以下、本発明の実施の形態の複合型コード読取装置について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る複合型コード読取装置の主要部の断面図であり、図2は、複合型コード読取装置の全体構成を示す分解斜視図である。
図2に示すように、複合型コード読取装置10は、全体としては、操作者が握るのに適した形状を有する。複合型コード読取装置10は、上ケース12および下ケース14を有し、これら上ケース12および下ケース14により筐体が構成されている。
下ケース14の外側には、電池16が取り付けられている。そして、電池16を覆うように、下ケース14に電池カバー18が取り付けられている。電池カバー18は、グリップの下半部として機能する。
また、下ケース14の前方部分にはコード読取窓20が設けられている。ここで、本実施の形態において、前方とは、コード読取窓20に近い側を指し、後方とはグリップ部分の側を指す。
コード読取窓20は略四角形の開口であり、フィルタ22が嵌め込まれている。フィルタ22はプラスチック製の透明な板である。コードを読み取るときは、コード読取窓20がコードに近づけられる。
上ケース12と下ケース14の間には、メイン基板30が組み込まれている。メイン基板30は、複合型コード読取装置10の全体を制御しており、また操作者の操作を受け付ける。さらに、メイン基板30は、複合型コード読取装置10が接続される機器との通信も行う。
上ケース12と下ケース14の間には、さらに、1次元コード読取器32および2次元コード読取器34が組み込まれている。1次元コード読取器32および2次元コード読取器34は読取器シャーシ36に取り付けられており、読取器シャーシ36がメイン基板30に装着されている。読取器シャーシ36には、さらに、レーザミラー38が取り付けられている。
1次元コード読取器32は、バーコード(以下、1次元コードという)を読み取る装置である。1次元コード読取器32は直方体のケーシングを備えている。図示されないが、ケーシングに基板が備えられ、基板にレーザ源が搭載されている。ケーシングは、さらに、レーザを発射する窓と、レーザをスキャンするためのミラーとを内蔵している。そして、1次元コード読取器32は、レーザ光を発射して、バーコードからの反射光を受光し、コードの白黒を検出する。1次元コード読取器32は、ねじ40で読取器シャーシ36に固定され、かつ、ケーブル42でメイン基板30と接続されている。
一方、2次元コード読取器34は、2次元コードを読み取る装置であり、カメラの機能を有する。2次元コード読取器34はカメラ基板44を有し、カメラ基板44に筒状のレンズ保持体46が取り付けられ、レンズ保持体46にレンズ48が保持されている。また、レンズ48の下方に位置するように、撮像素子がカメラ基板44に搭載されており、これによりカメラが構成されている。また、カメラ基板44は、レンズ48の周囲に4つのLED50を備えている。LED50は、撮影対象のコードを照明する機能をもつ。LED50が点灯された状態で、2次元コードの像がレンズ48によって撮像素子上に結像され、撮像素子が2次元コードの画像信号を生成する。2次元コード読取器34は、ねじ52によって読取器シャーシ36に固定され、かつ、ケーブル54でメイン基板30と接続されている。
図1は、複合型コード読取装置10の前方部分の断面図である。図示のように、コード読取窓20は、筐体の長手方向に対して斜め方向を向けて設けられている。フィルタ22は、コード読取窓20を覆っており、筐体内へのほこり等の進入を防いでいる。
図1に示されるように、2次元コード読取器34は、筐体の先端部であって、コード読取窓20に臨む位置に配置されている。すなわち、2次元コード読取器34のレンズ48が、フィルタ22の近傍に、フィルタ22を通して外を向くように配置されている。これにより、2次元コード読取器34は、2次元コードがコード読取窓20に近づけられたときに、フィルタ22を通して2次元コードを撮影する。
一方、1次元コード読取器32は、コード読取窓20を臨む位置には配置されていない。1次元コード読取器32は、筐体内で、コード読取窓20よりも後方に配置されている。そして、1次元コード読取器32は、レーザを前方のレーザミラー38へ向けて発射するような向きに配置されている。
レーザミラー38は、1次元コード読取器32と2次元コード読取器34の間に、すなわち、1次元コード読取器32の前方であって、2次元コード読取器34のすぐ後側に配置されている。レーザミラー38は、1次元コード読取器32が発したレーザがレーザミラー38で曲がってコード読取窓34の隣を通り、コード読取窓20に至る屈曲経路を提供するように配置されている。
より詳細には、レーザミラー38は、2次元コード読取器34の後側に隣接しており、2次元コード読取器34と共にコード読取窓20を臨むように配置されている。レーザミラー38は、コード読取窓20に対して傾けて配置されている。これにより、1次元コード読取器32から発したレーザ光は、レーザミラー38で曲がり、2次元コード読取器34の後側の隣を通り、コード読取窓20を通り抜ける。また、1次元コードからの反射光は、コード読取窓20を通り、2次元コード読取器34の後側を通り、レーザミラー38で曲がり、1次元コード読取器32に至る。このような屈曲経路が得られるように、レーザミラー38および1次元コード読取器32が配置され、特に、レーザミラー38の位置および角度が設定されている。
さらに、レーザミラー38および1次元コード読取部32は、レーザ光がフィルタ22に直角に入射しないように配置されている。フィルタ22での反射光による読取能力の低下を防ぐためである。
また、レーザミラー38の反射面に沿った方向の延長線は、2次元コード読取器34のレンズ保持体46の外周面の略中央に突き当たっている。このような配置により、レーザミラー38の前方への移動、すなわち、2次元コード読取器34に向かう方向の移動が制限されている。
また、既に説明したように、1次元コード読取器32、2次元コード読取器34およびレーザミラー38は、読取器シャーシ36に取り付けられている。そして、読取器シャーシ36が、上記のような各構成の配置を実現する形状および構成を備えている。
図3〜図7は、読取器シャーシ36の構成を、1次元コード読取器32、2次元コード読取器34およびレーザミラー38と共に示している。図3、図4は分解斜視図であり、図5は組立状態の平面図であり、図6、図7は図5の断面図である。
図3〜図7に示すように、読取器シャーシ36は樹脂製であり、全体としては、後方半部60と前方半部80とで構成されている。前述したように、前方とは、コード読取窓20に近い側を指し、後方とはグリップ部分の側を指す。後方半部60には、1次元コード読取器32が取り付けられている。一方、前方半部80には、2次元コード読取器34とレーザミラー38が取り付けられている。
読取器シャーシ36の後方半部60は、1次元コード読取器32を取り付けるためのレーザ取付ベース部62を有する。レーザ取付ベース部62は、箱形の形状を有し、底板64、側壁66および前部壁68で構成される。1次元コード読取器32は、レーザ取付ベース部62に収容され、底板64に2本のねじ40で固定される。また、1次元コード読取器32は、前部壁68に突き当てられており、これにより1次元コード読取器32が前後方向に位置決めされる。また、前部壁68には、レーザミラー38へレーザを照射するための開口70が設けられている。
次に、前方部分80について説明すると、図3および図4に示すように、前方半部80はカメラ取付ベース部82を有している。カメラ取付ベース部82にカメラ基板44の縁部が支持されており、そして、カメラ基板44は2箇所の締付ボス84に2本のねじ52で固定されている。カメラ基板44は、コード読取窓20から見るとカメラ取付ベース部82の背後に取り付けられている。
カメラ取付ベース部82には、レンズ用の開口86およびLED用の開口88が設けられている。開口86、88は貫通穴であり、レンズ48が開口86に挿入され、また、LED50が開口88に挿入されており、これにより、レンズ48およびLED50はコード読取窓20を向いて配置されている。
図3および図4に示すように、読取器シャーシ36の前方半部80は、さらに、ミラー取付ベース部90を有する。ミラー取付ベース部90は、2次元コード読取器34の後側に隣接してレーザミラー38を保持するように設けられている。ミラー取付ベース部90は、レーザミラー38の背後の背板部92と、レーザミラー38の両側の側壁94とで構成される。
図6および図7に示すように、側壁94にはミラー配置基準部96が設けられている。ミラー配置基準部96は、3角形の突起であり、レーザミラー38の反射面と当接し、面で接触している。この面接触により、レーザミラー38の反射面の位置(反射面に垂直な方向の位置)および角度が同時に規定されている。
また、図4および図6に示すように、背板部92には、レーザミラー38の前端部を押圧するように、弾性変形部100が設けられている。弾性変形部100は、両側にスリット102を有する片持ちの板状部分であり、弾性的に撓み変形可能である。弾性変形部100は、背板部92に対して斜めに配置されており、レーザミラー38側に反っている。これにより、弾性変形部100は、レーザミラー38の背面に当接し、撓み変形し、この変形に伴う弾性力でもってレーザミラー38を押圧している。
また、図5および図6に示すように、背板部92は、もう一つの弾性変形部104を備えている。弾性変形部104は、幅が異なるものの、弾性変形部100と同様の構成を有している。ただし、弾性変形部104は、弾性変形部100と反対向きに設けられており、これにより、レーザミラー38の後端部を背後から押圧するように設けられている。
すなわち、弾性変形部104は、両側にスリット106を有する片持ちの板状部分であり、弾性的に撓み変形可能である。弾性変形部104は、背板部92に対して斜めに配置されており、レーザミラー38側に反っている。これにより、弾性変形部104は、レーザミラー38の背面に当接し、撓み変形し、この変形に伴う弾性力でもってレーザミラー38を押圧している。
上記の弾性変形部100、104により、レーザミラー38の前後の両端が背後から押圧され、これによりレーザミラー38はミラー配置基準部96に当接し、位置決めされる。両端を押圧することで、一端のみを押圧した場合のような位置誤差が回避され、位置決め精度を向上できる。また、ミラー配置基準部96を反射面に付き当てて、反射面側を位置決めしているので、ミラー肉厚誤差の影響を回避でき、この点でも位置精度を高くできている。
なお、図6では、弾性変形部100、104の形状が分かりやすいように、レーザミラー38に当たって変形する前の弾性変形部100、104の形状が示されている。そのため、図6上では、弾性変形部100、104がレーザミラー38と重なっている。実際には、弾性変形部100、104が弾性変形するので、当然ながらレーザミラー38とは重ならない。
また、前者の弾性変形部100の端部には、レーザミラー38の端部に係合する係合爪108が設けられている。係合爪108は、2次元コード読取器34のレンズ48を避けるように、レンズ48の両側に配置されている。レーザミラー38は、係合爪108と後方部分60の前部壁68とによって前後方向の動きを制限されている。
また、弾性変形部100の端部は、2次元コード読取器34のレンズ保持体46によって背後から支持されており、これによりレンズ保持体46は、レーザミラー38の移動を制限している。このような構成により、レーザミラー38の脱落が防止され、また、レーザミラー38がより確実に保持されている。
次に、本実施の形態に係る複合型コード読取装置10の組立順序の一例を説明する。まず、読取器シャーシ36に、1次元コード読取器32、2次元コード読取器34およびレーザミラー38が組み付けられる。レーザミラー38は、読取器シャーシ36のミラー取付ベース部90の背板部92に沿って前方から挿入され、レーザミラー38の端部に弾性変形部100の係合爪108が係合する。レーザミラー38は、背後から弾性変形部100、104に押圧され、これにより、レーザミラー38の反射面がミラー配置基準部96に当接し、位置決めされる。
2次元コード読取器34は、レーザミラー38の組付けの後に読取器シャーシ36に組み付けられる。レンズ48およびLED50がそれぞれカメラ取付ベース部82の開口86、88に挿入され、カメラ基板44がねじ52で固定される。また、2次元コード読取器34には予めケーブル54が取り付けられている。
1次元コード読取器32は、読取器シャーシ36の後方部分60にて、箱形のレーザ取付ベース部62に収容され、ねじ40で固定される。このとき、1次元コード読取器32は前部壁68に突き当てられ、これにより1次元コード読取器32が前後方向に位置決めされ、1次元コード読取器32とレーザミラー38の位置および角度の関係も決まる。1次元コード読取器32にも予めケーブル42が取り付けられている。
読取器シャーシ36は上記の組立が行われた状態で、メイン基板30に装着される。1次元コード読取器32のケーブル42および2次元コード読取器34のケーブル54がメイン基板30のコネクタに接続される。そして、メイン基板30が、上ケース12と下ケース14の間に組み込まれる。上ケース12のコード読取窓20には予めフィルタ22が取り付けられている。下ケース14には、さらに、電池16および電池カバー18が取り付けられる。
次に、本実施の形態の複合型コード読取装置10の動作を説明する。コードを読み取るときは、複合型コード読取装置10のグリップ部分が操作者に握られ、そして、コード読取窓20が、読取対象のコードに近づけられる。
これまでの説明から明らかなように、1次元コード読取器32は、1次元コードを読み取る。この場合、1次元コード読取器32からレーザ光が発射される。レーザ光は、レーザミラー38で反射し、フィルタ22を通り抜け、読取対象の1次元コードで反射する。1次元コードからの反射光は、フィルタ22を通り抜け、レーザミラー38で反射し、1次元コード読取器32に受光される。レーザ光は左右にスキャンさせる。そして、白色部分と黒色部分の反射光の相違に基づき、1次元コードが読み取られる。
一方、2次元コード読取器34は、2次元コードを読み取る。この場合、LED50が点灯され、読取対象の2次元コードが照明される。そして、2次元コード読取器34が2次元コードを撮影する。撮像素子から撮影画像が出力され、そして、撮影画像に対して画像処理が行われ、2次元コードの内容が求められる。
1次元コードと2次元コードのどちらを読み取るかは、操作者のスイッチ操作に応じて切り替えられてよい。すなわち、操作者により、1次元コードを読み取るモード設定操作がなされると、1次元コード読取器32が機能する。同様に、操作者により、2次元コードを読み取るモード設定操作がなされると、2次元コード読取器34が機能する。
次に、図8は、1次元コード読取器32のレーザ照射方向LDと2次元コード読取器34の撮影方向PDとの好ましい関係を示している。レーザ照射方向LDは、1次元コード読取器32から発してレーザミラー38で反射するレーザの進行方向である。一方、撮影方向PDは、レンズ48の光軸方向である。
図示のように、本実施の形態では、撮影方向PDとレーザ照射方向LDが、コード読取窓22から所定の距離Xで交差しており、このような関係が得られるように、1次元コード読取器32、2次元コード読取器34およびレーザミラー38が配置されている。そして、距離Xは、下記のように設定されている。
距離Xについて説明するために、まず、操作者が複合型コード読取装置10を1次元コードに近づけるときの操作を説明する。レーザ光は、1次元コードの読取りだけでなく、案内用のレーザとしても機能しており、操作者が複合型コード読取装置10をコードに近づけるときの照準合せに用いられる。複合型コード読取装置10を近づける段階では、レーザはスキャン範囲の中央に向けて照射され、スキャンはされない。操作者は、複合型コード読取装置10を読取対象のコードに近づけ、レーザ光がコードの略中央に照射されるように複合型コード読取装置10を配置し、これにより目標設定が行われる。そして、操作者は、複合型コード読取装置10にコードを読み取らせる。レーザがスキャンされ、1次元コードが読み取られる。
そして、図8の距離Xは、レーザ光が1次元コードの読取りだけでなく2次元コードの読取りのときにも照準合せに利用可能になるように、レーザを使って照準合せを行うときのコード読取窓20と読取対象のコードの標準的な距離と一致するように設定されている。
すなわち、2次元コードを読み取るときも、1次元コード読取器32が、レーザをスキャン範囲の中央に照射する。このとき、レーザはスキャンされない。操作者は、距離Xの付近で、レーザ光が2次元コードの略中央に照射されるように、複合型コード読取装置10を配置し、コードを読み取らせる。レーザが消灯され、代わりにLED50が点灯され、そして、2次元コードが読み取られる。
このようにして、本実施の形態では、レーザ照射方向LDと撮影方向PDとの適切な設定により、1次元コード読取器32のレーザ光を、1次元コードおよび2次元コードの読取操作のときの照準合せの基準になる案内用レーザとして利用できる。
なお、上記の距離Xは、読み取るバーコードの大きさや、2次元コード読取器の仕様によっても異なるが、カメラの焦点が最も合った物体距離と同じにすることが好ましい。本実施の形態では、窓からの物体距離85mmにカメラの焦点を設定しており、距離Xは85mmである。
以上、本発明の好適な実施の形態を説明した。上記のように、本実施の形態の複合型コード読取装置10は、1次元コード読取器32と2次元コード読取器34を備え、さらに、1次元コード読取器32がレーザミラー38で反射する屈曲経路を通してコード読取窓20から1次元コードを読み取るようにレーザミラー38と1次元コード読取器32を配置している。
このようなレーザミラー38を備えた構成により、1次元コード読取器32をコード読取窓20から遠ざけられている。これにより、1次元コード読取器32と2次元コード読取器34の両方を設けても、筐体のコード読取窓部分の大型化を回避でき、筐体全体の大型化も回避できる。図の例では、コード読取窓20より後方部分の筐体内部空間に1次元コード読取器32が位置しており、筐体の長さや厚みを増やすこともなく、1次元コード読取器32をコード読取窓20から遠ざけて、コード読取窓20の部分を小型にできている。
また、1次元コード読取器をコード読取窓から遠ざけられるので、レーザ反射光による読取能力の低下も回避できる。この点に関し、2次元コード読取器34は、原理的にカメラであるので、コード読取窓20の近傍に配置されることが望ましい。しかし、2次元コード読取器34の配置に従って、1次元コード読取器32も配置してしまうと、1次元コード読取器32がコード読取窓20のフィルタ22に接近してしまう。この場合、フィルタ22の反射光が1次元コード読取器32の動作に影響し、読取能力が低下してしまう可能性がある。
これに対して、本実施の形態では、レーザミラー38を備えた構成により、フィルタ22から1次元コード読取器32が遠くに配置される。これにより、フィルタ22の反射光の影響を低減でき、1次元コード読取器32の読取能力を好適に確保できる。
より詳細には、本実施の形態では、フィルタ22の反射光の影響を避けるために、既に説明したように、レーザに直角な方向に対してフィルタ22が少し傾いており、フィルタ22の反射光が1次元コード読取器32へ向かわないようにしている。しかし、この傾きがあったとしても、1次元コード読取器38がフィルタ22に近ければ、反射光の影響が出てしまう。これに対して、本実施の形態では、レーザミラー38が備えられ、1次元コード読取器32がフィルタ22から遠ざかっているので、フィルタ22の反射光の影響を好適に低減できている。
さらに、上記のフィルタ22について言及すると、フィルタ22の反射の影響を回避するためには、フィルタ22を遠くに配置することも考えられる。しかし、この場合、筐体が大型化する。図の例では、筐体が厚み方向に大型化することになる。この観点でも、本実施の形態の複合型コード読取装置10は、フィルタ22を遠くに配置することを不要とし、これにより小型化を可能にしている。
さらにまた、本実施の形態は、レーザミラー38を備えた構成を有しているので、フィルタ22からの反射光がレーザミラー38で減衰する。この点からも、フィルタ22の反射光の影響が低減し、したがって、1次元コードの読取能力を好適に確保できる。
さらにまた別の観点では、1次元コード読取器32は、スキャン範囲の大きさを確保するために、1次元コードからある程度離して配置されることが要求される。これに対して、2次元コード読取器34はカメラであり、コードに対して近接することが望まれる。このような観点からは、1次元コード読取器32は、2次元コード読取器34の隣であっても、コード読取窓20から遠くに配置することが望まれる。しかし、この配置は筐体を大型化する。図の例では、筐体が厚み方向に大型化することになる。これに対して、本実施の形態は、レーザミラー38を設け、1次元コードの読取のための経路を屈曲させており、これにより、筐体の厚みを増やさずとも、1次元コード読取器32の十分なスキャン幅を確保している。この点からも、筐体の大型化を回避しつつ、読取能力を確保できている。
以上のようにして、本実施の形態の複合型コード読取装置10は、筐体を小型に構成でき、かつ、読取能力を好適に確保できている。
また、上記の実施の形態によれば、2次元コード読取器34が、コード読取窓20を臨む位置に配置され、レーザミラー38が、2次元コード読取器34に隣でコード読取窓20を臨み、隣接する2次元コード読取器34によって移動が制限される位置に配置されている。この構成により、コード読取窓20を臨む場所にて2次元コード読取器34の隣に1次元コード読取器32でなくレーザミラー38を配置したことで、コード読取窓22の部分を小型に構成できる。しかも、2次元コード読取器34を利用してレーザミラー38の移動を制限することで、所定配置へのレーザミラー38の保持をより確実にでき、読取能力の確保に寄与できる。したがって、筐体を小型に構成でき、且つ、読取能力を好適に確保できる。
また、上記の実施の形態によれば、1次元コード読取器32およびレーザミラー38が読取器シャーシ36に取り付けられ、上記のミラー配置基準部96と弾性変形部100、104でもってレーザミラー38を位置決めしているので、レーザミラー38の反射面の位置精度を向上し、1次元コードの読取精度を向上できる。
この点に関し、本発明は、その特徴として、ミラーを使って1次元コードを読み取るように構成している。この構成の採用は、コード読取窓を縮小でき、筐体を小型に構成できる点では有利であるが、その反面、ミラーに関する誤差が読取精度に影響を与えることになる。さらに、コード読取窓が小さくなると、ミラーに関する誤差が読取能力に大きな影響を及ぼす。例えば、ミラーの誤差が大きいとレーザがコード読取窓の適当な位置に到達しなくなる。これに対して、本発明は、上記のような読取器シャーシを設け、ミラー配置基準部と弾性変形部でもってミラーの反射面を位置決めすることで、本発明の利点を得つつ、読取能力を好適に確保することができる。位置決め対象を反射面としたことで、ミラーの厚さ等の誤差の影響を避けられ、この点でも読取能力確保にとって有利である。
さらに、本実施の形態によれば、図8を用いて説明したように、レーザ照射方向LDと撮影方向PDとが、レーザが照準合せに使われるときのコード読取窓22からの読取対象コード、特に2次元コードの標準的距離Xの地点で交差するように、1次元コード読取器32、2次元コード読取器34およびレーザミラー38が配置され、これにより、1次元コード読取器32のレーザ光を、1次元コードおよび2次元コードの読取の照準合せに利用できる。簡略な構成にて、両コードのための照準合せが可能になる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。