JP4206526B2 - 搬送システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、病院などの施設の防火区画壁の通過口を通して各区域に連続する複数のレールと防火区画壁の通過口を開閉する防火ダンパを設置してなり、各レール上を走行して各区域間で被搬送物を搬送する搬送キャリアを有してなる搬送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
病院などの施設では、被搬送物(カルテ、X線写真など)を天井裏などに施工される搬送システムにて搬送することが行なわれている。この搬送システムとしては、図3に示す様に、施設の天井裏などを複数の防火区域Bに区画する防火区画壁21の通過口22を防火扉23で開閉する防火ダンパ24を防火区画壁21に設置し、又防火扉23を間に位置させて通過口22を通して一方の防火区域Bに連続する複数のレール25と、防火扉23から他方の防火区域Bに連続する複数のレール25を設置してなる。そして、各レール25上でガイドローラ26を介して走行する搬送キャリア27によって、各防火区域Bを通してステーション間で被搬送物を搬送するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図3の搬送システムは、防火ダンパ24と各レール25を別々に製作し、これらを病院などの施設(施工現場)に別々に防火区画壁21や天井裏へ設置しているので、防火扉23を開閉するためのレール25間の隙間tを調整して設置することに手間と時間がかかっていた。
【0004】
また、防火ダンパ24や各レール25を別々に製作し、別々に施工するものでは、防火扉23を開閉させるレール25間の隙間tを管理することが困難となる。従って、各レール25間の隙間tが狭すぎると、防火扉23の開閉に際してレール25に接触して異音発生の原因となり、又隙間tが広すぎると走行する搬送キャリア27のガイドローラ26がレール25間を介して乗り移る際に振動による騒音発生の原因となる。この様な騒音の発生は、静かな環境が要求される病院などの施設に搬送システムを施工する場合に、極力低減する様に要望されるものである。
【0005】
本発明の搬送システムは、防火ダンパに予めレールを一体に設けることで、容易に設置でき、騒音発生を低減することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の搬送システムは、予め防火ダンパに防火扉と2つのレールを一体に設けた構成として、防火区画壁に設置する様にしたものである。
予め防火ダンパとレールを一体にして製作すると、病院などの施設での設置の手間、時間を低減できる。
【0007】
また、予め防火ダンパとレールを一体にして製作すると、防火扉を開閉させるレール間の隙間を容易に一定値(均一化)にできるので、従来の様に病院などの施設への施工時に、隙間が狭くなったり広くなったりして騒音を発生させる原因を低減できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態における搬送システムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0009】
図1の搬送システム1は、防火ダンパ2、複数のレール3,7,8及びレール3,7,8上を走行する搬送キャリア4とで構成されている。
【0010】
防火ダンパ2は、ダンパ本体5の開閉機構(図示しない)で自動開閉させる防火扉6と、予め2本のレール7,8を一体にして製作されたものである。ダンパ本体5には防火扉6で開閉されるレール穴9が形成され、防火扉6に対峙する両側に取付ブラケット10,11が取付けられている。尚、レール穴9は搬送キャリア4の通過を可能とするのに十分な開口を有している。
【0011】
各レール7,8は、防火扉6を間で開閉自在に位置できる一定隙間t0を有して配置されており、レール7がレール穴9内から防火扉6に対峙して取付ブラケット10にボルト締め固定されている。又レール8は防火扉6を介してレール7に連続する様に取付ブラケット11にボルト締め固定されている。
【0012】
この様に、防火ダンパ2に予め2本のレール7,8を一体に設けると、病院などの施設で防火ダンパ2と各レール7,8とを別々に設置するに比して、防火扉6を開閉させるのに必要十分な一定隙間t0を、予めレール7,8間に形成できる。
【0013】
予めレール7,8が一体化された防火ダンパ2は、病院などの施設の天井裏を複数の防火区域Bに区画する防火区画壁12に設置される。その施設は、一方のレール7を防火区画壁12の通過口13を通して一方の防火区域Bに連続させ、他方のレール8を防火扉6から他方の防火区域Bに連続させ、且つ防火扉6で通過口13を開閉自在にできる様に防火区画壁12に取付けられる。尚、通過口13は搬送キャリア4の通過を可能とするのに十分な開口を有している。
【0014】
そして、防火ダンパ2の各レール7,8に連続する様に複数のレール3を位置させて、支持部材14で天井裏の天壁15に各レール3を支持する。尚、各レール3を天井裏の天壁15に支持した後に、防火ダンパ2を防火区画壁12に設置しても良い。
【0015】
防火ダンパ2と各レール3を設置すると、各レール7,8と各レール3とが連続して各防火区域Bに設置される状態となり、この各レール3,7,8で搬送キャリア4を走行自在に支持する。搬送キャリア4は、図2にも示す様に、各レール3,7,8上をガイドローラ16で走行する台車17を有し、各レール3,7,8のリニアモータの一次側(固定子)18に対峙してリニアモータの二次側(移動子)19が設けられている。又台車17には、二次側19と反対側に被搬送物(カルテ、X線写真など)を収納するコンテナ20が取付られている。
【0016】
この台車17は、リニアモータの一次側18と二次側19との間に発生する推力によって各レール3,7,8を走行して各防火区域Bを通して各ステーション間に被搬送物を搬送する。また、台車17が走行して防火ダンパ2に接近すると、図示しない制御装置(コンピュータ)が接近を検出して防火扉6を開くことで、台車17(コンテナ20)を防火区画壁12の通過口13に通過させる。そして、台車17が防火区画壁12の通過口13を通過すると、上記制御装置は防火扉6を閉じる。
【0017】
この様に、防火ダンパ2に、予め2つのレール7,8を一体に設ける構成として、防火区画壁12に設置する様にしたもので、病院などの施設に設置する以前の製造段階において、防火扉6の開閉自在とする一定隙間t0を容易に形成して各レール7,8を一体化でき、病院などの施設への施工の手間、時間を低減することができる。また、病院などの施設への施工前に、上記隙間t0を形成できるので、従来の様に、レール間の隙間の広狭によって発生する騒音を低減することも可能となる。
【0018】
【発明の効果】
本発明の搬送システムでは、病院などの施設の天井裏などに防火ダンパ、複数のレールなどを施工する際に、防火ダンパに防火扉を間に位置させて予め2つのレールを一体に設け、この防火ダンパを防火区画壁に設置する様にした。
これにより、防火ダンパの防火扉を開閉して各レールと、防火ダンパを別々に設置する必要がなくなり、病院などの施設への施工の手間と時間を短縮して、作業性の効率化を図れる。
【0019】
また、防火ダンパに2つのレールを一体に設ける構成とすると、病院などの施設への施工前に、製造工場などで防火扉を開閉するのに必要十分な一定隙間を容易に形成して各レールを防火ダンパに取付けできるので、施工のための作業性を向上でき、且つレール間の隙間の広狭による騒音発生を最小限に低減できる。
【0020】
この結果、静かな環境の要求される病院などの施設に採用しても、騒音の発生を最小限とできる搬送システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】搬送システムの構成を示す図である。
【図2】搬送システムの搬送キャリアを示す、図1のA−A矢視図である。
【図3】従来の搬送システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 搬送システム
2 防火ダンパ
3,7,8 レール
4 搬送キャリア
6 防火扉
12 防火区画壁
13 通過口

Claims (1)

  1. 被搬送物が搬送される空間を複数区域に区画するように形成されており、隣り合う2つの区域を連通させる通過口を有する防火区画壁と、
    前記通過口を挟んで対向配置され、それぞれが当該通過口から遠ざかる方向に延設された一対のレールと、
    前記防火区画壁の一方側に設けられ、前記通過口に連通するレール穴と、前記レール穴を開閉可能にする防火扉と、前記防火扉によって前記レール穴が閉鎖された際に当該防火扉が間に位置し、一方が前記通過口を貫通するように対向配置され、それぞれが前記一対のレールと連続するように接続された2つのレールとを有する防火ダンパと、
    前記各レール上を走行して、前記被搬送物を前記複数の区域間で搬送する搬送キャリアと、
    を有することを特徴とする搬送システム。
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