即ち、筐体1は、先端部にいわゆる首曲り状の読取ヘッドを有し、その先端面の読取口1aから、バーコードが記録された読取対象2に対して照明光源3により照明光を照射し、その反射光を読取口1aから入射して、反射鏡4及び結像レンズ5からなる光学系を介して一次元(リニア)センサ6により撮像させるようになっている。そして、一次元センサ6からの信号が処理回路7に入力されてデコード処理などが行われ、もってバーコードの読取りがなされるようになっている。
【0003】
また、図示はしないが、ハンディタイプの二次元コードリーダは、例えば特開平10−334175号公報や、特開2000−11083公報に示されるように、筐体内に、照明光源、反射鏡及び結像レンズからなる光学系、二次元(エリア)センサ等を備えて構成されており、QRコード等の二次元コードを読取るようになっている。
【0004】
このとき、一次元センサにおける光学系は、二次元センサにおける光学系に比べて焦点距離が2〜3倍となって光路が長くなるといった事情もあり、従来では、一次元コードを読取るための情報コード読取装置と、二次元コードを読取るための情報コード読取装置とは全く別物として構成され、内部構成はもとより、筐体についても全く別のデザインで製作されていた。このため、一次元及び二次元の双方の情報コード読取装置を製作するには、開発コストや製造コストがかかる不具合があった。従って、二次元コード用のものと一次元コード用のものとの間で、大幅な部品の共通化を図ることが可能となれば、開発コスト及び製造コスト面で大きなメリットを得ることができるのである。
【0005】
尚、いわゆるハンディタイプの情報コード読取装置にあっては、読取ヘッドがストレート状とされたものと首曲り状とされたものとの2タイプのものがあるが、これら2タイプのものについても、夫々筐体が別途に製作され、また光学系も異なる構造のものが組込まれるようになっていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、一次元コード用のものと二次元コード用のものとの間で、部品の共通化を効果的に図ることができる情報コード読取装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の情報コード読取装置は、筐体を、読取ヘッド側に開口部を有する筐体主部と、その筐体主部の開口部を塞ぐように取付けられ読取口を構成する読取口カバーとに分割すると共に、前記筐体主部に操作部等を組付けて共通の装置本体を構成し、この装置本体の取付部に、一次元コードを読取るための一次元用光学ユニットと二次元コードを読取るための二次元用光学ユニットとを選択的に取付ける構成としたものである(請求項1の発明)。
【0008】
これによれば、装置本体の取付部に一次元用光学ユニットを取付けると共に、筐体主部にそれに対応した読取口カバーを取付けることにより、一次元コード用の情報コード読取装置を構成することができ、装置本体の取付部に二次元用光学ユニットを取付けると共に、筐体主部にそれに対応した読取口カバーを取付けることにより、二次元コード用の情報コード読取装置を構成することができる。従って、一次元コード用のもの及び二次元コード用のものの双方について、光学ユニット及び読取口カバーを除く大部分を共通化することが可能となる。
【0009】
このとき、一次元用光学ユニットの光学系は、二次元用光学ユニットの光学系に比べて、光路長が長くなる事情があるが、一次元用光学ユニットの光学系を、光路を折返す複数個の反射鏡により読取口から入射した反射光の進行方向を180度転換させた後に一次元センサにより受光させるように構成することができる(請求項2の発明)。これによれば、読取口から入射された反射光の光路を、いわばU字状に折返してリニアセンサに導くことができるので、光路長が長くなる事情があっても、光学系全体ひいては光学ユニットの長さ方向の寸法を小さくすることができ、装置本体の小形化を図ることが可能となる。
【0010】
ところで、例えばハンディタイプの情報コード読取装置にあっては、装置本体から読取ヘッド部分まで全体がストレート状のストレートタイプと、読取ヘッド部分が折曲がったいわゆる首曲りタイプとがある。そこで、筐体主部の開口部部分に、ストレート状の読取ヘッドを構成するストレート用読取口カバーと、折曲り状の読取ヘッドを構成する首曲り用読取口カバーとを選択的に取付ける構成とすれば(請求項3の発明)、読取口カバーの選択のみにより、ストレートタイプと首曲りタイプとの双方の筐体を得ることができ、それ以外の大部分である装置本体を共通化することが可能となる。
【0011】
そして、それらストレートタイプと首曲りタイプとでは、装置本体(筐体主部)に対して反射光が入射する角度つまり読取口の向きが相違するものとなる。そこで、一次元用光学ユニットの光学系にあっては、装置本体に対する読取口の向きに応じて、入射した反射光の角度を変更する角度変更用反射鏡を着脱自在に取付ける構成とすることができる(請求項4の発明)。これによれば、一次元用光学ユニットに角度変更用反射鏡を着脱することによって、反射光が入射する角度の相違する2つのタイプのものに対応させることができ、2タイプの装置に対し、同等の一次元用光学ユニットを使用することができる。
【0012】
また、前記二次元用光学ユニットを、装置本体に対する読取口の向きに応じて、取付部に対する取付方向の変更が可能な構成とすることができる(請求項5の発明)。これによれば、二次元用光学ユニットの取付方向の変更によって、反射光が入射する角度の相違する複数のタイプのものに対応させることができ、異なるタイプの装置に同等の二次元用光学ユニットを使用することが可能となる。
【0013】
さらには、光学ユニットに、読取口カバーを一体的に取付ける構成とすることも可能であり(請求項6の発明)、これにより、光学ユニット及び読取口カバーを装置本体に対して一体に取付けることができて取付作業がより容易となり、また読取口と光学ユニット(光学系)との間の位置関係を予め固定した状態で、装置本体に組付けることが可能となる。前記二次元用光学ユニットに、読取対象に対して位置合せ用のマーカ光を照射するマーカ用光源を組込むこともでき(請求項7の発明)、これにより、二次元コードを読取る際の読取対象に対する読取口の位置合せが容易となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をハンディタイプの情報コード読取装置に適用した一実施例について、図1ないし図13を参照しながら説明する。尚、本実施例における情報コード読取装置は、ハンディターミナルと称されるもので、情報コード(一次元コードたるバーコードや、QRコード等の二次元コード)の読取りだけでなく、読取ったコードデータの処理や記憶、さらには管理コンピュータ等の外部とのデータ通信の機能などをも備えている。
【0015】
また、本実施例では、情報コード読取装置として、ストレートタイプ(図1,図10参照)と首曲りタイプ(図2,図11参照)との2つのタイプのバーコードリーダ11,12、並びに、ストレートタイプ(図5,図12参照)と首曲りタイプ(図6,図13参照)の2つのタイプの二次元コードリーダ41,42の4種類について、そのほとんどの構成部品(装置本体)を共通化して製造する場合を例としている。
【0016】
まず、図10は、本実施例に係る情報コード読取装置たるストレートタイプのバーコードリーダ11の外観構成を概略的に示している。このバーコードリーダ11は、装置本体13に、図示しない読取対象に記録されたバーコードを撮像するための一次元用光学ユニット14を組付けると共に、一次元ストレート用読取口カバー15を取付けて構成される。このバーコードリーダ11は、先端側(図で左側)にストレート状の読取ヘッド11aを有している。
【0017】
前記装置本体13は、図9にも示すように、上ケース16aと下ケース16bとを接合させて構成される筐体主部16内に、後述するリニアセンサからの撮像データのデコード処理やシステム全体の制御等を行うマイコンを主体とした処理回路等を搭載したメイン基板17(図1等参照)などを配設して構成されている。このとき、メイン基板17(処理回路)は、バーコード読取りモード及び二次元コード(QRコード)読取りモードの双方の実行が可能なソフトウエア構成とされている。また、図1等にも示すように、前記メイン基板17の左端部には、後述の光学ユニットとの電気的接続用のコネクタ18が配設されている。
【0018】
前記筐体主部16は、使用者が片手で持って操作できる程度の、図で左右方向に細長い形状に構成され、その先端側の読取ヘッド11aを構成する部分が前方にやや幅広となると共に、図1及び図2にも示すように、その先端面部及び下面部が開口した形態に形成されている。
【0019】
また、この筐体主部16の上面部には、タッチパネルを有したLCD等の表示部19が設けられていると共に、テンキーやファンクションキー等からなるキー操作部20が設けられ、筐体主部16の側面部には、読取時にオン操作するトリガスイッチ21、外部と赤外線通信を行う赤外線通信部22、外部とケーブルにより接続されるRS232C用のインタフェース23が設けられている。この場合、前記表示部19のタッチパネル、キー操作部20、トリガスイッチ21が操作部として機能する。図示はしないが、筐体主部16内には、電源となる二次電池等も組込まれている。
【0020】
さらに、この筐体主部16(下ケース16b)には、図9等に示すように、その先端側の開口部内に位置して、後述する一次元用光学ユニット14が嵌込まれるユニット収容部16cが設けられている。そして、図1等に示すように、筐体主部16内の先端側の左右両端部分には、上ケース16aの天井壁部から下方に延びて、一次元用光学ユニット14がねじ止めにより取付けられる取付部たる取付ボス部16dが設けられている。
【0021】
前記一次元ストレート用読取口カバー15は、前記筐体主部16の開口部部分(先端面とそれに連続する下面)を塞ぐような蓋状をなし、この一次元ストレート用読取口カバー15が筐体主部16の開口部に取付けられることにより、図で左右方向にストレート状に延びる筐体が構成されるのである。また、このとき、一次元ストレート用読取口カバー15の先端側の面には、開口部が形成されていると共に、その開口部を塞ぐように透光性を有する防塵プレートが取付けられており、以て読取口(読取窓)24が形成されている。
【0022】
さて、前記一次元用光学ユニット14について、図3及び図4も参照して述べる。図1ないし図4に示すように、この一次元用光学ユニット14は、合成樹脂製のケース25に、一次元コードたるバーコードを読取るためのCCD撮像素子からなるリニアセンサ(一次元センサ)26、前記読取口24から入射した光(読取対象からの反射光)を前記リニアセンサ26に導くための光学機構(光学系)27、読取対象に対し前記読取口24を通して照明光を照射する照明用光源たる照明装置28を一体的に組付けて構成されている。
【0023】
前記ケース25は、側方から見てほぼL字状をなし、そのうち縦方向に延びる部位の上端部に、前記リニアセンサ26が下向きに取付けられていると共に、光学機構27を構成する部品が次のように取付けられている。即ち、図1及び図3に示すように、前記リニアセンサ26の下方には第1の反射鏡29が右斜め上を向いて設けられ、その第1の反射鏡29の図で右方には結像レンズ30が左右方向を向いて設けられ、さらにその結像レンズ30の右方には第2の反射鏡31が左斜め下向きに設けられ、その第2の反射鏡31の下方には第3の反射鏡32が左斜め上向きに設けられている。
【0024】
これにより、読取口24から右方に向けて入射した反射光が、第3の反射鏡32により上方に折曲げられ、次いで第2の反射鏡31により左方に折曲げられ、さらに結像レンズ30を通って第1の反射鏡29により上方に折曲げられてリニアセンサ26により受光されるという光路Lが形成される。これにて、第2及び第3の反射鏡31及び32によって、反射光の進行方向が180度転換されるようになっている。
【0025】
前記照明装置28は、図で左向きに設けられた例えば複数個のLED28aとその左側に設けられた照明用レンズ28bとからなり、この場合、図3に示すように、前記第3の反射鏡32の左右部位に各3個ずつのLED28aを有すると共に、それらに対応した一対の照明用レンズ28bを有して構成される。このとき、照明装置28の光軸が、光学機構27(第3の反射鏡32)に入射する反射光の光軸と平行となる(水平方向に重なる)ように組付けられている。
【0026】
また、図4にのみ示すように、前記ケース25の前部側(リニアセンサ26が組付けられる部分)の左右両側壁部の外面側には、前記筐体主部16の取付ボス部16dに対応して、ねじ挿通孔を有する取付筒部25b,25bが一体的に設けられている。
【0027】
さらに、前記ケース25の左下の角部部分には、角度変更用反射鏡たる第4の反射鏡33が着脱可能に取付けられるミラー取付部25aが設けられている。この第4の反射鏡33は、後述する首曲りタイプのバーコードリーダ12に用いられるもので、読取口から入射した反射光の角度を、該読取口の装置本体13に対する向きに応じて変更するために設けられるようになっている。
【0028】
この第4の反射鏡33は、照明装置28からの照明光をも折曲げるような幅広に構成され、その左右両端部に取付部材34を有しており、その取付部材34がミラー取付部25aにねじ止めされることにより、ケース25に右斜め下向きに取付けることができるようになっている、ミラー取付部25aに第4の反射鏡33が取付けられた状態では、図2に示すように、左斜め下方向から入射した反射光が、右方に折曲げられて第3の反射鏡32に至るような光路Lが構成されるようになっている。
【0029】
このように構成された一次元用光学ユニット14は、そのケース25が、前記ストレート用読取口カバー15が取外された状態の筐体主部16のユニット収容部16cに対して嵌込まれた上で、前記取付筒部25bを取付ボス部16dの下面に突合わせた状態で、下方からねじ止めされることにより、装置本体13に組付けられるようになっている。また、図示はしないが、これと共に、ケース25から導出されたリード線が、前記メイン基板17のコネクタ18に電気的に接続されるようになっている。そして、一次元ストレート用読取口カバー15が取付けられた状態では、上述のように、読取口24から入射した反射光が、光路Lを通るようになっている。
【0030】
これにて、このストレートタイプのバーコードリーダ11においては、その読取口24を、読取対象(伝票、ラベル、カタログ等)に記録されたバーコードに宛がうように近接させ、トリガスイッチ21をオン操作すると、照明装置28により読取対象に照明がなされ、その反射光が読取口36から一次元光学ユニット14(光学機構27)に入射され、図1に示すような光路Lを通ってリニアセンサ26による撮像がなされ、バーコードが読取られるのである。尚、このときには、キー操作部20の操作によりバーコード読取りモードとされている。
【0031】
これに対し、図11は、本実施例に係る情報コード読取装置たる首曲りタイプのバーコードリーダ12の外観構成を概略的に示している。このバーコードリーダ12は、上記した装置本体13に、同様の一次元用光学ユニット14を組付けると共に、一次元首曲り用読取口カバー35を取付けて構成される。このとき、図2にも示すように、一次元首曲り用読取口カバー35は、左斜め下方にやや突出するような形状をなし、もって読取ヘッド12aが首曲り状とされるようになっている。そして、一次元首曲り用読取口カバー35の下面部に開口部が形成されていると共に、その開口部を塞ぐように透光性を有する防塵プレートが取付けられており、以て斜め下方を向く読取口(読取窓)36が形成されている。
【0032】
そして、前記一次元用光学ユニット14においては、ケース25に、第4の反射鏡33が取付けられている。これにより、図2に示すように、前記読取口36から右斜め上方に向けて入射した反射光は、第4の反射鏡33により右方に折曲げられ、後は上記と同様に、第3の反射鏡32により上方に折曲げられ、次いで第2の反射鏡31により左方に折曲げられ、さらに結像レンズ30を通って第1の反射鏡29により上方に折曲げられてリニアセンサ26により受光されるという光路Lが形成されるのである。
【0033】
これにて、この首曲りタイプのバーコードリーダ12にあっても、その先端部の読取口36を、読取対象に記録されたバーコードに宛がうように近接させ、トリガスイッチ21をオン操作すると、照明装置28から発せられた照明光は、第4の反射鏡33により折曲げられて読取口36を通して読取対象に照射されるようになり、その反射光が読取口36から入射された後、第4の反射鏡33により折曲げられた上で、一次元光学ユニット14(光学機構27)に入射され、図2に示すような光路Lを通ってリニアセンサ26による撮像がなされ、バーコードが読取られるのである。
【0034】
このように、筐体主部16(装置本体13)に対して、その開口部に読取口カバー15,35を選択的に取付けることにより、ストレート状と首曲り状との2つのタイプの筐体を得ることができ、しかも、一次元光学ユニット14のケース25のミラー取付部25aに対する第4の反射鏡33の着脱により、装置本体13に対する反射光の入射角度の相違に対応することができ、もってタイプの異なる2つのバーコードリーダ11,12を得ることができる。
【0035】
このとき、読取口カバー15,35(及び第4の反射鏡33)を除いた装置本体13及び一次元光学ユニット14を共通化することができ、部品の大幅な共通化を図ることができるのである。また、リニアセンサ26及び光学機構27並びに照明装置28をケース25に組付け、一次元光学ユニット14としてユニット化したことにより、装置本体13に対する組付けを極めて簡単に行うことができることは勿論である。
【0036】
そして、光学機構(光学系)27を、第3の反射鏡32及び第2の反射鏡31によって反射光の光路LをいわばU字状に折返すように構成としたので、全体としての光路長が長くなる事情があっても、光学機構27(一次元光学ユニット14)全体としての長さ方向の寸法を小さくすることができ、ひいては装置全体の小形化を図ることができるものである。ちなみに、本実施例の光学機構27にあっては、図14に示した従来のものに比べて、長さ方向の寸法を約1/4とすることができた。
【0037】
次に、二次元コードリーダ41,42について述べる。図12は、本実施例に係る情報コード読取装置たるストレートタイプの二次元コードリーダ41の外観構成を概略的に示しており、この二次元コードリーダ41は、先端側(図で左側)の読取ヘッド41aがストレート状とされている。また、図13は、本実施例に係る情報コード読取装置たる首曲りタイプの二次元コードリーダ42の外観構成を概略的に示しており、この二次元コードリーダ42は、先端側の読取ヘッド42aが首曲り状とされている。
【0038】
前記ストレートタイプの二次元コードリーダ41は、図5にも示すように、上記と同様の装置本体13に、図示しない読取対象に記録された二次元コード(QRコード)を撮像するための二次元用光学ユニット43を組付けると共に、二次元ストレート用読取口カバー44を取付けて構成される。そして、前記首曲りタイプの二次元コードリーダ42は、図6にも示すように、やはり上記と同様の装置本体13に、同様の二次元用光学ユニット43を組付けると共に、二次元首曲り用読取口カバー45を取付けて構成される。
【0039】
このとき、前記二次元ストレート用読取口カバー44が筐体主部16の開口部を塞ぐように取付けられることにより、図で左右方向にストレート状に延びる筐体が構成され、図5に示すように、その先端側の面に、開口部及び防塵プレートから、読取口(読取窓)46が形成されるようになっている。また、前記二次元首曲り用読取口カバー45は、左斜め下方にやや突出するような形状をなし、図6に示すように、筐体主部16の開口部を塞ぐように取付けられることにより、首曲り状の読取ヘッド42aが構成され、その下面部の開口部及び防塵プレートから、斜め下方を向く読取口(読取窓)47が形成されるようになっている。
【0040】
さて、前記二次元用光学ユニット43は、図7及び図8にも示すように、前面(図5,図7で左側)が開口した矩形箱状をなすケース48内に、二次元センサたるエリアセンサ49及び光学系50、並びに照明光源たる多数個の照明用LED51、更には、読取対象に対して位置合せ用のマーカ光M(図7に光軸を示す)を照射するマーカ用光源たる3個のマーカ用LED52及びマーカ用レンズ53等を組付けて構成されている。
【0041】
このとき、図7に示すように、ケース48内の奥壁側部分に基板54が配設され、前記エリアセンサ49はこの基板54に実装されて設けられている。前記光学系50は、結像レンズ55及び鏡筒56からなり、前記エリアセンサ49の前部に設けられている。これにて、エリアセンサ49は二次元の視野V(図5参照)により撮像を行うようになっている。前記多数個の照明用LED51は、ケース48内の前部側(開口部側)に位置して、図8にも示すように、前記結像レンズ55の上下左右部位に並んで設けられている。
【0042】
また、図7に示すように、前記マーカ用LED52は、基板54の前記エリアセンサ49の上部に位置して、横方向に並んで3個が設けられている。そして、図8にも示すように、それらマーカ用LED52の前方に、前記結像レンズ55の上部に位置して前記マーカ用レンズ53が配設されている。これにて、マーカ用LED52及びマーカ用レンズ53により、読取対象には、横方向に並んだ3個のスポット状のマーカ光Mが照射されるようになっているのである。さらに、図5等に示すように、前記基板54の裏面側には、外部との電気的接続用のコネクタ57が設けられ、その先端部がケース48の背面から突出している。
【0043】
そして、図7に示すように、前記ケース48の左右両側壁の外壁部には、この二次元用光学ユニット43を前記筐体主部16の取付ボス部16dに対してねじ止めにより取付けるための取付筒部48aが設けられている。この取付筒部48aは、ねじ挿通孔を有する円筒状をなし、この場合、図7に示すように、ストレートタイプの二次元コードリーダ41に組込まれる二次元用光学ユニット43については、図5の状態に対して上下方向を指向するように設けられている。
【0044】
このように構成された二次元用光学ユニット43は、装置本体13(筐体主部16)のユニット収容部16cに嵌込まれ、前記取付筒部48aを取付ボス部16dの下面に突合わせた状態で、下方からねじ止めされることにより、図12にも示すように、装置本体13内に、そのケース48の開口部が先端面側(図で左側)を向く状態に取付けられる。また、この状態で、メイン基板17のコネクタ18と、二次元用光学ユニット43のコネクタ57との間が図示しないリード線(ハーネス)により接続される。そして、その後、前記二次元ストレート用読取口カバー44が取付けられることにより、ストレートタイプの二次元コードリーダ41が構成され、このとき、二次元用光学ユニット43の前部に読取口46が位置されるのである。
【0045】
これにて、このストレートタイプの二次元コードリーダ41によりQRコード等の二次元コードを読取るにあたっては、まず、その読取口46を二次元コードが記録された読取対象に近接させるのであるが、このとき、二次元用光学ユニット43からは3点のマーカ光Mが照射され、例えば中心のマーカ光Mが二次元コードの中心に照射されるように位置合せを行う。そして、その状態で、トリガスイッチ21をオン操作することにより、マーカ光Mが消灯されると共に照明用LED51により読取対象に照明がなされ、その反射光が読取口46から入射され、光学系50を介してエリアセンサ49により撮像され、二次元コードが読取られるのである。尚、このときには、キー操作部20の操作により二次元コード読取りモードとされる。
【0046】
これに対し、図6に示す首曲りタイプの二次元コードリーダ42に組込まれる二次元用光学ユニット43については、ケース48の内部構造は全く同等であるものの、詳しく図示はしないが、ケース48の左右両側壁の外壁部に設けられる取付筒部48aの指向方向が、図6の状態に対して上下方向を指向するように斜め方向とされている。
【0047】
この二次元用光学ユニット43は、装置本体13(筐体主部16)のユニット収容部16cに嵌込まれ、前記取付筒部48aを取付ボス部16dの下端面に突合わせた状態で、下方からねじ止めされることにより、図13にも示すように、装置本体13内に、そのケース48の開口部が図で左下方を向く状態に取付けられる。またこの状態で、前記コネクタ18,57間が図示しないリード線(ハーネス)により接続される。そして、前記二次元首曲り用読取口カバー45が取付けられることにより、首曲りタイプの二次元コードリーダ42が構成され、このとき、二次元用光学ユニット43の開口部の前部に読取口47が位置されるのである。
【0048】
これにて、この首曲りタイプの二次元コードリーダ42にあっても、その読取口47を二次元コードが記録された読取対象に近接させ、マーカ光Mを利用して位置合せを行った状態で、トリガスイッチ21をオン操作すると、読取対象に照明がなされてその反射光が読取口47から入射され、光学系50を介してエリアセンサ49により撮像され、二次元コードが読取られるようになるのである。
【0049】
このように、筐体主部16(装置本体13)に対して、その開口部に読取口カバー44,45を選択的に取付けることにより、ストレート状と首曲り状との2つのタイプの筐体を得ることができ、しかも、取付ボス部16dに対する二次元光学ユニット43の取付方向の変更により、装置本体13に対する反射光の入射角度の相違に対応することができ、もってタイプの異なる2つの二次元コードリーダ41,42を得ることができるのである。
【0050】
このとき、読取口カバー44,45(及び二次元光学ユニット43のケース48の取付筒部48a)を除いた装置本体13及び二次元光学ユニット43を共通化することができ、部品の大幅な共通化を図ることができるのである。また、エリアセンサ49及び光学系50並びに照明用LED51さらにはマーカ用LED52等をケース48に組付け、二次元光学ユニット43としてユニット化したことにより、装置本体13に対する組付けを極めて簡単に行うことができることは勿論である。
【0051】
そして、以上述べたように、本実施例では、装置本体13に一次元用光学ユニット14を取付けると共に、筐体主部16にそれに対応した読取口カバー15,35を取付けることにより、バーコードリーダ11,12を構成することができ、同等の装置本体13に二次元用光学ユニット43を取付けると共に、筐体主部16にそれに対応した読取口カバー44,45を取付けることにより、二次元コードリーダ41,42を構成することができる。つまり、一次元コード用のもの及び二次元コード用のものの双方についても、光学ユニットと読取口カバーとを除く大部分を共通化することが可能となったのである。
【0052】
従って、従来のような、一次元コード用のものと二次元コード用のもの、更にはストレートタイプのものと首曲りタイプのものについて、夫々が全く別物として製作されていた場合と異なり、1種類の装置本体13を、ストレートタイプのバーコードリーダ11、首曲りタイプのバーコードリーダ12、ストレートタイプの二次元コードリーダ41、首曲りタイプの二次元コードリーダ42、の4種類の情報コード読取装置に共用することができて部品の共通化を効果的に図ることができ、ひいては開発コストや製造コストの大幅なコストダウンを図ることができるという優れた効果を得ることができるものである。
【0053】
また、この場合、上述のように、一次元用光学ユニット14にあって、その光学機構27を反射光の光路をいわばU字状に折返すように構成したので、一次元センサにおける光学系が、二次元センサにおける光学系50に比べて焦点距離が2〜3倍となって光路が長くなるといった事情があっても、一次元用光学ユニット14をコンパクトに構成することができた。これにより、装置本体13内の光学ユニット14,43を配設するスペースを小さく済ませることができ、この結果、装置本体13(筐体主部16)の大形化を招くことなくその共通化を実現できたのである。
【0054】
尚、上記実施例では、二次元用光学ユニット43について、ストレートタイプと首曲りタイプとの間で、ケース48の取付筒部48aを設ける向きを変更するようにしたが、予めケース48に例えば2方向にねじ挿通孔を有する取付筒部を設ければ、タイプにより取付筒部48aを設ける向きを変更する必要がなくなり、より効果的となる。
【0055】
そして、上記実施例では、4種類の情報コード読取装置11,12,41,42に関して夫々別途の読取口カバー15,35,44,45を取付ける構成としたが、ストレート用の読取口カバーを1種類のもので共用する、あるいは、首曲り用の読取口カバーを1種類のもので共用する構成とすることも可能であり、これにより、より一層の部品の共通化を図ることができるようになる。
【0056】
また、光学ユニットに、読取口カバーを一体的に取付ける構成とすることも可能であり、これにより、光学ユニット及び読取口カバーを装置本体に対して一体に取付けることができて取付作業がより容易となり、また読取口と光学ユニット(光学系)との間の位置関係を予め固定した状態で、装置本体に組付けることが可能となる。
【0057】
さらに、上記実施例の情報コード読取装置11,12,41,42は、センサ26,49による撮像データを処理する処理回路も含んだいわゆるハンディターミナルとして構成したが、本発明の情報コード読取装置としては、ホストコンピュータに接続されるハンディタイプのもの、つまり情報コードの撮像だけを行ってデータ処理等をホストコンピュータ側で行うタイプのものに適用しても良く、あるいは、据付け固定されるタイプのものにも適用することも可能である。
【0058】
その他、一次元用光学ユニット14の光学機構27において第1の反射鏡29を省略する構成とすることもでき、また、二次元用光学ユニット43においては、必ずしもマーカ用光源(マーカ用LED52及びマーカ用レンズ53)を設ける必要はなく、あるいは、一次元用光学ユニット14にマーカ用光源を一体に組込むこともできる等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、ストレートタイプのバーコードリーダの先端部分を示す概略的縦断面図
【図2】首曲りタイプのバーコードリーダの先端部分を示す概略的縦断面図
【図3】一次元光学ユニットの構成を概略的に示す図
【図4】一次元光学ユニットの概略的底面図
【図5】ストレートタイプの二次元コードリーダの先端部分を示す概略的縦断面図
【図6】首曲りタイプの二次元コードリーダの先端部分を示す概略的縦断面図
【図7】二次元用光学ユニットの横断平面図
【図8】二次元用光学ユニットの正面図
【図9】装置本体を示す側面図
【図10】ストレートタイプのバーコードリーダの側面図
【図11】首曲りタイプのバーコードリーダの側面図
【図12】ストレートタイプの二次元コードリーダの側面図
【図13】首曲りタイプの二次元コードリーダの側面図
【図14】従来例を示すもので、バーコードリーダの基本的構成を示す図
【符号の説明】
図面中、11,12はバーコードリーダ(情報コード読取装置)、11a,12aは読取ヘッド、13は装置本体、14は一次元用光学ユニット、15は一次元ストレート用読取口カバー、16は筐体主部、16dは取付ボス部(取付部)、17はメイン基板、20はキー操作部、21はトリガスイッチ、24,36,46,47は読取口、25はケース、25aはミラー取付部、25bは取付筒部、26はリニアセンサ(一次元センサ)、27は光学機構(光学系)、28は照明装置(照明用光源)、30は結像レンズ、31は第2の反射鏡、32は第3の反射鏡、33は第4の反射鏡(角度変更用反射鏡)、35は一次元首曲り用読取口カバー、41,42は二次元コードリーダ(情報コード読取装置)、41a,42aは読取ヘッド、43は二次元用光学ユニット、44は二次元ストレート用読取口カバー、45は二次元首曲り用読取口カバー、48はケース、48aは取付筒部、49はエリアセンサ(二次元センサ)、50は光学系、51は照明用LED(照明用光源)、52はマーカ用LED(マーカ用光源)、55は結像レンズ、Lは光路、Mはマーカ光を示す。

Claims (7)

  1. 情報コードが記録された読取対象に照明光を照射し、その反射光を読取ヘッドの読取口から入射して光学ユニットにより読取るようにした情報コード読取装置であって、
    前記読取ヘッド側に開口部を有する筐体主部に操作部等を組付けてなる装置本体と、
    この装置本体に設けられ前記光学ユニットが取付けられる取付部と、
    前記筐体主部の開口部を塞ぐように取付けられ前記読取口を構成する読取口カバーとを備えると共に、
    前記取付部には、ケース内に一次元センサ及び光学系並びに照明用光源を組付けてなり一次元コードを読取るための一次元用光学ユニットと、ケース内に二次元センサ及び光学系並びに照明用光源を組付けてなり二次元コードを読取るための二次元用光学ユニットとが選択的に取付けられることを特徴とする情報コード読取装置。
  2. 前記一次元用光学ユニットの光学系は、光路を折返す複数個の反射鏡を有し、それら複数個の反射鏡により前記読取口から入射した反射光の進行方向を180度転換させた後に前記一次元センサにより受光させるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の情報コード読取装置。
  3. 前記筐体主部の開口部部分には、ストレート状の読取ヘッドを構成するストレート用読取口カバーと、折曲り状の読取ヘッドを構成する首曲り用読取口カバーとが選択的に取付けられることを特徴とする請求項1又は2記載の情報コード読取装置。
  4. 前記一次元用光学ユニットの光学系においては、前記装置本体に対する読取口の向きに応じて、入射した反射光の角度を変更する角度変更用反射鏡が着脱自在に取付けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の情報コード読取装置。
  5. 前記二次元用光学ユニットは、前記装置本体に対する読取口の向きに応じて、前記取付部に対する取付方向の変更が可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の情報コード読取装置。
  6. 前記光学ユニットには前記読取口カバーが一体的に取付けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の情報コード読取装置。
  7. 前記二次元用光学ユニットには、前記読取対象に対して位置合せ用のマーカ光を照射するマーカ用光源が組込まれることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の情報コード読取装置。
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